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2012.10.05

「物価1%上昇、14年度達成は困難 日銀総裁が見通し」←物価を上昇させるのは、日銀の仕事ではありません。

◆記事:物価1%上昇、14年度達成は困難 日銀総裁が見通し(朝日新聞デジタル 10月5日(金)21時59分配信)

日本銀行の白川方明(まさあき)総裁は5日の記者会見で、デフレ脱却に向けて、

日銀が目標に掲げる「1%の物価上昇」の早期達成は難しいとの見方を示した。

これまでは、消費増税が予定されている2014年度にも達成できるとしていたが、

欧州危機などで国内景気は足踏みしており、目標の実現は厳しい状況だ。

日銀は、この日の金融政策決定会合で、金融政策の「現状維持」を決めた。その後の記者会見で、

白川総裁は「9月に景気シナリオを明確に下方修正し、物価も(今後)下方修正することになる」と述べ、

「14年度を含めた遠くない時期に1%に達する」としていた従来の見通しを修正した。

日銀は30日の決定会合で12~14年度の経済見通しを示す。7月時点では12年度の物価上昇率は0.2%、

13年度は0.7%としていたが、これらを下方修正するのに加え、

14年度の物価見通しも消費税の増税分を除けば0%台の上昇にとどまる可能性が強まった。


◆コメント:物価を上昇しないのは、需要がないからでそれは日銀の責任ではないのです。

この話題は、何度繰り返したかわかりませんが、

私のごとき一般人のブログを読んでおられる方は世の中のごく一部で、

今日、初めて読んで下さる方も大勢いらっしゃいますから、繰り返します。


日銀など中央銀行の仕事は、本来物価に関して言えば、物価が上昇しすぎるインフレーションの際に

政策金利を引き上げ、金融市場に流通する資金を調整するなどして、物価を安定させることです。


現在の日本は、物価の下落が続くデフレです。このデフレ対策を日銀に押しつけようとしているのが

政府与党ですが、狡いと思います。本来それは日銀の仕事ではありません。


昨日(4日)と今日、1ヶ月に一回行われる、日銀の金融政策決定会合が開かれ、

新聞には「追加的緩和期待」がマーケットに存在した、といいますが、

そもそも、政策金利は殆ど限りなくゼロに近いのですから、引き下げようがありません。

日銀が昨年から行っているのは、金融市場に資金を供給するために、市場に流通している長期国債などを

「資産買入基金」という勘定で買い取ることです。買い取るということは対価としておカネを払うのですから、

市場に資金を供給することになります。金利ではなく量的な金融緩和の一手段です。

「資産買い取り基金」の限度額を、昨年から段々増やしていますが、一向にデフレはとまりません。


ちょうど一週間前、9月28日に8月の全国消費者物価指数が発表されましたが、前年同月比マイナス0.3%。

4ヶ月連続の前年同月比マイナスです。

これが、2007年からの全国消費者物価指数の推移です。

Cpijapansince2007


ご覧のとおり、とくに2009年以降、右から二列目の「前年同月比」はずっと▲、つまり

マイナスです。日銀が「資産買い取り基金」を創設したのは2010年10月ですが、その後も、まれに

前年同月比プラスが続いたことはありますが、全体のトレンド(傾向)を見ると明らかに物価の下落は

止まっていない。物価の下落が止まらないということは、商品を作っている会社のもうけが減るということです。

すると会社は、経費を節減するために最大の経費=人件費=従業員の給与を減らします。少なくとも増やしません。

家計の財布のヒモは堅くなりますが、GDP(国内総生産)の3分の2は個人消費なのですから、それではますます

経済活動が停滞、または縮小し、需要と供給の関係で、物価はさらに下落し、企業はさらに儲からず、

従業員の給料は更に減る。可処分所得が増えなければ、おカネを使おうという気になりませんが、

そういうときに、野田政権は消費税増税などを決定してしまったので、余計、将来はモノやサービスが売れなくなるだろうから、

企業は、おカネを借りるなどして設備投資をして、生産を拡大しようとしません。


キリがありませんが、このような「負の連鎖」がずっと続いています。


◆白川総裁は、「これは日銀ではどうしようもない」と言うべきです。

白川総裁は、「物価1%上昇目標達成困難」といっていますが、それはそうでしょう。日銀が

いくら金利を下げても、資金を市場に供給しても、それは「供給」が増えるばかりで、経済は総需要を喚起しないかぎり

活性化しません。それは日銀の仕事ではない、とはっきり言うべきです。

野田政権も何政権も皆経済音痴ですが、景気を良くしたいなら、主な手段は2つ。

政府が財政出動、つまり国の予算で色々と事業を興して、民間企業に注文をだす。

或いは、企業は従業員の給料を上げるわけがないのですから、家計の可処分所得を増やす為に、思い切って減税する。

使えるお金が増えなければいつまでたっても、文字通り「景気が悪い」ままです。

一時的に国家の収支のバランスが悪化しても景気がひじょうによくなれば、所得税や法人税収入が増えるでしょう。

おカネを皆が使わない状態のまま、消費税などを引き上げたら、余計の皆がおカネを使わなくなることは、

火を見るより明らかです。

日銀や各国が「インフレターゲット」というとき、それは本来、経済活動が活発すぎて物価の急激な上昇の

危険があるとき、例えば、放っておいたら、前年比2%の物価上昇率になってしまいそうなのを、

1%におさえることを目標とする。

それが、本来の「インフレターゲット」という概念です。

繰り返しますが、日銀は日本経済の資金の量は調整できてもそのおカネを使おうというモチベーション、すなわち

需要を引き出すことはできません。

それは、政府の仕事なのです。

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