カテゴリー「水野倫之解説委員」の記事

2013.11.18

【文字起こし】NHK 時論公論 「核のゴミ 処分に道筋を」(水野倫之解説委員)

◆NHK 時論公論 核のゴミ 処分に道筋を 水野倫之解説委員(11月15日(金)0:00放送)

こんばんは。

小泉元総理大臣が、今週、政界引退後初めて会見し、あらためて「脱原発」を主張しました。

最大の理由として「核のゴミ」の最終処分場が国内にないことを挙げています。

世界で唯一建設中のフィンランドの処分場を視察し、その思いを強くした、と言います。


最終処分は、日本を含め多くの国で困難を極めています。

小泉元総理の発言で、にわかに注目を集める「核のゴミ」の処分。日本は目途を付けることが出来るのか。

各国の状況を見ながら考えます。


総理大臣在職中は「原発推進」だった小泉元総理ですが、会見はほぼ、脱原発の訴えに終始しました。

夏にフィンランドの最終処分場、「オンカロ」を視察して、如何に処分が難しいかを知り、

同じような処分場を日本に造るのは困難だ、と感じ「これ以上原発を推進するのは、無理だ」というのです。



「核のゴミ」は、使用済み核燃料や、それを再処理した後にのこる廃液です。

近づくと、十数秒で致死量に達する強い放射線が出ており、安全になるのに10万年かかる、とされます。

各国は地中深くに埋めて処分しようとしていますが、安全への懸念から、処分場の選定は難航しています。


そんな中、唯一、処分場の建設が進むのが、フィンランドの「オンカロ」で、私は今年はじめに取材しました。

クルマで坑道を下ってゆくと、深さ420メートルの処分地点に到着します。

地下処分で問題になるのは、地殻変動が起きないか、そして地下水で放射性物質が、

地上に運ばれることがないかどうか、です。

担当者によると周りは厚い岩盤に覆われ、地震もなく、20億年前から殆ど変化していない、

ということです。水も少なく、岩肌は乾いていましたが、

廃棄物を埋める穴には、地下水が沁み込んでいるものもあり、

2020年以降処分する際には、こういう場所を避けるということでした。



フィンランドでは1983年から100を超える候補地が調査され、地盤の安定したオンカロが、最終候補地となりました。

町の関係者によりますと、当初は反対運動もありましたが、税収や雇用が増える事への期待に加えて、

推進から独立した機関が安全に処分できる、と報告したことをきっかけに、賛成に傾いたということです。



フィンランドは安定した岩盤に恵まれ、処分場建設にこぎつけたわけですが、

それでも、候補地の調査開始から20年近くがかかりました。



ただ、フィンランド以外で処分場が決まっているのはスウェーデンだけで、各国とも難航しており、

今年は同じヨーロッパでそれを象徴する動きがありました。



まず、ドイツが30年以上調査してきた唯一の候補地を白紙に戻す決定をしました。

候補地は、ベルリンの北西約150キロの村、ゴアレーベンにあり、私は夏に取材しました。

エレベーターで深さ840メートルまで降りると、 坑道がひろがっていましたが、フィンランドとは全く違う地層でした。

(注:以下、ゴアレーベン取材時の音声)

 こちら、壁とか天上が白っぽいのですね。実際に、削ってちょっと舐めてみるとしょっぱいのです。これ実は全て「塩」、岩塩で出来ています。

(注:所在時音声終わり)

ドイツに広く分布する岩塩層は海水が蒸発して出来た地層で、地下水がないとされ、

処分場として最適だとドイツ政府はこれまで説明し、長年、ゴアレーベンだけを候補地とし、調査してきました。

見た限りでは、水は全くありませんでしたが、一部、石油が沁みだしているところがありました。


しかし別の岩塩層で判明した事実をきっかけに反対運動が激しくなります。

施設周辺には、黄色い×印を掲げる住宅を多く見かけましたが、これは「反対」の意思表示です。

住民によると、別の低レベルの放射性廃棄物を埋めた岩塩層で、

ないはずの地下水が流入していることがわかり、放射性物質が水に溶けて、地表へ流出する危険が出て来ました。

にも関わらず、連邦政府は10年以上事実を公表せず、政府への不信が一気に高まったということです。


安全性への揺らぎと、政府への強い不信。地元の州も、計画の撤回を求め、

連邦政府は今年、ゴアレーベン以外にも候補地を探す決定を余儀なくされました。

また、イギリスでも今年、候補地誘致が州議会の反対で振り出しに戻っています。


以上、ヨーロッパを取材して感じるのは、候補地があっても大変なのが、この問題だ、ということで、

日本の取組の遅れが際立っています。 

候補地選定の目途は全く立っていません。

原発を動かすことに力を入れるあまり、厄介な「ゴミ」問題に正面から向き合おうとしなかったからです。



確かに政府は、研究機関が国内で地下処分出来るとの報告したのを受けて、

2000年に「原子力発電環境整備機構」を作り、候補地の選定を始めました。

しかし、自治体から立候補を受け付けるという「待ち」の姿勢で、積極的に動きませんでした。

また、機構の80人あまりの職員のうち、50人が電力会社からの出向者で占められ、

担当者は2,3年で元の職場に戻るため、「自分で解決しよう」というモチベーションがはたらかず、

最終処分問題は10年以上進展しませんでした。


そうした中、東日本大震災が起きました。

福島県内で、電力会社が「動かない」としていた断層が動いたり、住宅街で突然大量の地下水が湧きだし、

今も続いています。

こうした事実は、活断層の見極めが難しく、断層がずれれば、地下水の流れも大きく変わることがあることを示しているわけです。

フィンランドで出来るからといって、地震が頻発する日本で出来るか疑問を持ったのは、何も小泉元総理だけではありませんでした。

専門家も改めて、日本で地下処分が可能か、検討する必要がある、と指摘しました。



この指摘を受け、経済産業省はようやく先月、地震や地下水などの専門家を集めて地下処分の安全性を検証する会議を始めました。

しかし、会議では機構側が「ここ十数年の論文などの知見を見ても、地下処分が安全に出来る見通しがある」と報告し、

専門家が猛反発しました。

これから検証しようというのに、既に「安全」というのであれば、自分達は要らない、というわけです。



国や機構側が最初から「地下処分ありき」のような姿勢で検証に臨むようでは、国民の信頼は得られず、

ドイツの二の舞になりかねません。



地下処分に関する過去の知見にとらわれることなく、全てをリセットして震災以降の知見を徹底的に検証しなければなりません。

そして、仮に、地下処分出来るとするなら、どんな地層で、どんなリスクがあるか洗い出して、国民に判断材料を提供する、

そんな報告をまとめて貰いたいと思います。

また機構については、専任の職員を大幅に増やすなど体制強化を検討して欲しいと思います。


安倍政権は、規制委員会が安全を確認した原発を再稼働させる方針を示しています。

しかし既に全国の原発のプールには、行き場のない使用済み燃料が1万4千トン溜まっています。

このまま再稼働が進めば数年で満杯になるところもあります。

今回の事故では、 使用済み燃料をプールで大量貯蔵することの危険性も明らかになりました。

「核のゴミ」処分は、原発再稼働の是非にかかわらず、急いで答えをださなければならない問題だ

ということを政府は再認識し、今こそ、正面から取り組むことを求めたいと思います。(文字起こし終わり)


