カテゴリー「欧州危機」の記事

2013.04.26

「日経平均大引け、続伸 4年10カ月ぶり1万3900円台を回復」←バブルですね。

◆記事:日経平均大引け、続伸 4年10カ月ぶり1万3900円台を回復(日経電子版)(2013/4/25 15:12)

25日の東京株式市場で日経平均株価は続伸した。前日比82円62銭(0.6%)高の1万3926円08銭だった。

連日で年初来高値を更新し、2008年6月20日以来ほぼ4年10カ月ぶりに1万3900円台を回復した。

発表が本格化している国内主要企業の2013年3月期決算や14年3月期の業績見通しが、

おおむね市場の期待に沿った滑り出しになったとの見方から個別銘柄を物色する動きが広がった。

安倍晋三政権の経済政策を受けて国内景気が回復に向かうとの期待から、相場の先高観が強く

後場に入ると押し目を待っていた海外投資家の買いが優勢になった。キヤノンが大幅安となったのを受けて

日経平均は下げる場面があったが、投資家の押し目買い意欲が強く下げ幅は限られた。

東証1部の売買代金は概算で3兆566億円(速報ベース)と連日で3兆円を超えた。


◆コメント:実体に変化はなく、企業決算の改善は、為替差益や株式含み損の減少によるものです。

以前から、同じようなことをかいていますが、上の記事の色で強調したところ、

安倍晋三政権の経済政策を受けて国内景気が回復に向かうとの期待から

が、皮肉にも、今の状況を端的に表現しております。

「国内景気の回復を反映して」ではなく、「国内景気が回復に向かうとの期待から」なのです。

自分の生活を冷静に見ればわかるでしょうが、お給料が倍になった人いますか?

なりませんね。今日は、主要企業の1~3月期の決算発表が多く、純利益何倍増、というので、

それがまた、勘違いを誘うのですが、本業の仕事が増えているのではなく、それ以外の為替差益とか

銀行などは、株価がとりあえず「気分で」上がっているから、保有株式の含み損が大幅に減る。

その分、利益が増える。何をしたわけでもないのです。


本当に「景気がよくなる」とは、各企業の本業による利益、「営業利益」が増えるか、そして、増え続けるかどうか

を見なければなりません。四半期ごとに決算発表がありますが、一四半期だけをみて判断するのは、早計です。

企業の本来の業務による利益が、全体として増えているのならば、誠にめでたいのです。


しかし現実を冷静に考えると、そもそも安倍政権は「デフレからの脱却」を標榜し、日本銀行が金融緩和を

「一層強力に推進し」ているのですけど、その効果で物価が上昇に転じてくるか。また仮にそうなったとしても

物価だけがあがり、家計所得が増えなければ個人消費が増えないので、見せかけの物価高は需給の原則により

下落し、企業業績の本当の(為替差益とか株式含み損の減少によらない)改善はありえません。


要するに、今は全てが「気分」だけ。一見景気が良さそうですが、日経の別の記事によると、

現在の株価の上昇にあやかろうと、今まで株に手を出していなかった素人、しかも個人が株取引を

はじめようと証券会社に(ネットでできますから)殺到しているそうです。


素人までもが「買い」に走るというのは非常に危険で、欧州財政危機など完全に収束してませんし、アメリカも

中国も、景気がとてもいいわけではない。ユーロ売り、ドル売りから円高になれば、輸出関連株から

暴落する可能性があります。

経済専門紙の日経までもが、なんだか政府に取り入るように景気の良さを必要以上に強調していますが

わたしだったら「今の株価上場は、ムードだけで、一寸先は闇だから、やめておいたほうがいい」といいます。

こういうときに、小遣い銭ほしさに株に走るか、静観するかで、やや大袈裟にいうと人間の「品格」が分かると思います。

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2013.04.09

「スペイン、ジャンク級へ格下げのリスク=ムーディーズ」←「対岸の火事」ではないのです。

◆記事:スペイン、ジャンク級へ格下げのリスク=ムーディーズ(ロイター 4月9日(火)21時40分配信)

