カテゴリー「民主党」の記事

2011.06.03

内閣不信任案で遊んでいる場合ではない。

◆この時期に「政局」が重大ニュースになること自体が間違っている。


自公が提出し、大差で否決された、内閣不信任案であるが、

賛成・反対がそれぞれ何票だったか。あるいは、民主党の造反議員の処分を

どうするか、など、大手メディアはそのようなことばかりを取りあげている。

それらは、今のこの国の状況に鑑み、完全に「どうでもよいこと」である。この国では、「政局」つまり政治家・政党どうしの勢力争いを「政治」と勘違いしている。

メディアがそれに乗っかるから、世論も何か重大なことのように思うらしい。



前回の日記で書いた通り、今はそんなことを話している場合ではない。

「福島原発一号機に地震直後から海水を注入すべきだったが、首相の判断が

あまりにも遅かったなどと、野党、自民党が仕切りに管内閣を批判しているが、

そのように高度の専門的かつ技術的なことに関して、理科系出身とは言え、

原子力の専門家ではない、内閣総理大臣の判断・指示が誤っていたというのは、

無茶である。

「菅総理、辞めろ」という連中のうち、311の際に自分が仮に内閣総理大臣だったとして

的確な判断が下せたのか。また、これから菅直人が辞めたとして、自信を持って国家の運営を

実行出来る人間がいるのか。



菅首相が辞めた後、自分が首相になったら、被災地の復興はとんとん拍子に進み。

福島原発の処理も完璧に行い、汚染された土壌から放射能物質を瞬間的に無効かできる

国会議員、いや、人間がこの世にいるのか。



メディアもメディアで、菅首相が「一定のメドがついたら」辞めることを考える、と言ったら、

「一定のメドとか何か」などとバカなことを聞いていたが、そんなことは分かる訳は無い。

むしろ今日、政治家が記者会見を開くならば、内閣不信任案などという露骨なパフォーマンスで

時間を浪費した、自公の総裁・代表が質問に答えるべきだった。

「菅直人が首相である間は、国益を損ない続ける」

と自民党の谷垣は野党の気楽さで発言していたが、仮定上の話として、



谷垣が首相になったら、復興財源を消費税で賄うのか。



震災前から低迷している日本経済を立て直しながら、復興財源をどのように



確保するのか。



何よりも、菅直人以外の誰かが首相になったら、福島第一原発から拡散し続ける



放射性物質を無くすことができるのか。



汚染された原発周囲の土壌を浄化できるのか?



そのようなことは考えず、ただ、自民党が次の選挙で勝つために



菅首相の無能さ(何度も書くけれども、誰が首相でも同じだっただろう)



を強調する為だけに「不信任決議案」を採決に持ち込んだとすれば



(そうに決まっているが)、その為に、時間を無駄にした席には重大である。



自分達は安全地帯で、派閥や縄張り争いを続け、被災地復興や、



人類が未だかつて経験したことが無い、長期間に及ぶ原発からの放射性物質の拡散、



それによって懸念される日本国民の外部被曝、内部被曝等々、



問題は山積をしているが、国会議員は毎月129万円の歳費と100万円の文書・通信費、



月65万円の政務調査費、年間718万円のボーナス、を今までと同じように(1割減らしても、



痛くもかゆくもない)平然と受け取りながら何の役にも立っていない。



ここから先は現在の日本の法律では絶対に無理な私の空想だが、



国会議員は全員、福島第一原発で被曝限度ギリギリまでの作業に従事する、



という法律を国民投票で決めることができたらなあ、と思う。



議員どもも、流石に少しは真剣になるだろう。

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2010.11.28

「菅首相『支持率1%でも辞めない』=鳩山氏と会談」←別に構わんだろう。

◆記事:菅首相「支持率1%でも辞めない」=鳩山氏と会談(時事通信 11月27日(土)16時10分配信)

菅直人首相は27日、都内の中国料理店で民主党の鳩山由紀夫前首相と昼食を共にしながら約1時間半会談した。

首相は内閣支持率の急落に関し「(支持率が)1%になっても辞めない」と述べ、

引き続き政権運営に全力を挙げる決意を示した。鳩山氏は挙党態勢構築の必要性を強調した。

会談は、首相の呼び掛けで実現した。仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議が可決されるなど、

菅政権を取り巻く環境は厳しさを増している。

このため首相は、自身と距離を置く小沢一郎元代表にもパイプを持つ鳩山氏に対し、政権運営への協力を求めたとみられる。


◆コメント:支持率など、何の目安にもならない。

今の民主党政権を積極的に評価はできないが、元はと言えば、

自民党じゃもうダメだ。とにかく民主党に政権を取らせてみよう。

という選択を、衆院選を通じて行ったのは、主権者たる国民であり、

民主党に政権担当能力がここまで無い、と予見するのは確かに難しかったが、

社会人なら知っているように、大人は結果責任を問われるのであり、

民主党政権の無能さを見抜けなかった有権者に、究極的な責任があるのだ。


支持率が1%になっても辞めないというのは、見方によっては評価できる。

これだけ、毎日、マスコミや、ネット上では一般人にまでアホ・無能呼ばわりされているのである。

仕事を放り出した方が、遙かに楽である。続ける方が苦しい。

そもそも、内閣支持率調査は、必ず大手メディアがほぼ同時に行う。偶然がこれだけ重なる訳がない。

マスコミが一斉に「菅政権支持率低下」と大見出しで書くのを、皆、おかしいと思わないのであろうか。


ネットに於ける意見は様々で、
「支持率1%になっても辞めないとは信じられない。」

と書いていた人がいるが、どんなに下がっても1パーセントになるわけが無く、

菅首相が「1%」というのは、誇張表現の一種であろう。


支持率が如何に無意味か、小泉内閣のことをもう忘れたのだろうか。

小泉内閣が誕生したとき「改革を止めるな」というバカでもわかるワン・フレーズ政治に騙され

支持率は史上最高の85%だった。

しかし、今のガタガタの日本の元凶は、全て小泉だと言っても過言ではない。


一億総中流という平準化した社会に、アメリカの言われるがままにアメリカ式市場資本主義を持ち込み、

競争に敗れた人。病気で臥せって働けない人、障害がある人、会社が潰れた人は勝手に野垂れ死にして下さい

という強者の論理に立った、冷酷な日本を創り上げたのは、全て小泉である。


その上、格差社会が問題となり、元凶は誰だ?と自民党内吊し上げを食う前に政治家を引退した、

あくまでも腹黒い奴だ。

郵政民営化もアメリカの超内政干渉文書ある「年次改革要望書」に従っただけである。

その売国奴の息子が、いけしゃあしゃあと代議士になり、女性有権者の中には、
小泉進次郎はイケてるから、OK。

と、また同じ選択をしようとしているバカがいる。


結論。

大手マスメディアが必ずほぼ同時期に世論調査を行うことは不自然であり恣意的な世論誘導の意図を感じる。

それぐらい、気が付かなければダメだ。

また、現政権が無能であるから支持率が低いとすれば、

その、「無能な政治家・政党」に政権を取らせた我々有権者の見極めが甘かったのである。

政治家の能力を見抜くことができずに、間違った選択をした我々も無能だったことを自覚するべきである。

それが代議制民主主義の原理であろう。

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2010.06.08

都合により、今日は短くまとめます。

◆明朝、早くから健康診断がありまして。

普通は年に一度、会社の診療所での定期健診なのですが、今年、私は50になるのです。

40歳、45歳、50歳の健診は、一般病院へ行って、半日の人間ドックを受診しなければなりません。

起きられないとヤバイので、早めに寝ます。そこで、今日は短くまとめます。


◆記事:民主知り尽くす岩國哲人氏、自民政調顧問に(6月7日14時34分配信 読売新聞)

