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2015年3月

2015.03.30

【コラム】本当に副操縦士が150人殺したのか (レオニド・(レオニド・バーシドスキー)(ブルームバーグ)←我が意を得たり!

◆記事:【コラム】本当に副操縦士が150人殺したのか---(バーシドスキー)(ブルームバーグ 2015/03/30 06:31 JST)

 ジャーマンウィングスの副操縦士、アンドレアス・ルビッツ氏が意図的に9525便をフランスの山間部に墜落させたとして、

世界中のニュースメディアが一斉に同氏を集中攻撃している。

「アンドレアス・ルビッツ27歳、正気を失ったパイロット」とドイツの大衆紙ビルトは一面に大見出しを掲げた。

「操縦室の殺人犯」と表現したのはロンドンのデーリー・メール紙。

英紙インディペンデントは「操縦室の大量殺人者」ともう一段階過激だ。

このほかにもメディアには「狂人」や「失恋パイロット」、

「そもそもなぜ免許を与えたのか」などの言葉が飛び交っている。



これらはすべて、仏マルセイユのロバン検察官の発表に基づいている。

副操縦士が「航空機の破壊を望んだ」と検察が結論付けた根拠は、コックピット・ボイス・レコーダー(CVR)に残された音声データだ。

しかしながら、ここから導き出すストーリーは解釈次第で変わる。

明らかに分かっているのは機長が操縦室を離れ、副操縦士がひとり残されたということだ。

そしてロバン検察官によると、副操縦士は機長の再入室を妨害し、機体を急降下させたことになっている。

機長は何度もドアを叩いたがドアは開かれなかった。ルビッツ氏から言葉は発せられず、

ボイスレコーダーにはドアを叩く音と叫び声を背にしたルビッツ氏の呼吸の音が残された。


ロバン検察官が下した結論を裏付けるには、この証拠では不十分だ。

操縦室のドアの開閉を説明したエアバスの動画を基に、ボイスレコーダーの音声データを考えると別の解釈も成り立つ。

通常なら外の者が中にいる操縦士にインターフォンで連絡し、キーパッドを操作、

そして中の者がその電子音を確認してドアを開ける手続きになっている。

手続き通りにいかない場合、外の人が暗証コードを打ちこめばドアは30秒間開錠される。



暗証コードは入力されたのか

機長が操縦室を離れている間にルビッツ氏が意識を失い、

機長や乗務員が正しい暗証コードを入力できなかった可能性は考えられないだろうか。

あるいは機長があらかじめ決められた手続きに従わず、ドアを叩いたとしたら。

エアバスの動画によるとこの場合、中にいる人はドアをロックするためのボタンを押さなくてはならない。

ルビッツ氏がハイジャックだと思い込んでパニックに陥り、同機を着陸させようとしたという可能性はないだろうか。



もちろんこういう仮説はどれも本当らしく聞こえないが、ルビッツ氏が抑うつ状態にあった、

あるいはガールフレンドとうまくいかずに悩んでいたからといって赤の他人150人を意図的に殺したとの説も

同様に本当らしく聞こえない。

ロバン検察官の記者会見では、あるリポーターが副操縦士の宗教について尋ねる場面さえあった。

これに対してロバン検察官は「テロリストには指定されていない。

質問の意味がそういうことだったらだが」と即座に回答している。



フライト・データ・レコーダーの回収を急げ

現実にはフライト・データ・レコーダー(FDR)のテクニカルなデータを解析するまでは、

信頼性の高いセオリーを打ち出すことはできない。

FDRを回収し解析すれば、どのように高度が変化したかが分かるだろう。

航空機墜落調査に関する報道で知られ、自らもパイロットであるバニティフェア誌の特派員、

ウィリアム・ランゲビーシェ氏は現段階の調査では分からないことが多過ぎるのに、

仏検察の結論はやや早計過ぎると批判する。

ドイツの操縦士労組も同様に、機長が操縦室に戻れなかった理由でさえ現時点では明確ではないとして、

FDRを早急に回収し分析することが極めて重要だと主張する。

労組の立場としては認めたくないという気持ちも当然あるだろう。

1999年に起きたエジプト航空990便がそうだったように、ルビッツ氏が本当に故意に墜落させた可能性もあるだろう。

しかしそれがもっと高い確実性を伴って立証されるまでは、乱暴な非難の言葉は正当化されない



遺族に心労

こうした状況は普通の若者としてルビッツ氏を知っていた家族だけでなく、

墜落犠牲者の遺族にも心労をもたらす。怒りと悲しみはうまく調和しないものだ。

またルビッツ氏がうつ病を患っていたと報じるタブロイド紙もあるが、

こうした報道はうつ病の患者に汚名を着せる。

メルケル首相は調査が完了するまで行動を自粛するよう呼びかけたその翌日に、

自ら「すべての犠牲者と遺族への犯罪だ」と発言するべきではなかった。

航空機墜落の調査は結論を急ぐようなものではない。これだけ分からないことが多いなか、

私が知りたいのは亡くなったアンドレアス・ルビッツ氏のプライベートではない。

なぜ9525便がアルプスの上空で高度を失ったかを知ることの方が、はるかに重要だ。


◆コメント:徹頭徹尾、賛成です。

ブルームバーグは、アメリカの本来金融情報専門WEBですが、アメリカのメディアが殆どそうしているように

自社の論説委員だけでは無く、外部のコラムニストによる、時事問題への論説を掲載します。

バーシドスキー氏のコラムは、私が昨日まで書いたブログ記事よりも遙かに詳細ですが、要するに結論は一致していてそれは、

本当は、何が起きたのか、現時点では、何も分からない。

ことを強調している点です。

記事の途中にあるように、ルビッツ副操縦士が「精神的な疾患が原因で」または、「ガールフレンドとの関係で悩んでいたから」

意図的に、150人を道連れに自殺するかというと、それが巷で噂されているように彼がうつ病だとしたら、

一層可能性は低い。世の中の大部分のメディアは、うつ病患者が突飛な、とんでもない行動を起こす人間であるかのような。

間違った印象を世間に与えます。それは間違っている。


また、「暗証番号」のことを、少なくとも私は初めて知りました。

私のみならず、航空関係者でも航空ファンでもな普通の日本人は、日本のメディアを読む限り、

「外の人が暗証コードを打ちこめばドアは30秒間開錠される」ことなどしりません。

そうなると外の機長が最後、ドアを蹴破ろうとする前に、何故その手続きをしなかったのかも不思議です。

日本でも大事故の原因究明となると日航123便は、何となく本当の原因はうやむやですが、

ちょうど10年前。2005年4月25日に起きた、JR福知山線脱線事故の際も、調査報告書が出来るまでには、

何年もかかったのに、事故直後から憶測によるJR西日本幹部の「吊し上げ」が始まりました。

私はそのときにも、まだ原因が分からないのであるから誰の所為とも言えないという趣旨の記事を何度も書きました。
2005.04.29 「尼崎事故、特異な「転覆脱線」か」 今、冷静に考え、客観的に言えることは、「原因はまだ不明」ということだ。

2005.05.04 「被害者の知人」だといって、JR職員をこづき回している男がいた。いい加減にしなさい。

2005.05.08 運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後70件…JR西 マスコミはJR幹部が自殺するまで許さないつもりか。

2005.05.15「制動数秒不能」運転士ら証言 脱線同型車両 ←「事故の真相は未だ分からない」と何度も書いた。

2005.06.14 「宝塚―尼崎間で走行実験、非常ブレーキ再現」 ←つまり、いまだに事故の真相は不明なのだ。

2006.11.25 「事故調委、同型車両使いブレーキ試験 尼崎JR脱線」←何の話かわかりますか?

勿論、航空機と鉄道は全く別ですが、福知山線脱線事故の原因調査において、事故から1年7ヶ月も経って、

事故調査委員会が同型車量を使ってのブレーキ試験を行っている。別に怠けていたわけではないのです。

私は、この間ニュースをずっと追っていましたが、事故調査委員会はずっと活動していたのに、「とりあえず」原因と思われることを

最終報告書にまとめるまでに数年を要しています。実験できない航空機事故においては、何をか言わんやです。

バーシドスキー氏が書いたとおり、フランスのロバン検察官の発言に誘導されすぎだし、
メルケル首相は調査が完了するまで行動を自粛するよう呼びかけたその翌日に、自ら「すべての犠牲者と遺族への犯罪だ」と発言するべきではなかった。

との意見に同感です。「犯罪だ」と言ってしまったら、故意の違法行為を意味します。

バーシドスキー氏の意見があまりにも「我が意を得たり」だったので、長いけれどもそのまま

引用しました。

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2015.03.29

「旅客機墜落 副操縦士は目の病気で治療か」←だから、まだ全貌は分からないというのです。

◆記事:旅客機墜落 副操縦士は目の病気で治療か(NHK 3月29日 19時13分)

フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落で、旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっている副操縦士は

目の病気で治療を受けていたとドイツのメディアが伝えました。

乗客乗員150人を乗せたドイツの航空会社ジャーマンウィングスの旅客機は、24日、フランス南東部で墜落し、

機長が席を離れて操縦室で1人になったアンドレアス・ルビッツ副操縦士が旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっています。

