カテゴリー「森麻季さん」の記事

2014.01.11

【音楽】NHK復興支援ソング「花は咲く」って、本来素人がまともに歌える歌じゃないですね。森麻季さんの名演奏色々。

◆音域が広く、ブレスが難しい。

もう、今年に入ってから10日以上経ちました。はやいですね。

先週の火曜日が大晦日だったのですね。随分前のような気がしますが、

「先週」の話なので、まあ、良いかと思いまして。


紅白歌合戦で、女優の綾瀨はるかさんが、NHKの復興支援ソング「花は咲く」を歌いました。

彼女は別に音楽家でも歌謡曲の歌手でもありませんから、歌が上手くなくても一向に構わないのですが、

あれは、日頃、NHKで毎日ながしていて、30人以上の芸能人有名人が数拍ずつリレーで歌う。

調性はさすがに、原調のヘ長調のままですが、男性も女性も歌のプロの方が少ないのです。

もともと、男声と女性では、1オクターブの差がありまして、更に、こまぎれで歌い、

あれは、「復興支援」ですから、音楽演奏の稚拙は本質ではないからまあ、いいんですけど、

歌いやすい、オクターブで歌っていいですよ。といわれてるんでしょうね。女性と男性が入り乱れて、

それぞれが、自分が歌いやすいようにオクターブ上げたり下げたりが、ごっちゃになっているため、

気がつきにくいですが、楽譜を見るとあの歌、難しいです。


音大の声楽科を出た、どころじゃなくて、後でお聴かせしますけど、

私が、日本音楽史上最高の声楽家と今でも信じた疑わない、ソプラノの森麻季さんですら、

つまり、プロ中のプロですら、本当は少し難しい。増して、素人の手に負える歌ではないです。

Hanawasakumusicsheet

この楽譜で(楽譜分からない方はごめんなさい)明らかなように、かなり音域が広い。ヘ長調ですけど、

真ん中のドではじまり、下のラまで下がりまして、クライマックスの「花は咲く」の「WA」の音は

真ん中のドの1オクターブと4度上(高い)のファまであります。

良い歌ですが、「皆で気軽に歌える」歌ではない、

だから?どうした?といわれそうです。なんでもないのですが、誰も書かないから、

一度文章にしておきたかっただけです。


◆森麻季さんのアルバムの紹介を兼ねます。

森麻季さんは、イタリアオペラのコロラトゥーラの技巧を駆使する曲、

宗教曲、テンポの遅い、音楽性が丸出しになるようなヘンデルのアリア、

歌曲、何でも実に上手いですが、日本の歌のアルバムがアルバムとしては一番新しいと思います。

日本の歌 花は咲くです。

この中でこの大名人、森さんがアルバムタイトルのとおり「花は咲く」を歌っておられますが、

森さんですら、非常に難しい、とまではいかないでしょうが「非常に簡単」ではないことが分かります。


◆花は咲く



花は咲く


この際、このところ、最後に森さんの演奏について書いてから大分経つので、

もう一度書きますが、この方は日本が西洋音楽を輸入して、西洋の発声でうたうようになってから、

今日までの間で、バリトンからソプラノまであらゆる歌手のなかで一番上手い方だろうと思います。

アルバム発売を溯って新しい順番ご紹介しますと、


アヴェ・マリアが次に新しい。


これは、何度聴いて頂いても綺麗だと思います。

カッチーニのアヴェ・マリア


◆カッチーニ:アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria



説明要りませんね。ただひたすら、美しい。


アヴェマリアの前は、ヘンデルのアリア集。麗しき瞳よ ヘンデル・アリア集です。


全部、良いのですが、私も皆さんもお好きな方が多い、「涙の流れるままに」。


◆ヘンデル:「リナルド」涙の流れるままに


ヘンデル 涙の流れるままに


ヘンデルとかバロックの常で、旋律の装飾が演奏者の裁量に委ねられてます。

例えとして適当ではないかもしれませんが、ジャズではインプロヴィゼーション(アドリブ)がありますが、

あれほどではないにしても、バロックでは、場合により、即興性が認められるということです。

レコーディングの場合は予め、伴奏の方と打ち合わせるでしょうが、装飾の仕方は森さんの解釈です。


宗教曲を集めた、ピエ・イエスというアルバムは、宗教曲と言っても、いろいろです。モーツァルトのかの有名なアレルヤも

その一種です。


◆モーツァルト:モテット「喜べ躍れ、幸いなる魂よ」 アレルヤ


モーツァルトアレルヤ


実に正確な音程と見事に明瞭なブレス・コントロールだと思います。


更に溯ると、愛しい友よ イタリア・オペラ・アリア集では、非常に高度に技巧的なコロラトゥーラという器楽的な、

驚異的に細かい音の動きを驚くほど正確無比、かつ音楽的に歌っておられます。


◆ベッリーニ:「夢遊病の女」から、「ようこそ皆さん・・・今日という日は 」


Bellini La sonnambula Come per me sereno



声楽の「超絶技巧」ですね。


森さんのアルバムは、全て最高水準の演奏だと思っていいです。

どのような音楽でも、器楽でも声楽でも、このような最高の音楽性と技術を併せ持った名演奏を

初めに聴くと、これが基準になります。それは「本当に価値のあるものが分かる」ということで、

大変に重要な事だと思います。

最初ではなくても、どんな楽器や歌でも本当に優れているものは、それまで、

それに興味が無かったひとまで、惹きつけるものすごい力。表現力があります。

森麻季さんがその典型です。

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2013.05.18

【音楽】とにかく綺麗な音楽。

◆最近、あまりにも「人間の醜さ」が目にあまるので。

だいぶ慣れたつもりだったのですけど、アインシュタインが言ったことは本当ですね。

この世には、はかりしれないものが二つある。宇宙の大きさと、人間の愚かしさだ。

最近、毎日更新できてないのですが、あまりにもひどい(色々な意味で)人間の行為を知り、

「あきれてものがいえない」のであります。書けない事はないのでしょうが、今まで散々書いたので、

いい加減疲れます。11年書いてるんですからね。数年前から、Twitterの140文字で思い付いたことを

書くのは、簡単ですが、如何に愚かしいか、をブログで長々と取り上げるのは、気が滅入ります。


◆「人間の存在を少しでも明るく照らし出すことが、芸術家に与えられた使命だと信じています」(カール・ベーム)

