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2013.08.30

「シリア化学兵器で新証拠公表へ=米」←たとえ、それが本当でも米国が勝手に武力行使をすることは違法です。

◆記事:シリア化学兵器で新証拠公表へ=米(時事通信 8月30日(金)23時52分配信)

米国務省は30日、ケリー国務長官が同日午後0時半(日本時間31日午前1時半)にシリア情勢に関して声明を出すと発表した。

シリア・アサド政権の化学兵器使用をめぐる新たな証拠を公表するとみられる。


◆コメント:2003年のイラク戦争のときにもアメリカは証拠がある、と断言し、後で「あれはウソ」と言ったのです。

シリアが、化学兵器を保っていようがいまいが、それは米国が単独で軍事行動を起こす正当化事由になりません。

2003年3月20日にアメリカは、「イラクが大量破壊兵器を所有している確証がある。これを放置すれば、大量破壊兵器が

イスラム・テロの手に渡り、米国は明日にでも2001年9月11日のようなテロ攻撃を受けるかも知れない」といい、

国連決議がないのに武力行使、はっきり言って、「因縁をつけ」て戦争を始めたのです。

しかし、それは全く見当違いです。英国議会が英国の武力行使を否決しましたが、あれは立派なのではない。

国際法を考えたら当たり前なのです。


◆国連憲章と日本国憲法は非常に似ていて、武力の行使は原則として違法です。

国連憲章を日本語に訳したサイトが幾つもあります。ご自分で検索して頂きたいですが、

例えば、こちらにリンクさせて頂きます。

国際連合憲章

こう書いてあります。
第1条 「目的」

国際連合の目的は、次の通りである。

1.国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

第2条〔原則〕

3.すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

4.すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない

そして、「原則」に対して「例外」は第7章「平和に対する脅威」なのですが、これも先制攻撃は許していません。

能動的に武力を使用するのは国連安全保障理事会が平和維持軍か多国籍軍の派遣を決めた時なのです。

受動的に防衛的に武力を行使して構わんと言うことは51条に書かれていますが、集団的自衛権はアメリカとラテンアメリカ諸国があとから

無理矢理、追加させたのです。
第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動

第51条〔自衛権〕

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

7章全部を逐条的に(1条ずつ)説明しませんが、国際社会の平和に対する脅威にはまず、経済制裁など、

「非軍事的措置」をとり、それでも国連の勧告に従わない場合は、国連の決議に基づいて多国籍軍なり平和維持軍を送ります。

その典型は1991年、イラクがクウェートに攻め込んだことに対して多国籍軍を派遣した「湾岸戦争」です。

国連の決議がなくても武力を用いて良いと定めているのが51条ですが、自衛権。国際法と国内法を一緒にしてはいけないのですが、

敢えて分かり易いように述べるならば、日本の刑法で正当防衛が「違法性阻却事由」になっているようなものです。

国連加盟国は全て国連憲章に従わなければなりません。

国連憲章を全部読んでも、「アメリカ合衆国は例外で、好きな時に好きなところで、好きなだけ武力を行使して良い」などと

書いてありません。他所の国が大量破壊兵器や化学兵器を保有している証拠をアメリカは、握っているそうですが、

それも武力行使を正当化しません。大量破壊兵器を持っている国を攻撃して良いというのなら、世界で一番核兵器やらなにやら

保有しているのはアメリカ合衆国自身なんですから、世界中の他の国々が、アメリカを袋だたきにしても構わないことになるはずです。


そして、アメリカは、平気でウソをつきます。イラク戦争のときにも、当時のパウエル国務長官が、

「アメリカはイラクが大量破壊兵器を保有している確証を得ている。」と言いましたが、

数ヶ月後、ラムズフェルド国防長官が「あれはウソだった」と言いました。私は激怒して記事を書いたのを覚えてます。
2003年07月11日(金)「決定的証拠ないまま開戦 イラク戦争、米国防長官が証言」ふざけんじゃねえぞ、この野郎。

証拠があってもなくても、国連憲章に反して戦争を始めたこと自体、アメリカのアホのブッシュの暴挙ですが、

恥ずかしいことに、こんな簡単なことも分からず、無条件にアメリカの武力行使を世界で一番早く支持したのが小泉純一郎のバカです。

小泉がさらに開いた口が塞がらないのは、後に「大量破壊兵器の証拠はウソだった」ことが明らかになった後も

「あの時、アメリカを支持したのは正しかったと今でも思っている」と言い続けたことです。こういうバカを首相に選んでから、

日本はガタガタになりはじめたのです。日本人の殆どは、イラク戦争開戦のいきさつなど忘れていると思います。

しかし、イギリス議会がシリアへの武力行使を否決したのは、イラク戦争のときの「アメリカの嘘を」覚えていたことが一因だ、と報道にありました。

日本人は、今度こそ、もしアメリカが勝手に武力行使を宣言し、実行し、それを安倍首相が「支持し」たら、何も分かっていないし、

過去の経験から学んでいないバカであることを認識しなければなりません。

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