ルビッツ副操縦士について、ドイツの複数のメディアは29日、ドイツの捜査関係者の話として、

最近、目の病気となり、治療を受けていたと伝えました。

ドイツの一部のメディアによりますと、副操縦士は網膜剥離の治療を受けたとみられ、

ことし6月には会社の健康診断を受診する予定だったことから、目の病気が見つかった場合は

パイロットとして操縦することができなくなる可能性があったということです。

また、ドイツの検察当局が副操縦士の自宅から病気で医師の治療を受けていたことを示す文書が見つかったと発表していて、

ドイツのメディアは捜査関係者の話として、副操縦士の自宅から精神的な病気のために飲む複数の薬が押収されたと伝えています。

ドイツの検察当局は引き続き副操縦士を知る関係者から話を聞くなどして、墜落の背景を捜査しています。


◆コメント:だから、簡単に憶測で片付けるな、というのです。

昨日、このブログで、
要するに、現段階で言えることは、何が究極的な墜落原因なのか、分からないということです。

と書きました。

メディアや世論は、副操縦士がかつてうつ病の治療を受けていたことから、

この副操縦士はうつ病だった。→自殺するのに乗員・乗客を道連れに自殺した。

という短絡的な図式を描いていますが、上の記事を読めばわかるとおり、

故意に墜落させたという断定もできていないのです。

報道によれば、ルビッツ副操縦士は視覚障害の治療を受けていたというのですから、

ドクターがルビッツ副操縦士に、飛ぶべきではない、としていた理由が精神科的理由とは限らないことは、

明らかです。本当の理由は、まだ分からないというべきでしょう。


マスメディアは、どうしても「精神的疾患」と「故意(かもしれない)の墜落」を結び付けたいようです。

そこまではっきり書いていませんが、

網膜に異常→飛べなくなるかも知れない。→抑うつ状態→自殺

というストーリーにしたいようですが、それは独断的推論です。

視覚障害の治療を受けていた、という新しい事実が加わったものの、依然として、

本当は何があったのか。その原因は何か、ということにかんしては、

「分からない」のが唯一確かに「分かっていること」だと思います。

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2015.03.28

「副操縦士 待遇への強い不満などもらす」←何が原因か「まだ、分からない」ことだけが真実です。

◆記事1:副操縦士 待遇への強い不満などもらす(NHK 3月28日 19時08分)

旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっているドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士について、

ドイツの大衆紙「ビルト」は28日、副操縦士と去年交際していたという客室乗務員の女性のインタビュー記事を掲載しました。

それによりますと、ルビッツ副操縦士はふだんは心のやさしい人物だったということですが、

仕事の話になると別人のようになり、待遇への強い不満や将来に対する不安をあらわにしていたということです。

また、副操縦士はこの女性に対して、

「自分はいつかシステムを大きく変えることをする。それによってすべての人が自分の名前を知り、記憶することになるだろう」と、

今回の墜落を示唆するような発言をしたということです。ルビッツ副操縦士が長時間浴室に閉じこもったり、

悪夢を見て「墜落する」と叫んだりする行動も見られたとしています。

デュッセルドルフの地元の新聞は、副操縦士が精神的な病気を隠すため、

複数の医師から治療を受けたり薬をもらったりしていて、かかりつけの医師からは、

病院で長期間の治療を受けるように勧められていたと伝えています。


◆記事2:副操縦士が病気隠して勤務か 事故との関係捜査(NHK 3月28日 4時58分)

フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落で、ドイツの検察は、旅客機を故意に墜落させた疑いがある副操縦士について、

