カテゴリー「心と体」の記事

2009.11.14

20年前の11月13日、日本で初めての生体肝移植が行われました。

◆毎年、11月13日はこの話を書きます。

何度も同じ内容の記事をブログに書いています。

人間は、とりわけ日本人は、大切なことを直ぐに忘れる傾向にあります。

また、アクセス解析を見ると分かりますが、当ブログには毎日「初めて」の読者がいらっしゃいます。

特に若い方は、1989年11月13日に当時の島根医科大学(現在の島根大学医学部)で日本で初めての

生体肝移植が行われたことをご存じないか、まだ幼くて理解できなかったと思うのです。

当時、既に大人だった方も、忘れがちです。

だから毎年、私はリマインダーとして、同じ事を書きます。

おこがましい表現になりますが、日本で他に、これをやるブログは、

多分、存在しないと思います。


◆そもそもの始まり。

移植手術の患者は、生後間もない杉本裕弥ちゃんでした。生後1ヶ月検診で黄疸がある、と言われました。

山口県玖珂郡和木町、岩国市のすぐ北、広島との県境で開業していた木村直躬医師に、

裕弥ちゃんのおばあさんが、そのことを告げました。1988(昭和63)年12月のことです。

木村先生はエコー(超音波)で、ただちに、杉本裕弥ちゃんが、先天性胆道閉鎖症という病気である、と診断しました。

先天性胆道閉鎖症とは、生まれつき胆汁が流れ出る道がふさがっていて、胆汁が肝臓へ流れていかないので、

黄疸が段々強くなり、しまいには、肝硬変で死に至る病です。


◆杉本裕弥ちゃんは、移植以前に、胆道閉鎖症の専門家による手術をうけましたが、上手く行きませんでした。

この世に生を受けて間もない赤ん坊が、可哀想なことに、何度も手術を受ける運命にあったのです。

木村先生の紹介で、地元山口県の国立岩國病院の小児外科により、胆管を何とか開く手術が行われました。

1度では上手く行かず、2度目の手術も失敗でした。

岩國病院の担当医から、木村先生(最初に裕弥ちゃんを診察した開業医の先生)の元に、手紙が来て、

「この子の予後はホープレス(望みがない)」とのことでした。残酷な宣告です。

それでも、裕弥ちゃんの家族は諦めませんでした。

木村先生に、何とか手段は無いか、と聞きました。先生は肝移植以外に道はない。といいました。

日本では、移植手術はタブーとされていました。

1968年札幌医大で行われた日本初の心臓移植手術の失敗が、その背景にありますが、その説明は省きます。

日本木村先生はオーストラリアの病院に問い合わせましたが、オーストラリアの病院は

「生体肝移植は難しくて無理だ。」という、つれない返事をよこしてきました。

しかし、木村先生も諦めませんでした。


◆木村先生は、「移植手術を頼むなら、島根医大の永末先生しかない」と考えました。

木村先生の頭に浮かんだのは、九州大学医学部の後輩で、広島赤十字病院で同僚だった永末直文医師でした。

木村先生は内科、永末先生は外科ですが、肝臓を専門とすることで共通していました。

木村先生がエコーで肝臓ガンを診断し、永末先生が切除可能な肝ガンの手術を6年間で200例も手がけていました。

木村先生は「生体肝移植を頼むなら、(島根医大に移った)永末君しかいない」と思いました。

永末先生は、最初あまり乗り気ではなく、オーストラリアの病院で手術を受けることを進めました。

これは、前述の通り当時の日本の医学界で「移植」という言葉はタブーだったのです。

このタブーを破った医師は、医師生命を絶たれる危険がありました。ですから、最初に永末先生が積極的ではなかったことも、

無理からぬことだったと言って良いでしょう。

ところが、木村先生は諦めませんでした。講演のため、広島に来た永末先生に会い、

とにかく裕弥ちゃんの診察だけでもしてくれ、と、頼みました。永末先生は引き受けました。

永末医師が初めて診る裕弥ちゃんは、黄疸が強く出ていて、溜まった腹水でおなかがパンパンに膨れて、静脈が浮き出ていました。

既に食道静脈瘤が出来ている可能性があり、これでは、いつ吐血してもおかしくない。

吐血しなくてもあと1ヶ月ほどの命、と永末先生は思いました。まだ、生後一年経っていない赤ん坊が肝硬変です。残酷な現実でした。

裕弥ちゃんの体力が移植手術に耐えられるか、五分五分だと考えました。


◆永末先生は裕弥ちゃんの家族にありのままを話しました。

永末医師は家族に客観的事実を説明しました。それは、


  • 正確なことは精密検査をしないと分からないが、移植手術は出来そうなこと。

  • 但し、島根医大の永末医師のグループでは生体肝移植の経験がないので、上手くいくかどうか保証できないこと。

  • 手術まで持ち込めても、裕弥ちゃんの全身状態があまりにも悪いので、手術に持ちこたえられずに亡くなる可能性も高いこと、


という内容でした。決して楽観出来る話ではありません。しかし、家族は必死でした。

永末医師は特に裕弥ちゃんの祖父政雄さんの言葉を強く覚えています。
このまま裕弥を死なせたら悔いが残ります。明弘(引用者注:裕弥ちゃんの父)の命に別状がないのなら、結果は問いません。是非手術をして下さい。

そして、政雄さんは、裕弥ちゃんの両親に言いました。
「明弘、寿美子さん。お前たちが両親なんだから、お前たちからはっきりお願いしなさい」

15秒ほどの沈黙の後、それまで寡黙だった明弘さん(裕弥ちゃんの父)が永末医師を正面から見つめ、言いました。
「お願いします」

その言葉に永末先生の気持ちが動きました。

「この人達は裕弥ちゃんを助けようと必死になっている。移植手術未経験だというのに、頼むという。

ここで失敗を恐れて背を向けたら、医師として最も大事なものを失ってしまう」と思ったのです。


◆永末先生は、島根医大第二外科全員に「この手術を断るぐらいなら、明日から肝移植の研究など止めてしまおう」と言いました。

永末先生の気持ちは固まりました。

当時永末先生は助教授でしたから、第二外科の部長中村教授の了解も取り付けました。

自分の研究室に戻った永末先生は、肝臓グループの医師たちに、裕弥ちゃんの生体肝移植を引き受けることにした、と言いました。

医師達は全員無言になりました。

「日本で初めての生体肝移植」であることに加え、裕弥ちゃんの症状が悪すぎる、と専門医たちは誰もが思ったのです。

スタッフが躊躇っているのを見て、永末先生は、言いました。

「赤ちゃんは死にかけている。家族は結果は問わないからやってくれという。責任は全て私が取る。目の前の赤ちゃんを救えないような研究なら意味は無い。もしこの移植を拒むなら、明日から移植の研究など止めてしまおう

