カテゴリー「中東情勢」の記事

2015.01.21

「『イスラム国』“邦人殺害”と脅迫 身代金要求」←日本はアラブイスラエル紛争には中立、でうまくいっていたのです。

◆記事1:「イスラム国」“邦人殺害”と脅迫 身代金要求(NHK 1月20日 19時33分)

イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーとみられるナイフを持って覆面をした男が、

72時間以内に身代金を支払わなければ拘束している日本人2人を殺害すると脅迫する映像が、インターネット上に公開されました。

この映像には、去年拘束された湯川遥菜さんとフリージャーナリストの後藤健二さんとみられる2人が

オレンジ色の服を着てひざまずかされている様子が映っています。

そして、2人の間に黒い服で覆面をかぶった男が立ち左手にナイフを持って英語で話しています。

この中で男は、「日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、

イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した

だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。

よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる」と述べ、2人を解放するためには合わせて2億ドルを支払うよう要求しています。


◆記事2:「日本 中立とは見られていない」(NHK 1月21日 14時57分)

「イスラム国」が2人の日本人を拘束したとみられる事件について、

イギリスで「イスラム国」を強く支持する発言を続けているイスラム教の指導者は、

日本は欧米に加担し、中立とは見られていないと述べました。

ロンドンを拠点に活動するイスラム教の指導者、アンジェム・チョードリー氏は、

シリアやイラクへ渡って戦闘に加わるイギリスの若者に影響を与えているとされ、

去年9月にはテロを扇動した疑いで一時、身柄を拘束されるなど、当局が監視を続けています。

チョードリー氏は20日、NHKのインタビューに対し、

日本人2人がイスラム国に拘束されたとみられることについて、

「アメリカの政策によって多くのイスラム教徒が死んでおり、どんな形であれアメリカを支持するならば

日本の市民やジャーナリストが捕らえられても驚きはしない」と述べました。

また、日本が難民支援など非軍事面で支援していることについては、

「欧米を後方支援していることに変わりはない。日本の立場は中立とは思えない」と述べ、

戦闘に参加していなくてもイスラム国側からは日本が欧米に加担しているように映るとの見方を示しました。


◆コメント:日本は中東の紛争(アラブ=イスラエル紛争など)には中立、という立場が基本なのです。

記事のコメントを読むと、そこまでは書いてありませんので推測ですが、イスラム教の指導者、アンジェム・チョードリー氏は、

日本に対して、「イスラム国」(要するにアラブだとおもいますが)に「加担しろ」とは言っていない。中立であれ、と。要するに、

「何もするな」

と言いたいのでしょう。中東の紛争の中心はパレスチナを巡るアラブ人とユダヤ人国家・イスラエルの紛争です。

日本は、この件に関しては、どちらにも味方しない、中立である、という立場を一貫してとってきたので、欧米諸国とはことなり、

ユダヤ人ともアラブ人とも、「仲が良かった」のです。

欧米人の社会では、今でも偏見を持たれているユダヤ人に対して、日本人は彼らがそういう立場にある、ということを、

観念的には、理解していますが、感覚的には、要するに「ガイジン」(白人)は日本人にとって同じですから、

いくらユダヤ人が「自分はユダヤ人だ」といっても「へー」で終わりなのです。日本人には分かり難いけれども、

それが、ユダヤ人にとっては、ものすごく楽なことなのです。日本に永住する欧米人のかなりはユダヤ人ですが、

「ユダヤ人に対する偏見のなさ」が、やや大袈裟に言えば、天国のように住み易い。暮らしやすい、ということだそうです。