病気のため墜落の当日に勤務しないよう求める医師の診断書などが見つかったと発表し、

今後、病気と事故の因果関係について調べを進めるものとみられます。

フランス南東部で起きた乗客乗員150人を乗せたドイツの旅客機の墜落についてドイツの検察は、27日、

アンドレアス・ルビッツ副操縦士の関係先から、病気で医師の治療を受けていたことを示す文書が見つかったと発表しました。

ただ、検察は具体的な病名については明らかにしていません。

自宅などから見つかった文書には病気のため墜落当日に勤務しないよう求める医師の診断書が含まれているということです。

ドイツでは、こうした診断書が出た場合には、会社に提出し、医師の指示に従って休暇をとることになっていますが、

航空会社は「会社に診断書などは提出されていない」と話しています。副操縦士は、文書を破り捨てるなどしていたということで、

検察は、副操縦士が病気を会社に隠して勤務していた疑いがあるとしています。

ドイツの捜査当局は、文書の詳細な分析には数日かかるとしており、関係者から話を聞くとともに

病気と事故の因果関係について調べを進めるものと見られます。


◆コメント:病気と事故の因果関係をこれから調べるというのに、病気のことを強調し過ぎです。

昨日書いたとおり、事故・事件の調査・捜査において、まず行うべきことは、

「本当は何があったのか」を特定する事実認定です。

いま、明らかなのは、飛行機が墜落したため、乗員・乗客全員が亡くなったことと、

CVRの音声からして、墜落前の約10分から墜落まで、コクピットにはパイロットが一人、

ドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士しかいなかったらしいこと、であります。

副操縦士の自宅を捜査した結果、病名は明らかではないが、医師から勤務は無理であることを示唆する

診断書が見つかったことも事実のようです。


そこまで、メディアの報道を信じ、事実であるとしても、まだ、色々なことを断定するのは、

早計だとおもいます。

一見、事実を忠実に伝えているような報道に見えますが、明らかに恣意的であります。

つまり、

副操縦士が故意に旅客機を墜落させたのは明らかで、それは彼の精神的疾患が原因だ。

と決めつけているのですが、

厳密に、真実に近づく為には、ボイスレコーダーだけではなく、飛行機の飛行経路、高度、コクピットでの操作などを記録した

「フライト・レコーダー」のデータを解析し、ボイス・レコーダーと突合しなければならないはずです。

今まで得られた情報からは、本当は、「副操縦士が故意に墜落させた」かどうか断言出来ないはずです。

そう思われる状況だ、というだけで、もしかすると高度を下げる操作を行ったのに航空機の技術的な問題で元に戻らなくなった、

つまり再上昇できなくなったのかもしれないし、

仮に操縦士の操作が墜落の原因だとしても、「キチガイだったから」ではなく、

たとえば、急に心臓発作を起こしたり、脳血管障害(脳梗塞か脳出血です)がおきたのかもしれないし、

精神科領域で稀に起きる「ナルコレプシー」という、突然、瞬間的に眠ってしまう病気であった可能性も考慮しなければなりません。

他の精神科領域の診断名も、私は想像できますけれども、それは昨日書いたとおり、精神疾患への偏見を助長することになるので

ここでは書くことは、控えます。


ただ、昨日までは6年前の「抑うつ状態」と「故意の墜落」で既にきまりのような報道でしたが、

記事1に載っている「副操縦士と去年交際していたという客室乗務員の女性のインタビュー」で述べられていることが

本当だ、と仮定するならば、まず、
待遇への強い不満や将来に対する不安をあらわにしていた

のであるならば、「うつ病」患者に特有の自責的な思考とは真逆です。また、

副操縦士の言葉
自分はいつかシステムを大きく変えることをする。それによってすべての人が自分の名前を知り、記憶することになるだろう。

という、自己陶酔的表現は、うつ病の思考パターンの一典型である「自己の過小評価」

(逆の場合もあるのですが、それに言及するとややこしくなるので、本稿では省略します)とはやはり正反対です。

要するに、現段階で言えることは、
まだ、何が究極的な墜落原因なのか、分からない。

ということです。

「分からない」という状態が現在の「真実」なのですから、それをはっきりとメディアは示すべきであって、

類推、予断を招くような不要な情報を徒に拡散するべきではない、と思料します。

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2015.03.27

「独機墜落、当日『勤務不可』=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士」←こういう書き方は間違っています。

◆記事:独機墜落、当日「勤務不可」=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士(時事通信 3月27日(金)21時18分配信)