第二外科の河野講師(当時)はこの言葉を聞いて、身体が震えたといいます。皆同じ心境だったことでしょう。


◆中村教授は「永末君、君は全てを失うかも知れない、本当にそれでいいのか?」と心配しました。

手術を行うことが決まってから、永末先生は、中村教授の部屋で何度も話し合いました。

中村先生は、心配していました。

「永末君。僕はもう13年もここの教授をしていて思い残すことはない。福岡へ帰れば済む。

しかし、君はこの手術で全てを失うかも知れない。僕はそれがいちばん心配だ。本当に君はそうなってもかまわないのか」

その都度、永末先生は答えました。
「先生。大丈夫です。誰かがやらなければならないことを、私たちがやるだけです。これで弾劾されたら、福岡へ帰って開業します」

この言葉は、決断―生体肝移植の軌跡という本(是非、読んでいただきたい)で永末先生自身が書いている言葉です。

しかし、本当はもっと悲痛な覚悟でした。

後年、NHKの「プロジェクトX」に出たとき、永末先生は、医師を辞めることさえ覚悟していた、と話しました。

「私は英語が得意なので、学習塾の英語の先生をすれば、食べていけると思ったのです」

淡々と語る永末先生を見て、私は心の底から、永末先生を尊敬しました。

これほど立派な医師を見たことがありません。

裕弥ちゃんの移植手術そのものは成功しましたが、その後、ありとあらゆる合併症が起きました。

そして、手術から285日後、1990(平成2)年8月24日、午前2時32分、亡くなりました。1歳9ヶ月の生涯でした。

家族は、手術とその後の肝臓チームのすさまじい努力、裕弥ちゃんを救おうとする苦労を目の当たりにしていたので、

チーム全員に丁重にお礼をいいました。後年、裕弥ちゃんの弟が生まれました。

母親の寿美子さんは、永末直文医師の「直」と裕弥ちゃんの「弥」をとり、「直弥」と名付けました。

島根医大第二外科が初めての生体肝移植をしたのを見届けるように、その後、京大、信州大が、数多くの生体肝移植を成功させました。

それはそれで、良いことです。

しかし、何と云っても、「最初にやる」ことを決断する勇気と覚悟は、2番目以降とは比べものになりません。

島根医大第二外科の英断と死にものぐるいの努力がなければ、こうした道は今も開けていなかったでしょう。

島根医大は、今は島根大学医学部になってしまいましたが、それはこの歴史的事実の価値に比べればどうでも良い。

永末先生とそのチームの偉業は、日本の医療の歴史に永遠に刻まれるでしょう。

永末先生が中心となり、当時の移植チームのメンバーが、思いを綴った本、決断―生体肝移植の軌跡を是非、読んで下さい。

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2009.11.11

「酒井被告が介護への道」←今まで下らないから黙っていたが、これは、一言言いたい。

◆記事:酒井被告が介護への道、創造学園大入学へ(日刊スポーツ 2009年11月10日6時27分)

覚せい剤取締法違反の罪に問われた女優酒井法子被告(38)の判決公判が9日、東京地裁で行われ、

懲役1年6月、執行猶予3年の判決が下された。

介護への道を希望し、大学を探していた酒井被告は、前所属事務所サンミュージックの相沢正久副社長の協力で、

群馬県高崎市に本部がある創造学園大学に入学する方向になった。関係者によると、

既に願書を提出し、面接も受け、合格通知を手にしているという。


◆コメント:介護って何だか分かってる?

酒井法子被告人に関するニュースはあまりの大騒ぎが馬鹿馬鹿しく、今まで無視していたが、

今朝、このニュースを読んだときには、呆れ、腹が立った。

酒井法子被告人に判決が下されたのは昨日、11月9日である。その翌朝の新聞に、

群馬県高崎市に本部がある創造学園大学に入学する方向になった。関係者によると、

既に願書を提出し、面接も受け、合格通知を手にしているという。

って、どーゆう学校なんですか。これは公判中に入学が決まっていたということではないですか。

この学校はまだ、判決が確定していない人物、即ち(執行猶予が付くだろうという予想はあったが)、

実刑を科せられるかも知れない被告人に合格通知を出していたということだし、被告人も、判決が確定しない内に

願書を出し、面接を受けていたということになる。そんないい加減なことって、ある?


私は、20年以上前に92歳で他界した祖母(父の母親)がいた。身体は丈夫なことこの上なく、

信じがたいが生涯、全て自分の歯だった。しかし、晩年は完全にボケた。

今は認知症と言わなければならないのはしっているが、そんな甘いものではない。

ボケ老人という言葉が最もよくフィットする。

世間ではやたらと介護という言葉があふれているが、実際の悲惨さが伝わらない。

要するに、多くはボケ老人の世話、である。寝たきりならば、下の世話から何からするのだ。

大変な重労働である。そして・・・・・。

私の祖母は最晩年まで寝たきりにはならなかったが今から思うと完全にアルツハイマーか認知症。

本来、精神科の世話になるべきだった。しかし、20年以上も前のこと。父がまだ健在でひどく嫌がった。


頭がボケた老人と一緒にいることが、ましてや自宅にいることが、どれほどものすごいストレスになるか、

こればかりは経験しないと分からないと思う。私も実はあまり思い出したくないぐらいである。

私よりも遙かに精神的にタフな母でさえ、参ってしまいそうだった。

ヤバいと思い、1日、親戚に面倒を見て貰って、母を富士山に連れて行ったらとても喜んだのを

思い出す(誤解を招くといけないので書いておくが、母はまだ健在である)。


私は当時学生で、昼間は学校に行っていたからまだしも、母は本当に辛かったはずである。

私ですら、毎晩、夜中に起き出して、リビングで仁王立ちになっている祖母を

思い出すと、気が狂いそうである。祖母は、
「家族が自分をだまし、勝手に自宅を売りに出そうとしている」

と信じきっていたのだ。妄想だからいくら説明しても無駄である。前述の通り父は祖母を精神科に連れて行かない。

これが毎晩続いた。


しばしば介護疲れで、老夫婦のいずれかが他方を殺してしまう悲劇がある。

誤解を恐れずに書くならば、その気持は大変よく分かる。

私も、祖母を階段から突き落としたくなったが、刑事被告人になる一歩手前で何とか我慢する、

という精神状態になったことが何度も、ある。それほどものすごいストレスなのだ。


まあね。色々と、立派なことを仰有りたい方もおられるだろうが、

その前に、自宅でボケ老人の世話をしてみるといい。発狂しそうになるか、殺意を抱くか、自殺したくなるか、

いずれかを経験するはずである。


◆音楽療法士だあ?音楽療法士に失礼ですよ。

他の新聞で次の記事を見つけた。

◆記事:<酒井法子被告>創造学園大に合格 音楽療法など勉強か(11月11日0時11分配信 毎日新聞)

