« 「閉鎖病棟」の原理。世間との接触を断つメリット。 | トップページ | 【未確認情報】福島第一原発の事故後、国会議員が家族を避難させていた、とタクシーの運転士さんが言ってました。 »

2013.06.05

「5月のマネタリーベース159兆円、異次元緩和で過去最高更新=日銀」←日銀当座預金残高が増えただけです。

◆記事:5月のマネタリーベース159兆円、異次元緩和で過去最高更新=日銀(ロイター 2013/6/4 09:19)

日銀が4日発表した、市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計である

マネタリーベース(資金供給量)の5月末残高が159兆1641億円と前月比で3兆8838億円増加し、

3カ月連続で過去最高を更新した。4月4日の異次元緩和導入以降、

日銀が約15兆円と大量の国債を買い入れたため、当座預金残高が大幅に増えた。

5月の月中平均残高も154兆1412億円と前年同月比で31.6%と大幅に伸び過去最高となった。

月中平均残高の内訳は、当座預金が同108.1%増(約2倍)の66兆3050億円、

準備預金は同117.0%増(約2.2倍)の59兆5926億円。

紙幣(銀行券)は同3.1%増の83兆2813億円、貨幣は同0.9%増の4兆5549億円だった。


◆コメント:いくら、日銀が資金を市場に供給しても、銀行が日銀当座に預けているようではどうしようもないのです。

ロイターだけではないですが、メディアが国家権力に迎合するようでは、いけません。

なんだか、見出しだけを読むと、日本銀行の今までにはない、新しい金融緩和のお陰で、あたかもなにか「良いこと」が起きているかのようです。

しかし、その認識は誤りです。通貨供給量が増えたといっても、上の記事の中で私が色太文字で強調した部分をご覧下さい。

(日銀)当座預金の残高が大幅に増えた。

日銀当座は、市中銀行(3メガとか地方銀行とか)が日銀に持っている当座預金口座です。

これが増えているということは、景気が好転していないことを意味します。


景気の先行きが、どこからどう見ても、上昇基調で、色々な会社が、製品を増産するために

新しく、工場を建てる、機械を買う、など「設備投資」を計画し、それが本気ならば、手許の資金では

普通足りませんから、銀行からおカネを借りるわけです。借金して工場をたてたり、機械を買ったりしても、

製品が売れて、儲かることが十分に期待できるから、借りるのです。


こういう流れが普遍的になると、銀行は、おカネを貸すのですから、手許に資金を置いておかなければなりません。

したがって、むしろ、日銀当座預金残高は減るはずなのです。


誰も借りにこないから、おカネが余ってしまうから日銀当座に預けているのです。

日銀当座が「過去最高」って、過去最高ならいいというものではない、ということが

何となくお分かり頂けたでしょうか?


◆安倍首相や黒田日銀総裁の論理は原因と結果が逆です。

安倍さんは、とにかく日銀にイエスマンをもってきて、「どんどん、市場に資金を入れろ」というのです。

そうすれば「デフレから脱却し」て経済が活力を取り戻すというのですが、逆です。


まず、景気がよくなり、モノやサービスが売れ、企業の収益が増え、その結果儲けを社員の給料にある程度

還元できるようになる。


つまり、家計所得が増え、GDP(国内総生産)の3分の2を占める個人消費が増える。

ものが飛ぶように売れる。需要が供給を上回り、段々物価があがる。結果としてデフレから抜け出す。

これが王道です。安倍さんたちは、金融政策だけで景気を良くすることが出来る、とは流石に言わず、

だから三本の矢とかいって、公共投資を発注して、需要を創出するようなことをいいますが、

それは、土木工事とか建設会社ばかりが儲かるのであって、国民全体は儲かりません。不公平です。


市場に資金を注入しても最終需要が増えなければ、デフレは止まらない。

ですから、私は、何度書いたか分かりませんが、

暫定的にでも、所得税、住民税、消費税を「減税し」て、国民が使えるお金を増やすのです。

実体経済の活性化を同時に進めず、金融政策だけで景気が良くなりそうだ、という「期待感」から買われていた

株は、暴落しました。実際の経済活動。景気が好転していないのに、つまり何の裏付けもないのに、

株ばかりが連日、「5年4ヶ月ぶりの高値」などというのは、バブル以外のなにものでもありません。

後付けではありません。過去のブログ記事からいくつか。

2013.05.09 株価が上昇を続けて、メディアが仕切りに煽りますが。

2013.04.26 「日経平均大引け、続伸 4年10カ月ぶり1万3900円台を回復」←バブルですね。

2013.03.12 アベノミクスといっても何も新しいことはありません。

日銀による、実質的な量的緩和。資金を市場に供給し続ければ、デフレはとまる、

と、安倍首相は盛んに強調しますが、それは、前任の白川日銀総裁

のころから散々やってきたことで、その資金供給の規模や手法を一層拡大しようというのが

「アベノミクス」の一端です。「ミクス」を付けるほどではない、

ということに気がつくべきです。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

|

« 「閉鎖病棟」の原理。世間との接触を断つメリット。 | トップページ | 【未確認情報】福島第一原発の事故後、国会議員が家族を避難させていた、とタクシーの運転士さんが言ってました。 »

デフレ」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

マスコミ批評」カテゴリの記事

安倍晋三自民党総裁批判」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

金融政策」カテゴリの記事