カテゴリー「為替・株・債券市場」の記事

2013.06.14

「景気判断を上方修正、再生相『実体あれば株価ついてくる』」←実体経済が変わらないから、株が暴落しているのです。

◆記事:景気判断を上方修正、再生相「実体あれば株価ついてくる」(ロイター 6月14日(金)1時15分配信)

政府は13日に発表した6月の月例経済報告で、景気は「着実に持ち直している」として、

基調判断を2カ月連続で上方修正した。個別項目でも生産や雇用、輸出など6項目を上方修正。

実体経済が底堅さを増してきた点を評価した。

基調判断の上方修正の決め手となったのは、個人消費や生産、輸出などの持ち直しに加え、

収益・雇用環境が改善していること。甘利明経済再生相は会議終了後の記者会見で

「実体経済の足取りがしっかりしてきている」と評価した。


◆コメント:実体経済の改善を伴わないから、黒田異次元緩和前の株価に戻ったんですよ。

散々書いてきましたけど、アベノミクスという言葉を、メディアが乱発するので、何か新しい経済政策の理論が

発明されたかのような錯覚を受けますが、何ら新しいことはないし、むしろ、安倍首相と黒田日銀総裁のやろうとすることが

無茶だったのです。


月例経済報告というのは、毎月内閣府がまとめるので、それは内閣に都合が良いように書くのです。

もう殆どムキになって、

景気はよくなっているのだ!

といってますが、良くなっていたら、甘利再生相のいうとおり、株価が付いてきているはずです。

今日は日経平均株価が800円以上も下がって、日銀総裁に黒田さんが就任して、いくらでも金融緩和するぞ、

と言い始めてから株価の急騰がはじまりましたが、その言い出したスタート地点にまで下がってしまった。


経済の実体を改善させる十分な対策を取らずに金融緩和だけをしても、総需要は増えていないのですから、景気が良くなるわけもないし、

景気がよくなっていないのに、金融政策、つまり金融市場に資金を無制限に供給するだけで、デフレが止まる訳がないのです。

物価というのは、経済活動が活発化して、個人消費が増えてモノやサービスがどんどん売れて供給よりも需要が上回り、

その需給関係で上昇する、というのが本来の姿なのに、景気自体はさっぱりよくならない。家計の所得が増えないのですから、

皆、おカネを以前よりも、多く使う理由も余裕もない。モノやサービスが売れなければ企業の儲けが増えない。

儲けが増えなければ、従業員の給料を上げる事も出来ない。


私のような凡才でも分かるぐらい単純な話です。安倍首相が就任し、黒田日銀総裁が就任し、「異次元緩和」といわれてますが、

実は、それ以前に2年以上も前・日銀総裁の白川さんもずーっとやっていたことです。国債を市中オペで買い取って、

買えばその代金を日銀が支払うのですから、金融市場におカネが放出される。

その資金供給が、白川さん時代は不十分だったと。もっと沢山やれば、デフレから脱却出来る筈だつまり物価の下落が上昇に転ずる筈だ

というのが、安倍・黒田ペアの論理ですが、そんなわけないでしょ?

おカネでモノが売れなければ、意味がない。

国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が増えないと、デフレは止まらん。

だから、私は、一時的に財政収支が悪化しても、減税しろっていっているのです。

法人税、所得税、住民税、消費税、全部、暫定的に思い切って下げれば、納める税金が減るんだから、

家計や企業が使えるおカネ、可処分所得が増えるでしょ?

市場におカネを供給するだけではダメなのであって、それが回転しないとダメなんですよ。

それで、十分景気が良くなってから、税収がどうしても足りないならば、徐々に元に戻す。増税になりますが、

それが正しいと思います。

今増税する前に、あまりにも無駄なおカネが使われている。国会議員の月収は多くの一般国民の年収より多い。

地方公務員の数も多すぎるし、給食のおばさんの退職金に5千万円も支払う市があるんですから、そんなの、削らなけりゃだめでしょ?

納税者が苦しいのに、その税金で食っている人達の収入が一定、というのは、本質的に誤りです。


デパート、スーパー、コンビニ、外食産業の売上げ、このところずっと前年比マイナスです。円安も修正されましたが、

円安でバンザイってのもトヨタとか輸出関連企業と、そういう企業の大株主である、銀行とか外資系ファンドだけなんです。

安倍政権ってのは、小泉政権とにています。あまりにも、強者の論理なんです。

安倍さんは、そこまで言わないし、小泉純一郎もはっきり、センテンスで述べたことはありませんが、彼らの論理は、

競争に負けた弱者は、勝手に野垂れ死んで下さい。という、アメリカ式の無慈悲な合理主義、競争主義です。

日本人の心情に馴染みません。参院選で自民党に圧勝なんかさせてはだめですよ?

絶対、「アベノミクスが評価された」ということになり、さらに勢いづいて憲法改正とかいってますから。

話が逸れますが、自民党の新憲法草案読んで下さい。戦争放棄の第九条だけじゃないのです。言論の自由(21条)も制限しようとしている。

安倍晋三という人には非常に危ない、独裁者志向があると思います。

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2013.05.24

「東証大引け、急落 下落率は歴代10位 先物主導で乱高下」←バブルだと、何度も申しあげました。

◆記事:東証大引け、急落 下落率は歴代10位 先物主導で乱高下(日経電子版)(2013/5/23 15:43)

23日の東京株式市場で日経平均株価は急落し、前日比1143円28銭(7.32%)安の1万4483円98銭で引けた。

前日比の下落幅は2000年4月以来、13年1カ月ぶりの大きさで歴代11位。下落率の大きさは歴代10位となった。

朝方は米景気回復期待を背景に買いが先行し、一時5年5カ月ぶりに1万5900円台に乗せる場面があった。

ただ、前引け前に英マークイットが発表した5月の中国の製造業購買担当者景気指数(HSBC中国PMI)の悪化を受け、

利益確定売りが膨らんだ。1万5000円割れは7営業日ぶり。


◆コメント:中国の景気指数など、関係ありません、皆が買ったら、どこかで暴落するのです。

安倍政権誕生以来、経済政策(アベノミクス)の3本の矢などというものの、実際に日銀総裁が交代して、

デフレから脱却するまで、出来ることは何でもする、と、まるっきり安倍首相の下僕のようになった、

日銀ですか私は、既に何年も実行していて、市場に資金を供給しても、総需要が喚起されなければ、

つまり、本当に景気が良くなり、モノやサービスが売れるようになって、物価が下落を止めるのならよいけれど、


実体経済の好転を伴わない、株価の上場だけが続くのはバブルだから、

初めて株取引をやるひとが急増していて、皆さん、何でも良いから、株を買えば儲かると思っているようですが、

止めた方が、いいですよ。という趣旨のことを何度も申しあげました。

私の日記・ブログで最近書いた記事の一部です。

2013.05.09 株価が上昇を続けて、メディアが仕切りに煽りますが。

2013.04.26 「日経平均大引け、続伸 4年10カ月ぶり1万3900円台を回復」←バブルですね。

2013.03.12 アベノミクスといっても何も新しいことはありません。

2013.02.16 「内閣支持上昇、61%に」「安倍首相、96条見直しに意欲」←株が上がるならば、「憲法」など、どうでもいいですか?

