カテゴリー「医療」の記事

2009.11.14

20年前の11月13日、日本で初めての生体肝移植が行われました。

◆毎年、11月13日はこの話を書きます。

何度も同じ内容の記事をブログに書いています。

人間は、とりわけ日本人は、大切なことを直ぐに忘れる傾向にあります。

また、アクセス解析を見ると分かりますが、当ブログには毎日「初めて」の読者がいらっしゃいます。

特に若い方は、1989年11月13日に当時の島根医科大学(現在の島根大学医学部)で日本で初めての

生体肝移植が行われたことをご存じないか、まだ幼くて理解できなかったと思うのです。

当時、既に大人だった方も、忘れがちです。

だから毎年、私はリマインダーとして、同じ事を書きます。

おこがましい表現になりますが、日本で他に、これをやるブログは、

多分、存在しないと思います。


◆そもそもの始まり。

移植手術の患者は、生後間もない杉本裕弥ちゃんでした。生後1ヶ月検診で黄疸がある、と言われました。

山口県玖珂郡和木町、岩国市のすぐ北、広島との県境で開業していた木村直躬医師に、

裕弥ちゃんのおばあさんが、そのことを告げました。1988(昭和63)年12月のことです。

木村先生はエコー(超音波)で、ただちに、杉本裕弥ちゃんが、先天性胆道閉鎖症という病気である、と診断しました。

先天性胆道閉鎖症とは、生まれつき胆汁が流れ出る道がふさがっていて、胆汁が肝臓へ流れていかないので、

黄疸が段々強くなり、しまいには、肝硬変で死に至る病です。


◆杉本裕弥ちゃんは、移植以前に、胆道閉鎖症の専門家による手術をうけましたが、上手く行きませんでした。

この世に生を受けて間もない赤ん坊が、可哀想なことに、何度も手術を受ける運命にあったのです。

木村先生の紹介で、地元山口県の国立岩國病院の小児外科により、胆管を何とか開く手術が行われました。

1度では上手く行かず、2度目の手術も失敗でした。

岩國病院の担当医から、木村先生(最初に裕弥ちゃんを診察した開業医の先生)の元に、手紙が来て、

「この子の予後はホープレス(望みがない)」とのことでした。残酷な宣告です。

それでも、裕弥ちゃんの家族は諦めませんでした。

木村先生に、何とか手段は無いか、と聞きました。先生は肝移植以外に道はない。といいました。

日本では、移植手術はタブーとされていました。

1968年札幌医大で行われた日本初の心臓移植手術の失敗が、その背景にありますが、その説明は省きます。

日本木村先生はオーストラリアの病院に問い合わせましたが、オーストラリアの病院は

「生体肝移植は難しくて無理だ。」という、つれない返事をよこしてきました。

しかし、木村先生も諦めませんでした。


◆木村先生は、「移植手術を頼むなら、島根医大の永末先生しかない」と考えました。

木村先生の頭に浮かんだのは、九州大学医学部の後輩で、広島赤十字病院で同僚だった永末直文医師でした。

木村先生は内科、永末先生は外科ですが、肝臓を専門とすることで共通していました。

木村先生がエコーで肝臓ガンを診断し、永末先生が切除可能な肝ガンの手術を6年間で200例も手がけていました。

木村先生は「生体肝移植を頼むなら、(島根医大に移った)永末君しかいない」と思いました。

永末先生は、最初あまり乗り気ではなく、オーストラリアの病院で手術を受けることを進めました。

これは、前述の通り当時の日本の医学界で「移植」という言葉はタブーだったのです。

このタブーを破った医師は、医師生命を絶たれる危険がありました。ですから、最初に永末先生が積極的ではなかったことも、

無理からぬことだったと言って良いでしょう。

ところが、木村先生は諦めませんでした。講演のため、広島に来た永末先生に会い、

とにかく裕弥ちゃんの診察だけでもしてくれ、と、頼みました。永末先生は引き受けました。

永末医師が初めて診る裕弥ちゃんは、黄疸が強く出ていて、溜まった腹水でおなかがパンパンに膨れて、静脈が浮き出ていました。

既に食道静脈瘤が出来ている可能性があり、これでは、いつ吐血してもおかしくない。

吐血しなくてもあと1ヶ月ほどの命、と永末先生は思いました。まだ、生後一年経っていない赤ん坊が肝硬変です。残酷な現実でした。

裕弥ちゃんの体力が移植手術に耐えられるか、五分五分だと考えました。


◆永末先生は裕弥ちゃんの家族にありのままを話しました。

永末医師は家族に客観的事実を説明しました。それは、


  • 正確なことは精密検査をしないと分からないが、移植手術は出来そうなこと。

  • 但し、島根医大の永末医師のグループでは生体肝移植の経験がないので、上手くいくかどうか保証できないこと。

  • 手術まで持ち込めても、裕弥ちゃんの全身状態があまりにも悪いので、手術に持ちこたえられずに亡くなる可能性も高いこと、


という内容でした。決して楽観出来る話ではありません。しかし、家族は必死でした。

永末医師は特に裕弥ちゃんの祖父政雄さんの言葉を強く覚えています。
このまま裕弥を死なせたら悔いが残ります。明弘(引用者注:裕弥ちゃんの父)の命に別状がないのなら、結果は問いません。是非手術をして下さい。

そして、政雄さんは、裕弥ちゃんの両親に言いました。
「明弘、寿美子さん。お前たちが両親なんだから、お前たちからはっきりお願いしなさい」

15秒ほどの沈黙の後、それまで寡黙だった明弘さん(裕弥ちゃんの父)が永末医師を正面から見つめ、言いました。
「お願いします」

その言葉に永末先生の気持ちが動きました。

「この人達は裕弥ちゃんを助けようと必死になっている。移植手術未経験だというのに、頼むという。

ここで失敗を恐れて背を向けたら、医師として最も大事なものを失ってしまう」と思ったのです。


◆永末先生は、島根医大第二外科全員に「この手術を断るぐらいなら、明日から肝移植の研究など止めてしまおう」と言いました。

永末先生の気持ちは固まりました。

当時永末先生は助教授でしたから、第二外科の部長中村教授の了解も取り付けました。

自分の研究室に戻った永末先生は、肝臓グループの医師たちに、裕弥ちゃんの生体肝移植を引き受けることにした、と言いました。

医師達は全員無言になりました。

「日本で初めての生体肝移植」であることに加え、裕弥ちゃんの症状が悪すぎる、と専門医たちは誰もが思ったのです。

スタッフが躊躇っているのを見て、永末先生は、言いました。

「赤ちゃんは死にかけている。家族は結果は問わないからやってくれという。責任は全て私が取る。目の前の赤ちゃんを救えないような研究なら意味は無い。もしこの移植を拒むなら、明日から移植の研究など止めてしまおう

第二外科の河野講師(当時)はこの言葉を聞いて、身体が震えたといいます。皆同じ心境だったことでしょう。


◆中村教授は「永末君、君は全てを失うかも知れない、本当にそれでいいのか?」と心配しました。

手術を行うことが決まってから、永末先生は、中村教授の部屋で何度も話し合いました。

中村先生は、心配していました。

「永末君。僕はもう13年もここの教授をしていて思い残すことはない。福岡へ帰れば済む。

しかし、君はこの手術で全てを失うかも知れない。僕はそれがいちばん心配だ。本当に君はそうなってもかまわないのか」

その都度、永末先生は答えました。
「先生。大丈夫です。誰かがやらなければならないことを、私たちがやるだけです。これで弾劾されたら、福岡へ帰って開業します」

この言葉は、決断―生体肝移植の軌跡という本(是非、読んでいただきたい)で永末先生自身が書いている言葉です。

しかし、本当はもっと悲痛な覚悟でした。

後年、NHKの「プロジェクトX」に出たとき、永末先生は、医師を辞めることさえ覚悟していた、と話しました。

「私は英語が得意なので、学習塾の英語の先生をすれば、食べていけると思ったのです」

淡々と語る永末先生を見て、私は心の底から、永末先生を尊敬しました。

これほど立派な医師を見たことがありません。

裕弥ちゃんの移植手術そのものは成功しましたが、その後、ありとあらゆる合併症が起きました。

そして、手術から285日後、1990(平成2)年8月24日、午前2時32分、亡くなりました。1歳9ヶ月の生涯でした。

家族は、手術とその後の肝臓チームのすさまじい努力、裕弥ちゃんを救おうとする苦労を目の当たりにしていたので、

チーム全員に丁重にお礼をいいました。後年、裕弥ちゃんの弟が生まれました。

母親の寿美子さんは、永末直文医師の「直」と裕弥ちゃんの「弥」をとり、「直弥」と名付けました。

島根医大第二外科が初めての生体肝移植をしたのを見届けるように、その後、京大、信州大が、数多くの生体肝移植を成功させました。

それはそれで、良いことです。

しかし、何と云っても、「最初にやる」ことを決断する勇気と覚悟は、2番目以降とは比べものになりません。

島根医大第二外科の英断と死にものぐるいの努力がなければ、こうした道は今も開けていなかったでしょう。

島根医大は、今は島根大学医学部になってしまいましたが、それはこの歴史的事実の価値に比べればどうでも良い。

永末先生とそのチームの偉業は、日本の医療の歴史に永遠に刻まれるでしょう。

永末先生が中心となり、当時の移植チームのメンバーが、思いを綴った本、決断―生体肝移植の軌跡を是非、読んで下さい。

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2009.11.11

「酒井被告が介護への道」←今まで下らないから黙っていたが、これは、一言言いたい。

◆記事:酒井被告が介護への道、創造学園大入学へ(日刊スポーツ 2009年11月10日6時27分)

覚せい剤取締法違反の罪に問われた女優酒井法子被告(38)の判決公判が9日、東京地裁で行われ、

懲役1年6月、執行猶予3年の判決が下された。

介護への道を希望し、大学を探していた酒井被告は、前所属事務所サンミュージックの相沢正久副社長の協力で、

群馬県高崎市に本部がある創造学園大学に入学する方向になった。関係者によると、

既に願書を提出し、面接も受け、合格通知を手にしているという。


◆コメント:介護って何だか分かってる?

酒井法子被告人に関するニュースはあまりの大騒ぎが馬鹿馬鹿しく、今まで無視していたが、

今朝、このニュースを読んだときには、呆れ、腹が立った。

酒井法子被告人に判決が下されたのは昨日、11月9日である。その翌朝の新聞に、

群馬県高崎市に本部がある創造学園大学に入学する方向になった。関係者によると、

既に願書を提出し、面接も受け、合格通知を手にしているという。

って、どーゆう学校なんですか。これは公判中に入学が決まっていたということではないですか。

この学校はまだ、判決が確定していない人物、即ち(執行猶予が付くだろうという予想はあったが)、

実刑を科せられるかも知れない被告人に合格通知を出していたということだし、被告人も、判決が確定しない内に

願書を出し、面接を受けていたということになる。そんないい加減なことって、ある?


私は、20年以上前に92歳で他界した祖母(父の母親)がいた。身体は丈夫なことこの上なく、

信じがたいが生涯、全て自分の歯だった。しかし、晩年は完全にボケた。

今は認知症と言わなければならないのはしっているが、そんな甘いものではない。

ボケ老人という言葉が最もよくフィットする。

世間ではやたらと介護という言葉があふれているが、実際の悲惨さが伝わらない。

要するに、多くはボケ老人の世話、である。寝たきりならば、下の世話から何からするのだ。

大変な重労働である。そして・・・・・。

私の祖母は最晩年まで寝たきりにはならなかったが今から思うと完全にアルツハイマーか認知症。

本来、精神科の世話になるべきだった。しかし、20年以上も前のこと。父がまだ健在でひどく嫌がった。


頭がボケた老人と一緒にいることが、ましてや自宅にいることが、どれほどものすごいストレスになるか、

こればかりは経験しないと分からないと思う。私も実はあまり思い出したくないぐらいである。

私よりも遙かに精神的にタフな母でさえ、参ってしまいそうだった。

ヤバいと思い、1日、親戚に面倒を見て貰って、母を富士山に連れて行ったらとても喜んだのを

思い出す(誤解を招くといけないので書いておくが、母はまだ健在である)。


私は当時学生で、昼間は学校に行っていたからまだしも、母は本当に辛かったはずである。

私ですら、毎晩、夜中に起き出して、リビングで仁王立ちになっている祖母を

思い出すと、気が狂いそうである。祖母は、
「家族が自分をだまし、勝手に自宅を売りに出そうとしている」

と信じきっていたのだ。妄想だからいくら説明しても無駄である。前述の通り父は祖母を精神科に連れて行かない。

これが毎晩続いた。


しばしば介護疲れで、老夫婦のいずれかが他方を殺してしまう悲劇がある。

誤解を恐れずに書くならば、その気持は大変よく分かる。

私も、祖母を階段から突き落としたくなったが、刑事被告人になる一歩手前で何とか我慢する、

という精神状態になったことが何度も、ある。それほどものすごいストレスなのだ。


まあね。色々と、立派なことを仰有りたい方もおられるだろうが、

その前に、自宅でボケ老人の世話をしてみるといい。発狂しそうになるか、殺意を抱くか、自殺したくなるか、

いずれかを経験するはずである。


◆音楽療法士だあ?音楽療法士に失礼ですよ。

他の新聞で次の記事を見つけた。

◆記事:<酒井法子被告>創造学園大に合格 音楽療法など勉強か(11月11日0時11分配信 毎日新聞)

覚せい剤取締法違反の罪で有罪判決を受けた元女優、酒井法子(本名・高相(たかそう)法子)被告(38)が

創造学園大(群馬県高崎市)を受験し、合格していたことが分かった。大学側が10日明らかにした。

大学のホームページによると、同大にはソーシャルワーク学部と創造芸術学部がある。

ソーシャルワーク学部は社会福祉士などの資格を取得することができ、創造芸術学部は音楽療法士の資格を取ることができる。

年間に複数回の入学試験を行っているというが、何学部に合格したかは明らかにしていない。

この記事だけでは、分からないがいくつの記事を読むと、酒井法子自身が「音楽療法士」を希望しているようだ。

音楽療法士になる、というのは、歌手だったから?老人ホームで歌を歌ったら、音楽療法士を名乗れるとでもおもっているのだろうか。

音楽療法士は音楽大学でピアノ科ならピアノ科を卒業した人。つまり音楽の専門的訓練を受けた人が、

更に、医字、心理学、障害学、福祉学など関連領域の勉強もして、

老人だけでなく、様々な精神疾患を音楽を用いて治療する専門家である。

アイドル歌手だった→音楽(療法士)というような甘いものではない。

酒井法子は絶対にそれが分かっていないと思われる。

介護をやるとか音楽療法士になる、とか言いだしたのは、判決前に裁判官に好印象を与えようと

しただけだろう。安易にそういうことを口に出すべきではない。

これから何をすべきか時間をかけて考えます、というべき所だった。

実際の介護士や音楽療法士に失礼だ。

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2009.11.08

「<新型インフル>国内死者50人に 茨城の40代男性死亡」←インフルエンザ油断してはいけないが、報道は正確に。

記事1:<新型インフル>国内死者50人に 茨城の40代男性死亡(11月7日19時23分配信 毎日新聞)

茨城県は7日、脳幹出血で6日に死亡した同県ひたちなか市の40代の男性臨床検査技師について、

死後の遺伝子検査で新型インフルエンザ感染を確認したと発表した。高血圧や高脂血症などの基礎疾患があり、

感染と死亡との因果関係は不明。厚生労働省によると、新型インフル感染者の国内死亡は疑い例も含め50人になった。


◆記事2:インフルエンザ、全国で警報レベルに=週の推計患者154万人-感染研(11月6日11時51分配信 時事通信)

10月26日から11月1日の1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は1カ所当たり33.28人となり、

警報レベルの「30」を超えたことが6日、国立感染症研究所の定点調査で分かった。

流行開始以来、全国で警報レベルを超えたのは初めて。

1週間の全国の推定患者数は154万人で、ほとんどが新型とみられる。

すべての都道府県で注意報レベルの「10」を上回っており、警報レベルを超えているのは21都道府県。

感染研は「全国規模での流行が前週よりさらに本格化した」とみている。


◆コメント:確かに感染者数ば爆発的に増えているのですが・・・。

順番が前後するけれども、現時点での新型インフルエンザ感染者数について報じた

記事2を読んで頂きたい。全国で警報レベルを超えた、という。

これを視覚的に素人でも理解しやすく表示しているのは、国立感染症研究所 感染症情報センター

11月 6日 インフルエンザ流行レベルマップ[疾患別情報]第44週(10月26日~11月1日)を見るわけです。

すると、日本の殆どが「警報レベル」の赤色で塗りつぶしてありますが、島根県などは黄色です。ということは注意報レベルです。

時事通信の記事には、

流行開始以来、全国で警報レベルを超えたのは初めて。

とありますが、これは、どういうことか。

落ちついて、警報・注意報システムとはを読みます。

すると、次の説明があります。
警報発生の仕組み

警報は、1週間の定点あたり報告数がある基準値(警報の開始基準値)以上の場合に発生します。

前の週に警報が発生していた場合、1週間の定点当たり報告数が別の基準値(警報の継続基準値)以上の場合に発生します。

注意報は、警報が発生していないときに、1週間の定点あたり報告数がある基準値(注意報の基準値)以上の場合に発生します。

とあり、更に、次の図が掲げてあります。

Flulevelguide

つまり、前の週、警報レベルに達していなかった定点あたりの報告数が30を超えると「警報」が新たに発せられる。

前の週、既に、警報レベルに達していた定点では、報告数が10を超えると「警報維持」となるのです。


10月26日から11月1日の1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者の合計を平均すると、

1カ所当たり33.28人となるので、

全国で「警報レベル」を超えた

ことになり、それは、初めてであるが、5,000カ所全てで新たなインフル患者が30人を超えた訳ではありません。

例えば、11月 6日 インフルエンザ流行レベルマップ[疾患別情報]第44週(10月26日~11月1日)で、

東京都だけの患者数を見ると、世田谷は赤(警報)ですが、

杉並や練馬は黄色(注意報)です。

このように、確かに患者数は確実に増えているけれども、場所によってだいぶ差があります。

注意報だからといっても勿論油断してはいけないのですが、マスコミは徒に人心を動揺させないように、

できれば、ここに書いたような説明を書くのが望ましい、と思います。


◆記事1のケースは新型インフルによる死亡かどうか分かりません。

記事1もまた、ミス・リーディングです。

ちょっと気をつけて読めば明らかですが、茨城県ひたちなか市の40代の男性臨床検査技師は、

「脳幹出血で死亡し」たのであり、死後、新型インフルエンザに感染していることが判明したけれども、

記事に書いてあるとおり、インフルエンザ感染と死亡との因果関係はまだ分からないのに、見出しは、

<新型インフル>国内死者50人に 茨城の40代男性死亡

としか、書いていないので、あたかも新型インフルエンザが原因で40代男性が死亡した、

という印象を受けます。

ミス・リーディングだ、と書いたのはそういうことです。


仮にこの男性の死因がインフルエンザだったとしても、全国これまでの新型インフルによる死者数は50人。

11月 6日 インフルエンザ流行レベルマップ[疾患別情報]第44週(10月26日~11月1日)の説明を読むと、
第28週(←新型インフルエンザ感染者が急に増え始めた週)以降これまでの累積の推計患者数は585万人

とのこと。死者数50/累積推定患者数5,850,000=0.00085%。つまり11万7000分の1、が致死率であることになります。

ゼロではない。あなたも私もこの11万7,000分の1の1人になる「可能性」はあります。が、病的に恐れるほどでもない。

新聞テレビのこの手の報道はいつでもこの調子なのです。インフルエンザに限らず、薬の副作用を伝える記事などでも、

「分母」を言わずに「分子」だけを伝えるので、「確率」が分からない。

タイトルに、「報道は正確に」と書いたのは、そういう意味です。

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2009.11.05

「<糖尿病>「20年後には4億人超」国際機関が警告」←食い過ぎですよ。

◆記事1:<糖尿病>「20年後には4億人超」国際機関が警告(11月4日15時1分配信 毎日新聞)

世界の糖尿病患者は約2億8500万人に達し、

このまま増えれば2030年には4億3800万人を超えるという推計を、

国際糖尿病連合(本部・ブリュッセル)がまとめた。生活水準の向上による食生活の変化や運動不足が大きな原因で、

世界の20~79歳人口に占める患者の割合も、10年の6.6%から30年は7.8%に増えると予測。

糖尿病の急激な拡大について同連合や世界保健機関は「パンデミック(大流行)」と表現し、深刻な事態だと警告している。

推計は同連合が発行する最新の糖尿病報告書に掲載された。それによると、

10年時点の患者数トップは、インドの5080万人、中国4320万人、米国26

80万人と続き、日本は8位の710万人だった。30年には、インドが8700万人に増えるなど

軒並み患者数が増えると予測。日本は、調査対象の20~79歳人口が1割以上減るため、

患者数は690万人と減少し、順位も12位に下がる見通しだ。


◆記事2:空腹力が人類を救う(マル激トーク・オン・ディマンド 第441回(2009年09月19日))

食欲の秋というが、今週の丸激のテーマは「空腹力」。

「空腹力」とは、文字通り空腹状態に耐える力のこと。その名づけ親である医師の石原結實氏は、

今日先進国に住むわれわれを悩ませているあらゆる病気の原因に、単純な「食べ過ぎ問題」があるとの前提に立ち、

われわれが健康な生活を取り戻すためには、食べないことに耐える力、すなわち空腹力を鍛えることが不可欠であると主張している、

実は知る人ぞ知る断食界のカリスマだ。

そもそも300万年前に発祥したと言われる人類の歴史は、そのほとんどが飢餓との戦いに費やされてきた。

人間は飢餓を乗り越えて生き延びるために、飢餓に対応するありとあらゆる防衛機能を備えるようになった。

それがあったからこそ、恐竜を始めとする多くの動物が滅亡する中、今なおわれわれ人類は地球上で生き延びていると言っていい。

飢餓防衛能力の一つが、例えば皮下脂肪だ。摂取した栄養は人体の機能を維持するために代謝に回されるが、

余った分は将来の飢餓に備えて、皮下脂肪そして体内に蓄えられる。

また、血糖値が下がると人はすぐに空腹を感じ、万難を排してでも何とか食べ物を口に入れようとするが、

食べ物を口に入れてからそれが消化されて満腹を感じるまでに1時間ほどのタイムラグがあるために、

放っておけば人間は必ず食べ過ぎるように作られている。

しかも、余分に食べたものはすぐに脂肪になって貯蔵されるが、一方この脂肪が、簡単には燃焼されないようになっている。

ダイエットが苦しいのも、それが原因だ。

いずれも、将来の飢餓に備えるために人間が300万年かけて身につけてきた高度な飢餓防衛能力なのだから、

こればかりはしかたがない。(中略)

石原氏の提唱する空腹力とは、端的に言えば空腹を我慢する力のことだが、

それは何も空腹の苦しみに耐える力をつけろと言っているわけではない。

人間は血糖値が下がった時に分泌されるホルモンによって空腹を感じるため、血糖値が上がれば本来は空腹は収まる。

しかし、われわれの多くが、幼少時からきちんと食事を摂らなければならないときつく教え込まれているため、

実際に食事で胃袋を満たさないと空腹は収まらないものと信じ込んでいる。

つまり、空腹力とは、そうした呪縛から自らを解放し、血糖値を正常にコントロールすることで、

例えば1日1食か2食で苦痛を感じずに十分やっていけるような力を付けることを意味する。

空腹力を鍛えれば、例えば、石原氏が提唱するニンジンとリンゴを混ぜたジュースやショウガ入り紅茶で

血糖値を上げておくだけで、まったく空腹を感じずいられるようになるのだと石原氏は言う。

石原氏自身が、朝、昼はニンジン・リンゴジュースを3杯ずつ飲み、合間にショウガ紅茶を飲む他は、

1日1食だけで、しかも毎日ジョギングやウエイトリフティングに勤しむ生活を、30年以上続けているそうだ。(以下略)


◆コメント:我が意を得たり。

糖尿病とは何か。

医者ではないから、以下、アンチョコ丸写しである。

我々が食べ物を摂った炭水化物を胃や腸で分解し、更に肝臓で、それをブドウ糖に変えて、活動のエネルギー源としている。

ここで、インスリンという、すい臓内にあるランゲルハンス島という細胞群が分泌するホルモンが必要である。

インスリンは、ブドウ糖をグリコーゲンという物質に変える。

変える、というか、グリコーゲンの分子はブドウ糖がたくさんつながった構造になっていう。

グリコーゲンは肝臓に蓄えられる。

したがって、インスリンというホルモンが分泌されなくなると、

血液中のブドウ糖を身体のエネルギー源であるグリコーゲンにすることができず、血液中の血糖値だけが上がってしまう。


◆糖尿病にはⅠ型とⅡ型がある。生活習慣病はⅡ型である。

昔から、糖尿病は「贅沢病」だと言われる。多くはそうだが、それだけではない。

本人に責任が無い糖尿病もあることは、知っておくべきだ。

糖尿病にはⅠ型とⅡ型がある。

I型は、先天性で、元々ランゲルハンス島が破壊されていて、インスリンを作り出すことができない。

これは、本人の責任ではなく、遺伝的なものだ。

何しろ自分ではインスリンというホルモンを作り出すことができないのであるから、

一生、インスリンを注射しなければならない。Ⅰ型の割合は全体の10%程度である。



もう一つの型、Ⅱ型の糖尿病とはなにか。

記事で問題にしている「糖尿病」はこのⅡ型で糖尿病の90%を占める。

インスリンの分泌が減るのと、同じだけインスリンを打っても、ブドウ糖を分解する機能が低い。

この病態を「インスリン分泌低下と感受性低下」という。

何故それが起きるのか分かっていないようだが、遺伝的な要因を持った人が、

Ⅱ型糖尿病に鳴りやすい生活習慣を持っていることが多い。

少々分かり難かったのでもう一度まとめると、

糖尿病I型=先天的にインスリンを作るランゲルハンス島が破壊されている。

糖尿病Ⅱ型=遺伝的な要因があるが、美味い物を食い過ぎて血糖値が高くなり、それが原因か確証はないが、

インスリンの分泌量が減り、或いは、インスリンを注射してもブドウ糖を分解する能力が低い。

生活習慣病としての糖尿病はⅡ型であり、要するに食い過ぎなのである。


◆以前、私が16キロ減量したら、健康診断の全ての数値が正常範囲に戻った体験談を書いた。

私は身長が163cmなのに、一時期体重74キロ、腹囲が85センチを超え、当時はまだ「メタボリック症候群」

という言葉はなかったが、現在のメタボの判定基準によれば完全にメタボ症候群だった。

久しぶりに会う人は皆「太ったねえ」という。そこでやばいと思ったが、私は運動は嫌いだから、

運動で痩せることが不可能であることは間違いない。残りは摂取カロリーを減らすしかない。

そこで、素人考えの方法だが、「昼飯を殆ど食わない」ダイエットを敢行したところ、

約2年で16キロ減量し、腹囲は75センチとなり、もうずっとリバウンドしない。

そのやり方は、3年半前に書いた。

「内臓脂肪症候群 1960万人」←美味いものを食い過ぎですよ。日本人は。ココログ

私は結果的にはこの方法で減量して、今だにリバウンドしない。

これは、今年の6月に受けた健診結果である。

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但し、私は医療従事者ではないし、この方法は医師と相談して決めたのではない。

完全に素人判断の「我流」であるから、万人にとって安全、適切な方法である保証はない。

私と同じ事を実行して体調を崩しても、責任は取りかねる。自己責任でお願いします。

あくまでもご参考程度、であり、本来のダイエットは医師の指示に従って頂きたい。


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2009.09.09

「<新型インフル>ワクチン接種は2回…自己負担最大8千円」←有識者会議は無料化を要求していた。

記事1:<新型インフル>ワクチン接種は2回…自己負担最大8千円(9月8日21時1分配信 毎日新聞)

厚生労働省は8日、10月下旬から始まる新型インフルエンザワクチン接種の具体的な方法を公表した。

1人2回、医療機関に予約して接種することを原則とし、必要な自己負担は計6000~8000円程度とみられる。

「医療従事者」「妊婦」「基礎疾患のある人」など優先順位の高いグループから順に、ワクチンが確保でき次第、接種を始めるとした。

今回の接種は、予防接種法に基づかない任意接種の扱いで、国は接種の勧奨はしない。

生活保護世帯などの低所得者の負担軽減策として自治体が助成するよう、国が補助金を出す。

国産と輸入ワクチンで費用に格差が生じないよう、出荷時に国が価格調整をするという。

接種は

(1)実施を希望する医療機関

(2)市町村が選定した医療機関--が実施、

厚労省と委託契約を結ぶ。都道府県は10月中旬までに医療機関をリスト化しワクチン配分量を決める。

医療機関での接種が原則だが、社会福祉施設などの要望を受け、医師が出向いての集団接種も認める。

医療機関で接種を受ける人には、対象者であることを証明する母子健康手帳や保険証などの提示を求める。

基礎疾患がある人は、かかりつけの医療機関での接種が望ましいが、

別の医療機関で受ける場合は、主治医に「優先接種対象者証明書」を発行してもらう。

新型インフルエンザは国民の大半に基礎免疫がないため2回の接種が必要で、3~4週間の間隔を空けると効果が高いとされる。

各グループの接種期間は1カ月半程度などを目安とするが、期間が過ぎても接種できる。

副作用被害は医療機関から国に直接報告させ、速やかに公表するとした。


◆記事2:<新型インフル>ワクチン6000万人分確保 来春までに(9月4日11時25分配信 毎日新聞)

舛添要一厚生労働相は4日の閣議後会見で、新型インフルエンザワクチンについて、

海外メーカー側と交渉がまとまれば、来春までに約6000万人分を確保できるとの見通しを示した。

メーカー側は副作用被害が出た場合の免責を販売の条件に挙げており、対応を調整中という。

厚労省が想定しているワクチンの接種対象は、医療従事者、妊婦、乳幼児など計5400万人。

国内で生産できるのは、年内に最大1700万人分、来年2月末までに最大3000万人分とされており、

輸入が実現すれば必要量はまかなえる。ただし「一気にではなく、断続的に入ってくる」(舛添氏)ため、流行時期に間に合わない可能性もある。

また接種の費用については、完全無料化は現行法では難しいとしたうえで「所得に応じて負担軽減策を取ることはできる」と述べた。


記事3:新型インフルエンザ:有識者ら、ワクチン無料化要求 「輸入品は治験を」(毎日新聞 2009年8月27日 東京朝刊)

舛添要一厚生労働相は26日、新型インフルエンザワクチンの扱いを巡って有識者との意見交換会を開き、

臨床医や患者代表から、接種無料化や輸入する場合の国内臨床試験(治験)実施を求める声が相次いだ。

舛添氏は「ワクチンにかかわる新しい体制作りをしないといけない」と述べ、

副作用被害に対する患者救済や医師の免責などを盛り込んだ法整備を急ぐ必要があるとの認識を示した。

厚労省はワクチンの接種対象として

▽妊婦

▽乳幼児

▽基礎疾患(ぜんそく、糖尿病など)のある人

▽医療従事者

▽小中高生

▽高齢者--の約5300万人を想定。

年内で最大1700万人分とされる国内生産分では足りないため、海外からの輸入を検討している。

これに対し、日本小児科学会の横田俊平会長は、ワクチン接種が必要な子供は

▽1~6歳児350万人

▽基礎疾患のある子供100万人

▽0歳児の母200万人--

の計650万人との試算を示したうえで、「0歳児にワクチンの効果は期待できず、保護者への接種が重要だ」と指摘。

NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」の小林信秋専務理事は、「幼稚園も含めた学校関係者にも接種してほしい」と訴えた。

また、岩田健太郎・神戸大教授(感染症内科)は、高齢者へワクチンが行き渡らない事態に備え、

重症化防止に肺炎球菌ワクチンを接種する対策を求めた。国民が接種の有効性と安全性を判断するために、情報公開の徹底を求める声も相次いだ。

舛添氏は、輸入ワクチンの治験や副作用被害補償などに前向きな姿勢を示し、国と学会などとの協議機関を作る考えも明らかにした。


◆コメント:ワクチン接種の優先順位とかいいながら、季節性インフルエンザワクチンの倍もカネがかかるの?

