カテゴリー「司法」の記事

2013.10.07

「JR3社長公判、指定弁護士が控訴へ 福知山線脱線事故」←社長の刑事責任は無理だと思います。

◆記事:JR3社長公判、指定弁護士が控訴へ 福知山線脱線事故(産経新聞 10月7日(月)11時48分配信)

兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の井手正敬(まさたか)元会長(78)ら

歴代3社長を無罪とした1審神戸地裁判決について、検察官役の指定弁護士が7日午後にも、

大阪高裁に控訴する方針を固めたことが同日、分かった。

9月27日の地裁判決では、「現場カーブで速度超過により事故が起こることは予見できなかった」として、

3社長に無罪が言い渡された。指定弁護士が「事故の遠因になった」と指摘していた懲罰的な日勤教育や

利益優先の企業体質などについても、判断は示されなかった。

指定弁護士は今月6日、神戸市内で遺族説明会を開き、出席した遺族のほぼ全員から控訴の要望があった。

説明会後の会見で引き続き協議を続ける考えを示したが、早ければ7日午後にも控訴の手続きを行う意向を明らかにした。

3社長は神戸第1検察審査会の「起訴すべき」との議決を受け、平成22年4月、強制起訴された。

検察が同罪で唯一起訴したJR西の山崎正夫元社長(70)は24年1月、無罪が確定している。


◆コメント:そもそも、プロの検事が起訴出来ないと判断したものを

検察審査会というクジで選ばれた素人が2回、「起訴相当」と判断されたら、起訴されてしまうというのも、

無茶ではないでしょうか。プロがこれは、刑事責任を問えないと言っている事案に関して、アマチュアが、

はっきり言って応報感情から無理矢理、刑事裁判を起こす。刑事責任は個人にしかとえないので、

事故が起きたときには、もう、JRを止めていた元社長まで引っ張り出してきて、刑事責任を問うといいます。


予見可能性といったって、この列車が脱線したカーブは、元来直線でしたが、カーブが出来てから事故が起きるまで、

8年間、無事故だったのであって、しかもダイヤ優先で、ダイヤを乱すと反省文を書かせた風土が良くないというのは

そうだと思いますが、それは他の運転士も同じ条件だったわけで、要するに、どんなカーブだったものすごい勢いで突っ込めば

脱線するに決まっています。

また、カーブにATS(自動列車停止装置)を設置すれば、事故は防げたという原告の主張は、

それでは、運転士の資質は問わない。どんな人物を運転士として採用してもよくて、そいつがすさまじいスピードでカーブに

突入することまで想定しておくべきだ、ということになると、会社の根本から体制が間違っていることになると思います。

遺族は誰かを刑務所に送らないと、応報感情が満たされないということなのでしょうが、誰か元社長が刑務所に入った所で、

犠牲者が蘇るわけでもありませんし、上に述べたとおり、「予見可能性があった。対策を取らなかった」といって刑事責任を

追究するということは、無理がある、と思います。

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2013.02.21

「元副署長は免訴=強制起訴、「過失なく時効」―11人死亡の歩道橋事故・神戸地裁」←妥当な判決だと思います。

◆記事:元副署長は免訴=強制起訴、「過失なく時効」―11人死亡の歩道橋事故・神戸地裁(時事通信 2月20日(水)10時7分配信)

兵庫県明石市で2001年7月、花火大会の見物客らが歩道橋上で折り重なって転倒し11人が死亡した事故をめぐり、

業務上過失致死傷罪で強制起訴された元県警明石署副署長、榊和晄被告(66)の判決で、

神戸地裁(奥田哲也裁判長)は20日、「過失は認められず、強制起訴の時点で公訴時効(5年)が完成している」として、

有罪・無罪の判断をせずに裁判を打ち切る「免訴」(求刑禁錮3年6月)を言い渡した。

検察審査会の議決で強制起訴された7件で免訴判決は初めて。

一審判決が出された4件は無罪が2件、有罪1件、免訴1件となった。

検察官役の指定弁護士は控訴の可否を検討する。

刑事訴訟法は、刑が廃止された▽大赦があった▽時効が完成した―など、起訴の理由や権利がなくなった場合は免訴を言い渡すと定めている。

同裁判長は、検察官役の指定弁護士の起訴手続きは適法とした上で、同被告の過失について判断。

前の警備計画が不十分だったとしながらも、「事故の発生を具体的に予見することはできなかった」と指摘。

同被告が署内で対応した事故当日についても、監視モニターの映像などでは事故を予見できず、過失はなかったとした。

指定弁護士は「現場責任者の元同署地域官=有罪確定=と共犯関係にあり、

共犯者の公判中は時効が停止する刑訴法の規定で、時効は成立しない」と主張したが、

同裁判長は、同被告に過失がない以上、元地域官との共犯関係もないと結論付けた。 


◆コメント:検察審査会という制度に問題があります。

検察審査会というのは、司法のプロである検察の独善を市民の感覚で防ぐ、という大義名分で

設置された制度ですが、プロの検察官がそもそも「不起訴」と決めた人を市民が構成する検察審査会が

強制的に起訴するというのは検察の暴走を防ぐどころか、検察審査会が暴走してます。


そもそも12年前、兵庫県明石市の歩道橋で、花火大会の見物客が将棋倒しになり、

11人が死亡した、という事故ですが、この被告人にされた元・明石警察署副所長だったのですが、

現場にいなかったのです。そういう人に「事故は予め防げたはずだ」「予見可能性があった」といって、

刑事責任を追及しろという方に無理です。


2005年のJR西日本、福知山線脱線事故でも検察が不起訴としたのに、

検察審査会がJR西日本の歴代社長3人のを強制起訴し、やはり結果的に無罪判決が出ました。

くしくも、歩道橋事故に関して判断を下したのと同じ神戸地裁の無罪判決です。


福知山線の場合は、元来直線だったところにカーブを設置して、その段階で事故が起きる

「予見可能性」があったといいますが、カーブが出来てから8年を経ており、その間延べ、

何千本だか何万本という列車が同じカーブを通過して事故を起こしていなかったのですから、

予見可能性というのは、無茶です。

どんなカーブだって、ものすごいスピードで突っ込んだら脱線するにきまっています。

歩道橋事故だって、大勢の人が集まればそういう事故が起きる可能性があり、それが刑事責任だというなら、

今すぐ新宿駅や渋谷駅からあらゆる階段やエスカレーターを撤去しなければならない。

いや、そもそも、人があつまる場所があってはならない、という滅茶苦茶な話になります。


事故の犠牲者はお気の毒ですが、だからといって誰かを無理に刑事被告人にすることは正しくないと思います。

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2013.01.08

「PC遠隔操作「犯人」3度目メール メモリーカード回収」←マスコミが犯人を「応援し」ているも同然。

◆記事:PC遠隔操作「犯人」3度目メール メモリーカード回収(朝日新聞)(2013年1月5日18時35分)

