カテゴリー「トランペット」の記事

2015.06.08

【音楽】エンパイアブラスのトランペット奏者、ロルフ・スメドヴィック氏、4月に急逝なさいました。

◆過去、何度もかきました。アンドレの次に上手い、と思います。

前回取り上げたのがおととしの2月でした。

【音楽】アメリカのトランペット奏者、ロルフ・スメドヴィック氏。世界一といって良いほど上手いです。

ところが、今年の4月に急逝されたとのことでしばらく呆然としていました。
Dazzling Trumpeter Rolf Smedvig Dies Suddenly

私は、スメドヴィック氏の演奏をエンパイア・ブラスの一員として、ですが、過去に何度も聴いています。

大変に輝かしくしかも、品のある、個性的な音色。完璧なテクニック、発音、音程。全音域でムラのない。粒の揃った音の玉。

ものすごく楽器が良く鳴っていて曖昧な音が一つもない。不必要に大袈裟に大きな音は出さない。


この人は、トランペットの神様、モーリスアンドレの弟子ですが、アンドレの再来とか言われる若いトランペット奏者が最近、

結構いるのですが、皆、何を聴いているのかな? その前にまず、スメドヴィック氏がいるではないか、といつも思っておりました。

基本的なトランペットレパートリーを聴いて頂きます。


◆ハイドン、フンメル、タルティーニ、バッハ。

ハイドンのトランペット協奏曲第一楽章にはカデンツァがあります。

アンドレとスメドヴィック両方を知っている方は、明かにスメドヴィックのカデンツァがアンドレの発展形であることが

分かると思います。


◆ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第一楽章






◆フンメル:トランペット協奏曲 変ホ長調 第三楽章

非常に細かい音の動きがありますし、最後の最後まで、難しい曲です。スメドヴィックには、安定感があります。






◆タルティーニ:トランペット協奏曲 第三楽章


非常に正確で明瞭なタンギングを要求されます。アンドレ以外でこれを吹いている人、しかも、モーリスアンドレと

全く同じカデンツァを吹いているのは、私が知る限り、スメドヴィックだけです。簡単そうですが、ほぼ、超絶技巧です。





◆バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番第一楽章


これは、トランペット奏者のレパートリーでも難しい何本指かに入ることは間違い無いと思います。

大変な高音での正確な、トーンのコントロールを要求されます。





高音でも音が刺激的にならず、輝かしさと柔らかさを保っている。非常に芸術的です。


第三楽章はもっと装飾音が入って大変です。


◆ブランデンブルク協奏曲第2番第三楽章





ロルフ・スメドヴィック氏は文句が付けようがないほど上手い。世界のどこのオーケストラにソリストとして呼ばれてもおかしくなかった。

もっともっと評価されるべきトランペット奏者でした。60代前半で亡くなるとは、誠に残念です。

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2014.02.25

【音楽】25日は不世出の名手、モーリス・アンドレの命日でした。

◆謂わば「トランペットのハイフェッツ」です。

最近は、ピアノやヴァイオリンだけでなく、世界をみても、国内をみても、

色々な楽器の演奏技術の水準が高くなっています。

要するに「上手い」ってことです。

ラッパ(金管楽器)の世界も同様です。

しかし、全体の水準が平均的に上がっていても、次元の違う「天才」は、

「天才」ってぐらいですから、滅多に現れません。


ホルンのデニス・ブレインなど、その良い例ですが、トランペットに関しては、

モーリス・アンドレが、ヴァイオリンで「100年に1人の天才」とか「神様」と言われた、

ヤシャ・ハイフェッツに相当する、紛れもない天才です(本人は「天才と言われるのを嫌がっていたそうですが。

「これは練習の成果なのだ」と。そうかもしれませんが、いくら練習しても、「天賦の才」がないと、

モーリス・アンドレほど上手くなることは、絶対にありません。)