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、現在「Baa3」としているスペインの格付けについて、

今年の財政再建目標を達成できない恐れがあり、ジャンク(投機的)等級に引き下げられるリスクがあるとの認識を示した。

スペインは昨年、財政赤字を国内総生産(GDP)比7%までしか削減できず、6.3%の削減目標を達成できなかった。

今年の目標は4.5%だが、ムーディーズは達成できる公算は小さいとし、

「当社はGDP比6%程度への緩やかな赤字削減を見込んでおり、

公的債務の急増ペースを低下させることが妨げられる」との見方を示した。

格付け見通しについては「ネガティブ」で据え置き、スペイン政府は、財政再建目標を達成できず、

度々目標を修正することで信頼を失っていると指摘した。

政府筋によると、スペイン政府は2013年の財政赤字削減目標をGDP比6%に緩和する見通しで、

現在2014年となっているGDP比3%への削減達成期限を先送りするよう欧州委と交渉している。


◆コメント:アベノミクス期待で、日経平均株価が上昇しても欧州危機は終わっていないのです。

これは、スペインの特定の民間銀行が危ない、ということではありません。

こういう国家の信用リスクを「ソブリン・リスク」といいます。ソブリン「sovereign」とは元来「国王、主権団体」という

意味です。ムーディーズとスタンダードアンドプアーズ(S&P)というのが、二大格付け機関(会社)ということになっております。

格付け機関というのは、自らは何も付加価値を創造しないで、世界中の国の国債とか大企業の社債の格付けをして、

その信用力に関する情報を世界中の投資家に売って食っている連中で、どうして彼らがそれほど「エラい」のか、

誰にもわからないので、とくにアメリカのサブ・プライムローン問題の後から、この格付け機関にたいして、

おめーら、いい加減にしろよ?

という声も多々あがっているのですが、今のところまだ生きながらえております。

二大格付け機関のひとつ、ムーディーズという会社がスペインの信用力が著しく衰えている、と発表したというのですが、

これは、現在、御存知のとおりヨーロッパはEU(欧州連合)として、一つの経済地域とみなされますので、

ドイツなんかは、まあ、大丈夫なんですけれども、スペインというかなりEUの中では大きな国、その国家の信用力が

怪しい、となると、EU全体の信用力に関わるのです。


すると、ヨーロッパの国々の国債の価格が暴落するので、ここに投資しているアメリカや日本の投資家が

下手をすると大損します。

また、国債だけではなくて、スペインがまず一番ですけれども、ヨーロッパの銀行などの信用力に疑問符が付きます。

以前にも書いたことがありますが、世界中の金融機関というのは一つのネットワークになっておりますから、

スペインの銀行一つぐらい潰れてもいいや、という訳には参りませんで、必ずその銀行に他の銀行なり何なりが

短期金融市場という所でおカネを貸しています。そのおカネが帰ってくるのをアテにして別の所から資金を借りていたとすると、

たった一つのスペインの名前を聞いたこともないような銀行が資金繰りが付かなくなっただけで、その影響はドミノ(将棋倒し)的に

極端に言えば、全世界に波及する危険性があります。この危険を「システミック・リスク」といいます。


ですから、他人事(ひとごと)ではないのです。日本の投資家が直接スペインの地方銀行に投資していることは

殆どないでしょうが、ヨーロッパの他の銀行には投資しています。また、アメリカの銀行や証券会社などにも投資しています。

ドミノ式資金繰りショート(不足)が回り回ると、日本の投資家が持っている海外の国債や社債や、株が紙屑になります。

その損失を埋めるには、商売の元手である「資本金」を取り崩さなければならなくなります。これは最悪でして、

資本金を取り崩すこと=その会社の信用力が低下する→資金を調達しにくくなる、という悪循環が起きます。


こういうのがものすごい規模で起きたのが2008年9月15日のリーマンショックに端を発する世界金融恐慌です。

スペインの格下げで、そこまでの大波乱になるとは、おもいませんが、日経平均がノーテンキに上がり続けることは

できなくなるでしょう。新総裁の下で日銀が「大胆な金融緩和」を実行すれば、日本は安泰というほど、

世の中は、単純に出来ておりません。

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2013.03.18

キプロスで何が起きたのか。

◆記事:ユーロ圏、キプロス支援で合意=1.3兆円融資、貯蓄税を徴収(時事通信 3月16日(土)12時22分配信)