以前から政府は、新型インフルのワクチン確保に全力を挙げる、といっていたから、

それはつまり、接種する優先順位の高い人から、完全無料とは言わないまでも、パンデミックを防ぐのが目的なのだから、

普通のインフルエンザ(季節性インフルエンザ)のワクチンよりも安いのだろう、と私は勝手に思っていた。

季節性インフルの場合、ネットでいくつか調べてみたが、

大人(13歳以上):1回接種、3,000円前後

子供(12歳以下):2回接種、1回 1,000円~2,000円

高齢者(65歳以上):1回接種、2,200円前後

ということである。

新型インフルエンザは今のところ弱毒性だということだが、明らかに季節性よりも感染力が強く、

毎日新しい感染者のニュースが流れている。無くなった方(以前から持病が有った方が多いが)もいる。

厚労省の新型インフルエンザ最新情報の一番新しい(9月8日現在)項目は、

2009年9月6日 「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」に関する意見募集についてであり、

更に、その中の、新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)を読むと、

最初に次の記述がある。
新型インフルエンザ対策における予防接種の位置づけ

新型インフルエンザワクチン接種の目的

新型インフルエンザ(A/H1N1)については、国民の大多数に免疫がないことから、今後秋冬に向けて、

季節性のインフルエンザを大きく上回る感染者が発生し、医療をはじめ、我が国の社会経済に深刻な影響を与えるおそれがある。

繰り返して説明するまでもないが、誰も免疫が無いのだから、誰が新型インフルエンザに罹ってもおかしくない。

だから、本来は、全国民が予防接種を受けるべきだが、国内のワクチン製造能力を考慮すると、国民全員に行き渡るには時間がかかりすぎる。

そこで、優先順位をつけて、妊婦、乳幼児、喘息・糖尿病など基礎疾患のある人、医療従事者の順になっているが、

厚労省は、新型インフルエンザは「国民の大多数に免疫がな」くて、

「我が国の社会経済に深刻な影響を与えるおそれがある」といいながら、
今回の接種は、予防接種法に基づかない任意接種の扱いで、国は接種の勧奨はしない。

だから、心配な人は、自費でワクチン接種を受けて下さい、といっているのである。矛盾している。

しかもそのワクチンは季節性インフルエンザ用ワクチンの倍の費用だ。


アホか。国民の生命を守るのが国の役目でしょ?

事態は深刻なのだから、国が予防接種費用の全部又は一部を負担するから、必ず、予防接種を受けろ、というべきだろう。



アメリカは、感染者も死者も多いという理由もあるだろうが、ニューヨーク市は全ての児童に無料でワクチンを打つそうだ。
◆全児童に無料ワクチン=冬季の新型インフル対策-NY市(9月2日6時43分配信 時事通信)

米ニューヨーク市は1日、冬季の新型インフルエンザ流行に備えた包括対策を発表、

公立、私立を問わず市内の全小学校の児童を対象に10月中旬以降、無料でワクチンを接種する方針を明らかにした。

接種は、最も懸念される学校発の流行を予防するのが狙いで、保護者の同意に基づき実施する。

ただ、原則として感染者が確認されても休校にはしない。

これが本来、行政が取るべき対応ではなかろうか。

記事3に書いてあるが、「有識者会議」が接種は無料にすべきだ、

と主張しているが、厚労省は最初から「有識者会議」の意見を参考にするつもりなどなく、

一応「有識者の意見を聞きました」というパフォーマンスを実施しただけだ。


◆民主党政権はどう出るか。

16日に召集される特別国会で、鳩山民主党代表が、内閣総理大臣に選ばれることは、間違いない。

民主党のマニフェストにおける「新型インフルエンザ対策」は次の通り。

新型インフルエンザ対策

日中韓を中心に、東アジア全体で新型インフルエンザに対応できる体制をつくります。

発熱相談センターを強化し、感染症対応の隔離個室確保・整備を進めます。

新型インフルエンザ行動計画ガイドラインを全面的に見直し、検疫法のあり方を検討します。

抗ウイルス薬の十分な備蓄、ワクチン開発製造・備蓄・流通体制の拡充及び海外との連携を図り、

強毒性新型インフルエンザのプレパンデミックワクチンを受けられる体制を整備するとともに、

輸血を介した感染防止のための新技術を導入します。従来の病院機能が低下しないよう、

病院や医療従事者に対する支援等を充実させるとともに、

高病原性鳥インフルエンザが発生した養鶏場に対する経営支援策も強化します。

具体的に書いているようで、接種費用の負担については何ら言及していない。

また、重箱の隅をつつくようだが、ここでは
強毒性新型インフルエンザのプレパンデミックワクチンを受けられる体制を整備する」

と書いている。新型インフルエンザはH1N1の「弱毒性」である。

ものすごく意地の悪い解釈をすれば、民主党は、
マニフェストに書いたのは、強毒性のインフルエンザに関しての公約であり、

現在、蔓延している弱毒性新型インフルエンザに関しては、何も約束していない。

と、言っても、ウソをついたことにはならない。

新政権発足直後から、インフル対策で、民主党が何をするか注視するべきだ。

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2009.09.06

「<勤務医>「うつ」12人に1人 休日『月4日以下』46%」←無理もない。

◆記事:<勤務医>「うつ」12人に1人 休日「月4日以下」46%(9月5日11時17分配信 毎日新聞)

日本医師会は、勤務医1万人を対象にした健康に関するアンケートで、勤務医の12人に1人が精神面の支援を要する

「うつ状態」にあるとの分析結果をまとめた。休日や睡眠時間の少なさに加え、

患者からのクレームなどの矢面に立たされることへのストレスが大きいとして、

医療機関に医療事故や患者とのトラブルでは組織的な対応を取るよう求めていく。

過酷な勤務実態を受けて、医師の健康面に特化した大規模な調査は初めてという。

今年2~3月、男性勤務医8000人、女性勤務医2000人に調査票を送り、3879人から回答を得た。

最近1カ月の休日は46%が4日以下で、9%は「なし」。睡眠時間は6時間未満が41%を占め、

20代では63%に上る。当直は45%が一度もなかった一方で、10%は1カ月で6回以上あった。

患者対応では、46%が「半年以内に患者ら家族から不当なクレームを受けたことがある」と答えた。

また、勤務医のメンタルヘルスについて「死や自殺を考えた」「自分を責めがち」など約30項目の質問の答えを点数化したところ、

8.7%が「メンタルサポートの必要がある」と判定され、若い世代ほど割合が高かった。


◆コメント:さもありなん。

人間は勝手な生き物で、自分が病気になると医者に頭を下げる。

しかし、普段は内心、社会的地位が高く(と思っている)、所得が高い(と思っている)、

自分より頭が良い(医学部を受験し、合格できる程度の知能を持った人は、やはり限られている。

勿論私とて、仮に医学部を受験したとしても絶対に合格出来なかったと思う)「医者」に嫉妬心を抱いている。


だから医者には過大な要求をする。

曰く、

人の命を預かる仕事に、失敗は許されない。

人の命に関わらない仕事ならば失敗が許されると思っているのだろうか?

曰く、
患者の生命がかかっているのに(いつ容態が急変するか分からないのに)休みをとるのか。

医者だって人間なんだから休まなければ、疲れ切って、ミスが増えるだろう。

挙げればキリがない。言いたい放題、無茶を言う。

直ぐに医療ミスだ、といって訴訟を起こす。


昔は医療訴訟を起こしても大抵患者側が負け、それはそれで問題だったが、日本社会は極端から極端に振れる傾向があり、

今は医者が裁判で負ける判例が増えている。

不眠不休で頑張ってる医師は神ではないから、失敗することだってあるだろう。



勿論、中には本当に医師の怠慢というケースもあるだろうし、医師や医療機関の不親切な対応に

肚が立つことはある。


私は、13年前に父を亡くした。死んだ時にはロンドン駐在員で、親の死に目には遭えなかった。

私のロンドン駐在は、1993年10月からだが、前年、1992年12月、父は軽い脳梗塞を起こした。

そのときは、大したことなく、麻痺も残らず、回復したかに見えた。

1993年、8月20日にロンドン駐在の内示が出た。父は喜んでくれた。

しかし、その10日後、脳出血で倒れた。素人目にも危ないと思った。

救急車で近くの個人総合病院に搬送された際、当直医の説明がひどく投げやり、というか「情」のかけらもなかった。
「いつ、死んでもおかしくない」

という意味のことを、事務的に告げ、さっさと次の用事に向かう当直医(脳外科の女医だった)に

無性に腹が立ち、半ば本気で、「殴ってやろうか」と思った。


そういう経験もしているから、医師が全て親切なわけでも、能力が高いわけでもないこと。

患者から見て腹が立つ状況はしばしばある、ということは認識している。そんなことは承知した上で書いている。


そういう医者、医療従事者もいるが、良心的な医者とて大勢いる。


私は、それを世間に知らしめたい、と考えている。

1989年11月13日、日本で初めての生体肝移植が当時の島根医科大学第二外科で行われた。

私は毎年、11月13日の日記に、そのことを繰り返し書いているのは、

これほど立派な医師が現実に存在することを伝えたいからである。


これは、例外的に重要な日本医療史上の出来事だが、そこまでいかなくても、

街には、良心的な医師が必ずいる。皆、何だかんだいうが、病気になれば医師に診て貰うのは、

基本的には、医師を信頼しているからだろう。

繰り返すが医師だって神ではなく、人間だからミスをすることはあるだろう。

それは、勿論望ましくはないが、それまでに数多くの人間の生命を救ってきた医師が、

たった一回の失敗で、あたかも「悪魔の申し子」のように責められるべきではない。



訴訟を起こす患者や、家族の中には、本当に怒りを感じてドクターを訴えるのではなく、

弁護士と相談して、上手くいけば示談金か慰謝料を取れるぜ、という魂胆で裁判沙汰にする、狡い奴もいる。


訴訟リスクが高いから、内科、外科、小児科、産婦人科の医師が特に不足している

(麻酔科も、ものすごくしんどいことは素人には殆ど知られていない)。

当然、残った外科、小児科、産婦人科の医師の肉体的・精神的な負担は高まる。

ロクに休むことどころか、眠ることもできないのだ。 余計にミスをする可能性が高まる。

典型的な悪循環だ。




ウツにならない方が不思議だ、と言っても過言ではない。

先日、ある医師から聞いたが、救命救急医が、あまりの勤務の苛酷さに疲れ果て、耐えきれず、

どうしたらよいか分からなくなり、自殺する例も多いという。

こうなると、単なる「抑うつ状態」のレベルではなく、うつ病に罹患していた可能性が高い、と想像する。


私自身は医者ではなく単なるサラリーマンだが、親戚に医者が多い。

彼らの話を聞いているから、ド素人よりは、医師という職業の苛酷さを多少は理解しているつもりである。

だから、書いた。

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2009.07.15

「うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目」←万能ではないかも知れないが、大きな進歩だ。

◆記事:うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目(朝日新聞)(2009年7月11日19時52分)

血液検査でうつ病かどうかを診断する方法を、厚生労働省の研究班(主任研究者・大森哲郎徳島大教授)が開発した。

うつ病患者と健常者で白血球の遺伝子の反応が微妙に異なることを利用した。数年後の実用化を目指す。

問診と併せて、数値化できる簡便な診断法が使えれば、患者の見逃しが減ると期待される。

研究班は白血球の遺伝子がストレスで変化することに着目し、それをうつ病の診断に使えないか調べた。

約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。

医師の面接によってうつ病と診断された17~76歳の患者46人と健常者122人を分析した結果、

うつ病患者の83%(38人)、健常者の92%(112人)で、特定の遺伝子が突き止めた通りに反応し、正しく判定できた。

治療薬による影響で遺伝子が反応する可能性を除くため、うつ病の患者はまだ治療していない人を対象にした。

研究班は今年から2年間、対象を増やして診断し、実用化できる精度か確かめる。

うつ病以外の精神科の病気と、はっきり見分けることができるかも調べる。実用化されれば、

患者から採った血液2.5ミリリットルを処理した液を、遺伝子チップという分析器具で反応させて診断できるという。

厚労省の調査で、うつ病など気分障害と診断された人は、05年で92万4千人。6年で倍以上に急増している。

うつ病は、医師が患者と面接し、症状から診断している。

しかし、うつ病と他の病気との境目があいまいな例も多く、専門医でも診断に迷うことが少なくないという。

大森教授は「血液検査による診断法が実用化されても、医師の面接による診断は必要だ。血液検査が実用化、普及すれば、

一般の医師が診察する際に、これまで見過ごされてきた患者を治療に結びつけることが期待できる」と話している。

国立精神・神経センターの樋口輝彦総長(気分障害薬理生理学)の話 

今回の診断法が高い確率でうつ病を見分けられることが明らかになれば、

診断の手法として有効な方法といえるのではないか。可能性は十分にあると思う。

今後、白血球の遺伝子の変化と、うつ病の原因とされる脳内の変化との関係がわかれば、うつ病の原因究明にもつながる。


◆コメント:精度を高めるためには、まだ時間がかかりそうだが、うつ病患者にとっては朗報である。

長引く不況と共にうつ病患者が増えていて、それ以前から日本では、10年連続自殺者が3万人を超えている。

自殺者の全てではないが、かなりの割合で、うつ病を発症していたが、適切な治療を受けていなかった人がいた、

と推定される。


私は10年来の遷延性・難治性うつ病患者だが、この病気の辛さは、病気がもたらす、憂鬱感、気力の無さ、不眠などの

症状そのものだけではない。多くの患者にとっての悩みは、

見た目が普通なので、病気を理解しようとしない人々には、「怠けている」「根性が足りない」と誤解される。

ことなのだ。

他の身体の病気(うつ病も脳という臓器の病気なのだが)のように、データ、客観的な情報として、「この人はうつ病である」ということが、

「証明」出来ないのである。

うつ病のみならず、現在、世界標準の精神疾患診断基準は、アメリカ精神医学界が編纂した、DSM-Ⅳ

(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders version4=精神疾患の分類と診断の手引第四版)に従っている。

しかし、これは、あくまでも一つの目安である。もしも、いちいちこの本を見ながら診断を下す精神科医がいたら、間違いなくヤブ

と思っていい。

現状、他の病気も含めると話が煩瑣になるので、話をうつ病に限るが、診断は、精神科医が患者と面談して受けた

「印象」と「臨床経験」に基づいている。

他の臓器の疾患であれば、心臓病なら、心電図、心エコーなどにより、診断が可能であるし、

肝機能・腎機能に異常がある場合も、血液検査から、その客観的な証拠を示すことが出来る。

しかし、精神科には、それに匹敵する、客観的な証拠が、はっきり言って存在しなかった。


このため、大きな声では言えないが、実は、医療従事者の間でも、精神科は、科学と文科系の中間とでもいおうか、

医師のさじ加減でどのような診断も出来てしまう、という点で他科に比べ、科学的客観性に欠けるため、偏見を持たれているようだ。

他科の医師は精神科のことを「P科(psychiatry:サイキアトリー。英語で「精神科」の意)」とか「プシコ(psychology=心理学)」

などとバカにしている。


しかし、転載した朝日新聞がの記事の内容が正確であるならば、今後「純科学的(医学的)に」うつ病診断が可能になる。

尤も、精神科の患者そのものに対する偏見が社会に存在する限り、それで、問題の全てが片付くわけではないが、

大きな進歩であることは論を待たない。


◆「エセうつ病患者」を減らす意味でも有効だろう。

元来うつ病というのは、1日中、何週間、何ヶ月、何年にも亘って、ずっと憂鬱なのである。

従来好きだったテレビも全然面白くないし、私の場合、長年好きだった読書が一時期、全く出来なくなった。

好きな音楽すら聴く気力が無い。何を見ても興味がなく、ただひたすら、ボーッとしているしかなかった。

精神運動抑制、あるいはアンヘドニア(anhedonia=無快感症、無気力症)という状態が長く続いた。

ところが、最近、非定型うつ病という妙な概念が提唱され始めた。

これは、会社にいるときには、憂鬱だが、仕事が終わって趣味など自分が好きなことをするときには、

元気になる、という。

今までは、うつ病を全く理解しようとしない人々に憤りを感じたが、このような「非定型うつ病」は私に言わせれば、

それこそ、「怠け」ではないかと思う。これをうつ病にしたら、ますます世間の誤解を招く、と懸念していた。

新しい、うつ病診断技術が、この「非定型うつ病」をどのように判定するか、分からないが、

少なくとも、従来の、「本当の」うつ病。毎日、1日中、何処か憂鬱感か不安感があり、それがずっと続く

うつ病の患者と全く同じ結果にはならないと思う。

なまじ、うつ病の情報をネットで簡単に調べることができることになったので、

ウツを装った怠け者、も実際には要るに違いない。しかし、新しい研究が

約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、

うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。

のであれば、似非(えせ)うつ病は、通用しなくなる。その点でも、有り難い。

血液検査によるうつ病診断法の一刻も早い実用化を期待したい。

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2009.06.25

「ドクターヘリ 救急車より入院4~18日短縮」←へえ、これほど違うものですか。

◆記事1:ドクターヘリ 救急車より入院4~18日短縮(6月24日10時56分配信 毎日新聞)

交通事故で重症となった患者をドクターヘリで搬送すると、救急車で運んだ場合に比べて入院日数が4~18日短縮し、

医療費も5万~116万円安くなるとの調査結果をNPO「救急ヘリ病院ネットワーク」(略称・ヘムネット)がまとめた。

ヘムネットの村田憲亮事務局長は「ドクターヘリは、救命の可能性を大きくするだけでなく、

医療経済的にも十分見合うことがはっきりした」と話し、ドクターヘリ普及の重要性を訴えている。

調査したのは、

日本医科大千葉北総病院(千葉県)

▽手稲渓仁会病院(北海道)

▽久留米大病院(福岡県)

▽東海大病院(神奈川県)の4病院。

ドクターヘリ導入(01~05年)後、07年12月までの間に救急車で搬送された患者と年齢や重症度をそろえて比較した。

千葉では四街道、富里、八街の各市から運ばれた68人(うちドクターヘリ搬送25人)で調べたところ、

ドクターヘリで運ばれた患者の平均入院日数は21.3日で、救急車で運ばれた患者より平均17.8日少なかった。

医療費の平均額も救急車が約249万円だったのに対し、ヘリは約133万円だった。

このほか、北海道でも8.3日、福岡では5.9日、神奈川で3.8日短くなっていた。

医療費もその分、約5万~99万円安くなっていたという。

ドクターヘリを導入しているのは全国16道府県にとどまる。ヘムネットは今回の結果を受け、改めて全国配備を呼び掛けていく。

ドクターヘリは01年から国が年間経費(1機当たり約1億7000万円)の半額を補助する制度がスタート。

今年3月末からは、さらに自治体負担分の半分が特別交付税で手当てされることになった。


◆コメント:大変結構なことだが、運航には十分注意して頂きたいのと、ドクターの過大な負担が心配だ。

「ドクター・ヘリ」は、ちょうど1年前、フジテレビ系列のテレビドラマ、コード・ブルー(まだ公式サイトが残っているんだね)で、

その存在が一躍知られるようになった。あれは、勿論お芝居であって、実際には、助かる患者ばかりでは無かろうが、

このデータが厚労省ではなくて、特定非営利活動法人「救急ヘリ病院ネットワーク」(最近、全然更新されてないが)

から発表された、とのことであるから、信頼性があると考えて良かろう。


「ドクター・ヘリ」が、救命救急医療の開始までの時間を短縮させるであろうことは、素人でも想像に難くないが、

これほど具体的なデータ、

交通事故で重症となった患者をドクターヘリで搬送すると、救急車で運んだ場合に比べて入院日数が4~18日短縮し、

医療費も5万~116万円安くなる

が発表されたのは初めてだろうし、その医療(治療)効果、医療経済的効果が大きいのに驚く。


それ自体は大変結構なことであろうが、ヘリは固定翼機に比べると、墜落事故を起こす確率が高い

(何処かにデータがあった筈だが、あいにく、今見つからない)筈で、危険が伴うことは言うまでもない。

日本では、ドクター・ヘリの運航は、有視界飛行(日没まで)に限られるはずだが、

ウィキペディアを見ると、
アメリカでは夜間飛行が全飛行時間中の1/3を占めている。そのため飛行条件が一般的なヘリコプターの飛行条件よりも悪くなりがちであり、

事故も多くなる傾向がある。 「1998年から2005年までの8年間に89件の事故」があり、「うち31件が死亡事故で、死者は75人」発生した。『日本航空新聞』2007年9月20日

との事で、これは誠に悲惨である。日本ではドクター・ヘリの死亡事故は起きていないが、

今年3月、緊急着陸する事態が発生した。何と、バード・ストライク(鳥との衝突)が原因であった。

同じウィキペディアの記事によると
2009年(平成21年)3月18日、浜松市の遊園地「浜名湖パルパル」駐車場にドクターヘリが緊急着陸するという事態が発生した。

副操縦席側の風防(アクリル製)が直径約30cm破損したが、乗員5人(機長、整備士2人、医師、看護師各1人)に負傷者はなかった。

ヘリは中日本航空所有で、聖隷三方原病院のヘリポートを飛び立って、市内の90歳代の男性を搬送するために現地へ向かう途中だった。

副操縦席にいた整備士の話では、風防を突き破った鳥は体長約40cmのトビだったという。

なお、男性は救急車で病院に搬送された。中日本航空では「ヘリと鳥が衝突して風防に穴が開き、

緊急着陸するのは国内初ではないか?」とコメントしている。

救急車で搬送された患者がその後どうなったかは分からないが、ヘリに関して書くならば、

このケースでは、墜落は免れたけれども、昼間の飛行でもこのように思いがけないことが起きる。



折角救命の為に飛んだのに、患者搬送の為に現場に向かう途中、或いは患者搬送中に墜落したのでは、元も子もない。

無論、患者の生命も大切であるけれども、ドクター・ヘリに搭乗する救命救急のドクターは、

高度に専門的な知識・技術と経験を積んだ貴重な人材であり、一朝一夕に養成できるものではない。

もし墜落でもして、ドクターが事故によって失われることは、それ以降、「助かるかも知れない命が減る可能性」を高めることになる。

だから(こんな事は私が書かなくても、医療、救命救急、ドクター・ヘリ運航の当事者が一番よく分かっていることだろうが)、

ドクター・ヘリを普及させるのは良いのだが、慎重を期して頂きたいし、無理に増やすことにより、ただでさえ激務で疲弊しているであろう、

医師、特に救命救急に携わる医師たちに過大な負担がかからぬよう(既にかかっているだろうが、)に、

厚労省はありとあらゆる愚策を思い付くので悪名高いが、予算の配分を考える時、こういうところに使え、と言いたい。

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2009.06.24

「<臓器移植法改正案>民主・西岡氏『国民投票も一案だ』」←何言ってんだ。バカ。

◆記事:<臓器移植法改正案>民主・西岡氏「国民投票も一案だ」(6月23日19時26分配信 毎日新聞)

民主党の西岡武夫参院議運委員長は23日の記者会見で、臓器移植法改正案について

「脳死を人の死とすることに国民的コンセンサスがどの程度あるのかはっきりしていない。国民投票も一案だ」と述べ、

脳死を一般に人の死とするA案の今国会での参院採決に消極的な考えを示した。

現行の国民投票法は憲法改正以外の法案の国民投票を想定しておらず、西岡氏の提案が実現する可能性は低い。


◆コメント:バカである理由(その1)

民主党の西岡武夫参院議運委員長は、バカに相違ない。

その理由の一番目。「臓器移植法」うんぬん以前の問題。

日本は代議制民主主義の国で、主権者たる国民が正当な手続きを経て選んだ国会議員が、国民の声を反映させて

(建て前ではね。)、法案を審議して法律を作るのである。毎日新聞が書いているとおり、国民の直接投票が要求されるのは、

憲法を改正するときだけだ。イロハのイ。そんなことも分からないから、バカに相違ない、と言うのである。


◆バカである理由(その2)「脳死を人の死とすることに国民的コンセンサス(合意)がどの程度あるのか、って、ないよ。そんなもの。

そもそも、脳死とは何かを国会も審議の際に国民に分かり易く説明するべきだし、

国会が説明しないならば、メディアが説明するべきだし、

誰も説明しないのなら、これだけネットが普及しているのだから、「脳死とは」で検索すれば直ぐ分かるのだが、

誰も、自分の身内が「脳死」になって臓器提供することになる状況など想像したくないから、調べない。

脳死とは何か、が分かっていないのに、コンセンサスもへったくれもない。

「脳死とは」で検索するか、「脳死と植物状態の違い」で検索すれば大抵のひとは理解出来ると思う。

プロ(医療従事者)がどこかのブログできちんと説明してくれているのかも知れないが、見当たらないので、

素人の私が、理解出来る範囲内でごく大雑把に「脳死」と「植物状態」の違いは何か説明すると、こうなる。

両方とも意識が無い点は共通しているが、

【脳死】
呼吸を司る脳幹までが機能しなくなっており、自発呼吸が出来ない。脳に10分間酸素が供給されなければ、心拍も停止する。

このため、人工呼吸装置を付けっぱなしにして漸く「心臓が動いている」状態である。

【植物状態】

大脳の機能の一部又は全部は失われているが、脳幹の機能は残っていて、自発呼吸が可能である。

専門家が読んだら、まだまだ説明不十分だろうが、素人にゴチャゴチャ説明すると余計分からなくなる。

ネットで一番簡単に説明してあるのは、財)富山県腎臓バンク 脳死と植物状態の違いだ。

臓器移植法改正案が衆議院で可決されたのが6月18日で、翌日の全国紙の社説はこぞってこの話題を取りあげたが、

いずれも読者が「脳死とは何か」を理解していることを前提として書かれていて、

こんな状態で国民的合意が必要だ、などと書いている新聞もあったが、むちゃいうな。

どうして、これぐらいのこと(脳死とは何か)を解説しないの?

国会議員もメディアも解説しないし、国民は自分で調べないからいつまで経っても議論が進まないのでしょ?


勿論、私以上の年代の人ならば、日本で「臓器移植」が何十年もタブーになったのは、1968年に札幌医大で起きた、

和田心臓移植事件が大きな原因となっていることは知っている。

しかし、だからといって、「脳死は人の死か」を説明するのは別の話でしょう。

それが分からなければ、全然議論にも何にもなるわけがない。


◆改正臓器移植法案は何が「改正」されたのか。

「改正」というぐらいだから、臓器移植法は以前から存在している。以下、アンチョコ丸写し。

臓器移植法
脳死と判定された人から心臓、肝臓などを摘出し移植することを認めた法律で、1997年施行。

臓器提供する場合に限り脳死を「人の死」とし、提供には本人の書面による意思表示と家族同意が必要。

意思表示ができるのは、指針で15歳以上と定めている。

99年2~3月に同法に基づく初の脳死移植があり、2009年5月末までに81例。施行後3年をめどに見直すとされていた。

国会には、年齢に関係なく本人が拒否していなければ家族同意で提供できるA案

提供者の年齢を12歳以上に下げるB案、

脳死の定義を厳格化するC案、

家族の同意などを条件に15歳未満の提供を可能にするD案の改正4案が提出された。

6月18日、衆議院は、水色で強調した、A案が可決したのである。

しかし、法案は参議院でも可決されなければ成立しない。野党は対案を出すというのだが、

A案のどこがそれほど問題なのか、よく分からない。

特に、大人の場合と15歳未満では「脳死」の定義(というか、具体的な状態)が異なるのであろうか。

それもよく分からない。

繰り返すが、その辺を、国会で議論する時に国民に分かるようにパネルでも使って説明する、とか、政治家が説明しないなら、

メディアがきちんと専門家から説明を聞いて、理解して、草稿を書いて、それをもう一度専門家にチェックしてもらって、

間違いがなかったら、紙面に載せて、あるいは電波に乗せて、私たちに説明して下さいよ。

それをキチンとしないから、お医者様たち(の中でも性格の悪い人)から見れば「頭の悪い一般人」である我々はいつまでも

問題の本質が、本当に分かった気にならないのですよ。

本当は人から聞いたことは直ぐにわすれるから、国民が自分で勉強するのが一番大事なんだけどね。

国会もメディアも、あまりにも説明不十分だと思います。

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2009.06.12

「WHO、世界大流行を宣言へ=新型インフル警戒水準、最高の「6」に」←パンデミック・アラート・フェーズは地理的な基準ですから。

◆WHO、世界大流行を宣言へ=新型インフル警戒水準、最高の「6」に(6月12日0時29分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)は11日、メキシコ、米国をはじめ北半球を中心に続いてきた新型インフルエンザの人から人への感染拡大が、

オーストラリアなど南半球でも確認されたとして、警戒レベルを最高水準の「フェーズ6」に引き上げ、

世界的な大流行(パンデミック)の発生を宣言することを決めた。WHO当局者が明らかにした。

WHOはこの日、各国の専門家で構成する緊急委員会を開催。同委での討議結果を踏まえてマーガレット・チャン事務局長が

同日午後6時(日本時間12日午前1時)から記者会見し、宣言に踏み切る見通しだ。

これに先立ち、スウェーデンのラーション保健相は11日、フェーズ6への引き上げを前提に記者会見し、

「WHOは国境封鎖や旅行自粛の必要はないと言っている」と述べ、平静を保つよう呼び掛けた。

WHOは公式発表を前に、各国政府に対し警戒レベル引き上げを通知した。


◆コメント:「世界的大流行」というと、恐ろしげですが・・・。

確かに、日本国内でも毎日感染者数は増えていて、11日正午の時点では累計532人でした。

しかし、これは一つには、日本人はこういう時になると、妙に几帳面になり、患者数を正確に把握しようとする。

世界的に見て、こういう几帳面さにおいて日本人は群を抜いている。

実際は他国でももっと感染者がいても把握できていない可能性があります。

それはさておき、パンデミック・アラートは6段階で、今回最も高いフェーズ6に引き上げるので、

何となく緊張感が走りますが、WHOのパンデミック・アラートは感染の地理的な広がりを基準に決定されるわけです。

この表のとおりです(大分前に保存したので現状「フェーズ4」となっていますが、実際は、現在.(11日)は「フェーズ5」です)。

Pandemicalert
WHOは世界を大きく6つの地域(管轄区域)に分けてそれぞれに地域支部を置いているわけです。

Who_regions
現在のフェーズ5は、表で説明されているとおり、この6つの地域の中の1つの管轄区域における2カ国以上で感染が広がっている。

当然です。北米から、中米、南米まで全部で「1つの管轄区域」なんですから、メキシコとアメリカ、カナダ。

これだけでも3カ国で感染者が増えているのですから。

そして今回何故レベルを引き上げるかというと、

WHOが日本時間の今朝発表した、世界の感染地域と感染者数を見ると

H1n1map20090610

アジア、西太平洋地域でも感染が広がっている。

「フェーズ6」の定義、

フェーズ5の状況に加えて別のWHO管轄区域でも1以上の国で地域単位の流行が起きている。

に鑑み、当然なのです。


◆結論

世界的大流行というと恐ろしげですが、要するにアメリカ地域だけではなく、アジア・西太平洋地域でも、

感染者が増えている、という事実と、フェーズ定義に鑑み「フェーズ6」になるのは当たり前です。

マスコミの悪い癖で不必要に不安を煽る。

勿論、今回の新型インフルエンザの致死率は0.4%ですけれど、感染者の絶対数が増えれば当然、

死者も増えるので、油断してはいけないのですが、

急に、H1N1型ウイルスが変異を起こして強毒性になったわけではありません

(今後、そう言うことが起きる「可能性」は確かにありますが、少なくとも今は弱毒性です)。

忘れかけていたけど急に「世界的大流行」と新聞がかき立てるからといって、

つられてパニック状態にならないようにするべきです。

何しろ素人の個人や企業がマスク・消毒液を大量に注文するので、

本来それらを一番必要とする医療従事者が入手困難なのだそうです

(これは、流石に素人は注文しないと思うけど、検査キットの製造も追いつかないようです)。

マスクも消毒薬も、検査キットも無くて、どうやって診療すればいいのだ、と、非常に憤慨している

お医者さんもいます。

ここのところ、暫く落ちついていましたが、「フェーズ6」で、また、急に怖くなって、

パニック的な行動を起こさない方が良いですね。

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2009.06.04

「<タミフル>異常行動との因果関係不明 厚労省研究班」←4月18日の「最終報告書」は「タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」

◆記事:<タミフル>異常行動との因果関係不明 厚労省研究班(6月3日20時54分配信 毎日新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会(鴨下重彦座長)は3日、

服用と異常行動との因果関係を示唆する調査結果は得られなかった、との結論をまとめた。

近く調査会に報告されるが因果関係の有無は不明だった。

厚労省は異常行動の目立った10代に処方を控えるよう医療機関に通知したが、

方針変更の根拠は得られなかったとして、その措置は継続する方針を明らかにした。

作業部会では、06~07年の流行期にインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人を対象に調べた厚労省研究班の最終報告書が示された。

それによると、約1万人のうち、異常行動を起こしたのは12%で、飛び降りなど重度の異常行動を起こしたのは0.4%だった。

異常行動を起こした患者のうち、タミフルを服用していた場合の発生率は、非服用に比べ0.6倍と低かった。

重度の異常行動を起こした10代に限定すると、服用した方が1.5倍だったが、報告書は対象者が11人と少なく、

「統計的に差はない」と結論づけた。

厚労省によると、販売開始(01年2月)から今年3月末までにタミフルの副作用で異常行動を起こしたと報告されたのは353人。

また、服用者が増加傾向にあるリレンザ(一般名ザナミビル)では167人だった。

タミフルをめぐっては、10代の患者がベランダなどから飛び降り転落死する事故が相次ぎ、

07年3月、厚労省は10代への処方を原則中止する通知を出した。


◆タミフルと異常行動との因果関係に関する研究・報告の「歴史」。

驚きましたね。厚労省は4月18日にこの件に関して、

「因果関係は否定できない」

という最終報告書を発表しているのです。

「最終報告書」から1ヶ月半で、別の結論を発表している。

一体どうなっているのでしょう?