そして、日本が戦後、特に高度成長期、慣れない外国に行って、日本の商品を一生懸命売ろうとしましたが、この時、

既に欧米社会に根付いて、商売上手のユダヤ人に、ここでも何の偏見もなく、接したので商売を助けて貰えたのです。


しかし、同時に中東のアラブ産油国からは、大量の原油を輸入しつづけていましたし、イスラム教が何かも、なんか分からなかったから、

アラブ人からも「お得意さん」と見られるだけで、「欧米人とは違う」と見なされた。


このように、日本は、互いに対立している筈のアラブ人ともユダヤ人、両方と仲良くできる、世界でも稀な国でした。

それが日本の海外進出、高度成長を支えたのです。


◆その良好な関係を壊したのは小泉純一郎です。

小泉純一郎は、アメリカがイラクに言いがかりを付けて無理矢理始めたイラク戦争を「支持する」と世界で最初に宣言しました。

小泉はいい加減な奴で、昔の本「コイズム」では、はっきりこう書いています。

僕はPKOのときにも反対した。現行憲法では自衛隊の海外派遣には、どう考えても無理がある

その小泉が、アホのブッシュの部下、当時のアーミテージ国務副長官というプロレスラーみたいのがやってきて、

旗幟を鮮明にしろ(Show the flag)とか、兵隊を戦地(イラク)に送れ(Boots on the ground.)と恫喝したら、

真っ青になりました。

そして、どう考えても違憲であるイラク復興支援特別措置法を強行採決してサマワへ陸自を、

クウェートには米兵輸送用に空自の輸送機を。ペルシャ湾では海自が他国の戦艦に燃料を給油する「無料ガソリンスタンド」を

やりました。どこの国からも尊敬されません。それどころか、イラクの武装組織が自衛隊を撤退させろというのに

無視したので、人質になる邦人が何人か出て、24歳の青年が首を刎ねられ、その映像まで送りつけられるという

悲惨なことが起きました。
2004年10月31日(日)「香田さん殺害、首相『テロとの闘いを継続』」 アラブで「テロリスト」と云ったら、アメリカか、イスラエルを指すのですよ。首相。

このとき、サマワでは陸自が土木工事をしただけですが、

アメリカの後方支援をしているだけで、アラブの敵に見えたのでしょう。

それどころではありません。イラク戦争どころか、そのまえから、アラブ人は在日米軍基地を飛び立った、

米国の爆撃機が自分たちを攻撃したことを知っているのです。

ジャーナリスト、青山繁治さんの世界政府アメリカの「嘘」と「正義」、101ページからの、
「ジャパンは何故アラブを攻撃するんだ

という項を読むと、驚きます。青山さんがパレスチナ自治区を取材したら、砲撃を受けた果物屋の店主が

「もしかして、あんたは、ジャパニーズ?」と訊いて来た。そうだと返事をしたら、店主が顔を近付けて、
ジャパンはなぜ、アラブを爆撃するんだ?

と、尋ねたそうです。青山さんは、
日本はイラクを爆撃していないよ。それはアメリカだろ?

と答えたのですが、
店主「いや、ジャパンもしてる」

青山「違うって。僕らにはアラブ人を爆撃する理由がないよ」

すると、それまで店の奥に黙って座り、私の顔を見ていた若い男が、突然、「ミサワ」と言ったそうです。

若い男は「ミサワ・エア・ベイス」と少し大きな声になって言った。やられる側から見れば、

日米安保条約も、日本とアメリカの違いも、何もない。日本から飛んで来た飛行機がアラブを攻撃している。

このように見られるのです。

だから、絶対中立であるべきなのです。難民支援だ、とか説明しても分かって貰えない。

ましてや、集団的自衛権など行使して、中東で、自衛隊が鉄砲でも撃ったら、完全にアメリカ人と同じ輩だ

と、思われるでしょう。

テロには、屈しない、という安倍総理ですが、小泉純一郎と同じです。

そこまでいうならば、イスラム国は「日本の首相へ」といっているのですから、
人質を解放しろ、その代わり自分が身代わりになる。文句があれば、自分を殺せ。

といえば、本当に、殺されるかも知れませんが、安倍氏の悲願である「歴史に名」を遺すことはできます。

全力を尽くすとかいっていますが、ポーズでしょう。72時間の努力するフリ。その後、
全力を尽くしたが、残念な結果になった。テロリストを断じて許せない。これに対処するには、自衛隊の海外派遣恒久法を制定するしかない。