覚せい剤取締法違反の罪で有罪判決を受けた元女優、酒井法子(本名・高相(たかそう)法子)被告(38)が

創造学園大(群馬県高崎市)を受験し、合格していたことが分かった。大学側が10日明らかにした。

大学のホームページによると、同大にはソーシャルワーク学部と創造芸術学部がある。

ソーシャルワーク学部は社会福祉士などの資格を取得することができ、創造芸術学部は音楽療法士の資格を取ることができる。

年間に複数回の入学試験を行っているというが、何学部に合格したかは明らかにしていない。

この記事だけでは、分からないがいくつの記事を読むと、酒井法子自身が「音楽療法士」を希望しているようだ。

音楽療法士になる、というのは、歌手だったから?老人ホームで歌を歌ったら、音楽療法士を名乗れるとでもおもっているのだろうか。

音楽療法士は音楽大学でピアノ科ならピアノ科を卒業した人。つまり音楽の専門的訓練を受けた人が、

更に、医字、心理学、障害学、福祉学など関連領域の勉強もして、

老人だけでなく、様々な精神疾患を音楽を用いて治療する専門家である。

アイドル歌手だった→音楽(療法士)というような甘いものではない。

酒井法子は絶対にそれが分かっていないと思われる。

介護をやるとか音楽療法士になる、とか言いだしたのは、判決前に裁判官に好印象を与えようと

しただけだろう。安易にそういうことを口に出すべきではない。

これから何をすべきか時間をかけて考えます、というべき所だった。

実際の介護士や音楽療法士に失礼だ。

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2009.11.09

この年齢になっても褒められれば、嬉しいものです。

◆私はどういう勤務をしているか。

私は、いきさつを説明すると長くなるので省略しますが、12年前に、うつ病になってから、

一時期は入院までしました。10年前です。ところが復職したあと、

「もう治った」と思い、フルタイムで健康な頃と同じ勤務をして、1年ぐらい働いて、

力尽きて、数ヶ月休職をする、という失敗を2回もしてしまいました。

そこで今は、時間短縮勤務が相応であるという産業医の判断のもと、遅く出かけて早く退社する、

という生活を、かなり長く続けています。

そのかわり、何度も書いたように、給料は若くてバリバリ働いていた頃の半分ですし、

ボーナスなど4分の1です。蓄えを取り崩して生きています。

自分で云うのも何ですが、会社にいる時間帯は、そんじょそこらのフルタイムの人の何倍も

集中して仕事をしていると思います。雑談など一切しない。食事は会社に着くのが10時半から11時頃で、

毎日私が電話番で居残り、他の人たちは11時から外に食事に行く。

私はその間に、幼稚園児のような、おにぎり2個とちょこっとおかずが入った弁当を三分で飲み込むように食べます。

本当は、時短勤務者とはいえ、精神科の患者に1年中電話番をさせる会社もどうかとおもいますが、

こちらからそれを言い出すのは難しい。仕方ないですね。


私は通常の業務は無理なのです。何回目かの休職の後、復職した際、

上司に何かやりたいことはあるか、と聞かれたので、

「社内の通達や、世の中の出来事を常時ウォッチし、社内メールで、部内に配信する」ということを提案しました。

それは良いかも知れない、と、その仕事に専念することを許されました。


この話を書こうかどうしようか、迷いました。本来こんなのは来年50になる総合職の仕事ではない。

若い人でも出来ることですから、恥ずかしいのですが、今、まだ病気が寛解していない私が、

「年相応の」責任を任され、普通の人と同じようなことをしたら、また、ダメになると思います。

説明しようがありませんが、自分でもわかるのです。

バカにしたい方はどうぞ、バカにして下さい。

ただ、私は情報に対する嗅覚に自信があります。

若くて健康な頃から、重要なニュースを一瞬でも早く見つける、という必要に迫られる仕事をしていたからです。

最初は「情報メール」は同じグループの10数人が対象でしたが、他のグループの長や、

部長、副部長もメールの「宛先」に加えるように言われました。

さらには、部内全員に配信するようになりました。大所帯なので300人近い人に、1日3回、メールを送信しています。

やがて、それを役員も知り、私の部署の担当常務、専務にまで送ることになりました。

どれぐらいの人が読んでくれているか、気になるのでメールの開封確認が返信されるように設定しています。

開封確認が来なかったら読まずに削除されている、ということになり、

私の送る情報が全然役に立っていないことになりますが、幸い、開封率は9割を超えています。



だから、多少は私が収集している情報が役に立っているのだ、と想像することはできましたが、

あまりにも誰も何も感想を言わないので(文句も言われないのですが)、果たして、

どの程度の意識で読んでくれているのか不安でした。

贅沢なことを言うようですが、人間全く反応がない、というのが、精神的に堪えるのかもしれません。

存在を無視されているようで。

以前は数ヶ月に一度

「JIRO君が毎日送ってくれる「ニュース」ね、あれ、いいね。実に参考になるね」

などと言ってくれる方がいたのですが、人事異動でいなくなってしまいました。

サラリーマンの仕事なんて、ちゃんとやって当たり前で、上手くできているからといって、

いちいち褒めて貰うことを期待する方が間違っているのです。本来、「部長」になっても良い年なのですから。

しかし、私としては、精神科の患者であることを会社に「カミングアウト」しているのです。

これは、その瞬間、会社での未来は無くなった、ということです。

一生、昇給も、昇格も一切無いことが100%明らかなのに、それでも何とか自分自身を鼓舞して、

「やる気」を出して、ロクに休憩もせずに、一日中誰とも話さずに必死の思いで作っている「情報メール」です。

しつこくなりますが、絶対に将来が無いとわかっていて「やる気」を維持するって、結構キツイのです。

それ以上に、人間、自分の仕事が全く評価されない(プラスもマイナスも含めて)、という状態は、

自分の存在価値が分からなくて不安です。

誰か、たまには「参考になった」とか「あの情報は知らなかった」と言ってくれないかな、と思ってしまいます。

ほんのちょっとしたそういう一言で、少なくとも幼稚かつ単純な私は、自分の存在意義を確認できて、「やる気」を保持できるのです。


◆先週の金曜日に少し嬉しいことがありました。

金曜日に良いことがありました。

いつもは席が離れていて話す機会もない、目上の方が、私が退社する為にエレベーターホールで待っていたら、声をかけて下さいました。

「JIRO君の情報メールね。いつも読ませて貰っているけど、あれは大したものだね。他の人には誰も真似できないね」

と。

私が情報を送っている相手が皆、そう思ってはいないでしょう。

精神疾患への無知・偏見は根強いですから、中には「なんだ、楽な仕事しやがって」と思っている人もいるでしょう。



ですが、ほんのちょっと褒めていただくだけで、人間、随分気分が違います。

はっきり言って、私は社会人としてはドロップアウトです。

皆が耐えているプレッシャーに耐えられなかった。こんな変則勤務が何年も許されるのは、

企業の規模がある程度大きいからです。本当はそれだけで十分幸福だ、と考えるべきでしょう。

だから、ここに書いたことは、ひと様からは甘えているように見えるかもしれませんが、

私の主観では、「必死」なのです。ことし大学受験の息子がいます。


多分、現役では、ろくな所に入れない。しかし、私も浪人した経験があるのであまり偉そうなことは言えません。

「現役」に拘って、あまりにもレベルが低い大学に言っても仕方がない。

何とか愚息が一人前になるまで私には支える責任がある。家内に対してもです。

その責任は岩のように重いのです。今まで私は、果たしてそこまで頑張れるか不安でした。

今でも不安ですが、金曜日に励まして下さった会社の先輩のおかげで、ほんの少し、自尊心を取り戻しました。

頑張れ。自分。

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2009.11.05

「<糖尿病>「20年後には4億人超」国際機関が警告」←食い過ぎですよ。

◆記事1:<糖尿病>「20年後には4億人超」国際機関が警告(11月4日15時1分配信 毎日新聞)

世界の糖尿病患者は約2億8500万人に達し、

このまま増えれば2030年には4億3800万人を超えるという推計を、

国際糖尿病連合(本部・ブリュッセル)がまとめた。生活水準の向上による食生活の変化や運動不足が大きな原因で、

世界の20~79歳人口に占める患者の割合も、10年の6.6%から30年は7.8%に増えると予測。

糖尿病の急激な拡大について同連合や世界保健機関は「パンデミック(大流行)」と表現し、深刻な事態だと警告している。

推計は同連合が発行する最新の糖尿病報告書に掲載された。それによると、

10年時点の患者数トップは、インドの5080万人、中国4320万人、米国26

80万人と続き、日本は8位の710万人だった。30年には、インドが8700万人に増えるなど

軒並み患者数が増えると予測。日本は、調査対象の20~79歳人口が1割以上減るため、

患者数は690万人と減少し、順位も12位に下がる見通しだ。


◆記事2:空腹力が人類を救う(マル激トーク・オン・ディマンド 第441回(2009年09月19日))