今まで、私の手元で確認出来る、このテーマに関する研究・発表の「歴史」をお見せしましょう。時系列で(古いものから)。
◆資料1:タミフル、異常行動との関連みられず…動物実験で中間発表(2007年10月24日21時31分 読売新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」と、服用した患者が起こす異常行動などとの因果関係について検討している厚生労働省の作業部会は24日、

輸入・発売元の中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表した。

心不全などによる突然死についても「関係している可能性は低い」とする見解を示した。

脳に運ぶ物質を選別している「血液脳関門」と呼ばれる部分が未熟な若いラットを使った実験などは、結果がまだ出ていないため、

こうしたデータが出そろった後で、年内にも結論を下したいとしている。

同部会では、血液脳関門に、タミフルの薬効成分を通さないようにする仕組みがあることや、

通常の150倍の濃度の薬効成分を使っても、脳内たんぱく質に異常が見られなかったことが報告された。

また、米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された。

その2ヶ月後、同じ結論です。
◆資料2:タミフル:異常行動との関係、認められず--調査結果 (2007.12.17 毎日新聞 東京朝刊)

インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会は16日、

昨シーズンに発生した30歳以下のインフルエンザ患者の異常行動との因果関係は認められなかったとする調査結果をまとめた。

昨シーズン(昨冬から今春)にインフルエンザにかかり、飛び降りなど重度の異常行動を起こしたと医療機関から報告があった患者のうち、

30歳以下の137件について分析。このうち、タミフルの服用率は82例で6割だった。

また、10代の服用を原則中止した3月20日を境に、シーズン中の10代の異常行動に関する報告件数を比べた。

20日以前はタミフル服用「なし」が11件、「あり」40件に対し、21日以降は「なし」が16件、「あり」が2件だった。

21日以降の服用「あり」の報告数減少は、処方が制限された影響で、服用してもしなくても、異常行動は起こっていた。

ところが、今年(2009年)4月18日の発表は、ガラリと異なる様相を呈するのです。
資料3:タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」…厚労省研究班(4月19日3時6分配信 読売新聞)

インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、

飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1・54倍高いという分析結果が18日、

厚生労働省研究班(班長=広田良夫・大阪市大教授)の最終報告書で明らかになった。

「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘しており、

現在は原則中止している10歳代への使用再開は難しくなってきた。

最終報告書は近く、厚労省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会に報告される。

別の検証作業では、「関連は見つからなかった」とする結論が出されており、

同調査会では10歳代への使用をいつ再開するかが最大の焦点だった。


◆コメント:最終報告書の後に更に反対の発表が為される不思議。

厚労省というのは、訳の分からない役所ですなあ。

資料3の「最終報告書」が発表されたのが、今年の4月18日。

インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、異常行動をとるリスクが1・54倍高い

という結論でした。それからわずか一ヶ月半。今日発表された調査結果は、「18歳未満の患者約1万人を対象に調べた厚労省研究班の最終報告書

だそうですが、最終報告書ってのは、何度も出るものらしいですね。厚労省では。

それは、さておき今日の「最終報告書」の結論は、
服用と異常行動との因果関係を示唆する調査結果は得られなかった。

というもので、4月18日の最終報告書と一致しません。

要するに、
タミフルと異常行動の因果関係の有無はいまだに分からない。

と言っているのです。わからないなら、簡単に「最終報告書」というタイトルを付けない方がいいのではないでしょうか。

多分、また暫くすると、「新しい最終報告書」が発表されるのでしょう。

厚労省のお役人さんは「最終」という日本語の意味が分からないようですから。


◆仮に、タミフル服用と異常行動の全てに因果関係があったとしても、確率は大変低いです。

「タミフルと異常行動」に関して、私は過去に何度も記事を書きました。前回、4月18日の「最終報告書」の翌日に書いた、

「タミフルと異常行動『因果関係否定できぬ』…厚労省研究班」←過去に「タミフル、異常行動との関連みられず」と発表しましたよね?ココログ)をお読みいただきたいのですが、

仮に、過去の全ての異常行動とタミフル服用に因果関係があったとしても、異常行動が起きる確率は、100万分の7です。

今回大騒ぎになった、豚インフル由来の新型インフルエンザは、御存知の通り弱毒性ですが、それでも致死率は0.4パーセント。1,000分の4です。

普通の季節性H1N1型の致死率は0.1パーセント以下とされていますが、0.1パーセントは1,000分の1です。


つーまーり。タミフルの副作用で異常行動が起きるとしても、その確率は100万分の7。しかも異常行動=死とは限らない。

マスコミが、異常行動の結果、ベランダから飛び降りたという極端なケースを強調するから、皆怖がりますが、

それは、あくまでも極めて特異なケースです。異常行動をおこしても、死ぬことは稀です。

一方、副作用を恐れるあまり、抗ウイルス薬、タミフルやリレンザを飲まないで放っておいたら、インフルエンザそのもので死ぬ確率が、

もっともありふれた、季節性インフルエンザ(毎年流行るインフルエンザ)ですら、1,000分の1。異常行動が起きる確率の142倍です。

ごく普通の知能で考えても、どちらを恐れるべきか、何を選択すべきか明らかだと思います。


◆タミフルと同じぐらい効果があるリレンザですが、服用方法が特殊なので、予め製薬会社のサイトのビデオ説明を見ると良いです。

私事で恐縮ながら、新型インフルエンザ騒ぎが起きる少し前、愚息が季節性インフルエンザを発症しました。

近くの内科を受診したところ、5日分のリレンザを処方されました。この薬は大変良く効きました。劇的といっていいぐらいでした。

但し、服用方法が普通の薬と違うのです。錠剤を専用の吸入器で粉にして、吸い込むのです。

初めてだと少し戸惑います。将来、もしインフルエンザを発症し、自分や家族がこの薬を服用することになったときのために、

リレンザの販売元、グラクソのサイトにあるリレンザのページで動画で使い方を説明しているので、

一度見ておくと良いと思います。少なくともブックマークしておくことをお薦めします。

それでは。

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2009.05.28

「自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁」←毎月自殺者数を一般に公表するのは如何なものか。

◆記事:自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁(5月27日19時8分配信 時事通信)

4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えたことが27日、警察庁のまとめ(速報値)で分かった。

1カ月に3000人以上自殺したのは、昨年は10月だけだったが、今年は早くも上回った。

1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。

同年12月の約81人から5カ月連続で増えており、歯止めが掛かっていない。

1~4月の累計は1万1236人。11年連続で3万人を超えた昨年同期より493人(4.6%)増えており、今年も3万人を上回る勢いだ。

4月の自殺者のうち男性は昨年同期比6.5%増の2156人、女性は4.9%増の871人。


◆コメント:警察庁が毎月自殺者数を発表することを決めた際、私は反対意見を書きました。

警察庁が毎月の自殺者数を公表する、と決定したのは今年の2月で、私はそれに対して反対である、という記事を書いた。

2009年02月17日(火) 「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。ココログ

これを読んで頂くと分かるが、警察庁が毎月、前月の自殺者数を一般に公表することを決定したのは、自殺抑止効果を期待した為である。

まだ、3月分、4月分と二回しか、月例発表は行っていないから、はっきりとした傾向や因果関係は不明だが、

とにかく、発表を始めてから、2ヶ月連続で自殺者数は月間3,000人を超えたのである。


◆「WHO による自殺予防の手引き」の「マスメディアのための手引き」には「してはならないこと」として「自殺方法を詳しく報道する」ことが挙げられている。

前回の記事を書いた後、記事を読んだ方からトラックバックを頂いたが、

その方の記事、自殺者数を頻繁に公表することの危険性を読み、大変貴重な資料の存在を知った。

政府の自殺対策サイトに掲載されている、WHO による自殺予防の手引きである。




少し話がそれる。私は以前から、昨年ならば硫化水素自殺、それ以前には中学生のイジメを苦にした自殺、

2002年~2003年にかけて多発した、「ネットで知り合った者同士が、クルマの中で練炭を焚いて一酸化炭素中毒で自殺などは、

マスメディアが、自殺方法を具体的に報じたことが、元々希死念慮(自殺願望)を持っていた人が、行動を起こすトリガーになったのではないか、

ということを何度も書いた。


2003年05月24日(土) 「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。(この当時はエンピツのみ。)

2006年11月15日(水) 「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。ココログ

2006年12月25日(月) 「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。ココログ

2008年05月11日(日) 「<硫化水素自殺>ホテル客が浴室で 従業員も病院搬送 東京」←手段だけが騒がれ、自殺の動機を誰も問題視しない。ココログ

2009年01月19日(月) 「ネットいじめ中3女子自殺か、遺書に同級生の名挙げ『復讐』」←報道による連鎖の怖れ。ココログ


私は、恥ずかしながら「WHO による自殺予防の手引き」の存在を2月に記事を書いてTBを頂くまで知らなかったが、

この文書には【マスメディアのための手引き】という項目があり、「マスメディアがしてはならないこと」として、

真っ先に挙げているのは、

特に有名人が自殺した場合には、自殺を過度にセンセーショナルに報道すべきではない。

自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。

である。

何年も前から私が主張していたことが、正にWHOの指針と一致している。こんな事は自慢するようなことでない。それぐらいは承知している。

ただ、市井の一般人に過ぎない私が何度書いても信頼性に欠けるが、WHOも同じ事を書いている事実をご紹介したかったのである。


◆警察庁が発表しているのは「自殺者数」であって「自殺方法」については書かれていないが、やはり危険だと思う。

警察庁の月例発表は、自殺者「数」であり、自殺手段に関して記述はない。しかし、私はそれでも危険だと思う。

自殺者数の公表は4月27日に1回目が行われ、今日(5月27日)、2回目の発表があっただけだから、

まだ、何ともいえないが、発表だけならまだしも、それを取りあげるマスコミ(転載したのは時事通信社の記事だが)の

スタンスがどうしても、センセーショナリズムに偏る。それが危険なのだ。具体的には、

4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えた

とか、
1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。

という書き方である。

私は遷延性うつ病患者だから分かるが、うつ病患者は症状の重い軽い、急性期か回復期か、慢性化したものか、

いずれにしても、程度の差こそあれ、心の何処かに「希死念慮」(自殺願望)がある。

私のように長期化するとそれは多分無意識下に抑圧されているが、決して消えてはいない。


自殺者が2ヶ月連続で月間3,000人を超え、それは即ち単純に日割り計算すると1日あたり100人を超えたとうことだ

という事実は、健康な人が読めば、「ふーん」で終わりであろうが、多少なりとも希死念慮を持つ者に対しては

危険な情報になりうる。それだけ自殺者が増えているということは、自殺が決して珍しい行為ではないことを示唆し、

自殺に対する、恐怖感・罪悪感を希薄にする。背景に自殺者が増加しているという状況があると、ふとしたことがきっかけで、

抑圧されていた希死念慮が、一挙に意識に戻り、実際の行動として、新たな自殺者を生ぜしめる遠因に成り得る。


これは、完全に私の憶測だが、大新聞もNHKも民放テレビ局の社会部記者、デスクは、WHO による自殺予防の手引き

知らないに違いない。知っていれば、硫化水素自殺の詳細をあれほどしつこく報道しなかったであろう。

素人の私ですら知っている(教えて頂いたのだが)。

マスコミ各社は、プロのくせに勉強不足である。

同時に警察庁には、自殺者数の毎月公表は今のところ、自殺抑止力として作用していないことを指摘し、再検討を促したい。

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2009.05.26

医薬品ネット販売規制取り消し求め行政訴訟←パブリックコメント8割は「規制反対」だが、押し切った厚労省

記事1:「ドラッグストアは安全なのか」 医薬品ネット販売規制取り消し求め行政訴訟(5月25日16時12分配信 ITmediaニュース)

医薬品のネット販売規制には明確な理由がなく、営業権の自由を保障した憲法に違反するとして、

ネットで医薬品を販売するケンコーコムとウェルネットは5月25日、ネット販売などを規制する

厚生労働省令の取り消しなどを求める行政訴訟を東京地裁に起こした。

厚労省はネット販売規制を見直さず、離島などを対象に2年間の経過措置を盛り込んだ上で省令を交付する方針だ。

会見したケンコーコムの後藤玄利社長は「ネット販売にこだわるのは、ドラッグストアなどの販売方法が

とうてい安全とは言えないと感じているからだ。客が自分で薬をレジに運び、バイト店員が売るドラッグストアは『対面販売』と言えるのか。」と批判。

コンビニエンスストアが薬剤師不在でも医薬品販売ができるのに対し、ネットでは薬剤師がいても販売できないのは不公平であり、

「省令が安全を基準としたものではないことを露呈している」などとして、販売継続を法廷で訴えていく。


◆記事2:「このままではPSE法の二の舞」 医薬品ネット販売継続求め国会議員と有識者らアピール(5月22日11時45分配信 ITmediaニュース)

「医薬品ネット販売規制は過剰。通販継続に向け、国会で改めて議論を」――6月1日施行予定の改正薬事法に伴う省令で、

一般用医薬品(大衆薬)の通信販売が規制される問題で、与野党の若手議員と浅野史郎・元宮城県知事など有識者、消費者が5月21日、

衆院議員会館に集まりネット販売継続を強く訴え、国の姿勢を批判した。

厚生労働省は「対面販売でなければ安全性が確保できない」として、ネットや電話などによる大衆薬の通信販売を省令で規制する。

ネット業界や消費者などからの反発を受けて検討会を開いたが、議論はまとまっていない。

厚労省は経過措置として、離島の居住者などに限って2年間、通販の利用を認めるよう提案しているが、

このままでは大半の人がネットで大衆薬を購入できなくなる。

「この省令には与党でも疑義を持っている」――呼び掛け人・自民党の世耕弘成・参院議員はこう口火を切った。

省令施行まで時間がないが、まずは現行のままネット通販が継続できるよう訴えながら、国会で議論の俎上(そじょう)に載せたい考えだ。

ただ与野党とも、「党内に業界の権益を守ろうとする人やネットに偏見を持つ人がかなりいる」(民主党の田村謙治・衆院議員)ことや、

衆院選挙前というタイミングもあって党として一枚岩にはなれず、超党派で活動することを決めたという。

呼び掛けに応じて集まった議員は、2人のほか、自民党から山内康一・衆院議員、

民主党から鈴木寛・参院議員、市村浩一郎・衆院議員、鷲尾英一郎・衆院議員の計6人。

「国会などで、きちんと議論する期間を設けるべき。このまま突然ネットで買えなくなれば、

PSE法(電気用品安全法)の二の舞になる」と市村議員は懸念。鈴木議員は「役人の暴走を止めたい」と話す。

●「国内の通販で買えないなら、海外サイトで個人輸入する」 障害者の声

ネット通販は外出しなくても薬が購入できるため、四肢や視覚などに障害を持つ人には特に便利だ。

新型インフルエンザの流行で外出を控えている消費者も通販なら安心して利用できる。

薬品パッケージだけでは分かりにくい副作用もチェック可能だ。

足に障害があり、歩行ができないという岡野圭さんは「規制は障害者の生活クオリティを下げる」と訴える。

「わたしが店舗に薬を買いに行こうとすれば、車に乗って駐車場のあるドラッグストアに行き、

障害者用駐車場が空くまで待ち、車いすで店に入り、と1日仕事になる。ネットの薬局ならその苦労なく購入でき、

効能や副作用も自分で確かめられる」。岡野さんは、国内でネット通販が禁止されれば海外のECサイトで個人輸入すると話した。

視覚障害者の志摩撤郎さんも、「薬局でものを買うのは困難だし、誰かに購入をサポートしてもらうとプライバシーが失われる。

ネットとPCを使えば自力で情報を得られ、失った機能を取り戻せる。ネット通販の禁止は障害者の尊厳を踏みにじっている」と訴える。

●新型インフル流行でネット通販が本領発揮

厚労省検討会のメンバーで、オブザーバーとして参加した楽天の三木谷浩史社長によると、

新型インフルエンザの流行に伴い、楽天市場で神戸地域からの購入が倍増したという。

「新型インフルエンザのような問題が起きた時、薬局に買いに来なさいというのは逆効果ではないか」(三木谷社長)

(中略)

●消費者も反対した「おかしな」省令がなぜ 「与党に見えないプレッシャー」

参加した全員が、「ネット通販にも確かにリスクはあるが、そのリスクは対面販売と大きく変わらず、

利便性の方が大きい。『通販は危険』という厚労省の説明は納得できない」という意見で一致。

反論材料は見当たらず、浅野さんは「どう考えても理屈に合わない」と首をひねる。

それでも強行されつつあるのはなぜか。明らかにおかしなロジックの省令に対して、与党が一枚岩で反対できないのはなぜか。

呼び掛け人の世耕議員が「参加を議員に呼び掛けるのに苦労した。ここに来るには与党的には覚悟がいる」

と話したのはなぜか――浅野さんが世耕議員に詰め寄るひと幕もあった。

世耕議員は「見えないプレッシャーがあった」と話すにとどめ、具体的な説明は避けた。

代わって三木谷社長が「ネット通販禁止は、ネットを知らない人たちが4年前から決めちゃった。

決めた人たちや、決めた時に後ろにいた人たちが対面販売にこだわっている」ことが背景にあると解説。

衆院選が近いという時期の問題もあり、三木谷社長が協力を呼び掛けた議員の中には「選挙が近いから動けない」と断った人もいたという。


◆コメント:厚労省がパブリックコメントを募集したら、8割は「規制反対」だったのです。

この話は、最初は舛添厚労相も疑問を持っていて、審議会でよく話し合うように指示していたが、

いつのまにか、舛添は、インフルエンザ騒ぎに忙しく、或いはそれを隠れ蓑にして、この話に登場しなくなった。

厚労省は、世論の反発が強いので、一応、「公平さ」を装うために、5月12日~18日まで、一般からパブリックコメントを募集した。

9824件の意見が寄せられた。85%が「規制に反対」だったが、結局、厚労省は6月1日からの改正薬事法の施行を決定した。

記事2に書かれているとおり、厚労省がネットによる医薬品の販売を規制する理由は、

対面販売でなければ安全性が確保できない

というものだが、何を今更、と言いたい。

街の薬局、特に最近の大規模ドラッグストアで、私は風邪薬や鎮痛解熱剤、口内炎用のステロイド軟膏、

などを買ったことが何度もある。確かに対面販売だったが、薬の副作用の説明を受けたことはない。

薬にアレルギーがないか?と質問された事もない。他に飲んでいる薬はないかどうか聞かれたこともない。

あなた、市販薬を買ったときに薬剤師からそんな厳密な応対をされたことあります?ないでしょう?

確かに市販薬だって、極端にオーバードースすれば肝障害を起こして死亡するかも知れないが、普通に服用して、

深刻な副作用の心配がないから、処方箋が要らない「市販薬」として売られているのである。

だから、消費者の安全確保の為に対面販売が必要で、インターネットや、電話注文はダメだ、という厚労省の論理は、

如何にも官僚的形式主義だ。


◆ネット販売規制は1類、2類、だけだが、多くのネット・ドラッグショップはサイトを丸ごと閉鎖しようとしている。

改正薬事法では市販薬を危険性の高い方から、1類、2類、3類に区分している、7割方(風邪薬や、胃腸薬、鎮痛剤など)は、

1類か2類で、これらがネット販売禁止となる。

ところが今、インフルエンザが流行っている。手指消毒剤のエタノール(消毒用アルコール)や塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)は

第3類で、引き続きネット販売可能なはずである。しかし、ネット・ドラッグショップを見ると分かるが、多くの店は、3類だけ売っても仕方がない

と考えているようで、店のサイトを丸ごと閉鎖しようとしている。

閉鎖になる前に買っておこうという人が殺到したのだろう。ベンザルコニウムのエタノール溶液(手指消毒剤)の

ラビネットウェルパスはどこでも売り切れだ。

これらは、街の薬屋へ行けば分かるが、殆ど売っていない。

病院を取引先に持つ、消毒液専門の製薬会社にコネでもないと入手出来ない。街で売っていたとしても何しろ液体だから、

まとめて大瓶を買ったら重い。ネットで買うのにぴったりなのだ。

本来6月1日以降も買える、しかも、今のようにインフルエンザが問題となっているときに消毒薬が買えなくなる。

インフル騒ぎが一段落すれば、買えるようになるかもしれないが、一段落してから買えるようになっても、あまり意味が無い。

何故、よりによって今、このような非常事態に、杓子定規に従来の決定通りに改正薬事法を施行するのか。


記事1における、ケンコーコム社長の意見も筋が通っている。今、国はコンビニで薬剤師がいなくても、

市販薬の販売を許可しようとしている。「対面販売」でありさえすれば、コンビニの薬学の知識の無い兄ちゃんが売っても、

ネットで売るよりは安全だというのか?そんな馬鹿なことがあるはずがない。

とにかく厚労省がパブリックコメントを受け付けたのもポーズで、どうやら、記事2の最後のあたりが、

真実の核心を突いているようだ。

世耕議員は「見えないプレッシャーがあった」と話すにとどめ、具体的な説明は避けた。

この国は主権者たる国民のためにではなく、ヤクニンや政治家のセンセーたちが美味しい思いをすることを至上課題として、

運営されているのである。

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2009.05.21

「東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル」←「マスクで万全」じゃないですよ。

記事1:東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル(5月21日0時28分配信 時事通信)

東京都と川崎市は20日、川崎市の同じ高校に通う女子生徒2人が新型インフルエンザに感染したと発表した。

19日にほかの同級生4人とともに米ニューヨークから帰国。

現地で2人は同室に滞在していた。都などは帰国後の接触者調査を進めている。

感染者の確認は首都圏では初めてで、成田空港の検疫を除き、大阪、兵庫、滋賀、東京、神奈川の5都府県に広がった。

東京都は学校や保育所の休校措置は取らず、集会の自粛要請もしない方針。

都や市などによると、感染が確認されたのは八王子市と川崎市に住み、私立洗足学園高校(川崎市高津区)に通う

2年生の女子生徒2人=いずれも(16)=。11日から18日まで、「模擬国連」に出席するため、

ほかの同級生4人とともに、ニューヨークに滞在していた。


◆記事2:八王子の女子生徒の足取り(NHK 05月21日00時27分)

八王子市保健所によりますと、新型インフルエンザの感染が確認された八王子市の女子生徒は、

19日午後2時すぎにアメリカから成田空港に帰国しました。

成田空港からはバスに乗って東京・多摩市の多摩センター駅に行き、そこで京王相模原線に乗って橋本駅に向かったあと、

JRに乗り換えて、夜、八王子市内の自宅に到着したということです。空港を出て帰宅する間、

女子生徒はマスクを着用していて、自宅に戻ったあとは外に出ていないということです。

機内検疫の際には39度あった熱は、帰宅後、いったん37度7分まで下がったということですが、

未明になって熱が40度3分まで上がったため、20日午前10時ごろになって母親が八王子市保健所に連絡しました。

保健所は生徒の自宅に車に迎えに行き、その車で午前11時半ごろ、八王子市内の指定医療機関に到着したということです。


記事3:新型インフル 「季節性と変わらず」厚労相、新たな対策へ(5月18日21時38分配信 毎日新聞)

舛添要一厚生労働相は18日会見し、新型インフルエンザについて

「感染力や病原性などは季節性インフルエンザと変わらないとの評価が可能」と述べ、感染者の入院措置を緩和するなど、

新たな対策に切り替える方針を表明した。「全国でまん延している可能性がある」との認識も示し、

今週内に国の行動計画を第3段階(感染拡大期、まん延期)へ移行する可能性があることも明らかにした。

政府対策本部は、水際阻止以外の国内初感染が確認された16日、市町村単位を原則とする学校の休校要請や、

医療体制の整備促進などの対応策を示した。その後、感染が急拡大し、

兵庫県と大阪府が全域で中高校の1週間休校を決めるなど市民生活への影響が広がるとともに、

患者を入院させる感染症指定医療機関の病床が不足する恐れも出ている。

これを受け舛添氏は「季節性インフルエンザと同様の対応にしないと、都市機能がまひするとの(地元の)意見を踏まえて運用したい」

と述べ、弱毒性であることを考慮した対策への切り替えが必要との認識を示した。


◆記事4:「季節性と同じでない」=成人に重症例、死者も-感染拡大続く・押谷東北大教授(5月20日20時3分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)の新型インフルエンザ対策に携わる押谷仁東北大教授が20日、東京都内で講演し、

「通常の季節性インフルエンザと同様と言われるが、被害は全く違う形で出てくる。

想定される被害にどう対処するか、真剣に考える必要がある」と警告した。

押谷教授によると、ほとんどの感染者は軽症だが、5歳以下と20-50代を中心に重症、死亡例があり、高齢者では少ない。

持病のある人や発症後の治療が手遅れだった人以外に、一部の健康な成人も重症のウイルス性肺炎を起こしており、

「こうなると先進国でも治療が難しい」という。

その頻度が低いため、「100人、200人規模では分からないが、10万、20万になれば見えてくる」と同教授。

季節性インフルエンザによる死者の多くは高齢者か重い疾患のある人で、

「今回のは全く違う。ウイルスが直接死因になっている」とする。

重症者は集中治療室(ICU)での管理が必要だが、

「効率化で削減され、ICUがない地方もある。都会でも不足している」と日本の医療の弱点を挙げ、

被害が拡大する恐れがあるとした。


◆記事5:新型インフル死者数、世界で84人 鳥インフルの年間最多上回る(NIKKEI NET)(15:05)

豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザによる死者数が19日(日本時間20日)にメキシコで4人、

米国で2人増え、世界全体で84人になった。強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1型)の年間死者数は、

世界保健機関(WHO)によると、最も多かった2006年で79人で、新型インフルエンザが上回った。

日本時間20日午後1時時点の世界の感染者数は1万373人(米国は感染の疑いが濃厚な人を含む)となった。

新型インフルエンザで死者が出ている国はメキシコ(74人)、米国(8人)、カナダ(1人)、コスタリカ(1人)の4カ国。

米国では19日、ミズーリ州の40代の男性、アリゾナ州で1人の死亡を連邦・州政府の保健当局が確認した。

メキシコ保健省の同日の発表によると、メキシコの死者の13%が20歳未満の若年層だった。

米保健当局の疾病対策センター(CDC)も「極めて異常なことに20歳以下で入院が必要な人が多い」と指摘、関連性を注視している。


◆コメント:あまり甘く見ない方がいいですね。

舛添厚労相もいい加減だな。WHOが4月17日にパンデミック・アラートをフェーズ3からフェーズ4に

引き上げたときは、早朝から記者会見して、「万全を期す」といっていたのに、記事3の発言は何ですか。

要するに新型インフルエンザの患者数が加速度的に増えて、特に神戸では「感染症指定医療機関」のベッド数が不足しつつある。

だから、新型インフルは大したことない。季節性インフルと同様に扱うことにする、という論理。

なんですか?それは?