中学生の頃に、クラシック音楽雑誌「音楽の友」にカール・ベームという指揮者のインタビューで、この言葉が

載っておりまして、中学生でもそれなりに、意味は分かりましたが、年を取ったら、一層、ベーム先生の正しさが分かります。

欲の塊になって、醜さの極みになってしまう人間が大勢いますが、一方では、数百年経っても、

人間の魂を慰める、美しい音楽を書いたのは、同じ人間。それを音にしているのも、人間であります。

既出の曲ばかりなのですが。ちょっと一息つきましょう。


森麻季さんのソプラノ。麗しき瞳よ ヘンデル・アリア集から。


ヘンデル:リナルド 涙の流れるままに


Lascia ch'io pianga



信仰心がなくても敬虔な気持ちになる、ということはありますね。実に美しい。

森麻季さんの演奏は、何度も書くのですが、これ以上あり得ないほどの素晴らしさで、人間の声の美しい部分を

全部、集めたのではないか、と思えるほどです。


続いて、リヒテルの「平均律」一番最初の。バッハ:平均律クラヴィーア曲集全巻 から。


バッハ:平均律クラヴィーア曲集 前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調


前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調


同じくバッハの「無伴奏チェロ組曲」1番の第一曲「プレリュード」もそうですが、この「前奏曲」。

ありていに言えば、「分散和音の羅列」なんですけれども、これが「天上の調べ」と呼びたいほどの美しさ。

続くフーガ。静寂からぞっとするほど綺麗な音が聞こえる瞬間。何度聴いても、どこからどう聴いても美しい。


次は、ケルン放送響首席コントラバス奏者、河原泰則さんのコントラバス。「コントラバスの奇跡」から。


ラフマニノフ:「ヴォカリーズ」


ラフマニノフ:ヴォカリーズ



ラフマニノフといえば、99パーセントの方はピアノの超絶技巧曲を連想なさることでしょう。


それはそれで、音楽史上の宝ですが、私はその超絶技巧のラフマニノフが書いた、この切ない旋律が一番好きです。

河原泰則さんの演奏はこのアルバムはまさに「奇跡」で、コントラバスの表現力の広さを、存分に知ることができます。


最後は、映像と一緒に。金管楽器で「G線上のアリア」は、聴いたことがないでしょう?

あるんですねえ。これが。『バッハ・フォー・ブラス』 ジャーマン・ブラスから。


バッハ:管弦楽組曲第3番から「エア」(G線上のアリア)






何度も書きますが、これを演奏しているのはバッハがここで働き、バッハのお墓がある、ライプツィッヒの聖トーマス教会です。


簡単そうに聞こえますけれども、全ての管楽器に必要な基礎中の基礎。「ロングトーン」といって、ひとつの音を長く揺れないで伸ばす。

なかなか難しいのですよ。


みなさま、良い週末をお過ごしください。

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2012.12.05

【音楽】毎年恒例。12月5日はモーツァルトの命日です。

◆没後221年になります。

モーツァルトの生涯は、1756年~1791年ですから、今年で没後221年です。

モーツァルトに限りませんけれども、特に、バッハとかモーツァルトという人達は、

亡くなった後、220年も経って、全然、関係の無い文化圏の我々が聴いてもゾッとするほど美しい音楽を書きました。

新しく生まれてきた子どもがアッというまに音楽家になって、モーツァルトを弾いています。


商業的音楽(要するに広義の「歌謡曲」です)が20年もすると思い出のメロディーになってしまって、

あれはあれで良いものがあります。私も好きな歌がありますけれども、失礼ながら200年後、世界中で聴かれているか?

と想像すると、その可能性は殆どゼロでしょう。


そう考えると、モーツァルトを始めとする歴史に名前が残っている作曲家の、恐ろしいほどの天才に畏敬の念を覚えます。


◆「モーツァルト頌」という本があります。

Amazonを見たら、今は古本しかないですけど、ときどき新品がでます。モーツァルト頌という本です。

「頌」とは讃える、という意味です。この分厚い本には、自らが天才の名をほしいままにした、大芸術家がモーツァルトを

讃える言葉ばかりを集めたものです。天才たちが「自分など足元にも及ばない天才だ」と尊敬したのがモーツァルトです。

子供の頃のモーツァルトを、既に完全に完成した作曲家だ、と認めたのは、ハイドンでした。

私は神に誓って申し上げますが、ご令息は、私の知る限り最も偉大な作曲家です。(ハイドンが、レオポルド・モーツァルトに向かって云った言葉)

モーツァルトが19歳のときに書いた、「ファゴット協奏曲」です。モーツァルトの管楽器の為の協奏曲で

最初に書かれたのがこの作品です。


ファゴットはクラウス・トゥーネマン。

音源は、クラリネット協奏曲、ファゴット協奏曲、オーボエ協奏曲 ライスター、トゥーネマン、ホリガー、マリナー&アカデミー室内管



モーツァルト:ファゴット協奏曲変ロ長調 K.191 第一楽章。


Mozart Faggotto 1st Movement Allegro



これが19歳の少年の作曲なんですからねえ。


「モーツァルト頌」では、ロッシーニの言葉も見つけました。
モーツァルトの肖像を贈呈します。この大家中の大家を前に、私もそうしているように、あなたも帽子を脱いで敬礼したまえ(ロッシーニ)