ドイツ西部デュッセルドルフの検察は27日、独旅客機を意図的にフランス南東部のアルプス山中に墜落させたとみられる

アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の関係先を捜索した結果、

病気のため、墜落日の勤務は不可能とする内容の診断書が見つかったと発表した。

病名には言及しなかったが、深刻な心身の状態にありながら、操縦に当たっていたことが判明した。

南ドイツ新聞は、診断書は精神科医によって発行されたもようだと報道した。

独紙ビルトは副操縦士が抑うつ症状のため、最近も医師のサポートを定期的に受けていたと指摘。

恋人との関係で悩んでいた可能性も伝えており、動機も徐々に浮かび上がってきている。

独捜査当局は26日、西部モンタバウアーやデュッセルドルフの関係先で捜索に着手。

副操縦士の病状や通院の事実を示す書類のほか、破られた状態の診断書が押収された。

検察は声明で「副操縦士が病気について勤務先に隠していたと考えられる」と述べた。


◆コメント:まず「本当は何が起きたのか」を明らかにすべきで、「原因」は、その後です。

私が、うつ病(正確には今は、うつ病というよりそれこそ「抑うつ状態」ですが)患者なので、

このような報道は、病気への偏見を助長する、ミス・リーディング(誤解を招きがち)な行為であり、憤りを覚えます。


事故にしろ、事件(犯罪)にしろ、まず調査・捜査で明らかにすべきなのは、事実認定、つまり、

本当は何が起きたのか。

ということです。

本件について、コクピット・ボイス・レコーダー(以下、CVR)から明らかなのは2人のパイロットの1人がコクピットの外に出て、

戻ろうとしたところ、ドアがロックされていて(911テロの後、みだりにひとがコクピットに入れないように、

デフォルト(初期設定)でコクピットのドアはオートロックになり、中から解錠しないと、ドアが開かないそうですが)、

入れない。機長がドアをノックしたが、中から応答がない。段々ノックの音が激しくなり、最後はドアを蹴破ろうとしたが

開かず、墜落の瞬間、コクピットにはルビッツ副操縦士(27)しかいなかった。

CVRには、副操縦士の呼吸が最後まで冷静であったことがわかるような音が含まれている。

状況からして、副操縦士が「故意に飛行機を墜落させた」と推測できる。

ということです。


しかし、副操縦士の故意であるとしても、その原因がなにかは、全く憶測であります。

家宅捜索の結果、フライト当日の勤務は不可、とのドクターの診断書があったけれども

その理由となる診断名は明らかにされていない。

ただし、6年前にうつ病で治療を受けていたことがある。

恋人との関係で、悩んでいた「可能性がある」

それが、本当だとしても、報道は、副操縦士の6年前の「うつ病」と乗客を道連れにした「自殺」を

誰もが想起するような書き方になっていますが、これは、非常に誤解を招き易いとおもいます。


こういう書かれ方をしたら、うつ病の患者は、約150人の乗客と無理心中を図りかねない、とんでもなく危険な

「キチガイ」だ、と、世の中の大部分、メンタルヘルスに無知か、偏見のある人々は考えることでしょう。

昨今、マスコミは企業に於けるメンタルヘルスケアの重要性などといいながら、他方でこのように

精神科関連の何らかの障害、疾患への偏見を徒に、助長する。


そもそも、事故の全貌の調査が明らかになっていないのに、最も慎重に扱うべきである

個人(副操縦士)の病歴を明らかにした仏検察もそれをそのまま伝えるドイツの新聞も、

そのウラを取らずに、あたかも「事故の原因はほぼ明らか」とでも言いたげに書いたり、ニュースで伝える

メディアの報道方針は正しくありません。


「希死念慮」(自殺願望)は、うつ病の典型的な「症状」の一つで、それはうつ病が殆ど寛解しても

残るのです。私もそうです。

しかし、同時にうつ病患者の思考は、過度に自責的になるのです。

つまり、現実の認知が過度にマイナス方向に向かい、極端な場合、
世の中でおきる悪いことは、全て自分の所為だ

という発想さえ出てくるのです。悪いのは「自分」だと。とても他人を道連れに自殺することは

出来ないのです。

とにかく副操縦士が死んでしまったので、事故を起こした際に、本当は何を考えていたか

独り言でも発して、CVRに録音されてなければ、永遠に分からないでしょう。

厳密に言うと、そういうことになります。


結論的に繰り返すならば、

副操縦士が故意に墜落させた、ということも「証明」は出来ていないし、まして、故意だったとしても、

過去の病歴を安易に公開したり、精神医学に素人であるマス・メディアが、病気と行為の因果関係を

ほのめかすようなことを、書くのは、あまりにも拙速、と言わざるを得ません。

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2015.03.23