記事4と記事5で明らかなとおり、専門家は「決して季節性インフルエンザと同じではない」と述べているし、

なんと弱毒性、弱毒性とすこしみんながたるみ始めたところ、気が付いたら、今回のインフルエンザによる死者数は、

84人で、強毒性の鳥インフルの死者が最多だった2006年の79人を既に上回っている。

健康な人でも死亡例がある、という。

政治家と役人がすこし、ナメていたら、今夜いきなり、記事1のとおり、東京と川崎の女子高生に

確定感染が出た。二人とも同じ川崎の高校に通っているという。

多分、明日(既に日付が変わっているから、今日、21日)以降、同じ学校で新たな感染者が確認され、

その家族、その家族の勤め先、という具合に2次感染が始まっていて、まだ症状が出ていないだけで、

首都圏の感染者は、既に100人単位、1,000人単位で有っても不思議はない。

一旦、東京で感染が拡大したら、何しろ人口密度がすごいから、その速さは近畿地区を越えるだろう。

新型インフルエンザウイルスに対しては、誰も免疫を持っていない。ワクチンの量産体制は7月まで出来ない、という話がある。

◆新型ワクチン量産、7月半ば以降=製薬各社に途上国支援訴え-WHO(5月19日19時21分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)は19日、新型インフルエンザワクチンの大量生産の開始時期が7月半ば以降になるとの見通しを明らかにした。

WHOなどは現在、ワクチン開発の準備作業を進めており、当初は月内にワクチン開発に必要な素材を製薬会社に提供する予定だったが、

現時点では6月にずれ込む見込みとなっている。

つまり、予防接種による、感染予防は当分、期待出来ない。

ワクチンが開発された頃には、感染拡大が収まっていた、などという皮肉な結果になりそうだ。

予防する手段は、本当はタミフルやリレンザを飲んでおく、という方法があるのだが、

予防に抗ウイルス薬を景気よく使ってしまうと、季節性インフルが流行する季節に不足する恐れがある。

但し、新型インフルエンザの患者の治療・看護にあたる医療従事者が感染して診療出来なくなったら困るので、

これらの人々には抗ウイルス薬の予防的処方が必要だろう。


◆マスクを着用すれば大丈夫、と言うわけではない。

近畿だけでなく、昨日あたりから東京ではマスクが入手できず、オークションで10倍の値段で売買されているそうだが、

マスクをしていれば安全というわけではない。感染した人がくしゃみをしたときに、

飛沫を飛ばさないようにマスクを着けるのは、理屈が通るが、予防的には、あまり意味がない。

ウイルスの直径は0.1ミクロン(1ミクロン=1,000分の1mm)。医療用のN95マスクですら、捕捉粒子は0.3ミクロン以上。

ウィルスを含む気道からの飛沫物質は0.3ミクロンだから、患者を治療・看護する人が患者の飛沫を吸入しないようにするには有効だが、

飛沫粒子の水分が空気中で蒸発した場合、乾燥して小さくなったウイルスが空気中に浮遊すると、0.1ミクロンだから、

N95マスクですら捕捉できない。

危ないのは、感染した(と認識していない)人がくしゃみをしたら、その粒子が色々な所に付着する。

その場所を手で触って、ウイルスが付着した手を口元に持っていくと感染する、という「飛沫感染」である。

ウイルスそのものを吸い込む事よりも、この経路で感染するから、手を良く洗いなさい、と言うわけである。

また、インフルエンザ・ウイルスは消毒用エタノールで非活性化できるから、手指消毒用エタノールスプレーを

携行した方が現実的である。エタノールが無くても正しく手を洗えば、かなり飛沫感染を防ぐことができる。

正しい手の洗い方は、厚労省がYouTubeにチャンネルを持っていて、

私たちにもできる新型インフルエンザの身近な予防策(←クリックすると動画再生が始まる)

で、説明している。


◆感染しても罪悪感を持たないこと、持たせないこと。

最初、寝屋川市の高校生がカナダで感染して帰国したとき、学校や市役所にすごい数の嫌がらせがあった、

という話はちょうど10日前に、

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?ココログ)で書いた。

新型インフルエンザの患者は、改めて書くまでもなく、「病人」であり、「罪人」ではない。

これだけ、感染が広まれば、極端に言えば日本人誰もが感染の危険に晒されている。

感染症なのだから、治るまで学校や会社に行ってはいけない。学校や会社は、感染者を差別的に扱うべきではない。

治るまで、気にしないでゆっくり休め、と言うべきである。そうしないと、そこら中感染者だらけになって、

社会全体としての活動が停止してしまう。

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2009.05.17

「国内感染、高校生8人に=神戸2校で、大阪9人濃厚-拡大の恐れ・厚労省」←感染拡大を防ぐために抗ウイルス薬の使用を躊躇うな。

◆記事1:国内感染、高校生8人に=神戸2校で、大阪9人濃厚-拡大の恐れ・厚労省(5月17日0時37分配信 時事通信)

厚生労働省は16日、新型インフルエンザ感染が確認された男子生徒が通う兵庫県立神戸高校を含む

2校の高校生7人の感染を新たに確認したと発表した。国内感染はこれで計8人。

大阪府でも高校生ら9人が感染した可能性が濃厚で、同省は関西地方で人から人にうつる

集団感染が始まったとの見方を強め、感染ルートの解明を急いでいる。


◆コメント:1感染ルートも大事だが、拡大を防ぐこと。

新型インフルエンザの感染者が何故、神戸で突如現れたか?

新型インフルエンザ対策の政府の諮問委員会のメンバーで、防衛医科大学校の川名明彦教授によると、

海外への渡航歴のない高校生が新型インフルエンザに感染していたことについて、

「今回の新型インフルエンザは比較的症状が軽く、一般のインフルエンザと区別がつかないため、

地域である程度感染が広がった段階で見つかることになってしまったのではないか

と言っている。日本に新型インフルエンザウイルスが入り込んだ時期については
患者が今月11日に発症していることから考えると、大型連休が明けたころには患者の周辺で

局地的な流行が始まっていたのかもしれない。今後、詳しい調査が必要だが、

ウイルスはそれ以前に検疫をすり抜けて国内に入っていたと考えられる。

と述べている。今更言っても仕方がないが、ちょうど新型インフルエンザの患者が増え、

WHOがパンデミック・アラートをフェーズ4に引き上げた(現在はフェーズ5)直後から日本のGWが始まった訳で、

偶然だけれども、日本にとっては最悪のタイミングだった。

神戸、大阪で渡航歴の無い高校生が新型ウイルスに感染したということは、

世界中に出かけていった人がウイルスに感染して帰国したのだろう。

そうだとすれば、今後近畿地区だけではなく、日本中に感染者がいる可能性は否定できず、

大規模感染になるだろう。

感染経路を調査するのも重要だが、国内での新型インフルのヒトーヒト感染がほぼ明らかになった以上、

国内での感染拡大を防ぐことを優先するべきである。といっても、今回の新型インフルエンザウイルスのワクチンが

開発され、製造されるまでにはまだ時間がかかる。このウイルスは季節性インフルエンザと同じH1N1型だが、

WHOに言わせると、豚インフルが変異した、新型のH1N1型は従来よりも感染力が強く、

文字通り、「新型」ウイルスで世界の誰も免疫を持っていないだろう、という。

免疫はない。ワクチンもない。感染を予防するには、手洗い、マスクも良いが、

一番まずいのは、新型インフルエンザの治療にあたる医療従事者自身が感染し、隔離されてしまうことである。

これが頻発するようだと、治療する人がいなくなる、という最悪の事態になる。

ワクチンが無い状態でH1N1型(変異型であっても)の感染を予防するためには、

予め抗ウイルス薬を飲んでおくほかに手はない。

安易に使うと抗ウイルス薬に耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあるというが、

医療従事者は、薬を服用するべきである。

なお、タミフルは普通のカプセルで、経口投与だが、リレンザは特別の吸引器を用いて、

錠剤を粉にして吸引するのである。息子が数週間前、季節性インフルエンザに感染・発症し、

内科でリレンザを処方されて、初めて見たが、最初使い方がよく分からない。

この薬を製造・販売しているグラクソが、ウェブサイトで、使用方法をビデオで説明しているので、

自分や周りの人が感染し、リレンザを処方されてからあわてないように、

GlaxoSmithKline くすりの情報 リレンザで予め知っておいた方が良い。


◆記事2:新型インフル 学校や市に中傷殺到 隔離・停留きょう解除

■「帰ってくるな」「謝れ」

新型インフルエンザで、国内初の感染が確認された高校生ら4人に対する「隔離」と、

周囲にいた人たち48人の「停留」措置が、15日夕から次々と解かれる。

これまでの厳しい行動制限がなくなり、日常生活が可能になる。

だが、生徒らの高校がある大阪府寝屋川市などには、誤解にもとづく誹謗(ひぼう)や中傷が殺到。

関係者らは、いわれのない偏見などを危惧(きぐ)している。

隔離の4人と停留の48人のうち32人が、短期留学の関係者。寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、

52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。

「成田から帰ってくるな」「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、

「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせるものや、

生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。

寝屋川市の危機管理担当者は「人権を傷つけるような電話もある」と相次ぐ心ない電話に困惑。

その上で「根拠のない批判に対しては、きっちりと正しい情報を伝えて反論するようにしている」と話している。

インターネットの掲示板でも、書き込みが殺到する“おまつり”状態。その多くが「税金使ってウイルス輸入。何やってんの?」

「他人に迷惑かけてるんだ。たかが風邪ひいた問題じゃない」という心ない表現になっている。


◆コメント2:どうして、病人を誹謗するのか。

記事2に書かれていることは、あまりにもひどい。

政府の対応が、とにかく「水際作戦」で感染者を「隔離」することだけにムキになり、

感染者への配慮が足りなかったことも一因であろう。それについては、

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?ココログ)で書いた。

隔離者は、ただ部屋に閉じこめられ、着替えも暫くは与えられず、テレビを見ているしかなかったという。

ハンセン病患者を隔離した「らい予防法」時代を想起させる。「感染した、汚い奴はとにかく閉じこめろ」

という態度である。リンク先の記事で書いたが、新型インフルエンザに感染した生徒は「犯罪者」ではない。

「病人」である。しかもテレビを見るぐらいしか時間を潰す方法がなかったというから、散々自分たちに関する、

過剰な報道を繰り返し見たことにより、ただでさえ精神的ダメージを受けているに違いない。

寝屋川市や学校に寄せられたいわれなき誹謗・中傷を知ったら、どれほど傷つくか。

寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、

多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。「成田から帰ってくるな」

「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、

「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせるものや、

生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。

「成田から帰ってくるな」インフルエンザウイルスが体内から無くなれば、他人を感染させる危険はない。

「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」大きなお世話である。何処へ行こうが自由だ。

「なぜマスクをしなかったのか」マスクをしていれば、感染しなかった事が証明できるか。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」に至っては、馬鹿過ぎて話にならない。

集団感染が国内で起きた以上、自分も感染し、「隔離」されるかもしれないのだ。

海外へ行ったことが「悪い」のならば、GWに、既に新型インフルエンザ感染者がいることが

判明していた国へわざわざ旅行した、全ての日本人が非難されるべきである。

日本人の悪い癖で、弱者を更に痛めつける。匿名のネットが発達してから余計ひどくなった。

統制されないと、人間のメンタリティとは、この程度のものなのだろうか。

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2009.05.11

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?

記事:<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で(5月10日2時30分配信 毎日新聞)

国内初の新型インフルエンザ感染者が9日、確認された。

感染者に同行した高校生や近くに座っていた乗客ら49人は、10日間の停留措置の対象になる。

成田空港近くのビジネスホテルで、与えられた一室にいることを求められ、行動を厳しく規制される生活。

厚生労働省が対象者に配っているパンフレットは「停留は、あなただけではなく、大切な家族の方、会社の同僚、友人等を守るために行われます」

と協力を呼び掛けるが、史上初めて実施される宿泊施設での停留とは--。



厚労省によると、停留者は原則ホテルなど施設の個室内で生活することになる。

1日1回、医師や看護師が健康状態を確認し、必要に応じてタミフルなど抗インフルエンザ薬を投与する。

1日3回検温するなど健康状態の記録を提出。食事は▽午前7~8時▽正午~午後1時▽午後6~7時と定められ、

原則自分の個室で食べることになっている。

49人のうち感染者と一緒に行動した生徒・教諭は33人。学校関係者や保護者らによると、

生徒らは全員が9階の個室を与えられ、他の部屋やフロアに行かないよう指示されている。

洗濯室などに出かける際は、マスクの着用を義務付けられているという。

生徒と教諭の連絡はホテルの内線電話を使い、生徒同士は携帯電話でやり取りしている。

荷物が既に最終到着地の関西国際空港に送られているため「着替えがほしい」「携帯電話の充電器がない」

という要望があり、荷物だけ成田に送り返すことになった。

生徒からは「テレビを見るしか、やることがない」などの不満も聞かれ、ホテル側はパソコンの貸し出しも検討している。

5月下旬の中間試験への影響を心配する声も多く、学校側は教科別のプリントをホテルに送るなどして対応するという。

勝手に外出することは許されない。パンフレットはこうクギを刺す。

「許可無く施設外に出ようとしたり、スタッフの質問に答えなかった、または、虚偽の返答を行った者は検疫法に基づき処罰されることがありますのでご注意ください」

厚労省によると、滞在費や食費などの生活費は国が負担する。

しかし、仕事を休んだ場合の休業補償など、停留による損失の補償はされないという。

10日の停留期間が満了すると、ようやく解放される。入国手続きを行い、晴れて「帰国」となるという。


◆資料:首相官邸 新型インフルエンザ対策本部長(内閣総理大臣)談話(平成21年5月9日)

(http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/swineflu20090509.pdf)

平成21年5月8日、デトロイトから成田空港に到着した日本人男性3名が新型インフルエンザに感染していることが、本日、確認されました。

本件感染は、我が国で確認されたものですが、空港における検疫の段階で対処したものであり、

新型インフルエンザ対策本部で決定した「基本的対処方針」の「国内で患者が発生した場合」には当たりません。

政府は、引き続き、「基本的対処方針」に基づき、水際対策等に徹底して取り組むとともに、

併せて、国内での患者の発生に備えた準備を進めていく所存です。

国民の皆様にも、引き続き、国や地方自治体が発する情報をよく聞いていただき、

警戒を怠らない一方、冷静な行動をお願いします。


◆コメント:政府は「水際作戦が奏功した」と得意そうだが、患者の事を考えてやれ。

政府(内閣総理大臣)のコメントは、要するに

政府の「新型インフルエンザに対する基本方針」は、国内で新型インフルエンザ患者が発生した場合を想定したもので、

今回はそれに当たらないが、引き続き水際対策を徹底して行いますよ、

というものである。テレビニュースを見ると、内閣総理大臣も厚労相も「水際作戦」で感染者を発見し、隔離したことを

「得意気に」強調しているが、記事に書かれていることが事実とすれば、

新型インフル感染確認された高校生らの扱いは、ちょっとひどくないだろうか?



何だか、治療法が無かった時代に肺結核に感染した人を「座敷牢」に閉じこめたのとあんまり変わらないような印象を受ける。

隔離するのはやむを得ないとしても、インフルエンザに感染した患者は「犯罪者」ではない。病人である。

新型インフルに故意に感染するバカはいない。

実名こそ公表されていないが、テレビは見ることが出来るというから、「日本人初の新型インフル感染患者」

と大きく報じられることにより、心理的なショックを受けていることは容易に想像出来る。

政府は「とにかく隔離した」ことで、それ以上関心が無いようだが、

テレビを見るしか時間を過ごす方法がないようなビジネスホテルの個室に「隔離されている患者」

への配慮が足りないと思う。このような環境で10日間もすごしたら、普通の人間でさえ、精神的に不安定になる

可能性は十分にある。何らかの心理的なサポートが必要である。カウンセラーが個室に入れば感染する可能性がある

ということで、誰も個室に立ち入らないようにしているのだろうが、パソコンを設置して、あれ、なんていうのだっけ?

カメラで互いの顔を映して、画面で相手の顔をみながら会話する奴。あれは可能だろう。

メッセでもいいじゃないか。


カウンセラーを持ち出したのは、大袈裟と思われるかも知れないが、

それぐらいの配慮が出来なければダメだ。

記事によれば、隔離された生徒たちは、荷物は関空に送られてしまったので、着替えも携帯の充電器も無い、という。

「着替えが欲しい」

と言っている生徒がいる、ということは、アメリカで飛行機に乗り込む前に着た下着や服をいまだに身につけているのだろうか?

そうだとしたら、それはひどいでしょう。

荷物を関空から成田に送り返すことになったというが、その荷物にはインフルエンザウイルスが付着しているかも知れない。

中身まで全部消毒してから、本人に返すのだろうか?

とりあえず、新しい下着と、服ぐらい用意してやるとか、

隔離を決めたのは日本政府なのだから、厚労省でも何処でも良いから政府が面倒を見てやれよ。


ホテルがパソコンの貸し出しを考えているそうだが、携帯の充電器ぐらい貸してやるとか、

読みたい本、雑誌、DVDでもないか、訊いてやるとか、

日本政府がそれぐらいの気遣いをしても良いだろう。


繰り返すが、新型インフルに感染したことは、本人の意図せざる結果である。

防疫上の措置はキチンと行わなければならないが、「隔離」されているのは、普通の一般市民、

つまり生身の人間であることを、日本政府は忘れている。

政府の眼中にあるのは「患者」ではなく彼らの体内にある「新型インフルのウイルス」だけなのだろう。

これから、国内で新型インフルエンザ患者が発生し、感染が広がった場合、皆、このような目に遭うのだろうか。

国は、あまりにも気が利かない。詰めが甘い。

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2009.05.10

「抗うつ薬服用で攻撃性増す症状、厚労省が注意改訂へ」←因果関係が明らかでないのなら徒に偏見を助長するな。

記事:抗うつ薬服用で攻撃性増す症状、厚労省が注意改訂へ(5月8日21時42分配信 読売新聞)

抗うつ薬を服用した患者に、他人に突然、暴力をふるうなど攻撃性が増す症状が表れたとの報告が約40件寄せられたため、

厚生労働省は8日、「調査の結果、因果関係が否定できない症例がある」として、使用上の注意を改訂することを決めた。

対象となるのは5製品で、うち4製品はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる。

厚労省などは、SSRIなどの薬を服用し、他人を傷つける行為が実際にあった35件と傷害などにつながる可能性があった4件について調査。

パキシル(SSRI)など3製品を服用した4件について、「他人を傷つける行為との因果関係を否定できない」

と評価したうえで、ほかの2製品も含めた改訂を決めた。

そううつ病のうつ症状やアルコール依存症などがある場合、その多くは薬を処方されたことで、

症状が進んで攻撃性が増し、傷害に結びついた可能性があることが分かった。

新しい使用上の注意では、症状の悪化があった場合には、薬を増やさず、徐々に減らして中止するなどの慎重な処置を行うよう求める。

SSRIは、従来の抗うつ薬よりも副作用が少ないとされ、うつ病治療に広く使われている。

国内でも100万人以上が使用していると推定されている。


◆コメント:向精神薬の概略。抗うつ薬の作用機序。

精神科で処方される薬、精神に影響を与える薬を総称して「向精神薬」という(狭義の「向精神薬)。

向精神薬は、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗躁薬(躁病のくすり)、抗てんかん薬、抗精神病薬(統合失調症の薬)に大別出来る。

うつ病、或いは抑うつ状態が長く続いた場合は、脳内神経伝達物質の一つ、セロトニンのバランスが崩れていると考えられている。

脳には無数の神経細胞があり、神経細胞の中は微弱な電気的信号によって、情報が伝達されるが、

神経細胞同士の間にはシナプスという隙間がある。


ある神経細胞から隣の神経細胞へシナプスという「隙間」を経由して、情報を伝達するのが、

「脳内神経伝達物質」で、専門書を見るとやたらと種類が多いが、うつ病では、この中で特に、

セロトニン、ノルアドレナリン(=ノルエンピネフリン)が関係していると考えられている。

つまりある神経細胞から隣の神経細胞に十分にセロトニンが届かない場合に、抑うつ状態を惹起するのである。

この図がシナプスのモデルで、或る神経細胞の端(A)から放出されたセロトニンは、(B)のセロトニン受容体(レセプター)

にくっつく訳であるが、何らかの原因でこれが上手くいかなくなったときに抑うつ状態、惹いてはうつ病を引き起こす。


Synapse

因みにどうして「シナプス」という「隙間」があるのか、というと、

仮に脳神経全体が隙間がなかったとすると、脳神経全体が、「電気回路」になってしまう。

そして、全てが電気的信号で情報伝達が行われた場合、脳神経細胞の何処が「ショート」した場合、

脳全体が「ショート」してしまい、脳がぶっ壊れてしまうかも知れぬ。

そこでわざと細胞間に「シナプス」という「隙間」を設け、それを防いでいるのではないか、という専門家の推論を読んだ事がある。


さて、それでは、或る神経細胞Aから隣の神経細胞Bにセロトニンがくっつかなかったときどうなるかというと、

暫く隙間にあるが、やがて、セロトニンを放出したAに再び吸収されてしまうのである(再取り込み)。

だから、Aがセロトニンを再び吸収出来なくすれば、Bに吸収されるであろう、という仕組みである。


◆抗うつ薬の変遷

抗うつ薬は古く(1950年代)から存在し、その中でも三環系抗うつ薬が、

長く使われてきた。今も使われている。

三環系抗うつ薬は作用も副作用も精神科医はよく分かっている。

この薬は古いからと言って効かないのではない。但し、シナプスに「余っている」神経伝達物質の中で

セロトニンだけではなく、他の神経伝達物質、特にアセチルコリンという物質の再取り込みもブロックしてしまう。

この為に、抗コリン作用という副作用が強い。

抗コリン作用よる副作用は、リンク先にあるとおり、便秘、口渇、排尿障害、眠気、立ちくらみ、目眩い、かすみ目、吐き気、食欲不振 などである。

これらが全部出ることは無いが、薬と患者には相性があり、同じ三環系の薬を服用しても患者により、全然副作用が出ないこともあるし、

出ることもある。どの患者にどの薬が一番有っているかは、試行錯誤の連続で、決まるまでが結構しんどい。


とにかく、三環系抗うつ薬は、抗コリン作用による副作用が強いのが難点だった。

そこで、神経細胞A側のアセチルコリン再取り込み受容体はブロックせず、セロトニン再取り込み受容体「だけ」を

ブロックすれば、抗コリン作用は無くなるか、少なくとも大幅に減少する筈だ、というので、開発されたのが、

今回問題となっている、SSRI(selective serotonin reuptake inhibitor=選択的セロトニン再取り込み阻害薬)である。

SSRIはアメリカでは大分前から使われていたが、日本で厚労省が使用を認可したのは、

1999年デプロメールとルボックス(一般名:フルボキサミン)である。製薬会社が違うので商品名は違うが同じ薬。

次いで、2000年にパキシル(一般名:パロキセチン)。

2006年7月からジェイゾロフトの使用が認めらた,国内3番目の選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)。


SSRIから更に研究が進展してセロトニンとノルアドレナリン(ノルエピネフリン=norepinephrine)両方の

再取り込み阻害薬、SNRI(serotonin norepinephrine reuptake inhibitor=セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤)、

トレドミン(一般名:ミルナシプラン)も2000年から認可されている。


今回、「攻撃性」「異常行動」との因果関係が疑われているのは、現在日本で認可されている全てのSSRIとSNRIである。


◆どの向精神薬の添付文書にも「重大な副作用」として「精神錯乱」が以前から載っている。

私は、遷延性うつ病患者で、抗うつ薬を飲み始めて10年になる。

SSRIやSNRIも含めて色々試したが、前述の通り薬と患者には相性があり、

私は結局、古くから使われている、「アモキサン」(一般名:アモキサピン)に落ちついた。

詳しく知りたければ、「今日の治療薬」「治療薬マニュアル」を読んでみるといい。

殆ど全ての向精神薬には「重大な副作用」として、

悪性症候群、てんかん発作、痙攣、精神錯乱、幻覚、せん妄、意識障害、アナフィラキシーショック、等

など、恐ろしい言葉が並んでいる。繰り返すが、私は様々な抗うつ薬を飲んで(現在は一種類)10年になるが、この中のいずれの重大な副作用を

経験したことがない。

10年通院しているから、多くのうつ病の患者さんとも知り合いで、パキシルや他のSSRI、SNRIを長く飲み続けている患者さんを知っているが、

記事で報じられているような「攻撃性」「異常行動」を経験した人を見たことも聴いたこともない。


◆結論:安易に偏見・不安を助長する記事を書くな。

記事によれば、厚労省は抗うつ薬と攻撃的行動との因果関係が否定できない症例がある」ので注意を喚起するというが、

因果関係が証明されたわけではない。

精神疾患について、以前に比べたら随分世間の理解が進んだ(逆に生半可に情報が伝わるので単なる怠けなのに、

うつ病だと称する若い人が多くなって問題化しているぐらいだ)けれども、それでも世間の「精神科」や「精神科の患者」に対する偏見は

まだまだ残っている。


仮定上の話として、攻撃的行動が全てパキシルなどが原因によるものだったとしても、

厚労省などには今春までに、攻撃性などの副作用報告が268件あった。うち実際に他傷行為などに至ったのは35件。

だという。今回、注意喚起の対象となる薬を飲んでいる人全体、つまり「分母」は、
00年の発売以後、推定100万人超が使用した。

しか、手がかりがないから、100万人だとしよう。

「攻撃性などの副作用報告268件」の起きる確率は、0.0268%。「他傷行為など36件」の確率は、0.0035%。

と極めて低い。この程度のことで、世間の偏見を徒に助長するような記事を書くべきではない。

これは、昼間、mixi日記に書いて読者の方からご指摘頂いたことだが、世間ばかりではなく、

今回、注意喚起の対象となる薬を飲んでいる患者が、この記事を読み、怖がって自己判断で服薬を中止したら、危険である。

離脱症状が起きる(可能性が極めて高い)。向精神薬に限らず、長期間服用していた薬を止めるときは漸減が原則である。

最後にもう一度書くが、因果関係が明らかになっていないのなら、ミスリーディングな記事を書くべきではない。

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2009.05.06

「発熱患者の診察拒否続出…過剰反応?都に苦情92件」←何やってんの?

記事:発熱患者の診察拒否続出…過剰反応?都に苦情92件(5月5日22時0分配信 読売新聞)

海外渡航歴がなく、新型インフルエンザ感染の可能性の低い発熱患者が、医療機関から診察を拒否されるケースが相次いでいる。

東京都の場合、2日から5日正午までの間に「きちんと対応してくれない」との苦情が92件あった。

「成田空港で働いているだけで発熱相談センターに連絡するよう求められた」

「国内の観光地に出かけ、外国人観光客が多かったと言ったら、診察してもらえなかった」--など。

相談センターから疑いなしとされたのに、拒否されたケースも数件あったという。

 政府の方針では、新型の確認された国からの帰国者が高熱などを発症した場合、自治体の発熱相談センターに電話で相談し、

指定された発熱外来で受診することになっている。

ところが、病院の当直職員らが発熱患者はすべて「相談センター対応」と誤解しているケースが多いとみられ

、都は「診察拒否が広がれば、患者が海外渡航歴などを正しく申告しなくなる恐れがある」と懸念を深めている。

横浜市や大阪市の発熱相談センターにも、苦情や相談がそれぞれ数件ほど寄せられている。

横浜市健康安全課は5日、医師会や病院協会に診察拒否をしないよう文書で要請した。

厚生労働省結核感染症課は「相談センターが『疑いなし』とした患者の診療を拒否するのは問題」としている。


◆コメント:新型インフル、そんなに騒ぐならテレビでも使って周知徹底しろ。行政の責任だ。

全く何事に付け、厚労省の仕事はいい加減である。例を挙げたらキリがないので、具体例は控えるが、

「こういうことをしたら、医療現場が混乱するに決まっているだろう」と素人目にも明らかな決定をしたり、

決定しても周知徹底が不十分であるが故に現場が混乱する。そして、中央の厚労省役人は誰もその混乱に対して責任を取らない。

厚労省に限らず、行政の失敗により何らかの損害、不便、不都合が様々の現場で起きても、

監督官庁にいるはずの「責任者」個人が責任を問われないから、いい加減なことをするのである。


さて、それはさておき、本件について述べるならば、要するに、

「自分が新型インフルエンザに感染しているのではないか?」と思ったとき、どうすれば良いのか

が、日本全体に周知徹底されていないから、こういうことが起きるのである。

内閣総理大臣も厚労相も新型インフルに「万全を期す」としきりに言うが、全然「万全」ではない。


◆厚労省のサイトに載っている「行動指針」。

自分が「新型インフルに感染しているのではないか」と思った時どうすればよいか。

新型インフルをそれほど重大視するなら、厚労省のサイトのトップページに、

一目で分かるように掲げておけばよいと思うのだが、実際に探すと、結構面倒くさい。

厚生労働省のサイト新型インフルエンザ対策関連情報がある。

そのページに、個人でできる対策というリンクがあり、そこを開くと初めて、

個人および一般家庭・コミュニティ・市町村における感染対策に関するガイドライン(PDF:332KB)が現れる。

こんな、分かり難いところに載せるな、と言いたい。気が利かないヤクニンだな。



さて、その「ガイドライン」を読むと、「第1章 はじめに」で「新型インフルエンザの基礎知識」に始まり、

緊急時にどうすればよいかは、全体で16ページのPDFファイルの11ページで、初めて出てくる。

本人、家族等が発症した場合の対応

ア 発生早期の段階

感染した可能性のある者は、極力、他の人に接触しないよう以下の対応を行うことが必要である。

発熱・咳・全身痛などの症状がある場合、事前連絡なく医療機関を受診すると、万が一、新型インフルエンザに感染していた場合、

待合室等で他の疾患の患者に感染させてしまう「二次感染」のおそれがある。

その場合はまず、保健所等に設置される発熱相談センターに電話等で問い合わせをし、その指示に従って指定された医療機関で受診する。

発熱相談センターから指定された医療機関を受診するときは、必ず当該医療機関に電話で事前に連絡し、

受診する時刻及び入口等について問い合わせる。

この連絡を受けて、医療機関は、院内感染を防止するための準備をすることになる。

医療機関を受診するときは、マスクを着用する。マスクがない場合は、咳エチケットを心がけ、

周囲に感染させないように配慮する。また、受診に際しては、公共交通機関の利用を避けて、

できる限り家族の運転する自家用車などを利用する。適切な交通手段がない場合は、発熱相談センターに問い合わせる。

と、なっている。

記事に書かれていることが事実だとすると、全てではないが、患者はここに書かれた「対応」通りに行動しているが、

医療機関側にこの通達がきちんと知らされていない為、
病院の当直職員らが発熱患者はすべて「相談センター対応」と誤解しているケースが多いと見られ

るのだろうが、これも不思議な話で、相談センターというのは保健所に設置された「窓口」に過ぎず、

新型インフルの診断・治療をする「医療機関」でないことは明らかだと思うのだが、

病院の当直職員らは、どうして、発熱患者はすべて「相談センター対応」と考えるのだろうか。

何とも詳しい事情が分からないので評価は不能である。


◆結論

これだけ「新型インフル対策」で大騒ぎするなら、国は、テレビ・新聞・ネット広告等を使って

「新型インフルに感染したと思われる時の対応を一般国民に周知徹底すると同時に医療機関にも漏れなく通達することだ。

多分、医療機関が分かっていないのは、医療機関への連絡を厚労省が自ら行わず、

各地方自治体の衛生管理部門にやらせているからであろう。緊急事態と騒ぐならば、

国の行政府が、直接、責任を持って仕事をしろ、と言いたい。

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2009.05.05

「感染者、全世界で1000人突破=死者は27人-新型インフル宣言1週間」←全世界と言っても地図にすると・・・。

◆記事:感染者、全世界で1000人突破=死者は27人-新型インフル宣言1週間(5月5日0時47分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)が4月27日に新型インフルエンザの発生を宣言してから4日で1週間が経過した。