◆コメント:4号機使用済み核燃料を移動したくらいでは何の解決にもなりません。

これは水野解説委員の解説を聞くまでもなく明らかなことですが、

今日(2013年11月18日(月))、かねて懸案事項の一つとされていた、福島第一原発4号機の

使用済み核燃料を、脆くなっている可能性が高いプールから別に移す作業が始まりましたが、

場所を移しても使用済み核燃料は放射能を出し続けるわけで、

最終処理場のことを真面目に考えろと水野解説がいうとおりですけれども、究極的には、

放射能を無毒化する技術が開発されない限り、ここにある「核のゴミ」をあちらに移すというだけで、

ゴミの総量は増える一方ではどんな所に埋めても、限界があります。

それを本気で開発できないものか。世界中の物理学者が集まっても無理なのでしょうか。

私の疑問はいつもそこに行き着きます。

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2013.09.11

NHK 9月11日時論公論 「コントロールされている」のか 原発汚染水--水野倫之解説委員 文字起こし

◆「コントロールされている」のか 原発汚染水。

こんばんは。時論公論です。


福島第一原発の事故から今日で2年半になりますが、現場では汚染水の流出が止まらない非常事態がつづいており、国際的にも懸念が高まっています。

これに対して安倍総理大臣は、オリンピックの総会の場で、「状況はコントロールされている」と、説明しました。


しかし、漏洩は続いている上に、対策に技術的な裏付けがあるわけではなく、違和感を持たざるを得ません。

政府が打ち出す汚染水対策は、本当に実効性があるものなのか、今夜は汚染水問題の課題を考えます。



これは、先週公表された、1号機のタービン建屋地下の様子です。

地下トンネルと壁との接合部から、地下水が音を立てて、建屋内に流れ込んでいるのがわかります。

地震で壁にヒビが入ったとみられ、毎日400トンの地下水が流れ込んで汚染水となっています。

汚染水はタンクに保管されてきましたが、既に1,000基にものぼり設置場所も切迫しています。 

これに対する東電の対策はことごとく問題が発生しました。

建屋に入り込む前の地下水を井戸で汲み上げて、海に放出することを計画しましたが、

基準以下とはいえ、トリチウムが検出されて漁業者の理解が得られず、実現の時期は見通せていません。



また、汚染水から殆どの放射性物質を取り除くことができる装置も開発しましたが、

機器の腐食が見つかり、運転は止まったままです。そして7月に地下のトンネルの汚染水が、

地下水に混じって海に毎日300トン流出していることが判明し、追い討ちを掛けるように、

地上のタンクからも300トンの汚染水が漏れました。



こうした状況に対して国際社会は強い懸念を示しました。

韓国は、国民の不安が大きいとして、福島県など8県の水産物の輸入を全面禁止にしました。


これに対して安倍総理大臣は、IOCの総会の場で

「状況はコントロールされている。汚染水の影響は原発の港湾内で完全にブロックされている」、と説明して理解を求めました。



しかし、本当に「コントロールされている」と言えるのでしょうか?

福島県の人たちからは、「汚染水の問題は、まだ、コントロール下ではないと思う」という受けとめも聞かれます。



現場の状況ですが、タンクからの漏洩については、まだ原因が分からず、近くの井戸からは、

1リットルあたり3,200ベクレルのストロンチウムが検出され、汚染水が地下水に拡がった恐れが出ています。

また、地下からの汚染水漏れでは、これまでに港にセシウム137が20兆ベクレル、

ストロンチウム90が10兆ベクレルもれたと、見積もられています。 



東電は地下水を遮る土の壁を造りましたが、港湾内の放射能濃度は低くならず、汚染水は漏れ続けていると見られます。

ただ、港の外ではいまのところ放射能は検出限界値以下となっており、汚染拡大防止のため、

港湾内にはカーテン状の特殊な布が張られています。

しかし東電は、これで完全に遮断出来ているわけではない、と説明しています。



また、水の流れを止めるための鋼鉄製の壁も、まだ建設途中で、東電は港とその外側は、水が行き来している、としています。

こうしたことから、今後も漏れ続ければ、港の外への影響も否定できないわけで、「コントロールされている」とは言いがたいと思います。



確かに政府は、汚染水対策に総額470億円の国費を投入することを決め、関係閣僚会議を設置したり、

現地に政府の事務所を置くなど、積極的に対応する姿勢を示してはいます。 

「東電まかせ」から脱却し、ようやく政府が前面に出て来たことは評価できます。



しかし、国費投入の目玉となる、地下の土を凍らせて地下水を遮断する「凍土壁」の工事は、

1年前倒しして来年度末までに完成させる方針ですが、技術的な目途は立っているわけではありません。 

1.6㎞にも及ぶ凍土壁は、世界でも例がなく、耐久性の検証が必要です。



また、もう一つの目玉の、汚染水から放射性物質を除去する装置も、トリチウムだけは、取り除くことができず、

そのまま海に放出することはできません。しかも、いずれも完成には1年以上かかります。



一方で、今すぐやらなければならない緊急の対策への踏みこんだ対応は示されていません。 

政府はタンクの漏洩対策として、洩れやすいボルト締め型を、全て洩れにくい溶接型へ変更することは指示しましたが、

特別な支援策はありません。政府は東電への支援を技術的に難しいものに絞っているためです。


確かに、「凍土壁」に比べれば「タンク」の難易度は高くないかも知れません。

しかし溶接型の製造には時間がかかります。 暫くはボルト締め型も使わざるを得ず、

東電は見回りの作業員を60人増やしたほか、洩れないよう、シーリングするなど、今後、対策にもコストがかかります。



政府が汚染水対策の全てに責任をもって対応する形を取らなければ、漏洩は止まらないと思います。

国費の投入も含め、タンクにも、より踏みこんだ対応を検討して欲しいと思います。



また、政府の体制についても、強化はされていますが、もっと東電と一体になった体制が求められます。 

今回のタンクからの漏洩の規模について、東電は放射性物質の量を表す「ベクレル」ではなく、人体への影響を示す

「シーベルト」で発表してきました。

これについて(原子力)規制委員会の田中委員長は、「国際社会に間違った発信をしており、怒りを感じる」と延べ、

東電を指導する考えを示しました。



タンク内の放射性物質の多くが出す放射線は透過力が弱いベータ線で、少し離れれば、影響は弱まることから、

「シーベルト」では誤解を招く恐れがあり、放射能の量を表す「ベクレル」で発表すべき、というものです。

また、田中委員長は、漏洩量など、ほかにも東電の発表には曖昧な点が多い、と指摘しています。

こうした問題は東電と政府が一体となっておらず、情報発信も一元化できていないことが背景にあります。


世界で高まる不安に説明を尽くすためにも、政府は事故直後のように、汚染水問題を専門に担当する閣僚を置き、

その下に東電と関係省庁、それに規制委員会や専門家も含めた、合同の対策本部を設置して、政府が強い権限で東電を指導し、

日本政府としての統一見解を発信する体制をとらなければならないとおもいます。



このように体制を強化した上で、国費を投入していくことはやむを得ないと思います。

そうしなければ、立ちゆかないところまで来ているからです。 

しかし国費は税金ですので私企業に多額の税金を投入することに、国民の合意が得られているわけではありません。



事故後、当時の民主党政権は、東電を潰さず、東電の責任で事故処理を行う仕組みをつくりました。

国が責任を負うことを避けたかったからです。

政府は「原子力損額賠償支援機構」をつくって5兆円の資金を用意し、東電に貸付けて、事故処理をさせてきました。

しかしその後も赤字続きで、安全にコストをかける余裕がなくなりつつあり、

東電は賠償や除染、廃炉に10兆円を超える費用がかかるとして、更なる支援を求めています。



これは現在の支援の枠の二倍で、今後追加で国費の投入をせざるを得ない局面が出てくると思います。

政府は東電の支援のあり方についても改めて検討し、

国費投入に国民の理解が得られるような仕組みを作ってゆく必要があると思います。



安倍総理大臣は、汚染水問題に責任をもって対応する、と国際社会に向けて約束しました。

日本の危機管理能力が問われています。

早急に汚染水の漏洩を食い止める対策に目途をつけて、原発をコントロール下に置くことが、求められます。(了)