「自衛隊、他国軍の防衛も 安保法制、自公が合意 」←どの世論調査を見ても集団的自衛権に反対の方が多いというのに。

◆記事1:自衛隊の海外活動拡大=安保法制、自公が合意-5月に国会提出(時事通信 3月20日(金)15時50分配信)

自民、公明両党は20日、安全保障法制に関する協議会で、新たな安保法制の方向性をまとめた文書に正式合意した。

集団的自衛権行使を認めた昨年7月の閣議決定に沿った安保法制の全体像が固まった。

政府は、合意文書を基に法案を作り、今国会に関連法案を一括提出する方針。

成立すれば、自衛隊による他国軍の後方支援など海外活動は拡大し、日本の安保政策の大転換となる。

安倍晋三首相は20日の参院予算委員会で、法整備に関し

「国民の理解が不可欠で、自衛隊が行動していく上では、さらに国民的な支持が必要だ。

今後とも国民に丁寧に、真摯(しんし)に説明していきたい」と述べた。

「専守防衛を今後も維持していくことに変わりはない」とも強調した。

与党は4月半ばに協議を再開し、政府が示す法案要綱の審査に入る。

政府は大型連休前に与党の了承を取り付け、5月半ばに法案を提出したい考えだ。

合意文書は、公明党が求めていた、「国際法上の正当性」「国民の理解と民主的統制」「自衛隊員の安全」を

それぞれ確保するとの3原則を、冒頭に明記。その上で、

(1)武力攻撃に至らない「グレーゾーン」事態への対処

(2)日本の平和と安全に資する活動を行う他国軍に対する支援

(3)国際社会の平和と安全への貢献

(4)集団的自衛権行使を含む憲法9条の下で許容される自衛の措置

(5)邦人救出などその他の活動―の5分野で方向性を示した。


◆記事2:集団的自衛権、賛成3割・反対5割 本社世論調査 (日本経済新聞 2015/3/22 22:00)

日本経済新聞社とテレビ東京による20~22日の世論調査で、集団的自衛権の行使を可能にするための関連法案について、

今国会での成立に「賛成」は31%にとどまり「反対」の51%を下回った。

政府・与党は5月に関連法案を提出して今国会での成立を図るが、依然として慎重論が根強い。

自衛隊の海外での活動の拡大に関しては賛否が拮抗した。


◆記事3:自衛隊の海外活動拡大、反対52% 朝日新聞世論調査(朝日新聞3月17日(火)4時18分配信)

朝日新聞社は14、15の両日、全国世論調査(電話)を実施した。

自衛隊の海外派遣の制限を緩めたり、米軍など他国の軍隊への後方支援をしやすくしたりして、

自衛隊の活動を拡大することについて聞いたところ、

「反対」は52%で、「賛成」の33%を上回った。


◆記事4:<世論調査>安保関連 今国会成立反対52%、賛成34%(毎日新聞 3月15日(日)22時14分配信)

毎日新聞は14、15両日に全国世論調査を実施した。

集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案を今国会で成立させる政府の方針について尋ねたところ、

反対が52%で、賛成は34%だった。

一方で法案をめぐる議論の内容については「知らない」が56%で、「知っている」は38%だった。

政府の説明が十分浸透していないことがうかがえる。


◆コメント:問題外です。

何度も書いているとおり、そもそも昨年、閣議決定で解釈改憲を行い、集団的自衛権の行使は可能になる、

という根本から間違っています。

日本の集団的自衛権の行使に関しては、1983年、角田礼次郎内閣法制局長官が衆議院予算委員会で、

集団的自衛権の行使は憲法改正でなければできない

と答弁し、安倍晋三氏の父、安倍晋太郎氏(当時、外相)が、
長官が述べた通りだ

と発言しています。歴代内閣は全て角田答弁を踏襲しています。安倍晋三氏がこれをどうしても変えなければならない必然性がない。

そもそも、自衛隊をとにかく海外に出動させたがっていますが、
(1)武力攻撃に至らない「グレーゾーン」事態への対処

(2)日本の平和と安全に資する活動を行う他国軍に対する支援

(3)国際社会の平和と安全への貢献

(4)集団的自衛権行使を含む憲法9条の下で許容される自衛の措置

(5)邦人救出などその他の活動

こんなもの、どうにでも解釈できて、要するに後方支援だろうが、平和貢献だろうが、こちらの言い分で

日本の自衛隊が外へ出て行き、どうせ武力を行使できるように、安倍晋三氏はしたいのでしょうが、

完全に今の憲法9条の趣旨を逸脱しているし、国民は何のことやらわからず、反対している。

5月中に法案提出、強行採決なんて言ったら、目も当てられない。

自民党に投票した人。

安倍は元から、憲法を変えて、戦争が出来る国にしたがっていたのに、

その自民党を勝たせて、今頃、騒いでも、遅いのです。

一体どうしてくれるんですか?