食欲の秋というが、今週の丸激のテーマは「空腹力」。

「空腹力」とは、文字通り空腹状態に耐える力のこと。その名づけ親である医師の石原結實氏は、

今日先進国に住むわれわれを悩ませているあらゆる病気の原因に、単純な「食べ過ぎ問題」があるとの前提に立ち、

われわれが健康な生活を取り戻すためには、食べないことに耐える力、すなわち空腹力を鍛えることが不可欠であると主張している、

実は知る人ぞ知る断食界のカリスマだ。

そもそも300万年前に発祥したと言われる人類の歴史は、そのほとんどが飢餓との戦いに費やされてきた。

人間は飢餓を乗り越えて生き延びるために、飢餓に対応するありとあらゆる防衛機能を備えるようになった。

それがあったからこそ、恐竜を始めとする多くの動物が滅亡する中、今なおわれわれ人類は地球上で生き延びていると言っていい。

飢餓防衛能力の一つが、例えば皮下脂肪だ。摂取した栄養は人体の機能を維持するために代謝に回されるが、

余った分は将来の飢餓に備えて、皮下脂肪そして体内に蓄えられる。

また、血糖値が下がると人はすぐに空腹を感じ、万難を排してでも何とか食べ物を口に入れようとするが、

食べ物を口に入れてからそれが消化されて満腹を感じるまでに1時間ほどのタイムラグがあるために、

放っておけば人間は必ず食べ過ぎるように作られている。

しかも、余分に食べたものはすぐに脂肪になって貯蔵されるが、一方この脂肪が、簡単には燃焼されないようになっている。

ダイエットが苦しいのも、それが原因だ。

いずれも、将来の飢餓に備えるために人間が300万年かけて身につけてきた高度な飢餓防衛能力なのだから、

こればかりはしかたがない。(中略)

石原氏の提唱する空腹力とは、端的に言えば空腹を我慢する力のことだが、

それは何も空腹の苦しみに耐える力をつけろと言っているわけではない。

人間は血糖値が下がった時に分泌されるホルモンによって空腹を感じるため、血糖値が上がれば本来は空腹は収まる。

しかし、われわれの多くが、幼少時からきちんと食事を摂らなければならないときつく教え込まれているため、

実際に食事で胃袋を満たさないと空腹は収まらないものと信じ込んでいる。

つまり、空腹力とは、そうした呪縛から自らを解放し、血糖値を正常にコントロールすることで、

例えば1日1食か2食で苦痛を感じずに十分やっていけるような力を付けることを意味する。

空腹力を鍛えれば、例えば、石原氏が提唱するニンジンとリンゴを混ぜたジュースやショウガ入り紅茶で

血糖値を上げておくだけで、まったく空腹を感じずいられるようになるのだと石原氏は言う。

石原氏自身が、朝、昼はニンジン・リンゴジュースを3杯ずつ飲み、合間にショウガ紅茶を飲む他は、

1日1食だけで、しかも毎日ジョギングやウエイトリフティングに勤しむ生活を、30年以上続けているそうだ。(以下略)


◆コメント:我が意を得たり。

糖尿病とは何か。

医者ではないから、以下、アンチョコ丸写しである。

我々が食べ物を摂った炭水化物を胃や腸で分解し、更に肝臓で、それをブドウ糖に変えて、活動のエネルギー源としている。

ここで、インスリンという、すい臓内にあるランゲルハンス島という細胞群が分泌するホルモンが必要である。

インスリンは、ブドウ糖をグリコーゲンという物質に変える。

変える、というか、グリコーゲンの分子はブドウ糖がたくさんつながった構造になっていう。

グリコーゲンは肝臓に蓄えられる。

したがって、インスリンというホルモンが分泌されなくなると、

血液中のブドウ糖を身体のエネルギー源であるグリコーゲンにすることができず、血液中の血糖値だけが上がってしまう。


◆糖尿病にはⅠ型とⅡ型がある。生活習慣病はⅡ型である。

昔から、糖尿病は「贅沢病」だと言われる。多くはそうだが、それだけではない。

本人に責任が無い糖尿病もあることは、知っておくべきだ。

糖尿病にはⅠ型とⅡ型がある。

I型は、先天性で、元々ランゲルハンス島が破壊されていて、インスリンを作り出すことができない。

これは、本人の責任ではなく、遺伝的なものだ。

何しろ自分ではインスリンというホルモンを作り出すことができないのであるから、

一生、インスリンを注射しなければならない。Ⅰ型の割合は全体の10%程度である。



もう一つの型、Ⅱ型の糖尿病とはなにか。

記事で問題にしている「糖尿病」はこのⅡ型で糖尿病の90%を占める。

インスリンの分泌が減るのと、同じだけインスリンを打っても、ブドウ糖を分解する機能が低い。

この病態を「インスリン分泌低下と感受性低下」という。

何故それが起きるのか分かっていないようだが、遺伝的な要因を持った人が、

Ⅱ型糖尿病に鳴りやすい生活習慣を持っていることが多い。

少々分かり難かったのでもう一度まとめると、

糖尿病I型=先天的にインスリンを作るランゲルハンス島が破壊されている。

糖尿病Ⅱ型=遺伝的な要因があるが、美味い物を食い過ぎて血糖値が高くなり、それが原因か確証はないが、

インスリンの分泌量が減り、或いは、インスリンを注射してもブドウ糖を分解する能力が低い。

生活習慣病としての糖尿病はⅡ型であり、要するに食い過ぎなのである。


◆以前、私が16キロ減量したら、健康診断の全ての数値が正常範囲に戻った体験談を書いた。

私は身長が163cmなのに、一時期体重74キロ、腹囲が85センチを超え、当時はまだ「メタボリック症候群」

という言葉はなかったが、現在のメタボの判定基準によれば完全にメタボ症候群だった。

久しぶりに会う人は皆「太ったねえ」という。そこでやばいと思ったが、私は運動は嫌いだから、

運動で痩せることが不可能であることは間違いない。残りは摂取カロリーを減らすしかない。

そこで、素人考えの方法だが、「昼飯を殆ど食わない」ダイエットを敢行したところ、

約2年で16キロ減量し、腹囲は75センチとなり、もうずっとリバウンドしない。

そのやり方は、3年半前に書いた。

「内臓脂肪症候群 1960万人」←美味いものを食い過ぎですよ。日本人は。ココログ

私は結果的にはこの方法で減量して、今だにリバウンドしない。

これは、今年の6月に受けた健診結果である。

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但し、私は医療従事者ではないし、この方法は医師と相談して決めたのではない。

完全に素人判断の「我流」であるから、万人にとって安全、適切な方法である保証はない。

私と同じ事を実行して体調を崩しても、責任は取りかねる。自己責任でお願いします。

あくまでもご参考程度、であり、本来のダイエットは医師の指示に従って頂きたい。


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2009.10.18

<加藤和彦さん自殺>軽井沢のホテルで首つる 部屋に遺書←人間の気持ちは他人には分からない。

◆記事:<加藤和彦さん自殺>軽井沢のホテルで首つる 部屋に遺書(10月17日13時23分配信 毎日新聞)

