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2013.04.05

「国債保有を2年で倍増へ=マネー量、年60兆~70兆円増加―日銀」←目新しいというほどのことでは、ありません。

◆記事:国債保有を2年で倍増へ=マネー量、年60兆~70兆円増加―日銀(時事通信 4月4日(木)13時54分配信)

日銀は4日の金融政策決定会合で、マネー量と長期国債などの保有額を

2年で倍増させる「量的・質的金融緩和」の導入を決めた。

日銀の追加緩和は今年1月以来3カ月ぶり。3月に就任した黒田東彦総裁になって初の同会合で、第1弾の緩和策を打ち出した。

2%の物価目標は、2年での達成を明記した。

声明では、金融調節の操作目標を、無担保コール翌日物レートから現金と日銀の当座預金残高を合わせたマネタリーベースに変更し、

年間60兆~70兆円増加させる。さらに、長期国債の保有残高が年間約50兆円増加するペースで買い入れを実施。

買い入れ対象は、これまでの3年以内から40年債を含むすべての年限の国債を対象とする。

毎月の長期国債の買い入れ額は7兆円強となる。2013年末のマネタリーベースは200兆円、14年末は270兆円となる見通し。

また、株価指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J―REIT)はそれぞれ

年間1兆円、同約300億円に相当するペースで増加させる。

日銀の国債保有額に上限を設けている「銀行券ルール」は一時停止する。


◆コメント:通貨供給量を増やしてもそれが設備投資などに使われ、総需要が増えないとデフレはとまりません。

マスコミ各社の報道を見たり読んだりすると、黒田新日銀総裁の下で、まるっきり新しい金融政策が

実行されるかのような錯覚に陥りそうになりますが、


基本的な原理は前任者白川総裁のときと同じです。

日銀が金融市場で国債を買い取る。買い取るのですから、その代金を支払う。

そのおカネが倍になるぐらい、思い切りやれば、デフレから脱却できるだろう、

というのです。

今日の株式市場は、それだけ、新・日銀総裁が力説するなら、きっとそうなるのだろう

という「期待感」で買われているだけです。

当たり前です。今日金融政策決定会合があったからといって、瞬間的に物価が上がり始める訳は無い。


かねて、何度も書いている通り、私はこのやり方は小手先の手法だとおもいます。


◆日銀当座が過去最高水準ということは、企業が銀行からおカネを借りていないのです。

今の用語は分かりにくいのです。マネタリーベースって何だかわかりません。

以前は、マネーサプライ(通貨供給量)といったものです。

マネタリーベースは増えているようですが、数日前の記事。

◆記事:日銀当座預金残高、過去最大=長短金利は低下(時事通信 3月29日(金)21時0分配信)

日銀は29日、民間の金融機関が資金決済などのために日銀に預けている当座預金残高が

前日比3900億円増の58兆1300億円(速報値)と発表した。日銀の資金供給などが増加の要因。

残高は21日以降、7営業日連続で過去最大を更新して2012年度を終えた。

日銀当座というのは市中銀行(東京三菱とか三井住友等々)が、余ったおカネをあずけておく、日銀の口座です。

景気が良ければ、事業法人(普通のメーカーなど)の設備投資意欲が旺盛なので、銀行からおカネを借りて、

工場などを建てるので、銀行からは融資のため、おカネがどんどん出て行き、日銀当座残高はすくなくなるのです。

それが正反対で、日銀当座残高が過去最高だということは、全く企業が経済活動を拡大しようとしていない、

ということです。


本来、デフレから脱却する、つまり物価が上昇をはじめるのは、景気が良くて企業がもうかり、

従業員の給料が増え、家計の可処分所得が増え、財布の紐が緩み、いろいろなモノやサービスを

買おうとする、すると需要と供給の関係で、需要の方が供給よりも多くなると、物価上がり始めます。

これが、本当に「デフレからの脱却」です。


黒田新日銀総裁のやっていることは、前任者白川総裁が既に始めていたことの規模を拡大した

ということです。色々いっていますが、本質はそういうことです。

通貨供給量だけ2倍に増やしても、総需要を増やす政策を政府がとらないと、

つまり、モノを買う人が増えなければ、デフレは止まりません。

そうなのですが、黒田総裁は、思い切り通貨供給量を増やせばインフレになるのだ

という論理の人なのです。私はその考え方自体に無理があるとおもうのですが、

百歩譲って、通貨供給量を増やして無理矢理にインフレを発生させても、実体経済が

拡大していなければ、家計の所得は増えない。収入が増えていないのに物価は上がる。

物価が上がれば長期金利が上がる。変動金利で、様々なローンを組んでいる人は金利が上がった分

返済がしんどくなります。


繰り返します。

今の黒田日銀総裁、安倍首相のやり方では実体経済が好転しないのに、とにかく

無理矢理にでもデフレ(物価が下落し続ける状態)を止めたい、という政策で

本来的な目標(景気を良くすること)を二の次にしています。


今日(4月4日)、日経平均株価が終値で、前日比272円高になったのは、

これだけ、黒田総裁が力説するからには、通貨供給を増やすことにより、

デフレから脱却できて、企業の業績もよくなるのだろう

という「期待感」だけで上昇したのです。今日、日銀の金融政策決定会合で大胆な金融緩和策が

発表されたからといって、瞬間的に経済の実体が改善を示すということはありません。

そもそも、景気動向というのは、何ヶ月もの時間、経済を観察して初めて判断することです。

私は、物価だけを無理矢理上げる、金融政策というのは、却って国民生活を圧迫し、

最終的には、不況を長引かせるだけだと思います。

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