自民党は7日、党政務調査会顧問に民主党副代表を務めた岩國哲人・前衆院議員(73)を起用することを決めた。

自民党幹部は「岩國氏は民主党の政策の問題点を知り尽くしている」としており、参院選対策を強化する狙いがあるという。


◆コメント:だからいわんこっちゃない。

鳩山前首相が辞任する、と記者会見を開いた先週水曜日9日に書いた、

2010年06月02日(水) 「<鳩山首相>両院議員総会で辞任表明 小沢幹事長も引責」←辞めれば責任を取ったことになる人はいいですな。ココログ

という記事の終わり近くで、私は、
民主党の最大の失敗は、元衆議院議員、岩國哲人氏を重用しなかったことである。

と述べました。

しかし、まさか自民党の政調顧問に岩國さんが就任するとは夢にも思いませんでした。

ですが、岩國さんのことですから、これは、単なる自分を後任しなかった小沢一郎及び民主党への報復、

などという、ケチな料簡ではないと思います。

民主党のことなら全て知っている自分が、敢えて野党・自民党の側につくことにより、

民主党が本気で政策を立案し、参議院選に臨むこと、というか、真面目に政治に取組む姿勢に

なることを望んでいるのだと思います。

しかし、岩國さんは今は国会議員ではないから、自ら菅直人内閣総理大臣に対して国会で代表質問を行うことは出来ない。

自民党に「入れ知恵」するだけです。

こんなことになるとは・・・・。

やはり、民主党は岩國氏をもっと大事にすべきでした。

岩國さんが政界でゴタゴタに巻き込まれないように、ベテランが補佐して、

岩國さんが総理になれば鬼に金棒でした。

残念です。


全く、話は異なりますが、6月8日は、2001年に池田小事件で児童8人が殺され、

2008年には、秋葉原通り魔事件で7人が死亡、10人が重軽傷を負っています。

犠牲者のご冥福を祈ります。

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2010.06.06

菅政権に関する考察、その2。経済政策「増税で財政健全化と景気回復は両立可能」か。

記事1:財政健全化法案:菅財務相、増税の議論進める姿勢(毎日新聞 2010.04.13)

菅直人副総理兼財務相は12日、東京都内の日本外国特派員協会で講演し、

「増税しても、使う道を間違わなければ(お金が循環して)景気が良くなる」と述べ、

今国会への提出を目指している財政健全化法案に増税を盛り込む方向で政府内で議論を進める姿勢を示した。

ただ、増税の具体的な内容や時期には言及しなかった。

菅氏は「人気のあった小泉(純一郎元首相)さんでさえ、『自分が総理の間は消費税を上げない』と言って、

この(増税)問題を避けた」と指摘。「日本の政治家には、増税すると選挙に負けるというトラウマがある」として、

税制改革についての与野党協議の必要性を強調した。

増税で確保した財源は、環境や介護など雇用の創出につながる分野に充てる考えを示した。

その上で「財政健全化だけでなく、成長と社会保障のあり方も含めた国会での議論の場を作っていこうと準備している」と述べ、

財政健全化法案に経済成長や社会保障制度の将来像も盛り込む方針を示した。


◆記事2:<菅首相>「増税で成長」に布石 「ばらまき」見直す可能性(6月4日21時19分配信 毎日新聞)

先進国で最悪の状況にある財政の健全化を図りつつ、早期にデフレから脱却、景気を回復軌道に乗せる--。

日本経済に突きつけられた難題を前に、菅直人氏は4日の民主党代表選で

「強い経済、強い財政、強い社会保障は一体として実現する方向性を示していきたい」と訴えた。

その具体策が「増税と成長の両立」論。背景には、消費税増税を含む税制抜本改革論議への布石にしたいとの思惑がある。


◆コメント:非常に難しい問題で、正直言って、私もどちらが正しいのか分からないのです。

菅政権に関する考察の第2弾は、経済政策です。

菅直人内閣総理大臣が、財務相時代から繰り返している持論は

「増税することにより、財政健全化と景気回復は両立できる。」

ということです。菅直人首相の持論とかきましたが、実際には、菅氏が副総理兼財務相の今年2月に、

内閣府参与に就任した大阪大学の小野善康教授(59)の持論と言った方が正確で、管氏は小野教授の「学説」が

(何故か知りませんが)気に入ったらしいのです。


景気が悪いときには、減税し、可処分所得を増やして個人消費を増やし、

さらに、財政支出によって、国が需要を創出して、おカネが回るようにする、というのが、

常識的な発想です。

不況の時に増税するとは、この常識の正反対を向いています。


◆小野善康大阪大学教授自身へのインタビューを読む。

こういうことは素人が要約しないで、つまり、言葉の断片を羅列しても、

全体として、どういう思想なのか分かりません。ご本人の言葉をそのまま知ることが大切です。

本来ならば、小野教授の論文を読むべきでしょうが、それは、我々一般人には、恐らく難しすぎる。

そこで、間接的ではありますが、ブルームバーグが小野善康教授にインタビューした記事が残っています

(http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920015&sid=ayctueSbZz3M)ので、そのまま転載します。
◆菅氏の「知恵袋」小野氏:金融緩和依存でデフレ脱却困難(Update1)(ブルームバーグ)(2010/04/16 14:58)

