「政府 デフレ脱却対策まとめる」←個人消費を増やすことが肝心です。
◆記事:政府 デフレ脱却対策まとめる(NHK 7月10日 19時3分)
政府は、日本経済がデフレから脱却するためには、「潜在的な需要の掘り起こし」が欠かせないとして、
住宅の耐震化を促進することや医療・介護分野でのビジネスの拡大に向け規制緩和を進めることなど、
当面の対策をまとめました。
これは10日、関係閣僚や日銀の白川総裁らが出席して総理大臣官邸で開かれた
政府の対策会議でまとまりました。それによりますと、デフレからの脱却には、
潜在的な国内需要を掘り起こして需要と供給のギャップの解消につなげることが欠かせないとしたうえで、
来年度までに政府が実施すべき対策を挙げています。
この中では、住宅や商業施設の耐震化や省エネ化をさらに促して企業の投資を活発にさせることや、
医療や介護の分野でビジネスの機会を拡大するため、法改正や規制緩和を進めることを盛り込んでいます。
さらに、企業の海外展開の支援や若者の雇用環境の改善などを通じて、
国民の所得を増やし消費の拡大につなげることで、デフレに陥っている日本経済を
緩やかなインフレに導くとしています。
政府は、これらの対策を来年度予算案に反映させるとともに、
効果を挙げているかどうか定期的に点検していくことにしています。
デフレ対策がまとまったことについて、古川経済財政担当大臣は記者会見で、
「長年の課題であるデフレ脱却を確実なものとするため、金融政策と同時に、
政府として、規制改革や予算措置、税制措置、そうした政策手段を総動員して行っていく」と述べました。
◆コメント:総需要を増やす為には、家計の可処分所得を増やすのだ。
私は、今まで、何度も書きましたが、政府はデフレが続いているのを日本銀行のせいにしようとしていますが、
これは、政治家の狡い責任転嫁であって、日銀は殆どゼロ金利をずっと続けているのです。
ゼロ金利が続くということは、最終的な負担は家計に及ぶのです。
ゼロ金利なんて、本来異常でして、逆にこれは極端に高かった時期ですけども今から22年前、
1990年の銀行預金金利を見ると、1年満期の定期預金金利は6.08%、そして普通預金ですら、2.08%だったのです。
仮に、100万円を1年満期の定期預金にすると1年後には、106万円に増えていたし、普通預金ですら102万円に増えたのです。
今の0.0・・・パーセントなんて、金利じゃありません。
景気が低迷して、政治家が日銀何とかしろといって(本当は、中央銀行の独立性に鑑み、言ってはいけないのですが)、
仕方が無いから、日本銀行はほぼゼロ金利政策を続けてますが、それによって、家計は本来得られたはずの金利収入を
得られていない。「得べかりし利益の喪失」です。
ゼロ金利を続けても、日銀が金融市場に資金を供給しても一向に景気は改善せず、物価の下落(デフレ)はとまりません。
中学か高校で経済学のイロハのイ、アダム・スミスが提唱した「需要と供給の原理」を覚えていませんか?
重要と供給がバランスするところで物価が決まるそれは「神の見えざる手によって導かれている」と。
神様は、この際どうでもよくて、物価が下がり続けるのは、需要がないからです。
それを政府も認めていて、だから「潜在的な需要の掘り起こし」などと、
まだるっこしいことを言ってますが、
「住宅や商業施設の耐震化や省エネ化をさらに促す」っていったって、そのおカネが無いのですよ。
給料が減ってるし、企業は儲からないのですから。
また、医療は介護のビジネスっていったって、医療サービスや介護サービスを受ける人ってのは、
病人とか、介護を必要とする人で、本人が元々お金持ちであるとか、家族がお金持ちならいいですが、
本来、病人とか要介護者は、健康な人よりも経済的には厳しい状況にあるのですから、潜在的な需要を掘り起こしたいなら、
政府がそのおカネを肩代わりする、つまり財政支出を増やすというところまで言わないと意味がない。
個人消費。家計の消費はGDP(国内総生産)の約60%を占めるのです。
それなのに消費税を増税したら、余計おカネを使わなくなるのは目に見えています。
だから、私は、野田政権は、バカだってんです。
逆に暫定税率で景気が良くなるまで所得税法人税を減税して、家計や企業が使えるお金を増やさないと、
いつまで経ってもデフレです。
目の付け所が悪いのです。
例えば、「エコカー補助金」。もうすぐなくなるそうです。
◆記事:終了前倒しに注意を=エコカー補助金で―経産省(時事通信 7月6日(金)19時39分配信)
経済産業省は6日、自家用車のエコカー補助金について、予算額を超えることが判明した時点で申請受け付けを終了すると発表した。申請期限の来年2月を待たずに予算額を使い切る可能性が高いため、改めて注意を呼び掛けた。
4日までの受付額は1907億円で、予算は残り840億円。直近1週間(6月28日~7月4日)の申請は125億円で、このペースが続けば8月中に終わる公算が大きい。
補助額は軽自動車が7万円、軽以外の乗用車が10万円。
補助金残額はホームページで見られる。アドレスは (http://www.cev―pc.or.jp/ECO/index.htm)。
問い合わせ先は(0570)003053。
でエコカー補助金のサイトで申請状況を見ることができます。
エコカー補助金予算額は、2747億円です。たったの。
平成24年度の日本国の一般会計予算が、約90兆円です。エコカー補助金が占める割合は、約0.3%です。
しかし、エコカー補助金は、非常に好評です。
今は、クルマはなかなか売れないから、珍しい車種ではなくても、注文してから納車まで3ヶ月ぐらいかかるとのことです。
企業にとって、在庫というのはコストですから、抱えたくない。注文を受けてから作る、オン・デマンド生産とでもいいましょうか。
しかし、エコカーを買いたい人が現実に予想以上にいたから、予想よりも早く、エコカー補助金予算を使い切ってしまうかもしれない、
というのが、時事通信の記事の意味することです。
こういう所に注目すればいいのです。これは「潜在的な需要」ではなくて、目に見える、いわば「顕在的需要」です。
そこに需要があることは明らかなのですから、こういう所に予算をもっと投入すればいいでしょう。
クルマが売れれば、御存知のとおり、クルマというのは多種多様な下請け産業にも仕事が回ってくるわけですから、
全体的に景気を押し上げます。単価も何だかんだで100万円ぐらいで、ちょうどいいでしょ?
今の日本政府は、わざわざデフレ不況を長引かせたいのではないか、と皮肉を言いたくなります。
全然、センスがありません。
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