カテゴリー「菅直人政権批判」の記事

2011.11.15

「TPP決断「評価する」51%…読売世論調査」←分からないことを「評価」するな。

◆記事:TPP決断「評価する」51%…読売世論調査(読売新聞 11月14日(月)21時31分配信)

読売新聞社が12~13日に実施した全国世論調査(電話方式)で、

野田首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加方針を決めたことを

「評価する」は51%で、「評価しない」35%を上回った。

政府が貿易自由化に対応し、国内農業の競争力を強化する行動計画を決めたことについても、

「評価する」57%が「評価しない」24%より多かった。

交渉参加方針について支持政党別で見ると、民主支持層は「評価する」が66%に上り、

支持政党のない無党派層でも「評価する」45%が「評価しない」37%より多かった。

自民支持層では「評価する」45%と「評価しない」46%が並んでいる。

野田内閣の支持率は49%(前回55%)、不支持率は38%(同29%)だった。

首相が自らの政策や考えを国民に十分に説明していないと思う人は86%に達した。

首相はTPP交渉など主要政策について、より丁寧な説明が求められているようだ。


◆コメント:内容が分からないのに、何故「評価する」と言えるのか。

上の記事をボンヤリ読んでいると判らないが、

少しばかり、丁寧に読むと、如何に世論調査の結果が矛盾しているかすぐに分かる。

最後の部分を最初に持ってくるべきであったが、そうしないのは読売新聞の狡猾さだろう。

つまり、

首相が自らの政策や考えを国民に十分に説明していないと思う人は86%に達した。

ということは、読売新聞の世論調査に回答した人々の殆どは「TPPで何が起きるか」を

理解していない、と想像される。


農業だけを例にとっても、現在日本は国内農家の保護を目的に、

米には778パーセント、乳製品には360パーセントの高関税をかけているのに、

これらをいきなり撤廃したら、圧倒的に広大な農地を持つ、アメリカやオーストラリアからの

安い農産物にどのように対抗するのか。

農業だけではなく、TPP交渉は関税撤廃に加え、安全基準や越境サービスの活性化、

公共事業の開放など、21の分野で規制緩和や自由化を議論している。
「国益を守る」

を繰り返すが、守りようがないでしょ?

民主党は1年前に菅・元首相がノーテンキにTPP参加、と言ってしまったが、

何も研究していなかったのに、11月12日からAPEC、との日程が決まり、

急にアタフタと検討を始めたのである。

野田首相本人ですら、「全体として何が起きるのか」分かっていないまま、「交渉参加」と

表明してしまったと考えられ、その点だけでも私は「評価できない」。

日本のTPP交渉参加に対し、米通商代表部(USTR)のカーク代表は11日に

米国産牛肉の輸入規制撤廃、日本郵政への優遇措置見直しのほか、自動車市場の開放を

事前協議のテーマとして例示した。

ほら見ろ。BSEに感染している可能性が高く、不味い米国産牛が日本国内に出回るのだ。

保険分野で自由化の邪魔だから国民皆保険制度を撤廃しろと言われて「撤廃しません」とは言えないのである。

枚挙にいとまがない。とんでもない状況を首相も世論調査回答者も、到底理解していると思われない。

分からないことを「評価」するな。無責任だ。

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2011.08.23

「福島原発は廃炉にできない」(Newsweek日本版)←民主党代表選とどちらが大事な話でしょう?

◆記事:福島原発は廃炉にできない(Newsweek日本版 2011年08月18日(木)13時08分)