同宣言を受け、各国は対策に着手したが、感染は欧州やアジアなどにも拡大。4日までの発表などによれば、

死者27人を含め確認感染者は全世界で1000人を超えた。

世界的な大流行(パンデミック)発生を意味する「フェーズ6」に警戒レベルが引き上げられるとの見方も強まっている。

メキシコのコルドバ保健相は同日、同国での死者数が累計で26人となったことを明らかにした。

死者も含め感染者数の合計は前日から137人増えて727人となった。米疾病対策センター(CDC)によると、

米国の感染者は36州計286人で死者は1人。カナダ通信によれば、同国感染者は101人に増えた。

このほか中米エルサルバドルとポルトガルでも初感染が確認され、これで感染者が出た国と地域は21となった。


◆コメント:全世界でというが、感染者の数と分布を地図で見ると・・・。

WHOのパンデミックアラートは何を基準にしていると、インフルエンザの症状は関係なく、

とにかくヒトーヒト感染している地理的な広がりを見せている。

患者数も増えている。国立感染症研究所が4日(月)午前9時に発表した、最近1週間の

各国の患者数の推移である。

20090505021032
確かに確実に感染者は増えていて、今この原稿を書いている時点(2009年05月05日(火)02時19分)で、

ニュースをチェックすると、記事1のとおり感染者は1,000人を超えている。


マスコミは、過剰に扇情的に「世界的流行」を強調したがるが、

WHOがその患者の分布を地図にしたものが↓である。

Tglobalsubnationalmaster20090504


感染者が出た国と地域は21になった。

のは決して「ウソ」ではないが、どうも緊迫感がない。

要するに極端に感染者と死者数が多いのはメキシコだけなのである。

アメリカも感染者は多いが、重症にならない。他国も同様である。


◆WHOによるパンデミックアラートの基準(各フェーズの定義)

現在、フェーズ5だが、その判断基準はどのように定義されているか。

WHO | Current WHO phase of pandemic alertを国立感染症研究所が日本語にしている。


  • フェーズ1:動物の中で循環しているウイルスがヒトにおいて感染を引き起こしたとの報告がない状態

  • フェーズ2:家畜または野生の動物の間で循環している動物のインフルエンザウイルスが、ヒトに感染を引き起こしたことが知られ、潜在的なパンデミックの脅威であると考えられる状態

  • フェーズ3:動物インフルエンザまたはヒト-動物のインフルエンザの再集合ウイルスが、ヒトにおいて散発例を発生させるか小集団集積症例を発生させたが、市中レベルでのアウトブレイクを維持できるだけの十分なヒト-ヒト感染伝播を起こしていない状態

  • フェーズ4:市中レベルでのアウトブレイク”を引き起こすことが可能な動物のウイルスのヒト-ヒト感染伝播またはヒトインフルエンザ-動物インフルエンザの再集合体ウイルスのヒト-ヒト感染伝播が確認されたこと

  • フェーズ5:1つのWHO地域で少なくとも2つの国でウイルスのヒト-ヒト感染拡大があること

  • フェーズ6(パンデミックフェーズ):フェーズ5に定義された基準に加え、WHOの異なる地域において少なくとも他の1つの国で市中レベルでのアウトブレイクがあること

「市中レベル」が分かり難いが、英語だと、community-level(地域レベル)である。

フェーズ4に引き上げられたとき、大騒ぎになったが、要するに限られた地域レベルでヒトーヒト感染が確認された、ということ。

現在の「フェーズ5」は「1つのWHO地域で少なくとも2つの国でウイルスのヒト-ヒト感染拡大がある」状態。

WHO地域(WHO Regions)とは、WHOは世界を6つの地域に分けていて、それぞれに管轄事務所がある。それは、

  • :: Regional Office for Africa

  • :: Regional Office for the Americas

  • :: Regional Office for South-East Asia

  • :: Regional Office for Europe

  • :: Regional Office for the Eastern Mediterranean

  • :: Regional Office for the Western Pacific

で地図で見ると、
Who_regions

となる。

ごらんのとおり、アメリカは南北で一つのWHO地域であり、メキシコとアメリカでヒトーヒト感染が広まったから、

フェーズ5なのである。

フェーズ6は、アメリカ地域以外の少なくとも一カ国で地域的なヒトーヒト感染が急増(Outbreak)していることが

条件だから、時間の問題と思われる。

しかし、これを冷静に見ると、世界的大流行といって、日本でも政府が緊急措置を発動する必要があるか、

やや疑問である。

新型インフルエンザ対策行動計画(改定後)の概要は既に策定されており、

国内で新型インフルエンザ感染者が出たときには、


  • 感染者の感染症指定医療機関等への入院措置

  • 学校の臨時休業、不要不急の集会等の自粛要請

  • 事業者に対する不要不急の業務の縮小要請

が行われることになっているが、元々「新型インフルエンザ対策」は

強毒性の鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヒトーヒト感染する事態を想定したのである。

現在の、変異を起こしていないH1N1型は、Aソ連型と同じであり、日本人の多くは免疫を持っている。

鳥インフルは致死率が約6割で非常に危険だから、分かるが、今回のインフルAに関して、

「新型インフルエンザ対策」を杓子定規に適用すると、社会機能が麻痺し、惹いては、景気後退を

一層加速させる危険がある。

勿論、政府は責任を問われるから大事を取りたくなる気持は分かるが、情勢を客観的に分析し、

柔軟に、臨機応変に対応して頂きたい。

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2009.05.02

「<新型インフル>ウイルス株、10日にCDCから製薬企業に」←到底、感染が広まる速さに追いつきませんね。

記事1:<新型インフル>ウイルス株、10日にCDCから製薬企業に(5月1日15時0分配信 毎日新聞)

豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザの世界的拡大を受け、

ワクチン製造用のウイルス株を培養している米疾病対策センター(CDC)が大手製薬企業に対し、

10日にウイルス株を渡せると連絡していたことが分かった。世界保健機関(WHO)が警戒度を

「世界的大流行(パンデミック)直前」の兆候を示す「5」に引き上げる中、ワクチン開発が本格的に始まることになる。


世界の大手製薬企業で作る国際製薬団体連合会(IFPMA)によると、各社はウイルス株を受け取り次第、

本格的な開発作業に取り組めるよう準備を急いでいる。世界の製薬企業でワクチン生産能力を持つのは20社前後。

うちIFPMAに加盟する16社が、パンデミックワクチン開発でWHOと協力している。

参加企業の生産能力は、世界のワクチン生産の9割以上をカバーするという。

IFPMAは2月発表の調査で、パンデミックワクチンについて

「各社が生産設備をフル稼働させれば、ウイルス株受け取りから12カ月以内に25億人分を生産できる」と予測している。

ただ、クラウセ良子・ワクチン部長によると、実際に開発に着手してみないと分からないことも多く、開発スケジュールは流動的という。


記事2:新型インフルエンザ、感染確認は331人 WHO発表(5月1日20時0分配信 CNN.co.jp)

ジュネーブ(CNN) 世界保健機関(WHO)は5月1日、新型インフルエンザ(H1N1型)感染者数が世界11カ国で331人に達したと発表した。

最多はメキシコの156人で、このうち死者は9人。次いで米国が109人となっている。

このほか、


  • カナダ34人、

  • スペイン13人、

  • 英国8人、

  • ドイツとニュージーランドで各3人、

  • イスラエル2人、

  • オランダとスイスで各1人

となっている。


◆コメント:ワクチン開発されるまでに全世界に広まりそうですね。

豚インフルという表現は、風評被害が出るというので、畜産業界や国連食糧農業機関(FAO)から文句が出て、

WHOはこれから、

「インフルエンザA(H1N1)」

という表現を用いるそうだ、日本のマスコミは「インフルA」などと言っている。

当ブログでも「インフルA」で統一することにする。


さて、記事1を読み、記事2、及び続々と報じられる

世界の「新しい感染疑い」の情報をネットやテレビで見ていると

ワクチンが出来るまでに世界中に広まってしまうであろうことはほぼ明らか。


CDCが大手製薬会社にウイルス株を渡せるようになるまで後9日もかかる。

そして、それからワクチン開発に着手するわけだが、

開発されるまでどれぐらい時間がかかるか、は、やってみなければ、分からない。

IFPMA(国際製薬団体連合会)は2月発表の調査で、パンデミックワクチンについて
「各社が生産設備をフル稼働させれば、ウイルス株受け取りから12カ月以内に25億人分を生産できる」

というが、その頃には、世界中の人が感染し、免疫が出来て、ワクチンが不要になるかもしれない。

インフルAの感染拡大防止にワクチンは間に合わないだろう。


◆日本に関して言えば、タミフル・リレンザの予防的処方を保険適用対象とすれば良いのです。

抗インフルエンザウイルス薬といえば、タミフルリレンザである。

タミフルはスイスの製薬会社ロシュの製品で、日本では中外製薬が扱っている。

リレンザはグラクソ・スミスクラインが製造・販売元である。

この二つはいずれも、インフルAに有効である。

私事で恐縮だが、2週間前の木曜日、4月16日、愚息が高熱(39度台)を発したので早退させる

と学校から連絡があり、帰宅後、直ぐに近所の開業医の診察を受けたら、A型インフル(Aソ連型)と診断され、

リレンザを処方された、朝晩2回、5日間服用したが、効果は劇的で、17日の朝には熱も下がり、食欲も出た。

但し、体内にはまだウイルスがあるから、5日間朝晩服用したのである。


余談になるが、タミフルはカプセルで普通に経口投与だが、リレンザは錠剤を専用の道具を使い、粉末にして、

専用の吸引器で吸い込むのである。最初、使い方が分かり難い。グラクソのサイトに、

GlaxoSmithKline | 一般・患者のみなさま | くすりの情報 | リレンザというページがあり、

使い方をビデオで解説しているので、一度、見ておいた方が良い。



話がそれた。

何を言いたいかというと、タミフルもリレンザも主として発症後の治療に使われるが、

どちらの薬も、予防用として使えるのである。リレンザのサイトに、

予防用に使う時の説明が書いてある。

息子がインフルエンザに罹ったとき、私はこのページを見て、自分も予防用に処方してもらえないか、

息子を診た開業医の先生に相談したが、特別の要件(明日から海外へ出張する予定がある、など)を満たさないと、

予防用には処方出来ず、どうしてもというなら、自費で(全額自己負担で)買うしかない、という。

5日分で1万円以上2万円未満は確実。で、諦めた。

私の世帯は息子以外は家内と私だが、二人とも予防しなければ意味がない。

これが4人家族で1人だけ感染したケースなら、感染者以外の家族3人分に付き2万円、

予防用に6万円が必要となる。高い。

私は、幸い息子から感染しなかったが、それは結果論だ。

感染症の予防には、ワクチンを用いるのが望ましいが、実際問題として、ワクチン開発、製造に1年かかるのでは、

政府の基本対処方針、「水際対策」にならない。手っ取り早い方法として、タミフル、リレンザを予防用に処方する際にも、

保健が適用されるよう、関連法令に暫定的な特例を設ければよいのである。

日本のGWに世界でインフルAがヒト-ヒト感染しているが、海外旅行をキャンセルしない人が多い。

海外旅行中に感染し、連休明けに発症し、国内でも爆発的な感染の広がりが起きても何ら不思議はない。

これに対処するには、前述の措置が最も現実的かつ効果的だ。

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2009.04.29

「<新型インフル>1歳11カ月の幼児死亡 米で初の死者」←1例では、何とも言えない。鳥インフルも引き続き警戒すべし。

◆記事1:<新型インフル>1歳11カ月の幼児死亡 米で初の死者(4月29日19時54分配信 毎日新聞)

米疾病対策センター(CDC)は29日、テキサス州で新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染によって

1歳11カ月の幼児が死亡したことを明らかにした。米国で死者が確認されたのは初めて。またメキシコ以外の国で初の死者となった。

ロイター通信によると、幼児はメキシコ人で治療のため渡米していたという。

米国では他にまだ入院患者がいる一方、ニューヨーク市内で2次、3次感染が起こっている可能性も指摘されている。

CDC当局者は「感染封じ込めは極めて困難。状況がさらに悪化することに備えなければならない」と話した。


記事2:<新型インフル>ウイルスは弱毒性 田代WHO委員(4月29日21時20分配信 毎日新聞)

【ジュネーブ澤田克己】感染が広がる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)への

警戒レベル引き上げを討議した世界保健機関(WHO)緊急委員会委員の田代真人・国立感染症研究所

インフルエンザウイルス研究センター長は28日、記者会見し、今回のウイルスは「弱毒性」との見解を示した。

強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが新型に変異した場合に比べ「それほど大きな被害は出ない」とみられ、

「全く同じ対策を機械的に取るのは妥当でない」と述べた。

田代氏は毒性について「今後、遺伝子の突然変異で病原性を獲得しないという保証はない」としたうえで、

遺伝子解析の「予備的データ」の結果として、現段階で「強い病原性を示唆するような遺伝子はない」と「弱毒性」との認識を示した。

被害については、現在の毒性が変わらなければ、パンデミックを起こしても、

約200万人が死亡した57年の「アジア風邪くらいかもしれない」とした。

数千万人規模の死者が想定される強毒性H5N1型と「全く横並びに判断していいものではない」と話した。

致死率などについては、疫学的調査が終わっていないため「実際の数字は分からない」と説明。

そのうえで、メキシコで感染が疑われる患者が1000人を超える一方、

同国以外は数十人規模であることから「割合からすれば(他の国で多くの)重症者が出なくても当たり前かもしれない」と述べた。

対策についてはH5N1型に比べ「健康被害や社会的影響は大きく異なる。全く同じ対策を機械的に取ることは必ずしも妥当ではない。

フレキシブル(柔軟)に考えていく必要がある」と述べた。

日本の対策については「少しナーバスになり過ぎているところがあるかもしれないが、

後手後手になって大きな被害が出るよりは、やり過ぎの方がいいかもしれない」とした。

また、「風邪というような判断で特別な検査に至らない状況がある」と発見の遅れに憂慮を示した。

また同氏は、新型インフルエンザウイルスは、北米型とユーラシア型の豚インフルエンザウイルスに、

人と鳥のインフルエンザウイルスを加えた4種類の遺伝子が混合したものと説明。

「H5N1型による大流行のリスクが減ったわけではない」と、警戒を怠ることは危険だと警告した。


記事3:インドネシア豚から鳥インフル、体内で変化「新型」の恐れ(4月29日3時5分配信 読売新聞)

インドネシアの豚が高い確率で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を持っていることが、

神戸大感染症センターの調査でわかった。

H5N1型は、アジアを中心に鳥から人への感染例が相次ぎ、250人以上が死亡しているウイルス。

豚の体内で変化し、人から人へ感染する能力を獲得すると、今回の豚インフルエンザを上回る大きな被害を人類に及ぼす危険がある。

同大は、インドネシアの4州で402頭の豚を調査。1割を超える52頭の豚からH5N1型を検出した。

豚は、鳥と人のウイルスにも感染するのが特徴。世界保健機関(WHO)は、

H5N1型が豚の体内で変化するパターンを、人から人へ大流行する新型インフルエンザ出現の有力な筋書きとして警戒している。

実際に、52頭の豚から検出されたH5N1型ウイルスを詳しく調べると、人への感染力を一部獲得したタイプが1株見つかった。

理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センターの永井美之センター長は

「驚くべき結果だ。新型インフルエンザが感染力を獲得する過程を見ているのかもしれない。注視する必要がある」と指摘している。


◆コメント:米国の初の死者、といっても1歳11ヶ月の1例だけでは何とも言えない。

マスコミ関係者にお願いしたいが、もう少し落ちついて。徒に世間の不安を煽らないように

(かといって、過度に楽観的でも困るのだが)。

メキシコ以外で初の死者が出たが、1歳11ヶ月の幼児である。H1N1型ウイルスの免疫を持っていなかっただろうし、

インフルエンザで、幼児が死亡することは、「新型」でなくとも、今までにも起きていることだ。

死んだ子供は可哀想だが、報道機関は、

米国で初の死者

ということだけで、騒ぎすぎである。もうすこし米国内の感染者の経過を観察する必要がある。

例えば、健康な若者の感染者がバタバタ死ぬようなら、H1N1型が変異を起こしているかも知れないので

深刻だが、とにかく、事態の推移を落ちついて見守ることが肝要である。


死者云々とは別に、今回の豚インフルのウイルスは記事2で田代WHO委員が述べているとおり、

日本で毎年流行するAソ連型と同じ、H1N1型であるから、そのまま変異を起こさなければ、

日本人は大抵免疫を持っているのだから、さほど騒ぐことはない。


◆田代委員がいうとおり、H5N1型(強毒性。鳥インフルエンザウイルス)から新型ウイルスが出現する可能性に注意。

前回の記事にも書いたが、重複を厭わず、あえてもう一度書く。

豚インフルは、確かに世界中に広まっていて、WHOは「フェーズ4」を発し、米国で初の死者が出たが、

変異しなければ弱毒性のH1N1型である。

これが流行したからといって、強毒性鳥インフルエンザウイルスH5N1型が消滅したわけではない。

豚インフルと並行して、強毒性H5N1型が新型インフルに変異する可能性が残っている。この方が怖い。

記事3の内容は相当深刻である。インドネシアには「鳥インフルエンザウイルスに感染した豚」が

相当数発見された、というのである。一部のウイルス株は人間に感染する能力を獲得しているという。

メキシコの豚インフルは弱毒性だから、過度に神経質になる必要はないけれども、インドネシアでは、

豚経由で鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性がある。そしてそれがヒトーヒト感染する新型ウイルスに

変異したら、非常に怖い。現在のH5N1型ですら、インドネシアでの致死率は約6割と非常に高い。

さらにこれが変異した場合は、誰も免疫を持っていない強毒性ウイルスだから、

現在の豚インフルのように、世界で感染者が増えてはいるが、死者はメキシコにおいてだけ非常に高く、

(米国の死亡例も1例出たが)その他の国の感染者ではさほど重篤な症状にならない、という、比較的

「のんびりとした」状態とは全く異なる、今度こそ本当の「パンデミック」に発展するだろう。

外務省は、外務省海外安全ホームページで、初めて「感染症危険情報」

を発し、メキシコに関しては、

不要不急の渡航は延期してください

と勧告しているが(渡航情報は法令上の強制力を持たない)、本当は、

インドネシアに関しても同様の「危険情報」を発するべきではないかと思う。

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WHOはパンデミックアラート「フェーズ4」に引き上げたが、想定していた事態と違うので、WHOも各国政府もやや当惑気味。

◆記事1:情報BOX:豚インフルエンザ感染状況(4月28日17時56分配信 ロイター)

各国の政府と企業は、豚インフルエンザの感染拡大を受け、世界的大流行(パンデミック)を防ぐための対応に取り組んでいる。

世界保健機関(WHO)は豚インフルエンザのパンデミック警戒レベルを「フェーズ4」に引き上げた。

以下は、4月28日現在の豚インフルエンザの感染状況
090429flu_2


◆記事2:<新型インフル>政府対策本部が初会合 対処方針を決定(4月28日22時13分配信 毎日新聞)

政府は28日、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒レベルを引き上げたことを受け、

全閣僚参加の「新型インフルエンザ対策本部」(本部長・麻生太郎首相)の初会合を国会内で開いた。

ウイルスの国内侵入を防ぐ「水際対策」の徹底や、ワクチン製造などを柱とした基本的対処方針を決定した。

現状を、政府の行動計画に定める第1段階(海外発生期)と認定した。

首相は会合で「国家の危機管理上、総力を挙げて対策に取り組むことが必要だ。

ウイルスが国内に侵入した場合に備え、医療体制の確保や国民生活の維持のための措置など、国内対策にも遺漏なきように」と指示した。

対処方針

(1)情報収集の徹底と国民への的確な情報提供

(2)在外邦人の支援と水際対策の実施

(3)ウイルス株の早期入手とワクチン製造

(4)国内発生に備えた対策の実施--の4本柱。


◆記事3:現時点では国内で確定診断できず―豚インフルエンザ(4月28日13時28分配信 医療介護CBニュース)

世界的な広がりを見せる豚インフルエンザの検査について、国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は27日、

現段階では国内に豚インフルエンザウイルスがないため、「検査の試薬を作ることはできない」とし、

国内では確定診断ができない状況にあることを明かした。

医療現場では、迅速診断キットと問診によって感染リスクが高いと見込まれた患者がいた場合、「細かい検査が必要」だとした。

岡部センター長は、豚インフルエンザウイルスの検査について、

「元のウイルスがないと、検査の試薬を作ることはできない。わが国ではまだ発生していないので、検査がなかなか難しい」と指摘。

その上で、同研究所のインフルエンザウイルス研究センターがウイルス入手に向けて動いていることを明らかにし、

米国の疾病予防管理センターとやりとりをして、ウイルスの分与を受けられるというところまでは来ている」と発言。

「もし本物が届けば、一部の衛生研究所に分配し、少なくとも少数例の患者の検査はできるようになる」とした。

医療現場での患者のスクリーニングについては、「日本国内で現在流行しているインフルエンザウイルスはB型が中心」

既存の迅速診断キットでは、A型ウイルスの診断はできる」とした上で、

「(迅速診断キットで)A型インフルエンザが出てきて、なおかつ最近海外から帰国したような人であれば、細かい検査が必要になる」と述べた。


記事3:成田着の米国便で機内検疫、係官不足の懸念…新型インフル(4月28日15時11分配信 読売新聞)

新型インフルエンザの発生宣言に伴って、成田空港では28日、近年例を見ない大規模な機内検疫が始まり、

午後1時過ぎに到着した米アトランタ便には、マスクをつけた検疫官7人が乗り込んだ。

機内検疫の対象が国際航空便の主要路線である米国便にまで広がったことについて

「検疫官の数が足りるのか」と不安視する見方も出ている。

政府の行動計画では、新型インフルエンザの発生国から航空機が到着する空港を成田など4空港に集約することになっているため、

職員を全国の検疫所から集めることは織り込み済み。

成田空港には、東京と横浜の各検疫所から計約40人の職員を派遣し、国立国際医療センターからも医師2人を応援に向かわせた。


◆コメント:鳥インフルエンザのヒトーヒト感染を想定していたので、若干、拍子抜け。

WHOのパンデミックアラートのサイトを見ると、確かに

フェーズ4に引き上げられている。従来のフェーズ4は「明らかなヒトーヒト」感染の増加の兆候がある」場合だった。

今回も豚インフルがヒトに感染し、その後「明らかなヒトーヒト感染の増加」が世界各地で見られるのでフェーズ4にしたが、

豚インフルは、特に日本人は殆どが免疫を持っている、季節性インフルエンザH1N1型(ソ連A型)なので、大抵免疫を持っている。

だから、感染した欧米各国やニュージーランドの患者は回復している。

しかも、パンデミックが発生するとしたら、強毒性の鳥インフルエンザウイルスH5N1型が、従来は「トリ→ヒト」感染しかしなかったのに、

変異して、強毒性のまま、ヒトーヒト感染する場合を考えていた。今まで誰もが「フェーズ4」を恐れていたのは、H5NI型を想定していたからである。

ところが、昨日、WHOがフェーズ4に引き上げる決め手となったのは、


  • 「ヒトーヒト」感染が増加しており、

  • 世界各地で感染者が次々に確認されているから。

である。従来のフェーズ4の定義からするとそうせざるを得なかった。

しかし、今ひとつ、緊迫感が無いのは、弱毒性のH1N1型(ソ連A型)だからである。

そして、上の表で一目瞭然だが、感染者が多く、かつ死者が出ているのはメキシコだけである。

この差はどうして生ずるのか。日本経済新聞27日付の科学面に載っていたある専門家は、
メキシコには、Aソ連型への免疫を持たない人がたくさんいるのではないか

と述べている。日本では毎年必ず季節性インフルエンザが流行するが、熱帯などではあまり流行しない国もある。

アフリカのマダガスカルでは季節性インフルエンザが2002年、初めて侵入した際に、多くの人が免疫を持たず、

新型インフルエンザ並の爆発的な感染を起こしたことがある。メキシコは海外と人の往来も多いから、マダガスカルと

同一視は出来ないかも知れないが、免疫が無い人が多い、と考えないと、メキシコばかり感染者・死者が多い理由の説明が付かない。


要するにWHOは「フェーズ4」を発したが、以前から懸念されていた「鳥インフルエンザ由来の新型ウイルスではない」ので、

うろたえないことだ。但し感染症には違いないし、弱毒性豚インフルウイルスが変異を起こし、強毒性ウイルスになることが

絶対に無いとは誰も言えないから、やはり、用心に越したことはない。しかし、政府は迅速に動いているようだが、

どうも、間抜けなところがある。


◆政府の基本方針では「水際対策の徹底」を強調しているが、実は日本ではまだ確定診断出来ない、という事実。

政府は「フェーズ4」と聞いて、早速、麻生首相を本部長とする、全閣僚参加の「新型インフルエンザ対策本部」を

設置した。首相は、「水際対策」を強調し、政府は「新型インフルエンザに対する基本的対処方針」を決定した。

早くも米国便の機内検疫が実施された、という。

一見、迅速な行動で、頼もしげなのだが、国立感染症研究所によると、実は、
日本では

現段階では国内に豚インフルエンザウイルスがないため、「検査の試薬を作ることはできない」

のである。それは尤もな理屈である。印鑑届けが無ければ印鑑照合出来ないようなものだ。

したがって、成田で行っている「検疫」は「既存の迅速診断キット」によるものだろう。

WHOのパンデミックアラートのサイトには、診断基準が載っている。

Case Definitions(症例定義)というところを読むと、一番上に、“confirmed case”(感染確定)についてあるが、

繰り返すが、国立感染症研究所によれば、日本では、まだこれが診断できない。

但し、2番目の“probable case”(推定感染)には、
positive for influenza A, but negative for H1 and H3 by influenza(A型ウイルスは陽性だが、H1及びH3は陰性)

という基準(本当はもう一つ書いてあるが、私には知識がなく、意味が分からない。悪しからず)である。

昨日(28日)韓国で「推定感染」の女性が1人出た、というニュースがあったが、正にこの「A型陽性、H1、H3陰性」だった。

日本で今、可能な「検疫」はこの「推定感染」を発見することだけである。

確定診断の為には、今回の豚インフルのウイルスが入手出来なければ、検査キットが作れないというのに、

記事3では国立感染症研究所のインフルエンザ研究センターが、米国の疾病予防管理センター(CDC)と直接やりとりを

しているそうだが、こんな事は、日本政府が米国政府が頼むことだろう。上から行ってもらった方が早く行く。

公平を期するために正確に時系列を書くと、記事3における、国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長の発言は、

27日に為されたものであり、政府の「基本的対処方針」が決まったのは、翌日(28日)である。

そして、「方針」の中には、
ウイルス株の早期入手とワクチン製造

が含まれているので、希望的に書くならば、既に政府は外交ルートを通じて、米国にウイルスを送ってくれと依頼しているかもしれないが、

この辺りが最近の政府の間抜けぶりから想像して危ないところで、感染症研究所インフルエンザ研究センターに任せきりにしている可能性もある。

どちらを通してでも良いから、一刻も早く確定診断出来るようにならないと、水際対策もへったくれもない。


◆豚インフルが流行し始めたからといって、強毒性の鳥インフルエンザウイルスが消えた訳ではない。

あと一点だけ述べるならば、今回、予想外の豚インフルエンザが世界的に流行する可能性がある、というので、

政府も人々も頭が完全に「豚インフルモード」になっているが、より毒性の強い、鳥インフルエンザウイルス、H5N1型は、

今なお存在しており、24日にはエジプトとベトナムで鳥インフルエンザによる死者が出ている。

そして、皆がまだ注目していないがおっかないのがこのニュース。

豚が鳥インフルエンザに感染した、という記事である。

◆記事:インドネシア豚から鳥インフル、体内で変化「新型」の恐れ(4月29日3時5分配信 読売新聞)

インドネシアの豚が高い確率で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を持っていることが、神戸大感染症センターの調査でわかった。

H5N1型は、アジアを中心に鳥から人への感染例が相次ぎ、250人以上が死亡しているウイルス。

豚の体内で変化し、人から人へ感染する能力を獲得すると、今回の豚インフルエンザを上回る大きな被害を人類に及ぼす危険がある

同大は、インドネシアの4州で402頭の豚を調査。1割を超える52頭の豚からH5N1型を検出した。

豚は、鳥と人のウイルスにも感染するのが特徴。世界保健機関(WHO)は、H5N1型が豚の体内で変化するパターンを、

人から人へ大流行する新型インフルエンザ出現の有力な筋書きとして警戒している。

実際に、52頭の豚から検出されたH5N1型ウイルスを詳しく調べると、人への感染力を一部獲得したタイプが1株見つかった。

理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センターの永井美之センター長は

「驚くべき結果だ。新型インフルエンザが感染力を獲得する過程を見ているのかもしれない。注視する必要がある」と指摘している。

今回の豚インフルそのもの、とは別に、豚が鳥インフルエンザに感染しており、強毒性鳥インフルエンザウイルス、H5N1型が

豚の体内で、一層危険なウイルスに変異するかも知れない、という。

気を配らなければならないことは、色々あるのだ。

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2009.04.27

【豚インフル】英、仏、スペイン、ニュージーランド、イスラエルで感染疑い。CDCは「ヒト-ヒト感染だ」と。既にパンデミックでは?

記事1:<豚インフル>米国で新たに3人の感染確認 計11人に(4月26日21時33分配信 毎日新聞)

米疾病対策センター(CDC)は25日、新たに中西部カンザス州で2人、

西部カリフォルニア州で1人の豚インフルエンザ感染を確認し、感染者が計11人になったと発表した。

メキシコと国境を接するカリフォルニア、テキサス以外に患者の所在地が広がり、感染拡大への懸念が高まっている。

AP通信によるとカンザス州の感染者2人は、ディキンソン郡の夫婦。夫が先週メキシコへ出張し、帰国してから発症した。

妻も続いて感染した。2人とも症状は軽く、入院はしていない。

カリフォルニア州で新たに確認された7人目の感染者は、メキシコ国境に接するインペリアル郡の女性(35)。

4月初めに発症し入院したが、既に回復したという。

一方、ニューヨーク市保健当局は25日、同市クイーンズ区の私立中等学校の生徒8人から、

豚インフルエンザと疑われるウイルスを検出したと発表した。CDCがウイルス検査をしている。

同校では、このほかにも発熱などの症状を訴える生徒がおり、集団感染も疑われている。


記事2:豚インフルエンザ、NZでも感染疑い メキシコから帰国の25人(4月26日16時30分配信 CNN.co.jp)

ニュージーランドの保健当局は26日、メキシコでの語学学習を終えて帰国した学生22人と教員3人に、豚インフルエンザ感染の疑いがあると発表した。

25人は、オークランドにあるランギトト大学の教員と学生。メキシコからロサンゼルスを経由し、ニュージーランドに帰国していた。

オークランドの保健当局によると、25人中14人にインフルエンザ様の症状が出ているという。25人は全員、自宅から外に出ないよう指示を受けている。


◆記事3:【英国】航空大手BAの客室乗務員、メキシコ豚インエンザ感染の疑いで検査=英紙(4月26日20時39分配信 NNA)

英国航空の客室乗務員の一人が、メキシコから米国に飛び火している豚インフルエンザに感染した疑いで、

ロンドン市内の病院の隔離病棟に収容され検査を受けているもようだ。英紙オブザーバーが26日付で報じた。

同乗務員はメキシコからのフライトでロンドン入りしていた。これが欧州で最初の感染の疑いに関する報道となる。

同乗務員は38歳の男性でロンドン北西部のノースウィック・パークにある病院に収容されている。

健康保護局(HPA)は、同乗務員の検査を行っていることは認めたが、

「慎重を期して呼吸器系などの疾患について検査を実施している。現時点で英国や欧州で豚インフルエンザの人体への感染は確認されていない」と述べている。


◆記事4:4人が豚インフルの疑い=米からの帰国者ら-仏(4月27日0時14分配信 時事通信)

【パリ26日時事】AFP通信によると、フランス北部ノール県のトゥルコワン市で26日、

豚インフルエンザに感染した疑いのある3人が病院に収容された。

3人は米カリフォルニア州への旅行から戻ったばかりの50代の夫婦と、旅行には参加していない20代の息子。

インフルエンザの兆候が表れたため、病院で検査を受けており、同日夜以降に結果が判明する見込み。

このほか、パリ地方の女性1人が検査を受けているという。


記事5:豚インフル警戒で男性入院=メキシコ渡航後に症状-イスラエル(4月26日21時51分配信 時事通信)

【エルサレム26日時事】イスラエル放送は26日、メキシコから帰国した男性(26)が、

インフルエンザの症状でイスラエル中部の病院に入院したと報じた。

これまでの検査結果によれば豚インフルエンザに感染した可能性は低いが、念のため、病院でさらに精密な検査が行われている。

AFP通信によると、男性は24日にメキシコから帰国。翌25日に入院した。高熱が出ているが、命に別条はないという。

イスラエル保健省は、メキシコに最近渡航した国民に対し、インフルエンザのような症状が出た場合、検査を受けるよう呼び掛けている。

資料:CDC(Centers for Disease Control and Prevention=《米》疾病対策予防センター)Swine Flu and You Apr 24, 2009の日本語訳

(出典:感染症診療の原則「共有資料 ブタインフルエンザの一般向け説明書
【共有資料 ブタインフルエンザの一般向け説明書】

CDCの豚インフルエンザ情報の和訳

(原文:http://www.cdc.gov/swineflu/swineflu_you.htm(2009/04/24発行 2009/04/25 訳)
■豚インフルエンザとは?

