カテゴリー「室内楽」の記事

2011.11.04

【音楽・映像】モーツァルト「クラリネット五重奏曲」 神に愛された楽器。

◆NHK BSプレミアムの「クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス」はお薦めです。

このブログで今までに何度も紹介しようと思ったんですが、

テレビ番組、映画、ドラマ、音楽などは、いくら言葉で説明したところで、

興味が無いひとは、見ないし、CDを買うこともないのです。

正に、「百聞は一見にしかず」です。


NHK BSプレミアムに、クラシックミステリー 名曲探偵アマデウスという、

どちらかというと、クラシックに馴染みが無い人を意識しているのでしょうか。

ウェブを見ても派手ですし、番組は俳優の筧利夫が「名曲探偵」で助手が黒川芽以による

「名曲探偵事務所」がクラシックに関わるクライアントの「悩み」を解決する、

というドラマ仕立てで、台本がある。筧利夫のギャグなどが、やや、やり過ぎの感が

ないことも、ないのですが、音楽の解説はかなり、しっかりしています。


放送開始は2008年4月ですから、随分クラシック番組にしては、続いている方です

(題名のない音楽会などを除いて)

それは、取りあげる曲に偏りがなく、また前述のとおり音楽の解説自体は

専門家の監修を経ているので、しっかりしていて、しかし、しちめんどくさい

楽典の説明なども、可能な限り分かり易くしてある。なかなか、担当者は大変だと

思います。


私の音楽紹介などより、曲の本質に迫る、しかし興味深いエピソードや、

簡単な楽曲分析などは、私や結構自分では詳しいつもりのクラシックファンにも

参考になると思います。

番組サイトを見ればわかりますが、

毎週水曜、午後6時~6時44分が本放送。

毎週木曜 正午から午後0時44分までが再放送です。



是非お薦めなのですが、始めに書いた通り、言葉だけでは

「どのように面白いのか?」が分からないので、

ここはひとつ、NHKさんに、削除依頼を出さないようにお願いして

(著作権とは何も関係はないことを承知でかきますが、

私は、来年一年分のNHK受信料25,520円を10月25日を納めたうえ、

NHKオンデマンドの見逃し見放題パックと特選見放題パックの会員です)、

なんとか、掲載をお許し頂きたい。


◆モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.518

番組で詳しく説明していますが、

モーツァルトにとって、クラリネットはこの世に誕生したばかりの

「新しい」楽器で、この楽器の名手、アントン・シュタードラーに出逢い、

上手いばかりではなく、楽器の改良を重ねるシュタードラーを、尊敬するのですね。

それがなかったら、モーツァルトのこの天下の名曲は出来なかったと思います。

実際「クラリネット五重奏曲」はシュタードラーに捧げられています。


これはモーツァルトが亡くなる二年前、1789年に作曲されました。

そしてなんと、この「クラリネット五重奏曲」だけでも他の管楽器奏者にとっては

ものすごく羨ましいのに(ホルンも協奏曲が四曲もありますが)、

驚くべきことにモーツァルトは、亡くなる数ヶ月前に、

クラリネット協奏曲を作曲しています。既に自らの死期をしりながら

書いたことは明らかです。


映画「アマデウス」でサリエリが、モーツァルトの楽譜を読んで、

そのあまりの才能に愕然としたことを、回想しながら、まだ嫉妬して

苦しんでいる場面がありました。

「あれは、あの男が書いたのではない。奴の身体を使い、神が作り給うたのだ!」

という意味の台詞でした。本当にそう思います。モーツァルトが神が地上に

遣わした、天才ならば、クラリネットは「神に愛された」楽器です。

誠に羨ましい。

その他、クラリネットの特性、即ち、音域の広さ。どの音域でも音量のコントロールが

可能であること(他の楽器よりもダイナミックレンジを広く取れる、ということ)

それを可能ならしめた楽器構造上のポイント。

などについても説明してます。昔、「オーケストラがやってきた」という番組

(TBSで1972年から10年続いた番組)では、山本直純さんが、そういうことを

とても面白く説明して下さったのですが、最近、なまじ私のような知ったかぶり素人が

増えたせいでしょうか。あまりそういうことを説明してくれる番組がないです。

そういうのが分かると、音楽を聴くのがもっと面白くなるのですが・・・。
それでは番組をどうぞ。長いので3つのファイルに分けました。
NHKさんにお願い。このような良い番組を殆どの人は知りません。削除しないで下さい。

Mozart Clarinet Quintet A Dur K.581(1/3)





Mozart Clarinet Quintet A Dur K.581(2/3)