福島の一角で巨大な事故を起こした原発が不安を与え続けている。放射能の塊を早く取り除いてほしい──

というのは、避難民や周辺住民のみならず、日本全体に共通した願いだ。

汚染水を海に投棄したときに抗議した隣国や、地球の裏側なのに甲状腺の被曝対策として

安定ヨウ素剤を買いあさった国があったことを考えれば、世界全体の願いと言ってもいい。

しかし放射性物質を外界に大量に放出した東京電力福島第一原発は、事故から4カ月を経た今になっても、

撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。

にもかかわらず、東電や政府関係者は確かな根拠があるとも思えない発言を続けている。

政府と東電は先週末、当初の目標としてきた「原子炉の安定的な冷却」に到達したという見解をまとめた。

菅直人首相は原発周辺の市町村長らに対し、来年1月の予定だった核燃料の熱を100度以下に安定させる冷温停止を

「前倒しで実現できるよう頑張りたい」と語った。

だが、冷却のために汚染水を浄化して循環させる「循環注水冷却」は6月末のスタートからトラブル続き。

先週も循環する水の量が低下するトラブルでシステムを一時停止した。

核燃料棒が溶けて塊になったり炉外へ溶け出していた場合、

冷温停止が困難を極めることは、多くの専門家の一致した意見だ。

燃料に水を行き渡らせ、効率的に冷やすことが難しいからだ。



福島原発の最終的解決は、すべての元凶である核燃料と放射性物質を取り除き、

原発を解体撤去する廃炉の実現にある。だが、それが実現するのはいつなのか。

政府は内閣府原子力委員会の中に廃炉検討チームを設置する方針だ。

廃炉に向けた政府と東電の中長期の工程表も近く明らかにされるだろう。

だが政府と東電は事故以来、事態が収束に向かっているように見せることにひたすらエネルギーを注いできた。

メルトダウン(炉心溶融)はおろか、それより深刻なメルトスルー(溶融貫通)が起きていたことも、

3カ月たってやっと認めたほどだ。

公表される廃炉スケジュールが「最悪の事態」を踏まえたものになるとは考えにくい。

前例のない事故を起こした福島第一原発には、今から廃炉に至るまでの過程にどんな専門家も

答えを知らない技術的難題が山積している。

廃炉には、事故を起こさなかった普通の原子炉でも30年程度の時間がかかる。

原子力委員会は福島の廃炉に要する時間を「数十年」と評しているが、

この「数十年」は限りなく100年に近い、

あるいは100年以上と考えたほうがいいかもしれない。



【建設より厄介な廃棄作業】

福島第一は破壊の程度がひどいため、事故処理にはほぼ永遠と言っていい時間がかかるだろうと、

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は言う。

チェルノブイリ原発の石棺のように巨大な構造物で建屋を覆った上、

作業員の被曝を避け、放射性物質が外に漏れ出さないよう監視しながらの作業が必要だ。

「いま生きている日本人は誰一人、その終わりを見ることはないのではないか」

と、小出は言う。

福島第一は廃炉にもできず、放射能を閉じ込めた「悲劇のモニュメント」として半永久的に残る

──その可能性すら、政府や東電はまだ認めていない。


そもそも廃炉は原発から使用済み燃料を取り出し、構造物を解体撤去して更地に戻す廃棄作業だ。

原発を造るより長い時間と労力と巨額の費用が掛かる。

6月に国民投票で脱原発を決めたイタリアでは、

90年に停止が決まった福島と同じ型のカオルソ原発など4基の廃炉に取り組んでいる。

作業は2020年頃に完了する予定で、その費用は約7000億円に上る。

福島の場合、コストはその何倍にも膨らむはずだ。

廃炉は、これを請け負う原子力業界にとってはビジネスチャンスだ。

世界的な脱原発の流れも受けて、今後大きな市場になるとみられている。

「だが、福島だけは誰も手を出したがらないだろう」と、コンサルティング会社

ブーズ・アンド・カンパニーでエネルギー問題を担当するパウル・デュールローは言う。

「爆発した原発の廃炉が技術的に可能なのかどうかも分からない」

廃炉で最も重要なのは、核燃料を取り出すことと、

高濃度から低濃度まで放射能に汚染された廃棄物を処理することだ。

原発が冷温停止した後、放射線レベルが下がるのを何年も待ち、

低濃度のものから徐々に解体して最後に原子炉を撤去する。

その際、染み付いた放射性物質を分離・分類し、不純物を取り除いた上、

種類別にまとめて密閉容器に閉じ込めなければならない。

放射能を周囲に広げないための、原子レベルの超ハイテク技術だ。



だが爆発した原発の廃炉は、これまで誰も経験がない。

86年に爆発したチェルノブイリは廃炉にできず、今も放射能レベルが下がるのを待ち続けている。

設置から40年を経てコンクリートが浸食され、石棺はもはやボロボロの状態だ。

【日本版チェルノブイリに】

普通に運転停止した原発であれば燃料棒を束ねた燃料集合体を取り出せば済むし、

周囲の汚染も大したことはないと、かつて東芝で

原子炉格納容器の設計をしていた後藤政志は言う。

だが福島第一の場合は、大量の放射性物質が格納容器の外に漏れ出て、

建屋内部が放射能まみれになった。

「もはや普通の廃炉という概念は当てはまらない」と、後藤は言う。

燃料集合体は溶けてチーズのようになり、どこに流れ出したかも分からない。

周囲は壁まで放射能が染み付いている。

この状態からどうやって放射性物質を取り出すのか、もはや誰にも分からない。


物理的な障害も少なくない。

炉のふたに据え付けられている開閉用のクレーンは既に吹き飛び、

金属製のふたそのものも熱で変形していると考えられている。

ふたを開けるためだけに、専用クレーンを一から開発しなければならない。

「福島は廃炉にできない」と、後藤は言う。英科学誌ネイチャーは先週、

専門家の見解に基づく記事で、

数十年から場合によっては100年かかるとの見方を示した。

損傷した燃料を含めて原子炉内の放射性物質の除去に

長い時間がかかることなどがその理由だ。

記事は、放射能汚染の除去作業が2065年まで続く

チェルノブイリと似た状況になるだろうと指摘している。

福島第一原発の危機は、まだ現在進行形である可能性もある。

メルトスルーしたウラン溶融体が、地下深くに潜っていって

地下水を汚染する危険性を京大の小出は警告し続けている。

逆に炉心のすべてが崩壊していない場合は、

これからさらにメルトダウンが発生して

水蒸気爆発が起きる可能性もまだ否定し切れないという。

いずれの場合でも、今とは桁違いの放射能汚染が広がることになる。

廃炉もますます遠のくだろう。

事故の終わりは当面期待できず、待っているのは巨大廃棄物との果てしない戦いだけかもしれない。

汚染された原発周辺の土壌を完全に元に戻す技術も、人類は持ち合わせていない。

どれだけ巨大なふたで覆ったとしても、

「悲劇のモニュメント」は今後数代にわたって日本人を脅かし続ける。


◆コメント:状況は絶望的でも、真実を伝えるのがメディアの使命だ。

このニューズウィーク日本版の記事を書いたのは、日本人記者です。

この記事を読んで、暗澹たる気持になるのは事実ですが、私は知らないよりはいい、

と思いました。

日本政府も、東電も、本当は取材してニューズウィークと同程度のことは把握している

(もしかして、把握していない?)日本のマス・メディアは、情報を正しく国民に伝達していない

ということ自体が「不作為の罪」だと思います。


この記事が報じていることが、正確であるとすれば、単に福島原発を廃炉に出来るか

否か、という問題ではなくて、極端にいうと、このまま、この国に住んでいてよいのか?

という話になると思います。


◆このまま、日本に住んでいていいのか、という問題だと思います。

あまりにも問題が深刻すぎて、眩暈がするほどです。

しかし、ニューズウィーク日本版の記事を信じるならば、

最悪の場合、メルト・スルーして、地面をどんどん沈降していく核燃料が、

地下水を汚染し始めたら、直接核燃料が、地下水に触れるのですから、

猛烈な汚染が、拡がるはずです。日本中の地下水脈が全部繋がっているのかどうか分かりませんが

最悪の状況を想定するならば(それが危機管理の基本です)、やがて日本中の地下水、土壌は、

猛烈な放射能で汚染され、長期的には、ガンの発症者が増えることでしょう。

最早、日本で獲れた、農作物も畜産品も、魚介類も汚染されると考えるべきでしょう


私はもう、半世紀以上生きましたし、今まで、日本の原子力政策に全く関心を持たなかった。

そのために選挙における投票行動により、、原子力を推進する政党に政権を取らせていた、という

ことになり、議会制民主主義の原理から考えて、今の状況を招いた責任があります。

原子炉が日本中に54基も建つのを、傍観していた、ここ半世紀の全有権者に、

その責任があります。

だから、私は被曝しても、自業自得ですが、この間、投票権の無かった子供には責任は無い

のですから、若い世代は守る責任がある。


先日亡くなった、小松左京氏の代表作、「日本沈没」は、日本列島が火山活動の極端な

活発化により、「物理的に消滅する」という話です。

そのことが、避けられない現実であることが分かり、日本政府は

最も有能な外交官を世界の主な国に派遣して、全日本人を移住させるべく

「難民」として受け入れて欲しい」と依頼して飛び回る、という場面があります。

福島原発事故で、日本列島が物理的に消滅することは無くても、人が住めなくなる

可能性を考慮すると、実は、悪夢の用ですが、「日本沈没」と同じ事を考えなければ

ならないのでは無いかとおもいます。放射線を無効化する技術を人類が発見しない限り

論理的に、そういう結論になると思うのです。


◆日本国存亡の危機より「民主党代表選」が大切な馬鹿ども。

メディアのトップニュースは、リビアのカダフィ大佐がいよいよ追い詰められているという

話と、民主党代表選に、前原前代表が出馬する、と言う話が「ニュース速報」で表示されます。


あまりのくだらなさに、またまた眩暈がします。民主党も政界全体も、メディアも馬鹿です。

民主党の代表が誰になっても、放射線を無効化することは出来ません。

福島原発の状況は変わらないし、責めて復興支援をもう少し速くとか言いたいですが、

あの民主党の連中の顔を見ていると、

東日本大震災があったことを覚えてますか?

と、訊ねたくなります。

本音では多分、あの連中、被災地や福島原発の現状など、

「どうでもいいこと」なのでしょう。

あいつらにとって、一番大事なのは、次の衆院選で何とかもう一度当選して、

今と同じ、美味しい思いを享受することなのです。

代表を誰にするのか、に関してひじょうに真剣なのは、

現状、とにかく何事もすべて「菅直人が悪い」というような滑稽な世論になっている。

菅直人が代表のままでは、民主党員である、と言うだけで多分選挙で落選するから、

せめて、ダメージを最小限に食い止めたい、と、それしか考えていないからです。


いくら言っても無駄でしょうが、そんなことより、今、この瞬間も放射性物質を撒き散らしている

福島原発の核燃料をどうするか、にかんして、政党なんかどうでもいいから、専門家を呼んで、

ありとあらゆる世界中の専門家の意見を聞いて、国権の最高機関としての役割を果たして欲しい。

どうしようも無い、という結論ならば、真面目に、前段に書いた、全日本人移住大作戦を

考えるしか、方法はないのではないでしょうか。

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2011.08.04

福島第一原発の「10シーベルト」に、不気味なほど無反応な日本(人)。

◆「10シーベルト」の扱われ方の軽さ。

専ら小出裕章京都大学原子炉実験所助教の著書と発言を参考にしている。

一般人の一年間の被曝量の限度は、1ミリシーベルト(0.001シーベルト)が

限度と言われている。小出助教のような原子力の専門家は

年間20ミリシーベルト(0.020シーベルト)まで、ということになっているが、

原子力に関わる人の身体が一般人よりも、被曝の影響を受けにくい、特別な

構造をしている筈も無く、ただ、「便宜上」、そう言うことになっている。

しかし、小出助教は、「原発のウソ」その他の著作で

繰り返し説明しておられるが「安全な被曝量」は存在しないということである。(「原発のウソ」69ページ)。

アメリカ科学アカデミーの中に放射線の影響を検討する委員会

(BEIR=Advisory Committee on the Biological Effect of Ionizing Radiations=電離放射線の生体影響に関する諮問委員会)