豚インフルエンザはA型インフルエンザウイルスによって起こる豚の呼吸器疾患です。豚の間ではアウトブレイクは定期的に起きています。ヒトはふつう豚インフルエンザにはかかりませんが、かかることはありえますし、実際にかかった人がいます。ほとんどのケースでは豚に関わっているヒトの間で起こっていますが、ヒトーヒト感染も起こり得ます。

■米国でも豚インフルエンザのヒトへの感染例はありますか?

2009年3月下旬から4月初めにかけて、豚A型インフルエンザウイルス(H1N1型)によるヒトの感染例が、南カルフォニアとテキサス州サンアントニオ近郊で発生しました。CDCならびに現地の公衆衛生当局が共同で調査を進めています。

■豚インフルエンザウイルスはヒトからヒトにうつりますか?

CDCはヒトからヒトへうつるとの結論を出しました。しかし、どの程度うつりやすいかは現時点ではわかりません。

■ヒトが豚インフルエンザにかかるとどんな症状が出ますか?

症状は毎年流行するインフルエンザと似ています。発熱、咳、のどの痛み、節々や筋肉の痛み、頭痛、寒気、倦怠感などです。豚インフルエンザの場合、下痢や嘔吐を訴える人もいました。過去には、肺炎や呼吸不全などの重症例や死亡例もあります。また、一般のインフルエンザと同様、持病がある人はそれが悪化することもあります。

■豚インフルエンザ感染はどの程度深刻にとらえたらいいですか?

一般のインフルエンザと同じように、重症度はさまざまです。2005年から2009年1月までのケースでは、米国で12例の報告がありますが、死亡例はありません。しかし、豚インフルエンザ感染は、深刻なケースもあります。1988年9月には、Winsconsin州で健康であった32歳の妊婦が豚インフルエンザにかかったのちに肺炎で入院し、8日後に亡くなるというケースがありました。1976年にはニュージャージー州Fort Dixでアウトブレイクが起こり、200人以上が感染し、数人が重症となり、1人が亡くなりました。

■豚インフルエンザはどうやって感染してしまうのですか?

2つの感染経路が考えられます。

・感染した豚との接触や豚インフルエンザウイルスで汚染されたものに接触

・豚インフルエンザに感染した人との接触。ヒトーヒト感染が報告されており、一般のインフルエンザと同じ形で感染が広がると考えられています。一般のインフルエンザではインフルエンザにかかった人による咳やくしゃみで周囲の人に広がっていきます。

■豚インフルエンザの治療薬はあるのですか?

あります。

CDCではオセルタミビル(タミフル○R)、ザナミビル(リレンザ○R)を治療または予防に推奨しています。抗ウイルス薬は処方箋が必要で錠剤、液体、吸入式があり、身体のなかでウイルスが増殖するのを防いでいます。発病した際に服用すると、症状が軽くなったり、治るのが早くなったりといった効果があります。重症な副作用を防ぐことにもつながる可能性があります。治療の際には、発症後2日以内に飲み始めるのがべストです。

■豚インフルエンザに感染した人は何日間くらい他の人にうつす可能性があるのですか?

症状がある間は人にうつすものとして考えた方がいいでしょう。発症してから7日間に及ぶこともあります。小児、特に低年齢のこどもではもっと長い間、感染源となる可能性もあります。

■豚インフルエンザにかからないようにするにはどうしたらいいでしょう?

現時点で豚インフルエンザのワクチンはありません。ただ、インフルエンザなど一般的な呼吸器疾患を防ぐために普段心がけていることを行ってください。

・咳やくしゃみをするときにはティッシュで鼻や口を押さえ、使ったらゴミ箱に捨てましょう

・石鹸と水で手をよく洗いましょう。咳やくしゃみをしたときには特に洗うようにしましょう。アルコールの入ったハンドクリーナーも効果的です。

・身体の調子の悪い人のそばに近づかないようにしましょう

・CDCでは、インフルエンザにかかったら、感染拡大を防ぐために仕事や学校を休み、人となるべく接触しないように勧めています。

■もし、身体の調子が悪くなったらどうしたらいいですか?

カリフォルニア州サンディエゴ郡やインペリアル郡、テキサス州のグアダルーペ郡に住んでいるいる人で、インフルエンザのような症状(発熱、節々や筋肉の痛み、鼻水、のどの痛み、吐き気、嘔吐、下痢)がある時には医師に相談しましょう。相談の医師はインフルエンザの検査や治療が必要かを判断することになります。

調子が悪い時には、感染を拡げるのを防ぐために家から出ないようにして、人との接触をなるべく避けるようにしましょう。

もし状態がひどく、以下のような危険な徴候が現れたときには救急病院に行くようにしましょう。



小児の場合

・呼吸が早くなったり、呼吸困難がある場合

・皮膚が青ざめてきた場合

・水分が十分取れない場合

・目を開けようとしない場合や会話が出来ない場合

・ひどくぐずってしまって、じっとしていられない場合

・インフルエンザの症状がよくなったのに、熱をぶり返し、咳がひどくなった場合

・発熱があって、発疹も出てきた場合



大人の場合

・呼吸困難がある場合

・胸やお腹に痛みや圧迫感を覚えた場合

・突然めまいを覚えた場合

・意識がおかしくなってきた場合

・ひどく、しつこい嘔吐がある場合

■豚肉を食べたり調理したりして、豚インフルエンザはうつりますか?

うつりません

豚インフルエンザは食べ物からはうつりません。豚肉や豚製品を食べたりしてもうつることはありません。ちゃんと調理されたものならば安全です。

(注;色太文字は引用者による)。


◆コメント:ヒト-ヒト感染だ、とCDCが認めて、世界で感染の疑いが出ているのですから、フェーズ4じゃないですか?

記事2から記事5まではメキシコから帰国した人が、

ニュージーランド、英国、フランス、イスラエルで、豚インフルに感染した疑いがある、と言う話である。

記事とは人数が食い違うところがあるが、豚インフルに感染した疑いのある人を地図で示すとこうなる→ダウンロード 090426SwineFlu.jpg (40.6K)

メキシコで、豚インフルが人に感染し、それが「ヒト-ヒト」感染している。

それは、資料の中でCDCが認めている。メキシコからの帰国者が感染している可能性が高いのみならず、

記事1に書かれているとおり、アメリカ、しかもカリフォルニアなどという日本人が頻繁に往来する州で感染者が増えているのがまずい。

既に、日本にもメキシコかアメリカで感染した人が、

豚インフルエンザウイルスを国内でばらまいている可能性は十分にある。

何故、今のところ、あまり緊迫感が無いか、というと、豚インフルエンザウイルスの型が、

毎年人で流行しているAソ連型と同じH1N1型であるからで、それなら、世界中の人に皆、免疫があるだろう、

と一部で楽観視されているが、免疫があるのであれば、感染者が続出しないはずである。

国立病院機構仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長が

共同通信の質問に答えているのだが、

「毎年流行しているH1N1型とは抗原性が違うと考えられ、ほとんどの人が免疫を持っていない可能性がある」

つまり、誰もが感染する可能性がある。現在は、ウイルスが劇的に変異しておらず、毒性が弱いから、

軽症患者が多いのだが、メキシコでは死者が実際に出ているし、変異を起こして、より重篤な症状をもたらす

新型ウイルスになるかも知れない。そして、豚インフルのワクチンは無いのである。

予防接種ができない。但し、発症した場合は、現在のウイルスならば、タミフル・リレンザが効くようなので、

早めに治療するしかない。


日本政府は水際作戦で食い止めると言っている割には、メキシコへの渡航禁止を発していないし、

メキシコからの帰国者も経過観察する、とのんびりしたことを言っているが、

本気で、感染を止めようと思うのなら、人権とか色々面倒だが、本人の了承を得て、

メキシコ、アメリカからの帰国者は隔離して、経過観察する、ぐらいの思い切ったことをしないと

危険である。つまり、全国民が生命の危険に晒される事態になりかねない。

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2009.04.26

「豚インフルで課長級会議を緊急開催へ=政府、情報収集に努める」←WHOが「フェーズ4」を発するかどうか。

記事1:豚インフルで課長級会議を緊急開催へ=政府、情報収集に努める(時事通信社 - 04月25日 13:01)

政府は25日午前、メキシコ国内で豚インフルエンザの人への感染が疑われる症例が相次いでいることを受け、

全省庁の課長級による会議を午後1時から内閣府で開催することを決めた。感染が拡大すれば日本国内への影響が避けられないことから、

今後の対応を早急に協議する。また、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報収集に当たった。

これに関し、政府高官は同日午前、世界保健機関(WHO)がメキシコでの豚インフルエンザウイルスが

「人から人へ感染する」新型と宣言した場合、麻生太郎首相を本部長とする対策本部を設置することを明らかにした。

(注;太文字は引用者による)


◆記事2:米・メキシコ豚インフル、ウイルス「同一」 米当局が解析 (NIKKEI NET)(11:56)

【ニューヨーク=中前博之】米疾病対策センター(CDC)は24日、人から人へ感染する

新型の豚インフルエンザウイルスによる症例が米国内で計8件見つかったと明らかにした。

患者はいずれも軽症だったが、初期解析では重症例が多いメキシコの患者から採取されたウイルスと「同一」と判明。

国境を越えた感染拡大が確認されたことを受け、米当局はワクチン開発の準備も含め、警戒を強めている。

メキシコ保健当局は同日夕、豚インフルエンザの疑いがある患者は1000人を超え、死者は68人に達したと公表。

日本政府によると世界保健機関(WHO)は感染状況を評価するため、世界の専門家で構成する緊急委員会を日本時間の25日夜に開く

 CDCによると、見つかった症例はメキシコと国境を接する西部カリフォルニア州で6件、南部テキサス州で2件。

感染者で豚に接触した人がいないうえ、親子や学校の同級生など身近な環境にある患者がいることから、

当局者は「人から人への感染だと信じている」としている。 (11:56) (注;太文字は引用者による)


記事3:<豚インフル>新たなウイルスに変異の可能性 専門家の見方(4月25日12時56分配信 毎日新聞)

メキシコでの豚インフルエンザの感染者拡大で、

人から人への感染力を持つ新たなウイルスに変異している可能性が出てきた。

新型インフルエンザの脅威が高まる中、ウイルスの特徴や必要な対応を専門家に聞いた。



今回のウイルスは、H1N1型。現在も冬に流行するAソ連型と同じ型だ。

このため、世界中の人がこの型のウイルスに対して免疫を持つ。この点が人が免疫を持たない型(H5N1型)の鳥インフルエンザとは異なる。

またH1型のウイルスは、強毒性のH5型に比べ毒性が低い。

喜田宏・北海道大教授(ウイルス学)は「Aソ連型によって、ある程度免疫を持つ人は多い。

豚インフルエンザだけではなく、他の型のインフルエンザウイルスや細菌などとの同時感染だった可能性もある」と話す。

 一方、死亡率の高さから大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長(獣医微生物学)は

従来の豚インフルエンザの範ちゅうを超えており、これまでにないウイルスになっている可能性がある。

H5N1型に限らず、別の型でも鳥から豚に感染し新型インフルエンザとなって感染が広がる可能性がある
」と話す。

田代真人・国立感染症研究所ウイルス第3部長は「人と豚のインフルエンザでは重症度や感染力が異なり、感染拡大の可能性はある」と警戒を求める。

(注;太文字は引用者による)


◆コメント:かなり緊迫した状況で、新型ウイルスに変異した場合、世界中の人間の生命に関わる、ということです。

事態の重要な点を整理します。

メキシコでは、豚インフルエンザに感染した疑いがある患者は1000人を超え、死者は68人に達しています。

「現在確認されている」豚インフルエンザウイルスは、「H1N1型」で既存のウイルスです。

従って、これに対して免疫を持っている人が多い筈ですが、メキシコでは現実に68人が死亡しています。


アメリカでも豚インフルエンザよる症例が8件見つかっています。アメリカの患者は軽症でしたが、

感染したウイルスは、メキシコで死者が出たのと同じ型です。

アメリカの8人の患者は、豚と接触していないのに発症しています。

したがって、豚インフルエンザが「ヒト-ヒト」感染したことはほぼ明らかです。

専門家の見解は分かれますが、記事3で大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長は、

従来の豚インフルエンザの範ちゅうを超えており、これまでにないウイルスになっている可能性がある。

との見解を表明しています。

現在の豚インフルエンザが変異して容易に「ヒトーヒト」感染する新型ウイルスが確認された場合、

今までにないウイルスですから、誰も免疫を(正しくは、ウイルスに対する抗体を)持っていません。

予防するためには、ワクチン接種が必要ですが、ワクチンというのは、ある病気の病原体を薄めたものを

わざと打つことにより、軽い病気にして、人間の持つ免疫機構を利用して、体内にその病原体に対する抗体を

作るものです。


したがって、原理的に考えて、新型インフルエンザのワクチンは新型インフルエンザウイルスが発生し、

それに感染した患者が出なければ作れません。作るといっても開発に何ヶ月もかかります。

開発に成功しても、世界中の需要を満たすためには、製造に時間がかかります。

さらに、ワクチンというものは、接種した瞬間に体内に抗体ができるわけではなく、

普通、抗体が出来るまでに1~2週間はかかります。抗体が体内に出来るまでは、感染の危険があります。

発症した場合、既存のインフルエンザウイルスの特定の型には、抗ウイルス薬、タミフル、リレンザが

有効ですが、新型インフルエンザに対しても有効である保証はありません。

感染発症したら、治療も出来ない可能性が極めて高い、と言うことです。

つまり、新型インフルエンザウイルスが確認された場合、

世界中の人に生命の危険が訪れるといっても過言ではありません。

だから、WHOは今日(25日)世界中から専門家を集めての緊急会議を開くのです。


◆ヒトーヒト感染するウイルスが確認されたかどうかWHOの判断はどこで確認すれば良いか。

記事1に、

政府高官は同日午前、世界保健機関(WHO)がメキシコでの豚インフルエンザウイルスが「人から人へ感染する」新型と宣言した場合

麻生太郎首相を本部長とする対策本部を設置することを明らかにした。

とあります。

WHOは新型ウイルスが発生し、ヒトからヒトへの感染が増加している局面をフェーズ4と規定しています。

それは、WHOのサイト、WHO | Current WHO phase of pandemic alertを見れば明らかです。

英語のサイトですが、英語を読む必要はありません。

現時点(2009年04月26日(日)00時14分)リンク先を見ると、3に○がしてあります。

現在はフェーズ3、「ヒト-ヒト感染が無い。又は非常に限られている」ということです。

WHO | Current WHO phase of pandemic alertで○の位置が3から一段階下がって、

4に○が付いたら、超緊急事態、と見なすべきです。新型インフルエンザウイルスがヒト-ヒト感染し、患者が増加している、

ということだからです。ここは毎日確認する必要があります。

前述のとおり、新型ウイルスの抗体は世界中誰も持っていない。

ということは、誰が感染しても不思議は無い。周囲で一人でも感染したら、

爆発的に感染者が広まり、貴方も私も感染の危険に晒され、運が悪ければ、

死ぬかも知れない。徒に脅かしているのではなく、リスクコントロール(危機管理)とは、

常に、最悪の事態が起きる可能性を考えることに、他ならないのです。

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2009.04.20

「タミフルと異常行動『因果関係否定できぬ』…厚労省研究班」←過去に二回、「タミフル、異常行動との関連みられず」と発表しましたよね?

記事1:タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」…厚労省研究班(4月19日3時6分配信 読売新聞)

インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、

飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1・54倍高いという分析結果が18日、

厚生労働省研究班(班長=広田良夫・大阪市大教授)の最終報告書で明らかになった。

「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘しており、

現在は原則中止している10歳代への使用再開は難しくなってきた。

最終報告書は近く、厚労省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会に報告される。

別の検証作業では、「関連は見つからなかった」とする結論が出されており、同調査会では10歳代への使用をいつ再開するかが最大の焦点だった。


記事2:タミフル:異常行動との関係、認められず--調査結果 (2007.12.17 毎日新聞 東京朝刊)

インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会は16日、

昨シーズンに発生した30歳以下のインフルエンザ患者の異常行動との因果関係は認められなかったとする調査結果をまとめた。

昨シーズン(昨冬から今春)にインフルエンザにかかり、飛び降りなど重度の異常行動を起こしたと医療機関から報告があった患者のうち、

30歳以下の137件について分析。このうち、タミフルの服用率は82例で6割だった。

また、10代の服用を原則中止した3月20日を境に、シーズン中の10代の異常行動に関する報告件数を比べた。

20日以前はタミフル服用「なし」が11件、「あり」40件に対し、21日以降は「なし」が16件、「あり」が2件だった。

21日以降の服用「あり」の報告数減少は、処方が制限された影響で、服用してもしなくても、異常行動は起こっていた。


記事3:タミフル、異常行動との関連みられず…動物実験で中間発表(2007年10月24日21時31分 読売新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」と、服用した患者が起こす異常行動などとの因果関係について検討している厚生労働省の作業部会は24日、

輸入・発売元の中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表した。

心不全などによる突然死についても「関係している可能性は低い」とする見解を示した。

脳に運ぶ物質を選別している「血液脳関門」と呼ばれる部分が未熟な若いラットを使った実験などは、結果がまだ出ていないため、

こうしたデータが出そろった後で、年内にも結論を下したいとしている。

同部会では、血液脳関門に、タミフルの薬効成分を通さないようにする仕組みがあることや、

通常の150倍の濃度の薬効成分を使っても、脳内たんぱく質に異常が見られなかったことが報告された。

また、米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された。

◆コメント:どちらかはっきりして下さいな。

ずらりと記事を並べたが、時系列的には記事1が最も新しく、記事3が最も古い。

全部、少しずつ研究の内容というか、研究の対象、発表の仕方が異なるので分かり難いが、

大雑把に言うと、記事2にあるとおり、2007年12月16日、厚労省・安全対策調査会の作業部会は、

30歳以下のインフルエンザ患者の異常行動との因果関係は認められなかったとする調査結果をまとめた

のです。

しかし、特に、タミフルと異常行動との因果関係が問題となるのは、10代の患者に関して、であった。

そこで、この時の報告で10代の患者に関しては何と書いているか、というと、
10代のタミフル服用を原則中止した、2007年3月20日の前後を比べて、タミフルを服用してもしなくても

同じぐらい異常行動が起きていたことが明らかになった

というのである。

これはインフルエンザはもともと薬を飲む飲まないに関わらず、インフルエンザ脳症を起こすことがあるからだろう。


2007年12月が最終報告で、その前の中間報告に関するのが記事3である。

この時点では、中外製薬にやらせた動物実験の結果、
異常行動と関連づけられるデータは今のところない

との結論を述べ、更に、
米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された

これ、ちょっとズレてますね。ピントが。米国の研究は「タミフルと突然死」の因果関係に関するもの。

タミフルと突然死の因果関係は無いことは判ったけど、突然死しなくても「異常行動」を起こした人がいるのかいないのか。

いるならば、それが起きる確率はいかほどなのか、が分からない。

厚労省の研究は「タミフルと異常行動との因果関係」の解明を目的としているのだから、

「突然死」を持ってきても意味がないでしょう。


◆2007年12月の報告は、どうなるのか説明していただきたいですね。

私は記事2を読んだ当時、「これで結論は出たな」と思ったのだが、

厚労省は、その後も研究を続けていたようである。

ということは、2007年12月16日、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会の報告は、実は確信が無いけど、

とりあえず、国民の不安を鎮めるために発表したのであろうか。

そう考えざるを得ない。なぜその後も研究が続いて、正反対の結論が出るの?

あの発表は何だったのか、説明していただきたい。


◆いずれにしても、薬を飲まなくても飲んでも異常行動が発現する「確率」を教えてくれよ。

記事1で発表されている、最新の研究結果は、

タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1・54倍高い

が結論である。それは、分かった。しかし、これだけ発表されても意味を為さない。

どうして、新聞記者って、この類の問題に関して(だけではないが)これほどバカなのかね?

深刻な異常行動を起こした子供は、タミフルを服用した10代の子供全員のうち、何パーセントなのか。

これに関しては、私は約2年前に同じような記事を書いた。

「タミフル異常行動128人、10歳未満43人・厚労省まとめ 」←何度言ったら分かるんだ。ココログはこちら)。

詳細はそちらをご覧頂きたいが、私が、統計学的・数学的にはツッコミどころ満載だろうが、

2001年にタミフルが日本で使われ初めてから、タミフルを服用して異常行動を起こした人数と年間使用者(約300万人)から計算した結果、

異常行動の原因が全てタミフルにあった、と仮定しても、確率は、0.0007%。100万分の7であった。

正確ではないだろうが、少なくともタミフルを飲んで異常行動が生じるのは、10人に1人でも、100人に1人でもない。

100万人中7人である。

この確率をマスコミは伝えるべきである。非常に低い「異常行動」を恐れて、インフルエンザに感染・発症した患者が

タミフルを飲まない方が、社会にとって迷惑なのである。偶々昨日の日記で、愚息がインフルエンザに罹った話を書いたが、

あれは、B型で、大したことはない。強毒性の鳥インフルエンザに感染した場合、早くタミフルを飲んでくれないと、

そのウイルスが患者の体内で変異を起こし、ヒト-ヒト感染する「新型インフルエンザウイルス」になるかも知れない。

それが、世界中の公衆衛生当局者が恐れている最悪の事態なのである。

結論的に繰り返すならば、

タミフルと異常行動との因果関係は有るかも知れない。しかし、いずれにせよ非常に低い確率でしか起こらない。

タミフルの副作用の異常行動で、高いところから飛び降りて死ぬ可能性よりも、インフルエンザを治療しないことによって

死ぬ確率の方が(たとえ、それが鳥インフルエンザや新型インフルエンザでなくても)高いのである。

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2009.04.19

インフルエンザ、まだ流行していますので、要注意。

◆私事で恐縮ですが、息子がインフルエンザに。

弊日記・ブログでは、原則として私事は書かないことにしているのですが、実は結構書いています。

今回は、私事でもあるのですが、一般論も含めて記録として書きます。

4月16日(木)の午後、家内が会社の私の直通電話に架電してきました。滅多にないことです。

それは、高校三年になったばかりの息子が、

「『39℃台の高熱を発したので早退させる』、と言う連絡が学校からあった」

というものでした。急に高熱を発して全身がだるいと訴えている、というので、

インフルエンザかも知れない、と私は考えました。

幼児では有りませんが、インフルエンザを甘く見るべきではなく、確率は低いけれどもインフルエンザ脳症を

発症することもあるし、何しろ感染症ですから、家族も感染している可能性があります。

そこで、
帰宅したら直ぐに近所の内科で診察を受けさせろ。

と、指示しました。

帰宅してみると、高熱の割には元気にしているのですが、「インフルエンザ」との診断を受けた由。

前述のとおり、インフルエンザは感染症です。

もう今年の峠は越えたようですが、国立感染症研究所 感染症情報センターの、

インフルエンザ流行レベルマップ(クリックすると拡大表示されます)を見ると、

最新情報は、「2009年 第14週 (3月30日~4月5日) 2009年4月8日現在」で、少し古いのですが、

東京都は赤です。赤は警報で、その中で最も低いレベルですが、とにかくまだ「警報」が出ていて、

相当数の患者がいる。息子も学校でうつされたことはほぼ間違いない(既にインフルエンザで休んでいる同級生がいます)。

潜伏期が2日か3日ですから、息子は先週の月曜か火曜に感染し、潜伏期間を経て、16日(木)に発症した、

ということになります。

感染して症状が出るまでの間に、我が家でもウイルスをばらまいていたはず。

ということは、私も感染しているかも知れない。もし感染して発症したら、数日間会社へ行っては行けないのです。

自分が感染症に罹患していることを知りながら出社したら、大げさに言えば、

職場の人に感染しても仕方がない、という「傷害の未必の故意」があった、と言うことになります。

そこら辺、一般的にあまり理解されていない。会社の方から「治るまで出てくるな」という通達を出すべきなのです。

今だに、風邪をインフルエンザの区別も付かず、「風邪ぐらいで何日も休みやがって」という会社は大した会社じゃない。

そういう会社がまだ多い。ま、これは余談です。


◆抗ウイルス薬「リレンザ」は劇的に効きました。

息子は、近所の内科の開業医の先生から「インフルエンザB型」の診断を受け、リレンザを処方されました。

抗インフルエンザウイルス薬には、全てのウイルスに有効ではありませんが、タミフル(リン酸オセルタミビル)と、

リレンザ(ザナミビル)があります。両方ともB型には有効です。

タミフルはカプセル(経口投与)ですから簡単ですが、リレンザは、専用の吸引器を用いて、

錠剤を粉末にして吸引するのです。これは、初めて使う人には、分かり難い。

今後処方される方が有るかも知れないので、グラクソ・スミスクライン社の、リレンザのページ

ご紹介しておきます。そこでは、ビデオで服用のやり方が説明されています。


さて、リレンザは1日に二回、5日間服用します。

結果を先に書きます。

土曜日(18日)に息子は再診を受けたのですが、既に症状は治まり熱も下がり、

通学・出社しても構わない、という要件を満たしたため、「月曜から登校可」の診断を受けました。

タミフルもリレンザも発症後48時間以内に服用しないと、効果がない、若しくは効果が著しく減衰します。

しかし、正しく服用すれば、劇的に効果があることがわかりました。

但し、症状が治まっても、息子の体内にはまだウイルスが残っているので、後3日間はリレンザを飲み続けなければならない。

同時に体内にウイルスが残っている、ということは、私もまだ感染する危険があるので、こまめに手指消毒をするなど、

予防を怠ってはならない。流水で殺菌用石鹸で洗うのが基本ですが、手を拭くときに息子と同じタオルを使っては意味がない。

それから、塩化ベンザルコニウム(所謂「逆性石鹸」)のエタノール溶液を市販しています。例えば、ラビネット

これの携帯用・家庭用があります。

病院でよく見かけるウェルパスも成分は全く同じです。

エタノール(要するに消毒用アルコール)に0.2%の逆性石鹸が含まれている製品です。

インフルエンザウイルスを非活性化させる為には、単なる消毒用アルコールでも良いのですが、逆性石鹸を混ぜると効果の

持続時間が長くなるのだそうです(消毒薬を作っている会社にいる知人に聞きました)。

こういうのでこまめに、消毒する。特に意識していなくても口元に指が触れていることはよくある。

直接触れなくても、ウイルスが付着した手でおにぎりやサンドウィッチを食べれば感染する可能性がある。

飛沫感染とは、そういうことです。ですから、普段はそれほど神経質になる必要ないけれども、

家族に感染症患者が出たときには、多少、普段より意識的に消毒することが必要です。

因みにインフルエンザウイルスは、エタノールで非活性化できますが、ノロウイルスはできません。この場合は、

塩素系(漂白剤です)を使わなくてはならず、食器・調理用器具は消毒出来ても、手を漂白剤で消毒するわけには

いきません。強すぎます。ノロウイルスのときは、流水と石鹸で物理的にウイルスを手から洗い流すしか、ないそうです。


話がそれましたが、身内がインフルエンザになった序でに、ご参考になれば、と思い、書きました。

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2009.04.17

「<AED>厚労省がバッテリー交換呼びかけ 期限切れ間近で」←それ以前の問題として、素人に使えるのか。

◆記事1:<AED>厚労省がバッテリー交換呼びかけ 期限切れ間近で (4月16日21時5分配信 毎日新聞)

 全国の駅や公共施設などに約20万台設置され、緊急時に心臓へ電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)の多くが

バッテリーなどの使用期限に近付いているとして、厚生労働省は16日、都道府県やメーカーを通じ、

設置者に点検と部品交換を進めるよう通知した。

 AEDは04年7月に一般市民の使用が解禁され、06年に約4万6000台、07年に約5万9000台が新たに設置された。

厚労省によると、バッテリーと胸に密着させる電極パッドが2~4年程度で使えなくなり、

本体のインジケーターに使用不可の表示が出るが、普及に伴って保守方法が分からず点検をしていない例が増えているという。

ただし、バッテリー切れで救命に失敗したとの報告例はない。

 通知では、設置者が点検担当者を決め、インジケーターを日常的に確認するとともに、

不具合情報などが迅速に伝わるようメーカーに設置場所を登録するよう求めている。

AEDは国内で4社が製造し、パッドは1万~2万円、バッテリーは5万円前後で交換できる。


◆記事2:【翻訳】家庭用除細動器(Voice of America Special English Health Report 2002年11月27日)

(原文:http://www.voanews.com/specialenglish/archive/2002-11/a-2002-11-25-3-1.cfm?moddate=2002-11-25)