菅直人副総理兼財務相の経済アドバイザーとして2月に内閣府参与に就任した大阪大学の小野善康教授(59)は、

政府の金融・経済政策運営について、日本銀行の金融政策に依存した手法では、内需は喚起されず、

20年来続いてきたデフレ状況からの脱却はできないとの考えを示した。

小野教授は14日にブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。

同教授は、日銀がコントロールできる貨幣量であるハイパワード・マネー(現金と日銀当座預金)と物価の関係は

「バブル(崩壊)以前はマネーを増やせば、物価が上昇する関係が成立していた」が、

バブル崩壊以降は全く物価上昇には効いていないと説明。

その上で「こうした状況で日銀が金融緩和して、デフレ脱却ができるわけがない」と指摘し、

日本がデフレ脱却で金融政策に依存してきた背景には

財政当局が増税で逡巡し、景気については日銀に押し付けたことが問題だった」と述べた。

参院選を控え日銀への政府の追加緩和圧力が今後さらに強まるとの見方がある半面、

小野教授を参与に指名した菅副総理の発言に微妙な変化を見てとる向きもある。

シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、金融政策に対する菅副総理の発言は

「ここ1週間ぐらいトーンがちがう」と指摘。「日銀に対する政治圧力は基本的に弱まる方向」とみている。

実際、菅副総理は今月12日、都内の講演で「日銀は、金融緩和は一定程度デフレ対策には効果があるが、

ある意味では限界もあるという認識をお持ちのように思っている」と述べた。


増税してでも雇用創出を



小野教授はマクロ経済学が専門。1973年に東京工業大学を卒業、菅副総理とは同窓となる。

現在は阪大社会経済研究所の所長も務める。自民党・小泉政権下の構造改革には批判的な論陣を張った。

約10年前に雑誌の対談で知り合った菅副総理に請われ、2月26日付で参与に就任。

すでに5回ほど開催された幹部官僚を入れない政務3役などとの私的勉強会では日本経済に関する持論を説明したという。

同教授は、デフレを、物を消費するよりも現金を保有したいという志向の表れとみて、

政府が内需の源泉となる新たな雇用を創出することで、消費や資金の流れを良くする好循環を作り出すべきだと主張する。

そのため、政府が、不況期には増税してでも新しい仕事を創設し、逆に景気が良くなれば、減税し政府事業を減らすと約束することで、

消費が活発化し、デフレの脱却につながると説く。


不況期には増税、好況期には減税を



自民党政権下では、景気が悪化すれば所得減税や公共投資などの景気刺激策を打つことが慣例だった。

これに対し小野氏は「景気が悪くなると人々はお金を使わないので、増税して政府が事業を行い、人を雇い、

増税分は直ちに国民に返すべきだ」と主張。「今までは逆だったために、景気の波を大きくした」と指摘する。

一方で「民間がちゃんと物を買い始めたら減税すると確約すれば、民間は一生懸命、買うかもしれない。そうしたら、それで景気が良くなる」

との考えを示した。

菅副総理も12日の講演で、デフレの解決のため、「場合によっては増税をしても、使う道を間違わなければ景気が良くなると考えている」と述べ、

事務方に検証させていることを明らかにした。


小野教授は増税する税目について「私は所得税増税を主張している」と述べ、

「なぜかと言えば、所得税の方が累進的なので、消費性向の低い高所得者層から税金が取れる。

さらに低所得者層が受け取ったお金を消費に回せば、高所得者の所得にもなる」と説明。所得税の最高税率は

「今は4割だったが、昔は7割だった。小泉政権の実態は所得の高い人にお金を渡しただけだった」と述べ、

「最高税率は上げても良いと思う」との考えを示した。


政府支出の対象としては「必需品は皆が買っているので、それを政府が買えば、これこそクラウドアウト(締め出し)が起こる」と述べ、

そういう目で見て環境、介護、医療は良いのではないか」と指摘。また、環境税を創設し、その税収分を全部エコ製品のポイントの

補助金に充てる制度を作れば、「今までの機能に加えた環境製品が売れる」と述べ、全体として消費者の負担も増えないと述べた。

内需拡大で円安に



為替相場と日本経済の関係については「完璧に円安の方が良い」との見解を示し、

「円高が経済力の証拠という考えは全くの間違え」で、高度経済成長期の経験に基づくものだと説明。

一方で「今は1ドル=93円ぐらいだが、もっと(円安に)行っても不思議ではない」と述べ、新しい政策で内需拡大を実行すれば

「もっと円安になるだろう。そうすると日本企業は競争に勝ってくる」との見方を示した。

取材協力:日高正裕、下土井京子 更新日時: 2010/04/16 14:58 JST (注:太文字は引用者による)。

読むと分かる通り、菅直人首相の「増税→景気回復、デフレ脱却」という「思想」は

小野教授の「学説」を殆どそのまま踏襲していると言っても過言ではありません。

Googleで「菅直人 増税 景気回復」を検索すると約152,000件もヒットします。

素人も学者もそれぞれ「持論を展開していますが、小野教授の説に対して、

ネット上でも意見は真っ二つに割れています。


◆日経のコラムですら、正反対の意見が出ているのです。

日本経済新聞の「マーケット総合」欄に、「大磯小磯」という経済コラムがあり、

実名は出しませんが、論説委員か、ベテランの経済記者数人が交替で書いているものと思われます。

日経の他はともかく、「大磯小磯」は読む、という人は結構多いのです。


この「大磯小磯」ですら「増税が景気を良くするか」について、正反対の主張が述べられています。

一回目は、5月25日(火)に載りました。

◆増税は景気を良くしない

増税することで、むしろ景気が良くなるという議論が出始めた。菅財務大臣はこうした趣旨のことを述べて、

消費税引き上げを正当化したいようだ。しかしこうした奇妙な議論は、健全な政策論議をあまりに逸脱している。

日本の財政状況は深刻であり、いずれ消費税の引き上げが避けられないことは多くの人が認識していよう。

財政健全化努力がいまの政府に不足していることは明確だし、そうした努力不足が今後も続けば、

経済に破滅的な混乱が起きることだろう。したがって、こうした混乱を避けることによって経済を良くできる、という議論は成り立つ。

しかし、財政再建に根本的に重要な道筋は、まず成長をいかに確保して税の増収を実現するか、歳出をいかに抑制するか、

そのうえで税収をどう確保するか、である。


成長戦略がないままに、歳出の膨張を抑えることなく、増税するだけで経済が良くなることはあり得ない。

増税とは、民間部門から公的部門への資源の移動であり、その過程で国民の生活水準を引き下げる。

考えられるひとつのケースは、民間部門が支出を増やさない状況では、公的部門に資源を移し支出することで経済は拡大する、という場合だ。

これは、需要不足が存在する場合には正しいし、まさしくケインズが指摘していることでもある。しかし、あくまで短期の限定的な議論だ。

もうひとつは、社会保障制度などが整備されることで将来への不確実性が低下し、結果的に消費・投資が促進される、という理屈だ。

しかし、もし将来への不確実性が本当に家計の障害になっているのなら、個人年金などがもっと拡大しているはずだ。

国民が感じる不安の本質は社会保障ではなく、日本経済の競争力低下、さらには自分の所得獲得能力低下への不安である。


安易な増税理論を振りかざし、安易な増税を実行すれば、大きくて非効率な政府のままで、中長期の成長力はさらに低下する。

それは結果的に、国民の将来不安を一層高めることになろう。


気になるのは、財政制度等審議会でも菅大臣と同様の議論がなされ「増税=景気回復」が示唆されていることだ。

役所の隠れみのと言ってしまえばそれまでだが、審議会の有識者たちが成長戦略、歳出削減を十分論じることなく

権力にすり寄っているのなら、この国の将来への不安はますます募ってくる。(夢風)


これに対して、真っ向から反論する意見が、3日後、5月28日(金)の「大磯小磯」に掲載されました。
◆増税は消費を減らさない

増税は消費を冷やすという定番の批判は何を根拠に広まったのだろうか。

1つ目は完全雇用を前提とする新古典派理論である。

そこでは経済は能力いっぱいに生産しているから、政府が労働力を無駄な設備やサービスに使えば、民間が使える物やサービスが減る。

この議論で重要なのは、税金を取ることではなく、そのお金で政府が限りある物やサービスを使ってしまうことである。

政府が物やサービスを使わず、税収を民間に手当として配るならば、増税でも民間消費は減らない。



2つ目はケインジアンの消費関数である。消費はそのときの可処分所得に依存すると考え、だから増税は消費を減らすと主張する。

しかし、ここでは政府と家計の予算が考慮されていない。予算を考えれば、取った税金は歳出に回され、かならず家計に還流するから、

消費が減るわけがない。実際この理論でも、均衡財政での支出増なら、消費に影響しないことが示される。

最近の社会保障の議論では、消費税の増税分を社会保障に回せば、安心が得られて消費が増えるという主張がある。

しかし、お金を渡すだけの社会保障なら、もらえるお金の分、お店で払う消費税が上がるだけだから、

国民生活は楽にならない。結局、お金を回すだけで国民全体の安心が得られるはずがない。



増税して配るだけでは意味がないが、仕事を作って給与で払えば、設備や物・サービスが提供され、

所得も生まれて税収も入り、雇用も増えてデフレギャップも減るから消費も増える。

失業、需要不足、デフレ、財政赤字、介護や医療サービス不足などのすべてが改善するのである。



好況なら、民間が自律的に需要を作り、仕事を作ってお金を回す。不況は人々が不安で需要を減らすから、

このメカニズムの逆回転が起こる。だから政府がお金を集めて仕事を作るしかない。

仕分けで無駄を省くのは結構だが、それで職が減るなら、別にもっと効率的な仕事を作らなければ、無駄は拡大する。



意味のある社会保障とは雇用保障であり、それによって働く者とサービスを受ける者の不安を同時に解消できる。

高齢者でもまだまだ元気で働きたい人は多い。若者も働きたいのに定職に就くのが難しい。

増税して彼らの力を生かすことに使えば、不安解消と経済活性化につながる。(魔笛)

どちらの主張もそれなりに、論理性があるように思いますが、

私は現在のように家計の所得が減り、個人消費が伸び悩んでいるときに所得税の増税や、消費税の増税が

景気の拡大に結びつくとはどうしても考えられません。法人税の減税は鳩山首相の頃から話が出ていて、

これは、甚だ論理的ではないのですが、世界の他の国に比べて日本の法人税率が割高だから、というものでした。

しかし、それは各国の経済の基礎的諸条件(ファンダメンタルズと言います)が異なるのですから、単純比較出来ない

と思います。

また、増税が、財政健全化につながるのかというと疑問に思います。財務省が公表している
我が国の1970年度以降の長期債務残高の推移

を元に、こちらの方がブログで、毎年の長期債務増減額を計算していらっしゃいます。

増税による財政再建は可能か?