があって、それが、2005年に7番目の報告を出しました。

その結論部分にはこう書いてあります。
利用出来る生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、

委員会は以下の結論に達した。被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、

しきい値はない。最小限の被曝であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある。

こうした仮定は「直線、しきい値なしモデル」と呼ばれる。

「しきい値」(閾値)というのは、症状が出始める最低限の被曝量のことです。

つまり、「この量以下の被曝なら安全ですよ」という値です。低レベルの被曝は人体に

害がないという考え方は、この「しきい値」が存在するという前提で成り立っています。

しかし、BEIR報告が結論づけているように、そんなものは存在しません。

低線量の放射線でも必ず何らかの影響がでるし、そしてそれは存在しつづけます。

どんなに少ない被曝量であってもそれに比例した影響が出る。このような見方を、

「直線、しきい値なし」(LNT=Linear Non-Threshold)モデルと呼びます

要するに、小出助教は、被曝というのは、本来全くあってはならないのである、

ということです。年間1ミリシーベルトが日本の大人の年間被曝量の上限で、

これは、1万人に1人がガンで死ぬ確率がある、という数字です。

福島原発の作業員は「緊急時の作業員」で被曝限度量が100ミリシーベルトだったのに、

250→500→1000ミリシーベルト(1シーベルト)にしようというのが国の方針で

それだけでも、怒り心頭なのに、1時間で10シーベルトが計測された。というのは、

多分小出助教にとっては気絶するくらいひどい数字でしょう。

それぐらい、とんでもない状態なのに、その状況のひどさを伝えようとしているメディアは

毎日放送の「たね蒔きジャーナル」だけで、国民ものほほんとしている。

怖いことからめを逸らしたいのは、人情かも知れませんが、

多くの一般市民は、何にも論理的に関係ないけれども、

節電していれば、放射能は国が何とかするんじゃない?

という程度にしか考えていないように見受けられます。

私は、それは、正しくない、と思います。

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2011.07.22

「原発、当面維持=集団的自衛権行使を明記-自民報告書」←どさくさ紛れに憲法改正の話なんかするな。

◆記事:原発、当面維持=集団的自衛権行使を明記-自民報告書(時事通信 7月20日(水)11時9分配信)

自民党の国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)は20日午前、

今後の中長期的な政策立案の柱となる報告書を発表した。

既存の原発を当面稼働させつつ、太陽光など再生可能エネルギーの普及を進める方針を明記。

安全保障では、政府が憲法解釈で禁じている集団的自衛権の行使を「認める」ことを打ち出した。

報告書は、今後のエネルギー政策について「再生可能エネルギーが新たな柱になる。

しかし、直ちに原子力による発電量分をカバーすることは極めて難しい」と指摘。

当面の危機対応として

(1)節電などの推進

(2)安全対策を強化した上で既存原発の稼働維持

(3)火力発電などの増強

(4)再生可能エネルギーの普及促進―を掲げた。

集団的自衛権に関し、「公海における米艦防護、弾道ミサイル防衛を可能とする」と明記し、

行使の範囲を法律で規定するとした。

また非核三原則については「陸上への核配備は認めないが、核兵器を積んだ艦船の寄港などについては容認する

『非核二・五原則』への転換を図る」と強調した。

社会保障に充てるため、消費税率の当面10%への引き上げも盛り込んだ。


◆コメント:どうして原発維持と「集団的自衛権」が同時に出てくるのだ?

危ないと思ったのです。

先月、原発や菅総理辞めろ、辞めない。節電をどうするとかでゴタゴタしているときに、

国民の大多数は知らないと思うのですけど、日米の外務、国防担当大臣らは、

非常に重大な確認文書を取り交わしてます。


西日本新聞の7月4日付社説。

ミサイル防衛(MD)で日米が共同開発した海上配備型迎撃ミサイルを米国が第三国に移転(輸出)する場合、日本はそれを容認する。

先月、ワシントンで開かれた日米の外務、防衛担当相による安全保障協議委員会(2プラス2)で、両国政府はそんな確認文書も取り交わした。

沖縄の米軍普天間飛行場移設問題や、対中国を意識した日米の「共通戦略目標」確認の陰に隠れたかたちで、大きく報道はされなかった。

しかし、米国との共同開発であっても日本が開発・製造に携わった迎撃ミサイルの輸出の容認である。「武器輸出はしない」ことを原則としてきた日本の安全保障政策の大きな転換を意味する。

同盟国・米国による第三国への供与とはいえ、日本が平和国家の証しとして、長く掲げてきた「武器輸出三原則」を空洞化させるものだ。

武器輸出三原則は、非核三原則とともに日本の平和外交を支えてきた理念であり、外交・安全保障の根幹をなしてきた政策でもある。憲法の平和主義に基づく「国是」と言っていい。

無論、安全保障政策を国際情勢の変化を考慮して修正することは必要であり、適切に見直すのは政治の役割である。しかし、国の根幹をなす政策を転換する決定には、国民への丁寧な説明と国会での十分な議論が不可欠だ。

それを後回しにして、米国が求めるミサイルの第三国への輸出を容認した民主党政権の外交には、危うさを感じる。

輸出の容認は「日本の安全保障や国際平和と世界の安定に資する」場合で、なおかつ「第三国が輸入したミサイルの他国移転を防ぐ手だてを有している」場合に限る、という条件は付けている。

5年前には、共同開発ミサイルを「日本の事前同意なしに第三国には供与しない」とする交換公文(確認文書)も日米間で取り交わしている。

しかし、これらの約束が厳格に守られる保証はない。約束や条件は日本の要請に米政府が応じたものではあるが、国際情勢が動けば、米側がなし崩し的に輸出を拡大する恐れがつきまとう。

当面は欧州の同盟国ミサイル防衛網への配備が想定されている。だが、米側から新たな供与要請があった場合、日本政府はそれを拒否できるのか。歴代政権の対米姿勢を見る限り、怪しい。

イスラエルや台湾など、日本のアラブ政策や対中政策に影響を及ぼす国や地域に輸出されることはないのか。

「三原則」の例外としてきた対米武器技術供与を、さらに進めて共同開発兵器の第三国輸出まで解禁するというのなら、輸出先の基準や日本側の拒否権を明文化するなど、政府は厳格な「歯止め」を求めるべきである。

米国の要請に応じるだけなら、菅直人政権は武器輸出に道を開いた政権として、戦後史に名を刻むことになる。

冒頭に転載した7月20日付の時事通信の記事によれば、

今は野党だが自民党は、憲法を改正し、集団的自衛権の行使を可能にしようとしていて、

また、非核三原則も一部改変(改悪)するつもりなのです。


現与党の民主党も、西日本新聞がよくぞ取りあげてくれたと思うけど、

非核三原則を実質改変するような確認文書なんて冗談じゃ無いですよ。

被災地では、がれきが場所によってはまだ3割しか片付いていなかったり、

津波で打ち上げられた魚の死骸の腐敗臭がものすごかったり、

それらにたかった巨大なハエが大量に飛んでいて、不潔なことこの上ないし、

避難所から仮設住宅に移ったお年寄りが孤独死していたという類の話には枚挙に暇がない。


そして、福島原発。工程表第一ステップほぼ予定通り達成。「核燃料冷却安定しつつある」

なんて、ウソですよ。

福島原発1号機は、圧力容器にも、その外側の格納容器にも底に穴があいて、核燃料は

原子炉建屋の床のコンクリートも溶かして、地面にめり込んでるんですよ?