初心者で大損した(或いは、含み益を抱えてしまった)方、お気の毒ですが、あえて、
だから、いわんこっちゃない。

と言わせて頂きます。

凡そ相場の変動を利用して儲ける「ディーリング」は、皆が買ったら下がるしかない。

それだけです。しかし、その始まりを素人が察知することは非常に難しい。

止めておいた方が良いのです。

日経をはじめ、各メディアは、今日発表されたHSBCホールディングスのPMIが予想よりも悪かったのが「暴落の原因」

と書いていますが、それだけで1,000円以上も下がりません。単なる「きっかけ」です。

もともと株を買い持ちにしている人ばかりですから、一度何かをきっかけに下がりだしたら、

市場参加者は、われ先に売り始めます。そして何がきっかけでいつ、売りの殺到がはじまるか、

誰にも、予想できません。

今日の相場で大損した人が、損失を取り返そうと、ムキになって売買を繰り返し。乱高下が続くかもしれません。


とにかく、今一度繰り返しますが、昨今の連日の株価上昇は、アベノミクスの「お陰」ではない。「期待」だけです。

安倍政権は需要の喚起に関して何ら具体策を採っていません。

アベノミクスへの期待だけで買われてきた相場ですから、

安倍首相の経済政策が期待したほど、進展しないとなれば、下落相場に逆転するかもしれません。

安倍首相が、真似をしている小泉のとき、日経平均株価は14,000円台から7,000円台にまで落ちこんだ、

という歴史的事実を思い出して下さい。知らない方は、チャートで調べて下さい。

相場ものなどというのは、所詮、上がるか、下がるか。言い方が悪いのですが、「丁半バクチ」と同じです。

運だけです。手を出さないことです。

ましてや、まともに働かないで、自宅に籠もり、ネットで株を売買し、その儲けで生活しようなどということは、

絶対に考えてはいけません。

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2013.05.09

株価が上昇を続けて、メディアが仕切りに煽りますが。

◆何度も、申しあげている通り、株価高騰=経済実態の好転ではない、のです。

世の中全体が株価さえ上がれば、人生バラ色、とでも言いたげです。

こういう風に、いつも、マーケットや経済をウォッチしているプロまでが、状況が見えなくなっている。

日銀の支店長会議や、財務省の財務局長会議では、全国の殆どの地域で、景気が前よりも見通しが明るくなったとの

報告がなされていますが、これは、メディアもキチンと伝えないといけませんね。


「見通し」がよくなった、というのは、「これから景気がよくなりそうだと思っている人が増えている」ということです。

「なんとなく、良くなりそうな気がする」だけです。


全国で商売をなさっている方、企業の経営者の方。昨年よりも商品が売れて売れて、生産が間に合わなくて困ってしまって、

嬉しい悲鳴、なんて人いますか? サラリーマンで「安倍政権になってから給料が5割も増えた。贅沢ができるようになり楽しい」

という、ご家庭、ありますか?


ないでしょ?


当然です。何も変わっていないのですから。株価が「アベノミクスの効果で」上がっているなんてことを、

大新聞や大テレビ局が平気で言ってはいけません。いま、株が買われているのは、「期待感」だけで買われているのであり、

実際に効果がでなければ、つまり、安倍政権の目標は、まずデフレを脱却し、物価が上がることですが、物価だけ上がっても

家計所得が増えなければ個人消費は増えませんから、GDP(国内総生産)伸び率は好転しないはずです。


先週金曜日に発表されたアメリカの雇用統計が思ったよりも良かったといっても、4月は、

「思ったより悪かった」といっていたのですから、たまたま一回ぐらい、非農業部門就業者数が増えたぐらいでは安心できません。

また、先週末欧州中銀が利下げしました。これが、「欧州の金融緩和が続く、との見込み」で、NY市場での株価高騰にの一因になったといいますが、

利下げしなければならないというのは、まだ、景気が悪いからです。

本当に世界経済が持直しているなら、円安と相まって輸出企業は儲かるでしょうが、

アメリカも中国もヨーロッパもまだ、しばらく見ないとわかりません。相場と同じく、経済の実体にも「トレンド」があります。

瞬間をみても分かりません。少なくとも3ヶ月(一四半期)連続して景気好転を示す経済指標が世界各国で

相次いでいる、とでも言わない限り、なんともいえません。

株価上昇を見て、今まで株をやったことがないひとまではじめているそうですが、

すでに、株価がこれほどまでに上がったのですから、当然買った株をそのままにしている市場参加者が大勢いる、ということです。

おカネを設けたいなら株を買っただけでは、その代金を支払ったのですからむしろマイナスであって、全然、利益はでていません。

儲ける為には、自分の買った株を買ったときよりも高い値段で売らなければなりません.

これを「利食い」の売り、といいますが、何かがきっかけで売られ始めると何しろ皆さん株のポジションは買い持ちですから、

少しでも高い所で売ろうとするでしょう。

つまり、実体経済の好転を伴わない、期待感だけによる株価は脆いもので、いつ、暴落してもおかしくないのです。

今のような状態を「バブル」というのです。ですから、これから株などに手をだしてはいけません。

勿論、どんなに損するか分からないけれども、自己責任でやりたいというかたを制止する権利は、私にはありませんが。

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2013.05.05

「米雇用、4月16万5000人増 市場予想上回る」←ウソではないのですが全面的には楽観できません。

◆記事:米雇用、4月16万5000人増 市場予想上回る(日本経済新聞 2013/5/4付 朝刊)

米労働省が3日発表した4月の雇用統計によると、労働市場の動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は、前月に比べ16万5千人増となった。

3月の改定値も同13万8千人増(速報は8万8千人増)に上方修正。サービスなどの雇用が底堅く推移した。

ただ、政府部門は減少、回復が持続するか不透明さも残る。

3日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が大幅に続伸して始まり、初めて一時1万5000ドル台に乗せた