Mozart Clarinet Quintet A Dur K.581(3/3)





ちょっと台本がどうかな?と、言えないこともありません。

筧利夫のアドリブなのか余計な演技がはいりますけど、

まあ、あまり堅苦しいことを言わなくてもいいでしょう。

この番組はお薦めします。全然音楽の理論的な知識とかなくても構わないですが、

ちょっと知ってると面白いことが、沢山あるのです。

私にはそこまで、説明する知識も能力もありません。この番組は

それを補完してくれるから、おすすめするのです。

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2011.03.19

【音楽】既に全て一度ご紹介しましたが、私の好きな音楽と映像。

◆東日本大震災から、一週間のまとめ、を書くべき所ですが。

今日の警察庁の発表によると、今回の地震による犠牲者数は、阪神・淡路大震災を超えた

そうです。本当はそのことを書くべき所ですが、この一週間、余震が続いているし、

「計画停電」などの影響により、鉄道の運行が不安定です。

何だか、頭の何処かがずっと緊張しているような気がします。

テレビのニュース速報の音を聴くと、緊急地震速報と勘違いして身構えてしまったり。

とにかく疲れます。地震に関連することは、どうせいずれまた書かなければならないので

今日は、音楽にします。


◆既出のものばかりですが、YouTubeで今までに見つけた、映像。

まず、YouTubeで見つけて「お気に入り」に登録してあるものから。

ソプラノ、森麻季さんの演奏でモーツァルトのモテットの有名な奴。

モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ。幸いなる魂よ」から「アレルヤ」


Alleluia(Exsultate, jubilate) by Maki Mori







これほど、技術的に完璧で、ものすごく音程が良くて、なおかつ音楽的な歌、

というのは、私は森さんの演奏で初めて聴きました。


本当はいけないんですが、何とか勘弁して頂いて、先日ご紹介した

森さんの新譜、アヴェ・マリアから、カッチーニのアベ・マリア。

これは音だけです。


カッチーニ:アヴェマリア







気の遠くなるような美しさだ、と思います。


次は、全然脈絡が無いのですが、ナルシソ・イエペスの「ロマンス」

(禁じられた遊び)。


Narciso Yepes (Romance Anonimo)






生涯を音楽とギターに捧げた巨匠が、淡々と弾くギターから紡ぎ出される、

余りにもはかなく、切ない音・・・。


またまた、ジャンルが変わるのですが、室内楽。

故・ジャクリーヌ・デュ・プレがパールマン、ズッカーマン、バレンボイム、ズービンメータ

(メータは指揮者ですが、コントラバスだったのですね。楽器は)による、シューベルトの

かの有名な「ます」。


Franz Schubert ''The Trout' Quintet"





この後、デュ・プレを待ち受ける運命を誰も知らないわけですね。

辛いです。


ガラリと変わります。

何度書いたか分からない、トランペット奏者モーリス・アンドレの映像と音声。

音質は良くありませんが、フンメルのトランペット協奏曲第三楽章。


Maurice Andre Hummel 3.Mov.







「完璧な演奏」が存在することが分かります。

あのね。余り慣れないうちは、ソリストが上手いかどうか、比較する対象が

ないので、判断出来ません。そういうときは、演奏終了後、伴奏したオーケストラの

反応を見るんです。ヴァイオリン奏者が膝に楽器と弓を置いて、お客さんと同じように

拍手しているでしょ?これは、プロたちが「この人は本当に上手い」と賛辞を贈っているのです。

誰が何と言おうと、モーリス・アンドレは天才です。


最後にこれも何十回目でしょうね。ジャーマンブラスによるバッハ、BWV 972。

元来、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲を、バッハがチェンバロ独奏に編曲したのを、

右端で恐ろしく上手にトランペットを吹いている、マティアス・ヘフス氏がブラス・アンサンブル

のために更に編曲したのです。


Bach BWV 972 after Vivaldi Violin Conceto RV 230







あたかもこれが「原曲」で有るかの如き素晴らしい編曲と演奏。

金管の音の何たる輝かしい響き!