欧州連合(EU)のユーロ圏諸国は15日、ブリュッセルで臨時の財務相会合を開き、16日未明まで議論の末、

ギリシャの債務危機で銀行が深刻な打撃を受けたキプロスに対する金融支援で合意した。

支援額は最大100億ユーロ(約1兆2500億円)。

ユーロ圏による危機支援は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインに次ぎ5カ国目。

キプロスは2012年6月に支援要請後、ユーロ圏との交渉が難航していたが、ようやく一区切り付いた。

融資には国際通貨基金(IMF)も参加する。

キプロスは支援と引き換えに、同国の銀行預金を対象に最大9.9%の貯蓄税を徴収。

財務相会合の声明によると、キプロスは法人税率の引き上げや、

劣後債保有者に損失負担を要請することも約束した。


◆キプロスはEU参加国なのですが、ロシア人の富豪の預金が多いのです。

ちょっと、記事では、分かり難いでしょうか。

キプロスという地中海の島国があります。面積は四国の半分程度で人口は約80万人です。

小国ですが、2004年にEU(欧州連合)に加盟し、2008年にはEUの単一通貨ユーロを導入しました。

そのキプロスが財政危機で、このままではデフォルト(債務不履行)に陥ることは避けられないというので、


EUに対して、記事にもありますが、ギリシャ、アイルランドのように、緊急的に資金を貸して欲しい、

と頼み、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)が相談して金融支援を発表しました。

キプロスは、170億ユーロ、貸して欲しい、と頼んでいたのですが、EUが16日(土)に発表したのは、

1.EUとIMFが最大100億ユーロを支援。

2.あとはキプロスの銀行の預金者に58億ユーロの「預金税」を課税して賄え。

ということでした。元々キプロスが期待していた、170億ユーロに届かないばかりか、

キプロスの預金者も、一部財政危機を乗り越えるため、負担しろ、という前代未聞の方法なので大騒ぎです。

詳細に書くと、キプロスの銀行にある預金のうち、10万ユーロ以上の部分については、9.9パーセント。

10万ユーロ未満の部分については、6.75パーセントの「預金税」を課すというのです。

そんなことをキプロスの一般市民が知ったら、一斉に預金を引き出す「とりつけ」騒ぎが起きるのは

目に見えています。税金を掛けられる前に、出金してしまおうとするでしょうから、16日からすでにオンラインバンキングでの

振込などもできなくなっていまして、それがきょう、18日まで続いてます。18日はキプロスの休日だそうです。


火曜日の朝、預金封鎖が解かれたときには、10万ユーロ以上の預金の9.9%、

10万ユーロ未満の預金部分の6.75%は、税金として徴収されなくなってしまっているはずです。


これは、ギリシャ系の普通に暮らしている国民は怒るでしょうが、ヨーロッパは割と冷ややかです。

キプロスは、ヨーロッパからもアフリカからも、中東からも近い地理的条件を利用して、

税率の低い「タックスヘイブン」(租税回避地)になろうとしました。旧ソ連が崩壊してから、

特にソ連の富豪が税金逃れやマネーロンダリング(資金洗浄)のためにキプロスを利用しました。


ですので、キプロスの銀行にはロシア人の大富豪の預金が大量にあります。そしてロシアはEU加盟国ではありません。


ですから、EU諸国とその国民達から見ると、自分達の税金で、EUメンバーでもないロシア人の金持ちの

しかも、税金逃れや資金洗浄のための「汚い」おカネが一杯である、キプロスの銀行を救うのは、

愉快ではありません。


それが、今回、「100億ユーロは支援してやるが、あとはキプロス人も負担しろ」と決めた理由です。

資金洗浄とか脱税とか、悪いことをしていないキプロス市民にとってはたまらないでしょうが、

ロシア人の預金だけに課税する、というと、やはりどこでも差別だなんだ、と面倒なことになる。

そういう情緒的な面もありますが、キプロスはロシアの富裕層だけに課税し、彼らが怒って
もう、二度とキプロスの銀行は使わない。

と言われると困る。キプロスの一般市民も巻き添えにすることにより、「こちらも苦労してますから」という

ところを強調したいのでしょう。

経済規模からするとキプロスのGDPはユーロ圏全体の0.2%で、その意味では大した事がなさそうなのですが、

この小国の件で、日経平均まで大幅反落し、世界中の投資家が様子を窺っているのは、

今回の措置が正式に定着すると、今後他の国を金融支援する際にも、似たようなことになるかも知れない。

とりあえず落ちついたと思っていた欧州危機は、まだ、危ない要因がある、ということを改めて思い出したからだと

思います。

キプロス議会は日本時間19日(火)午前1時から、「銀行預金への課徴金適用をめぐる採決」を行うそうです。

この稿をかいているのは日本時間18日(月)午後11時ですが、小額預金は非課税にするかもしれない、

というニュースが流れています。事態の推移が注目されます。

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2011.12.02

欧州経済危機とは何か(その2)