4月の雇用統計が市場予想を上回ったのを好感し、上げ幅は170ドルを超える場面も。

前日の欧州中央銀行(ECB)の利下げなど先進国を中心に金融緩和が続くとの期待感も相場を下支えしている。

3日の米シカゴ市場でも日経平均先物(6月物)が急上昇し、一時1万4180円をつけた。

東京市場が連休に入る前の2日の日経平均株価の終値(1万3694円04銭)を大きく上回る。

4月の失業率は7.5%と前月から0.1ポイント低下。3カ月連続で下がり、2008年12月(7.3%)に次ぐ低い水準。

雇用者数の伸び幅は、市場予想の平均の15万人程度を上回った。

2月の改定値も前月比33万2千人増となり、12年1月以来、30万人台となった。(注:色太文字は引用者による)


◆コメント:マスコミは総じて「大雑把に」「良い事」ばかりを伝えます。

マスコミは耳障りに良いことばかりを強調する傾向があるので、特に調子がよい「トーン」は、

割り引いて考えてちょうど良いと思います。今回の米国雇用統計に関しては、それでも

「不安要因」に言及しているから、まだ良い方です。

日本の経済指標については、経済専門紙の日経ですら「政府広報紙」になりがちです。


例えば--主題から話がそれますが--、私は弊ブログで過去に何度も書きましたが、日本は年に四回、GDP(国内総生産)を発表します。

四半期ごとに、経済成長率が前の3ヶ月と比較してどのように変化したか、物価変動を排除した「実質GDP」と、そのままの「名目GDP」があります。

ひじょうにおおまかにいうと、「実質=量」で「名目=金額」です。

物価が持続的に上昇しているインフレの局面では、例え、売上げの「量」が同じでも、物価が仮に2倍になっていれあ「名目」は2倍になる。

すると、経済活動の規模、生産量、販売量が増えていないのに、増えているように見えてしまうから、物価上昇率で割るのです。

しかし、今はずっと物価が下がり続ける「デフレ」がとまらなくてこまっているのですから、むしろ「金額」をしめす「名目GDP」が

上昇に転ずることが、肝心です。そんなことを日経が知らない訳は無いのに、「実質GDP」前期比プラス何パーセント、などど、

あまり意味の無いことを書いているのです。だからマスコミの「良くなった」を鵜呑みにしないほうが良いのです。


話を米国雇用統計に戻します。

メディアの報道が「ウソではないけれども説明不足」であることも、大衆が表面的な数字に反応することも

洋の東西を問わず、金曜日に発表されたアメリカの4月の雇用統計で、失業率が低下したことと、

最も重要視される非農業部門就業者数(農業部門の就業者数は景気の影響を受けないので「非農業部門」を見るのです)が、

前月比、おおかたのエコノミストの予想を上回る増加をしめしたことから、ニューヨーク市場で株価が上昇した。

ということは、ウソではないけれども、エコノミストはもう少し詳しく見ていると思います。


アメリカの労働省(Department of Labor)のサイトに、新着情報として、

Unemployment Rate: 7.5% in April 2013

とあります。リンク先を見ると驚きますが、雇用統計といっても非常に多くの切り口で統計が掲載されています。

その中で、Average weekly hours(週平均労働時間)という項目。

一番上に全産業平均が載ってますが、34.4時間と、僅かですが、3月よりも減っています。

さらに、Average Weekly Earnings(平均週間賃金)を見ると、821.13ドルで、同じく前月比マイナスです。

ここまでは、普通のアメリカの新聞もかきませんけれども、これらは、雇用統計の「先行指標」といわれており、

両方とも前月比マイナスだと、先がまだ不安定だ、ということです。数字を見つけるのは一般人には不可能ですが、

さほど難しい話では無いので、本当はメディアが指摘しても良いと思います。

単月の経済指標の上っ面だけを見て一喜一憂するのは、あまり、意味がありません。

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2013.04.26

「日経平均大引け、続伸 4年10カ月ぶり1万3900円台を回復」←バブルですね。

◆記事:日経平均大引け、続伸 4年10カ月ぶり1万3900円台を回復(日経電子版)(2013/4/25 15:12)

25日の東京株式市場で日経平均株価は続伸した。前日比82円62銭(0.6%)高の1万3926円08銭だった。

連日で年初来高値を更新し、2008年6月20日以来ほぼ4年10カ月ぶりに1万3900円台を回復した。

発表が本格化している国内主要企業の2013年3月期決算や14年3月期の業績見通しが、

おおむね市場の期待に沿った滑り出しになったとの見方から個別銘柄を物色する動きが広がった。

安倍晋三政権の経済政策を受けて国内景気が回復に向かうとの期待から、相場の先高観が強く

後場に入ると押し目を待っていた海外投資家の買いが優勢になった。キヤノンが大幅安となったのを受けて

日経平均は下げる場面があったが、投資家の押し目買い意欲が強く下げ幅は限られた。

東証1部の売買代金は概算で3兆566億円(速報ベース)と連日で3兆円を超えた。


◆コメント:実体に変化はなく、企業決算の改善は、為替差益や株式含み損の減少によるものです。

以前から、同じようなことをかいていますが、上の記事の色で強調したところ、

安倍晋三政権の経済政策を受けて国内景気が回復に向かうとの期待から

が、皮肉にも、今の状況を端的に表現しております。

「国内景気の回復を反映して」ではなく、「国内景気が回復に向かうとの期待から」なのです。

自分の生活を冷静に見ればわかるでしょうが、お給料が倍になった人いますか?