米国では毎年、約22万人が突如、何の前触れもなく、心臓がその機能を停止したこと(心室細動)が原因で亡くなっている。

最近、FDA(米食品医薬品局)は、このための非常用の装置である除細動器の家庭用の製品の販売を認可した。

フィリップ・エレクトロニクス社が開発した、”HeartStart Home Defibrillator”(家庭用除細動器)である。

この除細動器には、使い方を指示する機能がある。同社はFDAに、それまで除細動器を使ったことが無い人でも、

操作することが出来た、という資料を提示している。

この機械は1台23万円もするが、医師は、それを買うことが望ましいと言うのである。

心停止、心室細動はどの年齢層にも突然おとずれることがあり得るけれども、最も多いのは、

60代の男性である。医療従事者たちは、この機械を使う可能性が最も高いのは、その倒れた男性の

配偶者の女性、という事になるだろう、と予想する。


米国ではまた、家庭用とは別の種類の除細動器が、公共の場に多数設置されている。

会社、レストラン、空港、スーパーマーケットなどである。

こういう施設では、除細動器の使い方の訓練を受けた人が、大抵いる。機械の使い方は家庭用よりも、

高度な技術を必要とする。

心肺停止後の蘇生救急は、CPR(cardiopulmonary resuscitation:〔心拍停止後の〕心肺機能蘇生)という、別の

技術であり、これを行うためには、専門的な訓練を受ける必要がある。

米国赤十字は、FDAの決定を高く評価している。赤十字の担当者は、やがては全てのアメリカ人が除細動器を

使えるようになるのが、我々の目標であり、今回のFDAの決定はそれに向かって一歩近づいたことになる、という。


しかしながら、FDAの決定に関しては、専門家の間でも議論があり、賛否が分かれているのも現実だ。

有る専門家は、家庭用除細動器は、一刻を争う時に、機械の使い方が分からず時間を浪費する恐れがあり、

それよりも、出来るだけ早く救急車を呼ぶべきだ、という。救命救急士は、応急処置を施し、さらに高度な

治療を受けることが出来る病院に患者を搬送することが出来る。この方が確実だ、と言うわけである。

米国心臓協会(The American Heart Association)は、機械の使い方をアドヴァイスする体勢は出来ていない

という。同協会の広報担当者は、家庭用除細動器を使用することにより、救命率が高まるかどうか、データを検証する

必要がある、と述べている。


◆コメント:電池切れという以前に、AEDを本当に躊躇無く使える素人がどれほどいるのか。

東京しか分からないが、最近は、記事2が書かれた頃のアメリカが、こんな感じだったのであろう、

と思われるほど、至る所に「AED」が設置されている。

しかし、一般人が、心臓に異常をきたして倒れている見知らぬ人を、AEDで助けようとしている光景は、

見たことがない。確かに、機械はこの記事が書かれたときよりも更に進歩しているだろうが、

心肺停止している(か、どうかすら、素人には診断できない)人をダメもとで救おう、という

人がどれ程いるだろうか。

さっさと救急車を呼んでいれば、救命救急士が除細動を行い、病院にただちに搬送して、

助かるはずだったのに、自分が無理にAEDを使おうとしたが為に、手遅れになったら、

と思うと、誰しも手が出ないであろう。最近では運転免許を取得する際に除細動器の使い方の

訓練を義務づけているらしいが、一回ぐらい訓練しても、直ぐ忘れる。

目の前の死にかけている人に、素人が率先して、救命措置などという一刻を争う医療行為を施す、

というのは、どう考えても心理的に無理がある。


電池切れが問題なのではなく、AEDを至る所に設置するなら、国民全てに定期的な心肺蘇生術の

訓練を義務づけるぐらいでなければ、意味がない。

本音を言えば、それも、空しい。道に倒れている人がいても、見て見ぬフリを

するのが、大抵の日本人の行動様式である。AEDをいくら増やしても無駄な気がする。

それよりも、救命救急の専門家が、過労死したり、自殺したり(あるんですよ?)しなくても

済むように、適切に資源を配分する方が賢明な医療行政ではなかろうか。

何でもアメリカの真似をするから、こういう無駄なことをしてしまうのである。

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2009.03.31

「在宅末期患者の容体急変、医師の車が『救急車』」←「小手先の対策」は意味が無い。

◆記事:在宅末期患者の容体急変、医師の車が「救急車」(NIKKEI NET)(30日 16:00)

 在宅療養を続ける終末期のがん患者などの容体が急変した際、患者宅に駆けつける医師の車が4月から、

「緊急自動車」として認められることになった。現場の医師のアイデアをもとに国土交通省と警察庁が法令整備を進めた。

回転灯やサイレンの設置などの条件を満たせば、救急車などと同じように道路を優先的に通ることができ、

患者宅にいち早く到着することが期待されている。

 治る見込みが薄く、自宅で家族と過ごすことを選んだ終末期のがん患者などに対しては、医師が往診し、

痛みを和らげる緩和ケアなどにあたっている。統計データはないが、在宅治療の質向上を目指す「在宅ホスピス協会」

(東京・墨田)のホームページは、終末期の往診に対応できる全国の病院や診療所計600カ所余りを紹介している。(30日 16:00)


◆【為参考】:クローズアップ現代 放送記録 2007年12月6日(木)放送 立ち遅れる在宅がん医療

激しい痛みに耐えながら、自宅で残り少ない日々を過ごしているがん患者が少なくない。

がんによる死亡者数は年間30万を超え、今年4月に施行された「がん対策基本法」では、

緩和ケアと在宅医療の充実を国や自治体が進めることが明記された。

しかし、現状では、在宅緩和ケアの受け皿となる地域の診療所と病院との連携が不十分であったり、

地域には医療用麻薬の使い方を熟知する医師が少なかったりするなど、がん患者が望む在宅医療はなかなか進まない。

がん対策基本法が施行されて8ヶ月、その現状と課題に迫る。


◆コメント:そもそも、末期ガンを在宅で、というのが無茶ですよ。と私は書きました。

どうしてこういう事が始まったかというと、小泉が元凶である。

彼はとにかく医療費の国庫負担が大きすぎるとして、正しい意味での合理化、つまり無駄をなくす、

ということなら良いけれども、医療費がかさむ、末期ガンの患者をさっさと退院させることを考えた。

「どうせ助からないのだから、自宅で勝手に死んで下さい」というのがあの男の冷酷さである。

2006年の記事である。

◆<終末期医療>指針原案まとめる 厚労省(2006年9月15日 毎日新聞)

厚生労働省は15日、回復の見込みがない末期状態の患者に対する「終末期医療」の指針原案をまとめた。

延命治療の中止については、主治医の独断でなく、看護師らも含めた医療チームが患者と事前に十分話し合い、

合意内容を文書にまとめることを求めた。同省は有識者による検討会を近く設け、来春の指針完成を目指す。

原案は公開し、国民の意見を募って検討会の議論に反映させる。

原案では、「どのような場合であっても、『積極的安楽死』や自殺ほう助などは認められない」と明記した。

その上で、患者の意思を最大限尊重する形で最善の治療方針を決定するよう求めた。

患者の意思が確認できない場合は、家族の話から意思を推定するが、

推定ができない場合や家族の話がまとまらない場合は、医療チームが最善の治療方法を選択する。

患者や家族とチームの意見が異なったり、チーム内で意見が割れた場合は、専門家による委員会を設置して検討する。

今年3月に富山県の射水市民病院で末期患者の人工呼吸器取り外し問題が発覚したことを受け、川崎二郎厚労相が指針の作成方針を示していた。

厚労省医政局総務課は「終末期医療については多様な意見がある。検討会と並行して、国民の率直な意見を聞いていきたい」と話している。


このニュースが報道された直後、私は、反対意見を記事にした。

 <終末期医療>指針原案まとめる 厚労省」←義務的支出の削減が目的なのですよ。ココログ

リンク先の記事をお読み頂くと分かるが、きれい事を並べているが、要するに、

終末期医療というのはコストがかさむのである。そこで、国の医療費負担を少しでも減らしたい小泉は、

どうせ助からない末期ガン患者は「さっさと退院して、自宅で死んで下さい」とは言わないけれども、これは、

完全にそういう発想から出た政策だ。

さらに私は、リンク先の記事の中で、
癌の末期を自宅でケアできるわけがない。

と書いた。予想通りだった。

末期ガンの患者の苦しみは、正視に耐えないほどの激痛である。これを緩和するのには、麻薬であるモルヒネを

用いるしかない。

末期ガンを在宅医療でケアする、というのは簡単だが、

例えば一人暮らしの人が激痛に耐えて、慣れない自家注射をすることなどできるわけはない。

仮にできたとしても、繰り返すがモルヒネは麻薬である。一度に大量に使用したら、死ぬこともある。

こんな危険な薬物を患者や家族に扱わせるべきではない。厚労省の原案では、在宅医療になったら、

痛みに襲われても「医療チーム」が駆けつけてくれる筈だった。


しかし実際には、2007年12月6日放送のNHK、クローズアップ現代が報じたように

実際は全然違っていて、医療チームは、モルヒネを投与してうっかり死なせて訴えられるのが嫌なので、

なかなか使わない。結果として在宅で最期を迎える人は激痛に苦しみながら息を引き取るのである。

クローズアップ現代では、激痛に散々苦しんだ患者さんが、最期に、
自分の70年の人生は一体、何だったのだ

と自らの運命を呪いながら亡くなったと言う話も放送されていた。


やはり、私が<終末期医療>指針原案まとめる 厚労省」←義務的支出の削減が目的なのですよ。で書いたとおり、

自宅で末期ガンのケアなどできないのである。その現状を正視しようとせず、

医師の車を緊急自動車扱いにする、などという小手先の対策は意味を為さない。

医者が早く駆けつけたところで、モルヒネを使ってくれないのだから。

やはり末期ガン患者は医療機関でいつでも医師や看護師に守られる方が良い。

人間、誰も好きで生まれてきたわけではないのに、大多数の人はそれなりに真面目に生きてきたのである。

せめて人生の最後は、苦痛から解放され、安らかに逝けるようにするのが、医療の使命の一つではないのだろうか。

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2009.03.27

紀香「再婚したい」吹っ切れた笑顔で帰国←離婚はどうでも良い。この人「赤十字広報大使」だと言うので思い出した。/音楽。

◆記事:紀香「再婚したい」吹っ切れた笑顔で帰国(サンケイスポーツ - 03月26日 08:02)

女優、藤原紀香(37)が25日、滞在先のアフリカ・ケニアから帰国し、お笑いタレントの陣内智則(35)と離婚後

初めて公の場に登場した。23日に離婚が成立しており、関西空港を経由して羽田空港に到着すると、

すっかり吹っ切れたような笑顔を披露。報道陣の質問にも「もう大丈夫です」と明るく振る舞い、さらには再婚にも意欲を見せた。(中略)

赤十字の広報大使として、18日からケニアの首都、ナイロビに滞在。日本では23日に離婚が成立し、

翌24日に陣内が会見を開いて自らの浮気を認めた。紀香はマイナス6時間の時差も気にせず、

現地が明け方でも日本の関係者とメールで連絡を取り合って情報を把握。その上で、

前夫へ「感謝しています」とメッセージを送り、相手の浮気については「それはもう、済んだことですから」と軽く受け流してみせた。(後略)


◆コメント:藤原紀香氏が「赤十字の広報大使」であることを知り、日本赤十字社のサイトを見て思い出したこと。

別に、これから述べることと、「離婚騒動」は関係ないのだが、私はこの記事で藤原紀香さんが

日本赤十字社の広報大使であることを知り、同社のサイトを見て思い出したことがあるので、一応載せた。

日本赤十字社のサイトを見ると、なるほど、トップページに

藤原紀香さんが現れますな。広告塔なのね。要するに。

さて、このサイトに紀香さんのWe can!宣言|春の献血キャンペーンというページがあり、

藤原紀香さん手書きのメッセージが画面に現れ、要するに皆さん、献血しましょう、と言うわけだが、

献血出来ない人がかなりいることを御存知なのだろうか?藤原さんも一般の方々も。

それは、HIVに感染している人とか、ウイルス性肝炎の患者のことではない。

厚労省は、厚労省は変異型クロイツフェルト・ヤコブ病対策として、

1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在された方等からの献血を御遠慮いただくこととなりました。

という通達を出しているのだ。知らないでしょ?

つまり、この時期、英国の牛は肉骨粉を飼料として与えられていて、BSE(牛海綿状脳症)の牛の肉が、

一般に流通していた。その肉を一度でも食べた人は、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に罹患し、潜伏期である可能性がある。

そういう人の血を輸血には使えないから、献血は遠慮してくれ、というわけである。

ところが、紀香さんのWe can!宣言|春の献血キャンペーンにはそんなことは全く表記されていない。


また、少なくともある種の薬を服用している人も献血を断られるのだが、それも書いてない。

これは、情報不足である。


私はずっと抗うつ薬の服用を続けているし、93年~97年、約4年間英国に住んでいたから絶対献血できないのだ。

厚労省の「お達し」が出る前、ある駅の前に献血車が停まっていて、近くを歩いていたら呼び止められて、

「どうですか?」(献血してくれませんか?の意味)と声をかけられ、特に急いでもいなかったので、

「それでは・・・」と応じて、バスに入った、血圧を測った後医師の問診がある。

その時に、これこれの薬を飲んでいますが・・・と言った瞬間、赤十字の医師から、

あ、それじゃ、結構です。

と言われて、怒ったことがある。かなり不愉快だった。

「お願いします」といっておいて、「結構です」とはなんだ、と。

薬を飲んでいる者(全ての薬かどうかしらないが)が献血できないなら、声をかけるときに

先方から質問するか、献血車なり、献血会場の入り口に、「献血出来ない人」を書いておけばいいではないか。

以下の方は献血のお申し出をお断りしております。ご厚意にも関わらず申し訳ありません。

1.○○○○

2.△△△△・・・

と。或いは、ウェブサイトに。

そうすれば、お互いに時間と手間を無駄にしないで済む。

藤原紀香さん、日本赤十字社の広報大使としてケニアに行って何をしたのかしらないけど、

引き受けるからにはそういうことも勉強して頂きたいですね。

常識的に考えればすぐに思い付くことだと思うが、赤十字って、何か鈍くさい。


◆【音楽】3月26日はベートーヴェン(1770~1827) の命日。ピアノ・ソナタ、他

今までベートーヴェンの誕生日・命日に特集したことがなかった。簡単に。

まず、ピアノソナタ。ベートーヴェンのソナタでは易しい方。ソナチネ・アルバムに

入っていると思いますでも、綺麗です。私は好きですけどね。

ピアノソナタ第20番 ト長調 作品49-2、第一楽章。演奏はブルーノ・ゲルバーです。






良いでしょ?このディスク最初に「悲愴」があります。第二楽章は大変美しい。 ピアノ・ソナタ第8番ハ短調op.13「悲愴」第二楽章です。






ベートーヴェンが書いた音楽の中でも一番美しい旋律ではないかとおもいます。

最後。ヴァイオリンソナタ第5番 ヘ長調 作品24「春」の第一楽章。スプリング・ソナタって奴です。

演奏は、35年前のパールマン(当時29歳)とアシュケナージ(同37歳)です。







両者とも、もう少し伸びやかに歌っても良いかな?という所が若干ありますが、まあ、名演ですよ。

それでは。

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2009.03.21

「重症患者の3・6%「たらい回し」…昨年の救急搬送」←何でも叩くのが新聞の仕事か。

◆記事:重症患者の3・6%「たらい回し」…昨年の救急搬送(2009年3月20日00時08分 読売新聞)

総務省消防庁は19日、2008年に救急搬送された患者について、医療機関の受け入れ状況の調査結果を発表した。

重症患者(入院3週間以上)の3・6%にあたる1万4732人が3回以上断られていた。

前年(3・9%)比微減で、「たらい回し」問題は依然、改善されていない。

調査は昨年に続き2回目。福井県を除く46都道府県で3回以上の受け入れ拒否があった。

重症患者に占める割合は、奈良県12・5%、東京都9・4%、埼玉県8・7%、大阪府8・2%、

兵庫県6・2%の順に高く、前年と同様、大都市圏に多い傾向がみられた。

10回以上の拒否も、23都道府県で903人(前年22都府県、1074人)に上った。

東京都内では、吐血した40歳代の男性が、「内視鏡検査ができない」、「手術中」などと、48回も断られたケースがあった。

医療機関が受け入れを拒否した理由は、「処置困難」22%、「手術や診察中」21%、「ベッド満床」20%の順で多かった。


◆コメント:権威がありそうな者を叩くのがジャーナリストの仕事か。

読売新聞の記事は、ミス・リーディングである。客観的な統計、つまり「真実」を報道しているだけだ、というつもりだろうが、

恣意的である。読売の記事の「定義」によれば、重症患者が3回以上、医療機関から受け入れを拒否された場合を「たらい回し」と

いうそうだ。誰が決めたのか知らないが(そもそも、このたらい回しという言い方が気に入らない。患者の受け入れ拒否と書けばいいだろう)。

しかし、ものは言いよう(書きよう)である。

3.6%の重症患者がたらい回しに遭った、ということは、96.4%の重症患者はたらい回しに遭わなかったということである。

100人の重症患者のうち、約96人はすんなりと受け入れられたということである。こう考えると随分印象が変わる。

都道府県別の拒否率などを書いても仕方がない。

医者は命を救いたくて医者になったのだろう。受け入れられるものなら、受け入れたいに決まっている。

それを断らなければならなかったのは、それなりの事情があったはずだ。中には既に重症患者を処置中で、他に医者がいない、

というケースもあっただろう。そういう場合、受け入れる方が無責任であり、受入を拒否することの方が良心的である。

受入を拒否したこと、イコール、医師の責任回避若しくは怠惰、のような印象を与える記事の書き方は甚だ宜しくない。


昨年、2008年10月25日(土) 「妊婦受け入れ拒否事件」を巡る報道の問題点。ココログはこちら)を書いた。

その中で触れたが、医療従事者の間では有名な、「加古川心筋梗塞事件」を巡る判決がある。2007年4月、神戸地裁の判決である。

これは、要するに、

治療できるかどうか分からない患者を受け入れて死亡させたら、受け入れた病院が悪い。

という判決である。事件の概要は、前記リンク先をご参照頂くとして、こんな判決がでたら、

重症患者を受け入れる医療機関が減って当たり前、と素人目にも分かる。

読売新聞ともあろう「大新聞」が、この判例を知らない訳がない。読者に公平・客観的な判断を可能ならしめるために、

こういう判例があったことも、付記するべきである。

ただ、数字を並べて、3.6パーセントが3回以上受入を拒否された。問題だ、と書いても意味がない。

受入を拒否した医療機関の拒否理由を、冷静に客観的に調べ、原因を分析し、それが例えば、救命医の不足によるのならば、

その状況を解消するためには、如何なる医療政策を取るべきかを提言する。

そこまでやるのがジャーナリストの本来の仕事である。

ただ、数字を並べ、
去年の「たらい回し」3.6%だった。問題だ。

ならば、小学生の学級新聞でも書ける。

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2009.03.04

「免疫抑えるがん細胞遺伝子=阻害薬で転移防止期待-慶大」←何だか小さい扱いだけど、すごい発見じゃないの?

記事:免疫抑えるがん細胞遺伝子=阻害薬で転移防止期待-慶大(3月3日2時14分配信 時事通信)

がん細胞が周囲の組織に広がったり、転移したりする際、免疫反応を抑えていることを

慶応大医学部先端医科学研究所の河上裕教授らが遺伝子レベルで解明し、

米医学誌キャンサー・セル電子版に3日発表した。がん細胞で働く遺伝子「Snail」を妨げる物質を見つければ、

浸潤や転移を防げる可能性があり、河上教授らは新薬開発を目指す。

がん細胞が浸潤、転移する際には、受精卵(胚=はい)が成長する過程で生じる「上皮(じょうひ)間葉(かんよう)転換」

と呼ばれる現象が起きることが、近年判明。河上教授らは、この現象で重要な役割を果たすSnail遺伝子をヒトやマウスのがん細胞株に導入し、

さまざまな免疫細胞と一緒に培養したり、マウスへ移植したりした。

その結果、同遺伝子の働き具合に応じて、周囲の免疫細胞の働きが抑えられることが分かった。


◆【為参考】Cancer Cell(電子版)に発表された論文の要旨(英文)

Cancer Cell電子版

http://www.cell.com/cancer-cell/

Volume 15 Issue 3 : March 3, 2009

Cancer Metastasis Is Accelerated through Immunosuppression during Snail-Induced EMT of Cancer Cells

(abstract)

Chie Kudo-Saito1,,,Hiromi Shirako,Tadashi Takeuchi and Yutaka Kawakami,,

Division of Cellular Signaling, Institute for Advanced Medical Research, Keio University School of Medicine, Tokyo 160-8582, Japan

Summary

Epithelial-mesenchymal transition (EMT) is a key step toward cancer metastasis, and Snail is a major transcription factor governing EMT.

Here, we demonstrate that Snail-induced EMT accelerates cancer metastasis through not only enhanced invasion but also induction of immunosuppression.

Murine and human melanoma cells with typical EMT features after snail transduction induced regulatory Tcells and impaired dendritic cells invitro

and invivo partly through TSP1 production.

Although Snail+ melanoma did not respond to immunotherapy, intratumoral injection with snail-specific siRNA or anti-TSP1 monoclonal antibody

significantly inhibited tumor growth and metastasis following increase of tumor-specific tumor-infiltrating lymphocytes and systemic immune responses.

These results suggest that inhibition of Snail-induced EMT could simultaneously suppress both tumor metastasis and immunosuppression in cancer patients.


◆コメント:本当はこういう記事は医学生とか医師が素人向けにブログ(でも何でも良いけど)解説してくれると良いんですが。

時事通信の記事に

「米医学誌キャンサー・セル電子版に3日発表した」

と書いてあるので、Googleで"cancer cell"を検索したら一発で見つかった。

これが、経済記事でフィナンシャル・タイムズかウォール・ストリート・ジャーナルだったら、訳すところだが、

流石に高度に専門的な医学的な研究のサマリー(要約)なので素人の手に負えない。英辞郎で、テクニカル・タームの日本語訳は分かる。

例えば、冒頭の"Epithelial-mesenchymal transition (EMT)"は、
上皮間葉移行{じょうひ かんよう いこう}◆【略】EMT

という日本語になることは分かる。しかし、「上皮間葉移行とは何か」が私には分からない。

英語を日本語にしても、ある「分からないこと」が「別の分からないこと」に形を変えただけである。

「上皮間葉移行とは」をGoogleで検索すると、約15,400件もヒットするが、殆どが専門家が専門家の為に書いた文章で、

素人が読んでも分からない。

だから、米国医学誌"Cancer Cell"(「ガン細胞」という意味ですな。それぐらいは分かる)を、

私が訳すことは出来ない。日本語で知識の無いことを英語で読んで判ったら奇跡である。


◆素人考えだが、ガンの転移の仕組みが分かったというのは、大発見なのではないのだろうか。

私はガン患者ではないが、身内(女房、子供ではない)の者が、12年前、乳ガンのステージ3で、

オペを受けたが既にリンパにも転移しており、5年生存率40パーセントだと言われた。


それまでにも、親戚や知人がガンで死んでいたから、これは引導を渡されたのだ、と覚悟を決めた。

が、人間の身体は不思議なもので、12年経った今も生きている。抗ガン剤との相性が余程良かったのであろう。

しかし、まだ、安心できない。ガン患者は、一応危険な時期を過ぎて生き残っても、定期的に検査を受ける。

いつ、「新しい転移が見つかりました」という、あの目の前が真っ暗になるような宣告を聞くことになっても、

不思議はない。ガンという病気は、最初の治療に成功しても、いつ「転移がみつかりました」と言われるか

全く分からない。患者はその恐怖と闘いながら、生きている。残酷な病気だ。

記事で報じられていることを、頭が悪く、理数系が大嫌いな私が、普通に読むと、

転移のメカニズムが解明された。遺伝子Snailが転移に関与しており、この遺伝子の活動を止めることが出来れば、

転移を防ぐことが出来る。ただ、

Snailの活動を妨げる物質を見つければ

と書かれている所を見ると、まだ、そのような物質は特定出来ていないのであろう。

そこまでは、分かった。

しかし、Snailの活動を妨げる物質を見つけるのがどの程度大変か、が分からないと、

この研究の意味がどの程度なのか、分からない。

それは、専門家と言えども、見当が付かないかも知れない。それならそれで、

そういってくれれば、
じゃあ、あまりすぐに「新薬」が開発されることを期待してはいけないな、

と素人にも、分かる。

医師や医学生は、忙しくて時間がない、という事情が勿論あるだろうが、それ以前に、プライドが非常に高くて、
こんな事、素人に分かってたまるか。

という気持が、まず最初に態度に出てしまう人がいる

(勿論、そうじゃない先生も大勢いる事は承知している)。

そういう医師の心理を、患者は敏感に察知するものなのだ。

が、あまり人をバカにするものではない。

医師にはならなかったが、なろうと思えばなれたであろう知能を持った「素人」もいるだろう。

医師や医学生が本研究について、どの程度の価値を持つのか、書いてくれるとありがたい。

仮定上の話として、もし私が医者だったら、ブログでこの記事に関して素人さん向けに説明してやろうか、

と考えるだろうと思うが、今のお医者さん、そこまでサービス精神無いですか。

それとも、かみ砕いて説明したくてもかみ砕けないほど難しいことなのだろうか。

そういう「気さくな専門家」が私の知る限り全然いないのが、やや残念。


ガンでも何の病気でも一番辛いのは患者本人に決まっているが、

末期ガンで、本当の末期で疼痛にのたうち回っている人を見舞うのは、

見舞う人間にとっても、拷問の様に辛い。

ガン治療が少しでも速く、進歩してくれることを、祈るしかない。

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2008.11.14

19年前の11月13日、日本初の生体肝移植が行われました。

◆毎年書いていますが、今年も書きます。忘れてはいけないことだからです。

人間の崇高で偉大な行為は忘れられるべきではありません。

デール・カーネギーが書いているように、世の中の殆どの人間は、1日の99%は、「自分の事だけ」を考えて

生きています。20年近く前に行われた、赤の他人の手術のことなどすぐに忘れてしまいます。

だから、私は殆ど毎年、この話を思い出して頂くべく、書くことにしています。

昨年と内容は全く同じですが、去年読まなかったが、今年は読んで下さる方もいるでしょう。

今日、初めて、この歴史的事実を知る人もいるでしょう。繰り返し、同じ事を書くということは、

大事なことなのです。今日、全国紙にざっと目を通しましたが、この話に触れている新聞はありませんでした。

テレビは、全て見るのは不可能ですので、或いは何処かのテレビが取りあげたかも知れませんが、私の見た範囲内では、

どのテレビ局も「19年前、日本初の生体肝移植手術が島根医大で行われた」ことを伝えていませんでした。

だから、私がやります。


◆そもそもの始まり。

移植手術の患者は、生後間もない杉本裕弥ちゃんでした。生後1ヶ月検診で黄疸がある、と言われました。

山口県玖珂郡和木町、岩国市のすぐ北、広島との県境で開業していた木村直躬医師に、

裕弥ちゃんのおばあさんが、そのことを告げました。1988(昭和63)年12月のことです。

木村先生はエコー(超音波)で、ただちに、杉本裕弥ちゃんが、先天性胆道閉鎖症という病気である、と診断しました。

先天性胆道閉鎖症とは、生まれつき胆汁が流れ出る道がふさがっていて、胆汁が肝臓へ流れていかないので、

黄疸が段々強くなり、しまいには、肝硬変で死に至る病です。


◆杉本裕弥ちゃんは、移植以前に、胆道閉鎖症の専門家による手術をうけましたが、上手く行きませんでした。

この世に生を受けて間もない赤ん坊が、可哀想なことに、何度も手術を受ける運命にあったのです。

木村先生の紹介で、地元山口県の国立岩國病院の小児外科により、胆管を何とか開く手術が行われました。

1度では上手く行かず、2度目の手術も失敗でした。

岩國病院の担当医から、木村先生(最初に裕弥ちゃんを診察した開業医の先生)の元に、手紙が来て、

「この子の予後はホープレス(望みがない)」とのことでした。残酷な宣告です。

それでも、裕弥ちゃんの家族は諦めませんでした。

木村先生に、何とか手段は無いか、と聞きました。先生は肝移植以外に道はない。といいました。

日本では、移植手術はタブーとされていました。

1968年札幌医大で行われた日本初の心臓移植手術の失敗が、その背景にありますが、その説明は省きます。

日本木村先生はオーストラリアの病院に問い合わせましたが、オーストラリアの病院は

「生体肝移植は難しくて無理だ。」という、つれない返事をよこしてきました。

しかし、木村先生も諦めませんでした。


◆木村先生は、「移植手術を頼むなら、島根医大の永末先生しかない」と考えました。

木村先生の頭に浮かんだのは、九州大学医学部の後輩で、広島赤十字病院で同僚だった永末直文医師でした。

木村先生は内科、永末先生は外科ですが、肝臓を専門とすることで共通していました。

木村先生がエコーで肝臓ガンを診断し、永末先生が切除可能な肝ガンの手術を6年間で200例も手がけていました。

木村先生は「生体肝移植を頼むなら、(島根医大に移った)永末君しかいない」と思いました。

永末先生は、最初あまり乗り気ではなく、オーストラリアの病院で手術を受けることを進めました。

これは、前述の通り当時の日本の医学界で「移植」という言葉はタブーだったのです。

このタブーを破った医師は、医師生命を絶たれる危険がありました。ですから、最初に永末先生が積極的ではなかったことも、

無理からぬことだったと言って良いでしょう。

ところが、木村先生は諦めませんでした。講演のため、広島に来た永末先生に会い、

とにかく裕弥ちゃんの診察だけでもしてくれ、と、頼みました。永末先生は引き受けました。

永末医師が初めて診る裕弥ちゃんは、黄疸が強く出ていて、溜まった腹水でおなかがパンパンに膨れて、静脈が浮き出ていました。

既に食道静脈瘤が出来ている可能性があり、これでは、いつ吐血してもおかしくない。

吐血しなくてもあと1ヶ月ほどの命、と永末先生は思いました。まだ、生後一年経っていない赤ん坊が肝硬変です。残酷な現実でした。

裕弥ちゃんの体力が移植手術に耐えられるか、五分五分だと考えました。


◆永末先生は裕弥ちゃんの家族にありのままを話しました。

永末医師は家族に客観的事実を説明しました。それは、


  • 正確なことは精密検査をしないと分からないが、移植手術は出来そうなこと。

  • 但し、島根医大の永末医師のグループでは生体肝移植の経験がないので、上手くいくかどうか保証できないこと。

  • 手術まで持ち込めても、裕弥ちゃんの全身状態があまりにも悪いので、手術に持ちこたえられずに亡くなる可能性も高いこと、


という内容でした。決して楽観出来る話ではありません。しかし、家族は必死でした。

永末医師は特に裕弥ちゃんの祖父政雄さんの言葉を強く覚えています。
このまま裕弥を死なせたら悔いが残ります。明弘(引用者注:裕弥ちゃんの父)の命に別状がないのなら、結果は問いません。是非手術をして下さい。