◆EU(欧州連合)とユーロ圏とは一致しません。

「その2」と書いたとおり、一度簡単に説明しております。

2011年09月15日(木) 欧州経済危機とは何か。(ココログ)

このときには、ギリシャの問題を中心に書きました。

もう少し丁寧に説明します。


まず、EU(欧州連合)という共同体があります。27ヶ国がメンバーです。

ドイツが第一次、第二次いずれの世界大戦でも負けて、凋落してしまい、

ヨーロッパがアメリカのドルに支配されるのを危惧して、もっぱら最初はドイツが

音頭を取って、EU(欧州連合)というものを作った訳です。


そして、EUの共通通貨がユーロです。

ユーロ導入国は23ヶ国です。


すこしややこしいのですが、EU加盟国27ヶ国のうち、17ヶ国がユーロを自国通貨としています。

EU加盟国で、ユーロを導入していないのは、
イギリス、デンマーク、スウェーデン、チェコ、ポーランド、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア

の10ヶ国です。これらは、従来からの自国通貨を維持してます。


また、EUに加盟していないのにユーロを自国通貨としている国があります。

通貨同盟を結んでいた相手国がユーロに参加したため、一緒に加わったという、

いずれも人口数万人というぐらいの小さい国です。それ(EU加盟国ではないけど、ユーロを導入している国)は、
アンドラ、モナコ(フランスと通貨同盟)、

サンマリノ、バチカン(イタリアと通貨同盟)、

アンドラ(スペインと通貨同盟)