アンドレの後継者と言われる上手い人は何人も出ています。

上手いことは上手いけど、本当にアンドレに匹敵する人はいません。

ジャズ・トランペット奏者で、クラシックも吹く、ウィントン・マルサリスは

技術的には、天才的ではありますが、あの人がクラシックを吹いている時というのは、

多分、あまり「楽しい」と思っていないのではないか、と思います。

吹いている楽曲を通して、何を表現したいのか? がよく分かりません。


また、最近の吹奏楽少年・少女。音大生。アマチュア・トランペット奏者は

「モーリス・アンドレ」というと、余りにも当たり前(ある年代以上しかご理解いただけないかと

思いますが「巨人、大鵬、卵焼き」みたいなもの、ということです)なのでしょうか。

一番上手いトランペット奏者は誰か、と訊くと、元・ウィーン・フィル首席のハンス・ガンシュ、

シカゴ交響楽団の首席トランペットを半世紀も務めた、アドルフ・ハーセスなどを挙げます。


アホか?と思います。

彼らは、「オーケストラにおけるトランペット奏者」としては確かに一流ですが、所詮

「ソリスト」ではない。ガンシュもハーセスもハイドンのトランペット協奏曲を録音してますが、

モーリス・アンドレと聴き比べれば、ソロが始まって30秒でどっちが上手いか分かりそうなもんです。

モーリス・アンドレは初めて「トランペットのソリスト」として売れて、食えた人です。

そこに歴史的な意義があります。それだけ文句が付けようの無いほど上手かったということです。

もしも、アンドレがいなかったら、多分、今でも、「トランペット協奏曲」なんて、誰も知らないと思います。


◆雅子皇太子妃殿下が(多分)お好きな、トランペット版、バッハ「管弦楽組曲第2番」より。

どうして、ここで雅子さまのお名前を出すのか。

長くなるのでそれに関しては、7年3ヶ月前に書いた、

2006.11.26 雅子妃殿下とトランペット

雅子さまの音楽のお好みなど、マスコミも大衆もそもそも分からないから取り上げられませんが、

この記事で書いた通り、私は「アッ」と思ったのを良く覚えてます。プロ・アマのトランペット吹き。

音大の学生以外で、このトランペット版「管弦楽組曲2番」に興味をお持ちになる、とう方は大変珍しいのです。

かなり、雅子さまは、音楽がお好きなのではないか、と推察できます。そうじゃないとダビングしてまで車の中で

こんなの聴きません。


その記事に載せたのと同じ、ブーレから最後のバディネリまでをお聴き頂きます。

一時期廃盤でしたが、アンドレが亡くなって復刻されました。CD-BOXの割には安いと思います。

Maurice Andre Edition: Vol. 1-Concertos

に収録されています。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 ブーレ I - II





難しくないですが、何とも言えない切なさが私は好きです。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 ポロネーズ





途中、チェロが主旋律、トランペットがオブリガートの所、普通の人なら非常に「キツい」と思います。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 メヌエット





楽譜を見ると前打音なのを2拍伸ばしてまして、どうやらこれが主流になるのですが、アンドレが録音した当時は

一般的では無かったと思います。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 バディネリ





これは、フルートでもトランペットでも流れるように吹くのは、とってもたいへんで、

冒頭が「とってもとってもたいへんだ」に聞こえます。

難しい曲なのに、あたかも我々でも直ぐに吹けるようになりそうな錯覚に陥ってしまう。

これこそ、本当の名人の演奏です。


モーリス・アンドレの名前は音楽史上、永遠に残ることでしょう。

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2013.11.30

【音楽】久しぶりにトランペット。ガボール・タルコヴィ氏(ベルリン・フィル首席)。/SKE48古畑奈和さんのサックスに驚嘆の件。

◆最近、気が滅入るような話題ばかりですから、好きなトランペットのことを書かせて下さい。

この頃、日本とか世界のニュースを読んでいるとあまりにゆううつでして、

正直いって、何ヶ月か音楽聴かなかったです。

今年の来日オーケストラは、すごかったですね。ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、コンサルトヘボウが、