ほっとくとどんどん地面を下がっていって地下水脈に達したら、地下水が汚染されて、

繋がっているところ、どんな遠くでも汚染されるかも知れないのですよ。


だから、小出裕章京都大学原子炉実験所助教は、地下に巨大な板を入れて、囲いを作り

放射性物質が、一定の範囲から地下水を通って外に拡がらないようにしろ、と、5月から

言ってるのですが、政府は、その計画はあるけれど、「早ければ秋にも工事に着工」だと

言っているのです。日本中の土壌が放射性物質で汚染されるかどうかというときに、

民主党も自民党も他のこと、しかも、地震や原発事故が起きていないとしても、

非核三原則の変更とか集団的自衛権の行使を認めるとか憲法改正の話じゃないですか。

どうしてそんな話をする必要があるのですか。


国民の関心が被災地や福島第一原発や、節電計画に向いている間にどさくさ紛れに

いろいろ既成事実化してしまおうと。

このように、いろいろ国が落ちついていないときなら、国民もどうでも良くて、

案外簡単に憲法改正が出来てしまうのではないか、と考えているように見えて

仕方がありません。日本国民の様子をみた、アメリカの方から話を持ちかけて

きたのかも知れませんが、


現在のように、日本国が極めて異例な状況にあり、混乱しているときに、

日本国の最高法規に関する重大な話をアメリカとこっそり行うなど、姑息です。

とんでもないことです。絶対に認められません。

大メディアは、何故大きく報道しないのでしょうか。

この他、同じどさくさ紛れで、一旦断念した「共謀罪」の法案を持ち出すかも知れませんし、

ほら。旧社会保険庁の宙に浮いた年金の話なんかまったくわからないじゃないですか。

これもどさくさ紛れに、「すいません、やはり全件突合は無理です」とか言いそうです。


私も含めて、こういうのは政治面のベタ記事で載ることが多いですが、

注意していないといけません。狡い連中ですからね。政治家は。

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2011.07.14

「東電、余力あれば西日本融通」←ほら、騙された。

◆記事:東電、余力あれば西日本融通」(時事通信 7月12日(火)21時1分配信)

東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は12日の会見で、

夏の電力需給に関連し「その日の電力の需給状況で余力がある場合、

西日本の電力会社から融通の要請があれば、余力の範囲で要望に応えたい」と述べた。

定期検査中の原発再稼働の道筋が不透明となる中、

全国的に懸念される電力不足の回避に向け、東電としても可能な限り対応したいとの考えを示した形。

ただ、松本本部長代理は「当社の需給バランスが非常に厳しい状況に変わりはない」と強調。

また、細野豪志原発事故担当相は「東電管内での安定供給維持が大前提だ」と指摘した。


◆コメント:東電はまず、電力の安定供給義務を履行する義務があります。

先週書いた記事、

【日本版コラム】電力使用制限令発動―「電力不足」の不可解←「電力不足のウソ」に関する最も優れたコラムです。

で引用した、尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授の文章に次のような件がある。
電力は特殊な業界だ。民間企業でありながら、エネルギー供給という公益を実現することが事業目的なので、競争が制限されている。実質的な地域独占が認められており、独占禁止法の適用除外である。

電力会社は競争制限と引き換えに、電力の安定供給義務が課せられている。電気事業法18条により、電力会社は正当な理由がなければ、電力の供給を拒んではならない。日本の電力料金はイタリアを除けば先進国で最も割高だが、日本は供給信頼度が高く、したがって、料金も高いという説明がされてきた。東電によると、同社管内の1軒あたり年間停電時間は平均4分だが、米国は20倍以上の90~100分である。日本は「電力の質」が良いから電気料金が高くてもやむを得ないと納得していたが、震災後、電力の安定供給は困難になった。いつ停電が起きるか分からず、かつお金を払っても自由に使うことができない「質が低い電気」に変われば、本来、値段が下がるのが当然である。

しかし、現状は逆で、電気料金は値上がりする方向だ。発電コストが低い原発が止まって、コストが高い火力発電の比率が増えているため、料金は上がる、という説明がされている。確かに、電力会社は、設備や燃料などのコストに一定の利潤を上乗せして電気料金を決める「総括原価方式」が電気事業法で認められている。しかし、法の趣旨は電力会社の経営安定化であり、コスト増による安易な値上げが認められているわけではない。そうであれば、電力会社は、コスト削減や安定供給継続のために最大限の努力が必要である。そのような努力は十分に行われているのだろうか。それが不透明なままでは、ユーザーは値上げと電力使用制限をいつまでも受け入れることはできない。

誠にご尤も。


冒頭に転載した時事通信の記事は12日(火)の夜に配信され、気がつく人が少なかったのであろうか。

あまりにも世間が平穏なので、却って不気味なほどである。

要するに東京電力は、
客(利用者)に電気が足りないから節電に協力してくれ、と頼んだら、予想以上の効果があり、電気が余りそうだから、西日本で欲しい電力会社に売ってあげましょうか?

というのである。

それほど、余裕があるならば、関西に融通する前に、まず、

尾関氏が強調する「電力の安定供給義務」を東京電力管内の電気利用者に対して、履行すべきである。

われわれは、「もう、節電はしなくて良い」という通知は東京電力から受けていない。

節電を強要されて、不便なのだから、料金は下がるはずなのに、5ヶ月連続で値上げしている。
◆記事:電気・ガス8月料金 5カ月連続で全社が値上げ(フジサンケイ ビジネスアイ 6月30日(木)8時15分配信)

全国の電力10社と都市ガス大手4社は29日、石油や天然ガスの価格高騰を受け、それぞれ8月の電気料金を7月に比べて値上げすると発表した。全社が一斉に料金を引き上げるのは5カ月連続となる。

電力10社の引き上げ幅は、標準家庭1世帯当たりで48~117円。東京電力は前月比で99円値上げし6683円、関西電力は51円値上げし6622円となる。

北海道電力と沖縄電力の値上げ幅はそれぞれ70円と117円で、上げ幅は燃料価格の変動を自動的に料金に反映する燃料費調整制度が現行方式となった2009年5月以降では最大。

8月の料金の算定基準となる3~5月の燃料の輸入平均価格が7月分(2~4月)と比べて、石油で6.9%、液化天然ガス(LNG)で3.6%、石炭で3.4%値上がりした。

一方、大手都市ガス4社の引き上げ幅は44~54円。東京ガスは前月比54円値上げし5209円、大阪ガスは53円値上げし5766円となる。

これでも、なお、真面目に節電を続ける日本人は、真面目なのかアホなのか。

私は5月に、東電の「電力が不足する」というのは、ウソだ、と書いた。
2011.05.16 夏の「電力不足」はウソです。

私には、「だから、書いたでしょう」という権利が、あると思う。

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2011.07.12

「<原発>2段階で安全評価…「1次」で再開判断 政府見解」←第三者が評価しなければ意味が無いでしょ?