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2013.08.21

8月15日、NHK水野解説委員、時論公論「待ったなしの汚染水対策」文字起こし。

◆NHK総合:2013年8月15日午前0時~0時10分。水野解説委員 時論公論「待ったなしの汚染水対策」文字起こし。

(文字起こし開始)

こんばんは。

福島第一原発で、放射性物質に汚染された地下水が、海に流出している問題は、汚染水が既に、

岸壁前に作った土の壁も乗り越えてしまうなど、決め手がなく、緊急事態が続いています。

このまま海洋汚染が進めば、国際問題にも発展しかねません。政府も漸く重い腰を上げ、

対策を講じてゆく方針をしめしましたが、効果的な対策を打ち出すためには何が必要なのか、

今夜の「時論公論」は、待ったなしの汚染水問題を考えます。



海へ流出している汚染水の量について、経済産業省は概算で1日300トンにのぼるとする見解をしめしています。 

大量流出の原因は地下水です。1日1,000トンの地下水が敷地内に流入し、このうち400トンが、建屋に流入して汚染水を増やしています。

東電は毎日これを汲み上げて、敷地内にタンクを増設して溜めることで何とかしのいできました。

しかし、のこり600トンのうち、300トンが建屋と海の間の地下で汚染され、海に流出しているのです。


地下には冷却水の配管などがとおる、コンクリート製のトンネルがあり、

事故直後に汚染水1万トン以上が入りこんで、一部が海に流出しました。

汚染水の濃度はセシウム137が、1リットルあたり23億ベクレルと、極めて高濃度です。

当時、東電は流出箇所を堰き止め、対策は取った、としていましたが、十分ではありませんでした。 

地震の揺れでトンネルのあちこちにヒビが入り、汚染水の一部が漏れて、地下水に混じり、

海に流れ出しているとみられており、漏洩は事故直後からずっと続いている可能性も指摘されています。



海の汚染については、東電が測定した結果、原発の港で最大で基準の10倍程度の放射能が検出されていますが、

港の外では基準以内に収まっているため、東電は、汚染は港の内部に留まっている、としています。

しかし、福島県内の漁協は、汚染水もれに十分な対策がとられていないとして、来月から始める予定だった試験的な漁を

相次いで延期することを決めました。 

漁業者の間には、怒りと同時に風評被害への危機感が急速に拡がり、福島県も独自に海の汚染具合の調査に乗り出しました。

問題がここまで深刻になった背景にあるのは、東電の危機感の薄さです。

今回も流出をなかなか認めず、対策の検討が後回しになり、結果として今も、その場しのぎの対策が繰り返されています。

東電はまず、岸壁の手前に薬剤を注入して、地盤を固めて土の壁を作りました。汚染水が壁によって止まる、と説明していましたが、

既に壁を乗り越えて、海に流出し続けていることが分かりました。

堰き止められたことで汚染水の行き場がなくなって、水位が上昇し、壁を越えてしまったのです。

そこで今度は、壁の手前に井戸を掘り、汚染水の汲み上げを始めました。

しかし、汲み上げ量を増やしても追いつかず、流出を完全に食い止めるのは難しいとみられています。

このため、トンネル内の汚染水を抜き取ることも検討しています。 

しかしトンネルは、汚染水が溜まっている建屋と繋がっているため、完全に抜くためには、

建屋との接続部分を塞がなければならず、抜き取りにはかなり時間がかかるとみられます。

対策が後手に回る中、新たに岸壁北側でも放射性物質が検出され、汚染が今後、拡がる可能性も出ています。 

東電は地下からの汚染水の汲み上げを当初、今月末から始める、としていましたが、

規制委員会に言われて、慌てて先週末から始めました。

原子力災害が拡大する恐れもあるわけで、今は非常事態だという危機意識を東電はもたなければなりません。

そしてまずは観測用の井戸をもっと多く掘って、海側の敷地全体の地下水の流れを明らかにして、汚染源を突き止め、

海への流出をくいとめることに全力をあげてほしい、と思います。



ただ、こうした事態の悪化は、東電を指導する立場の国にも責任があります。

政府の動きは鈍く、先週、原子力対策本部が開かれるまでは、ほぼ東電に任せ切りでした。

政府は「事故を起こしたのは東電だから、事故の後始末も東電が自分達で何とかするのが原則だ、

というのが基本的なスタンスで、国の予算も新技術の開発など、最小限に絞ってきました。



しかし、東電だけでは対処できないことがはっきりしてきたため、先週、安倍総理大臣が汚染水問題は喫緊の課題だ、

と述べて、国として対策に乗り出す姿勢を示しました。

政府は対策に国の予算を投入する方針で、これまでより一歩前にでることになったことは、評価できます。 

具体的には、1号機から4号機の建屋全体を囲むように、地下に凍った土の壁を作って、

地下水の建屋への侵入を防ぐ抜本対策に予算を投入することを検討しています。 

地面に埋め込んだパイプに冷却液を循環させ、周囲の土を凍らせて壁を作ります。 

ただ、この工法は、トンネルや地下鉄工事で使われたことはありますが、

大規模な実績がなく、長期間使えるのかは分かりません。

また、地下水の流れは予測が極めて難しく、思わぬ被害もあり得ます。

東京のJR武蔵野線、新小平駅では、1991年、線路のコンクリート製の路盤が1メートルほど盛り上がり、

駅の壁にも亀裂が入って、勢いよく水が噴き出す大きな被害を受けました。

雨などで、地下水位が上昇し、その水圧で半地下式のホームが押し上げられ、破壊されてしまったのです。


福島第一原発でも一昨日、4月に汚染水漏れを起こした地下貯水槽が最大40センチ、浮き上がっていることが分かりました。 

地下水が押し上げたとみられています。 

原子炉建屋は、岩盤に直接据え付けられていますが、タービン建屋の基礎は岩盤についていません。

凍土の壁が出来たことで、地下水の流れが変わり、タービン建屋の下に溜まれば、水圧があがります。 

建屋自体が浮いてしまうことになれば、大変なことになります。

汚染水対策はこれまでも、これと決めた対策が上手くいかないことが多く、代替案が用意されていないため、

後手に回ることが多かったわけですから、その教訓を生かして、政府と東電は、凍土の壁とは別の対策も

今のうちに検討してゆく必要がある、と思います。 

ただ、国の予算を使えば、国民負担が増えることを意味しますので、政府は税金投入の必要性をきちんと説明し、

対策の進み具合について、情報を公開して国民の納得を得て進めていかなければなりません。

しかし、予算投入だけではうまくいかない、と思います。政府があと、2歩も3歩も前に出て、

本店や現地に担当者を派遣するなどして、現場の作業状況、観測データをリアルタイムで把握し、

関係者との調整をおこなって、速やかに対応を決められる体制をとる必要があると思います。

政府は地下水の流入を減らすために、敷地に流れ込む前の地下水を山側で汲み上げて、海に放出する計画について、

対策を来月までにまとめることにしています。

既に東電が試験的に汲み上げていますが、基準は下回っているものの、一部の放射性物質の濃度が高めで、

漁業者が海への放出に反対しています。 この対策についても、政府は地元への説明を、殆ど東電まかせにしていました。

しかし、漁業者は東電を全く信用していません。

今後は政府が主体となって、漁業者への説明を尽くすべきで、

閣僚クラスが説明に行くことも検討する必要がある、と思います。

今後、溶けた核燃料を取り出し、廃炉を進めてゆく上で、この汚染水問題は、避けて通れない、緊急の重大課題です。 

政府と東電が一体となって、本気で対応しなければ、対処出来ないところまできています。

早急に抜本的対策に目途を付け、漁業者や住民の不安を取り除いていって欲しいとおもいます。

(文字起こし終了)

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2013.03.12

NHK 時論公論 3月8日放送「原発事故2年 廃炉への困難な道のり」(水野倫之解説委員)

◆コメント:はじめにひとこと。

水野解説委員の時論公論を文字起こしして載せるのはこれが2回目です。

水野解説委員はNHKにおける唯一の原子力専門解説委員で、2年前の震災後、福島第一原発が事故を起こした際、

原子力安全委員会はレベル4だというのに、「明らかにレベル7です」と断言したり、そこまで言って大丈夫かね?

ということまで、突っ込んで東電や国の対応を批判していました。私の知る限り文筆家では、小説家の伊集院静氏と

歌人の俵万智さんが、水野解説委員を高く評価しています。

守りに回りがちの大手メディアの職員の中では気骨を感じる数少ない人物です。

今回の解説は本当はNHKオンデマンドなどで映像も見て頂きたいです。

文字だけだとよく分からないところがあると思います。しかし、放送があったことすら知らない方も多いだろうと

思うので、せめて水野解説委員の言葉の部分だけでも、とおもい、私が文字に起こしました。ご参考になれば幸いです。


◆時論公論 「原発事故2年 廃炉への困難な道のり」 水野倫之解説委員(NHK 3月8日放送分、文字起こし)