まあ、よくも同じ時期に来てくれました。申し訳ないけど、それすら全然興味がなくなるほどでしたが

今年唯一、感銘を受けた音楽的事象は、2005年からベルリン・フィル首席トランペット奏者を務めている、

ハンガリー生まれのガボール・タルコヴィ氏をNHKBS、早朝6時からの「クラシック倶楽部」で発見したことです。

良さそうなのは録画しておくのですが、冒頭に書いたとおり、ゆううつなことが多いので、

直ぐに録画しておいた音楽番組を見る気がしないのですかが、この人は幸い、聴きました。


放送されたのは、ずっと前、2010年来日時のリサイタルなのですが、今でも、ベルリン・フィルのサイトをみると

メンバー表に名前がありますから、今も同じように上手いことでしょう。

人間、本当にドスーンと落ちこんだときには、何をしても無駄ですが、

少しエネルギーが溜まると「聴くエネルギー」が出ます。


タルコヴィ氏、上手いですねー。ベルリン・フィル首席なら当たり前と

仰有る方がいらっしゃることでしょう。本当に分かって仰有っているのならば、その通り。

普通は、オーケストラで上手くても、ソロで十分通用するほど上手いかというと、

それは、勿論、オーディションではソロ曲も吹きますが、

オーケストラの正規メンバーになると、まずそれが仕事ですから、なかなかソロ曲を練習して

ソリストとして直ぐ通用するレベルを維持するのが難しいのですが、

岩城宏之さんが生前、書いていましたが、ベルリン・フィルは別格で皆が直ぐソリストになれるぐらい、

上手い。正にそういうレベルです。


◆「イタリアのトランペット協奏曲」 (ガボール・タルコヴィ)をお薦めします。

NHKBSプレミアムでの演奏を聴いて、感心してAmazonで見つけました。

「イタリアのトランペット協奏曲」から。


アルビノーニのオーボエ協奏曲はどれもとても美しく、トランペットでも

この曲だけではありませんが、良く演奏されます。


◆アルビノーニ:トランペット(オーボエ)協奏曲 変ロ長調 Op. 7 No. 3 第1楽章 アレグロ






高音域でも音質が変化せず良く鳴り、良く伸びます。音程と発音が非常に正確です。

イタリアの陽光を彷彿させるような、明るい演奏です。


◆マルチェルロ:トランペット(オーボエ)協奏曲 ニ短調 第2楽章 アダージョ





あまりにも有名な、マルチェルロのオーボエ協奏曲第2楽章。「ヴェニスの愛」です。

オーボエならぜったいヴィヴラートをかけるでしょが、タルコヴィ氏は敢えて真っ直ぐな音で吹いています。

歌い方が大変見事で、奏者のデリケートな音楽性が直ぐに分かります。


次は大変珍しい。18世紀イタリアのガルッピという作曲家で、

チェンバロソナタをかつて取りあげた事があります。昔ピアニストのミケランジェリが

好んで弾いていました。オペラも100曲以上書いているそうです。この当時他の作曲家も書いてますが、

トランペットとソプラノ。ソプラノはモイチャ・エルトマン - Mojca Erdmannという人で、大変優れたソプラノです。

エルトマン単独の録音を私はまだ持っていませんが、モーストリー・モーツァルトという、モーツァルトのアリア集をグラモフォンに録れています。

グラモフォンがアルバムを録音しているというだけで、上手いことがわかります。


◆ガルッピ 評判のトランペット(Alla tromba della Fama)






