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2012.10.20

「誤って逮捕されたのに犯行を認めた人がいるのはなぜか。」←謝罪すれば済む話ではない。

◆記事:誤って逮捕されたのに犯行を認めた人がいるのはなぜか。(日経 10月19日付「春秋」)

「睡眠と記憶は脳のなかの別々の神経回路がコントロールしている」。

ショウジョウバエを使った実験で熊本大学の研究チームがそんな事実を突きとめた。そう報じる小さな記事に夢想が広がった。

「睡眠学習に道を開く」という成果は、どうやらこういうことらしい。


▼目を開けてもつぶっても音は聞こえる。同じように、目覚めていようが眠っていようが記憶の能力に変わりはない。

だから、脳のある部分に情報を入力してやれば眠っているのに眠りを妨げられることなくものを覚えられる……。

もちろん、一夜明けると知らぬ間に博識になっていた、などというのは遠い将来の話だろう。


▼しかし、知らぬ間に犯人になっていた、というのは現実の問題である。

犯罪予告が発信されたパソコンの持ち主4人に誤認逮捕だった可能性が高まり、警察庁長官が謝罪を検討していると語ったという。

持ち主が気づかぬまま姿の見えぬ何者かがパソコンを遠隔操作する。巧妙な手口に警察がついていけていない感がある。



▼まず憎むべきは捜査をあざ笑うかのような犯行声明を送ってきた真犯人だ。その鼻っ柱をへし折ってやらねばならぬが、

もうひとつ、誤って逮捕されたのに犯行を認めた人がいるのはなぜか。

その理由も警察には明らかにしてもらわねばならない。

まさか、眠っている間に記憶に犯行を刷り込まれたわけではないのだから。(注:色文字は引用者による)


◆コメント:自白の強要は、国家権力の濫用の最たるもので、絶対に許されない。

全国紙のコラム、天声人語(朝日新聞)、余録(毎日新聞)、編集手帳(読売新聞)、春秋(日本経済新聞)、

は、誰でも知っている。私見では、概して日経の「春秋」が最も落ちついていて、公平で、大人の分別がある。

本日の「春秋」の中で、青文字で強調した部分が、本件の最も重大かつ深刻な問題を端的にしてきしている。


誤認逮捕された4人のうち、すくなくとも2人は、実際には行っていない「犯行を自白」している。


大多数の国民は、警察の「取り調べ」など経験しないまま、一生を終える。

警察の狭い取調室に拘束されただけで、異常な状況に、冷静でいられなくなるのは、想像に難くない。

本人が否定し続けているのに、回りから取り囲み、「やっただろう」と執拗に繰り返せば、

物理的な拷問がなくても、あまりの精神的苦痛から解放されるために、半ばやけくそで、

やりました。

と一回認めたら、それを調書に記録されてしまう。


冤罪の中でも最もひどかったのが、松本サリン事件に於ける、河野さんのケースである。


このときには、警察のみならず、大手メディア各社は、自らウラをとらずに警察発表をそのまま「真実」として

報道し続けた。


冤罪が明らかになった後、当時の国家公安委員長・野中広務氏は、河野さんの居所を

自ら訪れ、謝罪した。当然である。しかし、河野さんを犯人と決めつけた警察に同庁したマスコミは

紙面に謝罪広告を載せたが、河野さんのところに謝りに行った、新聞社、テレビ局の社長はいない。


今回は、なんと4人も冤罪の犠牲となった。


なのに、警察庁長官が、謝罪を「検討し」ているとはなんだ。

各府県警本部の謝罪で終わらせるつもりに見えるが、謝って済む話ではない。

虚偽の自白を強要する、または、そうせざるを得ないように仕向けるのは、

国家権力の濫用の最たるもので、本来、絶対にあってはならないことである。

それ自体が「犯罪」である。


謝罪を「検討する」余地などない。警察庁長官と国家公安委員長は

4人の誤認逮捕被害者を訪ね、謝罪し、その後責任を取って辞任するべきである。

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