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2015.01.21

「『イスラム国』“邦人殺害”と脅迫 身代金要求」←日本はアラブイスラエル紛争には中立、でうまくいっていたのです。

◆記事1:「イスラム国」“邦人殺害”と脅迫 身代金要求(NHK 1月20日 19時33分)

イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーとみられるナイフを持って覆面をした男が、

72時間以内に身代金を支払わなければ拘束している日本人2人を殺害すると脅迫する映像が、インターネット上に公開されました。

この映像には、去年拘束された湯川遥菜さんとフリージャーナリストの後藤健二さんとみられる2人が

オレンジ色の服を着てひざまずかされている様子が映っています。

そして、2人の間に黒い服で覆面をかぶった男が立ち左手にナイフを持って英語で話しています。

この中で男は、「日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、

イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した

だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。

よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる」と述べ、2人を解放するためには合わせて2億ドルを支払うよう要求しています。


◆記事2:「日本 中立とは見られていない」(NHK 1月21日 14時57分)

「イスラム国」が2人の日本人を拘束したとみられる事件について、

イギリスで「イスラム国」を強く支持する発言を続けているイスラム教の指導者は、

日本は欧米に加担し、中立とは見られていないと述べました。

ロンドンを拠点に活動するイスラム教の指導者、アンジェム・チョードリー氏は、

シリアやイラクへ渡って戦闘に加わるイギリスの若者に影響を与えているとされ、

去年9月にはテロを扇動した疑いで一時、身柄を拘束されるなど、当局が監視を続けています。

チョードリー氏は20日、NHKのインタビューに対し、

日本人2人がイスラム国に拘束されたとみられることについて、

「アメリカの政策によって多くのイスラム教徒が死んでおり、どんな形であれアメリカを支持するならば

日本の市民やジャーナリストが捕らえられても驚きはしない」と述べました。

また、日本が難民支援など非軍事面で支援していることについては、

「欧米を後方支援していることに変わりはない。日本の立場は中立とは思えない」と述べ、

戦闘に参加していなくてもイスラム国側からは日本が欧米に加担しているように映るとの見方を示しました。


◆コメント:日本は中東の紛争(アラブ=イスラエル紛争など)には中立、という立場が基本なのです。

記事のコメントを読むと、そこまでは書いてありませんので推測ですが、イスラム教の指導者、アンジェム・チョードリー氏は、

日本に対して、「イスラム国」(要するにアラブだとおもいますが)に「加担しろ」とは言っていない。中立であれ、と。要するに、

「何もするな」

と言いたいのでしょう。中東の紛争の中心はパレスチナを巡るアラブ人とユダヤ人国家・イスラエルの紛争です。

日本は、この件に関しては、どちらにも味方しない、中立である、という立場を一貫してとってきたので、欧米諸国とはことなり、

ユダヤ人ともアラブ人とも、「仲が良かった」のです。

欧米人の社会では、今でも偏見を持たれているユダヤ人に対して、日本人は彼らがそういう立場にある、ということを、

観念的には、理解していますが、感覚的には、要するに「ガイジン」(白人)は日本人にとって同じですから、

いくらユダヤ人が「自分はユダヤ人だ」といっても「へー」で終わりなのです。日本人には分かり難いけれども、

それが、ユダヤ人にとっては、ものすごく楽なことなのです。日本に永住する欧米人のかなりはユダヤ人ですが、

「ユダヤ人に対する偏見のなさ」が、やや大袈裟に言えば、天国のように住み易い。暮らしやすい、ということだそうです。


そして、日本が戦後、特に高度成長期、慣れない外国に行って、日本の商品を一生懸命売ろうとしましたが、この時、

既に欧米社会に根付いて、商売上手のユダヤ人に、ここでも何の偏見もなく、接したので商売を助けて貰えたのです。