エルトマンさんは、声が美しくテクニックが優れているのみならず、声量が豊かです。

タルコヴィ氏とのバランスが絶妙な名演奏だと思います。


最後はタルティーニです。


◆タルティーニ :トランペット協奏曲 ニ長調 第3楽章 アレグロ・グラツィオーソ






これは、今まで、モーリスアンドレが初めて吹いて、その後は、弟子のロルフ・スメドヴィックしか吹いているのを知りません。

大変難しい、アンドレと同じカデンツァまで、非常な高音を含むあらゆる音域での高度なテクニックを

タルコヴィ氏が持っていることがよく分かります。


全体として選曲も演奏も素晴らしい。是非、お薦めします。


◆この稿とは全然関係ないのですが、SKE48古畑奈和(なお)さんのサックス演奏が見事だった件。

毎週土曜日、夜11時半から30分。NHKBSプレミアムで「AKB48ショー」を放送していますが、

11月30日(土)の放送の最後に姉妹グループ、名古屋拠点のSKE48古畑奈和さんが、

同じSKE48の東李苑(あずま りおん)さんのピアノ伴奏でアルトサックスを演奏しました。

曲は、SKE48松井玲奈さんのソロ曲「枯葉のステーション」という歌ですが、これが並の上手さではない。

古畑さんのサックスは、「アイドルにしては」上手いを通り越していて、完全にコントロールされた音とヴィヴラートと

正確な音程と美しい音色で、ひっくり返るほど驚きました。

これほどのレベルならば、音大のサックス科を目指しても良いのではないか、と大きなお世話ですが、思いました。

「展覧会の家」(ラヴェル編曲)にアルト・サックスに旋律を吹かせる「古城」という曲がありますが、

古畑奈和さんなら、ちょっとさらえば、あるいはすぐにでも、シンフォニー・オーケストラで吹いて全く遜色ない。

それほどのレベルです。

芸能界の人々は、このレベルがよく分からないでしょうし、クラシックファンで「AKB48ショー」を見る人は,

これもまた、いないか、非常に少ないでしょうから、私が敢えて「記録」と「証言」として書かせて頂きます。

NHKオンデマンドで見て聞けます(放送後2週間までだと思います)。

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2013.08.26

【音楽】新しい才能の発見。ベルリン・フィル、首席トランペット奏者、ガボール・タルコヴィ氏による「ハイドン:トランペット協奏曲」。

◆新しいと言っても、2005年からベルリンフィルのメンバーなんですが。

私が知ったのが、比較的最近である、ということです。

NHKBSプレミアムが、平日毎朝6時から放送する「クラシック倶楽部」という番組があり、

約2ヶ月前に、「ガボール・タルコヴィ、トランペット・リサイタル」という文字を見つけて、実はその時点では、

ベルリン・フィルの首席だとは知らなかったのです。

こんなことを書いてはのっけから白けてしまいますが、サイモン・ラトル氏が音楽監督になってからのベルリン・フィルは

カラヤンが振り、各セクションに伝説的名人がいて、かつ第一コンサートマスターが安永さんだった頃のベルリン・フィルに比べると

随分、「普通に近い」オーケストラになってしまった印象でして、あまり昔ほどの興味がなくなりまして、

若い頃の私だったらあり得ないのですが、各楽器の首席奏者すら、良く知らなかったのです。


しかし、こと、トランペットに関しては、タルコヴィ氏がやたらと上手いので、検索したら、ベルリン・フィルの首席だったのです。


それで、逆に、ベルリン・フィルを見直しました。

他のオーケストラの首席トランペット奏者で、ハイドンの協奏曲を録音している人は何人もいますが、やはり

アンドレは別格としても、モーリス・アンドレのようなソリストに比べると、はっきり言ってそれほど、ソロは上手くありません。

オーケストラのトランペット奏者といえども、勿論、オーディションでは、ハイドンの協奏曲をみな吹くのですけど、

アンサンブルの中のトランペットパートを吹くのと、ソリストでは、自ずと違いが出るのです。


しかし。

かつて、岩城宏之さんが、「ベルリン・フィルなら、多分、全員がソリストとして通用するだろう」と書いておられましたが、

まさしくそのとおりで、オーケストラで吹きながら、ソロでもこれほど上手い人が揃っているベルリンフィルは、やはりすごいです。


ベルリン・フィル公式サイトで、ガボール・タルコヴィ氏のプロフィールを読むと、

2005年8月1日からベルリン・フィルのメンバーである旨、記録されております。

最初から首席で採用されたのかどうかは分かりませんが、ベルリン・フィルのVacant positions(空席。つまり募集中、ということ)

を見ると、第一コンサートマスター(誰か、辞める予定ということでしょうね。以下同様)、第一首席チェロ、首席フルート、首席ホルン、高音ホルン(上吹きといいます)