こちらを参考にさせて頂き、増税があった年を見ますと、1989年に初めて日本で「消費税」(3%)が実施されましたが、

同年の長期債務残高は、7兆5千億円も増加しています。

また、橋本政権時代、1997年4月1日、地方消費税の導入と消費税等の税率引き上げが実施されました。

この年度も、締めてみたら、長期債務残高は42兆8千400億円も前年より増加しています。


菅直人首相は、増税しても財政健全化と景気回復は両立可能だ、といっているわけですが、

過去のデータは、個人でもちょっとあぶく銭が入ると、すぐパーッと使ってしまう人もいますが、

国の財布も似たようなもので、余程考えて使うことと、支出額を監視しないと、債務が増えてしまう。

増税による税収増より多く使ってしまうことを示唆しているのではないか、と思います。

大変長くなりました。それでは。

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2010.04.08

【翻訳】海外紙の鳩山政権評(1)ウォール・ストリート・ジャーナル 「日本には補助輪なしの政府が必要だ」

◆はじめに

鳩山由紀夫氏が内閣総理大臣に就任したのが、2009年9月16日なので、

3月中旬、欧米の大手各紙は、特集記事や社説で「鳩山評」を掲載しています。

主だったところでは、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ(以上、米)

フィナンシャルタイムズ(英)などです。

これらの論調は似通っていますが、久しぶりに翻訳をしてみます。

今日は、3月17日付の、ウォール・ストリート・ジャーナルに乗ったコラムです。


◆Japan Needs A Government It's time for the training wheels to come off.(MARCH 17, 2010,)

(注:日本はそろそろ、補助輪なしの政府を必要している。)

(http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704743404575127161402558610.html 但し全文を読むには、要Subscription)

今週(注:3月17日時点)、で首相就任6月となる鳩山首相と、彼が率いる内閣の支持率は、

当初史上最高の支持率を誇ったが、その後支持率は急激な低下を続けている。

朝日新聞の世論調査によると、政権発足直後の「鳩山内閣支持率」は71パーセントだったが、

3月には32パーセントである。

民主党には、政権経験者が一握りしかいないという事情を勘案すれば、

少々の失敗は大目に見るべきかも知れない。しかし、もう少ししっかりしないと

来るべき参議院選挙で民主党は単独で過半数を確保出来なくなる恐れがある。

それが、何を意味するかというと、国民新党・社民党など、極めて重要な政策、

即ち金融制度改革や米国との安全保障面での協調に関して横槍を入れてきた少数党に、

今後も頼らざるを得ない、ということだ。


長期的な経済政策の策定、すっかり壊れてしまった社会福祉制度の修復、

事業仕分けなど、鳩山政権の課題は山積している。


残念ながら、大物政治家の家系を継ぐ鳩山首相だが、自身は、ここぞという時に

大きな決断をすることが出来ない人物であることを露呈してしまった。


現政権の問題の一つは、政府中枢に意思決定機関が存在しない、ということだ。

たとえば、現政府は首相、経済・財政関係閣僚、日銀総裁から構成される「経済財政諮問会議」を

廃止する計画である。

今は休眠状態の「経済財政諮問会議」は過去において重要な政策決定に寄与したことが

あるのだが、鳩山由紀夫内閣総理大臣は、小泉純一郎元首相の「構造改革路線」の遺産を、

残したくないようである。


半世紀もの長きに亘り、与党で有り続けた自民党と同様、民主党も結局、官僚主導型に傾きつつある。

唯一、前民主党代表で、今は形式上は鳩山首相に次ぐナンバー2の地位にある小沢一郎だけが、

重要な決定を下しているように見受けられる。


彼が公に示す、様々な決定は、明らかに参議院選挙対策である。

この正体不明の陰の本当の権力者がおこなう、利益誘導型の臭いのする決定は、

有権者の疑念を招き、鳩山首相が目指していたはずの透明な政治と相容れない。


民主党政権の色々な欠点が明らかになりつつあるが、今や野党となった自民党への支持は、

限定的である。


先の朝日新聞の世論調査によれば、回答者の約3分の2は政権交替が実現したこと自体には、

満足している、という結果が出ている。それは、自民党に対する不信任が継続している結果だ。


このような状況では、ドジばかり踏んでいる民主党がやはり参院選で勝利する可能性が高いことを

示唆している。党の実権を握りたいのならば、鳩山首相は選挙後のチャンスを利用して

余程上手く迅速な行動を取らねばなるまい。

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2009.12.18

改めて「普天間基地問題入門」。

◆実はよく分からない、という方もおられるでしょうから。

沖縄県にある、在日米軍の普天間基地をどこに移すか、と言う問題に関して、

鳩山政権が煮え切らないということで、毎日のようにメディアに叩かれていますが、

実は、どういう問題か、詳しく説明出来ないという方もおられると思います。

そんなに難しい話ではないのに分かり難いのは、特に沖縄県の地理、土地勘が無い為ではないかと思います。

私もその一人で、沖縄に行ったことがありません。ですから感覚としては把握出来ていないのですが、

問題の所在を説明します。


◆普天間基地は沖縄県宜野湾(ぎのわん)市にあります。

日本には米軍施設(自衛隊と共用の施設を含む)が29都道県にあります。米軍専用施設に限っても、13都道県にあります。

2009年1月1日現在では日米共用施設を含めると134施設。米軍専用施設は85施設あります。

沖縄には、米軍専用施設が33あり、日本の米軍専用施設の面積合計の75%を占めます。

防衛省の資料に表示されています。在日米軍施設・区域(専用施設)面積

普天間基地は沖縄県宜野湾(ぎのわん)市にあります。

宜野湾市の沖縄県内の位置を地図で示します。


大きな地図で見る


何故、特に普天間基地が問題なのか?