パソコン遠隔操作事件の犯人を名乗る人物から5日未明、朝日新聞記者を含む20以上の報道機関や個人に

「新春パズル~延長戦~」と題するメールが届いた。

パズルを解くと、事件に関するデータ入りのメモリーカードを江の島(神奈川)にいる猫の首輪に取り付けた、

という記述が読み取れた。警視庁などの合同捜査本部が5日、猫を見つけてメモリーカードを回収しデータを解析している。

事件後、犯人を名乗る人物から朝日新聞記者などにメールが届いたのは3度目。


◆コメント:マス・メディアは、報道すればするほど「真犯人」が喜ぶことぐらい分かっているはずですよね。

この遠隔操作ウイルスをバラ撒いた「真犯人」は大雑把に言うと、昔からいる。「構ってちゃん」です。

昔は、全国に「銭湯」があり、銭湯には煙突が必ずあり、ときどきこの煙突によじ登って、

俺は、飛び降りて死んでやる!

などと叫ぶのです。すると野次馬が集まり、お巡りさんがやってきて、
早まるんじゃない!親が悲しむぞ!

などと、「まっとうな」反応を示すのですが、これこそ、この「煙突男」の思うツボ。

誰にも構って貰えない奴が、こうやって世間の目を引きたいが為にやっているのです。

お巡りさんは、立場上何もしない訳にはいかなかったのはわかりますが、本当はこういう輩は完全に無視すれば

どうしようもなくなり、
すいません、降ろしてください。

というでしょう。これが「煙突男」です。


「遠隔操作ウイルス真犯人も」基本的に、動機は同じです。そんなことが分からないほど

全ての新聞やテレビが馬鹿だとしたら、もう絶望的ですが、分かった上で、報道するとテレビは視聴率が取れるし、

新聞、雑誌は売れるから、とりあげてしまうのでしょうが、騒がれれば、騒がれるほど「真犯人」の思うツボ。


本当に警察にこういうネット関連に対応出来る人材がどれぐらいいるのかしりませんが、まあ、必要なら同じような奴を

外からでも雇って対抗されるのが一番だと思いますが、それはともかく、外部に発表するべきではありません。


そして警察が捜査状況を記者クラブで発表したとしても、マス・メディアは、これを一切報道しない、方針に統一するべきです。

そうしなければ、この「真犯人」はどんどん増長することでしょう。


多分、それをメディアは分かってやっているので、共同正犯とはいいませんが、幇助犯と言いたいぐらいです。


また、司法警察は、「遠隔操作ウイルス事件」を「サイバー犯罪」の問題にすり替えようとしていますね。

昨年、警察庁長官が、全国の都道府県の警察本部長を集めて、全ての警察官がもっとPCやネットに詳しくなれとか

訓示を垂れていましたが、それは、事件の本質ではない。


以前にも書きましたが、前回4人もの無実の人間を誤認逮捕しました。

そのうち2人は、実際にはやっていないことを「やった」と自白し、保護観察処分にまで至った人がいます。

たまたま、きっかけが今までにはなかった、サイバー犯罪しかも「遠隔操作ウイルス事件」といういかにも、

世の中の好奇心を刺激するような形式なので、そちらに惑わされていますが、そうではなくて、


この分では、いままで、他の犯罪でもこのような「自白の強要」が当たり前のように行われていたことは、

容易に想像がつきます。こういうのを「国家権力の濫用」といい、サイバーうんぬんよりも、こちらが問題の本質です。


◆結論

以上をまとめると、


  1. 「遠隔操作ウイルス真犯人」は「煙突男」だから、騒いではいけない。メディアは一切捜査の状況などを報道するな。

  2. 「遠隔操作ウイルスを用いた」という「過去に例」のないことが問題ではない。警察が容疑者に自白を強要させたことが問題なのだ。

となります。

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2012.11.01

「読売新聞、NHKがおわび=別人写真を角田被告―尼崎死体遺棄」←最近、国家権力もマスコミも多すぎます。

◆記事:読売新聞、NHKがおわび=別人写真を角田被告―尼崎死体遺棄 (時事通信 10月31日(水)9時9分配信)

読売新聞は31日付朝刊に、兵庫県尼崎市で起きた連続死体遺棄事件の記事で、

別人の顔写真を角田美代子被告(64)=傷害致死罪などで起訴=として掲載したことについて、

「あってはならないミスであり、本人確認が不十分でした。おわびします」との謝罪文を掲載した。

角田被告として写真を掲載された尼崎市の女性(54)が30日夜に記者会見し、

「写真は私」と抗議していた。同社によると、同被告側の弁護人からも写真は本人でないとの指摘があったという。

また、この写真を角田被告として報道したNHKなどテレビ各社も31日までに、

「別の方の写真でした。おわびします」などと番組内で謝罪した。


◆コメント:マスコミの問題

最近、この手の間違いが、多いですね。読売新聞は、

読売新聞東京本社は26日、 森口尚史(ひさし)氏(48)が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を臨床応用したと誤報した問題で、大橋善光専務取締役編集局長ら関係者7人を処分すると発表した。