17日午前9時25分ごろ、長野県軽井沢町のホテルの客室で、歌手で音楽プロデューサー、

加藤和彦さん(62)=東京都港区六本木1=が首をつって死亡しているのを県警軽井沢署員らが発見した。

同署は、遺体に目立った外傷がなく、室内から遺書とみられる文書が見つかり、

知人に自殺をほのめかす電話をかけていたことなどから自殺とみている。

同署によると、加藤さんは16日から1泊の予定で1人で宿泊。17日午前8時15分ごろ、

ホテルに加藤さんの知人女性から「本人と携帯電話がつながらない」と安否の確認を求める連絡があった。

ホテルの通報を受けた署員と従業員が客室に入ると、浴室で加藤さんが普段着姿で亡くなっていた。

最近、加藤さんはこの女性に電話で自殺をほのめかすような話をしており、15日ごろから連絡が途絶え、

所在も分からなくなっていた。不安に思った女性や音楽仲間が行方を捜し、ホテルを突き止めた。

部屋には、あて先を記載した封筒2通があり、それぞれに遺書らしい文書が入っていた。

いずれもホテルの便せんではなく、別の紙を使ってパソコンで作成されており、同署は加藤さんが

事前に用意していたとみている。あて先は個人名ではなかった。室内や旅行カバンが荒らされた形跡はなかった。


◆コメント:うーん。コメントが難しい。

死者を冒涜する気持はさらさらないが、正直、このニュースを聞いたとき、少しばかり腹が立った。

加藤和彦氏は、もともと家が金持ちで、「クルセダーズ」で成功し(つまり更に金持ちとなり)、

作詞家の安井かずみ(1939-1994)と結婚して、日本一オシャレな(だったか「カッコイイ」だったか)夫婦、

などと云われ、どこへ言ってもチヤホヤされ、下へも置かぬ扱いを受け、

アクセク働かなくても、何だか楽しそうに遊んで優雅に暮らしていて、

人に頭を下げることより、下げられた回数の方が遙かに多い、

いいご身分の人だな、と思っていた(実は今も思っている)。

もっと死にたくても生きてる奴が沢山いるのに、一体これだけ恵まれた人生を送って、

何が不満やねん?と言いたいのだが、それは情緒的な思考であり、排除しなくてはいけないのである。


◆「不幸」「辛さ」「悩み」は原則として、相対的に見るべきではない。

何を言いたいかというと、自分は不幸だ、と嘆く人に向かって、

何を贅沢を言っているのだ。お前なんかまだ良い方だ。世の中もっと大変な思いをしている人がいくらでもいるのだぞ。

という説教を垂れる人がいる。つまり、ある人の「不幸」「辛さ」を他と比較して「相対的」に見るのだが、

これは一見正論に見えるが、実はあまり意味がない。

何故なら、人は皆、違う親の元に生まれ、違う育てられ方をし、

違う学校に行き、違う友人を持ち、違う経験をし、

今置かれている環境も、感受性も、地球上の人間、一人ずつ全員違うのである。

従って、人物Aにとっては何でもないことが人物Bにとっては大変な問題だ、ということは、

ごく当たり前のことである。

つまり、人間は、他人の心など、完全に理解できるはずがないのであり、

一人の人間にとって、何が幸福で何が不幸かというのは絶対的なものである。

だから、私が最初に書いたような、
「加藤和彦氏よりも遙かに、社会的、経済的条件が厳しい人だって、皆生きているのに・・・。」

という感想はあくまでも情緒的反応であり、考え方としては正しくないのである。

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2009.10.04

「中川昭一元財務・金融相、都内の自宅で死亡」←死因が何であろうが、人の死は、まず、弔うのです。

◆記事1:中川昭一元財務・金融相、都内の自宅で死亡(10月4日10時14分配信 読売新聞)

 4日午前8時20分頃、自民党の中川昭一元財務・金融相(56)が東京都世田谷区内の自宅2階ベッドの上で

うつぶせの状態で動かなくなっているのを妻が発見、「体が冷たくなっている」と119番通報した。

東京消防庁の救急隊員が現場に駆けつけたところ、すでに死亡していた。

警視庁世田谷署では病死の可能性もあるとみて、死因や詳しい状況を調べている。


◆記事2:中川氏急死 病死の可能性も 病理検査で詳しい死因調査へ(10月4日20時57分配信 毎日新聞)

4日午前8時20分ごろ、中川昭一(なかがわ・しょういち)元財務・金融担当相(56)が、

東京都世田谷区下馬5の自宅で死亡しているのを妻郁子さん(50)が見つけ119番した。

警視庁世田谷署によると、中川氏に目立った外傷はなく、遺体や室内の状況から事件や自殺の可能性は低いとみられる。

行政解剖では死因を特定できなかったが、病死の可能性があり、都監察医務院が病理検査で詳しい死因を調べている。

告別式の日程は未定。


◆コメント:ただ、ご冥福を祈る。

中川昭一氏は、旧・日本興業銀行(現・みずほ銀行)の銀行員でした。

親父さんの中川一郎氏が自殺して、銀行辞めて、父親の地盤を引き継いだのです。

一時は閣僚(金融相)まで務めたのに、8月30日の衆院選で落選。

選挙後、地元の後援会が落選した昭一氏を激励する会を催したのに、姿を見せず、支持者は激怒したそうです。

そんな話を聞いて、もう四面楚歌のヤケクソで自殺に走った可能性は十分に考えられます

(行政解剖で死因を特定出来なかった、との記述がありますので、本来憶測で書いてはいけないのですが)。

もしも自殺ならば、父も息子も自殺な訳で、誠に痛ましい、という以外に言葉を知りません。


中川昭一氏は、G7で泥酔して醜態を晒したり、問題は確かにありました。酒癖の悪さは本人の責任です。

当時、私はその件に関して批判的な記事を書きました。

しかし、中川氏が亡くなった今、その件については最早、再び論評しません。

ネット上、ブログや、mixi日記や、Twitterのつぶやきに、中川氏の死を茶化すような言葉が散見されますが、

それは不謹慎だと思います。

死因が仮にそれが自殺であろうと、なんであろうと、人の死は静かに悼むものです。

安倍内閣の時に松岡農水相が自殺しました。

その時にも私は同じ事を書きました。読んで頂きたいと思います。

2007年05月28日(月) 松岡氏の自殺そのものには言及を避ける。一般論。死んだ日から、死者に鞭打つことはなかろう。/【追加】日経のコラム「春秋」ココログ


謹んで、中川昭一氏のご冥福を祈ります。

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2009.07.15

「うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目」←万能ではないかも知れないが、大きな進歩だ。

◆記事:うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目(朝日新聞)(2009年7月11日19時52分)

