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2014.09.01

「道交法改正、環状交差点スタート 全国15カ所、新標識も」←イギリスなどで「ラウンドアバウト」といいますが、却って混乱すると思います。

◆道交法改正、環状交差点スタート 全国15カ所、新標識も(共同通信 2014/09/01 12:14)

信号機がなく、渋滞や重大事故が起きにくいとされる円形の交差点「ラウンドアバウト」を「環状交差点」と名付け、

通行ルールを定めた改正道交法が1日に施行され、大阪など7都府県の15カ所に適用された。

災害で停電しても混乱が少なくなると見込まれている。宮城県の19カ所は標識の準備が間に合わず、

同日の運用を見送った。準備が整い次第始める予定。さらに本年度中に7県の15カ所が加わる予定だ。

1日は、新しい標識も設置され、堺市東区の交差点では警察官らが、イラスト入りのチラシを配ってドライバーに注意を呼び掛けた。


◆コメント:そんなに簡単じゃないのです。イギリスで経験済です。

ロンドンに赴任する日本企業駐在員は、向こうに行くと、まず、先輩にこのラウンドアバウトの通り方を教えて貰います。

大英連邦諸国は、日本と同じ左側通行(右ハンドル)なので、比較的直ぐになれますが、それでもラウンドアバウトはちょっと

慣れるまでに時間がかかります。


しかも。

ここが大きな違いですが、イギリスでは、住宅街でもハイドパークとかピカデリーサーカスとかデカイところも

大雑把にいうと、そこらじゅう、全部がラウンドアバウトだから、嫌でも、クルマに乗れば、何百回も練習出来ますが、

今日日本で施行されたラウンドアバウトは、なんと全国でたった15カ所。こんなことで「災害で停電して信号が使えなくても混乱しない」って

どういう、理屈でしょうか? 日本中をラウンドアバウトにする(その為には全部交差点を改造しなければならないので不可能ですが)ようでなければ

意味が、ありません。

更に。私はロンドンで、ラウンドアバウトの交通方式を日常的にし、慣れましたが、最初は、コツが分かりづらいのです。

クルマの運転にかなり慣れていても、です。


◆要するに時計回りですが、「右側が常に優先権を持つ」のです。

なんだ、それだけか、と思うでしょうが、これがなかなか難しい。

田舎道で一度に2台ぐらいしかラウンドアバウト付近にクルマがいない、というのならいいのですが、

都会はもちろん常にクルマがラウンドアバウトを通過します。右側からのクルマが全く途絶えることはない。


他のクルマも自分も左ウィンカー(左側通行のラウンドアバウトでは、左ウインカーしか使わないので、

以下、単に「ウィンカー」と表記します)を出すタイミングが大切です。

自分がいる位置を時計の一番下、6時、左方向を9時、直進する方向を12時、右折する方向を3時と書きます。

ラウンド・アバウトは、RAと書きます。


まず、日本人の感覚では、交差点の癖で、それを時計回りに回る。まずは左にハンドルを切るので

RAに侵入するときに、ウィンカーを点けてしまうでしょう。


9時に進むときはそれでも良いのです。ウィンカーを点滅させながらRAに侵入してきたクルマは、

最初の岐路で左に進む、とみなされる。だから9時方向から、RAに侵入しようとするクルマは、あなたがウィンカーを点けてたら、

RAに侵入します。前述のとおり、あなたが9時に行きたいならそれでいい。しかし、12時(直進)か3時(右)に行きたいときは

9時方向からRAにはいってきたクルマと接触、衝突するかもしれない。


あなたが12時に行きたいなら、9時を通り過ぎた瞬間にウィンカーを点滅させるのです。

点滅させないかぎり、そのクルマはRAから出ないということですから左側のクルマは、右にいるあなたを優先します。


私が危惧するのは、日本人はとにかく「交差点で左折」の感覚で、まずウィンカーを出してRAに侵入し、12時に行くまで、

ウィンカーを点けっぱなしにするだろう、ということです。これでは事故になります。


繰り返しますが、手前からRAに侵入して、左、つまり9時に進みたいならウィンカー点滅のままでいいのですが、

直進(12時)のときには、9時を過ぎた瞬間にウィンカーを点ける。

右(3時)に行きたいときは、12時を過ぎた瞬間にウィンカーを点ける。あまりやりませんが、Uターンしたいなら、

3時を回った時点でウィンカーを点ける。


自分だけならいいのですが。

右から来たクルマが、例えば3時方向からウィンカーを点滅させながらRAに侵入したら、それは6時方向に進むということ。

だから、後続車がいなければ、右優先もへったくれもありませんから、あなたがRAにはいっていい。


しかし、後続車が3時方向、または、12時方向から来て、ウィンカーを点けてなかったらそれは、

6時方向にはこない。

あなたの前を横切ります。そのクルマが9時に行くならあなたの前を通り過ぎたところでウィンカー。

そのクルマが12時にいきたいなら、9時を通り過ぎた瞬間にウィンカー、となります。それを良く見ないで、

あなたがRAに急に侵入し、衝突したら、右側を優先しなかった、あなたが悪い。

そういうことがあります。言葉で書くと大変ややこしい。


だから、イギリスで実地に体験してやっとなれるのです。


全国に15カ所だけ設置して、道路交通法を変えても、人々がラウンドアバウトの通行になれるわけがない。

意味がありません。

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