2番トランペット・・・という募集の仕方をしているので、多分、タルコヴィ氏の時には、Principal Trumpet(首席トランペット)で

募集・オーディションがあり、それに合格したのでしょう。

とにかく、非常に安定しているトランペット。絶対間違えそうにないトランペット。いそうでいません。

引用元は、「古典派トランペット協奏曲集」 (輸入盤)です。

Amazonに注文してから、2回ほど予定より入手が遅れそうだ、という連絡があり、「結局廃盤でした」とならないか、ヒヤヒヤしてましたが、今日届きました。

トランペット協奏曲の定番、ハイドンと、フンメル(珍しく原曲通りホ長調。普通、変ホ長調で演奏。)の他、ネルーダ、L.モーツァルトなどが収録されてますが、

まずは、王道、ハイドンをお聴き頂きます。テクニックを誇示しているわけではありませんが、非常に

堅牢なテクニックという土台があって可能な演奏だと思います。


◆J.ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.7e-1 第一楽章 アレグロ





カデンツァはオリジナルです。これは完全に初めて聴きます。


◆ハイドン:トランペット協奏曲 第二楽章 アンダンテ





当たり前、と言ってしまうと実も蓋も無いのですが、明瞭な発音(音の立ち上がり)と伸びやかなロングトーン(延ばす音)、

正確な音程、美しい音色、ゆったりとした歌心。中学生でも吹ける楽章ですが、だからこそ、上手さが光ります。


◆ハイドン:トランペット協奏曲 第三楽章 アレグロ





細かい音の動きで、いささかの不安も感じさせない、テクニックの余裕と第二楽章とは違う、「これぞ、トランペット」という

輝かしい音色が、魅力です。


全体として、なにも「変わったこと」はしていませんが、それでいて、確実に印象に残る。ものすごく技術的に安定しているのと

やはり、音楽性。第二楽章で使った言葉と重複しますが「歌心」が満ちあふれた素晴らしいトランペット奏者だと思います。

もう一枚、タルコヴィ氏の「イタリアのトランペット協奏曲」も買いました。


これはまた、おいおい、ご紹介します。今日のハイドンを含む、「古典派トランペット協奏曲集」 (輸入盤)はお薦めです。

こういう、ラッパのCDなどというのは、アッというまに廃盤になっていることが多いので、気になったら買うことにしています。

それでは、失礼します。

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2013.08.23

【音楽】お薦め番組。BS日テレ「読響シンフォニックライブ、トランペット特集」8月24日(土)7:00~8:00

◆読売日本交響楽団トランペット奏者4人とそれぞれの師匠との共演です。

かなりマニアックな話題、かつ、ショート・ノーティスで恐縮です。Twitterでは何度もTweetしているのですが、

多くの方のお知らせするには、ブログの方が良いと思いまして。

番組の紹介は、

読響シンフォニックライブ オケの花形!トランペット特集!!夢の師弟共演

これは、先週、日テレ地上波で放送された番組の「再放送」なのですが、地上波では当然視聴不可能な地域でも、

もしかしたら、これはご覧になれるかと思いまして。


読売日本交響楽団には、4人のトランペット奏者がいて、それぞれの師匠が異なります。

現役の「弟子」とその「師匠」で私の世代のトランペット好きには、とても懐かしい先生がたとの共演を観て、聴けます。

具体的には、失礼ながら、「弟子→師匠」の順で書かせて頂きますが、
田島勤(読響首席トランペット奏者)→戸部豊

長谷川潤(読響首席トランペット奏者)→田宮堅二

田中敏雄(読響トランペット奏者)→津堅直弘

山本英司(読響トランペット奏者)→北村源三

で、司会はAKB48で東京音楽大学ピアノ科学生、松井咲子さんです。

最初のトランペットに関する実演を交えた説明があります。


その後で首席2人(←珍しいことでは、ありません)、田島さんと長谷川さんが、

ヴィヴァルディ:「2本のトランペットのための協奏曲」

を演奏します。これは録音は色々ありますが、録画とはいえ、演奏している映像を見ることは

滅多にありません。見事な演奏です。


次に、師匠を交えて、ヴァルディ:「アイーダ」、彼の有名な「凱旋行進曲」を含む部分を演奏し、

ここで、このオペラ専用の、長い(管長は普通とほぼ同じなのですが、管を巻いている部分が短いのです)アイーダ・トランペットで師弟共演。

最後はアンコールで4組の師弟の共演で、アンダーソンの「トランペット吹きの休日」で盛りあがります。

あまり、私が詳しく書いても(私は先週、地上波で既に見たのです)仕方がない。

また、観たくても観られない方がおられると思います。

大変申し訳ないのですが、ラッパ好きの方々には、何とも堪えられない企画だと思います。

放送まで、現在執筆時点では9時間ちょっとですが、少しでも多くの方にご覧頂きたいと思い、

ブログ記事にして、お知らせした次第です。

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2013.08.10

【音楽】「軽騎兵」序曲の名演は、少ないのです。

◆通俗名曲→簡単→誰でも名演、では決して、ないのです。

以前から何度も書いておりますが、今は私はトランペットを吹きませんが、

昔、個人レッスンで習い始め、しばらく吹きました。


そのきっかけになったのは、小学校の音楽教室で初めて生オーケストラの演奏で「軽騎兵序曲」を聴いて、

トランペットの音の輝きに、感動し、ときめいたからです。


ですから、この曲でトランペットが有名な旋律を最初に吹くところには、こだわりがあります。

これ↓が、その箇所のトランペットパートだけを書き出したものです。

Suppelightcavalryoverturetrpexerpt

色々聴いた結果、今のところ、最も良い録音はメータ=ウィーン・フィルのスッパ序曲集なのです。

私が、「軽騎兵」序曲の演奏で、重視するのは、あのトランペットの旋律です。

メータ=ウィーン・フィルの抜萃で。





この部分で多くの指揮者の解釈に、私は異を唱えたい。

多分、どの指揮者もこのトランペットの旋律は、この直後にTutti(テュッティ=総奏=オーケストラ全体の演奏)で繰り返すから、

最初に旋律を提示するトランペットの音量は抑えめにした方が、Tuttiが景気がよく響くと思うのでしょう。


◆トランペットを抑え過ぎ、「キレ」が悪い演奏が多いのです。

確かにここはトランペットは、p(ピアノ=弱く)と書かれてますが、それでトランペットの輝きが減じてはいけない。

しかし、そうなってしまっている演奏が多いのです。