事故直後の福島第一原発です(注:映像)。水素爆発で滅茶苦茶に壊れました。

あれから間もなく2年。かなり、片付いてきているようにも見えます。

しかしそれは建屋の外観だけ。内部のがれきは殆ど手つかずの状態です。

こんばんは。時論公論です。

作業が進まないのは、内部が依然として放射線がきわめて強く、人が容易に近づけないためで、

ロボットなど遠隔操作による作業が、欠かせません。しかし過酷な環境で、操作ミスやトラブルも続き、

ここにきて、遠隔技術の難しさもわかってきました。


事故から2年。今夜は遠隔技術を如何に活用して廃炉を進めて行くのか。その課題を考えます。


福島第一原発の廃炉は、最長40年かかるとされています。 

廃炉工程表では、今年から使用済み燃料の取り出しを開始し、その後格納容器を修復して水で満たし、

2021年から溶けた燃料を回収。2051年までには建屋も解体することが目標です。

廃炉作業はまだ始まったばかりですが、順調なのは四号機だけです。

メルトダウンしていないため、放射線量が低く、プールまわりのがれきは片付けられ、

今年11月から使用済み燃料を取り出す計画です。


しかし、他の3基は、その目途さえ立てられません。

三号機ではプールまわりの瓦礫の撤去がようやくすすみ始めたところです。

一号機と二号機の建屋内のがれき撤去は、殆ど手つかずの状態です。

3基ともメルトダウンを起こし、放射線が強くて人が近づけないからです。 

そこで遠隔操作の機器による作業が不可欠となっており、これまでに10種類以上が投入されました。



現場の状況確認や、がれきの撤去が主な任務ですが、過酷な環境のため、思わぬトラブルも起きています。

一号機の5階のプール周りのがれきの状況の確認には、バルーンが使われました。

建屋内に荷物を運ぶ吹き抜けがあり、メーカーの作業員が、アドバルーンにカメラを載せて、

1階から飛ばせば5階を遠隔撮影できるのでは?と考えたのです。

1階から吹き抜けを見上げたこの一枚の写真をもとにリハーサルを行い、去年の夏、本番に臨みました。

しかし、まもなく5階という所でバルーンがしぼみ、落ちてしまいました。 

その後、作業員が被曝を顧みずに3階から撮った写真には、爆発で垂れ下がった尖った金属の管が映っていました。

これがバルーンを切り裂いたのです。最初の写真は逆光だったため、管は確認できませんでした。

そこで、管をよけて飛ばせる楕円形のバルーンを特注して再挑戦し、ようやく5階を撮影することができました。

天井クレーンなど大量のがれきがプールに覆い被さるように重なっていることが確認でき、

東電はこの映像を元に、がれきの撤去方法を検討しています。

しかし、状況を確認するだけで準備開始から8ヶ月も、かかりました。


また、三号機でも遠隔作業でミスが起きています。プール周りのがれきをクレーンで撤去しようとしたところ、

鉄骨をつかみそこねて、プールに落としてしまいました。重さは470キロ。

プール内の使用済み燃料にキズがつけば、放射性物質が漏れるおそれもあることから、

東電は鉄骨の取り出しを優先しました。がれきの撤去作業は3ヶ月間、中断を余儀なくされ、

使用済み燃料取り出し時期の目途も立っていません。

クレーンは作業員がモニターを見て遠隔操作していましたが、鉄骨が下で支えられているか、

確認しないまま吊り上げたため、落ちたことが分かりました。

がれきは将棋倒しのような状況で、お互いどう支えあっているのか、

確認した上で作業をしないと一歩進んで、二歩も三歩も後退することになるわけで、

ミスを如何になくすかが、課題となっています。


そこで参考になる取組を大手建設会社と東北大学が進めています。

建物内に積まれたこの大量のがれき。実はバルーンが撮影した映像を元に、

一号機のプール周りのがれきの重なり具合が再現してあります。

ここに、東北大学が開発したヘビのようにがれきの合間を縫うカメラを入れて、

作業員がモニターで確認します。このカメラでがれきが地面に接しているかどうか。

お互いどのように力がかかっているのか確認する技術を開発しており、

現場で使える目途が付きつつあるということです。

今後、プール周りなどミスが許されない場所での作業前に、こうした機器で

がれきの重なり具合を確認したうえで、事前に手順を決めておけば、

効率的に作業ができる可能性がありますので、東電はシステム導入を検討して貰いたいと思います。


しかし今後は、こうした作業よりも何倍も難しい、溶けた燃料の取り出しに向けて

格納容器の損傷場所を特定するなど、より高度な遠隔操作ロボットが重要となってきます。

ただ、ここでも問題が起きています。

これは、格納容器の汚染水の漏洩箇所を確認するため、メーカーが独自に開発した、

階段の上り下りが出来る四足歩行ロボットです。

去年の暮れ、二号機に投入されました。しかし階段で体勢を崩し、動けなくなってしまいました。

経済産業省は急遽、調査チームをつくり、検討しましたが、原因は単純なものでした。

メーカーでは事前に階段をつくり、訓練を繰り返していました。しかし実際の階段は、

穴が沢山開いたタイプのものだったことから、脚が挟まってしまい、抜けなくなってしまったのです。

メーカーでは改良したうえで、今週ようやく調査を再開しましたが、

漏洩箇所の確認作業は3ヶ月以上中断を余儀なくされました。

また、今回のケースでは、ロボットは作業員が救出に向かい、回収されましたが、

建屋内にはこれまでに3台のロボットがトラブルでおきざりになり、がれきとなってしまっています。


福島第一原発での活用を目指して現在、官民が開発中の遠隔操作の機器は数十種類はある、と見られています。

今後同じようなトラブルを防ぐためにも、まずは東電とメーカーなど遠隔操作技術の開発側との間の

意思疎通や情報連絡を、より密にし、現場の状況に合わせて機器の開発をしていく必要があります。

最近の原発は、現場の図面が電子データで保存されており、階段の状況などはすぐに分かります。 

しかし福島第一原発のように1970年代に建設された古い原発は、図面が紙でしか残されていないことが多く、

その後設備が変更されても、図面に反映されていない場合もある、ということです。


今後は、現場を一番良く知る、東電の作業責任者から直接現場の状況をきくなどして、

対応可能な機器の開発を進める必要があります。そしてそのためにも、廃炉計画を作る経済産業省が

遠隔操作技術の全体の開発状況を把握し、それぞれの技術レベルをチェックできる体制をつくるべきだとおもいます。


現在、経済産業省は、直接予算を出して開発を進めている機器については、専門家会議をつくり、信頼性をみていますが、

メーカーや研究機関が独自に開発を進めている多くの機器については、把握しておらず、

全体で何台が開発中なのかも分かっていません

。福島第一原発での活用を目指す機器全体を把握し、現場の情報が伝わっているかどうか、

技術に問題がないかどうかをチェックして、トラブルを未然に防ぐ体制を検討していくべきです。


福島第一原発の廃炉作業は、まだ入口に過ぎません。

この先、極めて困難な溶けた燃料の取り出しも控え、

遠隔操作技術が廃炉の進捗を左右するといっても過言ではありません。

国が先頭に立って、ここでしっかり遠隔操作の開発体制を確立し、

着実に廃炉が進むようにしていって欲しいと思います。

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2013.02.06

NHK 時論公論「原発新安全基準 厳格に適用を」 水野倫之解説委員(1月31日(木)放送))文字起こし。

◆時論公論「原発新安全基準 厳格に適用を」 水野倫之解説委員 (1月31日放送)

(文字起こし開始)

