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2012.06.03

【音楽】パガニーニの予習というか、復習というか。

◆今週、3回目になりますけど

今週すでに、「パガニー二」が出てくる記事を2回書いています。

エリザベート王妃国際音楽コンクールのバイオリン部門で2位を受賞した、

成田達輝氏の記事の中で。

本選課題曲がパガニーニのヴァイオリン協奏曲第一番だったからです。

2012.05.28「バイオリン:成田さんが2位入賞…エリザベートコンクール」←良いニュースを大きく伝えましょうね。

2012.05.29 【音楽】エリザベート王妃国際音楽コンクールのサイトで成田達輝氏の本選全てを見て、聴けます。天才だと思います。

そして、今日で3回目、というわけです。

上の記事でも書きましたが、こう短期間に同じ作曲家に関わる音楽記事を3度も書くのは、

弊日記・ブログでは、かつて無かったことです。


◆パガニーニについては今までにも書きましたが、今一度。

今日の記事のタイトルは

パガニーニの予習というか、復習というか。

ですが、これはどういう意味かというと、エリザベート2位の成田氏の演奏は、

遅かれ早かれ、日本でも聴く機会がきっとあるでしょう。

今まで知らなかった方の為には「予習」です。


予習と云う言葉を使いましたが、音楽を聞くのは決して「お勉強」ではない。

しかし、パガニーニのヴァイオリン曲を全然知らないで、

いきなり、成田氏の演奏を聴いても、果たしてそれがどの程度のものか、

見当がつかない、と思うのです。


これからパガニーニが作曲した曲の演奏をいくつか載せますが、

その人達と比べて上手い下手とかいうことではなくて、まず、どんなものか知っておくと

いきなりパガニーニを聞くよりも面白いのではないか、と思います。


◆ウンチクを書くほど詳しい訳ではありませんが。

わたしは、パガニーニ研究家でもないし、自分でヴァイオリンを弾く訳でもないので、

以下は、知ったかぶりです。パガニーニに関する基本的なことはウィキペディアをどうぞ。


音楽というのは、技術的な難易度、つまり「難しさ」がその作品の、芸術的な価値と

相関関係にあるとは限りません。

演奏者にとっては「勉強になる」ものすごく高度なテクニックを必要とする曲でも、

聴く側には、全然、感動的でも面白くもない、むしろ退屈な音楽、が存在します。


しかし、ヴァイオリンで言えばパガニーニとか、ヴィエニャフスキ-などは、やはり作曲者の才能でしょうね。

高度な技術そのものが、芸術になっている、という気がします。あまり上手く言葉で表現できません。

本当は、このような作曲家の演奏は、音だけではなく、実際の演奏を「観る」と、一層感銘を受けます。

よくもまあ、ここまで難しい曲を書いた人間がいて、弾ける人間がいるものだ、と思います。

ピアノだったら、リスト(リストはパガニーニの演奏を聴いて音楽かになろう、と決心したのですね。

だから、リストのラ・カンパネラは、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番、第三楽章のテーマを使っています)や

ラフマニノフなどの、無茶苦茶難しい曲に、パガニーニのような「技術=芸術」を感じます。


私が上手く自分で表現できなかったことを、音楽ジャーナリストが書いてくれてます。

日本の新聞記者でまともにクラシックについて書ける唯一の人だと思いますが、

毎日新聞の音楽記者(今は文化部の音楽専門編集委員)の梅津時比古(うめづ ときひこ)氏が、

著書、「音をはこぶ風―クラシック談義」に書いています。

毎月一回、梅津氏が毎日新聞に書いているコラム「音のかなたへ」を本にしたものです。

随分前だとおもいますが、パガニーニについて。「音をはこぶ風」68ページから。

超絶技巧に込められたもの

パガニーニがヴァイオリン曲に刻み込んだ超絶技巧には、安易なものへの拒絶のにおいがする。

適当な技巧で美しく聞こえるような曲など望むな!弾けもしないのにツベコベ言う批評家もどきが多すぎる!と、たたきつけているよう。

実際、彼の曲を完璧なテクニックで弾かれると、黙らざるを得ない。ピチカート、フラジョレット、独自の運弓法などが輻湊(ふくそう)し、

ヴァイオリンの表現の幅を恐ろしいほどに広げている。(以下略)。

そういうことですね。

「音楽はテクニックではない。精神の問題だ」「心だ」「機械のような演奏が面白いのか」という人々に対して、

あたかも、
黙れ!そういうことは、上手く弾けるようになってから言え!

と、音楽でパガニーニが訴えているような迫力を感じます。


◆【音楽】カプリース第24番、無窮動。ヴァイオリン協奏曲第1番より。

パガニーニは無伴奏ヴァイオリンの為の「24のカプリース」という曲集をかいています。

どれもこれも、演奏を聴いて、観ているだけで、目が回りそうな難しさ。

それが24曲もあるのですが、最後の24番。変奏曲になっていますが冒頭の主題が

何故か色々な作曲家のインスピレーションを刺激するらしく、ラフマニノフを始め、色々な他の作曲家が

この主題を元に作曲していることでも有名です。

音源は、私の好きな、カナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネスです。

「カプリース」は1995年2009年、2回録音してます。

私は2009年を持ってます、


◆パガニーニ:24のカプリース Op. 1より第24曲



No. 24 in A minor: Tema quasi presto - 11 Variations - Finale



次は「無窮動」という曲で、カプリースとか、後でご紹介するコンチェルトのような、

左手ピチカートとか、オクターブの重音とか、フラジオレットとか難しい技術はないのですが、

とにかく16分音符で、一体、いつまで弾かせるんだ、というぐらい延々と続く曲です。

音質が悪くてすいませんが、今、ドミトリー・シトコヴェツキー(1954-)というヴァイオリニストがいるのですが、

その親父さんで、ロシアのヴァイオリニスト、ユリアン・シトコヴェツキー(1925-1958)の演奏です。

音源は、Art of Yulian4。上手いです。


◆パガニーニ:無窮動 ハ長調 Op.11/MS72


Moto perpetuo, Op. 11, MS 72



最後に、エリザベート・コンクールで成田達輝氏が本選で演奏し、大変な名演だった、

ヴァイオリン協奏曲を聴いて頂きます。

上手いし美人で有名なアメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンのCD。

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ヒラリー・ハーンが引用元です。

全曲だと長すぎるから第三楽章だけ。


◆パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 第三楽章


Paganini: Violin Concerto #1 In D, Op. 6 - 3. Rondo: Allegro Spiritoso



こういう曲の名演は、本当に興奮します。

パガニーニ先生で感心するのは、伴奏のオーケストラの書き方が上手いことです。

ヴァイオリン・ソロは、絶対に埋もれないようにしながら、オケは結構大編成で、オーケストラだけが

弾く所はかなり分厚い響きがするのです。それが曲全体の印象を壮大にしています。


同じ事を繰り返しますが、音楽=技術ではなく、バッハやモーツァルトのヴァイオリン協奏曲も

ベートーヴェンもメンデルスゾーンも、チャイコフスキーもブラームスもシベリウスも

どの作曲家のヴァイオリン協奏曲も優劣を付けがたいですが、

パガニーニはパガニーニで、彼がこの世に現れなかったら、ヴァイオリンってこれほど難しい

技術が開発されなかったかもしれない。その意味でやはり大変貴重な作曲家だし、作品だと思います。

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