血液検査でうつ病かどうかを診断する方法を、厚生労働省の研究班(主任研究者・大森哲郎徳島大教授)が開発した。

うつ病患者と健常者で白血球の遺伝子の反応が微妙に異なることを利用した。数年後の実用化を目指す。

問診と併せて、数値化できる簡便な診断法が使えれば、患者の見逃しが減ると期待される。

研究班は白血球の遺伝子がストレスで変化することに着目し、それをうつ病の診断に使えないか調べた。

約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。

医師の面接によってうつ病と診断された17~76歳の患者46人と健常者122人を分析した結果、

うつ病患者の83%(38人)、健常者の92%(112人)で、特定の遺伝子が突き止めた通りに反応し、正しく判定できた。

治療薬による影響で遺伝子が反応する可能性を除くため、うつ病の患者はまだ治療していない人を対象にした。

研究班は今年から2年間、対象を増やして診断し、実用化できる精度か確かめる。

うつ病以外の精神科の病気と、はっきり見分けることができるかも調べる。実用化されれば、

患者から採った血液2.5ミリリットルを処理した液を、遺伝子チップという分析器具で反応させて診断できるという。

厚労省の調査で、うつ病など気分障害と診断された人は、05年で92万4千人。6年で倍以上に急増している。

うつ病は、医師が患者と面接し、症状から診断している。

しかし、うつ病と他の病気との境目があいまいな例も多く、専門医でも診断に迷うことが少なくないという。

大森教授は「血液検査による診断法が実用化されても、医師の面接による診断は必要だ。血液検査が実用化、普及すれば、

一般の医師が診察する際に、これまで見過ごされてきた患者を治療に結びつけることが期待できる」と話している。

国立精神・神経センターの樋口輝彦総長(気分障害薬理生理学)の話 

今回の診断法が高い確率でうつ病を見分けられることが明らかになれば、

診断の手法として有効な方法といえるのではないか。可能性は十分にあると思う。

今後、白血球の遺伝子の変化と、うつ病の原因とされる脳内の変化との関係がわかれば、うつ病の原因究明にもつながる。


◆コメント:精度を高めるためには、まだ時間がかかりそうだが、うつ病患者にとっては朗報である。

長引く不況と共にうつ病患者が増えていて、それ以前から日本では、10年連続自殺者が3万人を超えている。

自殺者の全てではないが、かなりの割合で、うつ病を発症していたが、適切な治療を受けていなかった人がいた、

と推定される。


私は10年来の遷延性・難治性うつ病患者だが、この病気の辛さは、病気がもたらす、憂鬱感、気力の無さ、不眠などの

症状そのものだけではない。多くの患者にとっての悩みは、

見た目が普通なので、病気を理解しようとしない人々には、「怠けている」「根性が足りない」と誤解される。

ことなのだ。

他の身体の病気(うつ病も脳という臓器の病気なのだが)のように、データ、客観的な情報として、「この人はうつ病である」ということが、

「証明」出来ないのである。

うつ病のみならず、現在、世界標準の精神疾患診断基準は、アメリカ精神医学界が編纂した、DSM-Ⅳ

(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders version4=精神疾患の分類と診断の手引第四版)に従っている。

しかし、これは、あくまでも一つの目安である。もしも、いちいちこの本を見ながら診断を下す精神科医がいたら、間違いなくヤブ

と思っていい。

現状、他の病気も含めると話が煩瑣になるので、話をうつ病に限るが、診断は、精神科医が患者と面談して受けた

「印象」と「臨床経験」に基づいている。

他の臓器の疾患であれば、心臓病なら、心電図、心エコーなどにより、診断が可能であるし、

肝機能・腎機能に異常がある場合も、血液検査から、その客観的な証拠を示すことが出来る。

しかし、精神科には、それに匹敵する、客観的な証拠が、はっきり言って存在しなかった。


このため、大きな声では言えないが、実は、医療従事者の間でも、精神科は、科学と文科系の中間とでもいおうか、

医師のさじ加減でどのような診断も出来てしまう、という点で他科に比べ、科学的客観性に欠けるため、偏見を持たれているようだ。

他科の医師は精神科のことを「P科(psychiatry:サイキアトリー。英語で「精神科」の意)」とか「プシコ(psychology=心理学)」

などとバカにしている。


しかし、転載した朝日新聞がの記事の内容が正確であるならば、今後「純科学的(医学的)に」うつ病診断が可能になる。

尤も、精神科の患者そのものに対する偏見が社会に存在する限り、それで、問題の全てが片付くわけではないが、

大きな進歩であることは論を待たない。


◆「エセうつ病患者」を減らす意味でも有効だろう。

元来うつ病というのは、1日中、何週間、何ヶ月、何年にも亘って、ずっと憂鬱なのである。

従来好きだったテレビも全然面白くないし、私の場合、長年好きだった読書が一時期、全く出来なくなった。

好きな音楽すら聴く気力が無い。何を見ても興味がなく、ただひたすら、ボーッとしているしかなかった。

精神運動抑制、あるいはアンヘドニア(anhedonia=無快感症、無気力症)という状態が長く続いた。

ところが、最近、非定型うつ病という妙な概念が提唱され始めた。

これは、会社にいるときには、憂鬱だが、仕事が終わって趣味など自分が好きなことをするときには、

元気になる、という。

今までは、うつ病を全く理解しようとしない人々に憤りを感じたが、このような「非定型うつ病」は私に言わせれば、

それこそ、「怠け」ではないかと思う。これをうつ病にしたら、ますます世間の誤解を招く、と懸念していた。

新しい、うつ病診断技術が、この「非定型うつ病」をどのように判定するか、分からないが、

少なくとも、従来の、「本当の」うつ病。毎日、1日中、何処か憂鬱感か不安感があり、それがずっと続く

うつ病の患者と全く同じ結果にはならないと思う。

なまじ、うつ病の情報をネットで簡単に調べることができることになったので、

ウツを装った怠け者、も実際には要るに違いない。しかし、新しい研究が

約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、

うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。

のであれば、似非(えせ)うつ病は、通用しなくなる。その点でも、有り難い。

血液検査によるうつ病診断法の一刻も早い実用化を期待したい。

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2009.06.12

「WHO、世界大流行を宣言へ=新型インフル警戒水準、最高の「6」に」←パンデミック・アラート・フェーズは地理的な基準ですから。

◆WHO、世界大流行を宣言へ=新型インフル警戒水準、最高の「6」に(6月12日0時29分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)は11日、メキシコ、米国をはじめ北半球を中心に続いてきた新型インフルエンザの人から人への感染拡大が、