こんばんは。

原子力規制委員会の専門家会合は福島第一原発事故を教訓に

過酷事故やテロ対策まで電力会社に新たに義務づける、原発の新しい安全基準の骨子をきょう、正式に決めました。


これとは別に地震と津波対策を強化した基準の骨子もまとめており、あわせて今後国民から意見を聞いた上で、7月に新基準として施行する方針です。


しかし、規制が厳しくなることに、再稼働を急ぎたい電力会社からは異論も出ており、一部の対策には猶予期間をもうけることも検討されています。

これで、地に墜ちた原子力の信頼回復につながるのか。今夜の時論公論は、新しい基準のポイントと、その課題を考えたいと思います。


福島第一原発の事故では、津波ですべての電源が失われて、燃料が溶け、

格納容器の圧力を下げるベントにも手間どって、容器が破損し、大量の放射性物質が放出される、

世界最悪レベルの事故となりました。


安全基準が破綻していたことが明らかになり、原子力規制委員会は、専門家による基準の見直しの議論をすすめ、

今日、その骨子を正式に決めました。


まず、通常の事故対策として、電源喪失に備えて、24時間以上保つバッテリーをおくことや、

火災対策として燃えにくいケーブルを使うこと、そして複数の空調設備を備えた免震重要棟を

そなえることなどを義務づけています。


そして今回はこれにとどまらず、これまで義務づけられていなかった

「過酷事故対策」や「テロ対策」を初めて義務づけているのが最大の特徴です。


まずは、格納容器の圧力を下げるベント装置です。

これに放射性物質を取り除くフィルターを付け、福島第一原発と同じ沸騰水型では、二系統を設置することを義務づけます。

また、テロなどによる航空機の衝突で、原子炉建屋が大規模に壊れた場合にも、原子炉を冷却したり状態を監視できる、

「特定安全施設」と呼ばれる施設の設置ももとめています。


このうち、ベント装置については、格納容器が小さい沸騰水型の原発の多くは電力会社が自主的に取り付けていて、

東京電力も今回の事故で作動させています。


しかし、フィルターがついておらず、住民の被曝を避けるため、避難の確認をする作業に手間取ったこともあり、

結局、格納容器の蓋が破損し、大量の放射性物質の放出や、水素爆発につながりました。


ベントのフィルターは、大型のタンクの中に入った大量の水や砂などで放射性物質を濾過する仕組みです。

放射能濃度は1000分の1以下となって周辺住民の被曝をおさえることができ、ベントを素早く開始して格納容器を守り、

放射性物質の大量放出を防ぐことが期待できます。


チェルノブイリ型事故の後、ヨーロッパ各国では義務づけられましたが、

日本では電力会社が採用しようとしませんでした。今回、ようやく世界標準にたどりついたともいえますが、

信頼性を高めるために、沸騰水型で二系統設置を義務づけ、多重性を確保している点は、評価できると思います。


また、特定安全施設は、原子炉建屋にある冷却装置などとは別に、新たに建屋の外に設置する安全施設で、

メルトダウンで格納容器などに落ちた燃料に注水できるポンプや、非常用電源などを備え、

緊急冷却できるようにします。


また、中央制御室が使えなくなった場合に備え、原子炉を監視できる第二制御室の設置も求めています。 

施設は航空機が墜落しても壊れないことが条件で、壁を頑丈にしたり、建屋から100メートルほど離して設置しなければなりません。

こちらもすでにヨーロッパの一部の原発には導入済みの設備で、規制委員会の要求は、全般的には妥当だと思います。


しかし、電力会社からは「厳しすぎる」として、異論が噴出しています。

特定安全施設は、配管が長くなると水漏れのリスクもあり、100メートルも離す必要はない、としたり、

フィルター付ベントも、信頼性が高く一基あれば十分であると。

また免震重要棟にはマスクもあることから、放射性物質を除去する空調は複数必要無いなどと主張しています。


新基準に適合するためには、大規模な工事が必要となり、電力会社は多額のコスト負担を迫られるだけでなく、

再稼働の時期にも影響するからです。


さらに電力会社は、規制委員会が今週まとめた、地震と津波の新しい基準にも対応しなければなりません。

原発ごとに、海底地形などから、起こり得る最大の津波を計算して防潮堤などの設置を義務づけているほか、

活断層もこれまでよりも年代を拡げ、活動の時期を40万年前までさかのぼって調べることを求めています。


防潮堤の設置にはかなり時間がかかり、敷地の活断層調査も容易ではありません。

規制委員会の安全審査も一基あたり半年はかかるとみられ、このまま基準が厳格に適用されれば、

夏以降、日本が再び原発稼働ゼロになるのは確実と思われます。


電力会社としては、火力発電にかかる燃料代を抑えるためにも、少しでも早く原発を再稼働させたいわけで、

一部の設備について設置まで猶予期間を求める声も上がっており、規制委員会も今後検討する方針を示しています。


ただ、今回の基準の骨子は、日本の原発が、過酷事故に対する備えがなく

事故の拡大を防げなかったことを反省してつくられたわけです。

新基準で求められる設備は、事故を起こした日本の原発に必要不可欠なもの、と捉えるべきだと思います。


電力会社は、この基準以上に独自の安全対策を考えていって然るべきで、

事故を経ても、いまだに意識は変わりきっていないようにも見えます。


ここで重要なのは、去年の大飯原発の再稼働のときのように、重要な施設を先送りしたままの再稼働判断をしてはならない、

ということです。当時の野田政権は、免震重要棟や防潮堤などは、時間がかかるとして、

計画を示すだけで再稼働を認める政治判断をし、国民の批判も招きました。


現在の安倍政権は、原発の依存度を下げていくとしながらも、野田政権の「原発ゼロ」の方針を見直すことを表明し、

3年で全ての原発の再稼働に結論を出すとしています。


ただ、規制委員会は独自性の高い組織で、政権の方針や電力会社の経営に左右されることなく、

科学的・技術的に判断していくことが求められます。

前回と同じように例外を多く認めてしまえば、せっかくの基準が骨抜きとなってしまい、

信頼回復にはつながらない、と思います。


規制委員会は、新しい基準を厳格に適用して安全を確保していくべきだと思います。

そして、そのためにも、規制委員会の体制を強化していくことが必要です。新基準によって、

新しい設備の検査が増えるほか、活断層の有無など、難しい判断が迫られます。


しかし去年、各地の原発の放射性物質の拡散予測図の策定にあたって、規制委員会は、

電力会社から提供された自らチェックしようとせず、作業を所管の法人にほぼ丸投げし、ミスを連発するなど、

体制が弱いことが露呈しました。 また、大飯原発の活断層調査も長期化しています。


規制機関の職員は、電力会社の技術者と同等か、それ以上の知識がないと、問題点を指摘することが出来ません。


今後、設備の検査や、活断層に関して多くの専門的知識が必要となるわけで、

検査官に資格制度を設けたり、外部から専門性をもった職員を新たに採用するなど、

組織全体のレベルを高めていくことを検討する必要があると思います。


そして電力会社が今回の新しい基準をきちんと守っているかどうか、厳しく審査して安全性を判断し、

基準自体を実効性のあるものにしていって欲しいと思います。

(文字起こし終わり)