とかなんとか、言い出しそうです。

本稿でしつこく書いたとおり、そんなことをしたら、恨まれます。おカネどころか基地を米軍に使わせているだけで、

既に恨まれている。本来専守防衛の為に存在する自衛隊を海外に派遣したら、要するにアメリカのパシリになるだけです。

これ以上、イスラム国だか、アラブだかの恨みを買って、日本の国益に資することはなにもありません。

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2013.08.30

「シリア化学兵器で新証拠公表へ=米」←たとえ、それが本当でも米国が勝手に武力行使をすることは違法です。

◆記事:シリア化学兵器で新証拠公表へ=米(時事通信 8月30日(金)23時52分配信)

米国務省は30日、ケリー国務長官が同日午後0時半(日本時間31日午前1時半)にシリア情勢に関して声明を出すと発表した。

シリア・アサド政権の化学兵器使用をめぐる新たな証拠を公表するとみられる。


◆コメント:2003年のイラク戦争のときにもアメリカは証拠がある、と断言し、後で「あれはウソ」と言ったのです。

シリアが、化学兵器を保っていようがいまいが、それは米国が単独で軍事行動を起こす正当化事由になりません。

2003年3月20日にアメリカは、「イラクが大量破壊兵器を所有している確証がある。これを放置すれば、大量破壊兵器が

イスラム・テロの手に渡り、米国は明日にでも2001年9月11日のようなテロ攻撃を受けるかも知れない」といい、

国連決議がないのに武力行使、はっきり言って、「因縁をつけ」て戦争を始めたのです。

しかし、それは全く見当違いです。英国議会が英国の武力行使を否決しましたが、あれは立派なのではない。

国際法を考えたら当たり前なのです。


◆国連憲章と日本国憲法は非常に似ていて、武力の行使は原則として違法です。

国連憲章を日本語に訳したサイトが幾つもあります。ご自分で検索して頂きたいですが、

例えば、こちらにリンクさせて頂きます。

国際連合憲章

こう書いてあります。
第1条 「目的」

国際連合の目的は、次の通りである。

1.国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

第2条〔原則〕

3.すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

4.すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない

そして、「原則」に対して「例外」は第7章「平和に対する脅威」なのですが、これも先制攻撃は許していません。

能動的に武力を使用するのは国連安全保障理事会が平和維持軍か多国籍軍の派遣を決めた時なのです。

受動的に防衛的に武力を行使して構わんと言うことは51条に書かれていますが、集団的自衛権はアメリカとラテンアメリカ諸国があとから

無理矢理、追加させたのです。
第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動

第51条〔自衛権〕

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

7章全部を逐条的に(1条ずつ)説明しませんが、国際社会の平和に対する脅威にはまず、経済制裁など、

「非軍事的措置」をとり、それでも国連の勧告に従わない場合は、国連の決議に基づいて多国籍軍なり平和維持軍を送ります。

その典型は1991年、イラクがクウェートに攻め込んだことに対して多国籍軍を派遣した「湾岸戦争」です。

国連の決議がなくても武力を用いて良いと定めているのが51条ですが、自衛権。国際法と国内法を一緒にしてはいけないのですが、

敢えて分かり易いように述べるならば、日本の刑法で正当防衛が「違法性阻却事由」になっているようなものです。

国連加盟国は全て国連憲章に従わなければなりません。

国連憲章を全部読んでも、「アメリカ合衆国は例外で、好きな時に好きなところで、好きなだけ武力を行使して良い」などと

書いてありません。他所の国が大量破壊兵器や化学兵器を保有している証拠をアメリカは、握っているそうですが、

それも武力行使を正当化しません。大量破壊兵器を持っている国を攻撃して良いというのなら、世界で一番核兵器やらなにやら

保有しているのはアメリカ合衆国自身なんですから、世界中の他の国々が、アメリカを袋だたきにしても構わないことになるはずです。


そして、アメリカは、平気でウソをつきます。イラク戦争のときにも、当時のパウエル国務長官が、

「アメリカはイラクが大量破壊兵器を保有している確証を得ている。」と言いましたが、

数ヶ月後、ラムズフェルド国防長官が「あれはウソだった」と言いました。私は激怒して記事を書いたのを覚えてます。
2003年07月11日(金)「決定的証拠ないまま開戦 イラク戦争、米国防長官が証言」ふざけんじゃねえぞ、この野郎。