しかし、同時に中東のアラブ産油国からは、大量の原油を輸入しつづけていましたし、イスラム教が何かも、なんか分からなかったから、

アラブ人からも「お得意さん」と見られるだけで、「欧米人とは違う」と見なされた。


このように、日本は、互いに対立している筈のアラブ人ともユダヤ人、両方と仲良くできる、世界でも稀な国でした。

それが日本の海外進出、高度成長を支えたのです。


◆その良好な関係を壊したのは小泉純一郎です。

小泉純一郎は、アメリカがイラクに言いがかりを付けて無理矢理始めたイラク戦争を「支持する」と世界で最初に宣言しました。

小泉はいい加減な奴で、昔の本「コイズム」では、はっきりこう書いています。

僕はPKOのときにも反対した。現行憲法では自衛隊の海外派遣には、どう考えても無理がある

その小泉が、アホのブッシュの部下、当時のアーミテージ国務副長官というプロレスラーみたいのがやってきて、

旗幟を鮮明にしろ(Show the flag)とか、兵隊を戦地(イラク)に送れ(Boots on the ground.)と恫喝したら、

真っ青になりました。

そして、どう考えても違憲であるイラク復興支援特別措置法を強行採決してサマワへ陸自を、

クウェートには米兵輸送用に空自の輸送機を。ペルシャ湾では海自が他国の戦艦に燃料を給油する「無料ガソリンスタンド」を

やりました。どこの国からも尊敬されません。それどころか、イラクの武装組織が自衛隊を撤退させろというのに

無視したので、人質になる邦人が何人か出て、24歳の青年が首を刎ねられ、その映像まで送りつけられるという

悲惨なことが起きました。
2004年10月31日(日)「香田さん殺害、首相『テロとの闘いを継続』」 アラブで「テロリスト」と云ったら、アメリカか、イスラエルを指すのですよ。首相。

このとき、サマワでは陸自が土木工事をしただけですが、

アメリカの後方支援をしているだけで、アラブの敵に見えたのでしょう。

それどころではありません。イラク戦争どころか、そのまえから、アラブ人は在日米軍基地を飛び立った、

米国の爆撃機が自分たちを攻撃したことを知っているのです。

ジャーナリスト、青山繁治さんの世界政府アメリカの「嘘」と「正義」、101ページからの、
「ジャパンは何故アラブを攻撃するんだ

という項を読むと、驚きます。青山さんがパレスチナ自治区を取材したら、砲撃を受けた果物屋の店主が

「もしかして、あんたは、ジャパニーズ?」と訊いて来た。そうだと返事をしたら、店主が顔を近付けて、
ジャパンはなぜ、アラブを爆撃するんだ?

と、尋ねたそうです。青山さんは、
日本はイラクを爆撃していないよ。それはアメリカだろ?

と答えたのですが、
店主「いや、ジャパンもしてる」

青山「違うって。僕らにはアラブ人を爆撃する理由がないよ」

すると、それまで店の奥に黙って座り、私の顔を見ていた若い男が、突然、「ミサワ」と言ったそうです。

若い男は「ミサワ・エア・ベイス」と少し大きな声になって言った。やられる側から見れば、

日米安保条約も、日本とアメリカの違いも、何もない。日本から飛んで来た飛行機がアラブを攻撃している。

このように見られるのです。

だから、絶対中立であるべきなのです。難民支援だ、とか説明しても分かって貰えない。

ましてや、集団的自衛権など行使して、中東で、自衛隊が鉄砲でも撃ったら、完全にアメリカ人と同じ輩だ

と、思われるでしょう。

テロには、屈しない、という安倍総理ですが、小泉純一郎と同じです。

そこまでいうならば、イスラム国は「日本の首相へ」といっているのですから、
人質を解放しろ、その代わり自分が身代わりになる。文句があれば、自分を殺せ。

といえば、本当に、殺されるかも知れませんが、安倍氏の悲願である「歴史に名」を遺すことはできます。

全力を尽くすとかいっていますが、ポーズでしょう。72時間の努力するフリ。その後、
全力を尽くしたが、残念な結果になった。テロリストを断じて許せない。これに対処するには、自衛隊の海外派遣恒久法を制定するしかない。

とかなんとか、言い出しそうです。

本稿でしつこく書いたとおり、そんなことをしたら、恨まれます。おカネどころか基地を米軍に使わせているだけで、

既に恨まれている。本来専守防衛の為に存在する自衛隊を海外に派遣したら、要するにアメリカのパシリになるだけです。

これ以上、イスラム国だか、アラブだかの恨みを買って、日本の国益に資することはなにもありません。

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