なりませんね。今日は、主要企業の1~3月期の決算発表が多く、純利益何倍増、というので、

それがまた、勘違いを誘うのですが、本業の仕事が増えているのではなく、それ以外の為替差益とか

銀行などは、株価がとりあえず「気分で」上がっているから、保有株式の含み損が大幅に減る。

その分、利益が増える。何をしたわけでもないのです。


本当に「景気がよくなる」とは、各企業の本業による利益、「営業利益」が増えるか、そして、増え続けるかどうか

を見なければなりません。四半期ごとに決算発表がありますが、一四半期だけをみて判断するのは、早計です。

企業の本来の業務による利益が、全体として増えているのならば、誠にめでたいのです。


しかし現実を冷静に考えると、そもそも安倍政権は「デフレからの脱却」を標榜し、日本銀行が金融緩和を

「一層強力に推進し」ているのですけど、その効果で物価が上昇に転じてくるか。また仮にそうなったとしても

物価だけがあがり、家計所得が増えなければ個人消費が増えないので、見せかけの物価高は需給の原則により

下落し、企業業績の本当の(為替差益とか株式含み損の減少によらない)改善はありえません。


要するに、今は全てが「気分」だけ。一見景気が良さそうですが、日経の別の記事によると、

現在の株価の上昇にあやかろうと、今まで株に手を出していなかった素人、しかも個人が株取引を

はじめようと証券会社に(ネットでできますから)殺到しているそうです。


素人までもが「買い」に走るというのは非常に危険で、欧州財政危機など完全に収束してませんし、アメリカも

中国も、景気がとてもいいわけではない。ユーロ売り、ドル売りから円高になれば、輸出関連株から

暴落する可能性があります。

経済専門紙の日経までもが、なんだか政府に取り入るように景気の良さを必要以上に強調していますが

わたしだったら「今の株価上場は、ムードだけで、一寸先は闇だから、やめておいたほうがいい」といいます。

こういうときに、小遣い銭ほしさに株に走るか、静観するかで、やや大袈裟にいうと人間の「品格」が分かると思います。

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2013.04.09

「スペイン、ジャンク級へ格下げのリスク=ムーディーズ」←「対岸の火事」ではないのです。

◆記事:スペイン、ジャンク級へ格下げのリスク=ムーディーズ(ロイター 4月9日(火)21時40分配信)

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、現在「Baa3」としているスペインの格付けについて、

今年の財政再建目標を達成できない恐れがあり、ジャンク(投機的)等級に引き下げられるリスクがあるとの認識を示した。

スペインは昨年、財政赤字を国内総生産(GDP)比7%までしか削減できず、6.3%の削減目標を達成できなかった。

今年の目標は4.5%だが、ムーディーズは達成できる公算は小さいとし、

「当社はGDP比6%程度への緩やかな赤字削減を見込んでおり、

公的債務の急増ペースを低下させることが妨げられる」との見方を示した。

格付け見通しについては「ネガティブ」で据え置き、スペイン政府は、財政再建目標を達成できず、

度々目標を修正することで信頼を失っていると指摘した。

政府筋によると、スペイン政府は2013年の財政赤字削減目標をGDP比6%に緩和する見通しで、

現在2014年となっているGDP比3%への削減達成期限を先送りするよう欧州委と交渉している。


◆コメント:アベノミクス期待で、日経平均株価が上昇しても欧州危機は終わっていないのです。

これは、スペインの特定の民間銀行が危ない、ということではありません。

こういう国家の信用リスクを「ソブリン・リスク」といいます。ソブリン「sovereign」とは元来「国王、主権団体」という

意味です。ムーディーズとスタンダードアンドプアーズ(S&P)というのが、二大格付け機関(会社)ということになっております。

格付け機関というのは、自らは何も付加価値を創造しないで、世界中の国の国債とか大企業の社債の格付けをして、

その信用力に関する情報を世界中の投資家に売って食っている連中で、どうして彼らがそれほど「エラい」のか、

誰にもわからないので、とくにアメリカのサブ・プライムローン問題の後から、この格付け機関にたいして、

おめーら、いい加減にしろよ?

という声も多々あがっているのですが、今のところまだ生きながらえております。

二大格付け機関のひとつ、ムーディーズという会社がスペインの信用力が著しく衰えている、と発表したというのですが、

これは、現在、御存知のとおりヨーロッパはEU(欧州連合)として、一つの経済地域とみなされますので、

ドイツなんかは、まあ、大丈夫なんですけれども、スペインというかなりEUの中では大きな国、その国家の信用力が

怪しい、となると、EU全体の信用力に関わるのです。


すると、ヨーロッパの国々の国債の価格が暴落するので、ここに投資しているアメリカや日本の投資家が

下手をすると大損します。

また、国債だけではなくて、スペインがまず一番ですけれども、ヨーロッパの銀行などの信用力に疑問符が付きます。

以前にも書いたことがありますが、世界中の金融機関というのは一つのネットワークになっておりますから、

スペインの銀行一つぐらい潰れてもいいや、という訳には参りませんで、必ずその銀行に他の銀行なり何なりが

短期金融市場という所でおカネを貸しています。そのおカネが帰ってくるのをアテにして別の所から資金を借りていたとすると、

たった一つのスペインの名前を聞いたこともないような銀行が資金繰りが付かなくなっただけで、その影響はドミノ(将棋倒し)的に

極端に言えば、全世界に波及する危険性があります。この危険を「システミック・リスク」といいます。


ですから、他人事(ひとごと)ではないのです。日本の投資家が直接スペインの地方銀行に投資していることは

殆どないでしょうが、ヨーロッパの他の銀行には投資しています。また、アメリカの銀行や証券会社などにも投資しています。

ドミノ式資金繰りショート(不足)が回り回ると、日本の投資家が持っている海外の国債や社債や、株が紙屑になります。

その損失を埋めるには、商売の元手である「資本金」を取り崩さなければならなくなります。これは最悪でして、

資本金を取り崩すこと=その会社の信用力が低下する→資金を調達しにくくなる、という悪循環が起きます。


こういうのがものすごい規模で起きたのが2008年9月15日のリーマンショックに端を発する世界金融恐慌です。

スペインの格下げで、そこまでの大波乱になるとは、おもいませんが、日経平均がノーテンキに上がり続けることは

できなくなるでしょう。新総裁の下で日銀が「大胆な金融緩和」を実行すれば、日本は安泰というほど、

世の中は、単純に出来ておりません。

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「内閣支持率 先月と同じ66%」(NHK)←あまり意味がない数字です。

◆内閣支持率 先月と同じ66%(NHK 4月8日 19時8分)

いつもの私のブログの形式ですと、まず、この部分に記事を転載するのですが、今回はウェブキャッシュ保存サービスに

全文を保存しておきましたので、リンク先をご覧下さい。

何故、記事そのものをここに表示しないか、というと、回答をみていると、例えば、

「安倍内閣を▽「支持する」と答えた人は、先月と同じ66%」だったそうですが、何故支持するのか?に対しては、

▽「他の内閣より良さそうだから」が33%、▽「政策に期待が持てるから」が26%、▽「実行力があるから」が20%

という理由を挙げていますが、これはNHKが用意した答から「敢えて選べば、どれか?」ということであり、

仮に、「政策に期待が持てる」という人に「どの分野の政策にどのような期待がもてるのですか?」と

質問したら、多分、殆どの人は具体的に述べられないと思います。

本稿では詳しく触れませんけれども、同じアンケートで
ことし夏に行われる参議院選挙の結果、自民党と公明党が参議院でも過半数を確保するのが望ましいと思うかどうか聞いたところ、▽「望ましい」が23%、▽「どちらかといえば望ましい」が37%、

という部分があります。何ですか?「どちらかと言えば望ましい」って?