ばかりです(他のメディアも処分者を出していますが)。

そして、顔写真間違いですか。冗談じゃ無いですね。

今回の顔写真間違いの件では、掲載していないメディアもあるので、詳細がわかりませんが、私はどうしても、

マスコミが冤罪の危険を助長した「地下鉄サリン事件」を思い出します。あれは、警察が河野さんを犯人だと決めてかかり、

マスコミ各社が、その警察発表を鵜呑みにして、自ら「ウラを取る」という取材の基本を実行しないから、起きたことです。

最近の誤報も、基本的には同じ原因だと思います。つまり、森口某による「iPS細胞の臨床応用」も、自分が理解できないなら、

「そういうことはあり得るのか?」を、ノーベル賞の山中教授でも他の専門家でも良いですが、確かめれば、

明らかにおかしいということはすぐ発覚したはずです。


尼崎事件の顔写真間違いも、とんでもないとか共同通信の責任者は「絶対にあってはならないこと」などと言っていますが、

本当にそう思うなら、YOMIURI ONLINEも その他のメディアもWEBのトップページに「尼崎事件に関するお詫び」を、

ひと目で分かる所に表示するべきだと思いますが、実際は、別人の写真を掲載したメディアでそれを実行しているところがないのです。


だから、この「実は別人だった」というニュースを読んでいない、あるいは見ていない、聞いていない人は知らないまま、

いまだに「別人」を角田美代子被告と思い続ける事になります。

「一回、とにかく謝罪したからいいだろ?」というのは、無責任だと思います。


◆国家権力について。「遠隔操作」ウイルス関連誤認逮捕は、「サイバー犯罪」の問題では、ありません。

何だか、最近、ネット犯罪がますます増え、中学生がフィッシングサイトを作ったとか、銀行のIDを偽画面から入力してしまった

とか、その手の事件が立て続けに起きています。

警察は、それに乗じて「犯行予告」を遠隔操作ウィルスで「書き込まされてしまった」四人を誤認逮捕した問題を、

「サイバー犯罪が多発」している問題にすり替えようとしているように思います。


しかし、誤認逮捕の問題は、「サイバー犯罪うんぬん」ではない。取り調べの方法の致命的欠陥が明らかになったことです。

誤認逮捕された四人のうち、少なくとも二人は「自白」しているのです。身に覚えがないことなのに「犯行動機」まで供述している。


どうしてこういうことになるか、というと、自白といっても、警察の取り調べ調書というのは既にテンプレートが決まっていること。

本人がゼロから自白の文言を書くのではなくて、警察が用意したテンプレート(ひな形)に、日時、氏名などを書き込むだけなのです。

そして、最初の逮捕から留置は48時間ですが、その間に検察官が勾留の必要があると思ったら、裁判所に申請するのです。

裁判所にも安易に勾留令状を発行した責任があります。勾留期間は10日ですが、何度でも延長できるのです。

1日の取り調べ時間に関する制約もないので、毎日取り調べ室に朝から晩まで閉じこめられ、

こういうことなんだろ?

と、何百回と繰り返され、それが勾留の延長で20日にもなるのですから(留置の48時間を含めると22日です)、

最後には、気も変になり、やってないことでも、やりましたといってしまう。どうやら、そういうことが日本中の警察で

行われているようです。今回、たまたま、誤認逮捕された一人が、遠隔操作ウィルスがインストールされてしまってから、

パソコンの動作が異常に重くなったというので、ネット接続を切ったので、犯人は、「わざとウイルスを残した」といってますが、

実は、ネット接続を断ってしまったので、真犯人が、ウイルスを消せなかった。それでようやく「おかしい」ということが分かったんですが

それがなかったら、四人とも起訴されて、誘導された虚偽の真実の「自白」を元に有罪が確定してしまったことでしょう。


というわけで、今回の事件で明らかになったのは、警察の取り調べ方の致命的な問題です。

「こいつが犯人であることに、しよう」と警察(というか、司法)に狙われたらどうしようもない、ということです。

我々だって、犠牲になるかもしれません。冗談では無い。


きっと、いままで冤罪で服役した人がいるであろうことは、想像に難くない。

それから、私は死刑存続賛成なので、今まで「死刑廃止」論者は何を考えているのか?と思いました。

ただちに死刑廃止とはいいませんけど、司法経験者に死刑廃止論者がいますね。

例えば、今年の6月に亡くなった、元東大教授で後に最高裁判事をつとめた団藤重光先生

元、警察庁キャリア組だった、亀井静香衆議院議員も死刑廃止を訴えています。


以下は、完全に私の想像です。何の証拠もありませんが、こういう人達が「死刑廃止」を唱えるのは、

もしかすると、「冤罪で死刑になってしまったひとがいることを知っている」所為ではないでしょうか。

そう、考えるとなんとなく、納得出来るのです。あの強面で、どちらかというとラディカルな雰囲気の人達が死刑廃止と。

本当の理由が、私の想像どおりならば、それは、文字通り「取り返しが付かない、国家権力の超大失態」ですから、

絶対に言わないで、棺桶までもっていくでしょう。


繰り返しますが、私の「想像」です。裏情報もなにもありません。

しかし、今回の誤認逮捕で明らかになったこと。

本当は身に覚えが無いことに関して「誘導された自白」に基づいた起訴がなされているという現実を知ってしまったので、

恐ろしい想像ですが、「冤罪で死刑」が過去にあったとしても、不思議はないように思います。

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2012.04.27

1.【お詫び】コメント、返信の遅延/2.「小沢氏に無罪判決 起訴無効と言えず」←小沢一郎の支持者でも何でもありませんが、判決は妥当なのです。

◆【お詫び】コメント・返信が遅くなりまして申しわけありません。

のっけから、何のことか?と思われるかもしれませんが、これは約1週間前に、

2012年04月19日(木) 唐突ですみません。私、最近、おかしいですか?JIROの独断的日記ココログ版

を書きましたが、それに対して、多くの読者の皆様から大変ありがたい、コメントとメールを頂戴いたしました。

それに関して、翌日、
2012年04月20日(金) 皆様、ありがとうございました。お騒がせ致しましたことをお詫びします。/御礼にモーツァルト。JIROの独断的日記ココログ版

にて、御礼申しあげましたが、この中で、皆様お一人お一人のコメントやメールには、必ず返信を差し上げる、と

書きました。それは、ウソではありませんで、書いてはおりますのですが、

通り一遍の御礼では失礼だと思いまして、毎日、何人様かずつに返信を書かせて頂いているのです。

このため、元の文章から1週間以上経った今でも、まだ、全ての方に、御礼を書き込み、あるいは送信できていない、

という状態でございます。

遅くなりまして、大変申しわけございません。

皆様から頂いたコメント、メールは全部拝読しております。

モーリス・アンドレによる、モーツァルトの「オーボエ協奏曲」に関してメールを下さった読者の方にも、同じく

返信が遅くなっていることをお詫び致します。

今しばらくご猶予を頂戴できれば、と存じます。


◆記事:小沢氏に無罪判決 起訴無効と言えず(NHK 4月26日 11時8分)

