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2012.06.25

ETV特集「飯舘村 一年~人間と放射能の記録~」視聴後雑感。

◆NHK ETV 6月24日(日)放送分。番組HPより。

2011年5月、原発事故のもたらした放射能汚染によって全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村。

放射能は人々から、ふるさと、なりわい、共同体を奪った。暮らしを奪われた住民は、全村避難から1年を経過した今、

何を思い、これからどう生きていこうとしているのか。

避難直後、村は「2年での帰村」を掲げ、国に速やかな除染を求めた。

しかし、除染の効果的な手法は確立されておらず、本格的な除染の開始は2012年の夏以降にずれ込む見通しとなった。

一向に前進しない故郷の回復、長引く避難生活。住民はいらだちを募らせ、心身への負担も日に日に増している。

国による除染は本当に可能なのか、そして、いつ村は元に戻るのか。

放射能への科学的評価は定まらず、誰も明確な見通しを描けていない。

判断に資する確かな見通しがない中、人々は、それぞれの「生き方」をかけて、人生の選択にのぞんでいる。

先祖伝来の土地を守りたいと独自に除染を開始する者、別天地での農業に希望を見いだす者、将来を見通せず立ちすくむ者・・・。

放射能は、事故前に確かにあった未来を人々から奪っていった。

そして今、人々はその重荷を背負いながら、新たな未来を描こうともがき始めている。

番組は、原発事故直後から取材を続けてきた家族たちに密着。史上類を見ない大規模放射能汚染が人々に何をもたらし、

そこからどう立ち上がろうとしているのか。1年3か月に及ぶ長期定点取材で伝える。


◆コメント:本当は物凄く広く、汚染されている。

最初紛らわしいので、復習をするが、「ベクレル」と「シーベルト」は何が違うか。

ベクレル(Bq)というのは、一秒間あたりの放射性物質の崩壊数を表す。「放射能」そのもの。

シーベルト(Sv)は、放射性物質が崩壊した時に出てくるベータ線やガンマ線(放射線)が、人体に与えるダメージ(被曝量)の単位。


日本の法律では、1㎡あたり4万ベクレルを超える所は「放射線管理区域」と言って、

本来その中では水を飲んでも、物を食べてもいけないし、その区域に立ち入ることができるのは、

放射線・原子力の専門家である。放射線管理区域で来ていた実験着は、放射能管理区域の中に

捨ててこなければならないし、手を水や石鹸で洗っても汚染が取れないようなら、手の皮が少しぐらい溶けて剥けても、

強い薬で洗い落としてこなければ、放射能管理区域の外に出てはならない。

1平方メートル4万ベクレルを超える所は本来そういう管理をすべきであり、


それを厳密に適用するならば、福島県の東半分、宮城県南部と茨城県北部、

栃木県、群馬県の北部、新潟県、千葉県、埼玉県、東京都の一部は、

放射能管理区域にしていする、つまり本来そこに人が住むなど、とんでもない。

それほど汚染が広まっているそうだ(小出裕章著「図解 原発のウソ」)。


◆飯舘村の土壌汚染は、300万ベクレル。

小出裕章著「図解 原発のウソ」63ページの汚染地図を見ると、

福島第一原発から北西方向の汚染地帯の中でも特に飯舘村の土壌汚染はすさまじく、

300万ベクレル(4万ベクレルの75倍)「超」のセシウム(セシウム134と137の合計)が検出されている。

被曝量にすると、一般人の従来の年間被曝限度が1「ミリ」シーベルトで、原子力関係者、核物理学者など

「特殊な人々」でも年間20「ミリ」シーベルトを超えてはいけないと法律と規則で定められていて、

年間1ミリシーベルトを1時間にすると0.114マイクロシーベルト(マイクロシーベルトはミリシーベルトの1000分の1)だが、

飯舘村では、毎時なんと、19マイクロシーベルト(本来の限度の166.7倍)の線量となるのだから、

そんなところに、もしも「戻って良い」と国が言うなら、正気の沙汰と思えないどころか、

殆ど「殺人の未必の故意」がある、と言われても仕方が無い。


◆「除染」は「移染」である。

これも何度も書いたが、放射性物質を無毒化する技術を人間は持っていないのであるから、

高濃度汚染地域の表土をはぎ取ったとしても、その表面の土壌に含まれる放射性物質は

消える事がなく別の場所に移されるだけで、また別の場所で放射能を発し続けるだけだし、

そもそも畑の表面を全てはぎ取ってしまったら、畑でなくなってしまう。


国はそういうことをはっきり言わないので、放射能で汚染され、別の土地に避難している人達は、

当初「2年で帰村」と計画し、流石に今は2年は無理と分かっているが、「そのうちに」

故郷に帰村できると信じている。


はっきり、「もう当分、飯舘村は元に戻らない」「人は住めない」と

国が説明しないで、「なんとなく」誤魔化しているから、却って気の毒である。

高濃度汚染地域の人達には、国や東電が補償し、別に暮らせる土地を確保し、

故郷が恋しいのは当然だが、残念だがどうしようもない。

断っておくが、これは私が東京人だから無責任に書くのではない。

私の先祖は郡山である。父方の祖母は(放射線の問題から逸れるが)仙台出身である。

母方は山梨だが、私の血の半分は東北である。

何度も郡山の先祖代々の墓参をしたこともある。他人事ではないのである。

しかし、客観的事実を誰も書かないのは良くない。

本来ならばもっと頻繁に取り上げるべきだったかも知れないが、

何度も繰り返すように、人間は、いまだに放射能を無毒化することが出来ないので、

最終的には「取り返しが付かない事が起きてしまった」という結論になる。

それで、どうしても、書くのを躊躇ってしまう。

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