ロッシーニ自身、十分に天才ですが、その人がモーツァルトを「大家中の大家」と。


モテット「踊れ喜べ、幸いなる魂よ」より、有名な「アレルヤ」。

こういう歌の歌い方はクラシックの声楽以外では、ありません。本当に毎日何年も練習して、

それでも、出来ないということもあるだろうとおもいます。

私が日本音楽史上、最も上手い声楽家と思っている、ソプラノの森麻季さん。映像と共に。


Alleluia(Exsultate, jubilate) by Maki Mori







完璧な声のコントロールですね。素晴らしい。ここまで上手い人、滅多にいません。


最後、「モーツァルト頌」から。
モーツァルトのピアノ協奏曲のような「本当の音楽」の良さは必ずしも誰にでも分かるものではない。私如きの作曲がもてはやされるのは、そのおかげです(ブラームス)

ブラームス先生も十分、天才なんですけどねえ・・・。


モーツァルトの最後のピアノ協奏曲、第27番 変ロ長調。

音源は、ワルタークリーン・N響の伝説の名演がCD化されたものです。

N響85周年記念シリーズ:モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、23番、24番、27番/ワルター・クリーン、ホルスト・シュタイン、若杉弘

この第3楽章の主題を、数日後、モーツァルトは「春への憧れ」という歌曲に使っています。

ワルタークリーンさんは、カデンツァで「春への憧れ」全曲を取り入れ、それから変奏してまして、

「N響アワー」で聴いたのを覚えています。大変誠実な名演でした。


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595 より第三楽章



Mozart Piano Concerto No27 K.595



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2012.12.03

【音楽】静かで穏やかな音楽です。

◆良い事かどうか。せめて、と思いまして。

中央高速笹子トンネルの事故ですが、あそこは私も何十回通ったことがあるか分からないほどで、

誠に痛ましい限りで、言葉がありません。亡くなられた方を悼んで。


◆静かな音楽ばかりです。

ソプラノ、森麻季さんの、ヘンデル アリア集から


涙の流れるままに。



涙の流れるままに。



アダージョ・カラヤン・プレミアムから、


バッハ 「G線上のアリア」(管弦楽組曲第3番、BWV1068 第2曲「エア」)



バッハ 「G線上のアリア」



ブーニン:バッハ・ピアノ・リサイタルから、



カンタータ147番「主よ、人の望みの喜びよ」

カンタータ147番「主よ、人の望みの喜びよ」



バッハ:平均律クラヴィーア曲集全巻 リヒテルから


前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調



前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調



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2012.08.05

【音楽】1年ぶりの「怒濤のカッチーニ」

◆ときどき、エンドレスで聞きたくなる曲。

カッチーニのアヴェマリアという曲。

あまりにも旋律が美しいので色々な声楽科や、様々な楽器の奏者が、

録音を残しています。探し始めると殆どキリがないです。


以前から何度も「カッチーニ」特集を組みましたが、最近、以前の記事を

見つけて、コメントを書いて下さる方が続きました。

約1年前、昨年の8月10日、私の誕生日に、

【音楽】怒濤のカッチーニ。

をやりまして、そろそろ、また、聞きたくなってきました。

内容は実は、殆ど変わりませんが、これだけ集めているブログは

少ないと思います。


◆順不同です。

特に良いものから、というわけではありません。全く気の赴くままに、

載せました。


順番にお聴き頂いたり、必ずしも全部をお聴き頂く

「必要」はありません(勿論、聴いて頂ければ嬉しいですが)。

お好きなように、お聴き下さい。


最初のこの曲で「おっ!」と思ったのはロシアのカウンターテナー、

スラバ(SLAVA)が、色々な作曲家の「アヴェマリア」だけを集めたCDを

聞いた時だと思います。ave mariaですね。


◆スラバ(カウンター・テナー):カッチーニ: アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria(Slava Counter Tenor)



伴奏がシンセサイザーなのが、うーん。ちょっと残念です(あくまでも私の好みです)。


次は、元・オーボエ奏者(現在は指揮者)宮本文昭さんのお嬢さん、

宮本笑里(えみり)さんのデビューアルバム、smile [Hybrid SACD]に、

当時はまだ、オーボエ奏者を引退していなかった、お父さんが加わった親子共演ですが、それは

本質ではなく、実に美しい演奏です。


◆宮本文昭(オーボエ)・笑里(ヴァイオリン):カッチーニ アヴェ・マリア


Ave Maria 宮本笑里・宮本文昭。



綺麗ですね。


この曲は技術的には、難しくありませんので、演奏家の「歌心」がモロに出ます。

こういう誰でも演奏できる曲を歌ったり弾いたりして、なおかつ聴衆を感動させるのは至難の業です。

ただ、「カッチーニのアヴェマリア」の場合、曲そのものが、圧倒的に美しいので、よほど「棒読み」ふうに演奏しない限り

ある程度は必ず綺麗に聞こえる。


後は、その音楽家の好み・センスの問題です。最高音へ向けて盛り上がるところで、

思い切りクレッシェンドして、なおかつヴィヴラート全開にする、という弾き方。

逆にそこで敢えてやや控え目にする演奏というのもあります。それはそれでとても品がある

と思います(クレシェンドが「下品」という意味では、ありません。)


その控え目のほう。英国王立音楽院留学中、175年の歴史の中で二人目の

スペシャル・アーティスト・ステータスという称号を授与された

ヴァイオリンの川畠成道氏。アルバム、美しき夕暮れから。


◆川畠成道:カッチーニ アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria(Narimichi Kawabata)



非常に上品な、控え目でありながら丁寧に旋律を歌っていると思います。


管楽器で、先ほどのオーボエよりと同族ですがコーラングレ(コール・アングレ)という

オーボエよりも完全五度、音域が低い楽器を敢えて選んだ、N響オーボエ奏者、

池田昭子さんの、アヴェ・マリア~オーボエ作品集から。


◆池田昭子(コール・アングレ):カッチーニ: アヴェ・マリア


Ave Maria Shoko Ikeda(English Horn)