自民党案はあまりにも曖昧すぎて、自衛隊の海外派遣の機会を無限に拡大しようとしています。

実質改憲したのと同じつもりで、安倍晋三は話してます。

ここまで具体的に衆院選前には言っていなかったのだから、

どうしてもやりたいなら、解散総選挙で、民意を問うべきです。

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2015.03.22

約2年前にも書いたのですが、311の後、国会議員の自宅にタクシーが大量に呼ばれた話。

◆2013年に、既に一度書いたのです。

それは、

2013.06.06 【未確認情報】福島第一原発の事故後、国会議員が家族を避難させていた、とタクシーの運転士さんが言ってました。

です。

正確を期する為に確認しますが、私が「真実」と言えることは、そう証言するタクシーの運転士さんが、少なくとも1人いた、

ということだけです。言うまでもなく、私が直接、東京を脱出する国会議員の家族をクルマで運んだわけではありません。

ただ、「いかにもありそうなことだ」と思ったので、この情報を載せることにより、他からも、
自分も知っている。

という類の投稿が来て、情報の信頼性が増すかとおもいました。

しかし、2年前、2013年に書いた時には、それほど評判になりませんでした。


◆ところが3月14日に同じ事をTwitterでつぶやいたら、1,000回以上もリツイートされ、驚きました。

1週間ちょっと前にSNS,Twitterで同じ事を何気無しに呟いたら、私の過去の経験と比べると、非常に例外的なほどの回数のリツイートと、

「お気に入りに登録」の件数が発生して、いささか驚いております。

こういうのが、「情報の伝播の予測不可能性」です。

今回、とくになにがあったというわけではありません。福島第一原発の処理が急に進展したわけでも、

新しい、大事件(大事故)が起きたという話もありません。


今回、私のTweetの拡がり方をみていると典型的でして、最初はフォロアーさんがリツイートし、

それが何回か、見知らぬ人によってリツイートされ、その中に、所謂「有名人」つまり、フォロアーが1,000人単位の人が

含まれていて、そういう方がリツイートすると加速度的に情報の拡散が起きる、ということです。


別に構わないのですが、これだけ多くの人がみてくれているのなら、きっとなかには、別のタクシーの運転士さんとか、

自分も同じ話を聴いたことがある。

という方がおられるはずなのですが、その手の発言を目撃しません。

私のTweetはタクシーの運転士さんの証言を伝聞としてかいているので、前述の通りウラが取れません。

情報の信頼度を高めるためには、その信頼性を補強して下さる方が、Twitterとかブログになにか書いて下さるといいのですが。

今のままで、意味が全くない、とは、言いませんけれども「単なるうわさの拡散」の域を出ません。


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2015.03.20

「圧力容器内に燃料なし 1号機、溶けて落下、初確認」←地震の約2ヶ月後から小出先生が言っていたことです。

◆記事:圧力容器内に燃料なし 1号機、溶けて落下、初確認(2015年3月20日 福島民友ニュース)

東京電力は19日、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線から生じる「ミュー粒子」を利用して福島第1原発1号機を調査した結果、

原子炉の圧力容器内の核燃料がほとんど溶け落ちていることを確認したと発表した。調査で燃料の溶融が確認されたのは初めて。

圧力容器内に水がたまっていない可能性が高いことも分かった。

東電は1号機について、原子炉内の温度などのデータ解析からほとんどの燃料が溶けて格納容器に落下したとみており、

調査結果はこれを裏付ける内容。

今後1号機で測定を続けデータを蓄積、圧力容器内に大きさ1メートル未満の燃料デブリ(溶けた核燃料)が残っていないか調べる。

新年度中に2号機を測定する予定。

燃料デブリの取り出しは廃炉作業で最も困難とされる。1号機原子炉建屋内は放射線量が高く人が入れず詳細に調査できないため

分布状況を把握できていなかった。東電は結果を取り出し方法の検討に活用する。

東電は「(圧力容器内に燃料が)ないと分かっただけでも絞り込んで検討できる。大きな進歩」とした。

格納容器の底部は今回の装置では測定できず、遠隔操作のロボットで調べる予定。


◆コメント:私が驚いたのは、この事実を初めて読む大ニュースのように受け取っている日本人がいる、ということです。

この記事は、原子炉圧力容器の中に本来あるはずの核燃料が全て溶融していることが、「科学的に」確認された、

という内容で、それに全く意味が無いとは、いいませんが、地震の直後から小出裕章京都大学原子炉実験所助教

ビデオ・ニュース・ドット・コムで言っていたことです。

空焚き1号機は溶融した核燃料が圧力容器の外に 小出裕章・京都大学原子炉実験所助教に聞く (インタビューズ (2011年05月12日))