◆記事:<原発>2段階で安全評価…「1次」で再開判断 政府見解(毎日新聞 7月11日(月)11時35分配信)

政府は11日午前、原発の安全性確認に関する統一見解を発表した。

定期検査で運転停止中の原発については設計上の想定を超える地震や津波などに

どの程度耐えられるかを比較的短期間で確認する「1次評価」で再稼働の可否を判断。

そのうえで、運転中も含むすべての原発を対象に、新たな基準に基づき、

「2次評価」によって運転を継続するかを判断する2段階方式とした。

再稼働の検査はこれまで経済産業省原子力安全・保安院が行ってきたが、

首相は内閣府の原子力安全委員会も関与するよう指示。新たな安全性の確認作業は

(1)安全委員会も関与して保安院が評価項目・評価実施計画を作成

(2)電力事業者が安全評価を実施(3)その結果を保安院と安全委員会がダブルチェック--

という手順で行う。


◆コメント:Howでなくて、まずWhoが問題なんですよ。

このニュースを読んだ時、久しぶりに「呆れてものが言えない」状態に陥った。


原発の安全性をチェックして、再稼働するかどうかを、再稼働したくて仕方が無い政府自身が

実行したら、結果発表を待つまでも無く、

「テストの結果、安全でした。原発の稼働を再開します」

ということになるに、決まってるでしょ?国民をバカにするのもいい加減にしなさいよ。


「どのように」安全評価するのか、手順を発表したが政府統一見解って、

政府は早く、原発の運転を再開したくて仕方が無いことは、日本人なら誰でも知っている。

行政府=内閣直轄の内閣府の「御用委員会」である「原子力安全委員会」と、

経産相の下部組織である、原子力安全・保安院がが安全性チェックリストを作り、

電力事業者(電力会社)が安全性確認を実施し、

その結果を、原子力安全委員会と原子力安全・保安院がチェック。


ダブルチェックもへったくれも無い。

どう間違っても、「現存する日本の原子力発電所は危険です」という結論を出す筈が無い。


安全性の確認をするならば、ポイントは「どのように」ではなくて、「誰が」行うか?である。

原発の利権構造とは無縁の第三者が評価を下さない限り、何の意味もない。

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2011.07.11

「原発ストレステスト」の無意味。

◆記事1:原発のストレステストについて、東京工業大・澤田哲生助教に聞きました。(フジテレビ系(FNN) 7月10日(日)19時25分配信)

突然、菅首相から飛び出した原発のストレステストについて、東京工業大学原子炉工学研究所、澤田哲生助教に聞きました。

(原発のストレステストとは、どういったことをやる?)

EU(ヨーロッパ連合)が発表したストレステストの内容は、

「何らかのトラブルにより電源を喪失したとき」、

「冷却機能を喪失したとき」、そして、

「電源と冷却機能の両方を喪失したとき」の3つの場合について、

最悪の事態になるまで、どのくらいの時間的余裕があるのか、

また、追加の対応策は考えられているのかを検証する内容となっている。


(政府は、このストレステストを原発再稼働の条件とする動きのようだが?)

EUでは、ストレステストは、原発の稼働に必要な、安全性を確認するテストではありません。

安全性を確保したうえで、どこまで余裕があるか、上積み部分ですね、これを確認するものなわけです。


◆記事2:7月6日 ストレステストと菜の花プロジェクトが結局ダメな理由 小出裕章(MBS) ? 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ

小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ

20110706 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章





◆記事3:原発再稼働へ安全評価2段階案 見えぬ首相の出方 (日経 7月11日)

原子力発電所のストレステスト(耐性調査)を巡る政府内調整が11日、最終局面を迎える。

枝野幸男官房長官ら3閣僚は九州電力玄海原発など定期点検を終えた原発から

テストを2段階ではじめ、一部を再稼働の前提条件にする方向で一致済み。

だが「脱原発」に退陣包囲網からの活路を見い出そうする菅直人首相が

安全確保を盾に難色を示す可能性が残っており、

11日の政府統一見解公表はまだ確定していない。

枝野長官、海江田万里経済産業相、細野豪志原発事故担当相の3閣僚は

(1)第1段階で津波や地震にどこまで耐えられるかを測るテストを定期検査で停止中の原発からはじめる

(2)第2段階では半年かけて検査する欧州連合(EU)を参考にした総合的な安全評価も実施する――

ことで一致済み。


◆コメント:原発の強度試験など、コンピューターのシミューレーションに過ぎない。

過去にも、同じ事を書いたが、繰り返す。

本来、「原発のストレステスト」とは「強度試験」であるべきだが、

EUが発表したストレステスト(それを日本でも採用しようとしている)の内容は

強度試験でも安全性の確認でもなく、「トラブルが発生してから最悪の事態になるまでに

どれぐらいの時間がかかるか」を確認するためのものである。

記事3によれば、政府は

第1段階で津波や地震にどこまで耐えられるかを測るテストを定期検査で停止中の原発からはじめる

とのことだが、記事2に音声で小出助教が述べているとおり、
小出:ストレステストというのをやると言ってるのですね。でもそれは多分、私は初めてそのストレステストという言葉を聞いたのですが、多分出来ることはコンピューターのシミュレーションです。ただコンピューターのシミュレーションなんてことは要するに想定してインプットしないことはもちろんなにもしないわけですし、要するにもともと想定外のことは想定外になってしまうのですから、まあ私から見ればやる価値もないようなものだと思います。で結局まあ安全委員会、安全保安院のですね、まあやりたいようにやって結局は安全でしたという結論を出すんだろうなと、今までの流れを見てると私にはそう思います。

ということで、政府が原発存続を前提としている以上、ストレステストは単なる国民向け「ポーズ」であり、

各原発の各原子炉の強度は、実際に地震が起きたとき、しかも最悪の状況を想定するならば、

東日本大震災よりもさらに過酷な、例えば各原発の真下に震源があり、地震の強さがM9レベルだ

というような極端な状況を想定し、実際にそのような物理的な力を加えても壊れない、ということが

確認出来れば良いが、人工的にそのような地震を発生させたり、あるいは他の方法によって、同じ程度の

物理的なエネルギーを発生させることは出来ないし、

仮にそれが出来たとしても、もしもそのストレステスト自体によって原子炉が損壊したら、

放射性物質を無効化することはできないのだから、次々に福島原発と同じように、放射性物質を環境に

撒き散らすもの、を作ってしまうことになり、そうなったら、日本はおしまいである。


要するに原理的にも、論理的にも原発の本当の意味でのストレステスト(強度試験)など出来ないのだから、

ポーズで行った試験結果で「はい、原発のテストをしました。全部安全でした」と、国が言っても(言うに決まっている)