オーストラリアなど南半球でも確認されたとして、警戒レベルを最高水準の「フェーズ6」に引き上げ、

世界的な大流行(パンデミック)の発生を宣言することを決めた。WHO当局者が明らかにした。

WHOはこの日、各国の専門家で構成する緊急委員会を開催。同委での討議結果を踏まえてマーガレット・チャン事務局長が

同日午後6時(日本時間12日午前1時)から記者会見し、宣言に踏み切る見通しだ。

これに先立ち、スウェーデンのラーション保健相は11日、フェーズ6への引き上げを前提に記者会見し、

「WHOは国境封鎖や旅行自粛の必要はないと言っている」と述べ、平静を保つよう呼び掛けた。

WHOは公式発表を前に、各国政府に対し警戒レベル引き上げを通知した。


◆コメント:「世界的大流行」というと、恐ろしげですが・・・。

確かに、日本国内でも毎日感染者数は増えていて、11日正午の時点では累計532人でした。

しかし、これは一つには、日本人はこういう時になると、妙に几帳面になり、患者数を正確に把握しようとする。

世界的に見て、こういう几帳面さにおいて日本人は群を抜いている。

実際は他国でももっと感染者がいても把握できていない可能性があります。

それはさておき、パンデミック・アラートは6段階で、今回最も高いフェーズ6に引き上げるので、

何となく緊張感が走りますが、WHOのパンデミック・アラートは感染の地理的な広がりを基準に決定されるわけです。

この表のとおりです(大分前に保存したので現状「フェーズ4」となっていますが、実際は、現在.(11日)は「フェーズ5」です)。

Pandemicalert
WHOは世界を大きく6つの地域(管轄区域)に分けてそれぞれに地域支部を置いているわけです。

Who_regions
現在のフェーズ5は、表で説明されているとおり、この6つの地域の中の1つの管轄区域における2カ国以上で感染が広がっている。

当然です。北米から、中米、南米まで全部で「1つの管轄区域」なんですから、メキシコとアメリカ、カナダ。

これだけでも3カ国で感染者が増えているのですから。

そして今回何故レベルを引き上げるかというと、

WHOが日本時間の今朝発表した、世界の感染地域と感染者数を見ると

H1n1map20090610

アジア、西太平洋地域でも感染が広がっている。

「フェーズ6」の定義、

フェーズ5の状況に加えて別のWHO管轄区域でも1以上の国で地域単位の流行が起きている。

に鑑み、当然なのです。


◆結論

世界的大流行というと恐ろしげですが、要するにアメリカ地域だけではなく、アジア・西太平洋地域でも、

感染者が増えている、という事実と、フェーズ定義に鑑み「フェーズ6」になるのは当たり前です。

マスコミの悪い癖で不必要に不安を煽る。

勿論、今回の新型インフルエンザの致死率は0.4%ですけれど、感染者の絶対数が増えれば当然、

死者も増えるので、油断してはいけないのですが、

急に、H1N1型ウイルスが変異を起こして強毒性になったわけではありません

(今後、そう言うことが起きる「可能性」は確かにありますが、少なくとも今は弱毒性です)。

忘れかけていたけど急に「世界的大流行」と新聞がかき立てるからといって、

つられてパニック状態にならないようにするべきです。

何しろ素人の個人や企業がマスク・消毒液を大量に注文するので、

本来それらを一番必要とする医療従事者が入手困難なのだそうです

(これは、流石に素人は注文しないと思うけど、検査キットの製造も追いつかないようです)。

マスクも消毒薬も、検査キットも無くて、どうやって診療すればいいのだ、と、非常に憤慨している

お医者さんもいます。

ここのところ、暫く落ちついていましたが、「フェーズ6」で、また、急に怖くなって、

パニック的な行動を起こさない方が良いですね。

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2009.06.04

「<タミフル>異常行動との因果関係不明 厚労省研究班」←4月18日の「最終報告書」は「タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」

◆記事:<タミフル>異常行動との因果関係不明 厚労省研究班(6月3日20時54分配信 毎日新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会(鴨下重彦座長)は3日、

服用と異常行動との因果関係を示唆する調査結果は得られなかった、との結論をまとめた。

近く調査会に報告されるが因果関係の有無は不明だった。

厚労省は異常行動の目立った10代に処方を控えるよう医療機関に通知したが、

方針変更の根拠は得られなかったとして、その措置は継続する方針を明らかにした。

作業部会では、06~07年の流行期にインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人を対象に調べた厚労省研究班の最終報告書が示された。

それによると、約1万人のうち、異常行動を起こしたのは12%で、飛び降りなど重度の異常行動を起こしたのは0.4%だった。

異常行動を起こした患者のうち、タミフルを服用していた場合の発生率は、非服用に比べ0.6倍と低かった。

重度の異常行動を起こした10代に限定すると、服用した方が1.5倍だったが、報告書は対象者が11人と少なく、

「統計的に差はない」と結論づけた。

厚労省によると、販売開始(01年2月)から今年3月末までにタミフルの副作用で異常行動を起こしたと報告されたのは353人。

また、服用者が増加傾向にあるリレンザ(一般名ザナミビル)では167人だった。

タミフルをめぐっては、10代の患者がベランダなどから飛び降り転落死する事故が相次ぎ、

07年3月、厚労省は10代への処方を原則中止する通知を出した。


◆タミフルと異常行動との因果関係に関する研究・報告の「歴史」。

驚きましたね。厚労省は4月18日にこの件に関して、

「因果関係は否定できない」

という最終報告書を発表しているのです。

「最終報告書」から1ヶ月半で、別の結論を発表している。

一体どうなっているのでしょう?



今まで、私の手元で確認出来る、このテーマに関する研究・発表の「歴史」をお見せしましょう。時系列で(古いものから)。
◆資料1:タミフル、異常行動との関連みられず…動物実験で中間発表(2007年10月24日21時31分 読売新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」と、服用した患者が起こす異常行動などとの因果関係について検討している厚生労働省の作業部会は24日、

輸入・発売元の中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表した。

心不全などによる突然死についても「関係している可能性は低い」とする見解を示した。

脳に運ぶ物質を選別している「血液脳関門」と呼ばれる部分が未熟な若いラットを使った実験などは、結果がまだ出ていないため、

こうしたデータが出そろった後で、年内にも結論を下したいとしている。

同部会では、血液脳関門に、タミフルの薬効成分を通さないようにする仕組みがあることや、

通常の150倍の濃度の薬効成分を使っても、脳内たんぱく質に異常が見られなかったことが報告された。

また、米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された。

その2ヶ月後、同じ結論です。
◆資料2:タミフル:異常行動との関係、認められず--調査結果 (2007.12.17 毎日新聞 東京朝刊)

インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会は16日、

昨シーズンに発生した30歳以下のインフルエンザ患者の異常行動との因果関係は認められなかったとする調査結果をまとめた。

昨シーズン(昨冬から今春)にインフルエンザにかかり、飛び降りなど重度の異常行動を起こしたと医療機関から報告があった患者のうち、

30歳以下の137件について分析。このうち、タミフルの服用率は82例で6割だった。

また、10代の服用を原則中止した3月20日を境に、シーズン中の10代の異常行動に関する報告件数を比べた。

20日以前はタミフル服用「なし」が11件、「あり」40件に対し、21日以降は「なし」が16件、「あり」が2件だった。

21日以降の服用「あり」の報告数減少は、処方が制限された影響で、服用してもしなくても、異常行動は起こっていた。

ところが、今年(2009年)4月18日の発表は、ガラリと異なる様相を呈するのです。
資料3:タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」…厚労省研究班(4月19日3時6分配信 読売新聞)

インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、

飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1・54倍高いという分析結果が18日、

厚生労働省研究班(班長=広田良夫・大阪市大教授)の最終報告書で明らかになった。

「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘しており、

現在は原則中止している10歳代への使用再開は難しくなってきた。

最終報告書は近く、厚労省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会に報告される。

別の検証作業では、「関連は見つからなかった」とする結論が出されており、

同調査会では10歳代への使用をいつ再開するかが最大の焦点だった。


◆コメント:最終報告書の後に更に反対の発表が為される不思議。

厚労省というのは、訳の分からない役所ですなあ。

資料3の「最終報告書」が発表されたのが、今年の4月18日。

インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、異常行動をとるリスクが1・54倍高い

という結論でした。それからわずか一ヶ月半。今日発表された調査結果は、「18歳未満の患者約1万人を対象に調べた厚労省研究班の最終報告書

だそうですが、最終報告書ってのは、何度も出るものらしいですね。厚労省では。

それは、さておき今日の「最終報告書」の結論は、
服用と異常行動との因果関係を示唆する調査結果は得られなかった。

というもので、4月18日の最終報告書と一致しません。

要するに、
タミフルと異常行動の因果関係の有無はいまだに分からない。

と言っているのです。わからないなら、簡単に「最終報告書」というタイトルを付けない方がいいのではないでしょうか。

多分、また暫くすると、「新しい最終報告書」が発表されるのでしょう。

厚労省のお役人さんは「最終」という日本語の意味が分からないようですから。


◆仮に、タミフル服用と異常行動の全てに因果関係があったとしても、確率は大変低いです。

「タミフルと異常行動」に関して、私は過去に何度も記事を書きました。前回、4月18日の「最終報告書」の翌日に書いた、

「タミフルと異常行動『因果関係否定できぬ』…厚労省研究班」←過去に「タミフル、異常行動との関連みられず」と発表しましたよね?ココログ)をお読みいただきたいのですが、