普天間基地は町の中にあり、周辺は住宅で囲まれています。

このため、基地周辺の住民は飛行機やヘリコプターの騒音に悩まされています。最もうるさいところでは、

騒音が120デシベル(カラオケ店内が約90デシベル)に達します。騒音の回数は1日、朝から晩まで56回もあります。

また、米兵の犯罪が多発しています。この10年間で679件に及び、1995年9月4日、小学生の女の子が米兵に乱暴されました。

これが、最も日本側がキレた大きな理由のひとつです。

また、2004年8月13日、米軍のヘリが、沖縄国際大学に墜落、炎上しました。学生や住民に死傷者は出ませんでしたが、

これは運が良かっただけで、住宅地に軍の施設があることの危険性が認識されました。


普天間基地を別の場所に移すことに関して日米両国政府の協議が10年も続きました。

1996年に日米両政府は普天間飛行場の返還と移設そのものに関しては合意しています。

どこに移すか決めるのに10年を要し、2006年日米両国政府は在日米軍再編に関して合意しました。

その合意では、2014年までに普天間飛行場を、沖縄県名護市辺野古(へのこ)のキャンプ・シュワブという基地の

海沿いを埋め立てて、そこに移すこと。アメリカ兵2万1千人のうち8千人をグアムへ移すことが決まりました。

キャンプ・シュワブの位置はこの通りです。


大きな地図で見る


◆ところが政権が変わりました。

8月30日の総選挙で民主党が与党となり、国民新党、社民党と連立を組んでいます。

民主党の選挙前のマニフェストにはこのように書いてあります。

日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

米軍再編を見直すということは、普天間飛行場をキャンプ・シュワブに移転するという2006年の合意を見直す、

ということです。民主党と連立を組んでいる社民党は、普天間飛行場を同じ沖縄県のキャンプ・シュワブに移転しても

仕方がない。県外に移すべきだといいます。

アメリカは、日本の政権が変わろうがしったことではない。2006年に合意したとおりキャンプ・シュワブに移転するぞ、

と、ムキになっていますが、辺野古の人々からは、飛行場を自分たちの土地に移して欲しくない。それを断ってくれると思ったから

8月の総選挙で民主党に投票したのだ、という人々がいます。

ところが民主党がはっきりしない。政権を取る前はマニフェストで「米軍再編を見直す」と書いていますが、

それでは、どこに移すのか?に関しては明言していません。決めておかないうちに本当に政権を取ってしまったので、

2006年の日米合意をそのまま実行したのでは、マニフェストでウソを言ったことになります。

社民党は、あくまで県外移転に拘り、普天間を県外に移さないならば、民主党との連立を止めるかも知れない、といいます。

繰り返しになりますが、アメリカは、民主党が本当に米国と日本との2006年の合意を変えるなら、日米同盟を考え直そうかな、

と、民主党を牽制します。鳩山さんはどうしたらよいか、最後は自分が決めるといいながら、

結局、いつまでに決めるかはっきり決めないことに決めた、

というので、鳩山首相は結局「ここ一番」というときに決断できないではないか。

と、呆れられています。

簡単ですが、以上が現在の状況です。

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2009.10.27

鳩山首相、「所信表明演説」所感

◆記事:所信表明演説(全文)

長すぎて、ココログはともかく、ウェブ日記エンピツの字数制限でここに載せられないので、テキストファイルとして保存し、

以下がそのファイルへのリンクである。直接Webで開いて文字化けする場合は文字コードを日本語シフトJISにするか、

一旦デスクトップにでもダウンロードして開けば、Windowsのデフォルトならば、拡張子.txtはメモ帳に関連づけされていて、

メモ帳が開くであろう。他のテキストエディタに関連づけされていればそれが開くだろう。

ダウンロード 09126PrimeMinisterHatoyamaInauguralSpeech.txt (26.7K)

ここで仮に読めなくても新聞各紙や通信社がネット上で、「所信表明演説全文」を収録している。

音声で聴くと、全部聴くのに52分かかるが、本当は演説というのは、文字で読むものではない。

話者の表情や声の抑揚から、文字では分からないニュアンスが分かるから、聴くべきなのだが、

皆さんご多忙だろうから、それは、お任せする。因みに音声で聴きたいときは、衆議院インターネット審議中継の画面左にあるカレンダーで、

10月26日をクリック→「本会議」→「鳩山由紀夫(内閣総理大臣)  14時 03分  53分 」→再生方法の選択で、WindowsMediaPlayerか、

Real Playerか選択し、ブロードバンドかナローバンドかを選択して、「設定」をクリックすると再生が始まる。


◆演説所感:内容自体は理想を述べていて、美しいが、「本当にできるかどうか」ですよ。

鳩山首相の「演説」原稿自体はよく書けてますよ。抽象的だ、との批判もあるが、首相の最初の演説なのだから、

鳩山由紀夫内閣総理大臣の政治的理想を述べるのが当然であって、具体的施策を説明するスピーチではないから、

その批判は的外れである。

で、内容はどうか、と問われれば、それは、内容は大変結構ですよ。

民主党のスピーチライターはなかなか優秀と見える。「人情に訴える」のが上手い。

まず、おばあさんのエピソード。

私もまた、この夏の選挙戦では、日本列島を北から南まで訪ね、多くの国民の皆様の期待と悲痛な叫びを耳にしてきました。

青森県に遊説に参った際、大勢の方々と握手させていただいた中で、私の手を離そうとしない、1人のおばあさんがいらっしゃいました。

息子さんが職に就けず、自らの命を断つしか道がなかった、その悲しみを、そのおばあさんは私に対して切々と訴えられたのです。

毎年3万人以上の方々の命が、絶望の中で断たれているのに、私も含め、政治にはその実感が乏しかったのではないか。

おばあさんのその手の感触。その目の中の悲しみ。私には忘れることができませんし、断じて忘れてはならない。

ここでは、野党・自民党もさすがにヤジを飛ばせない。こういう話を出されたらヤジを飛ばせませんよ。

本来、こういう話じゃなくても、あのみっともないヤジは飛ばすべきじゃないけど。


或いは、チョーク工場のエピソード。
先日、訪問させていただいたあるチョーク工場のお話を申し上げます。

創業者である社長は、昭和34年の秋に、近所の養護学校の先生から頼まれて2人の卒業生を仮採用しました。

毎日昼食のベルが鳴っても仕事をやめない2人に、女性工員たちは「彼女たちは私たちの娘みたいなもの。

私たちが面倒見るから就職させてやってください」と懇願したそうです。そして、次の年も、また次の年も、養護学校からの採用が続きました。

ある年、とある会でお寺のご住職が、その社長の隣に座られました。

社長はご住職に質問しました。

「文字も数も読めない子どもたちです。施設にいた方がきっと幸せなのに、なぜ満員電車に揺られながら毎日遅れもせずに来て、一生懸命働くのでしょう?」。

ご住職はこうおっしゃったそうです。

「ものやお金があれば幸せだと思いますか」。

続いて、「人間の究極の幸せは4つです。愛されること、褒められること、役に立つこと、必要とされること。

働くことによって愛以外の3つの幸せが得られるのです」。

「その愛も一生懸命働くことによって得られるものだと思う」、これは社長の実体験を踏まえた感想です。

このチョーク工場は、従業員のうち7割が「障害」という「試練」を与えられた、いわば「チャレンジド」の方々によって構成されていますが、

粉の飛びにくい、いわゆるダストレスチョークでは、全国的に有名なリーディングカンパニーになっているそうです。

障害を持った方たちも、あるいは高齢者も、難病の患者さんも、人間は、人に評価され、感謝され、

必要とされてこそ幸せを感じるということを、この逸話は物語っているのではないでしょうか。

そのとおり。理想はその通り。文句の付けようがない。だから、純粋に言語表現の一種、「演説」としては白眉なんです。


◆一つ気になるのは、憲法や集団的自衛権について明言を避けていること。

私が気が付いて、気になったのは、安全保障とか、国防に関しては、非核三原則を維持するとは述べながら、戦争放棄の第9条を維持するのか、

それとも、本当は9条を変更しようとしているのか、所信表明演説からは、分からない、という点である。

アメリカのアフガン・テロ掃討作戦を場合によっては支持する、と解釈できる箇所がある。

また、現在、国際社会全体が対処している最重要課題の一つがアフガニスタンおよびパキスタン支援の問題です。

とりわけ、アフガニスタンは今、テロの脅威に対処しつつ、国家を再建し、社会の平和と安定を目指しています。

日本としては、本当に必要とされている支援の在り方について検討の上、農業支援、元兵士に対する職業訓練、

警察機能の強化等の日本の得意とする分野や方法で積極的な支援を行ってまいります。

この辺は曖昧。元々、民主党はマニフェストでも従来の「個別的自衛権」「集団的自衛権」といった概念上の枠組みにこだわらない、

と、書いているので、どこで、どのように方針が変化するか分からない。今日の演説で気になったのは、その点。

あとは、鳩山首相の演説内容は誠に人道的に美しいが、本当に「友愛社会」が実現できるのか?