の4ヶ国。

それからコソボ共和国と独立を宣言している国があります。

ドイツマルクを自国通貨にしていましたが、ドイツがユーロを導入したので、ユーロを自国通貨にしました。

コソボはセルビアの一部で国連加盟国193国のうち、コソボを独立国家として承認しているのは、85ヶ国です。

承認していない国々はコソボをセルビア領土内の一地域、と見なしている。

ややこしいですが厳密にいうとそう言うことです。

そして、さらに、モンテネグロという国は一方的にドイツマルクを自国通貨にしていました。これもユーロに移行です。

EU加盟国であり、ユーロを自国通貨としているのが、17ヶ国。

それに、アンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン、コソボ、モンテネグロ、の

6ヶ国を加えるので、ユーロ導入国は23ヶ国です。


◆ユーロ導入している国が次々にヤバいのです。

単一通貨ユーロを導入すると、ユーロ圏では、両替をしなくていいので、コストが削減され、

また、為替変動リスクを気にせずに済むようになるので、ユーロ圏内では相互に貿易が盛んになり

経済活動が活発化します。


ところが、逆にデメリットがモロに出ているのが今の状態です。

ユーロ圏内は経済的運命共同体なので、一国でもいい加減なのがいると、

ユーロを導入している地域全体の信用問題になるのです。


ユーロ導入国であり、かつEU加盟国であるギリシャは、EU加盟の条件で

本当は財政赤字をGDP(国内総生産)の3パーセント以内に収めていなければならないのです。

しかし、9月に説明したように、ギリシャは、オリンパスじゃないですが、粉飾決算をしていたのです。

2009年10月に政権交代があり、今のパパンドレウ新政権のもと、旧政権が財政赤字を隠蔽していたことが

明らかになりました。旧政権は財政赤字はGDPの4パーセントぐらいだと言っていましたが、新政権が調べたら、

なんと3倍以上、GDPの13パーセントもあることが判明しました。

そこから、欧州ソブリン(国債など国家が発行したり政府が保証している債券)危機が始まりました。

それはそうでしょう。国家の発行する債券は、本来、最も安全でなければならないのに、本当はEUに参加出来ないような

ギリシャが財政赤字を誤魔化してEUのメンバーになっていたのですから、

「ユーロ圏は信用出来ないな」と思われてしまう。そうすると、世界の他の国が

ユーロ圏の債券を買わなくなる。資金が調達できなくなるから、ますます財政赤字が膨らむ、

という悪循環になるのです。


◆南欧諸国の財政状況の悪さも明らかになりました。

ギリシャの財政赤字は、身から出たさびですね。

ギリシャの公務員は、全労働人口の20%以上に当たる100万人以上もいて、

公務員給与と年金が政府支出の40%にも及ぶというから無茶です。

因みに2010年にOECDが発表した2007年のデータによると、公務員人件費の対GDP比率は、

資料を提出した23ヶ国中、日本は最も低く6.2パーセント。人口1000人あたりの公務員の人数は、

日本は32人で、フランス、アメリカ、イギリスの半分以下。

国家公務員に限ると、なんと日本はフランスの10分の1です。


それはともかく、ギリシャ人のデモを見てると全然分かっていないですね。

ギリシャのソブリンリスク、国家としての信用が暴落したので、

ギリシャ国債に投資していた、他のヨーロッパ政府やヨーロッパやアメリカの金融機関が

大きな評価損を計上せざるを得ない状況です。全然ギリシャ人は分かっていないです。

全労働人口の5分の1にあたる公務員。彼らは5時間の昼休みを取ります。

年金支給額が現役の給与とほぼ、同水準。それを減らすと言ったら、デモですよ。


ギリシャだけならまだしも、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランドが

どうも、自力で財政再建不可能らしいということで、既に投資不適格の格付けになっている国もある。

問題は、特にイタリア、スペインには、同じユーロ圏のドイツ、フランスが多額の投資をしている。

従って、イタリア、スペインが極端な話、デフォルト(債務不履行)などおこしたら、

イタリア、スペインの国債は紙屑となり、両国の銀行などの株・債券の価格が暴落し、

フランス・ドイツを巻き込み、さらにその結果アメリカや日本の投資家も評価損を計上することに

なるかもしれない。

そういう漠然とした、しかし、十分あり得る事態が鮮明になってきたので、

11月30日には何と、日本銀行の白川総裁が夜の11時から記者会見を開き、

日本銀行、カナダ中銀、英国中銀、欧州中銀、フランス中銀、スイス中銀の総裁が相談して、

それぞれの国で外貨、とくにアメリカドルの流動性資金が不足しそうなときは、余っている国から

融通する「スワップ取極」という制度があるのですが、その時タダじゃないのですね。金利を取ったり

取られたりするのですが、その金利を下げることにした、と発表したのです。

これによって世界の主だった国や、その国の金融機関が資金繰り難に陥るのを防ぐ。

その意思をヨーロッパ時間に合わせて同時に発表することによって、マーケットに、

ひとまず、安心感を与えましたが、白川日銀総裁は、11月30日夜11時からの記者会見で、

これは、けっして欧州財政危機の根本的な解決にはならないのであって、

財政に問題を抱えるユーロ圏で、対策を考えて貰わないと、リーマン・ショックのような

ことになりかねない(これは、昨夜ではないと思いますが、そういう趣旨の発言はしています)、

と言っていました。


◆全く予断を許さない、きわどい状況です。

11月30日、6ヶ国中央銀行の意思表明の結果、12月1日には、

ひとまず安心感から株が買われましたが、あくまでも「ひとまず」です。

日本の中央銀行総裁が夜の11時から記者会見をして世界に安心感を与えなければならないほど、

きわどい状況なのか、ということが、私には、むしろショックでした。

相当、ヤバい。下手をすれば、リーマン・ショック以上ですね。

民間企業ではありませんから。今、問題になっているのは。

G7といって、世界経済の最も主要な7ヶ国のうち、フランス、イタリア、

場合によってはドイツまで、デフォルトするかも知れないというのは、

もしそうなったら・・・・ちょっと想像が付かないですね。

世界大金融恐慌とそれによる、ものすごい大不況の到来ということでしょうか。

そんなことで済むかな?というほどの問題が起きる可能性が現実にある。

一般の方々が考えておられるよりも事態は遙かに深刻です。

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2011.10.30

【翻訳】野田首相、欧州経済危機に更なる努力を希望。(フィナンシャル・タイムズ紙 インタビュー)

◆Japan urges more action on euro crisis(FT:October 28, 2011 4:15 pm)

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/801de296-0164-11e1-ae24-00144feabdc0.html#axzz1cGGqzlHC