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2012.12.08

「時論公論:問われる原子力政策」NHK水野解説委員

◆文字起こしです。

12月7日に三陸沖を震源とするマグニチュード7.3の地震がありました。

地震そのものや、津波により、被害、死者が出なかったことは良かったのですが、

かねて、小出助教が福島原発の特に4号機にある使用済み核燃料プールが、次の

大きな地震などによって、壊れたら、一挙に冷却水が失われ、原子炉内よりも大量の

核燃料がメルトダウンする危険がある、と指摘したことを思い出しました。


奇しくも、地震の前日、つまり12月6日、木曜日夜のNHK「時論公論」で、原子力専門の

水野倫之解説委員が、今回の衆院選で各党の公約・政策には「核のゴミ」の処理方法に関して

何も具体的なことが触れられていない、という点を批判していたのです。

水野解説員は、311直後から、危ないことは危ないというので、信頼する人が多いです。

私も、彼が、福島原発の事故直後、東電がレベル4だと言ったのに対して、

「いや、明らかにチェルノブイリ並のレベル7です。」と断言し、近隣住民に避難を勧告していたことを

覚えています。

その水野解説委員の言葉は、参考になると思ったので、「時論公論」を文字に起こしました。

ご参考になれば、幸いです。


◆NHK 時論公論「問われる原子力政策」水野倫之(のりゆき)解説委員

福島第一原発の事故後、初めての国政選挙となる今回の衆議院選挙では、原子力政策が大きな争点となっています。

各党の公約では原発を今よりも増やす、というところはなく、依存度を下げるかそれともゼロにするかで大きな違いがでています。

しかし、その手順や道筋については、あいまいなものが多いうえに、使用済み燃料など「核のゴミ」をどう処理するのかはっきり示しているものはなく、

公約通りの政策が本当に実現出来るのか、が、厳しくとわれることになります。

今夜の時論公論では衆議院選挙で問われるべき、原子力政策のポイントについて考えたいと思います。

福島第一原発の事故について、政府はすでに去年、収束を宣言していますが、放射性物質の除染は進まず、今も福島県を中心に16万人以上が避難を余儀なくされています。

また、現場では、放射線が極めて強いため、建屋内部の状況は殆ど分かっておらず、汚染水の漏洩が相次ぐなど、安定化と廃炉に向けた先の見えない作業が続いています。

このように、いまだ収束からはほど遠い状況ということもあり、今回の各党の公約を見ますと、現状よりも原発を増やすというものはなく、

代替となる再生可能エネルギーなどの開発に力をいれる点は共通しており、原発への依存度を下げるか、それともゼロを目指すか、で大きく分かれています。

政権与党の民主党は、原子力規制委員会が安全と確認してものは再稼働を認めるものの、2030年代の原発稼働ゼロをめざす、としています。

これに対して政権の奪還を目指す自民党は、原子力に依存しない社会を目指すとしつつも、3年以内に再稼働の結論を出し、

10年以内に電源の「ベスト・ミックス」を確立するなど、時間を掛けて依存度を決める方針です。

原発ゼロを訴えているのは8党ありますが、時間軸に差があります。

再稼働を認めず、即、ゼロとするもの。そして段階的にゼロを目指すとするもの。

この中でも未来の党は、当面再稼働派認めない方針です。

ただ、各党ともゼロにしたり依存度を下げる為の具体的な手順や道筋についてはあいまいで、公約どおり実現出来るのか、が問われることになります。

まず、どの原発から減らしていくのか具体的に示されていません。事故の後、廃炉が決まったのは事故を起こした4基の原発だけで、

現在、多くの原発で再稼働を目指して津波対策などの工事が進められています。

わたしが先月取材に訪れた、静岡県の浜岡原発では、全国でも最大規模となる海抜18メートルの防波壁の本体部分が殆ど出来上がっていました。

浜岡原発は、東海地震の確率の高さから政府の要請で運転停止に追い込まれましたが、いち早く工事に着手し、他にも電源喪失に備えた発電機を設置する高台では、

耐震性を確保するための大規模な基礎工事が行われていました。

費用は少なくとも、1,400億円にのぼる見通しですが、地震を懸念する周辺自治体の中には、永久停止を求めているところもあり、

再稼働にめどが立っているわけではありません。政府も浜岡原発をどうするのか、明確にしようとせず、

工事自体は電力会社の自主的な取組だ、としています。

全体の方針が決まらないまま、全国の多くの原発でも浜岡と同じように、巨費をかけて対策工事だけが進んでいるというのが現状です。

今後、原発を減らしていく、というのであれば、どんな基準によってどの原発から停止させていくのか、早くそのプランを具体的に示すべきだと思います。

公約の中には、原発の40年運転制限制度の適用を示しているところもありますが、この制度では、安全が見込まれれば、最長で20年間運転の延長も認められています。

また、延長を認めないとしても、最近運転を始めた原発もあることから、40年制限制度だけでは、2050年代まで原発は残り、30年代にゼロにはなりません。

運転年数以外にも、トラブルの発生頻度や周辺での大地震の発生確率、そして、敷地内の断層の状況など、各原発の潜在的なリスクをリストアップして

判断していくなど、有権者が納得出来る基準を示して欲しいと思います。

そしてもう一点。

原発をゼロにしたり、減らすためにも道筋をつけなければならないのが、使用済み燃料など「核のゴミ」をどう処理するかですが、

これも、各党の公約はあいまいです。

野田政権は9月に、新しいエネルギー戦略で初めて2030年代の原発ゼロを打ち出しましたが、同時に再処理を継続する、という

矛盾した方針を示しました。

日本はこれまで使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、燃料として使う「核燃料サイクル」を基本とし、