ということですよ。言うのは簡単ですけどね。それこそ、今後具体的に何をどうするのか、

民主党は、何でもディスクロージャー(公開)が原則だから。

何をしているか、全部国民に知らせる、見せる、報告する、と言っているのだから、

本当にそれを実行されたならば、有権者は、「知らなかった」と言えない。民主党を監視する責任がある。

ということです。

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2009.10.12

「外相 給油活動いったん撤収へ」←当然です。

◆記事:外相 給油活動いったん撤収へ(NHK:10月12日 21時17分)

岡田外務大臣は、訪問先のパキスタンで、記者団に対し、インド洋での海上自衛隊による給油活動について

「単純延長はしない」と述べたうえで、活動を継続する場合に必要となる新たな法案を次の臨時国会に提出するのは難しいとして、

今の法律の期限が切れる来年1月で、海上自衛隊はいったん撤収することになるという見方を示しました。

岡田外務大臣は、訪問先のパキスタンでクレシ外相と会談したあと、昼食をともにしながらさらに意見を交わしました。

この中で、岡田大臣は、インド洋での海上自衛隊による給油活動について

「来年1月で期限が切れたあと、仮に活動を継続するためには、新たな法案が必要になるが、民主党はこれまで国会で反対してきており、

連立政権を組む社民党も強く反対している」と説明しました。このあと、岡田大臣は、記者団に対し、

「われわれは単純延長はしないと言っており、それ以上でもそれ以下でもない」と述べました。

そのうえで、岡田大臣は「臨時国会でどういう法案を審議するか、政府の中では固まりつつあるが、

給油活動を継続するための新たな法案はそ上には上っていない。

臨時国会でというのは、いろいろな調整も必要になってくるので、現実的には難しい問題だ」と述べ、

活動を継続する場合に必要となる新たな法案を次の臨時国会に提出するのは難しいとして、

今の法律の期限が切れる来年1月で、海上自衛隊はいったん撤収することになるという見方を示しました。


◆コメント:給油活動は戦闘中の同盟国に対する後方支援であり、集団的自衛権の行使に該当する。

私はいままで、何度書いたか分からない。私の持論であるが、ここしばらく書いていないので、今一度、説明する。

集団的自衛権とは何か。

「自国が直接攻撃・侵略されていなくても、自国と密接な関係にある同盟国(要するにアメリカ)が、第三国から攻撃・侵略を受けた際、

これを自国への攻撃・侵略と見なして、防衛のため、武力を行使し、自衛する権利」

である。

結論を最初に書くならば、私が幾度となく繰り返し書いているのは、海上自衛隊のインド洋上での給油活動は、

アメリカのみならず、アフガニスタンテロ掃討作戦に参加している他国に対しても実施されており、無料ガソリンスタンドと、

言われているが、これは日本は直接武力を行使していないが、武力を行使している同盟国に燃料を供給することは、

後方支援といって、武力行使の一部と見なされる。日本がアフガン・テロから攻撃を受けていないのに、

同盟国の為に、武力行使と一体化しているインド洋上での給油活動を行うことは、集団的自衛権の行使に該当する。

「集団的自衛権の行使は違憲である。」という政府の公式見解は変更されていないから、

この活動はもともと違憲である。


◆経緯:テロ特措法は3度延長されたが、安倍晋三の突然の辞職で、2007年11月1日、一度、失効した。

アメリカは、911テロの後、アメリカを攻撃したのはウサマ・ビン・ラディンが率いるアル・カイダであり、アフガニスタンの

タリバン政権が、アルカイダをかくまっているとして、勝手にこれを攻撃し、更にパキスタンにテロリストが逃げ込んだらしい、

というので、パキスタンにおいても軍事行動を行っているのである。


日本は、アメリカがアフガニスタンのテロ掃討を決定した直後、所謂テロ対策特別措置法(略してテロ特措法)、正式には

平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる

国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法

の法案を2001年10月5日に政府が法案を提出し、同月29日に成立・制定された。自民党の強行採決であった。

施行・公布は2001年11月2日で、2年間の時限立法であった。

それが、2003年10月の改正で2年延長、2005年10月の改正で1年再延長、2006年10月の改正で1年の再々延長が行われた。

2007年、自民党は4度目の延長をするつもりだったが、同年9月12日、当時の内閣総理大臣、安倍晋三氏が突如辞意を表明したため、

大騒ぎとなり、国会が法案審議出来ず、テロ特措法は、2007年11月1日に、一旦失効した。


◆現在、海上自衛隊がまた、インド洋上で給油活動を行っている根拠法は何か。

上述の通り、「旧・テロ特措法」は2007年11月1日に、失効し、海自は一旦引き上げたが、自民党は、何とか給油活動を再開したいので、

失効前、2007年10月17日に、「新テロ対策特別措置法案」を衆議院に提出した。これは1年間の時限立法で、1年以内の延長は可能、という条件だった。

同法案は11月13日、衆議院本会議で可決し、参議院に送付された。

参議院では、野党が過半数を占めており、「新テロ対策特別措置法案」を否決した。

しかし、何としても成立させたい自民党は、2008年1月11日に、何と57年ぶりの「衆院再議決」で可決した。

「衆院再議決」は、憲法第59条第2項で規定されている。

衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

これによって、海上自衛隊の給油活動は再開された。

新テロ特措法は、2008年12月の同法改正で、1年延長され、2010年1月まで1年間延長された。

岡田外相が記事の中で、
今の法律の期限が切れる来年1月

と述べているのは、以上の経緯による。


◆民主党は、衆院選前から、新テロ特措法延長反対を公約に掲げていたのであるから、当然の決定である。

岡田外相は衆議院選挙の約1ヶ月前、7月29日に、「政権を取ったら、給油活動の延長はしない」と述べている。

民主党のサイト内、「政権を取ったら情報を得て判断するが、原則は変わっていない」インド洋での給油活動について幹事長に書いてある。

インド洋上での給油活動を延長しないという鳩山由紀夫代表の発言についての見解を問われた岡田幹事長は、

「基本的な方針は変わっていない。しかし、政権が変わったから直ちに戻せということは、外交の継続性からいって問題がある」と語った。

その上で、政権を取ってから日米間の信頼関係を深めていくこと、また、政権をとれば現在得られていない詳しい情報を得ることもできるとして、

そういう状況の中で判断していくとして、「原則は変わっていない。今のままで1月以降も単純に延長することはありえない。

鳩山代表の発言もまったく一貫している」と答えた。

と公式に発言している。その後、衆議院選挙を経て、民主党が政権を取ったのであるから、公約を守ることは当然で、

従って、冒頭の記事にある岡田外務大臣の発言は意外でも何でもない。

また、議会制民主主義の原理からして、給油活動の延長に反対している民主党を衆議院選挙で勝たせた有権者は、

この趣旨に賛成している、と見なされる。

結果的には、私は、繰り返し「給油活動は停止すべきである」と書いてきたことが現実化するので、それ自体は

結構なことである。

但し、民主党が給油活動延長に反対していた理由は、必ずしも「集団的自衛権の行使だから」

ということでは無さそうなので、一体民主党は憲法解釈をどうするつもりなのか、

(憲法改正を目論んでいるのか、集団的自衛権に関する政府の公式見解を変更するつもりなのか、など)を、

主権者たる国民が、注意深く監視する義務がある。

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2009.09.17

<鳩山首相>新内閣発足 初会見で「脱官僚政治」へ決意表明←役人を完全に敵に回しても駄目なんで、そこを上手くやれるかどうか。

◆<鳩山首相>新内閣発足 初会見で「脱官僚政治」へ決意表明(9月16日21時29分配信 毎日新聞)