この冒頭でジャーナリストで、ビデオ・ニュース・ドット・コムを創立した神保哲生氏が述べている通り、

東京電力は地震の2ヶ月後、2011年5月12日に
「原子炉圧力容器の中に冷却水が全く入っていないことを東電が認めた」

のです。

それが何を意味するかは明らかです。

通常、原発の圧力容器内の核燃料は水に浸かっていますが、核燃料は高熱を発しているので、常に水を循環させないと、

冷却水が蒸発してしまいます。水を循環させるポンプを動かすためには電力が必要ですが、津波によって、原子力発電システム自体が

停止してしまった上に、非常用電源も津波でやられて使えなくなったので、結果的に原子炉内の水は沸騰し蒸発して、なくなってしまったらしい

と2011年5月に東電が認めているのです。

その結果、本来冷たい、循環する水に浸しておくべき燃料棒が剥き出しになり、

自らの崩壊熱でメルトダウンしたのです。その熱は2,800℃に達し、原子炉圧力容器も格納容器も鉄で出来ているから、

1,400℃で溶けてしまいます。したがって、メルトダウンした核燃料は原子炉圧力容器、格納容器の底を溶かして、落下し、

一番外側の原子炉建屋というのは、コンクリートの床があるだけですから、メルトダウンした核燃料はこれも溶かして、

地中にめり込んで沈降しているのだろうと。それでもなんとか冷やそうと上から水をかけますが、何しろ核燃料が溶けて

環境に剥き出しになり、福島第一原発の敷地内はものすごい被曝環境で、人間が直接目視することは不可能です。

ただ、何処かにはあるわけで、ですから今でも地下水やら、海中から放射性物質が検出される。

何とか拾い出すにも、まずロボットを開発しなければならないし、

例えロボットが開発されたとしても、溶融した核燃料はどれほど深い所にあるのか、どのような形状、状態にあるのか分かりませんから、

回収出来るかどうか、それ自体が不明です(小出さんは多分、無理だろうといっています)。


地震のときには、民主党政権で、菅直人首相で、震災後の対応が不味かったと酷評されてますが、

すくなくとも菅直人氏は、「全電源喪失」の意味が理解できたから、

とにかく動員できる電源車を全部福島第一に行かせたのですが、どの電源車もケーブルのプラグが原子炉の冷却システムのそれに

合わなかったので、結局冷却水を維持することが出来なかった。これは、民主党だろうが自民党だろうが、どうしようも無かったはずです。


そんなことは、地震の後、散々言われているのに、20日の東電の発表を知り、初めて知ったかのように、
原子炉内に核燃料がないって、大丈夫なの?

などと、地震から4年以上経っているというのに、そんなことをネット上で、呟いている人がいました。

東電は、今更何を言っているのか、というのなら、同感ですが、311の後福島第一が何故とんでもないことになっているか。

知らない人がいるという事実のほうに、私は驚きました。

全然別の話ですが、「集団的自衛権」に関して私はこのブログで200回以上書いていますが、

分からない人は今でも沢山いる。「何度聴いても分からない」などという人もいます。

こんなことはさほど難しい、概念ではありません。

結論。

原発の状況の概略にしても、安全保障体制にかんしても、要するに物事は、

「知ろう」としなければ、いつまで経っても分かりません。

分からなければいけない問題に関して、勉強しない人、知ろうとしない人が多すぎます。

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2015.03.07

「<集団的自衛権>行使の範囲「新事態」で歯止めどう変わる?」←「集団的自衛権」とは「他衛権」です。

◆記事:<集団的自衛権>行使の範囲「新事態」で歯止めどう変わる?(毎日新聞 3月6日(金)21時26分配信)