文句の付けようが、ありません。オーボエ(族)特有の切ない、メランコリックな音色がこの曲にぴったりですね。

やはり控え目でありながら美しく歌う。非常にデリカシーのある名演です。


弦楽器に戻ります。同じ区N響の首席チェロ奏者、藤森亮一氏の「ラルゴ:チェロ小品集Ⅱ」から。


◆藤森亮一(チェロ):カッチーニ:アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria(Ryoichi Fujimori)



低音楽器が弱音で演奏したときの独特の美しさ。


さらに低音。元N響コントラバス奏者、池松宏氏の5つのアヴェマリアから。


◆池松宏 (コントラバス):カッチーニ  アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Hiroshi Ikematsu Double Base)



いいですね。低音は気持ちがぐっと落ちつきます。テンポをやや遅めに設定して演奏しているので、一層安定感が出ています。


次は、金管楽器です。アメリカ、ミルウォーキー交響楽団 首席トロンボーン奏者、神田めぐみさん。グロリアから。


◆神田めぐみ(トロンボーン):カッチーニ アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria(Megumi Kanda Trombone)


美しいです。トロンボーンには、他の楽器と同様に、色々な表現の可能性がありますが、柔らかく、朗々と吹くと、

これほど、優しい音がする、ということです。


同じく金管でトランペットです。ガボール・ボルドツキ(Gabor Boldoczki)という、ハンガリーのトランペット奏者です。

グローリア~オルガンとトランペットから。


◆ガボール・ボルドツキ(トランペット):カッチーニ アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria(Gabor Boldoczk Trumpet)


トランペットは金管セクションで最高音域を担当します。とくにその高音域では、音色が金属的、刺激的になりがちです。

緊張感を持たせないで、柔らかい高音を吹けるか?というのはトランペット奏者共通の課題です。この人は上手いです。


最後は、声楽。以前から何度も何度もご紹介している、日本音楽史上、バスからソプラノまで含めて、最も上手い声楽科だと

私は思っています。ソプラノの森麻季さんのアヴェ・マリアから。


◆森麻季(ソプラノ):カッチーニ アヴェマリア


Caccini Ave Maria (Maki Mori Soprano)