民主党の鳩山由紀夫代表(62)は16日午後、国会で第93代首相に指名された。直ちに組閣をし、

16日夜、皇居での首相任命式、閣僚の認証式を経て、新内閣を発足させた。藤井裕久財務相(77)や

仙谷由人行政刷新担当相(63)ら政策に明るい中堅・ベテランぞろいの実務重視型布陣となった。

鳩山首相は指名後初の記者会見に臨み、「脱官僚政治を作り出し、今こそ実践しなければならない」と決意を表明した。

鳩山首相は一方で、「政治家が主導権を握りながら官僚の皆さんの優秀な頭脳を使わせていただく」とも述べ、

官僚への配慮も見せた。また、「試行錯誤の中で失敗もあろうがご寛容願いたい」と国民の理解を求めた。


◆コメント:脱官僚政治を可能たらしめるには、閣僚がものすごく勉強していないとダメなんですよ。

鳩山さん、及び民主党にとって「脱・官僚」がすっかりキャッチフレーズになっている。

確かに、あまりにもこの国は役人、しかも国家公務員一種試験を通った、所謂「キャリア組」の為、正確に言えば、

彼らが何度も関連団体に天下りをして、その度に何億という退職金を受け取る。その一部の利益の為に、国民生活が

犠牲になっているところがあった。それは間違いなく、とんでもない話なので、これを正すのはいいのだが、

あまり、「脱官僚」で張り切り過ぎても上手くいかないだろう。役人には対抗手段がある。都合の悪い情報を大臣に教えない、

という方法が最も簡単である。情報を提示させることができなければ、必要な資料も見られず、政治家は空回りしてしまい、

「脱官僚」も尻すぼみになることが、目に見えている。月並みだが「アメとムチ」を使い分けないと、成功しないだろうが、

これは、多分ものすごく難しいことだろう。


最後は内閣総理大臣でありながら逮捕され、金権政治で失墜したが、昔の田中角栄という政治家は、小学校しか出ていないのに、

昭和32年、第一次岸内閣の改造で郵政大臣になった。そのとき、わずか39歳だった。戦後では最年少の大臣だった。

学歴はない。年齢は低い。

常識的に想像すれば最もキャリア役人にナメられそうな立場であるが、田中角栄は、郵政大臣として大成功を収めた。

既に故人だが、早坂茂三という角栄の秘書を23年務めた人物が書いた「オヤジとわたし」と言う本を読むと、

誰にでも真似が出来るわけではないが、役人をコントロールする「メソッド」が分かる。


まず、角栄は学歴はないが、元来頭が良く、抜群に記憶力に秀でていて、しかも猛烈に勉強したようだ。

役人に「こんなことも知らないのか」と思われたらお仕舞いだが、角栄は仕事に必要な関連の法律、統計などを

猛烈に勉強していた。役人から説明を受けると、鋭い質問を連発して、東大法学部出身のエリートが舌を巻いた。


次に、これは現在全ての役所で可能とは限らないが、最初に、役人をアッと驚かせるようなことを実行した。

田中角栄は郵政大臣になってすぐに、民放36局の大量一括免許を断行した。それまでの大臣が面倒がって先送りにしていて、

たまっていた案件を一挙に片付けた。これで、役人の度肝を抜いた。


そして、これは、少しも変わったことではないのだが、角栄は「方針」がしっかりと定まっていた。

当時、日本経済新聞のインタビューに答えてこう話している。

役人は生きたコンピューターだ。政治家は方針を示すものだ。方針の決まらん政治家は役人以下だ。役人と一度仕事をすれば人間関係は切れない。

最初はケンカするんだ。すると「何であんたの言うことを聞かなければならないのだ?」とくる。そうしたら、「政党政治なんだよ。君が局長になれば、

俺を利用するようになる。」と言い返してやる。すると後で分かるんだね。「やはり子供だった」と役人は自分で言うもの。それだから、役人はまた、

俺のところに来る。

この境地に達するのは、誰にでも出来ることではない。角栄はカネで人の心も買えると勘違いした政治家だったが、

人心も十分に理解していて、役人を立てるべきときには立てた。やはり或る意味では、ひとかどの人物だったのだ。

また、郵政大臣になるまでの10年間に、角栄は夥しい議員立法法案を提出し、その多くが可決されている。

議員立法の過程で、どうしても役人と話し合わなければならず、その時にウルサ型の旧大蔵省や旧建設省などの

役人との駆け引き、押すべき所、引くべきところ。要するに「ツボ」を心得ていたのだ。


◆今の民主党には、これほどの大物はいないでしょう。

記事によれば、民主党の鳩山代表は、組閣に当たって、政策に明るい中堅・ベテラン議員をそろえたというが、

なかなか、田中角栄ほどの「大物」は出ないものだ。

「脱・官僚」を完全に勘違いするような人物は入閣していないと信じたいが、要するに、

この国は、長い間、少数のキャリア官僚の私欲(天下りなど)を充足させるのが目的で運営されていた、

といっても過言ではなく、謂わば「官主主義」国家だった。どう考えても要らない役人が多すぎるし、

そいつらの給料に充てるために国民の血税が使われ、税金を納めている主権者たる国民は不景気による所得減で悲鳴を上げている。

これを正す、という大方針は間違っていないが、早く成果を挙げようとムキになり、官僚が全く政治家に心を開かなくなったら、

上手く目的を達することが出来ない。

その辺、わかっているだろうが、せいぜい角栄を手本にして、頑張って貰いたい。

新しい内閣が誕生することは8月30日(選挙の日)に分かっていて、今日はその自動的な結果だから、

特別な感慨も何もない。これからの民主党の政策をよく観察することだ。

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2009.09.09

「<新型インフル>ワクチン接種は2回…自己負担最大8千円」←有識者会議は無料化を要求していた。

記事1:<新型インフル>ワクチン接種は2回…自己負担最大8千円(9月8日21時1分配信 毎日新聞)

厚生労働省は8日、10月下旬から始まる新型インフルエンザワクチン接種の具体的な方法を公表した。

1人2回、医療機関に予約して接種することを原則とし、必要な自己負担は計6000~8000円程度とみられる。

「医療従事者」「妊婦」「基礎疾患のある人」など優先順位の高いグループから順に、ワクチンが確保でき次第、接種を始めるとした。

今回の接種は、予防接種法に基づかない任意接種の扱いで、国は接種の勧奨はしない。

生活保護世帯などの低所得者の負担軽減策として自治体が助成するよう、国が補助金を出す。

国産と輸入ワクチンで費用に格差が生じないよう、出荷時に国が価格調整をするという。

接種は

(1)実施を希望する医療機関

(2)市町村が選定した医療機関--が実施、

厚労省と委託契約を結ぶ。都道府県は10月中旬までに医療機関をリスト化しワクチン配分量を決める。

医療機関での接種が原則だが、社会福祉施設などの要望を受け、医師が出向いての集団接種も認める。

医療機関で接種を受ける人には、対象者であることを証明する母子健康手帳や保険証などの提示を求める。

基礎疾患がある人は、かかりつけの医療機関での接種が望ましいが、

別の医療機関で受ける場合は、主治医に「優先接種対象者証明書」を発行してもらう。

新型インフルエンザは国民の大半に基礎免疫がないため2回の接種が必要で、3~4週間の間隔を空けると効果が高いとされる。

各グループの接種期間は1カ月半程度などを目安とするが、期間が過ぎても接種できる。

副作用被害は医療機関から国に直接報告させ、速やかに公表するとした。


◆記事2:<新型インフル>ワクチン6000万人分確保 来春までに(9月4日11時25分配信 毎日新聞)