カラヤンの場合。これは録音後、技術的に操作しているのでしょうが、こうなります。





舞台裏で吹いているようで音がモヤモヤしています。

今年のウィーン・フィル、ニューイヤー・コンサート。フランツ・ウェルザー=メストは全体としては良くて、

また、ニューイヤーで「軽騎兵」、というのも、初めてのような気がします(未確認)が、ちょっとこの箇所は・・・。





音量は、まあ、いいのですが、最初のメータと比べると明らかですが、同じウィーン・フィルなのに、

これは、「ワクワク感」がありません。


我が敬愛するサヴァリッシュ先生の場合は、





キレは良いのですが、音量が平坦過ぎる気がします。高揚感の予感がありません。


ユージン・オーマンディ、フィラデルフィアはどうか。





音量も音質も良いのですが、アーティキュレーション(スタッカートとかテヌーなど、音の長さ、切り方)問題。


楽譜に黄色の線で囲みました。八分休符。スッペが、わざわざ書いているのですから、その前の音が伸びてはいけません。

また、16分音符2個に関しては、楽譜には何の指示もありませんが、そのまま、ダラーっと吹くのではなく、

軍隊の信号ラッパ風にやや詰めて吹かないと、だらしなく聞こえてしまいます。


メーター=ウィーン・フィルのディスクから。軽騎兵序曲全曲をお聴き下さい。


◆ 喜歌劇「軽騎兵」序曲





あたり前の結論ですが、今時のクラシックマニアは見向きもしない、「ポピュラー小品」といえども、

上手い人がまともに演奏しなければ、名演にはなりません。

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2013.07.15

【音楽】カールライスターオペラ・ファンタジー、他。管楽器ヴィルティオーゾ集。「上手いっ!」ってことです。

◆元、ベルリン・フィル首席クラリネット奏者。カール・ライスター氏

カラヤン=ベルリン・フィルの黄金期には、プレイヤーも今では信じられないような天才ばかりが

首席を務めていて、オーボエのローター・コッホ、フルートのジェイムズ・ゴールウェイ、ホルンのザイフェルト、

そしてクラリネットのライスター、ファゴットのピースク。というのは、今では夢のような、

日本のプロ野球の「3番・ファースト・王、4番・サード・長嶋」みたいなものなのです。


ライスター氏はベルリン・フィルと共に来日したことは勿論、群馬交響楽団の音楽監督を、頼まれて務めた

元・ベルリン交響楽団、コンサートマスター、豊田耕児氏が招いて、モーツァルトのクラリネット協奏曲のソリストとして

来て繰れてから群響には度々客演していますし、日本のカメラータというレーベルに多数の録音を残しました。

その一つにオペラのアリアを主題とした、クラリネット用変奏曲。しかも、クラリネットの名人芸を披露するような

曲を録音したことがあります。

オペラ・ファンタジー/カール・ライスターです。


その中から冒頭の一曲。


◆ヴェルディ:歌劇「椿姫」の旋律による演奏会用幻想曲(ロヴェッリョ,ジャンピエーリ)






プロ、クラリネット奏者のネット上のお知り合い、Nべさんのお話では、この当時の演奏家は有名なオペラアリアを自分で

編曲・演奏して腕の良さを見せて稼いでいたそうで、特に珍しいことではないそうです。オペラ・ファンタジーで検索すると

確かに他の楽器もあります。

この曲はむずかしいことはむずかしいけれども、とりあえず吹くだけなら、今や日本の高校生が吹いてしまうそうですから、

技術的な向上には、目を瞠るものがあります。ライスター氏はしかし、流石にベルリン・フィル首席ですから音質にムラガなく、

音の安定感が、素晴らしいと思います。


◆トロンボーン:「スコットランドの釣鐘草変奏曲」クリスチャン・リンドベルイ

クリスチャン・リンドベルイ(Christian Lindberg)はスウェーデンのトロンボーン奏者で、

Wikipediaによると、世界でただ1人、フルタイムのソロ・トロンボーン奏者として成功している(食えている)

人物だそうです。そうでしょうね。トロンボーン協奏曲なんて、まず演りませんからこの人は、何でもトロンボーン用に

編曲して、世界中でリサイタルをしてます。最初に日本でも知られた、熊蜂の飛行”~ヴィルトゥオーソ・トロンボーンから。

「スコットランドの釣鐘草」は聴けばどなたも御存知でしょうし、変奏曲としても原始的な形態ですが、

トロンボーンのテクニックを披露する曲としては割と有名です。


◆スコットランドの釣鐘草 変奏曲(アーサー・プライヤー)





これは、映像があると更に面白いのです。

文字通り、目にも止まらぬ速いスライド・アクション、それ自体が芸術的です。


◆トランペット「ヴェニスの謝肉祭」変奏曲 マティアス・ヘフス

この曲を初めて聴いたとき、私は「これは、ごく限られた才能を持つ、天才しか吹けないだろう」と、

思ったものですが、その後、吹ける人が大勢現れました。ラッパ好きとしては喜ばしいのですが、

このような曲は、どうしても「テクニック誇示」になりやすく、難しいテクニックを綺麗に決められただけでは

さほど感心しません。マティアス・ヘフス氏は、ジャーマン・ブラスで活躍中の方ですが、

テクニックと音楽性を兼ね備えた、稀有な例ではないか、と思います。

音源は、Trumpet Acrobatics Matthias Hofsです。


◆アーバン:ヴェニスの謝肉祭 変奏曲





最近、これをもっと速く吹く、若いトランペット奏者がいましたが、前述の通り、完全にテクニックを誇示するだけ

になってしまって、そうすると、いくら上手くても、聴いていて妙に白けるのです。難しいものです。


◆テューバ「ヴェニスの謝肉祭」変奏曲 オイスタイン・ボーズヴィク

オイスタイン・ボーズヴィク氏はノルウェーのテューバ奏者です。何故か北欧からは、卓越した金管楽器奏者が次々と現れます。

オイスタイン・ボーズヴィク氏もトロンボーンのリンドベルイ氏同様、世界でただ1人、フルタイムのソロ・テューバ奏者として

食えている人です。ソロとなれば、関係ないのですが、オーケストラでは、トロンボーンよりも更に出番が少ないテューバのソリストを

職業として成り立たせているということは、つまりそれだけ、卓越しているということです。


音域が低いので、上でお聴き頂いた、トランペットのヘフス氏に比べると多少「ボソボソ」と聞こえますが。

兎にも角にも、あの、一見、運動性のなさそうな、金管楽器セクションの最低音域を受け持つ楽器が、

全く同じ難易度の譜面を演奏してしまいます。これを本日の最後にお聴き頂きます。

音源は、チューバの謝肉祭です。


◆アーバン:ヴェニスの謝肉祭 変奏曲(テューバ オイスタイン・ボーズヴィク)