証拠があってもなくても、国連憲章に反して戦争を始めたこと自体、アメリカのアホのブッシュの暴挙ですが、

恥ずかしいことに、こんな簡単なことも分からず、無条件にアメリカの武力行使を世界で一番早く支持したのが小泉純一郎のバカです。

小泉がさらに開いた口が塞がらないのは、後に「大量破壊兵器の証拠はウソだった」ことが明らかになった後も

「あの時、アメリカを支持したのは正しかったと今でも思っている」と言い続けたことです。こういうバカを首相に選んでから、

日本はガタガタになりはじめたのです。日本人の殆どは、イラク戦争開戦のいきさつなど忘れていると思います。

しかし、イギリス議会がシリアへの武力行使を否決したのは、イラク戦争のときの「アメリカの嘘を」覚えていたことが一因だ、と報道にありました。

日本人は、今度こそ、もしアメリカが勝手に武力行使を宣言し、実行し、それを安倍首相が「支持し」たら、何も分かっていないし、

過去の経験から学んでいないバカであることを認識しなければなりません。

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2012.11.19

「ガザ空爆死者91人に エジプトで停戦協議」←アラブ・イスラエル紛争入門。

◆記事:ガザ空爆死者91人に エジプトで停戦協議(産経新聞 11月19日(月)20時25分配信)

イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ地区への空爆開始から6日目となる19日も、

ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事拠点などへの攻撃を続けた。

ハマスなどもロケット弾攻撃を継続。フランス通信(AFP)によると、空爆開始からのガザでの死者は計91人に達した。

イスラエルのメディアによると、停戦仲介に乗り出しているエジプトの首都カイロでは18日、

イスラエルやハマスなどの当局者が停戦の可能性を協議。ハマス関係者はAFPに話し合いは「前向き」だと語った。

またイスラエルの後ろ盾である米国のオバマ大統領は18日、イスラエルの自衛権を支持する一方、緊張緩和の必要性を強調した。


◆コメント:パレスチナをめぐるアラブとイスラエルの紛争の大元は紀元前になります。

日本は、総選挙の話で持ちきりですが、アラブ=イスラエル紛争の長い歴史と、

絶望的な現状を考えると、誤解を恐れずに言えば、日本の自民VS民主なんて、どうでも良いようなものです。


今、適当な地図が見つからないので、古い紛争地図を用います。

Palestine

レバノンは今回、無視して下さい。イスラエルとガザ地区、ヨルダン川西岸がどのような

位置関係にあるか、ということを分かって頂ければ良いのです。


パレスチナというのは「地名」です。しかし、明確な境界があるわけではない。

イスラエルとヨルダン川西岸、ガザ地区を合わせて「バレスチナ」と思って下さい。

紀元前10世紀頃、ユダヤ人がここに国を創りました。「イスラエル王国」といいます。

イスラエル王国の首都は「エルサレム」でしたが、紀元前586年に、新バビロニアに滅ぼされます。

そのときから、ユダヤ人はパレスチナ人は2500年近く、国を持たず、主にヨーロッパに拡散します。

そしてヨーロッパ中で邪魔者扱いされて、辛酸を嘗(な)めることになります。

この怨念がすごいわけです。


また、厄介なのは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は実は、同じ神様を自分達の神様と思っています。