どう聴いても完璧な演奏ですね。これ以上美しい歌い方が人間に可能であろうか?と思います。


沢山並べました。週末です。ごゆっくり、お楽しみください。

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2012.07.26

「取り返しがつかない」こと。3年前、拙日記の読者のお一人が亡くなったのです。

◆あまりにも申しわけないのです。

拙日記・ブログという書き方を私は良くしますが、

「JIROの独断的日記」は、そもそも2002年4月15日、まだ、Twitter、Facebookやmixi、いや、

それどころか、まだ、ブログという言葉も日本では殆ど知られていない頃、ウェブ日記エンピツ

自分のアカウントを開いた日、から続いております。

2004年11月から、あまりにも世の中が「猫も杓子もブログ」の様相を呈し、

当時は、小泉政権で、私は「反小泉改革」で、

自分の主張が少しでも多くの人の目に触れるようにすべく、JIROの独断的日記ココログ版を設け、

以来、両方に同じ文章を載せているのです。


ありがたいことに、10年前から読み続けて下さっている読者の方もおられます。

そういう読者のお一人が3年前の今日、亡くなりました。

平成21年7月25日 午後5時27分、骨髄異形成症候群から移行した急性骨髄性白血病で亡くなった、

きゅっ。の日記のナカムラ・キュウヤさんです。


病状の経過などにかんしては、お亡くなりになった1年後、

2010.07.27 取り返しが付かないこと。ずっと私の日記を読んで下さった方が1年前に白血病で亡くなりました。

に、書かせて頂きました。


私は、ナカムラさんが闘病生活を送りながら、有難いことに拙日記を読んで下さっていることを

認識していたのです。


しかし、こちらからメールを、お送りしてよいものかどうか。

今、思うと、あれこれ送らない言い訳を考えていたように思います。

難しい病気ですから、「元気になって下さい」は無責任ですし。

病気のことに無理に触れず、
「はじめまして。いつも拙日記を御愛読、ありがとうございます」

ということでも、何もお話しないよりは良かったと思うのですが、

結局、ナカムラさんには、一言も御礼を言えませんでした。

だから、「取り返しが付かない」のです。


◆せめて、音楽を。

せめて、音楽を、と思いました。

亡くなったすぐ後ならば、レクイエムなども考えますが、

3年後に「葬送行進曲」や「レクイエム」は相応しくないと思いました。

とにかく、美しい音楽を、と考えました。


ラフマニノフのヴォカリーズ。ケルン放送響首席コントラバス奏者、河原泰則さんの

「コントラバスの奇跡」から。


ラフマニノフ:ヴォカリーズ



Rachmaninov Vocalise Contrabass



この曲は、あまりにも美しいので、ありとあらゆる楽器で演奏されます。

今日は、低音が落ちつきがあり、相応しいと思いました。


もう一曲。どうしようも無く美しい「カッチーニのアヴェ・マリア」。

森麻季さんのソプラノです。アルバム「アヴェ・マリア」から。


カッチーニ:アヴェ・マリア


Caccini Ave Maria Maki Mori



ナカムラキュウヤさんに届きますように。

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2012.04.15

【差替】【御愛読御礼】ネットで日記を書き始めて10年経ちました。(音楽追加しました)。

◆毎年、書いておりますので、ごく簡単に。

ここ数年の、4月14日か15日の記事を読み返しますと、

毎年。【御愛読御礼】満7年、8年、9年です、と書いております。

止めなければ、自然に満10年になります。当たり前です。


正直に書きますと昨年までは、「10周年は少し盛大にやろうか」と思っていました。

盛大にといっても、記念パーティを開くとか、そんな事ではなく、

「この10年、色々有りました」という話を書こうかとも思ったのです。


しかし、それをやると、私は多分、苦労話や愚痴ばかりを、書くと思います。


とにかく10年続いた(といっても途中かなりサボった日がありますが)ということは

自分でも意外です。紙の日記しか、この世に存在しなかった頃は、

何度試みても文字どおりの三日坊主でした。

読んで下さる方がおられる、ということがこれほど「書き続ける気持ち」を

もたらしてくださることが分かったのは、大変大きな収穫でした。

10年前の日記を読み返して、今の日記を読むと、

精神的な未成熟さが、露わで、全然成長の跡が認められず、

誠にお恥ずかしい限りです。

いつまで続けられるか何とも言えませんが、

今後とも、よろしければ駄文にお付き合い頂きたく、お願い申し上げます。

この後、音楽を用意してありますが、エンピツというのは、毎時46分までに登録しないと、

次は、30分後となり、日付が変わってしまいます。

一旦登録すれば、15日の日付になります。

後ほど差替えるつもりでございます。

簡単ですが、取り急ぎ御礼まで。


◆若干補筆。

全段落で書いた通り、この数年毎年4月14日か15日に「御愛読御礼」に弊日記・ブログについて

書いていますが、もう一度書きます。

私は同じ文章を二箇所にアップしています。

1つは、ウェブ日記サービスエンピツのJIROの独断的日記

(これは最新ページですので更新すると内容が変わります。目次ページはこちらになります)です。

このエンピツに今は、新規を受け付けていないそうですが、

当時は無料が普通でしたが、今では、有料版すら、新規の登録は断っているのでは無いかと思います。

これに登録した、つまりアカウントを開いたのが2002年4月15日なので、日曜日でちょうど満10年となります。


その、約2年半後、2004年にブログサービス「ココログ」にアカウントを開き、当時から今まで、原則としてエンピツと同じ文章を

載せています。

ブログ・アカウントを開いたのは、当時物凄い勢いで、あたかもTwitterが流行りだしたときのように、

ブログを始める人が加速度的に増え、ウェブ日記は失礼ながら、あまり人々が感心を持たなくなったのです。

私は、プライベートな事柄を書き記す文字通りの日記ではなく「時事問題」にコメントする文章を書いているので、

より大勢の人に自分の意見を読んで頂く為には、掲載する場所を2つにした方が良いと思ったからです。

あまり、説明がくどいのも行けないのでこの辺にします。


◆【音楽】モーリス・アンドレ。続きます。「夜の女王のアリア」をトランペットで。

これも、このところ毎回書きますが、アナログレコード時代は、これだけで一枚だったんですが、今は、

モーリス・アンドレ・エディション第4集~組曲、舞曲、編曲集(6CD)しかないようです。

6枚組のCD-BOXですが、Disc3に収録されています。

モーツァルトの歌劇「魔笛」の夜の女王のアリア。

普通のオペラのレパートリーでは、ソプラノの最高音、三点ヘ(F6)がでます。

最高音域での声のコントロールが要求される、コロラトゥーラの独擅場です。

それをピッコロトランペットで演奏したもの。


モーツァルト:歌劇「魔笛」第2幕「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」(トランペット=モーリス・アンドレ))



復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」



これは、楽器でも歌でもギリギリの高音で非常に難しいでしょうね。想像ぐらいは、できます。

もう一曲だけ。オペラ・アリアをトランペット。

ロッシーニ、序曲は皆しっている歌劇「セビリアの理髪師」ですがその第2幕の最初に

演奏されるアリア。「今の歌声は!」です。


最初に本物(声楽)で聴いてみましょう。

私が日本の声楽家で一番上手いとブログに書き、今もそう思っているソプラノの森麻季さん。

引用元は、愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集 (森麻季)です。


ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」第二幕「今の歌声は!」(ソプラノ:森麻季さん



今の歌声は!



すごいでしょ?あらゆる点に置いて。私はですね。こういう超一流の演奏を聴くと「クラシックって次元が違う」と

どうしても思います。クラシック以外の歌を歌を十羽一絡げで「歌謡曲」と呼ばせて頂きますが、歌謡曲の人達、

よく、みずからを「アーティスト」とか言っているけど、今の森麻季さんの超絶的な技巧と完璧な音程。オーケストラを

バックにしてもホールの隅々まで、マイクなど使わずに響き渡るであろう声。こういうのを聴いたら、普通の神経だったら、

歌謡曲の人、自分達程度の歌でクラシックのコロラトゥーラ・ソプラノより遙かに大きい経済的見返りを得ていることが、

恥ずかしくなるのでは無いかと思います。


さて、イヤミはこれぐらいにして、同じアリアをモーリス・アンドレがトランペットで吹いたらどうなるか。


ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」第二幕「今の歌声は!」 (トランペット:モーリス・アンドレ)



今の歌声は!



トランペットにはバルブ(ピストン)がありますから、音階的な動きなどは、声楽よりも簡単かもしれませんが、

このアリア、とてつもなく難しいということが、楽器の演奏で聴くとより一層明らかになりますね。アンドレの

高音のコントロールは勿論すごいですが、森さんの演奏技術が如何に超絶的か、ということも同時によく分かりました。


さて、4月14日はヘンデル(1685年2月23日 - 1759年4月14日)の命日でしたから、最後は綺麗で有名な二曲で。

オンブラ・マイ・フですが、余りにも有名ですが、これを元チェコフィル首席トランペット奏者、

ミロスラフ・ケイマルで演奏しています。この人もアンドレとはまた違うんですが、ものすごく綺麗な音を

出す人で、このオンブラマイフは多分、トランペットではなくて、フリューゲル・ホーンだろうと、

CDには書いてないのですが、専門家に言われました。なるほど、と思いました。

楽器の音色自体がトラペットよりも柔らかいとはいえ・・・まあ、お聴き下さい。

音源は、-GLORIA-トランペット名曲集です。


ヘンデル:オンブラ・マイ・フ(トランペット:ミロスラフ・ケイマル)