それを信じることは到底出来ない。

全く思いつきの言葉ばかり口にする内閣だが、ストレステストをしようがしまいが、

停止中の原発ですら、今、直下型地震が発生して原子炉圧力容器が発生したら、その瞬間から、

現在の福島原発と同じ事になるのだから、ただちに全ての原子炉を廃炉にする(20年かかる)べきである。

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2011.07.10

【参議院会議録】平成23年05月23日 行政監視委員会 小出裕章参考人の発言。漸く会議録に載りました。

◆はじめに:実際の音声を観ることが出来ますが、国会の公式の記録に載ったことが大切です。

恥ずかしながら、私は、311の後、福島原発の事故が起きるまで、

小出裕章京都大学原子炉実験所助教が、原子力を専門に研究する学者でありながら、

1970年から、原子力は大変危険なものであり、原子力発電を推進するべきでは無い、と

何と、40年間、一貫して主張していたことを知りませんでした。

ビデオニュース・ドットコム インターネット放送局が311の後、

ほとんど毎週、小出助教に電話でインタビューをして、

福島原発では何が起きたのか(起きたと推定されるのか)。

そしてそれは、如何なる危険をもたらすのか、について小出助教が答えるのを拝聴し、

信じることができるのは、この先生だけだ、と直感しました

(私自身には原子力に関する知識はないのですから、今までの人生経験から、

「この先生は信頼出来る」と感ずる自分の勘を信じるしか、方法がありません)。


福島原発の事故の深刻さが明らかになってから、小出助教が予想したとおり、

事態は悪化する一方です。


経産相はストレステストとかアホなことを言い、

また、九電のやらせメールからも、国家は原発を存続させたがっていることは明らかですが

福島原発事故の悲惨さを目の当たりにして、まだ、利権のしがらみだか何だかしりませんが、

原発を残そうというのは、最早、知能に問題があるのではないか、とすら思います。

しかし、この国家にも良心のかけらは残っているようです。

5月23日、参議院 行政監視委員会は参考人として小出裕章京都大学原子炉実験所助教を招致しました。

小出助教は、容赦なく、この国の原子力行政を批判しています。

そして、それが漸く参議院会議録に正式に記録されたのです。


尤も、5月23日、NHKは衆議院予算委員会を生中継していましたが、

本当は、この小出助教の発言こそ、全国のテレビに映るべきでした。

小出助教の肉声は

2011年5月23日 参議院行政監視委員会に於ける、小出裕章参考人の発言(音声ファイル)。: JIROの独断的日記ココログ版

でお聴き頂けます。これが一番、改竄されている可能性が小さい

(都合の悪いところがカットされている恐れはあります。)のですが、

音声は、聴いたときにその内容は理解できても、すぐに忘れてしまう。

当たり前ですが、参議院会議録に記録されているのは文字ですから、

自分が理解可能な速度で発言内容を知ることが出来ます。

だから、今度は参議院会議録をそのまま転載します。


◆第177回国会 参議院 行政監視委員会 会議録 平成23年5月23日 より。

冒頭の委員長発言から。

○委員長(末松信介君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。

 本日は、原発事故と行政監視システムの在り方に関する件について参考人の皆様方から意見を聴取した後に質疑を行います。

 御出席をいただいております参考人は、京都大学原子炉実験所助教小出裕章さん、芝浦工業大学非常勤講師後藤政志さん、神戸大学名誉教授石橋克彦さん及びソフトバンク株式会社代表取締役社長孫正義さんの四名でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、大変御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。

 参考人の先生方また孫社長様の御意見等につきましては、集約した資料を調査室が作成をいたしまして、それぞれ委員にお配りをいたしています。

 今日は、先生方から、今日まで取ってきた政府の原子力の発電所の事故に対して改善すべき点はないのかどうかという点、あるいは日本の原子力について、エネルギー行政についてどうかということについて、積極的かつ、批判的な御意見でも結構 であります、御忌憚のない御意見を述べていただければと思います。

 委員一同重く受け止めますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 議事の進め方でございますが、小出参考人、後藤参考人、石橋参考人及び孫参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行います。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、まず小出参考人にお願いをいたします。


○参考人(小出裕章君) では、始めさせていただきます。(資料映写)

 私の今日の資料はこちらに見ていただきながら話を進めたいと思いますし、皆さんお手元に資料が既に配られていると思いますので、それを御覧いただきながら聞いてください。

 今日は、原子力をこれまで進めてきた行政に対して一言私は申したいことがあるということでここに伺っています。

 まず、私自身は原子力に夢を抱いて原子核工学科というところに入った人間です。なぜそんなことになったかというと、原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。無尽蔵にあると、石油や石炭は枯渇してしまうから将来は原子力だということを信じてこの場に足を踏み入れた人間です。ただし、入ってみて調べてみたところ、原子力というのは大変貧弱な資源だということに気が付きました。

 今、これからこのスライドに再生不能エネルギー資源というものの量を順番にかいていこうと思います。

 まず、一番多い資源は石炭です。大変膨大に地球上にあるということが分かっています。ただし、今かいた四角は究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れると分かっているのは確認埋蔵量と言われているものなわけですが、この青い部分だけだということになっています。

 では、この四角が一体どのくらいのことを意味しているかというと、右の上に今ちいちゃな四角をかきましたが、これは世界が一年ごとに使っているエネルギーの総量です。ということは、石油の現在の確認埋蔵量だけでいっても数十、数字で書きますとこんなことになりますが、六十年、七十年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば八百年近くはあるというほど石炭はたくさんあるということが分かっています。その次に、天然ガスもあることが分かっている。石油もある。そして、オイルシェール、タールサンドと言っている現在は余り使っていない資源もあるということが既に分かっているわけです。

 そして、私自身は、こういう化石燃料と呼ばれているものがいずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかないのです。石油に比べても数分の一、石炭に比べれば数十分の一しかないという大変貧弱な資源であったわけです。ただ、私がこれを言うと、原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いや、それはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂性のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思っているのは核分裂性のウランではなくてプルトニウムなんだと言うわけです。つまり、非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うからエネルギーとして意味があることになるということを言っているわけです。

 どういうことかというと、こういうことです。まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工という作業を行って原子力発電所で燃やすと、これが現在やっていることなわけです。しかし、これを幾らやったところで、今聞いていただいたように原子力はエネルギー資源にならないのです。そこで、原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉という特殊な原子炉を造ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。それを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだと言ったわけですね。最後は高レベル放射性廃物という大変厄介なごみが出てきますので、それをいつか処分しなければいけないという仕事を描いたわけです。

 ただ、プルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、仕方ないので現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想を練ったわけです。

 しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉は実はできないのです。日本の高速増殖炉計画がどのように計画されて破綻していったかということを今からこの図に示そうと思います。

 横軸は一九六〇から二〇一〇まで書いてありますが、西暦です。何をこれからかくかというと、原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は一九八〇から二〇六〇まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。

 原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは、第三回の長期計画、一九六八年でした。そのときの長期計画では、高速増殖炉は一九八〇年代の前半に実用化すると書いてあります。ところが、しばらくしましたら、それは難しいということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では、一九九〇年前後にならないと実用化できないというふうに書き換えました。それもまたできなくて、五年たって改定されたときには、高速増殖炉は二〇〇〇年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところが、これもできませんでした。次の改定では、二〇一〇年に実用化すると書きました。これもできませんでした。次は、二〇二〇年代に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したいというような目標に変わりました。ところが、これもできませんでした。次には、二〇三〇年に技術体系を確立したいということになった。では、次の長期計画ではどうなったかというと、実は二〇〇〇年に長期計画の改定があったのですが、とうとうこのときには年度を示すこともできなくなりました。私は、仕方がないので、ここにバッテンを付けました。そしてまた五年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改定では二〇五〇年に一基目の高速増殖炉をとにかく造りたいという計画になってきたわけです。

 皆さん、この図をどのように御覧になるでしょうか。私は、ここに一本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていくということを分かっていただけると思います。これ、横軸も縦軸も一升が十年で、この線は何を示しているかというと、十年たつと目標が二十年先に逃げるということなのです。十年たって目標が十年先に逃げたら絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて十年たつと二十年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなものにはたどり着けないということを分からなければいけないと私は思います。

 ところが、こういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らないということで今日まで来ているわけです。

 日本は「もんじゅ」という高速増殖炉の原型炉だけでも既に一兆円以上の金を捨ててしまいました。現在の裁判制度でいうと、一億円の詐欺をすると一年実刑になるんだそうです。では、一兆円の詐欺をしたら何年の実刑を食らわなければいけないんでしょうか。一万年です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省等々、行政にかかわった人の中で「もんじゅ」に責任のある人は一体何人いるのか私はよく知りません。でも、仮に百人だとすれば、一人一人、百年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて結局誰もいまだに何の責任も取らないままいるという、そういうことになっているわけです。原子力の場というのは大変異常な世界だと私には思えます。