ユダヤ教の教典が旧約聖書、そこから派生したのがキリスト教で、その教典が新約聖書です。

イスラム教もこの二つから派生したので、元々は同じ神様を信仰しているのです。。

三つの宗教ともエルサレムを「聖地」としているから、エルサレムの取り合いが起きて、揉め事の原因になってます。


◆追い出されて2500年後、第二次大戦後、ユダヤ人が再びパレスチナに国を創ったのが「イスラエル」です。

ユダヤ人はユダヤ教を信仰するし、そして多分、あまりにも優秀でカネ儲けが上手なので、

ヨーロッパ中で嫌われ、差別されます。それが2500年続いたのですから、たまりません。


19世紀から「シオニズム」という祖国再興運動がユダヤ人の間に興りました。

第2次大戦では、ご存知の通りヒトラーによるユダヤ人のホロコーストがあったので、ますます、その機運が高まります。

第二次大戦後、1948年、パレスチナに強引に国を創ったのが現在のイスラエルです。

もともと、パレスチナはユダヤ人のものなんだ!

という訳です。

しかし、ユダヤ人がヨーロッパでちりぢりになっていた間に、アラブ人(イスラム教徒)がパレスチナに

当然、街をつくり、住んでいたのです。それを無理矢理追い出して、イスラエルの樹立を宣言した。

パレスチナ人というのは、「パレスチナに住んでいたアラブ人」ということですが、彼らは隅っこの、

ガザ地区とヨルダン川西岸に追い出されます。これは面白くありません。


これが長い、今なお解決しない争いごとの原点です。


◆中東戦争

中東戦争は大きいのが第一次から第四次まで4回ありました。

第一次は、1948年、イスラエル建国直後、イスラエルと、

これに反発するアラブ諸国(エジプト、サウジアラビア、イラク、トランスヨルダン、シリア、レバノンなど)との争いで、

1949年、国連が停戦勧告を行い、イスラエルと各国との間で停戦協定が結ばれます。

この際、ガザ地区はエジプト領に、ヨルダン川西岸はヨルダン領にするということで、合意が為されたのです。



第二次中東戦争は、スエズ運河をエジプトが国有化しようとしたのに反発したフランスとイギリスが

イスラエルを焚きつけて戦争を始めさせ、自分たちは仲介者の立場をとります。はっきり言ってヨーロッパ人が狡い。

スエズ戦争といいます。アラブ=イスラエル紛争の本質とはあまり関係が無い、イスラエルが欧米人に利用された戦争です。



問題に収拾が付かなくなったのは第三次中東戦争です。

イスラエルが1949年の停戦協定を守って、それ以上、領土を拡げようとしなければ良かったのですが、

イスラエルとシリアの間にある、「ゴラン高原」をイスラエルは狙いました。

1697年、イスラエルは6月5日、いきなり先制攻撃を仕掛け、ゴラン高原、(エジプト領の筈の)ガザ地区、

(ヨルダン領の筈の)ヨルダン川西岸、ゴラン高原、さらに、シナイ半島(アラビア半島とアフリカ大陸の間にある三角形の半島)