オンブラ・マイ・フ(ヘンデル)



信じられますか?こえが「ラッパ」の音ですよ?楽器と言ったら、ピアノとヴァイオリンぐらいしか聴くに値しない、と思っていた方。

色々聴いてみるものですね。


最後は、とにかくテクニックも素晴らしいけど、声楽家の命、美しい声をお持ちの森麻季さんのアルバム、

ヘンデル・アリア集



は、済から済みまで完璧に美しく文句のつけようがない名盤ですが、

私が昔から大好きなヘンデルのオペラ「リナルド」から、以前は「私を泣かせて」でしたが、最近は、

「涙のながれるままに」が一般的なようです。まあ、そういうのは、どちらでもよろしい。

ヘンデル:リナルド「涙の流れるままに」(私を泣かせて)



Handel Renald Aria



リピートの装飾は演奏者の裁量に委ねられていますが、大変趣味の良い上品な演奏だと思います。

信仰心のない私のような人間でも、敬虔な気持ちになります。

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2011.12.22

【音楽・映像】2005年のN響「第九」終楽章。アシュケナージ指揮、ソプラノが森麻季さんです。

◆今年も残すところ旬日余となりまして。

年末というと、別にクラシック音楽など関心がない方も御存知の通り、

ベートーヴェン作曲、交響曲第九番 ニ短調「合唱付き」作品125を

日本の全てのオーケストラが演奏します。

私も以前は、随分何度も聴きましたが、多少クラシックに詳しくなり、

生意気盛りの年頃になりますと、年末の「第九」だけを聴く人がいる、

とか何とか言って、自分はそういう「ド素人」とは違うんだい、

一緒に聴けるか、という気取りが出て参ります。


しかし、それから更に数十年の時を経ると、やはり、これは

特別な作品だと思います。これだけが、音楽史上最高傑作ということではないけれど、

何度も聴いて殆ど、覚えているのに、そして演奏者がどうあれ(少々ヘタクソでも)

感動します。作品そのものの力があまりにも偉大なのでしょう。


第九は、歌のソリストたちとコーラスが加わる第四楽章だけではなく、

本当はやはり第一楽章から第三楽章を聴いた後に第四楽章を聴くものだと

思いますが、あまり五月蠅いことは言わずに、第四楽章を聴きましょう。


◆2005年のN響。アシュケナージ指揮、ソプラノ・ソロ、森麻季さん。コーラス、二期会です。

今まで何十年にもわたって、色々な指揮者がN響の「第九」を振ってます。

これは6年前。まだアシュケナージが音楽監督の時ですが、

ちょっと珍しい部類です。


ご承知のとおり第四楽章では、歌のソリスト(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)と

コーラスが演奏に加わります。

この年は、アルト、テナー、バリトンは、外人さんで、ソプラノだけ天下の森麻季さんです

(4人とも日本人、ということの方が多いです)。



また、N響の「第九」のコーラスは、たいてい、国立(くにたち)音大なのですが、

この年は二期会。つまりプロです。音大とて、声楽専攻の学生ですから、

上手いのですが、やはりプロは違います。バランスが絶妙なのです。


Beethoven - Vladimir Ashkenazy - Symphony No.9 Mvt.4 (1/3)







Beethoven - Vladimir Ashkenazy - Symphony No.9 Mvt.4 (2/3)







Beethoven - Vladimir Ashkenazy - Symphony No.9 Mvt.4 (3/3)







この楽章でいつも聴いていて気になるのは、コーラスもソリストも音域が高すぎるのですね。ちょっと。

御存知のとおり、ベートーヴェン先生は聴覚に障害があり、それは、交響曲第1番を作曲したころから、

症状が出始めていて、第九の頃は殆どきこえなかった、と。しかし、ベートーヴェンに限らず、作曲家というのは、

いちいちピアノで音を確かめながら書くのではなくて、生来抜群に良い音感を持っているひとたちなので、

頭の中で本当の演奏と同じように音を鳴らせるのですが、それにしても、全然きこえない状態がかなり続くと、

影響があるのでしょう。


スコアをよく見ると、ハッとするのですが、この「交響曲第九番」、第一楽章、第二楽章、そしてこの第四楽章の終わりは、

総休止(すべてのパートが休符)になっていまして、しかもその休符にフェルマータついてます。


慣習的に出来上がっちゃってますからいいのですが、第九って大抵、最後の音が鳴った瞬間に「ブラボー」が飛びますが

ベートーヴェン先生は、最後の音の後に静寂があり、それを含めて「音楽」だったのでしょうね。

今度はもう少し自分でまともな音源を探してきます。

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2011.08.11

【音楽】怒濤のカッチーニ。

◆カッチーニの「アヴェ・マリア」だけの日です。

昨年の5月に初めて取り上げてから、これでもかこれでもか、と、様々な楽器や

歌手、或いはコーラス(アカペラ)による、カッチーニの「アヴェ・マリア」を

集めました。いい加減にしろ、と言われそうですが、たまに無性に聴きたくなります。

昨夜も書いて、しつこいのですけど、8月10日は私の誕生日なので、まぁ、

赦しておくんなさい。順不同。思いつくまま。


◆色々な演奏家による、とにかく、カッチーニのアヴェ・マリア。

近年の音楽学者の研究によると、これはカッチーニの作品ではない、とのことですが、

これは、論文じゃないから、「カッチーニのアヴェマリア」のままにします。


宮本文昭(オーボエ)・笑里(ヴァイオリン)



お嬢さんの笑里さんのデビュー・アルバム、smile [Hybrid SACD]での父娘共演。


Ave Maria 宮本笑里・宮本文昭。



いいですねえ。実に実に美しい。


同じオーボエ族ですが、N響オーボエ奏者の池田昭子(いけだ しょうこ)さんのアルバム、

アヴェ・マリア~オーボエ作品集から。


池田昭子(コール・アングレ=イングリッシュ・ホルン)