政府は6日、安全保障法制の整備に関する与党協議会で、武力攻撃事態法などを改正し、

日本と密接な他国が武力攻撃を受けた場合に集団的自衛権を行使できる「新事態」を盛り込む方針を伝えた。

昨年7月の閣議決定を受け、政府が想定する安全保障関連法案の大枠が、これですべて示されたことになる。

ただ、公明党からは新事態の定義が不明確だとして、政府に詳細な説明を求める声が出ており、

集団的自衛権行使の範囲や歯止めをめぐり、なお曲折が予想される。

自民、公明両党は関連法案の整備に向けた考え方を今月下旬に取りまとめる予定で、

政府はこれを受け、具体的な条文作りに入る。

武力攻撃事態法は、日本への武力攻撃に対処するために

▽自衛隊の防衛出動が可能となる「武力攻撃事態」

▽待機命令が出せる「武力攻撃予測事態」--

を規定している。武力攻撃事態はさらに、

(1)武力攻撃が発生した事態

(2)武力攻撃が明白に切迫した事態--に分類されている。

従来は憲法解釈上、自衛隊が武力行使できるのは、実際に武力攻撃が始まる(1)のみとされてきた。

これに対し、政府は昨年7月の閣議決定で、憲法9条の解釈を変更した。

日本が直接攻撃を受けていなくても、「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、

我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由などの権利が根底から覆される明白な危険がある場合」

などの新3要件を満たせば、

「自衛の措置」としての集団的自衛権の行使が可能との方針を打ち出した。

政府は与党協議会で、3要件を満たす「新事態」を新たに規定し、

自衛隊法と武力攻撃事態法に盛り込む方針を伝えた。武力攻撃事態とは別に

「新事態」を設ける理由について「新事態と武力攻撃事態は重なることがあるが、

(日本への武力攻撃があるかないかの)評価の軸が異なる」と説明した。

政府の説明を受け開かれた公明党の会合では、

「新事態で、他国で武力行使ができるとはどういう具体例を想定しているのか政府にもっと説明してほしい」などと

「新事態」の明確な説明を求める声が相次いだ。

新事態の認定に関しても「攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、

その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮」すると説明した政府答弁を

そのまま法律に書き込むよう求める意見が出た。

北側一雄副代表は与党協議会で、政府が新3要件に該当する状況を

「我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」

と国会で答弁したことから、

「政府答弁をしっかり踏まえた法制にしていかなければならない」とけん制。また、新3要件のうち

「他に適当な手段がない」との要件を法律の条文に盛り込み、歯止めをより明確化するよう求めた。

政府は、集団的自衛権の行使に関し、武力攻撃事態法などの改正に加え、

米軍など他国軍の支援を可能とするための米軍行動関連措置法、

武力攻撃をしている他国軍に武器などを輸送する艦船を規制する

外国軍用品海上輸送規制法なども改正する方針を示した。


◆コメント:私は、「日本の防衛に集団的自衛権は必要ない」と200回以上説明しています。

2015年2月はついに一度も更新しませんでした。失礼しました。

日記を書き始めた2002年は40代前半でしたが、それから散々同じことを繰り返し、

今年で55歳になるのですが、これほど書き続けても、タカが市井の一般人が何を言っても無駄であることを

痛感して、嫌になってしまいました。


が、繰り返す以外に方法がありません。

昨年、「集団的自衛権」について、記事にもありますが、閣議決定で解釈改憲が可能、と

政府が言い始めたころから、漸く一般人も関心を持ち始めましたが、ネット上の文章やら、

Twitterでの「つぶやき」を眺めていると、多くの人が「集団的自衛権」の意味を正確に理解していないこと。

また、その自覚というか疑念。つまり

「自分は『集団的自衛権』を正確に分かっていないのではないか?」

という発想すら、でてこないいい加減な人があまりにも多いので、呆れました。

こんなことはさほど難しい概念ではない。

日本が他国から攻撃されたり侵略されたときに自衛隊が防衛するのは、国民の「平和的生存権」を守る、

という、国家にとって、最も大切な、かつ最も基本的な機能に鑑み、当たり前です。

これは「個別的自衛権」といいます。日本の防衛に必要なのは、個別的自衛権の発動だけ、です。


集団的自衛権は自衛権ではない、と言ったほうが良いかもしれません。

「集団的自衛権」とは
自国(日本)が直接、攻撃・侵略されていないが、自国と同盟関係など密接な関係にある国(アメリカ)が攻撃・侵略されたときに、これを自国(日本)への攻撃と見なして防衛する権利。

です。だから、
集団的自衛権とは敢えていうなら「他衛権」です。

世の中の多くの、物事を正確に知ろうとしない人は、

もし北朝鮮か何処かに日本が攻撃されたときに(これもオメデタイ発想ですが)、

アメリカが日本を助けてくれるだろう。その時には、日本はアメリカと

一緒に、つまり「集団で」日本を「自衛」する。これが、「集団的自衛権」だ、と、勝手に理解したつもりになってます。


違う。少し調べれば分かることを調べないで、自分の「想像」を「既定の事実」にしてはいけません。


そういう人が多すぎるんです。

それはさておき、自民党案は、いよいよ集団的自衛権の「中身」を文章にしているわけですが、

公明党はポーズでしょうが、一応、上の記事で公明党が言っている「曖昧さ」がまさに問題です。

自民党が示した、「集団的自衛権行使の新要件」たる「存立危機事態」という「新事態」は、
(1)日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある

(2)他に適当な対抗手段がない

(3)必要最小限度の実力行使

ですが、問題外。どれもこれも、どうにでも解釈出来ます。

何を以て「国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」と判断するのか。

「他に適当な対抗手段がない」こと、は、証明できません。

「必要最小限度の実力行使」は、いくら武力行使の程度が拡大しても、

国が「いや、これが必要最小限度だ」といえば終わりではありませんか。

こんなデタラメに騙されてはいけません。


◆そもそも、閣議決定で「解釈改憲」が可能である、という考え方が間違っています。

行政権は内閣に属します。

内閣総理大臣が内閣のメンバーを任命する。過半数は国会議員でなければなりません。

国会議員や国家公務員には、憲法を擁護する義務があります。閣議決定で

解釈による改憲が可能であるというのはとんでもないことです。

内閣のメンバーは、前述の通り内閣総理大臣が任命するのです。

閣議決定で改憲が可能ということは、安倍晋三は改憲したいのですから、閣議で反対する奴がいたら、

それを罷免して(クビにして)、自分に反対しない人物を新しい閣僚に据えれば、

簡単に全員一致で、閣議決定→改憲、となります。要するに内閣総理大臣の独裁制になります。

日本の集団的自衛権の行使に関しては、1983年、角田礼次郎内閣法制局長官が衆議院予算委員会で、

集団的自衛権の行使は憲法改正でなければできない

と答弁し、安倍晋三氏の父、安倍晋太郎氏(当時、外相)が、
長官が述べた通りだ

と言ってます。歴代内閣全て「角田答弁」を踏襲しています。

安倍晋三内閣総理大臣はそれを破ることにより、歴史に名前を残したいのでしょうか。

兎にも角にも、憲法を「改悪する」(改正とは「正しく改める」ことです)必要を全く認めません。

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