世の中、ありとあらゆる楽器で信じられないほどの名人がいるものです。

いずれの楽器も難しい。ただひたすら練習した人が上手くなるのですねえ。

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2013.07.02

【音楽】元チェコ・フィル首席トランペット奏者、ミロスラフ・ケイマル氏の美しい音色。

◆「ラッパなんて・・・」という方こそ、お聴き下さい。

世の中の人々の意識というか、出来上がってしまった妙な「常識」はなかなか変えることができません。

毎年行われる、通称毎コン、日本音楽コンクール。東京・初台のオペラシティで行われる本選会が満席となるのは、

ピアノとヴァイオリンだけです。毎年、管楽器各種の部門が3年交替で設けられますが、

以前、某掲示板で「トランペットの1位なんて、どうでもいいよ。それより、ピアノ、ピアノ」と若い人が

書いていました。私が若い頃、40年前とまるで同じです。


それから随分と時間が経ち、あらゆる楽器の演奏技術が向上し、名人が大勢現れ、

かつては「ソリスト」など想像も出来なかった楽器で、ソリストが現実に存在します。


今日の引用元は-GLORIA-トランペット名曲集です。

この人は、ミロスラフ・ケイマルといい、元、名門、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席トランペット奏者として、

天下のチェコ・フィルの金管楽器セクションを引っ張ってきた人です(首席トランペット奏者とは、そういう存在です)。

ケイマルさんは、とにかくものすごく美しい音の持ち主として、知られています。


多くの世の人々が「トランペット」とか「金管楽器」という言葉から連想する、ある種の刺激的な鋭角的な

種類の音からは、とおくかけ離れています。ここで使用しているのは、トランペットだけではなくて、

元来、もっと柔らかい音がでる、フリューゲル・ホーンを含みますが、それにしても、誰にでも出せる音ではないのです。


聴いた頂いた方が早い。

是非「トランペットなんて、どうでもいいよ」という方にこそ、聴いて頂きたい、と思います。

まず、バッハのBWV1056 チェンバロ協奏曲ヘ短調の第二楽章で、俗に「バッハのアリオーソ」と言われます。


◆バッハ:アリオーソ(BWV 1056 第二楽章)





非常に美しい。これはトランペットです。

次からフリューゲルホーンだと思います。もっと柔らかい音になります。

マルティーニという作曲家の、唯一残っている「愛の喜び」という曲です。


◆マルティーニ:愛の喜び





綺麗でしょ?

最後は、あまりにも有名な「オンブラ・マイ・フ」です。あまりにも美しい音なので驚かれると思います。


◆ヘンデル:オンブラ・マイ・フ





この3曲だけでも、ミロスラフ・ケイマル氏の音が特別に美しいことがお分かり頂けると思います。

-GLORIA-トランペット名曲集は、トランペットのCDとしては珍しく、一枚全部、テンポの遅い静かな曲なのです。

こういうのは、ラッパとしての派手なテクニックは要りませんが、間違えれば一発でわかりますし、

まあ、それは録音ですから取りなおしができますが、こういう、ゆっくりとしたテンポの曲を演奏すると

その音楽家の歌心(うたごころ)とか音楽性、芸術性が、露わになるので、或る意味では技巧的な曲を集めた録音よりも

「怖い」ことだとおもいます。ケイマル氏は自信があるからこそ、このようなアルバムを録音したのでしょう。

トランペットの表現の多様性を知って頂く為にも是非、聴いて頂きたいCD(iTunes Storeからもダウンロードできます)として、お薦めします。

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2013.05.23

【音楽】モーリス・アンドレ、生誕80年です(2)