Ave Maria Shoko Ikeda(English Horn)


音域が低くなる事によって、派手さは無くなりますが、物凄く心を慰められる音で演奏なさってますね。


次はヴァイオリンです。川畠成道さん。この人は、デビューして十数年たちますけど、

学生の頃から、圧倒的に美しい音に、ハッとしたのを良く覚えています。

英国王立音楽院に留学し、首席で卒業しただけではなく、同音楽院175年の歴史で

二人目となる、スペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を授与されたすごい人です。


2007年に発売された、8枚目のアルバム、美しき夕暮れ Beau Soir から。


川畠成道氏(ヴァイオリン):カッチーニ: アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Narimichi Kawabata)



思い切り弾かないというか、控え目な弾き方の美しさが、如何にも英国風だと思います。

非常に上品だ。


同じ弦楽器群で、音域が下がります。チェロ。

N響首席チェロ奏者、藤森亮一氏の、ラルゴ--チェロ小品集IIから。


藤森亮一氏(チェロ):カッチーニ「アヴェ・マリア」



Caccini Ave Maria(Ryoichi Fujimori)



低音で演奏されると、グッと落ちつきます。どうやっても綺麗ですね。


もっと音域を下げましょう。コントラバス。元N響コントラバス奏者、池松宏氏の

5つのアヴェマリア

コントラバスで、美しい曲ばかり。お薦めです。


池松宏 (コントラバス):カッチーニ: アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Hiroshi Ikematsu Double Base)



しみじみと美しい。余韻に浸りますね。伴奏のハープが見事でした。同じN響の早川りさ子さんでした。


歌にします。

最初にカッチーニを取りあげたきっかけはこの人。ロシアのカウンターテナー、スラヴァ。

アヴェマリアだけを集めたアルバム、ave mariaから。

スラバ(カウンター・テナー):カッチーニ: アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Slava Counter Tenor)


男の声です。これぐらい綺麗だと、もう、性別なんか関係ないですね。

シンセサイザー伴奏なのが、ちょっと勿体無い気もしますが、まあ、面白い。

このアルバムにはストラヴィンスキーのアヴェマリアとか、ブルックナーのアヴェマリアとか色々。

面白いですよ。


次は、故・本田美奈子さん(1967-2005)。

残念なことに30代で白血病で夭逝なさいましたが、本田美奈子さんは、

アイドル歌手→ミュージカルを経て、クラシックにたどり着き

「(自分が探していたのは)これだ!」

と直感なさったそうです。既に歌謡曲やミュージカルでは地声で歌うクセが付いていますから

それを一度、全部取り払って改めて、ファルセット(裏声)で歌う声楽の勉強をしたのですから

絶対に大変だったと思いますが、驚くほどの努力をなさった。そして明らかにクラシックに相応しい

感性と声質をお持ちでした。このまま研鑽を積んでいたら、音色、音量、技術、全てにおいて、

どんどん向上なさったと思います。アルバム AVE MARIAから。


本田美奈子(ソプラノ):アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Minako Honda Soprano)



非常に上品なセンスの良い演奏だと思います。

全くの蛇足ながら、先ほど載せた、N響首席チェロの藤森さんは、本田美奈子さんの

大ファンだそうです。



楽器に戻ります。


金管楽器。トロンボーンです。アメリカ、ミルウォーキー交響楽団首席トロンボーン奏者、

神田めぐみさんのグロリア。



残念ながら、国内盤は廃盤のようですが、アメリカのAmazonにはあります。



神田めぐみ(トロンボーン):カッチーニ: アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Megumi Kanda Trombone)



実にふくよかな、美しい本来のトロンボーンの特性を生かしている。

トロンボーンの音は、勘違いしている方がいらっしゃいます。本来、柔らかいのです。


もうひとつ、金管。

先日、
【音楽】新しい才能の発見。ガボール・ボルドツキ(トランペット奏者)。非常に上手いです。

でご紹介したばかり。余りにも、皆さん、無反応だったので、

お気に召さなかったのかも知れませんが、これほど上手い人は最近珍しい。


ガボール・ボルドツキ(トランペット):カッチーニ: アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria(Gabor Boldoczk Trumpet)



高音で音が堅くならないというのが、トランペットでは肝心です。上手い。


最後です。今日は完全に順不同です。私が日本音楽史上最高の声楽家と信じて疑わない

ソプラノの森麻季さんの最新アルバム、アヴェ・マリアから。


森麻季(ソプラノ):カッチーニ:アヴェ・マリア



Caccini Ave Maria (Maki Mori Soprano)



音楽家は、自分の演奏に100%満足することは無い、といいます。

しかし、私には森さんの演奏には、「完璧」という形容詞しか該当する表現がない、と思います。

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2011.03.21

「緊急物資、ヘリから投下しやすく 国交省が規制一時緩和」/渡辺謙「雨ニモマケズ」朗読等 特設サイト「kizuna311」開設

記事1:緊急物資、ヘリから投下しやすく 国交省が規制一時緩和(日経電子版)(2011/3/17 18:55)

国土交通省は17日、東日本巨大地震を受けて、

ヘリコプターなどが緊急物資などを地上に投下する際の規制を一時的に緩和した。

すでに警察や消防、防衛省など関係機関に通知した。

通常は航空法に基づき、15日ごとに所管空港の事務所に文書で届けなければならないが、

緊急物資を被災地に投下する場合は、電話で1度連絡すればよいことにする。

被災地へ救援物資を速やかに輸送することが狙い。


◆コメント:一般に飛行機から物資を投下するには届け出が必要だったのですね。

地震発生直後から、菅首相は自衛隊の災害救援要員を5万人にするといい

直後に10万人にする、といった。その割には、被災地の映像を見るたびに

毛布が無くて寒い。石油が無い。食料がない。水が無い。薬が無い、と訴えているのに、

一体、国は何をしているのか?