政治資金を巡って収支報告書にうその記載をしたとして強制的に起訴された、民主党の小沢元代表に、東京地方裁判所は無罪の判決を言い渡しました。

裁判長はこれまでに、検察審査会による起訴議決は無効だという弁護側の主張について、

「事実と異なる捜査報告書が検察審査会に提出されたとしても、

起訴議決自体が無効とは言えない」という判断を示しました。

民主党の小沢一郎元代表(69)は、資金管理団体が土地を購入する際に提供した4億円を巡り、

収支報告書にうその記載をしたとして、検察審査会の議決によって強制的に起訴されました。

判決の言い渡しは26日午前10時から始まり、東京地方裁判所の大善文男裁判長は、冒頭で、

「被告人は無罪」と述べて、小沢元代表に無罪の判決を言い渡しました。

元代表は、法廷の中央の証言台に背筋を伸ばして立ち、無罪の言い渡しを受けると、裁判長に小さく頭を下げました。

裁判では、小沢元代表がうその記載について、石川知裕衆議院議員ら元秘書から報告を受けて、

了承していたかどうかが最大の争点になり、元代表は「共謀したことは断じてない」と、一貫して無罪を主張し続けました。

判決の言い渡しは今も続いていて、裁判長はこれまでに、検察審査会による起訴議決は無効だという弁護側の主張について、

「事実と異なる捜査報告書が検察審査会に提出されたとしても、起訴議決自体が無効とは言えない」という判断を示しました。


◆コメント:もともと、起訴が無茶苦茶なのです。

私は、政治家としての小沢一郎氏がどういう人物で何を考えているのかよくわかりません。

分かる人の方が少ないと思いますが、とにかく、ですから、政治家としての小沢一郎氏に対する評価を

書くことはできませんが、それとこれとは、全く別の話です。

白状すると、私は最初にこの事件に関して書いたときに、小沢不起訴は不当だと思ってしまいました。

私が間違ってました。不起訴が妥当だったのです。

この事件は元々、ゼネコンの水谷建設のヤミ献金。つまり、政治資金収支報告書に記載されてない献金ですね。

それを検察が立証して起訴したかったのです。

経過を書くと長くなるので、結論だけかくと、それを起訴事実として検察は、小沢一郎氏を起訴出来なかったのです。

そうしたら、水谷建設の闇献金とは全く関係のないこと。

平成16年10月に陸山会が小沢から4億円を借りて、土地を取得したのに、小沢の収支報告書には16年には記載されておらず、

政治資金収支報告書の平成17年分に秘書が記入したのを

小沢一郎が、知っていて共謀した。これは、犯罪だ。というのが、起訴の理由なのですが、


検察はこんなことでは小沢起訴は出来ないと判断して、不起訴にしたのに、

検察審査会という、素人から選ばれた委員会が、「起訴相当」と決定を下したのですね。


検察審査会というのは、検察の暴走を市民の常識感覚で「防ぐ」目的で創られた組織・制度ですが、

今回は逆に、プロ(検察)が起訴できない、としたことを素人(検察審査会)がいやクロだ、

といったので、小沢一郎が起訴されたわけです。


もと小沢の秘書だった石川知裕議員は既にこれで有罪判決(執行猶予付き)を受けてますが、

これは、検察(プロ)が起訴したのですが、繰り返しますが、政治資金報告書の虚偽記載。

但し、時期が2ヶ月ズレていたということです。


ところがこの一審判決が無茶で、収支報告書の虚偽記載だけが、起訴理由なのに、

4億円の中には、水谷建設の闇献金5,000万円が含まれていただろう?

と、既にそのことでは検察(プロ)が起訴を断念したことが判決理由に含まれてる。


しかし、小沢一郎を検察審査会が起訴相当と決めたのは、水谷建設云々ではなくて、

収支報告書の虚偽記載。しかも、別に土地売買を書いてないわけではなく、2ヶ月ずれていたと、

それで起訴するということは、元東京地検の郷原信郎さんがウェブやテレビや雑誌やとにかく

あちこちで何度も何度も発言したり文章にしていますが、

一政治家を、不動産の取得の時期のズレ「だけ」を起訴するということは、検察(プロ)なら

到底考えられず、現実に不起訴になったのに、素人集団の検察審査会の議決があったら、

起訴しなくてはいけない、というのなら、プロである検察の存在意義がない。

素人の「初めに、小沢の起訴ありき」できめられちゃった。

こんな事されたら、敵いません。検察審査会がその気になったら、誰でも「濡れ衣を着せられ」て,

刑事被告人にされてしまう。こんなことで、日本って民主主義国家というの?

ということです。

小沢無罪判決が正しいとは、そういうことです。

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2012.03.30

「死刑廃止議連、執行を批判=小川法相に抗議文」←法務大臣は死刑判決が確定したら6ヶ月以内に執行しなければならないのです。

◆記事:死刑廃止議連、執行を批判=小川法相に抗議文(時事通信 3月29日(木)20時29分配信)

法務省が1年8カ月ぶりに死刑を執行したことを受け、超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」や

人権団体のメンバーが29日午後、東京都内で合同で記者会見し、執行を強く批判した。

議連のメンバーは会見後、小川敏夫法相に抗議声明を手渡した。

議連の村越祐民事務局長(民主)は、小川法相が執行後の記者会見で「死刑は国民に支持されている」と強調したことについて、

「執行という重い判断を国民に転嫁している」と批判。社民党の福島瑞穂党首も

「政権交代で日本も死刑廃止に踏み出すべきだが、自民党政権と全く変わらない」と述べた。

NPO法人監獄人権センターの田鎖麻衣子事務局長は「国民の支持があるというが、

ごく基本的な情報すら出ていない」と死刑に関する情報公開の遅れを批判した。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本の若林秀樹事務局長は

「死刑は生きる権利を侵害する残虐で非人道的な刑罰。

たとえ8割の国民の支持があっても、それに押されて執行すべきでない」と訴えた。


◆コメント:国民の支持は関係ない。法律の定めがある。

抗議する議員もバカだが、「死刑は国民に支持されている」と発言した法相もバカだ。

関係ない。

まず、罪刑法定主義と言われるとおり、死刑になる犯罪は、法律で定められている。

代表的なのは、殺人罪で、刑法第199条には、

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

とある。人を殺した人間に、法的に正しい手続きにのっとって死刑判決を下すことは

従って、国の法律により許されていることである。


そして、刑事訴訟法475条の文言は次の通り。
第一項 死刑の執行は、法務大臣の命令による。

第二項 前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。(注:強調部分は、引用者による)

即ち、法務大臣が死刑執行命令を発するに際して「国民の支持」を正当化事由にするのは正しくない。

刑事訴訟法という法律で定められている。

行政府の一員である、法務大臣が法の定め通りに死刑を執行したのに、

死刑反対議員連盟は「国民の支持があっても実行すべきではない」という。

国会とは日本国憲法第41条によれば、
国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である。

その立法府、国権の最高機関の構成員である議員が、

行政府(法相)に対して、法律を守るな、といっているに等しい。

今の法律が有効で有る限り、死刑判決を下すことも、死刑が確定した人間に

死刑執行命令を発することも、何の間違いもなく、国の法律に適合している。

残酷な刑罰だから止めるべきだ、という議員は、法律を知っているのだろうか?