をわずか六日間で占領します。エジプトとシリアは怒りました。


第4次中東戦争で、ゴラン高原はシリアが、シナイ半島はエジプトが奪回します。


◆イスラエルはガザ地区やヨルダン川西岸もイスラエルにしたいのです。

だから、ガザ地区を攻撃し、ガザ地区に追い込まれたアラブ人を追い出し、

ここも、イスラエル領にしたい。一方、アラブ側は今のイスラエルに住んでいたアラブ人がガザ地区にいるのですから、

ここを追い出されたら行き場を失う。反発するのは当然です。要するにそのことで、ずっと血で血を洗う戦争が続いてます。

記事を読むと分かる通り、イスラエルの空爆はものすごい。ひどいのは非戦闘員の一般人の集落まで空爆して、皆殺しにしている

ことです。完全にテロリズムです。しかし、これをアメリカが師事するから厄介です。

御存知の通り、アメリカの政財界には多くのユダヤ人がいて、彼らの支持を得ることが、歴代アメリカ大統領の必須課題になっている。

ノーベル平和賞を受賞した、オバマ大統領とも有ろう人が、この非人道的なイスラエルの空爆を「支持」しています。

国連で停戦決議を採択したくても常任理事国であるアメリカが拒否権を発動するから、採択できません。


本当に世界で最も悲惨な地帯です。幼いパレスチナ女の子が人形を拾ったら、実はそれが爆弾で、

子供が肉片と化す。

パレスチナの日本で言えば高校生の年頃の女の子が自爆テロとなり、イスラエル領に突っ込む。

こんなのは、両方が譲歩するしかないのですが、いつまで経っても出来ない。

戦争が如何に悲惨か、今も世界の遠くは慣れたところで、人間の殺し合いが続いています。

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2011.02.18

北アフリカと中東では何が起きているのか。

◆本当は、私自身、把握しきれていないのです。

正直に書きますと私もまだ、問題の本質と実情を把握出来ていませんが、

途中で、受け売りでも良いから、一回まとめておきます。

殆どアンチョコ丸写しですが、それでもまとめて書いてあるウェブサイトは

見当たらないのです。


◆チュニジアからドミノ的にクーデターやデモが起きています。

完全に正しいか、自信がありませんが、北アフリカと中東で、

クーデターやデモが次々と起きている理由は、非常に大雑把に言うと、

1.長期独裁政権への不満が爆発した、民主化を目指す動き。

2.イスラム世界で少数派であるシーア派が、勢力を拡大しようとする動き。

3.経済的な不満。失業率が高く、食料価格が高騰していることへの従来からの不満。

これらのエネルギーが混在しています。

しかし、国によってそれぞれ事情が少しずつ違うので、ややこしいのです。


◆最初はチュニジアでした。

ことの発端は、昨年(2010年)末、26歳の失業中の青年が、

街頭で果物や野菜を売ろうとしたところ、当局の許可を得ていないことを理由に

警察が青年の売り物を没収しました。青年(モハメッド・ブウアジジ)は

抗議するために、焼身自殺を図りました。数日後に死亡しました。

チュニジアの失業率は高く、モハメッド・ブウアジジと同じ事をして

つまり、大学を出ても就職できず道で野菜を売っている青年達が、

これでキレました。職を求めるデモが全国に拡がりました。


さらにそれが、23年間もの長期にわたって、政権を握っていた、ベン・アリー大統領の

腐敗した(何がどう「腐敗し」ていたかわかりません)政治や抑圧された人権に対する

不満の爆発につながり、若者だけではなく、全ての年齢層が全国でデモが起こり、

次第にエスカレートしました。ベン・アリーは最初、警察や軍隊を使って制圧しようと

しましたが、失敗し、ついには、政権内部や軍部からも、ベン・アリーの退陣を迫る声が

出ました。ベン・アリー大統領は「このままだと殺される。ヤバい」と思ったらしく、

1月14日、サウジアラビアに亡命し、23年続いた政権は崩壊しました。

その後暫定大統領が就任していますが、まだ、安定していません。


◆チュニジアからエジプトに飛びました。

チュニジアが大統領の国外逃亡という結果をもたらしたのを見たエジプト国民。

エジプトは、チュニジアそっくりで、ホスニ・ムバラク大統領が独裁的な強権政治を

29年も続けていました(その間、ものすごく私腹を肥やしていたことが後で分かりました)。


エジプトもチュニジア同様失業率が高く、貧富の差が激しい。当然、国民の不満はたまっていました。

チュニジアのベン・アリー大統領が亡命した1月14日、在エジプト・チュニジア大使館の前で

最初の大規模反政府デモが発生しました。チュニジアのモハメッド・ブウアジジの真似をして