◆今週、疲れますよね。

月曜日の東京は雨で旧に気圧がさがり、私のみならず、かなりの方が、調子が出ない、

とおっしゃっていました。日付が変わりましたが、今日(22日 水曜日)は蒸し暑かったです。

女性には評判が良いらしいですが、電車の冷房の生ぬるさが気持ち悪くて仕方がありません。

「弱冷房車」と「強冷房車」があれば良いと思います。

疲れて、蒸し暑くて気分が優れないときには、冷静な状況判断ができないし、

論ずるほどの話もありません。昨日に引き続き、モーリス・アンドレです。


◆バッハ:「管弦楽組曲第2番」(トランペット版)(一部)。

バッハの管弦楽組曲2番は、「組曲」というとサラバンド、とかブーレとか

名前は「舞曲集」なんですが、演奏を聴けば(本当は見ればもっと)わかりますが、

実質、フルート協奏曲のようなものです。


バッハはフルートの曲、無伴奏も含めて色々かいていますが、

管弦楽組曲2番もまた、フルート吹きにとっては一生の課題なのでは無いかと思います。


このフルートのパートをモーリス・アンドレが初めてトランペットで演奏しました。

昨日のモーツァルトよりは易しい曲もありますが、やはり大変な高音域ですので、

コントロールの正確さが要求され、更に「超絶技巧」というほどではないので、音楽性・解釈が

評価されます。引用元は昨日と同じです。

Vol. 1-Maurice Andre Edition: Concertos

これは6枚組ですが、CD3に収録されてます。"Suite in B Minor" です。

全部だと、序曲からバディネリまで7曲で長すぎるので、第4曲ブーレからにします。


私がこのブーレⅠ&Ⅱってのが大好きなんですが、ま、とにかくお聴き下さい。


バッハ:管弦楽組曲2番 ブーレ





切なくて綺麗でしょ?


ポロネーズ。中間部、主旋律をチェロが弾いてトランペットがオブリガートを吹きます。

余程ブレスをうまくとらないと、吹けません。そしてスラーなんですね。こういう音符を流れないように

正確に演奏するのは、なんの楽器でも同じですが、難しいです。


バッハ:管弦楽組曲2番 ポロネーズ





メヌエット、譜面は簡単ですが、色々装飾音の研究が進んで、今はこれが

珍しくないですが、アンドレが録音したときには、このように前打音を伸ばす、

というのが実はバッハの時代に流行り始めていたことが知られてなかったらしいです。

いまだに色々議論があるようですが、知ったかぶりがバレるので、ウンチクはこの辺で。


バッハ:管弦楽組曲2番 メヌエット





最後は難しいバディネリですね。ちゃんと吹くのが、とっても大変です。

冒頭の音型が「とってもとっても、たいへんだ」に聞こえます。


バッハ:管弦楽組曲2番 バディネリ





如何でしたでしょうか?


この録音をご紹介するのも何度目かになりますが、最初に書いたのは、6年半前。
2006.11.26 雅子妃殿下とトランペット

要するに雅子さまは、ほぼ間違いなくかなりのクラシック通です。

なんと、今お聴き頂いた、「トランペット版 管弦楽組曲2番」をお聴きになっていたことがあるはずです。

これ以上、ここで書いたら重複になりますので、リンク先をお読み下さい。

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2013.05.21

【音楽】モーリス・アンドレ、生誕80年です。

◆「奇跡のトランペット」です。

最近の若い方。一番上手いトランペット奏者は?と聴くと、まあ、具体名は出しませんけど、

色々言います。モーリス・アンドレは、「巨人・大鵬・卵焼き」になってしまうのでしょうか?

あまり挙げる人がいないのですが、これは、間違っています。


オーケストラに於けるトランペット、吹奏楽の金管アンサンブルのトランペット、ソリスト。

ジャズ・トランペット、エトセトラ、エトセトラ。


普段吹く譜面の様相(つまり音楽そのものの種類、雰囲気)は異なりますが、

「トランペット」はひとつです、どのような分野に進もうが最初の勉強は同じです。


私は、モーリス・アンドレ(1933年5月21日 - 2012年2月25日)は、好みの問題ではなく、

「客観的に」20世紀で最も卓越したトランペット奏者であると信じて疑いません。

100年に1人、でるかどうか。若くして亡くなった、英国のホルン奏者、デニス・ブレイン(1921年5月17日 - 1957年9月1日)は、

奇跡のホルン、といわれます。

私は、モーリス・アンドレのトランペット演奏は、「奇跡のトランペット」だと思います。

今までに何度もご紹介した演奏を今日も敢えてお聴かせします。

優れた楽曲の優れた演奏は、何百回でも繰り返し聴くものだからです。


◆モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314

オーボエで吹いても難しく、宮本文昭さんによると、(特にヨーロッパの)オーケストラでのオーボエのオーディションでは、

絶対に吹かされるそうな。技術と音楽性が、丸裸にされてしまうこの曲。

だれも、この曲を「トランペットで」吹こうとは思いません。

それを、あっさり吹いてしまったのがモーリスアンドレです。


長らく廃盤でしたが復活して本当に良かった。

引用元は、Vol. 1-Maurice Andre Edition: Concertos

3,335円ですが、6枚組です。K.314は一枚目に収録されています。


モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314 (トランペット版)第一楽章。






この高音を出すこと自体、大変です。音が出ても凡人ならば、堅い音になります。

アンドレはみじんも、堅い音になりません。そしてこの音域が吹けたとしても

「普通は」コントロールできる音域ではない。


モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314 (トランペット版)第三楽章。






あまりの驚きに初めて聴いたときには、しばらく言葉が出て来なかったのを覚えています。


一日では、モーリス・アンドレへの憧憬を、表現しきれず、もしかすると続くかも知れまん。

わかりませんけど。可能性はあります。

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