 次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。

 皆さんは御存じだろうと思いますけれども、原子力発電というのは大変膨大な放射能を取り扱うという、そういう技術です。今ここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私は小さい四角をかこうと思います。──かきました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。八百グラムです。皆さんどなたでも手で持てるという、そのぐらいのウランが燃えて広島の町が壊滅したわけです。

 では、原子力発電、この電気も原子力発電所から来ているわけですけれども、これをやるために一体どのくらいのウランを燃やすかというと、一つの原子力発電所が一年動くたびに一トンのウランを燃やす、それほどのことをやっているわけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくり出しながらやっているということになります。

 原発は機械です。機械が時々故障を起こしたり事故を起こしたりするというのは当たり前のことです。原発を動かしているのは人間です。人間は神ではありません。時に誤りを犯す、当たり前のことなわけです。私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないということになっているわけです。そこで、では原子力を推進する人たちがどういう対策を取ったかというと、破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと、だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにしたわけです。

 どうやって破局的事故が起きないかというと、これは中部電力のホームページから取ってきた説明の図ですけれども、たくさんの壁があると、放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが、このうちで特に重要なのは、第四の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄製の容器ですけれども、これがいついかなるときでも放射能を閉じ込めるという、そういう考え方にしたわけです。

 原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大事故、仮想事故という、まあかなり厳しい事故を考えていると彼らは言うわけですけれども、そういう事故では格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は絶対に壊れないという、そういう仮定になってしまっているのです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがないということになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは想定不適当、そして想定不適当事故という烙印を押して無視するということにしたわけです。

 ところが、実際に破局的事故は起きて、今現在進行中です。大変な悲惨なことが今福島を中心に起きているということは、多分皆さんも御承知いただいていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかということについても、大変不適切な対応が私はたくさんあったと思います。

 防災というものの原則は、危険を大きめに評価してあらかじめ対策を取って住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、これは過大だった、でも住民に被害を与えないでよかったと胸をなで下ろすという、それが防災の原則だと思いますが、実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観的な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で当初レベル4だとかというようなことを言って、ずっとその評価を変えない。レベル5と言ったことはありましたけれども、最後の最後になってレベル7だと。もう余りにも遅い対応の仕方をする。

 それから、避難区域に関しても、一番初めは三キロメートルの住民を避難指示出す。これは万一のことを考えての指示ですと言ったのです。しかし、しばらくしたら今度十キロメートルの人たちに避難指示を出しました。そのときも、これは万一のことを考えての処置ですと言ったのです。ところが、それからしばらくしたら二十キロメートルの人たちに避難の指示を出す。そのときも、これは万一のことを考えての指示ですというようなことを言いながら、どんどんどんどん後手後手に対策がなっていったという経過をたどりました。

 私は、パニックを避ける唯一の手段というのは正確な情報を常に公開するという態度だろうと思います。そうして初めて行政や国が住民から信頼を受ける、そしてパニックを回避するのだと私は思ってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して、危機的な状況でないということを常に言いたがるということでした。SPEEDIという百億円以上のお金を掛けて、二十五年も掛けて築き上げてきた事故時の計算コード、それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやったわけです。

 それから、現在まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被曝の限度量を引き上げてしまったり、あるいは、住民に対して強制避難をさせるときの基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引き上げてしまうというようなことをやろうとしている。本当にこんなことをやっていていいのだろうかと私は思います。

 現在進行中の福島の原発事故の本当の被害って一体どれだけになるんだろうかと、私は考えてしまうと途方に暮れます。失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適用するなら、福島県全域と言ってもいいくらいの広大な土地を放棄しなければならなくなると思います。それを避けようとすれば、住民の被曝限度を引き上げるしかなくなりますけれども、そうすれば、住民たちは被曝を強制させるということになります。

 一次産業は、多分これから物すごい苦難に陥るだろうと思います。農業、漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。そして、住民たちはふるさとを追われて生活が崩壊していくということになるはずだと私は思っています。

 東京電力に賠償をきちっとさせるというような話もありますけれども、東京電力が幾ら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても多分あがない切れないほどの被害が私は出るのだろうと思っています、本当に賠償するならということです。

 最後になりますが、ガンジーが七つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っているのだそうです。一番初めは、理念なき政治です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、十分にこの言葉をかみしめていただきたいと思います。そのほかたくさん、労働なき富、良心なき快楽、人格なき知識、道徳なき商業と、これは多分、東京電力を始めとする電力会社に私は当てはまると思います。そして、人間性なき科学と、これは私も含めたいわゆるアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたということを私はこれで問いたいと思います。最後は献身なき崇拝と、宗教をお持ちの方はこの言葉もかみしめていただきたいと思います。

 終わりにします。ありがとうございました。

福島原発では、今、特に1号機の燃料が、原子炉圧力容器、格納容器を溶かし、原子炉建屋の床のコンクリートも溶かして、

地面に沈下し、地下水脈に達したのでは無いかとみられています。

これは、小出助教が5月からその可能性と危険性を指摘していたことです。

小出助教は、地下水の拡散を遮断する「壁」を地下に埋めることを提唱していたのです。

これほど明確に問題を指摘する学者を、折角参議院に参考人として呼んだのならば、

日本政府は、どうして、小出助教のアドヴァイスを乞わないのか、と歯がゆい限りです。

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2011.07.08

【日本版コラム】電力使用制限令発動―「電力不足」の不可解←「電力不足のウソ」に関する最も優れたコラムです。

◆はじめに:すみません。眠ってしまったので手を抜きます。

木曜の夜に、原稿を打とうとしていたら、毎度のことながら椅子の上で眠ってしまいました。

4時半頃に目が覚めて(多分3時間ぐらいは眠ったと思います)、その後は、金曜日の仕事の

準備をしていました。

これから、1時間ぐらいは布団の上に横たわりたいので、手を抜きます。

私は今まで、東電や政府は、国民に当然のように「節電」を要求するけれども、

そもそも、自分達がドジを踏んだのが原因なのだから、節電を頼む前に何とか、

休止させている火力発電所を稼働させるなどして、電力を賄え、ということと、

顧客である、電力使用者に不便を強いておきながら、電力会社は、当たり前のように

電気料金を引き上げるのは、おかしいだろう---という意味の文章を書いたことがあります。

それを、もっとずっと、法的、理論的、統計的に丁寧に書いてあるコラムがありましたので、

そのまま掲載します。Yahoo!ニュースに掲載されていた、日本語版ウォール・ストリート・ジャーナルの

日本人が書いたコラムです。


◆記事:【日本版コラム】電力使用制限令発動―「電力不足」の不可解(ウォール・ストリート・ジャーナル 7月7日(木)13時59分配信)

尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授

7月1日、政府は電気事業法27条に基づいて電力使用制限令を発動した。東京電力と東北電力の管内にある、大規模工場など契約電力500キロワット以上の大口電力需要家は、昨年比15%の節電が義務付けられた。電力使用制限令は、第1次オイルショック時の1974年以来37年ぶりの発動で、違反した場合、100万円以下の罰金が科せられる。

1日の首都圏は蒸し暑い日だったが、午後1時のピーク時電力使用量が4170万kwで、今年のピークだった6月29日午後2時の4571万kwを約9%下回り、制限令の効果が出たようだ。電力会社が安定して電力を供給できる「青信号の目安」は、「最大供給量」が「ピーク時需要量」プラス8~10%の状態とされる。東電の現状最大電力供給量が5100万kwと報じられているので、ピーク時電力需要が4692万kw以下であれば、現状では「青信号」で、大停電のリスクはないことになる。