こういうアンケートを詳しく分析してもあまり意味がなく、徒に紙面を占拠するので割愛した次第です。


◆支持率が高いのは株価が上昇しているからでしょう。

はっきり言えば、安倍政権の支持率が高いのは、株価が上がっているから。それだけだと思います。

しかし、株価は株価であります。


安倍首相は、こと、経済に関してはデフレ(物価が持続的に下がる状態)からの脱却を

最優先課題として挙げています。その為に、前・日銀総裁の白川さんを任期満了前に辞めさせて、

新しい財務省出身の黒田総裁を据えたわけです。黒田さんは謂わば、安倍内閣傀儡日銀総裁みたいなもので、

安倍さんの言うとおりにする。と。本来政府が中央銀行の人事や金融政策に介入すること自体が大問題です。


さらに、黒田新日銀総裁は、先週の金融政策決定会合で、かなり大胆な量的緩和といって、市場に資金を供給する

ことを決めたのですが、私が何度も言っているとおり、家計の可処分所得が増えず、企業も設備投資意欲がない。

すなわち総需要が全然増えていないときに、日銀だけがジャブジャブ資金をマーケットに注ぎ込んでも、物価は上がらないと思います。

百歩譲って、大量の資金供給により、物価が上昇に転ずるとしても、金融政策の効果がマクロ経済に現れるためには、

数ヶ月かかります。まだ、日銀の新しい金融緩和措置が有効かどうか、なんともいえません。


それなのに、株とか為替というのは、テレビでは尤もらしい理屈を付けていますが、

あれは、何か形になる理由を付けないと、テレビや新聞が開放してくれないから、現場のディーラーなどが

インタビュー用に、予め「作文」しておくのです。

現実の株式市場や為替市場はもっと、よく言えば直感的、悪く言えばいい加減な世界です。

あがりそうだから、買う。下がりそうだから、売る。あがりそう、下がりそうは全くの「勘」です。

ですから円安は100円を付けに行くでしょうが、それは、誰かが「自分が100円を付けた」と言いたいから、

と、一般の方には信じにくいでしょうが、そういう他愛のない世界なのです。


これによって何を言いたいかというと、株価が上昇し、円安が進んでいるからといっても、

いつ、相場の動きが反転してもおかしくないのですから、株式市場の動向で、安倍政権を支持するとかしない、

などというのは、全く意味がない、ということです。


◆もう一度書きますが、安倍政権の公約は「デフレからの脱却」であり、株価の上昇ではありません。

安倍首相は、内閣総理大臣就任後の最優先課題としてデフレからの脱却を挙げており、

そのためには、無制限の金融緩和を実行することだ、というのです。

私は金融政策だけで物価を上げるのは無理だと思いますが、安倍政権は可能だと考えています。


ならば公約たる「デフレからの脱却」を実現して、物価が持続的に上昇するのを見届けてから、

安倍政権の評価を下すべきであり、「物価が上昇することを期待しての株価の上昇」を見て、

単純に喜んで、評価を下すべきではありません。

さらに安倍政権は、俄(にわか)に人気が高まったことに気をよくして、

国民が株ではしゃいでいる間にTPP交渉の段取りを決めたり、憲法改正手続きを進展させようとしています。

そうしたことも含めて内閣、或いは首相への評価を下すべきです。

「株価が上がったから良い首相」と決めつけるのはあまりにも早計です。

せめて、数ヶ月様子を見て金融政策で物価の下落がとまり、上昇に転ずること。

しかも1ヶ月だけではなく少なくとも一四半期(3ヶ月)連続して消費者物価指数が持続的・継続的に上がることを

見とどけてから評価を下すべきなのです。

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2013.03.20

「TPP「評価」60%、内閣支持72%…読売調査」←株が上がれば何でも正しいのか。

◆記事:TPP「評価」60%、内閣支持72%…読売調査(読売新聞 3月17日(日)21時52分配信)

読売新聞社は15~17日に全国世論調査(電話方式)を実施した。

安倍首相が表明した環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を「評価する」と答えた人は60%に上り、

首相の決断を支持する人が多数を占めた。

TPPに参加する場合、コメなど農産物の一部を自由化の「例外とすべきだ」との回答は62%となり、

今後の交渉によって関税撤廃の例外扱いとすることを望む人が多かった。

安倍内閣の支持率は72%で、前回(2月8~10日)の71%に続いて高水準を維持している。

今回はわずかの上昇だが、内閣発足直後の調査から3回連続の上昇は異例で、

本社世論調査では海部内閣(1989年発足)だけだった。

日本銀行との連携を強化して、成長を重視した経済政策を進めていることを「評価する」は69%に上った。

日銀総裁に黒田東彦(はるひこ)アジア開発銀行総裁が決まったことを評価する人は56%だった。

高支持率が続く背景には、こうした経済政策「アベノミクス」が評価されていることがあるようだ。


◆コメント:思想がない人々。

安倍内閣を支持し、TPPも正しいといっている人達は結局皆、株価が上がり続けていることだけを

見ていると思います。

アベノミクスが支持されているといいますが、要するに

物価があがるまで無制限の金融緩和でもなんでもやります

と、自分の言うことに従う人物を日銀総裁にして、良識派の白川総裁を任期前に辞めさせましたが、

日本銀行に介入し過ぎだと思います。

白川総裁ほど任期中に大事件が次々に起きた日銀総裁は珍しく、

リーマンショック、欧州財政危機を乗り越えて、漸く景気が好転しそうだった矢先に、東日本大震災が起き、

政権の交代もあったという中で金融危機を起こさせなかった白川さんはもっと評価されるべきだとおもいます。

19日に退任するに際して最後の記者会見を行い、安倍政権の政策を婉曲に批判してました。

麻生財務相が閣議後記者会見で「心から感謝している。お疲れさまでした」と言ったそうですが、

同感です。

一方、安倍首相は、安倍政権が発足することがきまってから、日銀に介入し、2%の物価上昇目標を

掲げて貰う、といい、受け入れられないなら日銀法を改正して内閣が日銀総裁を首にできるようにするぞ、

と脅迫したも同然です。先進国でこれほど露骨に中央銀行に政府が介入する国はありません。

そして、元々自分が言い出したリフレ(要するに故意にインフレを起こさせようとすること)政策なのに、

「2パーセントの物価上昇率実現の全責任は日銀にある」と安倍首相は国会で答弁しましたが、

自らが言い出しっぺで、それを日銀におしつけておいて、自分に責任はない、といっているのですから

これだけでも、私は、安倍という人は強引であり、狡猾だと思います。


TPPに関しては、安倍首相のサイトでは、
聖域無き関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加に反対します。

となっています。2月にオバマ大統領と日米首脳会談を行い、それが終わってから、

「聖域無き関税撤廃が前提ではないことを確認した」(からTPPには賛成だ)と言い出して、

本当にTPP参加を決めてしまいましたが、日米共同声明に「聖域」うんぬんは含まれていません。

外務省が訳した「日米の共同声明」です。

201302usjpnstatement

ごらんのとおり。

TPP参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないこと確認する。

これは、TPPの交渉を始めると宣言したことは、全ての関税撤廃を認める、という意味ではないよ?