青森県が再処理工場を受け入れてきました。

しかし、原発ゼロ政策によって、再処理工場に使用済み燃料が止め置かれたままとなるのを青森県が恐れ、

使用済み燃料を各原発に返還する構えを見せたから、です。

全国の原発のプールには、既に大量の使用済み燃料がたまり、この上使用済み燃料が返還されることになれば、多くの原発で運転再開ができなくなります。

使用済み燃料などの放射能レベルの高い「核のゴミ」は、地下300メートルよりも深くに埋めて処分することになっていますが、

放射能レベルが下がるまでに10万年かかることから、安全性への不安が根強く、最終処分地については、これまで全く目途が立っていません。

野田政権は、再処理以外に当面の使用済み燃料の処理方法を打ち出すことができなかったわけです。

さらに、再処理によって日本は既に29トンのプルトニウムをかかえています。

プルトニウムは数キロあれば、核兵器を造ることができるとされるため、日本は使うあてのないまま、

持てないことを国際約束しており、消費する必要があります。

そこで野田政権はプルトニウムが燃やせる大間原発の建設再開も容認せざるを得なくなり、

結局、大きな矛盾をかかえた原発ゼロの戦略は閣議決定されませんでした。

つまり、使用済み燃料など「核のゴミ」の処理方法に具体的な道筋を示すことができなければ、

原発ゼロや、脱原発依存もうまくいかないわけです。

この問題について今回、公約で明確な方針を打ち出している党はありません。

原発の再稼働を認めず、再処理の中止を求めたところもありますが、その場合に、

既にたまっている使用済み燃料やプルトニウムについての具体的な処理方法や、処分場所まで

触れているものは、ありません。

原発を減らすのであれば、 使用済み燃料は暫くは原発内で保管せざるを得ないことが予想されます。

しかし今回の事故では、プールで保管し続けることの危険性も明らかになりました。

各原発で水を使わなくても保管できる専用の容器による貯蔵に切り替えるなどの対策が必要で、

各党は、考え方を示すべきだと思います。また、貯まっているプルトニウムについて、

現状のまま保管しつづけることは、核不拡散上、許されません。

脱原発を決めたドイツもプルトニウムがたまっていますが、2022年までに一般の原発で燃やして処理することを決めています。

各党は、国際的に納得が得られる処理方法を示さなければなりません。

そして「核のゴミ」の最終的な処分についても、各党は将来の原発比率にかかわらず、

答えを出さなければならない問題だ、ということを再認識しなけれなりません。

すぐに処分地を決めることは難しいにしても、この問題に、

どう取り組んでいくのか、考え方をしめしていかなけばなりません。

今回の選挙戦を通じて、原発への依存度だけでなく、

「核のゴミ」問題にどう対応していくのかについても論戦が深まることを期待したいとおもいます。

(以上)

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2011.12.23

首相が「冷温停止宣言」を発表した日の夜のNHK「時事公論」水野解説。文字になりました。

◆NHKは、必ずしも、「大本営発表」ではありません。

3日前、

【映像/音声】NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分←ビデオニュース・ドットコム神保氏の質問に答えていない。

で書きました。

先週金曜日に、野田首相は福島原発「冷温停止宣言」をしました。

首相の発言の後、質疑応答があり、ビデオニュース・ドットコムの神保哲夫氏が、
「外に出た燃料がどのような状態になっているかは、実は誰にも分かっていない。」ということは分かっている。

にも関わらず、今ここで「冷温停止」或いは「収束宣言」をされるのは、拙速のような印象を受けるのですが、

何故、敢えて、今、ここで、「収束宣言」など---燃料がどうなっているか分からない状態で---

収束宣言をされるのか、その辺のお考えをお願いします。

と質問したのに、首相は答えず、千代田内閣広報官が「それでは次の質問」と行って誤魔化した。

その部分の映像はNHKでは放送されず、YouTubeに載っているのですが、この動画のタイトルが、
「NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分」

になっていて、あたかもNHKが政府と結託して、首相にとって都合の悪い、ビデオニュース・ドットコムの質問の

部分を視聴者に見せないようにした、と言いたげです。言いたいこと分かります?

私はそれは、ちょっと恣意的な解釈では無いかと思うのです。何故なら、NHKはNHKで、野田首相の

「冷温停止宣言」の妥当性に関して、原子力を専門とする水野倫之(みずの のりゆき)解説委員が「宣言」当日夜の

ニュース解説番組「時事公論」に於いて、疑問を呈していたからです。そのことも私は書きました。
「野田総理、冷温停止を宣言」←「冷温停止とはほど遠い状態です。(NHK 水野解説委員)」水野解説が正しい。

これは、再放送されませんし、録画してYouTubeにアップしても、即座にNHKから削除依頼が出て消されてしまうのです。

但し、今日現在はまだみられるので(アップして下さった方がおられます)、埋め込んでおきます。



時論公論 「原発事故収束宣言 今後の課題」


話が逸れます。

確かに放送内容を、ネット上にアップすること自体を単純形式的に解釈するならば、

著作権の侵害で、純然たる「違法行為」なんですけど、

あくまでもNHKが著作権を死守することと、原発事故問題の解説を広く国民に知らしめることの意義の大きさ、

という両側面から考えて貰いたいものです。


そういっても、NHKの削除依頼で、この映像と音声を視聴できなくなるのは時間の問題でしょう。


幸い、22日(木)、時事公論のサイトに、水野解説の内容が(文字で)掲載されました。
時論公論 「原発事故収束宣言 今後の課題」2011年12月16日 (金) 水野 倫之 解説委員