しばしば思うことだが、国会議員に立候補を表明した人間は、まず法律を理解しているか、

試験を受け、合格した人だけが、選挙運動を始めることができる、

と言う制度にするべきではないだろうか。

世間の常識的感覚では、法律に最も通暁しているのは、司法の人間だが、

法律を作る人間は、本来、司法と同じぐらい、あるいはもっと高度に法律に関わる知識や見識を

持っているべきだ。

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2011.05.12

<イージス艦衝突>2自衛官無罪判決 「漁船側に回避義務」←正しいと思います。

◆記事:<イージス艦衝突>2自衛官無罪判決(毎日新聞 5月11日(水)22時3分配信)

海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、漁船の2人を死亡させたとして

業務上過失致死罪などに問われた自衛官2人(起訴休職中)に無罪を言い渡した11日の横浜地裁判決

(秋山敬(ひろし)裁判長)は、漁船の右転が事故原因で、漁船側に回避義務があったと判断した。

最大の争点となっていた清徳丸の航跡について、

判決は検察側、弁護側双方の主張を認めず、

当直士官だった3佐、長岩友久被告(37)らの供述を基に独自に特定。

清徳丸が右転しなければ、あたごの艦尾500メートル以上の場所を通過していたと認定した。

被告側の監視も不十分だったことなどを認めつつも、清徳丸が右転しなければ危険は生じなかったと判断。

「衝突の危険を発生させた清徳丸側が避航すべき義務を負っていた」と述べ、

「被告側が注意義務を負っていたとは認められない」とした。

検察側は、衝突時の長岩被告は注意義務があるのに漫然と航行を続けたとして、

直前の当直士官だった3佐、後潟(うしろがた)桂太郎被告(38)については

接近中の漁船群の動きを正確に把握する注意義務を怠り「停止操業中」と引き継ぎ、

過失の競合で事故を起こしたとして、2人を起訴していた。


◆コメント:妥当な判決だと思います。

この事故は、

千葉・野島崎沖で08年2月19日午前4時6分ごろ、海自イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突、

清徳丸船長の吉清(きちせい)治夫さん(当時58歳)と長男哲大(てつひろ)さん(同23歳)が死亡。

横浜地方海難審判所は09年1月の裁決で、あたご側に事故の主因を認め、

所属部隊「第3護衛隊」(京都府舞鶴市)に安全航行の指導徹底を求める勧告を出した。

横浜地検は同4月、業務上過失往来危険と業務上過失致死の2罪で自衛官2人を起訴した。


というものです。


始めに書いておきますが、私は所謂「軍事オタク」でも「自衛隊ファン」でもありません。

自衛隊の存在は必要ですが、改憲には反対ですし、日本に集団的自衛権の行使を認めることにも

反対です。

つまり、私はこの判決の被告人が「自衛隊だから」正しい、と考えているのではありません。

最初から説明すると長くなります。

この事故の起きた後、私はメディアが殆ど全て右へならえ、で自衛隊を悪者にしようとしていたので

それは、明らかにおかしい(事故の状況を考えると)と思い、何度も記事を書きました。
2008年02月19日(火) 「イージス艦事故:「あたご」に回避義務」←事故の全容が分からない時点で当事者一方の責任を強調するべきではない。ココログ

2008年02月22日(金) 「見張り、清徳丸を報告せず=「危険性ないと思った」-イージス艦衝突事故」←イージス艦「だけ」の責任にしたがる一面的思考ココログ

2008年03月02日(日)「福田首相、吉清さん方を訪問」←事故原因が分からないのに謝るのはおかしい。ココログ

2008年06月23日(月) 「<イージス艦衝突>あたご側に当直交代前から回避義務…3管」←漁船の航路を説明していただきたい。ココログ

かなりしつこく、ムキになって書いてますが、事故直後からメディアが、
「とにかく自衛隊が悪いに決まっている」と、決めつけた報道をしたからです。


マス・メディアがすべきことは、まず、
本当は何があったのか?

を可能な限り客観的かつ中立的に取材し、報ずることです。

それがはっきりしないうちから、
誰が悪いのか?(多分、自衛隊だろう)

というスタンスで報道していたので、私は「それは正しくない」と書いたのです。


マスコミがイージス艦「あたご」が悪い、と早くから決めつけたのは、

海上衝突予防法 第十五条第一項を見つけたからです。

その文言は、
二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない。

この場合において、他の動力船の進路を避けなければならない動力船は、やむを得ない場合を除き、当該他の動力船の船首方向を横切つてはならない。

となっているので、イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の位置関係からして、

明らかにイージス艦が回避すべきだった、という言い分でした。

しかし、それは余りにも、形式的、つまり杓子定規な判断です。

イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の大きさを比較した図があります。

Atago

これを見れば、船乗りの意見を訊くまでも無い。

大きな船は大きくなるほど、舵を切ってからも、実際に船の進行方向に反映されるまでに

時間がかかる。この海域には、清徳丸以外にも漁船はいたのです。イージス艦がこれら全てを

避けることは、できない。

そんなことは、イージス艦も漁船も、「プロ」が動かす乗り物なのですから、

瞬間的に判断できる筈なのに、清徳丸はわざわざ直進するイージス艦の進路を

横切ったのです。


学生時代法学部でしたが、「法学概論」で、「法の目的論的解釈」という

言葉を知りました。それは、

この法律は、何を目的としているのか、を考えて解釈しろ。

ということです。海上衝突予防法は、文字を見れば分かるとおり、

海上で船と船が衝突事故を防ぐことを目的とする法律なのですから、

とにかく、ぶつからなければいいのです。

裁判長の本音は「プロなんだから、適切に操艦すれば、事故は防げたであろう」

ということだと思います。そして、明らかに漁船の方が小回りが利くし、

進路変更することも、イージス艦が通りすぎるまで停止していることもできた。

だから、当時の状況下では、漁船に回避義務があったと考える。

そういう意味で非常に合理的で公平な判決だと思います。

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2010.11.17

「裁判員裁判初の死刑判決、裁判長が控訴勧める」←裁判員制度は、廃止すべきだ。

◆記事:裁判員裁判初の死刑判決、裁判長が控訴勧める(読売新聞 11月16日(火)12時4分配信)