この一週間、殆ど私は「音楽」がこの世に存在することを忘れていました。

これらの音楽、演奏を聴いているうちに、自然と気持ちが落ちついてきました。

読者の皆様にとっても、そうであることを祈ります。


それでは、失礼します。

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2011.02.01

【音楽】もう一回、シューベルト。ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ。ウェルナー・ヒンク、遠山慶子

◆あまり知られていないかも知れませんが綺麗ですよ。

シューベルトが19歳の時に、「ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ」を

3曲書いています。3曲まとめて作品137です。

1番が作品137-1で、3番が137-3です。

今日は3番、ト短調、作品137-3、D.408です。

忘れないうちに引用元を書きます。

シューベルト:ソナチネ全集

です。これは2004年にリマスターされたCDです。


シューベルトの作品としては、知っている人は知っているでしょうが

ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ、という地味なジャンルなので

知らない方の方が多いと思います。


シューベルトの生涯はわずか31年でしたが、その分、最初から天才なのですね。

19歳の作品とは思えません。


◆演奏者について。

ヴァイオリンのウェルナー・ヒンク氏は、ウィーン・フィルの

コンサートマスターの一人です。

この録音当時は、ゲアハルト・ヘッツェル氏、ライナー・キュッヒル氏

と共に、ウィーン・フィルは盤石でした。

私はヒンク氏が率いるウィーン弦楽四重奏団とベルリン・フィルの

首席クラリネット奏者、カール・ライスター氏による、モーツァルトの

「クラリネット五重奏曲」を東京文化会館小ホールで聴いて、その後、CDサイン会で

直接、ヒンク氏にお会い(?)したことがあります。

ライスター氏ってのは、もうエネルギッシュで、一人で騒いでサインしてましたが、

ヒンク氏ら、ウィーン・フィルのメンバーは実に物静かな紳士で

(ライスター氏が紳士ではない、ということじゃないのですが)

横に5人並んでいて、ヒンク氏が最後だったのです。私が日本語で

「ありがとうございました」(何しろ、天下のウィーン・フィルのコンサートマスターの

サインを頂けたのですから)と感激して日本語で御礼を言ったら、

気持が通じたのでしょうか。ニコッと笑って会釈なさったヒンク氏でした。


遠山慶子さんは、もう大先生です。ウィキペディアに詳しく書いて有りますが、

細かい事はいいんです。アルフレッド・コルトーという大ピアニストに才能を認められて

弟子になったという一点だけで、才能のほどが分かります。


私は、前述の東京文化会館でお見かけしましたが、ものすごく穏やかで

品の良い方です(人品[じんぴん]というものは、一目瞭然なのです)。


私が聴いた日には、遠山さんの出番はありませんでしたが、客席で聴いておられました。

最後のベートーヴェンの(何番か忘れてしまいましたが)弦楽四重奏を弾き終えると

うっすら涙を浮かべて拍手しておられました。

それに気付いた、ウィーン弦楽四重奏団の面々(全員、ウィーン・フィルの

メンバーです)が、遠山さんを見つけてニコニコしていたのが、またとても感じが良く

とても心が和むコンサートでした。

遠山さんとウィーン弦楽四重奏団は数え切れないほど何度も協演し、

録音もありますが、ここでは、珍しくヒンクさんと二人での録音。


◆(ヴァイオリンとピアノのための)ソナチネ。ト短調 D.408, Op.137-3

ソナチネというのは、ピアノで言うとソナタの簡単なもの、という印象です。

このシューベルトの作品は「ソナタ」で良いのではないかと思いますが

専門家には、なにやら色々理屈があるようです。それはここでは省略。

3つあるソナチネのうち、3番ということになっているト短調を

全曲お聴き頂きます。私はこういうCDを紹介するときには、大抵、

「1番の第一楽章、2番の第三楽章、3番の第四楽章」のような

引用をしますが、今日は、珍しく一つのソナチネの全楽章をお聴き頂きます。


シューベルト:ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第一楽章 アレグロ・ジュスト







ヴァイオリン=主、ピアノ=従ではなくて、交互にお互いの伴奏に

回ります。その切り替わりのときの、バランスが絶妙だと思います。


ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第二楽章 アンダンテ







ヴァイオリンの高い音域が全然出て来ませんが、非常に美しい。

長く伸ばす音をクレッシェンドしていくときのヒンク氏の弾き方が綺麗です。


ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第三楽章 メヌエット







ヴィオリンがスタッカート気味になる音型が何度も出ますが、ピアノと完全に合っているんですね。

当たり前なんですけど、ヒンク氏も遠山さんも、流石に心得ているなあ。と思います。


ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第四楽章 アレグロ・モデラート



S



よく聴くと、フォルテの所はちゃんとフォルテなんですが、ヴァイオリンもピアノも絶対に

「粗く」なりません。ましてや音が濁ったり、割れることが絶対に無いのですね。


特別にものすごい大傑作ではないかも知れないけれど、

例えば、ベートヴェンのヴァイオリンソナタのような、激しいところが無い。

何気なく聴いて、ほんわかと美しい。

名曲の名演だと思います。

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