次々に新しいニュース解説が入るので、このページもやがては削除されるでしょう。

ですから、記事を引用させていただきます。
NHK 時論公論 「原発事故収束宣言 今後の課題」2011年12月16日 (金) 水野 倫之 解説委員

東京電力福島第一原発の事故から9か月余り、

野田総理大臣はきょう、原発が冷温停止状態に達し、事故そのものは収束したと宣言。

原子炉の冷却が進み、放射性物質が大量に放出される恐れはなくなったと説明していますが、

現場が完全に安全になったわけではなく、収束と言えるのか。

炉内の状況はきちんと把握されず、たびたび汚染水が外部に漏れ出すなど、

不安定な要素が多く残っているのが現状。

また今後は、3基の原子炉から溶けた燃料を取り出すという、世界のどこも経験したことのない難題が。

今夜の時論公論は、事故収束宣言後の課題について水野倫之解説委員。


政府と東電は冷温停止状態の条件として、原子炉の底の温度が100度以下になることと、放射性物質の放出が大幅に抑えられることを主な条件に掲げて冷却作業。

その結果、原子炉の底はきょう現在、38°から68°と、いずれも100度を大きく下回っている。また放出される放射性物質も最大で1時間当たり 6,000万Bqで、

事故直後の1,300万分の1にまで減り、敷地境界での被ばく線量は年間で0.1mSvと1mSv以下に。

冷却システムにはバックアップのポンプや電源が備えられており、

今後余震などがあってもバックアップに切り替えることで冷却は維持できるとして、条件の達成を宣言。

確かに事故直後の危険な状態は脱出し、放射性物質が大量に放出される恐れはなくなってきているように見えるが、

原発が完全に安全になったわけではなく、事故は収束したという言い方には疑問を感じざるを得ない。

そもそも冷温停止とは、原子炉やそれを覆う格納容器、燃料が健全な原発が運転を止め、

冷却水が冷えて放射性物質の放出がなく、安全な状態を言う。


これに対して今回は3基とも原子炉や格納容器に穴があき、

放射性物質の放出もわずかながら続いており、冷温停止とはかけ離れ。

政府は冷温停止に“状態”をつけて言い換え、収束という表現も使うことで

安全をアピールしようという狙いがあると見られるが、

いまだに不安定な要素が多く残っていることに注意。

 
今、一番知りたいのは溶けた燃料や冷却水の温度。

しかし1号機では、燃料の大部分が格納容器にまで落下して、

原子炉にはほとんど残っていない可能性が高い。

この状態で、原子炉の底の温度にどれほどの意味があるか。

本来ならば格納容器の底の温度で判断すべき、ここには温度計がない。

東電は格納容器の底に20~30センチ水がたまっているとみられること、

格納容器内の温度が40°程度であることなどから燃料は冷却されているとしている。

しかし肝心の水の量については、底から30センチにある配管に水が流入してこないことを根拠。

水位計で測ったわけではなく、溶けた燃料の一部は水から露出しているかも。

また2号機では先月、核分裂が連続する臨界の再発が疑われる事態。

溶けた燃料がどういう状態にあるのか把握できていないことが改めて浮き彫り、不安を与えた。

ただ新たに取り付けられた格納容器内のガスの検出器で調べた結果、臨界が起きていないことが確認。

燃料が再び溶けたり、再臨界が起きれば放射性物質やガスが発生、

格納容器のガス検出器は異常事態の発生を知る上でかなり有効。

しかし1号機ではまだ試運転中、3号機は放射線量が高いためまだ取り付けられてない。

燃料の温度を直接測れない現状ではより多くのデータで炉内を推測しなければならず、

建屋内の除染作業を早く進め、ガス検出器の設置を急ぐ必要。

そして温度などほかのデータとともに放射性物質濃度に関する

リアルタイムのデータを、一般の人にもわかるように公開してほしい。

さらに要となる冷却システムからは今月も相次いで汚染水が漏れ出し、一部は海に流出。

システムはホースなどを使った仮設のもの。

早めにステンレス製の本来の冷却システムに近いものを設置するなど、

原発の安定と安全に向けた対策を急ぐ必要。

ただ原発を完全に安全な状態にするには、溶けた燃料を取り出さなければ。

3基の原子炉には事故当時あわせておよそ1500体の燃料が。

メルトダウンして原子炉や格納容器の底にたまっており、

廃炉に向けては世界でも初めてとなる様々な困難が予想。

さらに困難なのが溶けた燃料の取り出し。
格納容器の上から遠隔操作できるロボットアームのような器具をおろして取り出すことが考えられている。

ただ格納容器は高さが35mもあり、燃料を取り出すにはつかんだり削り取ったりする作業が必要。

参考になるのは1979年にアメリカのスリーマイル島原発で起きた炉心溶融事故。

これは当時原子炉から取り出された溶けた燃料の一部。

直径7センチほどのかたまりのうち、黒い部分の多くはウラン。

そして白く見える部分はウランを包んでいた金属のさやや制御棒などで、

全体がまじりあって岩石のように。当時はドリルを使って削って取り出された。

またこちらのように砂利のように堆積していたものもあり、掃除機のようなもので吸い出して回収。

実はこの燃料のかたまり、研究のため日本がアメリカから譲り受けたもので、

今も、茨城県の研究機関のプールで厳重に保管。当時その組成や放射能量などの調査は行われたが、

固さについてはデータがない。燃料取り出しのためにどんな器具を開発したらよいのか参考にするためにも、

この燃料をあらためて調査することを検討する必要。

しかし世界初のことも多く日本だけで対応するには限界。

政府や東電は、原子炉の解体まで40年かかり、

費用も1兆1,500億円と見積もっているが、作業が長引けば数兆円になる可能性も指摘。

実際にスリーマイルやチェルノブイリを経験したアメリカやロシアだけでなく

古い原発の解体が進むヨーロッパにはロボットなど多くの技術あり。

日本はこうした技術をうまく利用して効率よく燃料の取り出しを進めるためにも

世界に向けて協力を呼び掛け、IAEAなども巻き込んで

国際的な体制のもとで進めていくことを検討すべき。

その過程で開発された新たな技術は、今後各国での廃炉にも生かすこともできる。

そのためにも政府や東京電力は福島第一原発の現状や事故原因究明の途中経過について

世界に向けて情報を公開し、丁寧に説明して失った信頼の回復し、協力体制を築きあげていってほしい。(水野倫之 解説委員)

水野解説委員が話したことをそのまま文字にした方がいいですね。

内容は省略していないのに、無理に箇条書きのように「体言止め」をするから、

エラくぶっきらぼうな日本語になってます。


◆コメント:NHKの解説委員が政府の見解を批判する勇気。

本来、ジャーナリズムは国家権力に迎合するのではなく、これを監視し、

一般大衆に正しく考えるヒントを道しるべを与えること。

勿論、その前提として、自ら取材し、「本当は何が起きているのか?」を

確認して報道することが使命ですが、

実際の世の中は理想通りにならず、NHKなどは政治家や役人も見てるでしょうから、

水野解説委員は、淡々と解説していますが、こういうことをはっきりと述べるには、

この番組制作に携わった全ての人が肚を据えなければなりません。


NHKがそれでも敢えてこの放送をしたのは、評価されるべきだと思います。

なお、水野解説委員や他の解説委員が、放送では言えないような、厳しい意見を

述べているのが、緊急解説! 福島第一原発事故と放射線 水野 倫之, 山崎 淑行, 藤原 淳登

です。5月に出た本ですから、今は又随分と状況は変わっていますけれども、

「この事故は防げなかったのか」水野解説と山崎解説が対談している部分は

今でも、参考になります。

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