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2015.06.17

「<党首討論>安保、すれ違う議論…持論展開に固執」←安倍内閣のクーデターを許しますか?

◆記事:<党首討論>安保、すれ違う議論…持論展開に固執(毎日新聞 6月17日(水)21時52分配信)

17日の党首討論では、民主党の岡田克也代表が安倍晋三首相に対し、集団的自衛権の行使容認を中心に論戦を挑んだが、

ともに持論を繰り広げる場面が目立った。憲法学者3人が安全保障関連法案を「憲法違反」と指摘して以降、

法案成立を急ぐ与党と民主党など野党の隔たりはさらに拡大している。

各党首の議論はすれ違い、お互いに「質問に答えていない」と批判し合う展開となった。

「ホルムズ海峡でどのような環境の変化があったのか」。岡田氏は冒頭、こう質問した。

政府は「安全保障環境の変化」を集団的自衛権の行使を容認する理由に挙げ、

中東・ホルムズ海峡での機雷掃海を想定される事例として説明している。岡田氏の質問は、

憲法解釈の変更に踏み切った基本認識を問うものだ。


首相はこれに対し、ホルムズ海峡の機雷掃海は「行使の典型例ではなく(例外的に認められる可能性のある)『海外派兵』の例だ」と発言。

外国領域に入って武力行使する例として持ち出したと説明したが、安保環境には言及しなかった。

逆に首相は「朝鮮半島有事の際、攻撃された米艦船を助けなくていいのか」と岡田氏に質問。

党内に賛否両派がいるとされる民主党の基本姿勢を問いただす場面もあった。

岡田氏は、武力行使の前提となる「存立危機事態」の具体例を繰り返し質問し、

首相は「朝鮮半島有事で某国が『東京を火の海にする』などと発言をエスカレートさせ、

日本にミサイル攻撃をするかもしれない状況が発生した場合だ」と語った。

ただ、「こういうことを言えば政策の中身をさらすことになる。

国際的にそんなリーダーはほとんどいない」と述べ、岡田氏の追及をかわした。

これに対し、岡田氏は

「今の答弁で、やはり憲法違反だと思った。武力行使の判断を政府に白紙委任している。

そんな国はどこにもない」と強く批判。具体例への詳しい言及を避ける首相に反論した。

首相はまた、憲法9条の下でも自衛の措置がとれるとした最高裁の砂川事件判決(1959年)などを挙げ、

「どこまでが自衛の措置かは私たちが常に国際状況を見て判断する」と語ったが、

岡田氏は「(朝鮮半島有事には)個別的自衛権で十分対応できる。集団的自衛権はいらない」

と明言し、議論は平行線のまま終わった。

公明党の山口那津男代表は終了後、記者団に「討論は正直、かみ合っているようには聞こえなかった。

それぞれの主張を述べている感じだ」と語り、深まらない安保論戦にいら立ちをにじませた。(太文字は引用者による)


◆コメント:憲法の本質を安倍自民党は理解しない(フリをしている)。

先日、国会に呼ばれた憲法学者が所謂「安保法制」を違憲だ、と言ったあと、

自民党(安倍政権)は「そもそも、憲法とは何か?」が分かっていない。

という趣旨の発言を小林節・慶応大名誉教授が発していますが、そのイライラはよく分かります。

憲法の本質は、主権者で或る国民が国家権力が、それを濫用しないように課した制約、リミット、枷(かせ)ですから、

その制約を受けている側が勝手にそれを緩めてはいけないのです。

その本質をわかっていないから、よりによって、閣議決定の「解釈改憲」で「集団的自衛権の行使が可能」などと

言う訳です。

本当は、安保法制の中身など検討にすら、値しない。

この閣議決定で、本来ならば憲法改正(改悪)を必要とする、自衛隊の武力行使が可能である、というバカな決定の時点で

問題外なのです。そこをマスコミが指摘しないのが悪いし、

安倍政権のやっていることは、実質憲法を無視した「クーデター」に等しい行為であるにも関わらず、

のほほんとしている主権者国民も悪いのです。


◆百歩譲って、「存立危機事態」とやらを、一応検討してみると、やはり話になりません。

日本の存立が関わるのは、日本自体が攻撃されたときで、それは個別的自衛権だけの問題です。

結論を言うと、岡田代表が正しい。日本の防衛に集団的自衛権は不要です。

集団的自衛権は自国が攻撃されていないが、同盟国など密接な関係にある他国(要するにアメリカ)が、

攻撃を受けた際に、これを日本が攻撃されたものを「見做して」反撃する権利ですが、

安倍内閣の安保法制の大問題は、集団的自衛権の行使の要件である「存立危機事態」は何か?がはっきりせず、

結局「その判断は、国に任せてくれ」というものです。そんなことを認めたら、どこまでも拡大解釈を許すことになります。

すると、アメリカのように「このままだと日本が北朝鮮に攻撃される可能性があるから」といって先制攻撃すらやりかねない。


安倍首相が、

「朝鮮半島有事の際、攻撃された米艦船を助けなくていいのか」

と言っていますが、朝鮮半島有事が起きて、アメリカ軍の艦船が攻撃されるような状況が生じたとしたら、それはもはや日本が

平時であるはずがなく、もはや直接的に日本が攻撃されるでしょうから、個別的自衛権の問題になるでしょう。

万が一、米国艦船だけが攻撃されたときに、これを守らなくていいのか?という安倍首相の質問に対して、

私なら、
守らなくて良い。日米安保条約はアメリカが集団的自衛権を行使するが、日本は憲法の制約があるから集団的自衛権は行使出来ないという条約だ。

と答えます。また、国家間の関係を擬人化して考えては、いけません。つまり、
「友人が襲われているのに自分は友人を助けず、自分が襲われたときだけ助けてくれと言うのか?」

というという例えを持ち出す人がよくおります。

私は、法学部の学生時代に国際政治学の講義で繰り返し、言われましたが、国家間の意思決定プロセスは個人のそれのような単純なものではない。

個人の関係になぞらえて、外交問題を思考してはならぬ。と。その通りだと思います。浪花節で戦争に突入していたら、

それこそ日本の「存立危機」事態になります。


話を戻しますが、米国艦船が攻撃され、これを助けるといって、北朝鮮に武力行使するようなことがあれば、

完全に、客観的に日本国憲法第九条の武力行使禁止規定に違反しています。


◆安倍内閣の「安保法制」は「クーデター」に等しい。

最初に述べたように、憲法の本質は主権者が、国家権力に課した制約です。

日本国憲法自体、第九十九条で、

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

と明確に謳っています。

安倍内閣の「安保法制」は、現行憲法九条を、実質的に無効化しようとする試みと言っていい。

その意味では、クーデターです。

こんな法案を強行採決するならば、日本は立憲政治の国ではない。独裁制の国です。

最後にもう一度強調します。これはニヤニヤして党首討論を見ているような状況ではない。

日本が戦争をする国になるかどうか、という大問題です。

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