といっているだけです。全ての関税の撤廃を要求されることは、従って、交渉次第ではありうる、ということです。

また、関税ばかり見ているから肝心なことをわすれるのです。

貿易は関税云々ですが、TPPは全ての分野に関して「内政干渉」されてしまう。

一番、危ないのが日本の公的な医療保険制度(サラリーマンなら会社の健康保険組合、その他だったら国民健康保険など)

すら、アメリカはそういう制度がなく、全て民間の保険に加入するわけですが、TPPというのは、要するに乱暴にいうと

日本がアメリカになってしまうかもしれないということです。アメリカの保険会社が日本で医療保険を売りたくても

現在の日本の公的医療補家が「非関税障壁」だから、撤廃しろといわれたら、今の安倍政権が主張しているのは、

農林水産分野の5品目「コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物」の関税は撤廃しないぞ、ということだけですから

保険制度はあっさりなくしてしまうかもしれない。

「TPPを評価する」と読売新聞の世論調査に答えた人々はそういうことを理解していないのではないか

と思います。株が上がれば世の中万事OKではありません。

思想がないから、簡単に株でつられるのです。

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2011.12.02

欧州経済危機とは何か(その2)

◆EU(欧州連合)とユーロ圏とは一致しません。

「その2」と書いたとおり、一度簡単に説明しております。

2011年09月15日(木) 欧州経済危機とは何か。(ココログ)

このときには、ギリシャの問題を中心に書きました。

もう少し丁寧に説明します。


まず、EU(欧州連合)という共同体があります。27ヶ国がメンバーです。

ドイツが第一次、第二次いずれの世界大戦でも負けて、凋落してしまい、

ヨーロッパがアメリカのドルに支配されるのを危惧して、もっぱら最初はドイツが

音頭を取って、EU(欧州連合)というものを作った訳です。


そして、EUの共通通貨がユーロです。

ユーロ導入国は23ヶ国です。


すこしややこしいのですが、EU加盟国27ヶ国のうち、17ヶ国がユーロを自国通貨としています。

EU加盟国で、ユーロを導入していないのは、
イギリス、デンマーク、スウェーデン、チェコ、ポーランド、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア

の10ヶ国です。これらは、従来からの自国通貨を維持してます。


また、EUに加盟していないのにユーロを自国通貨としている国があります。

通貨同盟を結んでいた相手国がユーロに参加したため、一緒に加わったという、

いずれも人口数万人というぐらいの小さい国です。それ(EU加盟国ではないけど、ユーロを導入している国)は、
アンドラ、モナコ(フランスと通貨同盟)、

サンマリノ、バチカン(イタリアと通貨同盟)、

アンドラ(スペインと通貨同盟)