日本の野田新総理は、欧州首脳会議で決議された金融安定化策に、日本としても貢献をするつもりだが、

同時にEU各国首脳に、問題解決に向けて一層の努力を求める意向を明らかにした。


28日(金)、野田佳彦内閣総理大臣は、フィナンシャル・タイムズの単独インタビューに応じ、

欧州首脳会議が、金融危機対策で包括的合意に達し、ギリシャに対する債権を減免したことを

歓迎すると述べた。


しかし、世界第3位の経済大国の首相は、同時に引き続き欧州経済には様々な未解決の問題があり、

それによって日本経済に悪影響が及ぶ可能性を大いに憂慮している、ことを明らかにした。


野田首相は、「EU及び、ユーロ圏内の諸国に対して、我々は一層力強く、詳細にわたる努力を要求する」

と述べ、同時に、日本及び諸国もまた、経済成長と財政再建に向けた新しい政策を策定すべきだと

付け加えた。


同首相は「これは『対岸の火事』ではない。今、最も大切なことは火がアジアや世界経済に燃え移るのを

防ぐことだ」と語った。

日本自身、財政赤字が大きな問題となっているが、利用出来る資金は莫大である。

12兆USドル相当の外貨準備を保有しており、これは中国に次いで多い。


EU首脳会議の決議は、ユーロ圏救済の為の基金(EFSF=European financial stability facility。

欧州金融安定ファシリティと呼ばれる)を増強することを含んでいるが、

EFSFのクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO)は、金曜日、中国を訪問して、一層の支援を希望する

旨を伝えた。レグリング氏は日本にも行く予定である。


日本は現在、EFSFが発行した約100億ユーロの債券の20%を保有している。

首相になる前は財務相を務めていた野田総理は、EFSF債券にさらに投資する可能性を示唆した。


「日本は、今までは経済と金融の安定に寄与することになれば、という意図でEFSF債の一定割合を購入していたが、

今後も、われわれが適切な方法での支援継続を望んでいるのは言うまでもない」と述べた。


野田首相は来週開催されるG20が、互いに情報を共有しソブリン債危機の世界的拡大を防ぐために

重要な機会になるであろう、との考えも明らかにした。

欧州財政危機と米国の景気の弱さは、日本が東日本大震災によって被った経済的打撃から

回復していく上で、懸念材料となりつつある。

日本の財政・金融政策担当者はまた、GDPの2倍に達する財政赤字が、日本の信用力を低下させることに

懸念を抱いている。

野田首相はインタビューの席で、来るG20を、日本が財政危機に陥るのではないか、

という諸外国の懸念を払拭するいい機会だ、と考えている、という。

ただし、震災と津波の被災地復興のためには、復興財源が必要で、

日本の内閣は、金曜日、国会に約12兆円の第3次補正予算案を提出した。

財源は復興債の発行による。

これによって、日本国の借金はされに増えることになる。


しかし、財政政策に関して、どちらかといえば保守的な考えを持つ野田首相は

復興債は、一般会計とは切り離して管理し、政府が財政に関する規律を考慮している

というメッセージを国民に示すつもりである、と説明した。


野田政権は、2020年までにプライマリーバランスを修復するための努力の一環として、

2015年までに現在5%である消費税を10%に引き上げる法案を成立させたい、と考えている。

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2011.10.27

ユーロ安・円高なので、ベルリン・フィルを(相対的に)安く視聴できます。

◆ドル円相場が歴史的安値を更新しているのに、理由はないのです。

ドル円直物為替相場が下がり続けています。

始めに余談です。

日本のメディアは、あくまで「円」タームで表現するので、

円が戦後最高値(さいたかね)を付けた

と書きますが、1ドル=76円が75円になったときに「上がった」というのは

やはり、感覚的に不自然です。このため、外為ディーラーはこういうとき

「(ドルが)下がった」というのが普通です。つまり、
ドル円が最安値を更新した

と言います。

さて、本題です。最近、円高の理由として

欧州経済危機の見通しがたたないので、当面の避難先として、円が買われている

など、尤もらしいことが書かれています。


これは、ウソである、とは断定できませんが「憶測」でしかありません。

世界中の「円を買っている人」を探し(それ自体不可能です)、
あなたは何故、円を買うのですか?