仮に、過去の全ての異常行動とタミフル服用に因果関係があったとしても、異常行動が起きる確率は、100万分の7です。

今回大騒ぎになった、豚インフル由来の新型インフルエンザは、御存知の通り弱毒性ですが、それでも致死率は0.4パーセント。1,000分の4です。

普通の季節性H1N1型の致死率は0.1パーセント以下とされていますが、0.1パーセントは1,000分の1です。


つーまーり。タミフルの副作用で異常行動が起きるとしても、その確率は100万分の7。しかも異常行動=死とは限らない。

マスコミが、異常行動の結果、ベランダから飛び降りたという極端なケースを強調するから、皆怖がりますが、

それは、あくまでも極めて特異なケースです。異常行動をおこしても、死ぬことは稀です。

一方、副作用を恐れるあまり、抗ウイルス薬、タミフルやリレンザを飲まないで放っておいたら、インフルエンザそのもので死ぬ確率が、

もっともありふれた、季節性インフルエンザ(毎年流行るインフルエンザ)ですら、1,000分の1。異常行動が起きる確率の142倍です。

ごく普通の知能で考えても、どちらを恐れるべきか、何を選択すべきか明らかだと思います。


◆タミフルと同じぐらい効果があるリレンザですが、服用方法が特殊なので、予め製薬会社のサイトのビデオ説明を見ると良いです。

私事で恐縮ながら、新型インフルエンザ騒ぎが起きる少し前、愚息が季節性インフルエンザを発症しました。

近くの内科を受診したところ、5日分のリレンザを処方されました。この薬は大変良く効きました。劇的といっていいぐらいでした。

但し、服用方法が普通の薬と違うのです。錠剤を専用の吸入器で粉にして、吸い込むのです。

初めてだと少し戸惑います。将来、もしインフルエンザを発症し、自分や家族がこの薬を服用することになったときのために、

リレンザの販売元、グラクソのサイトにあるリレンザのページで動画で使い方を説明しているので、

一度見ておくと良いと思います。少なくともブックマークしておくことをお薦めします。

それでは。

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2009.05.28

「自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁」←毎月自殺者数を一般に公表するのは如何なものか。

◆記事:自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁(5月27日19時8分配信 時事通信)

4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えたことが27日、警察庁のまとめ(速報値)で分かった。

1カ月に3000人以上自殺したのは、昨年は10月だけだったが、今年は早くも上回った。

1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。

同年12月の約81人から5カ月連続で増えており、歯止めが掛かっていない。

1~4月の累計は1万1236人。11年連続で3万人を超えた昨年同期より493人(4.6%)増えており、今年も3万人を上回る勢いだ。

4月の自殺者のうち男性は昨年同期比6.5%増の2156人、女性は4.9%増の871人。


◆コメント:警察庁が毎月自殺者数を発表することを決めた際、私は反対意見を書きました。

警察庁が毎月の自殺者数を公表する、と決定したのは今年の2月で、私はそれに対して反対である、という記事を書いた。

2009年02月17日(火) 「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。ココログ

これを読んで頂くと分かるが、警察庁が毎月、前月の自殺者数を一般に公表することを決定したのは、自殺抑止効果を期待した為である。

まだ、3月分、4月分と二回しか、月例発表は行っていないから、はっきりとした傾向や因果関係は不明だが、

とにかく、発表を始めてから、2ヶ月連続で自殺者数は月間3,000人を超えたのである。


◆「WHO による自殺予防の手引き」の「マスメディアのための手引き」には「してはならないこと」として「自殺方法を詳しく報道する」ことが挙げられている。

前回の記事を書いた後、記事を読んだ方からトラックバックを頂いたが、

その方の記事、自殺者数を頻繁に公表することの危険性を読み、大変貴重な資料の存在を知った。

政府の自殺対策サイトに掲載されている、WHO による自殺予防の手引きである。




少し話がそれる。私は以前から、昨年ならば硫化水素自殺、それ以前には中学生のイジメを苦にした自殺、

2002年~2003年にかけて多発した、「ネットで知り合った者同士が、クルマの中で練炭を焚いて一酸化炭素中毒で自殺などは、

マスメディアが、自殺方法を具体的に報じたことが、元々希死念慮(自殺願望)を持っていた人が、行動を起こすトリガーになったのではないか、

ということを何度も書いた。


2003年05月24日(土) 「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。(この当時はエンピツのみ。)

2006年11月15日(水) 「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。ココログ

2006年12月25日(月) 「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。ココログ

2008年05月11日(日) 「<硫化水素自殺>ホテル客が浴室で 従業員も病院搬送 東京」←手段だけが騒がれ、自殺の動機を誰も問題視しない。ココログ

2009年01月19日(月) 「ネットいじめ中3女子自殺か、遺書に同級生の名挙げ『復讐』」←報道による連鎖の怖れ。ココログ


私は、恥ずかしながら「WHO による自殺予防の手引き」の存在を2月に記事を書いてTBを頂くまで知らなかったが、

この文書には【マスメディアのための手引き】という項目があり、「マスメディアがしてはならないこと」として、

真っ先に挙げているのは、

特に有名人が自殺した場合には、自殺を過度にセンセーショナルに報道すべきではない。

自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。

である。

何年も前から私が主張していたことが、正にWHOの指針と一致している。こんな事は自慢するようなことでない。それぐらいは承知している。

ただ、市井の一般人に過ぎない私が何度書いても信頼性に欠けるが、WHOも同じ事を書いている事実をご紹介したかったのである。


◆警察庁が発表しているのは「自殺者数」であって「自殺方法」については書かれていないが、やはり危険だと思う。

警察庁の月例発表は、自殺者「数」であり、自殺手段に関して記述はない。しかし、私はそれでも危険だと思う。

自殺者数の公表は4月27日に1回目が行われ、今日(5月27日)、2回目の発表があっただけだから、

まだ、何ともいえないが、発表だけならまだしも、それを取りあげるマスコミ(転載したのは時事通信社の記事だが)の

スタンスがどうしても、センセーショナリズムに偏る。それが危険なのだ。具体的には、

4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えた

とか、
1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。

という書き方である。

私は遷延性うつ病患者だから分かるが、うつ病患者は症状の重い軽い、急性期か回復期か、慢性化したものか、

いずれにしても、程度の差こそあれ、心の何処かに「希死念慮」(自殺願望)がある。

私のように長期化するとそれは多分無意識下に抑圧されているが、決して消えてはいない。


自殺者が2ヶ月連続で月間3,000人を超え、それは即ち単純に日割り計算すると1日あたり100人を超えたとうことだ

という事実は、健康な人が読めば、「ふーん」で終わりであろうが、多少なりとも希死念慮を持つ者に対しては

危険な情報になりうる。それだけ自殺者が増えているということは、自殺が決して珍しい行為ではないことを示唆し、

自殺に対する、恐怖感・罪悪感を希薄にする。背景に自殺者が増加しているという状況があると、ふとしたことがきっかけで、

抑圧されていた希死念慮が、一挙に意識に戻り、実際の行動として、新たな自殺者を生ぜしめる遠因に成り得る。


これは、完全に私の憶測だが、大新聞もNHKも民放テレビ局の社会部記者、デスクは、WHO による自殺予防の手引き

知らないに違いない。知っていれば、硫化水素自殺の詳細をあれほどしつこく報道しなかったであろう。

素人の私ですら知っている(教えて頂いたのだが)。

マスコミ各社は、プロのくせに勉強不足である。

同時に警察庁には、自殺者数の毎月公表は今のところ、自殺抑止力として作用していないことを指摘し、再検討を促したい。

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