電力不足の悪影響

法律によって強制的に電力使用量を削減させられている大口需要者に限らず、家庭、オフィス、店舗などの小口需要者も自発的に節電に努めており、今夏が昨年並みの猛暑になっても、昨年のピーク時需要量6000万kwを下回ることはほぼ確実である。東北三県被災民の秩序だった行動と同様、日本人の危機対応能力が高いことの証明になりそうだが、喜んでばかりもいられない。猛暑での通勤や生活でクーラーを使わないことにより、熱中症が増え、労働効率が低下し、電力不足によりハイテク製品が作れなくなる。私が直接インタビューした中でも、工場を中国など海外に移転させることを本気で考えているハイテク企業が少なくない。これは日本経済の競争力に関わる大問題である。

大停電を避けるために、経済や生活を犠牲にしてひたすら節電を続けなければならないのだろうか。もちろん、明らかな無駄は削るべきだが、電力会社は電力供給のために最大限の努力を続けているのだろうか。いや、電力供給に関しては不可解な点がある。それは、安定供給義務への疑問と「電力ないない神話」である。



安定供給義務に関する不可解な状況

電力は特殊な業界だ。民間企業でありながら、エネルギー供給という公益を実現することが事業目的なので、競争が制限されている。実質的な地域独占が認められており、独占禁止法の適用除外である。

電力会社は競争制限と引き換えに、電力の安定供給義務が課せられている。電気事業法18条により、電力会社は正当な理由がなければ、電力の供給を拒んではならない。日本の電力料金はイタリアを除けば先進国で最も割高だが、日本は供給信頼度が高く、したがって、料金も高いという説明がされてきた。東電によると、同社管内の1軒あたり年間停電時間は平均4分だが、米国は20倍以上の90~100分である。日本は「電力の質」が良いから電気料金が高くてもやむを得ないと納得していたが、震災後、電力の安定供給は困難になった。いつ停電が起きるか分からず、かつお金を払っても自由に使うことができない「質が低い電気」に変われば、本来、値段が下がるのが当然である。

しかし、現状は逆で、電気料金は値上がりする方向だ。発電コストが低い原発が止まって、コストが高い火力発電の比率が増えているため、料金は上がる、という説明がされている。確かに、電力会社は、設備や燃料などのコストに一定の利潤を上乗せして電気料金を決める「総括原価方式」が電気事業法で認められている。しかし、法の趣旨は電力会社の経営安定化であり、コスト増による安易な値上げが認められているわけではない。そうであれば、電力会社は、コスト削減や安定供給継続のために最大限の努力が必要である。そのような努力は十分に行われているのだろうか。それが不透明なままでは、ユーザーは値上げと電力使用制限をいつまでも受け入れることはできない。

電力使用制限は、東電の電力供給量によって変わる。報道によると、3月の被災後、東電の供給能力は、3500~4000万kwまで下がった後、現状の 5100万kwまで回復し、8月には5620万kw(東北電力への融通電力を含む)に増える予定である。問題は供給量見通しが増えた経緯である。

資源エネルギー庁の資料によると、真夏の供給予定量は、3月時点では、4650万kwと見積もられていた。供給予定量が、4650万kwから5620万 kwまで、1000万kw以上も増えた主な要因は、当初、揚水発電をカウントしていなかったことである。揚水発電は夜間の余剰電力を使ってダムの水位を上げ、翌日の昼間にダムの水力発電を使う「蓄電設備」である。揚水発電は通常、出力調整が困難な原発の余剰電力を貯めるために使われる。ところが、被災後、東電管内の多くの原発が稼働を停止したので、揚水発電が不要になったということが、供給予定量に揚水発電がカウントされなかった理由のようだ。ただ、そのような判断は納得できない。原発の稼働が減っても、夜間、火力発電を稼働させて、揚水発電に蓄電すればよいはずだ。もし、火力発電のコストが高いことを理由に、あえて夜間の火力稼働を抑えているのであれば、安定供給義務を果たしていないことになる。



電力ないない神話」の不可解

供給予定量を増やす方法は他にもある。企業が持つ自家用発電設備を最大限活用することである。「自家用発電所運転半期報」によると、2010年9月時点で、東電管内に875カ所、合計出力1639万kwの自家用発電所がある。その内、卸電力市場に供給されている電力が615万kwあるので、自家用発電所がフル稼働すれば、1000万kw以上の電力を生産できる。ところが、現状、工場などが持つ自家用発電機はフル稼働していない。なぜなら、フル稼働させて必要以上に発電したら、余った分を捨てることになるからである。特定規模電力事業者(PPS)の免許を持って、余った分を卸電力市場に売却できる企業なら良いが、そうでなければ、フル稼働できない。ところが、各企業の余剰電力を電力会社が買い取ることを保証すれば、自家発電所をフル稼働させて、東電管内の供給不足を大きく解消できる。

電力供給量予測には、このように不透明で不可解な点が多い。民主党衆議院議員の川内博史氏は、自身のツイッターで、「電力ないない神話」と銘打って、次のように述べている。「電力ないない神話は原発を動かすため、財源ないない神話は消費税増税のため。どちらの神話も、ウソ。国民をごまかして、権力側が自らの利権を確保する時代は、終わっている。誠実で正直で精緻な議論をしなければ、原発災害を含む被災地の復旧復興も、日本全体の再生も有り得ない」

電力会社の供給能力は、本来は電力会社の企業秘密と言える。しかし、一企業の内部情報が日本経済を大混乱に陥れている。もし、供給量を少なめに公表して、「電力ないない神話」で停電の恐怖心を与え、原発維持の世論を作ろうという意図があれば、それは許されないことである。電力不足の解消方法は原発を継続するか否かといった単純な話では済まない。原発のリスク最小化、液化天然ガス(LNG)による火力発電の増加、自然エネルギーの推進、送電網の改良、省エネ技術の充実といった複数要素の最適解を見つけることが必要である。

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2011.07.04

松本復興相←あまりにひどさに論理的なことが書けません。記録として映像だけ残します。

◆記事:「知恵出さないと助けない」=松本復興相、岩手、宮城で発言(時事通信 7月4日(月)0時55分配信)

松本龍復興担当相は3日、東日本大震災の被災地の岩手、宮城両県を就任後初めて訪問し、

両県知事と会談したが、配慮に欠けるとの指摘を受けかねない発言を相次いで行った。

達増拓也岩手県知事に同相は、

「(国は)知恵を出したところは助け、知恵を出さないところは助けない、そのくらいの気持ちを持って(ほしい)」と話し、

復興に向け、被災地側が具体的な提案を行うよう注文した。

このほか、

「九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からん」

とも述べ、政府の事務方が「しょっちゅう(被災地に)入っているのに、何をおっしゃる」とフォローする場面も。

その後の村井嘉浩宮城県知事との会談で同相は、

宮城県が漁港の集約化を国に要望していることについて、

「3分の1とか5分の1に集約すると言っているけど、県の中でコンセンサス得ろよ。そうしないとわれわれ何もしないぞ

」と述べ、県内での合意形成を急ぐよう求めた。

会談の場に知事が同相より遅れて入ったことについても、

「お客さんが来る時は自分が入ってから呼べ」と話した。


◆【映像】その発言の様子。

松本復興相、宮城県の村井知事を叱責





◆コメント:すみません。コメントできません。

そもそも、これがどうして問題なのか、他人のコメントを読まなければ

分からない人はいないでしょう。

私は、この映像と音声を視聴してから、血圧が上がり、吐き気がしてきました。

ここまで直接的に身体的反応が現れたのは初めてです。

こういうときは、冷静さを完全に失っているので、論理的なコメントは書けませんし、

繰り返しになりますが、コメントなど必要がないでしょう。

申し訳ありませんが体調が悪いので(悪くなったので)失礼します。

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