の4ヶ国。

それからコソボ共和国と独立を宣言している国があります。

ドイツマルクを自国通貨にしていましたが、ドイツがユーロを導入したので、ユーロを自国通貨にしました。

コソボはセルビアの一部で国連加盟国193国のうち、コソボを独立国家として承認しているのは、85ヶ国です。

承認していない国々はコソボをセルビア領土内の一地域、と見なしている。

ややこしいですが厳密にいうとそう言うことです。

そして、さらに、モンテネグロという国は一方的にドイツマルクを自国通貨にしていました。これもユーロに移行です。

EU加盟国であり、ユーロを自国通貨としているのが、17ヶ国。

それに、アンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン、コソボ、モンテネグロ、の

6ヶ国を加えるので、ユーロ導入国は23ヶ国です。


◆ユーロ導入している国が次々にヤバいのです。

単一通貨ユーロを導入すると、ユーロ圏では、両替をしなくていいので、コストが削減され、

また、為替変動リスクを気にせずに済むようになるので、ユーロ圏内では相互に貿易が盛んになり

経済活動が活発化します。


ところが、逆にデメリットがモロに出ているのが今の状態です。

ユーロ圏内は経済的運命共同体なので、一国でもいい加減なのがいると、

ユーロを導入している地域全体の信用問題になるのです。


ユーロ導入国であり、かつEU加盟国であるギリシャは、EU加盟の条件で

本当は財政赤字をGDP(国内総生産)の3パーセント以内に収めていなければならないのです。

しかし、9月に説明したように、ギリシャは、オリンパスじゃないですが、粉飾決算をしていたのです。

2009年10月に政権交代があり、今のパパンドレウ新政権のもと、旧政権が財政赤字を隠蔽していたことが

明らかになりました。旧政権は財政赤字はGDPの4パーセントぐらいだと言っていましたが、新政権が調べたら、

なんと3倍以上、GDPの13パーセントもあることが判明しました。

そこから、欧州ソブリン(国債など国家が発行したり政府が保証している債券)危機が始まりました。

それはそうでしょう。国家の発行する債券は、本来、最も安全でなければならないのに、本当はEUに参加出来ないような

ギリシャが財政赤字を誤魔化してEUのメンバーになっていたのですから、

「ユーロ圏は信用出来ないな」と思われてしまう。そうすると、世界の他の国が

ユーロ圏の債券を買わなくなる。資金が調達できなくなるから、ますます財政赤字が膨らむ、

という悪循環になるのです。


◆南欧諸国の財政状況の悪さも明らかになりました。

ギリシャの財政赤字は、身から出たさびですね。

ギリシャの公務員は、全労働人口の20%以上に当たる100万人以上もいて、

公務員給与と年金が政府支出の40%にも及ぶというから無茶です。

因みに2010年にOECDが発表した2007年のデータによると、公務員人件費の対GDP比率は、

資料を提出した23ヶ国中、日本は最も低く6.2パーセント。人口1000人あたりの公務員の人数は、

日本は32人で、フランス、アメリカ、イギリスの半分以下。

国家公務員に限ると、なんと日本はフランスの10分の1です。


それはともかく、ギリシャ人のデモを見てると全然分かっていないですね。

ギリシャのソブリンリスク、国家としての信用が暴落したので、

ギリシャ国債に投資していた、他のヨーロッパ政府やヨーロッパやアメリカの金融機関が

大きな評価損を計上せざるを得ない状況です。全然ギリシャ人は分かっていないです。

全労働人口の5分の1にあたる公務員。彼らは5時間の昼休みを取ります。

年金支給額が現役の給与とほぼ、同水準。それを減らすと言ったら、デモですよ。


ギリシャだけならまだしも、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランドが

どうも、自力で財政再建不可能らしいということで、既に投資不適格の格付けになっている国もある。

問題は、特にイタリア、スペインには、同じユーロ圏のドイツ、フランスが多額の投資をしている。

従って、イタリア、スペインが極端な話、デフォルト(債務不履行)などおこしたら、

イタリア、スペインの国債は紙屑となり、両国の銀行などの株・債券の価格が暴落し、

フランス・ドイツを巻き込み、さらにその結果アメリカや日本の投資家も評価損を計上することに

なるかもしれない。

そういう漠然とした、しかし、十分あり得る事態が鮮明になってきたので、

11月30日には何と、日本銀行の白川総裁が夜の11時から記者会見を開き、

日本銀行、カナダ中銀、英国中銀、欧州中銀、フランス中銀、スイス中銀の総裁が相談して、

それぞれの国で外貨、とくにアメリカドルの流動性資金が不足しそうなときは、余っている国から

融通する「スワップ取極」という制度があるのですが、その時タダじゃないのですね。金利を取ったり

取られたりするのですが、その金利を下げることにした、と発表したのです。

これによって世界の主だった国や、その国の金融機関が資金繰り難に陥るのを防ぐ。

その意思をヨーロッパ時間に合わせて同時に発表することによって、マーケットに、

ひとまず、安心感を与えましたが、白川日銀総裁は、11月30日夜11時からの記者会見で、

これは、けっして欧州財政危機の根本的な解決にはならないのであって、

財政に問題を抱えるユーロ圏で、対策を考えて貰わないと、リーマン・ショックのような

ことになりかねない(これは、昨夜ではないと思いますが、そういう趣旨の発言はしています)、

と言っていました。


◆全く予断を許さない、きわどい状況です。

11月30日、6ヶ国中央銀行の意思表明の結果、12月1日には、

ひとまず安心感から株が買われましたが、あくまでも「ひとまず」です。

日本の中央銀行総裁が夜の11時から記者会見をして世界に安心感を与えなければならないほど、

きわどい状況なのか、ということが、私には、むしろショックでした。

相当、ヤバい。下手をすれば、リーマン・ショック以上ですね。

民間企業ではありませんから。今、問題になっているのは。

G7といって、世界経済の最も主要な7ヶ国のうち、フランス、イタリア、

場合によってはドイツまで、デフォルトするかも知れないというのは、

もしそうなったら・・・・ちょっと想像が付かないですね。

世界大金融恐慌とそれによる、ものすごい大不況の到来ということでしょうか。

そんなことで済むかな?というほどの問題が起きる可能性が現実にある。

一般の方々が考えておられるよりも事態は遙かに深刻です。

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2011.11.09

「監視委がオリンパスを本格調査、虚偽記載の疑いで=関係筋」←6年前に岩國哲人氏が警告してました。

◆記事:監視委がオリンパスを本格調査、虚偽記載の疑いで=関係筋(ロイター 11月8日(火)13時29分配信)

オリンパス<7733.T>が過去の損失計上を先送りしていたと発表したことに関連し、

金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、

証券取引等監視委員会が本格的な調査に乗り出すことがわかった。

関係筋が8日、明らかにした。監視委は、個別の事案へのコメントは控えるとしている。

複数の関係筋によると、オリンパスが設置した第三者委員会がまとめる調査結果なども踏まえ、

必要に応じて関係者に事情を聴くなどの調査を進める。悪質性が高いと判断すれば、

検察当局への刑事告発を検討する可能性もある。

監視委は夏ごろにはすでにこの問題に関心を寄せており、

金融商品取引法に照らして適切な対応がとられたかどうか、

開示面を軸に検証を進めていたことが明らかになっていた。

オリンパスは同日、不明朗な資金の流れが指摘されていた過去のM&A(買収・合併)に関し、

1990年代ごろから有価証券投資などの含み損を先送りし、

その穴埋めのために買収資金などを利用していたことが判明したと発表した。

森久志副社長執行役員が損失計上先送りに関わっていたとし、同日付けで副社長執行役員を解職した。


◆コメント:元衆議院議員、岩國哲人氏が危惧したとおりです。

オリンパス株式会社は東証一部上場企業です。

東証一部上場企業とは、財務的に信用がおける日本を代表する企業であり、

従って、その企業の株式は安心して取引出来る。

勿論、株式「相場」ですからあがったり下がったりしますが、

一定の基準を満たした、安定した企業の株だから

少なくともある日突然潰れて株券が紙屑同様になることはない、

と皆、思っているのです。だから東証一部上場企業とは一流企業の

代名詞、と長い間、誰もが何も疑いを抱かずにいました。


ところが、7年前。西武鉄道が飛んでもないことをしていたことが発覚しました。

◆記事:西武鉄道 上場廃止 来月17日付(2004年11月17日 読売新聞)

東京証券取引所は16日、西武鉄道の株式を12月17日付で上場廃止にすると発表した。

コクドなど大株主の持ち株比率を有価証券報告書に47年間にわたって虚偽記載し、

「投資家の市場に対する信頼を損ねた」(鶴島琢夫・東証社長)と判断した。

東証では、上場廃止基準のうち、

〈1〉虚偽記載を行い影響が重大

〈2〉公益・投資者保護のために廃止が必要――

の2点に該当すると説明している。

不適切な情報開示を理由とする上場廃止は極めて異例だ。

東証は、投資家に上場廃止決定を知らせるため、

現在、監理ポストに割り当てている西武鉄道株を11月17日に整理ポストに移し、

12月16日までは売買できるようにする。

その後は、同社株は東証を通じた取引ができなくなる。

上場廃止決定を受け、西武鉄道は同日、

新興企業向け市場ジャスダックに上場する準備に入ったと発表した。

また有価証券報告書への虚偽記載問題が相次いでいることを受け、

東証は、全上場企業に親会社の経営に関する情報を適時開示するよう

義務づけるなどの東証規則改正案も正式発表した。

経営トップに財務などに関する公表内容が正確であることを誓約させるほか、

上場廃止となる少数株主の持ち株比率を

現在の80%超から75%超まで下げることなども盛り込み、2005年1月をめどに改正する。

とんでもない話で、上場基準を満たさない株、違法は株が東京市場で取引されていたのです。

既に政界を引退してしまいましたが、私が僭越ながら何度も
「全ての国会議員のなかで最も優秀な人材」

と書いた、元・メリルリンチ(当時世界最大の証券会社)米国本社上級副社長で、

故郷の出雲市に乞われて、出雲市長になり、110の公約を1年で全て実行し、

その後、民主党衆議院議員に当選した、岩國哲人(いわくにてつんど)氏は

何しろ、証券のプロですから、事態を重く見て、当時の伊藤達也金融担当相に

国会で厳しく質問しました。


◆2005年2月7日衆議院予算委員会会議録より抜粋

その時の質疑応答です。

【引用開始】

○岩國委員 総務大臣、厚生大臣、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。

次に、西武鉄道の株式の問題について質問させていただきます。

西武鉄道の株式取引について、違反状態で長年取引が継続されておったということは大変残念なことであります。

こうした点について、金融庁としては、いつから違反状態が発生し、その結果として不測な損害をこうむった投資家は、投資金額はどれぐらいなのか、徹底的にこれは調査すべきじゃありませんか。