舛添要一厚生労働相は4日の閣議後会見で、新型インフルエンザワクチンについて、

海外メーカー側と交渉がまとまれば、来春までに約6000万人分を確保できるとの見通しを示した。

メーカー側は副作用被害が出た場合の免責を販売の条件に挙げており、対応を調整中という。

厚労省が想定しているワクチンの接種対象は、医療従事者、妊婦、乳幼児など計5400万人。

国内で生産できるのは、年内に最大1700万人分、来年2月末までに最大3000万人分とされており、

輸入が実現すれば必要量はまかなえる。ただし「一気にではなく、断続的に入ってくる」(舛添氏)ため、流行時期に間に合わない可能性もある。

また接種の費用については、完全無料化は現行法では難しいとしたうえで「所得に応じて負担軽減策を取ることはできる」と述べた。


記事3:新型インフルエンザ:有識者ら、ワクチン無料化要求 「輸入品は治験を」(毎日新聞 2009年8月27日 東京朝刊)

舛添要一厚生労働相は26日、新型インフルエンザワクチンの扱いを巡って有識者との意見交換会を開き、

臨床医や患者代表から、接種無料化や輸入する場合の国内臨床試験(治験)実施を求める声が相次いだ。

舛添氏は「ワクチンにかかわる新しい体制作りをしないといけない」と述べ、

副作用被害に対する患者救済や医師の免責などを盛り込んだ法整備を急ぐ必要があるとの認識を示した。

厚労省はワクチンの接種対象として

▽妊婦

▽乳幼児

▽基礎疾患(ぜんそく、糖尿病など)のある人

▽医療従事者

▽小中高生

▽高齢者--の約5300万人を想定。

年内で最大1700万人分とされる国内生産分では足りないため、海外からの輸入を検討している。

これに対し、日本小児科学会の横田俊平会長は、ワクチン接種が必要な子供は

▽1~6歳児350万人

▽基礎疾患のある子供100万人

▽0歳児の母200万人--

の計650万人との試算を示したうえで、「0歳児にワクチンの効果は期待できず、保護者への接種が重要だ」と指摘。

NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」の小林信秋専務理事は、「幼稚園も含めた学校関係者にも接種してほしい」と訴えた。

また、岩田健太郎・神戸大教授(感染症内科)は、高齢者へワクチンが行き渡らない事態に備え、

重症化防止に肺炎球菌ワクチンを接種する対策を求めた。国民が接種の有効性と安全性を判断するために、情報公開の徹底を求める声も相次いだ。

舛添氏は、輸入ワクチンの治験や副作用被害補償などに前向きな姿勢を示し、国と学会などとの協議機関を作る考えも明らかにした。


◆コメント:ワクチン接種の優先順位とかいいながら、季節性インフルエンザワクチンの倍もカネがかかるの?

以前から政府は、新型インフルのワクチン確保に全力を挙げる、といっていたから、

それはつまり、接種する優先順位の高い人から、完全無料とは言わないまでも、パンデミックを防ぐのが目的なのだから、

普通のインフルエンザ(季節性インフルエンザ)のワクチンよりも安いのだろう、と私は勝手に思っていた。

季節性インフルの場合、ネットでいくつか調べてみたが、

大人(13歳以上):1回接種、3,000円前後

子供(12歳以下):2回接種、1回 1,000円~2,000円

高齢者(65歳以上):1回接種、2,200円前後

ということである。

新型インフルエンザは今のところ弱毒性だということだが、明らかに季節性よりも感染力が強く、

毎日新しい感染者のニュースが流れている。無くなった方(以前から持病が有った方が多いが)もいる。

厚労省の新型インフルエンザ最新情報の一番新しい(9月8日現在)項目は、

2009年9月6日 「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」に関する意見募集についてであり、

更に、その中の、新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)を読むと、

最初に次の記述がある。
新型インフルエンザ対策における予防接種の位置づけ

新型インフルエンザワクチン接種の目的

新型インフルエンザ(A/H1N1)については、国民の大多数に免疫がないことから、今後秋冬に向けて、

季節性のインフルエンザを大きく上回る感染者が発生し、医療をはじめ、我が国の社会経済に深刻な影響を与えるおそれがある。

繰り返して説明するまでもないが、誰も免疫が無いのだから、誰が新型インフルエンザに罹ってもおかしくない。

だから、本来は、全国民が予防接種を受けるべきだが、国内のワクチン製造能力を考慮すると、国民全員に行き渡るには時間がかかりすぎる。

そこで、優先順位をつけて、妊婦、乳幼児、喘息・糖尿病など基礎疾患のある人、医療従事者の順になっているが、

厚労省は、新型インフルエンザは「国民の大多数に免疫がな」くて、

「我が国の社会経済に深刻な影響を与えるおそれがある」といいながら、
今回の接種は、予防接種法に基づかない任意接種の扱いで、国は接種の勧奨はしない。

だから、心配な人は、自費でワクチン接種を受けて下さい、といっているのである。矛盾している。

しかもそのワクチンは季節性インフルエンザ用ワクチンの倍の費用だ。


アホか。国民の生命を守るのが国の役目でしょ?

事態は深刻なのだから、国が予防接種費用の全部又は一部を負担するから、必ず、予防接種を受けろ、というべきだろう。



アメリカは、感染者も死者も多いという理由もあるだろうが、ニューヨーク市は全ての児童に無料でワクチンを打つそうだ。
◆全児童に無料ワクチン=冬季の新型インフル対策-NY市(9月2日6時43分配信 時事通信)

米ニューヨーク市は1日、冬季の新型インフルエンザ流行に備えた包括対策を発表、

公立、私立を問わず市内の全小学校の児童を対象に10月中旬以降、無料でワクチンを接種する方針を明らかにした。

接種は、最も懸念される学校発の流行を予防するのが狙いで、保護者の同意に基づき実施する。

ただ、原則として感染者が確認されても休校にはしない。

これが本来、行政が取るべき対応ではなかろうか。

記事3に書いてあるが、「有識者会議」が接種は無料にすべきだ、

と主張しているが、厚労省は最初から「有識者会議」の意見を参考にするつもりなどなく、

一応「有識者の意見を聞きました」というパフォーマンスを実施しただけだ。


◆民主党政権はどう出るか。

16日に召集される特別国会で、鳩山民主党代表が、内閣総理大臣に選ばれることは、間違いない。

民主党のマニフェストにおける「新型インフルエンザ対策」は次の通り。

新型インフルエンザ対策

日中韓を中心に、東アジア全体で新型インフルエンザに対応できる体制をつくります。

発熱相談センターを強化し、感染症対応の隔離個室確保・整備を進めます。

新型インフルエンザ行動計画ガイドラインを全面的に見直し、検疫法のあり方を検討します。

抗ウイルス薬の十分な備蓄、ワクチン開発製造・備蓄・流通体制の拡充及び海外との連携を図り、

強毒性新型インフルエンザのプレパンデミックワクチンを受けられる体制を整備するとともに、

輸血を介した感染防止のための新技術を導入します。従来の病院機能が低下しないよう、

病院や医療従事者に対する支援等を充実させるとともに、

高病原性鳥インフルエンザが発生した養鶏場に対する経営支援策も強化します。

具体的に書いているようで、接種費用の負担については何ら言及していない。

また、重箱の隅をつつくようだが、ここでは
強毒性新型インフルエンザのプレパンデミックワクチンを受けられる体制を整備する」

と書いている。新型インフルエンザはH1N1の「弱毒性」である。

ものすごく意地の悪い解釈をすれば、民主党は、
マニフェストに書いたのは、強毒性のインフルエンザに関しての公約であり、

現在、蔓延している弱毒性新型インフルエンザに関しては、何も約束していない。

と、言っても、ウソをついたことにはならない。

新政権発足直後から、インフル対策で、民主党が何をするか注視するべきだ。

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