と訊いたのではなく、新聞社は銀行のディーラーに訊くのです。

彼らも、経済学的・地政学的必然で通貨の売買をしているのではない。

敢えて言えば「なんとなく、(ドルが)もっと下がりそうだから」が

本音です。次々とドル円の歴史的安値が更新されるのは、

ディーラーとは、そういう生きものでして、自分が最安値を付けた

と言いたい、という極めて単純かつ幼稚な動機しか無いと思います。

これを介入で買い支えると、さらにドル安になるでしょう。

ディーラーの全員とまでは言いませんが、殆どがドル売り持ち

即ち、ドル・ショート・ポジションになれば、嫌でも自分でドルを

買い戻さなければならなくなる。永遠に進行するドル安・円高など

絶対にありません。


◆円が強くなるということは、海外から安くモノ・サービスを買えることです。

円高が問題だというのは、海外でモノやサービスを売っている人々です。

例えば自動車会社は、アメリカで、クルマ一台を1万ドルで売っていたとしたら

ドル円相場が仮に100円ならば、1万×100=100万円ですが、

1ドルが76円だと、1万×76=76万円になってしまうのです。

それは確かに目先は痛いですが、逆にモノを輸入するときには、

得なわけです。個人でもそれは同じです。


◆ベルリン・フィル、デジタルコンサートホールが1ヶ月約3,000円です。

昔は、想像だにしなかったことですが、今やベルリン・フィルの演奏会をライブで、

或いは、過去の演奏のアーカイブをネットで視聴することができます。

ベルリン・フィルの公式サイトに、DIGITAL CONCERT HALLという

リンクがあります。

チケット & クーポン券に、日本語で購読の種類と料金に付いての説明が載っています。

長いほど割安になるのは、何でも同じです。一番短いのは48時間9.9ユーロ(=約1,050円)で、

1ヶ月が29ユーロ(=約3,000円)です。今はユーロ安、円高なので、得なのです。

ドル・ユーロ安・円高が続きすぎても困りますが今は円高をメリットを享受するチャンスでもある

ということです。


◆2001年2月、アバドのベートーヴェン「運命」。

デジタルコンサートホールには、かなり前の映像があります。

2001年2月、アバドがローマで振ったベートーヴェン交響曲全曲チクルスも

その一つ。このシリーズでは奇数番の交響曲は全て安永徹さんがコンサートマスターです。

運命をどうぞ。


ベートーヴェン:交響曲第五番 ハ短調 作品67、「運命」






オリジナルの2管編成(管楽器をそれぞれ倍の人数にして演奏することがよくあります)ですが

すごい迫力。音が大きければ良いということではないですけど、1人1人が楽器を鳴らしていないと

こういう音にはなりません。

名演だとおもいます。

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2011.09.16

欧州経済危機とは何か。

◆ギリシャが債務不履行に陥ると、他のヨーロッパ諸国も危なくなるのです。

最近、毎日欧州危機、欧州経済危機という言葉が報じられるので簡単に説明します。

まず、ギリシャのデフォルト(債務不履行)の危険、ということが言われます。

ギリシャに限りませんが、各国が国債を発行しています。

国債というのは、謂わばその国の「借用証書」です。

資金を調達するために、他国や自国民にこれを買って貰う。

但し、借金です。債務を証券化したものを債券といって国が発行した債券が

国債です。借金ですから期日があります。償還日といいます。

そのときに、ギリシャならギリシャは借金の元本と利息を支払わなくてはならない。


しかし、ギリシャという国は財政赤字なのです。公務員の初任給が民間会社の2倍ですし、

年金も58歳から支給される。出費が多い割に脱税も多く、十分な資金が国庫にありません。

だから下手をすると、国債の期日(ギリシャ国債の償還日)に、全員におカネを支払えない

かも知れない。


ヨーロッパの金融機関は、互いに他の国の債券を買っています。

ギリシャがデフォルトするということは、ギリシャ債券に投資していた(買っていた)

銀行は、ギリシャに貸していたおカネを回収出来ませんから、損失として計上しなければ

なりません。するとその銀行の「健全性」に「?」が付きます。


金融機関だけではなく、ギリシャ国債は他のEU加盟国、ドイツやフランスが

かなり沢山買っています。ギリシャがデフォルトしたら、投資していた国の

「信用」が低下し、ほぼ自動的にその国の銀行の信用格付けが下がる。

すると、それらヨーロッパの銀行に投資していた世界中の投資家が損失を被る。

という具合に、ドミノ式に信用不安が世界に波及する可能性があるのです。

ギリシャやポルトガル(ギリシャの次に危ない等という人もいます)

単体では経済規模は全世界の1パーセントにも満たないのですが、

EU全体の経済規模は中国やアメリカよりも大きいのです。


一国のデフォルトが、世界中の経済を混乱させる可能性がある。

全世界が自体の推移を注視しているのは、その為です。

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