裁判員裁判初の死刑判決となった法廷で、横浜地裁の朝山裁判長は

「あなたは法廷ではいかなる刑にも服すると述べているが、重大な結論ですから、裁判所としては控訴することを勧めます」と最後につけ加えた。

公判は事件を分割する「区分審理」が適用され、覚せい剤密輸事件などについては別の裁判員らが審理し、

10月14日に有罪の部分判決が出ている。今回は、部分判決も踏まえて量刑を決めた。

判決によると、池田被告は昨年6月、マージャン店の経営を巡って男性経営者(当時28歳)と男性会社員(同36歳)と

トラブルになっていた近藤容疑者の依頼で、2人を千葉県内のホテルに監禁。

男性経営者から現金約1340万円を奪った後、2人を殺害し、遺体を横浜市金沢区の海や山梨県鳴沢村の富士山麓に捨てた。


◆コメント:やはり、裁判は専門家に委ねるべきだ。

先日の「耳かき店員」殺人も、店員とその祖母を2人をナイフでメッタ刺しにして殺した男が、

裁判員裁判で無期懲役の反希有を受けた。当然検察は控訴すると思っていたらなんと、控訴断念で、

無期が確定してしまった。

◆記事:<耳かき店員殺害>控訴断念を遺族に説明 東京地検(毎日新聞 11月12日(金)21時21分配信)

 耳かきエステ店員の江尻美保さん(当時21歳)ら2人が殺害された事件で、殺人罪などに問われた

無職、林貢二(こうじ)被告(42)を無期懲役とした東京地裁判決(1日)について、

裁判員裁判で初めて死刑を求刑した東京地検は12日、控訴しないと発表した。

弁護側も控訴しない方針を決めており、控訴期限(15日)経過後に無期懲役が確定する。

信じられない。林貢二被告人は、耳かきエステ店員のみならず、その祖母の首をナイフで16回もメッタ刺しにした

男である。無期懲役は終身刑ではない。いずれ社会に戻る。こんな男を生かすのか、と私は義憤を押さえられなかった。


今日の横浜地裁では、裁判員裁判で初めての死刑判決が言い渡された。判決文で、朝山芳史裁判長は
あまりにも行為の残虐性が非人間的で、最大限酌むべき事情を考慮しても極刑は免れない

と断じておきながら、最後に、
重大な判断になったので控訴を勧めたい

と述べた。多分、裁判員などいなくて、法律のプロだけで判決を決めたら、このようなことは言わなかったであろう。

これは推測だが、裁判長が控訴を勧める、と言ったのは、裁判員の意見が割れ、

犯行内容を考慮しても、死刑は反対、と執拗に主張した裁判員がいて、その意見を配慮したのではないか。

だとしたら余計に困る。裁判員の1人が閉廷後の記者会見で次のように語っている。
50代裁判員「法廷で何回も涙」

裁判員6人のうち、50代男性1人が判決後記者会見に応じ「すごく悩みました。法廷で何回も涙を流してしまった。

今でも思い出すと涙が出る。それで察してください」と述べ、生死を分かつ判断の重みに苦悩した日々を振り返った。

池田被告の態度について「初公判では『おれは悪いことしたんだ、殺せ』と言っているように見えた。

だが、遺族の意見陳述を聞いているのを見た時、目が赤くなっているのが見えた。それを見て自分たちも泣いてしまった」

と言葉を絞り出すように話した。

プロの裁判官は、どんなに悲惨な事件でも、決して感情を顔に表さない、表さないだけでなく、理性で感情を制御する

訓練を受けている。裁判官が法廷で泣いたら、感情に流されて、冷静な判断力を失っているのではないか

という疑念が生じる。判決を下す人間は、公平であることが求められている。裁判官が法廷で泣くことは許されない。

裁判員は裁判官ではないが、判決を下すプロセスに参加するのであるから、その立場に置かれたら、

法廷でボロボロ泣いているようでは困るのである。


池田被告人は何をしたか。
◇池田被告人の起訴内容

池田被告は、東京・歌舞伎町のマージャン店の元経営者である近藤剛郎容疑者(26)=強盗殺人容疑などで国際手配=と

覚せい剤密輸を通じて知り合い、店の経営権などを巡り近藤容疑者ともめていた

経営者(当時28歳)と会社員(同36歳)の監禁などを依頼され

▽09年6月、経営者ら2人を千葉県のホテルに監禁=逮捕監禁罪

▽経営者の婚約者らに計約1340万円を持参させ奪った上、

首を果物ナイフや電動のこぎりで切断し2人を殺害=強盗殺人、殺人罪

▽遺体を切断し横浜市の海などに捨てた=死体損壊、死体遺棄罪。

しかも、池田被告人はなんと、命乞いをする2人を生きたまま電動のこぎりで切断し、殺害したのだ。

11月10日に行われた検察の論告によれば、
監禁した千葉県のホテル浴室で、会社員(当時36歳)が「最後に母と妻に電話させてほしい」と訴えるのを無視し果物ナイフで首を切り、

「せめて先に殺してから切ってください」と懇願する経営者(当時28歳)の首を電動のこぎりで切断したと述べた。

という。これで死刑にならないならば、死刑が存在する意味が無い。

所詮、初めて法廷という所に呼ばれ、初めて人を殺した人間を目の当たりにし、犯行現場の写真を見せられた

法律の素人がわずか数日で、冷静に判決を下すのは、無理なのである。

裁判員制度を始める理由として、法律専門家だけの裁判では、普通の市民感覚から乖離した手続きになってしまう、

ということが言われていた。

しかし、耳かきエステ店員殺害も今日の池田被告人も、市民感覚では当然死刑なのに、

無期懲役になったり、裁判官が控訴を勧めるなど、却ってプロだけによる裁判より、

市民感覚から乖離している。

これでは、意味がない。裁判員制度は廃止するべきである。

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2010.11.13

「海上保安官、週内は在宅捜査=逮捕の可否、15日以降に判断―書類送検も視野」←一般論として、「任意」には応じなくて良い。

◆記事:海上保安官、週内は在宅捜査=逮捕の可否、15日以降に判断―書類送検も視野(時事通信 11月13日(土)0時50分配信)