エジプトでも1月17日と18日に、カイロやアレクサンドリアで3人が焼身自殺しました。


エジプトのデモでは、ネットが利用されました。Facebookで1月25日(警官の日)に大規模デモを

行う呼びかけが拡がり、当日は8万7,000人がデモに参加しました。


野党勢力は、この国民の不満を利用して、1月28日にさらに大規模なデモを呼びかけました。

ムバラク大統領は、夜間外出禁止令を出したり、軍隊を出動させて鎮圧を試みましたが失敗しました。


翌日。1月29日。ムバラクはテレビ演説で姿を現し、経済改革などを約束しましたが、

大統領退陣を求める反政府勢力は納得しません。


野党は2月1日、一層大規模な「100万人のデモ」を呼びかけました。

これは、史上最大規模のデモとなり、ムバラクは「もはや、これまで」と、2月1日夜に

テレビ演説で、時期大統領選への不出馬を表明しました(アメリカの圧力があったといわれてます)。


それでも、反政府勢力は、「次期選挙不出馬じゃなくて、今すぐに大統領を辞めろ」と迫りました。

ムバラクは抵抗を試みましたが、失敗。2月11日、副大統領のスレイマンが、

ムバラク大統領は、全権をエジプト軍最高評議会に移譲した後、

一家はリゾート地であるシャルム・エル・シェイクに移動したと発表し、

30年続いたムバラク政権は崩壊しました。しかし、デモの最中にムバラク大統領は、

自分の資産、何と約5兆円をサウジアラビアやアラブ首長国連邦に移していたことが

後で分かりました。


◆その他の国々

アルジェリアでも反政府デモが1月から発生しています。

背景は、高い失業率。住宅供給の不足、食料価格の高騰、言論の自由など

基本的人権の抑圧、などがあります。



バーレーンは、宗教的色彩が濃いのです。前述のとおり、イスラム世界では、

スンニ-派が幅を利かせているのですが、バーレーンの反政府デモはシーア派の

勢力拡大に繋がりかねません。元々数ではシーア派が多かったバーレーンですが、

シーア派は抑圧され続けていました。この不満が爆発したのです。

すると、シーア派が多数を占めるイランが台頭することになりやすい。

ご承知のとおり核を持とうとしているイランですから、アメリカは特にピリピリしています。

更にシーア派の勢力の増大に関しては、スンニー派国家である、サウジアラビアやクウェート、

オマーン、カタール、UAEの政府にとって気持の良いことではありません。


私が個人的に最も驚いたのは、リビアです。独裁者、カダフィ大佐

(←どうでも良いことですが、この人は、何故、いつまでたっても「大佐」なのでしょう?)が

強権政治で完全に国民を掌握していると思っていたのですが、反政府デモが起き、警官隊と衝突して

います。ちょっと前では考えられなかったことですが、チュニジア、エジプトで起きたことが

どれほど強いインパクトとなり、周辺国に影響を与えたかを、端的に示していると思います。


◆ちょっと強引な結論ですが、アメリカの金融政策が一連の騒動の一因です。

先に述べたとおり、反政府デモが北アフリカや中東諸国で続発している要因には、

長年の圧政への不満、失業率の高さ。宗教的に弾圧されてきたシーア派の反発など

様々な要因が渾然一体となっている、と考えられますが、

庶民が「キレ」た最大の要因は、食料価格の高騰と思われます。


そして、それはアメリカのバーナンキFRB議長が、大胆な金融緩和策を取っているため、

市場にたっぷりと供給された資金が商品市場(コモディティ・マーケット)で、

小麦・大豆、砂糖、トウモロコシなどの先物の買いに回っているからです。

数年前、原油価格が暴騰して、日本でもガソリン価格がものすごく上がったことが

ありますが、あれは、数にすればほんのわずかな人間たちが構成するヘッジファンドが

投機の対象として、原油を買ったからです。どんどん買って価格を吊り上げ、

上がった所でうれば、差益が出る。相場の原理は売買対象が何であろうと同じです。

今回は明らかに、そういう投機筋が商品市場でこれらの「食べ物」を投機の対象に

している。バーナンキ議長1人で政策を決めているわけではありませんが、

結論が出ないときには最終的にはFRB議長の裁量に委ねられる。

自国の経済ばかりを考えて、アメリカとしては過去、例を見ないほどの低金利政策を

続けていることが、世界の混乱の一因になっていることは、ほぼ確実です。


以上、かなり大雑把な説明になってしまいましたが、

何となくおわかり頂けたでしょうか?

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