きょうも、この瞬間も、違反状態にある株式が東京証券取引所で取引されているんじゃありませんか。

そういう疑惑の中で、取引所の中で取引されているものには違反状態にあるものはないんだという潔白宣言がいつできるのか。どうぞお答えください。

○伊藤国務大臣 委員が御指摘をされた事例も含めまして、昨年の秋以来、不適切な事例が続いております。

私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、適切なディスクロージャーが極めて重要であると考えておりまして、

こうした観点から、国民のディスクロージャー制度に対する信頼を確保していくために、その対応策を昨年の十一月、そして十二月に公表をさせていただいたところでございます。

その中の対応策の一つ一つを強力に進めていくことが重要だというふうに考えておりまして、今、その違反状況を是正していくことが重要だというお話がございました。

この対応策の中でも、開示企業すべてに対して、有価証券報告書の正確性、これを自主的に点検をしていただきたい、その要請をさせていただいて、

すべての開示企業から報告をいただいたところでございます。


その報告の内容を私どもとして精査をして、そして適切なディスクロージャーをさらに進めていくための対応策というものをさらに進めていきたいと考えているところでございます。

○岩國委員 私がお伺いしているのは、潔白宣言がいつまでにできるというめどは全くないのかどうかということ。もう一度お答えください。

○伊藤国務大臣 今、答弁をさせていただきましたように、昨年の十一月、そして十二月に公表させていただいたこの対応策、その一つ一つを強力に推進していくことが重要だというふうに考えております。

先ほど来お話をさせていただいているように、まず開示企業の自主的な点検、これを要請させていただいたところでございますし、

また、各取引所においても、その上場のあり方について、これを見直していただくことを要請させていただいて、その要請を踏まえて見直しについて実施をされているところでございます。

そうしたさまざまな施策というものを展開しながら、委員から見ても、そして投資家から見ても、日本の証券市場の信頼性というものは間違いないものである、

そういうふうに信頼性というものを確保できるために、私どもとしても一生懸命努力を続けてまいりたいと考えております。

○岩國委員 私の質問に二度も答えていただけなかったということは、要するに、潔白宣言はきょう現在も出せないし、しばらくの間、疑惑の、違反株式の取引はきょうもあしたも続けられるということですね。

【引用終わり】

岩國議員は、西武鉄道と同じように、本来上場してはいけない株が、

発見されずに売買されているかも知れないのだから、

監督官庁である金融庁(証券取引等監視委員会は金融庁内の機構です)である金融庁が

上場している全ての企業の財務状態その他上場基準を満たしているかどうか、

調査するべきだ、といっているのに、金融相の答弁は唖然とする内容です。

役所が調べるのではなく、株を上場している企業に自分で有価証券報告書を

点検して、ウソ、偽りがないか報告せよ、と命じています、という趣旨でした。


この答弁のバカさ加減は、分かりますよね?

インチキしている企業が、金融庁に「粉飾決算してませんかー?」と尋ねられて

「ハーイ、ウチは、粉飾でーす」って言う訳がないでしょ?

それをしかし、当時の伊藤金融担当相は大真面目に答えて、

岩國哲人議員は、開いた口が塞がらなかったことでしょう。


岩國議員の懸念はやはり、現実化しました。東証一部上場、あのカネボウが

粉飾決算をしていたこと、それに、何と虚偽を指摘すべき会計監査法人、

中央青山という監査法人がインチキに加担していたのです。

粉飾決算を指南していたというのですから、もう眩暈がするほどひどい話でした。

カネボウは当然、上場廃止となり、2007年に会社は解散しました。

今もカネボウという化粧品が存在しますが、あれは「カネボウ」の商標権(ブランド)を引き継いだ

花王株式会社の子会社「株式会社カネボウ化粧品」という、旧カネボウとは別の企業の商品なのです。

日本最大の監査法人だった、中央青山監査法人も、粉飾の手助けをしていたので、

業務停止命令が出され、何処の企業も監査を頼まなくなりました。

このため、中央青山は他の3つの監査法人に監査業務を移管し、解体されました。


◆このような最悪の例が2回もあったのに、総点検していなかった金融庁。

西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載の後、岩國議員が懸念したとおり、

カネボウは違法に上場していました。

それから、また6年も経って、1990年頃からオリンパスがインチキをしていたことが

バレた、と言うわけです。

この他に、粉飾決算、有価証券報告書虚偽記載をしている会社は存在しない、

という証拠はどこにもありません。


こういうことが続くと、東京市場で取引されている株式全体が「怪しい」と

見なされてしまいます。日本人同士はなんとなくインチキ臭くても売買するかも知れませんが

海外投資家が、これに呆れて一斉に日本株を売りに出たら、東京市場は暴落します。

すると、それらの株に投資している投資家に大きな評価損が生じ、最悪それが原因で倒産します。

個人投資家も、勿論、インチキ株が新しく出たら、株券は紙屑になります。

悪夢のような負の連鎖となります。東証一部上場企業の信用が低下・消失したらおしまいです。


やはり、岩國議員の言うとおり、手間がかかっても当局が全部の株を点検するべきでした。

話が逸れますけれども、こういう指摘をした国会議員は岩國議員だけです。

私は2005年郵政民営化選挙のときに、お前はどの政党を支持するのか?と読者に訊かれたので、

岩國議員が党首にした民主党が出来たら、支持しますと答えました。

2005.09.04 「お前はどこの政党の誰を支持するのだ」とのお訊ねがありましたので(既に書いてるんですが)。

今さら書いても詮無いことながら、やはり民主党の最大の失敗は、岩國哲人氏を重用しなかったことです。

岩國さんが内閣総理大臣になっていたら、と思うと、残念です。

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