沖縄・尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突のビデオ映像流出事件で、捜査当局は12日、

任意の事情聴取を続けてきた第5管区海上保安本部神戸海上保安部の海上保安官(43)について、週内は在宅のまま捜査を進め、

週明けの15日以降に逮捕の可否を最終協議する方針を決めた。書類送検も視野に捜査を継続する。

海上保安官については帰宅させる方針だったが、本人の希望で15日まで同本部に宿泊することが決まった。

捜査関係者によると、海上保安官は警視庁捜査1課などの聴取に

「9月下旬から10月上旬ごろ、巡視艇内のパソコンから映像を入手した。誰でも入手できる状況だった」と供述していた。

同課が裏付けを進めたが、船内や自宅から押収したパソコンの解析には時間がかかっており、供述が事実かどうか確認作業が進んでいないという。


◆コメント:一般論として、警察官に任意同行を求められた場合、断った方が良い。

本件の海上保安官は、逮捕されていない。任意で事情聴取されている。

記事中に「在宅のまま」捜査を進め、と書いてある。保安官は、海保の施設内で取り調べを受け、宿泊しているが

本当は帰宅していいのである。

別の報道では、本人が自分の意思で、施設内に留まっているのだとのコメントを発表したとのことだが、

真実は分からない。保安官が出頭したのは10日である。任意の事情聴取と称して、本当は警察が

帰宅させないということになると(任意の事情聴取は何日まで、という法律の決まりは無いが常識的、慣例的に)問題なので、

本人の意思であることにして、本当は警察が帰宅させないのかも知れない。


元裁判官で、後に弁護士になった専門家によると、一般論として、突然警察官に「話を聞かせてください」と言われたら、

断った方が無難だそうだ。

警察官職務執行法 第二条

第1項 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、

若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

第2項 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。

第3項 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

第4項 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。

という訳で、警察官が怪しい奴に「ちょっと一緒に来てくれますか?」と行って立ち止まらせる所までは違法ではない。

しかし、水色太字で書いた部分。

「刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り」とは、裁判官が発行した逮捕状を提示されたとき、

又は違法行為の現行犯で逮捕されたのではない限り、ということだ。そうでなかったら、警察や交番にノコノコついて行かない方が良い。

言うまでも無いが、貴方が違法行為を実行していないことが前提である。


一旦警察に入ってしまうと、任意で来たんだという形式だが、帰して貰えない。

警察はあくまで「任意だ」と言い張るが、実際は何時間もトイレに行くことを許さず、逮捕と同じ扱いを受け、

やっと許可が出たら、任意なのに、尿検査をしてその結果覚醒剤反応が出て起訴された事案があり、

或る裁判官は極めて法律的に中立な人で、「任意だといって逮捕と同じ扱いをして収集した証拠は、

違法収集証拠である」、との理由で、尿検査結果の鑑定書の証拠申請を却下したそうだ。


しかし、恐らく、そのような「厳正中立公正無私」な裁判官は稀で、殆どは証拠申請を認めてしまう。

無論覚醒剤使用は違法行為だが、その証拠を収集する手続きが違法であれば、証拠として認めない、というのが

本来の刑訴手続きである。法律は、本当はそれぐらい厳密に適用されなければならない。


ところが郵便不正使用事件における大阪地検特捜部の証拠捏造という恐ろしい歴史的事実を見ればわかるように、

現実世界では、無茶がまかり通るようだ。


痴漢の冤罪なども、本来の手続きを踏んでいない。

任意だったのに、いつの間にか逮捕されてしまっていた、ということがあるそうだ。

それは、痴漢の犯人と間違われ、ホームで女性(被害者)に声をかけられ、警察官がやってきて、

「話を聞かせてください」で、任意の筈だったのに、警察署に着くとそのまま勾留されてしまう、

というケースである。勾留するためには、身体の自由(憲法で保障されている)を奪うのであるから

裁判官の発行した逮捕状を提示した上での「逮捕」が必要であるが、例外的に現行犯逮捕は逮捕状が不要で、

かつ一般人でも可能である。
刑事訴訟法 第二百十三条  現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

これを利用して、警察は勾留を可能にするために、書類上「女性が現行犯逮捕し、警察官に身柄を引き渡した」ことにする。

これでは、逮捕を告げられないまま、いつの間にか逮捕されていたことになる。

こういうことがあるので、任意同行にうっかり応じない方がいいのである。

そういえば、以前、テレビで弁護士が話していたが、痴漢の冤罪を避けるための最も正しい方法は、
「警察官が来る前に、その場から逃げること」

だという。その場からいなくなれば、最早現行犯逮捕は不可能で、実際に痴漢行為をしていなければ、証拠がないから、

逮捕状による逮捕もできない。

これは「やましい事があるから逃げる」のではなくて、「『冤罪』という我が身に降りかかりそうな災難から逃げる」のであり

何も後ろめたいことではない、という(くどいが、本当に悪いことをしていないことが前提である)。

なるほど、餅は餅屋だ。専門家の話は参考になる、と、感心したのを思い出した。

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2010.11.02

「耳かき店員ら殺害で無期懲役判決 裁判員、死刑を回避」←これを死刑にしなくてどうする。

◆記事:耳かき店員ら殺害 無期懲役の判決(NHK 11月1日 18時19分)