と多くの人は思い、そして、それは航空法という法律により禁止されている為だと知り、

驚いた。航空法 第89条。

(物件の投下)

第八十九条  何人も、航空機から物件を投下してはならない。但し、地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれのない場合であつて国土交通大臣に届け出たときは、この限りでない。

この条文により、自衛隊機が災害時に救援物資を投下するにも、

都度、国交相に届けなければならないことになっていた。さらに、

その細かい手続きを定めた「航空法施行規則」という省令があり、

航空法第89条に所謂「国土交通大臣に届け出」る内容が細かく定められている。

航空法施行規則 第196条の2
(物件の投下の届出)

第百九十六条の二  法第八十九条 ただし書の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した物件投下届出書を空港事務所長に提出しなければならない。

一  氏名及び住所

二  航空機の型式並びに航空機の国籍及び登録記号

三  飛行の目的、日時、径路及び高度

四  物件を投下する目的

五  投下しようとする物件の概要及び投下しようとする場所

六  操縦者の氏名及び資格

七  その他参考となる事項

なるほど。この法律と省令自体の存在意義は、分からなくも無い。

たとえば、一般企業が広告用のキャンペーン・グッズを、都内でヘリから地上にバラ撒かれたら、危ない。


但し、自衛隊が救援物資を投下する場合が、例外ではないとすると、

いちいち、このような煩雑な手続きをしていては、埒(らち)が開かない。一刻を争う状況である。

記事1は、この手続きを電話1本で済む事にした、ということで、地震から6日目で

やや遅いが、役所の対応としては、これでも早い方だと認めてやるべきかもしれない。


◆記事2:<渡辺謙>「雨ニモマケズ」朗読 吉永小百合、役所広司らが被災地へエール 特設サイト開設(毎日新聞デジタル 3月20日(日)15時12分配信)

俳優の渡辺謙さん(51)らが15日、東日本大震災の被災者へ向けた世界中の応援メッセージを発信する特設サイト

「kizuna311(キズナ サンイチイチ)」を開設。

岩手県出身の詩人・宮沢賢治作の「雨ニモマケズ」と、英語で世界へ向けたメッセージを動画を公開しており、

渡辺さんは「メディアには、それぞれの役割があります。日々報道を続けるマスメディアの切り口とは違った、

私たちならではの視点に立って、被災地に、世界中に絆の力を伝えたい」と呼び掛けている。

「kizuna311」は、渡辺さんと放送作家の小山薫堂さんが呼び掛け人となり、動画サイト「YouTube」で配信。

地震発生後、渡辺さんの元にトム・クルーズさん、レオナルド・ディカプリオさんら

過去に共演したハリウッド俳優ら国内外から日本を心配するメッセージが届いたことから、

企画がスタートしたという。



吉永小百合さんや役所広司さん、風吹ジュンさん、香川照之さん、南果歩さん、笑福亭鶴瓶さんらが賛同し、

「詩」「童話」など被災者を励ますための作品を選び著名人が朗読する「kizuna_Stories」のほか、

国内外から寄せられたコメントを紹介する「kizuna_Words」を公開する。

サイト内の動画や音声メッセージなどのコンテンツは、全国のテレビやラジオへ無償提供する。


◆コメント:良いことだ、と思います。

私自身は、東京にいて、東京もかなり地震の影響を受けているが、

それでも、東北にくらべたら、いかほどのものか。

自分は、家が壊れもせず、食料も、水もあり、水道、電気、ガスが通っており、

寒ければ暖房を使うことが出来、布団で眠ることが出来る。

そういう安全地帯にいて、被災者の方々に

頑張って下さい!

というのは、それは言うだけなら簡単だが、仮に逆の立場でそういう言葉を聞いたら

腹が立つ、と思うのである。そう思っていたのだが、渡辺謙氏の立ち上げた

「kizuna311(キズナ サンイチイチ)」を見た。自分が被災者ではないから、

被災者はどう感じるか分からないが、悪く無いと思われた。

あまりにも、地震情報と、民放の「公共広告機構」で「子宮頸癌予防」などの

同じような時間が流れていくよりも、

合間にプロの俳優による詩の朗読や、メッセージを流す方が余程良いのではないか。


◆「kizuna311(キズナ サンイチイチ)」より、いくつか。

助けあい、乗りこえる。私たちの財産は [kizuna]のトップページに、

本サイトのすべての映像・音声コンテンツは、ロイヤリティフリーにてご提供し、再頒布していただく事を目的としています。

とあるので、遠慮無く転載させて頂く。

最初は発起人、俳優、渡辺謙氏による朗読「雨ニモマケズ」。



kizuna311 #01 渡辺謙「雨ニモマケズ」朗読






単なる詩の朗読で、余計なことを言わないのが良いと思います。


kizuna311 #03 香川照之からのメッセージ







こういうコメントは、本当に気持ちがこもっていないと、すぐバレます。

香川照之氏のコメントには「誠」を感じます。


kizuna311 #07 佐藤浩市「生きる」朗読







最後に、最も新しいのでは無いかと思います。

昼間はまだ無かった。中井貴一氏による谷川俊太郎:「守らずにいられない」。


kizuna311 #10 中井貴一「守らずにいられない」朗読







このプロジェクト(kizuna311)の本質から逸れますが、

詩や小説を、その「心」が通じるように朗読することは、俳優の基本なのだ、と感じました。


◆【音楽】森麻季さん:ヘンデル:リナルドより「涙の流れるままに」

これは、「kizuna311」とは無関係です。

私からは、今は音楽どころじゃ無いかも知れないけれど、

ソプラノ森麻季さんの麗しき瞳よ~ヘンデル・アリア集から。


≪リナルド≫ 涙の流れるままに



リナルド 涙の流れるままに



それでは。

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