東京・港区で、耳かき店の従業員だった女性と祖母を殺害した罪に問われた男の裁判員裁判で、

東京地方裁判所は「何の落ち度もない2人を殺害した刑事責任はきわめて重大だが、

極刑にするほど悪質とは言えず、自分のどこに問題があったのか、人生の最後の瞬間まで苦しみながら考え抜くべきだ」と指摘し、

無期懲役を言い渡しました。この裁判で、検察は裁判員裁判では初めて死刑を求刑していました。



裁判員たちが審理したのは、去年8月、耳かき店の従業員だった江尻美保さん(当時21歳)と祖母の鈴木芳江さん

(当時78歳)が、東京・港区の自宅で刃物で刺されて殺害された事件で、店の客だった千葉市の元会社員、林貢二被告(42)が

殺人などの罪に問われました。林被告は起訴された内容を全面的に認め、検察は裁判員裁判では初めて死刑を求刑していました。

1日の判決で、東京地方裁判所の若園敦雄裁判長は

「何の落ち度もない2人を身勝手な動機から連続して惨殺した被告の刑事責任はきわめて重大だ。

自分の母親と娘を同時に亡くした美保さんの母親が精神的なショックで今も家の外に出ることができず、

遺族たちが極刑を望んでいるのは当然で、その思いには深く動かされた。

事件の最大の原因は、相手の立場に立って物事を見ようとしない被告の人格や考え方にあるのに

裁判の最後までそのことに気づかない被告の言動には許しがたいものがある」と指摘しました。

その一方で「この事件で、死刑を選択する余地がないのか徹底的に議論したが、

結局、極刑がやむをえないという結論には至らなかった」と述べました。



理由として、裁判長は「被告は美保さんに恋愛に近い感情を持ち、拒絶されると絶望感を抱いて抑うつ状態になり、

怒りや憎しみから殺害を決意したもので、犯行の動機が極刑に値するほど悪質なものとまではいえない。

祖母の芳江さんの殺害は偶発的なもので、計画性は認められない。被告なりに反省の態度を示しており、

自分のどこに問題があったのか、人生の最後の瞬間まで苦しみながら考え抜くべきだ」などと述べ、林被告に無期懲役を言い渡しました。

判決のあと林被告の弁護士は「被告はこの判決をしんしに受け止め、これからも自分の犯した罪に向き合い、

被害者とご遺族のことを考え続けていくものと思います」というコメントを出しました。

東京地方検察庁の大鶴基成次席検事は

「死刑が選択されなかったことについては判決内容を十分検討し、適切に対応したい」というコメントを出しました。

一方、亡くなった江尻美保さんの父親は「判決を聞いて、悔しくて涙も出ませんでした。

『自分なりに』反省を示せばよいのか、人間を2人殺してこんな判決でいいのかと思います。

この事件で無期懲役になるのであれば、いったい何人殺せば死刑になるというのでしょうか。

検察官には、ぜひ控訴していただきたいと思います」というコメントを代理人を通じて出しました。


◆コメント:訳の分からない判決理由。

私は、裁判員制度が話題になり始めた頃から、この制度には反対でした。2004年のことです。

2004年03月02日(火)国民が刑事裁判に参加へ、裁判員法案を閣議決定」←止めた方がいいと思います。

今日の判決で無期懲役になったのは、要するに裁判員がビビッたのでしょうね。

「自分達の判断で、殺人犯とは言え、人が1人、国家によって殺されるかも知れない。」と、素人がその場にいたら、

やはり、怖くなるのですよ。だから裁判員制度なんてダメなのです。裁判によって事実認定がなされ、

適切な量刑が下されるためには、多くの犯罪者を見てきて、判例も十分に知っている法律の専門家が判断を下す、

ということが、近代的裁判の基本ですよ。職業裁判官とて、死刑判決を下した後は、顔色が悪いそうです。

それだけのプレッシャーとストレスがかかるけど、死刑にすべき時は「エイッ」と死刑に出来るのはプロだけです。


無期懲役になったのは、素人が混ざっているからです。自分が人を死刑にすることに関与することをおそれたのです。

そうは言えないから、裁判長は、判決理由で訳の分からん事を言っています。

  • 何の落ち度もない2人を身勝手な動機から連続して惨殺した被告の刑事責任はきわめて重大

  • 自分の母親と娘を同時に亡くした美保さんの母親が精神的なショックで今も家の外に出ることができず、遺族たちが極刑を望んでいるのは当然

  • 事件の最大の原因は、相手の立場に立って物事を見ようとしない被告の人格や考え方にあるのに裁判の最後までそのことに気づかない被告の言動には許しがたいものがある

これほど、被告人の落ち度、を指摘しておいて、
結局、極刑がやむをえないという結論には至らなかった

って、誰が読んでも納得出来ません。犯人は、江尻美保さん(当時21歳)のクビを刺したばかりではなく、

祖母の鈴木芳江さん(当時78歳)のクビを、刃物で16回も刺しているのですよ?


近代刑法の原則に「自力救済の禁止」という概念があります。

要するに、被害者の遺族らが、「敵討ち」をしては、いけない。それをやったら社会が混乱する。

専門家に任せなさい。貴方達(遺族)の無念は、代わりに司法が晴らしてあげます、ということです。

しかし、こんな判決では、被害者の関係者、そして社会全体の犯人に対する「応報感情」が充足されません。


物騒な事を言うようですが、仮に私が江尻美保さんの父親ならば、

今日、傍聴するときに何とかして鋭利な刃物を法廷に持ち込み、死刑ではないことが分かった瞬間、

法廷に飛び出して、その場で犯人を滅多刺しにして、殺さなければ気が済まない、と思います。

その場で殺せなくても、無期懲役の途中で弊の外に出て来た瞬間に何としてもこの手で娘の敵を討とう

とするでしょう。その結果、自分は当然殺人の罪に問われるても、そんなことは問題ではない。

後がどうなろうが知ったことではない。警察に捕まる前に自殺するかも知れない---

あくまでも仮定上の話ですが、つまり、応報感情が満たされなくては、刑事裁判として、

機能していないと思います。

判決後記者会見に応じた裁判員のひとりは、
「人(この場合、犯人のこと)の生命の重さを考えた」

と、述べたそうです。

私はその「重い生命」を二つも自分勝手な理由で永遠に奪った林被告人の生命の重さなど、ない。

ヘリウムガスよりも軽い、と思います。

無期懲役になれば、毎日刑務所で食事がでます。何十年も、この人殺しを

我々が額に汗して働いて納めた税金で、食わせてやり、雨風をしのげる刑務所という

立派な建物の中で生き続けさせるのでしょうか?

また、本件については検察側が控訴し、さらに死刑が出なければ最高裁に上告すると

思われます。そうなったら、専門家だけによる判断で死刑判決が下る可能性が高いです。

結局、「無期懲役」を選択した裁判員の判断は無駄となります。

裁判員制度を導入し、続ける事に、意味があるのでしょうか?

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