そして、政雄さんは、裕弥ちゃんの両親に言いました。
「明弘、寿美子さん。お前たちが両親なんだから、お前たちからはっきりお願いしなさい」

15秒ほどの沈黙の後、それまで寡黙だった明弘さん(裕弥ちゃんの父)が永末医師を正面から見つめ、言いました。
「お願いします」

その言葉に永末先生の気持ちが動きました。

「この人達は裕弥ちゃんを助けようと必死になっている。移植手術未経験だというのに、頼むという。

ここで失敗を恐れて背を向けたら、医師として最も大事なものを失ってしまう」と思ったのです。


◆永末先生は、島根医大第二外科全員に「この手術を断るぐらいなら、明日から肝移植の研究など止めてしまおう」と言いました。

永末先生の気持ちは固まりました。

当時永末先生は助教授でしたから、第二外科の部長中村教授の了解も取り付けました。

自分の研究室に戻った永末先生は、肝臓グループの医師たちに、裕弥ちゃんの生体肝移植を引き受けることにした、と言いました。

医師達は全員無言になりました。

「日本で初めての生体肝移植」であることに加え、裕弥ちゃんの症状が悪すぎる、と専門医たちは誰もが思ったのです。

スタッフが躊躇っているのを見て、永末先生は、言いました。

「赤ちゃんは死にかけている。責任は全て私が取る。目の前の赤ちゃんを救えないような研究なら意味は無い。もしこの移植を拒むなら、明日から移植の研究など止めてしまおう

第二外科の河野講師(当時)はこの言葉を聞いて、身体が震えたといいます。皆同じ心境だったことでしょう。


◆中村教授は「永末君、君は全てを失うかも知れない、本当にそれでいいのか?」と心配しました。

手術を行うことが決まってから、永末先生は、中村教授の部屋で何度も話し合いました。

中村先生は、心配していました。

「永末君。僕はもう13年もここの教授をしていて思い残すことはない。福岡へ帰れば済む。

しかし、君はこの手術で全てを失うかも知れない。僕はそれがいちばん心配だ。本当に君はそうなってもかまわないのか」

その都度、永末先生は答えました。
「先生。大丈夫です。誰かがやらなければならないことを、私たちがやるだけです。これで弾劾されたら、福岡へ帰って開業します」

この言葉は、決断―生体肝移植の軌跡という本(是非、読んでいただきたい)で永末先生自身が書いている言葉です。

しかし、本当はもっと悲痛な覚悟でした。

後年、NHKの「プロジェクトX」に出たとき、永末先生は、医師を辞めることさえ覚悟していた、と話しました。

「私は英語が得意なので、学習塾の英語の先生をすれば、食べていけると思ったのです」

淡々と語る永末先生を見て、私は心の底から、永末先生を尊敬しました。

これほど立派な医師を見たことがありません。

裕弥ちゃんの移植手術そのものは成功しましたが、その後、ありとあらゆる合併症が起きました。

そして、手術から285日後、1990(平成2)年8月24日、午前2時32分、亡くなりました。1歳9ヶ月の生涯でした。

家族は、手術とその後の肝臓チームのすさまじい努力、裕弥ちゃんを救おうとする苦労を目の当たりにしていたので、

チーム全員に丁重にお礼をいいました。後年、裕弥ちゃんの弟が生まれました。

母親の寿美子さんは、永末直文医師の「直」と裕弥ちゃんの「弥」をとり、「直弥」と名付けました。

島根医大第二外科が初めての生体肝移植をしたのを見届けるように、その後、京大、信州大が、数多くの生体肝移植を成功させました。

それはそれで、良いことです。

しかし、何と云っても、「最初にやる」ことを決断する勇気と覚悟は、2番目以降とは比べものになりません。

島根医大第二外科の英断と死にものぐるいの努力がなければ、こうした道は今も開けていなかったでしょう。

島根医大は、今は島根大学医学部になってしまいましたが、それはこの歴史的事実の価値に比べればどうでも良い。

永末先生とそのチームの偉業は、日本の医療の歴史に永遠に刻まれるでしょう。

永末先生が中心となり、当時の移植チームのメンバーが、思いを綴った本、決断―生体肝移植の軌跡を是非、読んで下さい。

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2008.10.26

「妊婦受け入れ拒否事件」を巡る報道の問題点。

◆記事:7医療機関で拒否、妊婦死亡=脳出血、1時間たらい回し-東京(10月22日12時43分配信 時事通信)

今月上旬、東京都内で出産間近に脳内出血を起こして救急搬送された30歳代妊婦が、7つの医療機関に受け入れを拒否され、

約1時間後に最終的に受け入れた都立墨東病院(墨田区)で出産したものの3日後に死亡していたことが22日、分かった。

墨東病院も最初に受け入れを打診された際、対応できる医師がいないとの理由で断っており、

都は救急搬送体制に問題がなかったかどうか調べている。


◆コメント:何でもかんでも医療機関が悪い、という先入観を与える報道は良くない。

記事で報ぜられている、妊婦死亡事件に関する医学的な所見を書くのは、素人の私には無理だ。

事件の全貌が分からないし、分かったとしても、それに対する医学的な判断は医学・医療の専門家で無ければ難しいだろう。


ただ、読者の方から教えて頂いたのだが、医療機関側にも事情はありそうだ。

「救急患者、何時でも誰でも、どんな状態でも何でも受け入れます」と下手に言えなくなってしまった判例がある。

医療従事者の間では、「加古川心筋梗塞事件」として、有名な事件・判例だそうだ。2007年4月、神戸地裁の判決である。

非常に、大雑把に書くならば、

治療できるかどうか分からない患者を受け入れて死亡させたら、受け入れた病院が悪い。

という判例なのである。

事実の概略を新聞記事から転載すると、
判決によると、男性(当時64)は03年3月30日、

自宅で心筋梗塞の症状が出たため、

午後0時15分ごろ、妻が同病院に連れて行った。

担当医師は同0時40分ごろ、急性心筋梗塞と診断して

点滴を始めたが、症状が変わらないため、

同1時50分ごろ、効果があるとされる

経皮的冠動脈再建術(PCI)が可能な

同県高砂市の病院への転送を要請した。



しかし男性の容体は悪化し、同3時35分ごろに

加古川市民病院で死亡した。

判決は「約70分も転送措置が遅れており、

医師に過失があると言わざるを得ない」とした。(2007年4月 朝日新聞)

神戸地裁の判決をうんと要約すると、

心筋梗塞に有効な治療は経皮冠動脈インターベンション(PCI)で、それが出来る施設がこの病院(加古川市民病院)にはなかった。

そこで当直医は、治療可能な病院に転送しようとしたが、データをそろえたり、必要な手続きをするのに70分かかった。

だから、患者は死亡した。早くPCIが可能な病院に搬送していれば、患者は90パーセントの確率で助かったはずだ。

従って、これは受け入れた、加古川市民病院の医療ミスだ。

というものだが、そりゃ、いくら何でも酷だ。というのが、専門家の言い分である。

「加古川心筋梗塞事件」をGoogleで検索すると、約17,900件の日本語ページをヒットするが、

多分、一番最初に現れる、健康、病気なし、医者いらずというブログを書いているドクターが、

「加古川心筋梗塞事件」について説明している文章は、素人が読んでも理解出来る。


加古川、心筋梗塞事件(心筋梗塞とは何か、から説明しておられる)。

加古川、心筋梗塞事件2(医学的見地から、判決の妥当性に疑問を呈しておられる)。

このドクターの所見は、循環器専門医でない当直医が心筋梗塞と診断するまで、25分。

これは、迅速な診断である、と。その後の時間の経過もやむを得ない。精一杯やっている。この判決は妥当性に欠ける、

というものである。

他のサイト(冷静に書かれたものだけ)も読んだが、大抵の医療従事者のネット上の意見は、その方向である。

客観的に冷静に述べるならば、私には、その医学的見解が正しいのか否か判断する能力が無い。

本当は、もっと時間を費やして色々な人の意見を読まなければならないだろう。

より詳細を知りたい方は、ご自分で調べていただきたい。


但し、私には事件と判例の妥当性を医学的に判断する能力は無いけれども、常識はある。

こういう判例が出たら、「うっかり、患者を受け入れたら大変だぞ」と、医療機関が防御姿勢を取っても無理はない。

それに関して、違う考え方をなさる読者もいらっしゃるだろう。しかし、こういう判例があったこと自体は、広く知られるべきである。


結論。

今回の妊婦受け入れ拒否事件で、新聞・テレビは例の如く、「医療機関が悪い」という印象を大衆に与える方向で、報道しているが、

「加古川心筋梗塞事件」(他にも同様の判決が有るかも知れないが、現時点では私は知らない)のことも

参考情報として提供しなければ、報道の公平性に欠ける。

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2008.08.29

家人の体調が夜中に急変(?)したので、日記の更新は休みます。

◆少々、取り込みがありまして。

相方の体調が良くない。3週間も生理が遅れている。

今週初めに、近所の産婦人科の診察を受けたところ、生理不順は疲れの蓄積など

が原因で、間もなく生理になるだろうことが判明した。


ところが、その際に子宮筋腫が見つかった。子宮筋腫自体は珍しいものではない。

しかし、医師によると「これだけ大きい筋腫は珍しい」という。

出血や痛みなどの自覚症状が無かった為、生理不順で診察を受けなかったら、

発見されなかったであろう。

家内は私と同い年でもうすぐ48になる。この年齢、つまり閉経期に向かって、

女性の身体にはいろいろ、問題が起きることは承知しているので、私は特に狼狽しなかった。

ただ、今まで子宮癌検診を受けたことが無かったので、同時に受けた。

結果が出るのは2週間後(再来週の月曜)である。


いつも思うが、「検査の結果が出る」まで、何故何処の病院でも何科でも「2週間」なのだろう。

本当はもっと早く結果が分かっているケースもあるだろう。

そういうときには、異常があってもなくても、早く教えてくれないだろうか。

素人にとって、「結果が分からない二週間」は、精神的に拷問に等しい。

今夜、その家内が、急に腹部の強い痛みを訴えた。自力で歩けているから「激痛」というほどではない。

また、消化器系の痛みではない。

今まで、痛みなど無かった子宮筋腫が原因で、痛みが出ることがあるのだろうか。

とりあえず消炎鎮痛剤イブプロフェンを通常の倍量、飲ませた。


◆夜中に家族に病人が出るのは初めてではない。だが嫌なものだ。

面倒くさいからではない。

死んだ親父を思い出すのである。

父は晩年、恐らく血管が非常に脆くなっていたのであろう。

死ぬ五年ほどまえ、夜、鼻血が止まらなくなり、洗面器が一杯になるほど出血が続いたことがある。

こういう話をすると医師は大抵、

「いや、鼻血ってのはね。大量に見えますが唾液などが混じっているから実際は大したことないのですよ」

という。違う。明らかにものすごい鼻腔内出血だった。トイレで倒れた。

救急車で新宿の東京医科大学病院の救急に搬送された。

診察台に座った時、痙攣を起こした。恐らく脳梗塞の軽いものだったのだろう。

その時は命は助かったが、あの時の恐ろしさは忘れられない。

暫く無事だったが、1992年12月26日、父は脳梗塞を起こし、最初は近所の病院に搬送され、

後に慈恵医大病院に二ヶ月ほど入院した。最初は少し麻痺があったが、ほぼ元通りになった。

しかし、遂に、1993年8月下旬の真夜中、離れたマンションに住んでいた(既に私は結婚して子供がいた)私に、

母から電話があった。また倒れ、救急車で比較的近くの個人経営の総合病院に搬送されたという。

私は車を飛ばした。病院に到着したら、いきなり当直の脳外科の女医から、
「危ない状態です」

と言われた。ここでは治療が困難だからといって受け入れ先を探し、東京女子医科大学のICUに運ばれた。

こういう時の不安な気持ちは経験しないと分からない。私は朝まで一睡もしなかったが眠さを感じなかった。

折悪しく、私はその直前、ロンドン勤務の内示が出ていた。どうしようか迷ったが、父が行けといった。

後ろ髪を引かれる思いであった。数年後、父は再び脳出血を起こして他界した。私は死に目には遭えなかった。


家内はそんな重篤ではないが、要するに夜中の病人というと、親父を思い出すのだ。

だから、とても落ち着かない気持ちになる。加えて私はうつ病である。不安系のうつ病である。

下手をするとパニック発作を起こすから気をつけなければならない。

当分眠れそうにないが、天下国家を論じる気分にもなれない。

これほど、私事を並べるのは(最近ちょっと増えているが)稀なことなので、

ご勘弁いただきたい。

もしかすると、筋腫をオペで取るかも知れない、そうすると暫くバタバタする。

ただ、筋腫だけについてオペをやると決まったわけではない。ただし、検査の結果、

悪性肉腫(要するに、ガン)が見つかったら、間違いなくオペだから、そうなると、

ちょっと厄介だ。日記の更新が滞る日が増えるかも知れない。

まだ、検査結果が出ていないのに、このようにクヨクヨ考えるのは、私の性格である。

読者諸氏に、事情をご説明いたしたく、稿を上げた。今のところ(2008年08月29日(金)01時25分)、

痛みがおさまってきたのか、静かだ。

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2008.08.27

「超党派議員、法相に“大野病院事件”の控訴断念を要請」←「控訴反対」には賛成ですが、国会(立法府)が司法に介入してはいけません。

記事:超党派議員、法相に“大野病院事件”の控訴断念を要請(8月27日10時52分配信 読売新聞)

超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」の尾辻秀久会長(元厚労相)らが27日午前、保岡法相と法務省で会い、

福島県立大野病院で起きた医療事故で業務上過失致死罪などに問われた産婦人科医に無罪判決が出た裁判での控訴を断念するよう要請した。

議連は「事件後、ハイリスクな医療では刑事訴追される不安がまんえんし、産科空白地帯が急速に拡大した。

控訴がなされないようお願い申し上げる」とする要望書を法相に手渡した。保岡法相は「(控訴については)現場の判断に任せる」と述べた。


◆コメント:やたらと何でも医師を訴える風潮には私も反対ですが、この記事に書かれた事実は良くありません。

医療裁判がやたらと増えて、しかも被告人(医師側)が敗訴する判例が後を絶たない。

このため、医師になろうとしている学生が、外科、産婦人科、小児科など、訴えられるリスクの大きい、

しかし、医療上の需要としては大変大きい専門医を希望せず、比較的(比較的ですからね)「無難な」

眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、形成外科を経て美容形成外科などを希望する、というニュースは、随分と前から、

報道されている。


本当は、判決に関して評価を下すならば、起訴事実を丹念に調べ、専門家である医師の意見を聞いてから、

こういう記事を書かなければならないのだが、残念ながら、私にそこまでの余裕は無い。

甚だ安直ではあるが、ウィキペディアで、福島県立大野病院産科医逮捕事件の記述を読んでみた。

簡単に結論を出し過ぎかも知れないが、ウィキペディアの記事にもあるとおり、

本来、医療行為のもたらす結果を完全に予見することは不可能なのであるから、

産婦が死亡した事実は甚だ同情に値するものの、このような「結果論」で医師が告発されるようなことが続いたら、

確かに、産婦人科の医師になろうとする者が激減しても不思議はない。


従って、福島地方裁判所が8月20日に下した無罪判決は妥当であると思われる。


◆但し、国会議員は立法府の成員であるから、これが法相を訪ねて「控訴するな」というのは三権分立の大原則に抵触する。

だから、私は記事に書かれている、「超党派の『医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟』」が提出した

「要望書」(これも本当は中身を読んでみなければいけないのだが)と、意見の方向性が同一である。


しかしながら、「国会議員の連盟」は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関(日本国憲法第41条)である「国会」、

即ち、立法府の成員である。

彼らが法相を訪れて要望書を提出したということは、本件担当検事に控訴を断念するように、法相から命じろ、と、

主張していることになる。

これは、近代国家の大原則、「三権分立」に抵触している。「立法府」が「司法府」の決断に圧力をかけていることになる。

繰り返すが、要望書の内容は、多分妥当なものであろう。

だが、民主主義においては手続き、原則を無視してはいけないのである。

控訴するかどうかは、司法自身の判断に委ねられるべきである。

これは少しも難しい話ではない。「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」は、

それぐらいのことが、分からないのだろうか。

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2008.08.05

「新型インフルエンザ対策、医師らに大流行前ワクチンの接種開始」←6,400名もの医療従事者に接種して良いの?

◆記事:新型インフルエンザ対策、医師らに大流行前ワクチンの接種開始(8月4日20時26分配信 読売新聞)

新型インフルエンザ対策を検討している厚生労働省の研究班(研究代表者=庵原俊昭・国立病院機構三重病院長)は4日、

医師ら6400人を対象に大流行前(プレパンデミック)ワクチンの接種を始めた。

有効性や安全性を確かめる臨床研究の一環で、大流行時に最前線で働くことになる医師や検疫所職員らを対象に、

全国約60病院で10月ごろまで順次接種し、来春をめどに結果をまとめる。

この日、都内にある協力病院の一つでは、医師や看護師ら59人が上腕部に接種した。

大流行前ワクチンは、新型インフルエンザに変異する可能性がある強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を基に作製されたもの。

有効性と安全性が確認できれば、警察官や電力会社職員など1000万人に接種する方針。


◆コメント:素人でも明らかに「?」と思うこと。

ある病気のワクチンとは、その病原体の弱いものであり、これを身体に注入すると、

人体はそれに対抗するために「抗体」を作る。それによって、以後、その病気に対する免疫が出来る。

これが「予防接種」である。

だから論理的に言えば、新型インフルエンザのワクチンは新型インフルエンザが発生するまで作ることは出来ない。

新型インフルエンザとは鳥インフルエンザが、ヒト-ヒト感染するように変異したものを想定している。

こうなったら世界中で何百万人とか何億人とかの死者がでるという。

そして、新型インフルエンザが発生してから、それを元にワクチンを生産するのには、6ヶ月はかかるのだそうだ。

それが出来るのを待っている間に、どんどん人が死ぬ。


だから、現在存在する鳥から感染した事例のあるウィルスを元に、

これが変異したら、こんなウィルスになるだろう、と見当をつけて、

新型インフルエンザに効くかどうか分からないが、とりあえず作ってみたワクチンで、

こういうのを「プレパンデミックワクチン」というのだそうだ。

新型インフルエンザに有効かどうかは、繰り返すが新型インフルエンザが発生するまでわからないから、

今回、6,400名の医療従事者に、ワクチンを接種したのは、安全性を確認するのが主な目的だろう。


そこで、私は医学の素人ではあるが、ふと考える。

もしも、この「プレパンデミックワクチン」が「安全でなかったら」極端に言えば6,400名の医療従事者が床に伏すことになるでしょ?

そうしたら、大変じゃないですか。全員に副作用が出るとは思わないけど、少なくとも一時的に働けない医療従事者が続出するのである。

安全性の確認だけならば、(繰り返すが有効性の確認は、新型インフルエンザが発生するまで、出来ない)

これほど、大規模な臨床試験をする必要があるのだろうか。万が一、高確率で重大な副作用が出現して、

ドクターやナースがバタバタ倒れたら、医療現場の混乱に対して、厚労省は責任をとりようが無いではないか。

どうも、厚生労働省の役人の考えることは、いつも頓珍漢で良く分からない。

なお、この件に関しての詳しい説明は国立感染症研究所・感染症情報センターのサイト

インフルエンザ・パンデミックに関するQ&Aの、

Q12. 新型インフルエンザ用のワクチンは現在ありますか?に、載っている。

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2008.06.17

日本にも、昨日書いた中国のような医療崩壊寸前地区があります。よろしければ署名を。

◆病腎移植を巡る攻防。

腎臓病を患うと人工透析を受けるが、あれは大変な負担なのである。

私の職場にもいるが、週3回、会社を早退し、3時間か4時間の透析を受けなければならない。

「透析を受け続ければ、問題ないんだろ?」

と考える人が多いが大間違いで、とにかく気の毒なのは、食餌制限である。

塩分は控えねばならない。腎臓の機能が弱っていて、尿がよくでないから、

酷暑の日でも水分をがぶがぶと思い切り飲むことが出来ない。

タンパク質の取りすぎも(原理は知らないが)腎臓に悪い。焼き肉なんか沢山食えない。

更に、腎臓は血液中の電解質のバランスを保つ機能を持っているが、それが出来ない。

腎臓病患者にとり、電解質バランスが崩れるのは命取りである。

だから、カリウムなどを多量に含む果物もあまり食べられない。例えばバナナはカリウムを多く含むので、

大量に食べたら高カリウム血症になり、極端な場合、命が危ない。

こんな調子だから、長期の旅行も出来ない。美味いものを腹一杯食うことも出来ない。


あなたの学校や職場に腎臓病の人がいたら、「どこそこの店の料理が実にうまかった」

などという話は、その人の前でするものではない。残酷だ。


◆透析患者が苦痛から逃れるためには移植しかないが、提供者が実に少ないのである。

透析患者が毎週何度も透析に通わず、健康な頃と近いような生活を営む為には、

腎臓移植を受けるしかない。ところが日本では、生体腎移植も死体腎移植もドナー(提供者)が極めて少ない。

因みに透析の患者と移植を受けた患者の平均余命はこれほど違うのである。

年齢    血液透析(平均生存年数)   腎移植(平均生存年数)

15歳~19歳  男 24.8年 女 24.6年   男 46.1年 女 47.0年

20歳~24歳  男 21.5年 女 21,6年   男 41.9年 女 43.0年

25歳~29歳  男 18.5年 女 18.9年   男 37.6年 女 38.9年

30歳~34歳  男 15.5年 女 16.3年   男 33.3年 女 34.7年

35歳~39歳  男 13.0年 女 13.8年   男 29.2年 女 30.9年

40歳~44歳  男 10.8年 女 11.8年   男 25.3年 女 27.3年

45歳~49歳  男  9.0年  女  9.9年    男 21.8年 女 23.8年

そこで、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らは病気で取り出した腎臓を、移植する手術を行った。

移植を受けた患者は皆、「病腎移植」でも経過は良好で、誰一人万波医師を訴えていないのに、日本移植学会はムキになって

病腎移植に反対した。

反対している日本の学会とは裏腹に、万波医師らの病腎移植についての論文は、

アメリカ移植学会(ASTS=American Society of Transplant Surgeons)から高い評価を受けた。

その話は、昨年11月に書いた

万波医師らの論文は最も優れた論文10本に含まれたのだ。


それにも関わらず、リンク先の記事を読んで頂くとわかるが、日本の移植学会は、万波医師らの所属する宇和島徳洲会病院での

腎臓移植は全て不適切と決めつけたのみならず、何と、今年2月、万波医師の保険医登録の取り消しと、

同病院と万波医師の前任地だった市立宇和島病院の保険医療機関指定を取り消す方針を固めた。
◆記事:病気腎移植:万波医師、保険医取り消しへ 勤務先2病院も処分--厚労省(毎日新聞 2008.02.13)

愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院の万波(まんなみ)誠医師(67)らによる病気腎移植問題に関連し、

厚生労働省は、万波医師の保険医登録の取り消しと、同病院と万波医師の前任地だった市立宇和島病院の保険医療機関指定を取り消す方針を固めた。

監査の結果、診療報酬の不正請求などが確認されたため。

これがどれほど無茶苦茶な行政処分かわかるでしょう?

私はそうは思わないが(万波医師の移植を受けた患者で万波医師を訴えている人は一人もいない)、

百歩譲って万波医師の手術に問題があったとしても、彼が属していた病院全体を保健医療機関指定から取り消すとはどういうことか。

腎臓病と関係のない患者まで、宇和島病院の外来治療を受けたり、入院している患者は全額自己負担になるのだ。

昨日の記事に書いた中国の医療体制と同じことになるのだ。治療費を払えなくて、治療を諦めざるを得ない人が必ず出る。

こんなことが、わが国であっていいのか。厚労省の決定に正当性は全く認められない。


◆処分は実行されていないので、保健指定取消の取消を求める署名運動が続いている。

署名の用紙は、宇和島徳州会病院のサイトから署名用紙印刷して署名し、郵送する。

宛先は、

798-0003

愛媛県宇和島市住吉町2-6-24

宇和島徳洲会病院患者の会 事務局 池田 宛

とのこと。

改めて書くまでもないが、こういうことは、勿論、各自の自由意思で決定されるべきことだが、

私は、署名を10人分集めました。明日(17日)送ります。

厚労省の宇和島病院に対する処置は絶対許せない。病腎移植は移植の先進国アメリカですら評価されている。

それを、前例がないことはダメ、と言いたげな移植学会と厚労省が、スクラムを組んで邪魔をしている。

そして、あろうことか、全然関係の無い患者まで、医療保険が使えないようにする、という、

陰湿な「おしおき」をしようという。こんなことを一度認めたら、大変なことになる。

後は、読者諸氏のご判断にお任せする。

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2008.06.16

NHKスペシャル「激流中国 病人大行列 ~13億人の医療~」視聴後雑感

◆番組概要:激流中国病人大行列 ~13億人の医療~ NHK より転載。

NHKスペシャルの番組サイト

(なお、この番組は、同サイトによれば、2008年6月17日(火)深夜【水曜午前】0時55分~1時44分総合 で再放送される。

興味のある方は録画してご覧になることをお薦めする。)

市場経済化が加速する中国で、今、政府自ら、最も取り組まねばならない課題としているのが「医療」問題である。

激流中国では、北京の大型病院に密着し、その現実を浮き彫りにする。

私たちが取材した公立病院には、連日、全国から大勢の患者が押し寄せる。診察を受けるのは二日がかり、徹夜で並ばなければならない。

なぜそうまでしなければ、診察を受けられないのか?医療制度はどうなっているのか?

かつて中国は、国家が医療費を負担し、医療サービスは無料だった。

しかし制度の見直しで、利用者負担へと変わり、保険制度の整備も遅れているため、医療費が患者に重くのしかかるようになった。

一般の人々が病院に行くのは、いよいよ症状が悪化してからで、地方の病院等ではとても手に負えず、こうした大型病院で診てもらうしか手がないのだ。

しかも医療費が、患者家族にとって“破産する”ほど高額となるケースも頻繁に起きている。

一方、制度見直しによって、病院は独立採算となり、優れた医師や医療設備を導入し、大勢の患者を集めることのできる病院だけが生き残れるようになっている。

こうした“医療格差”がますます拡大する中、患者家族、そして病院、「それぞれ」をつぶさに記録した。


◆コメント:北京の有名病院の診察を受けるために徹夜で800人が毎日並んでいる。

冒頭から中国の人には悪いが、中国に生まれなくて良かった。

これまで、私は日本の医療行政、社会福祉行政について、こうした分野に国家が資金を援助することは義務的支出であり、

これを減らすことを決めた小泉内閣と、その流れを受け継ぐ福田内閣の方針は間違っている、と述べたことが何度もあるが、

ますます、その考えが強まった。

上の番組サイトの説明にもあるように、かつては中国でも医療費は国家が負担しているが、今や、個人の負担である。

そして、周知に通り、自由主義経済の導入により、中国国内の貧富の差は日本とは比べものにならないぐらい激しい。

日本並みの高度な医療を受けることが出来るのは、都市部で商売に成功した金持ちか、例によって政府の要人とその家族ぐらいである。

今日の番組では、北京から700kmも離れた、安徴省(あんきしょう。中国地図で場所を見て下さい)で農家を営む、

ある一家を取りあげていた。梨農家である。一家の主が出稼ぎで得る収入を含めても、年収は15万円ほどである。

ところが、番組サイトに映っている、この医者が院長を務める北京の同仁病院は、

容赦なくカネをむしり取るのである。


◆地方の貧しい家庭で病人がでるとどうなるか。

安徽省の一家の小学生の男の子の左目の具合がおかしい。最初は村の医者に診て貰ったが、医療機関とは言えない。聴診器と体温計と血圧計しかないのだ。

日本でいう健康保険が無くなってしまったので、日本で言えば全額自己負担。薬はあっても誰も高くて買えない。

あるオバサンなど、盲腸だと分かっているのに、手術など受けられない(施設もないし、都会の病院に行くカネもないから)。

薬で散らしていたが、あんなのを放っておいたらやがて、虫垂に膿が溜まりすぎて破裂し、腹膜炎を起こすだろう。そうなったら、

手術なんかできないのだから、いっかんの終わりだ。


それはともかく、子供の目の病気が何なのか村の医者では、装置もないから診断できないといわれた。

親子三人は北京の同仁病院へ向かい、氷点下8度の中、夜通し並んだ(可哀想に・・・)。

診察料は前払いで、まずは診察券を買わなければならない。

地方から患者がどんどんやってくるので、なんと、朝5時、真っ暗な時間、極寒の中、800人の患者が、病院が開くのを待っているのだ。

それでも、人気のある医者の診察券はあっと言う間に売りきれる。買えなかったものは、また24時間待つのである。

これだけで、病気が悪くなる人が当然出るだろうが、中国人である。医者と言えどもカネには貪欲だ。先にカネを払わなければどうしても診て貰えない。

安徽省の子供は眼科医の診察を受けることができた。診断を告げる医者の冷淡なこと。

「手遅れですね。左目が網膜剥離です。左目は失明します。せめて右目を大事にするために、レーザー治療を受けることを薦めます」

にべもない。これでも医者か。途方に暮れる母親。今の診察だけでも高い診療費を払ったのに、

レーザー治療を受けるにはまた、別にカネがかかる。日本円にすると4500円だが、

これは、この一家の一ヶ月の収入に匹敵する大金なのだ。しかし、子供の目が心配な親はレーザー治療を受けた。

そこで、又技師の言葉の残酷なこと。
「2週間後に検査をしますから、また来て下さい」

と、無表情に告げる。今度は1万4千円かかる。2週間後までに、この一家は費用を工面できず、そこらじゅうから借金をしまくって、

予定より、3週間も遅れて、再検査を受けた。幸い右目のレーザー治療は成功だった。

実は、一家には、2年前脳梗塞で倒れたおばあさんがいる。この時も莫大な医療費がかかり、蓄えていた金は使い果たし、借金をしていたのだ。

そこに加えて子供の病気で、また親戚中から借金。お母さんは途方に暮れていた。


◆同仁病院「VIP専用病棟」の唖然とするほどの豪華さ。

一方、同仁病院の院長は、さすが中国人。医者としての腕は知らぬが、病院経営の手腕(金儲けの算段)は見事なものであった。

一般庶民は、徹夜で並ばせていながら、貧乏人用とは別の、VIP用病院を作っている。

ここでの医療費は、一般人の20倍であるが、前述したような金持ちや、政府要人などにとっては、大した出費ではないし、

徹夜で並ばなくて済む。

高い金を払うだけあって、VIP病棟はまるでホテルのようだ。病室は綺麗だし、高級レストランもファストフードもなんでも手に入る。

患者一人に専属の看護婦が付き、診療は院長自ら行い、4~5人の腕の良い医師のチームが丁寧に応対する。

院長は野心家だ。辺りの土地を買い取り、集合住宅や医療介護付き老人ホームを造る不動産事業を計画している。

それによって得た収益で、更に富裕層にターゲットを絞った、豪華な病院を建設するのだという。

はっきり言って、この院長の頭の中には、地方ではどうしても受けられない医療を受けたくて何日も徹夜で待っている患者はどうでも良いのだ。


◆国家の義務的支出を極端に削るとどういうことになるか、という悪い見本だ。

書き忘れたが、同仁病院に急患が救急車で運び込まれた。急に家で倒れて意識がない、という女性。

病院に到着するなり、救急車の乗員が患者の家族に

「救急車代を払って下さい」

・・・・・。

ICUで検査を始める前に、看護婦が、患者の家族に、
「診察料を払って下さい」

・・・・・。

全て前払いなのだ。尤も、民度の低い国民だから、後払いにすると、払わないで逃げてしまうものが多いらしい。院長が言っていた。

全体を総括すると、中国人はとにかく13億人もいるから、全員の医療費の全額を国家が負担するわけにはいかないだろうが、

かつては医療費は無料だったのに、いきなり、全額自己負担にしてしまったのは大失政である。

人間には平和的生存権があるのだ、という基本認識が無く、はっきり言えば、
貧乏で、治療費を払えない人は諦めて死んで下さい。

が、中国政府のホンネであることは明らかである。ただ、これに対して国民の堪忍袋の緒が切れる寸前なので、

何とか、方法を考えなければ、と国家の中枢部がやっと動き出したところだ。

やはり、あの国はまだ発展途上国だ。

今日のテレビを見て、日本に生まれた好運を有難く思った。

但し、だからといって、小泉路線の医療制度改革を許すべきではない。黙っていたら、

極端な話、日本も中国と同じようなことになりかねない。後期高齢者医療制度、その他、

医療行政に異議のある人は、次の衆議院選挙で与党を大敗させましょう。

我々の意思表示が最も明確に現れるのは選挙しかないのだ。

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2008.05.25

「<療養病床>削減を断念『25万床維持必要』厚労省」←厚労省。最初から「必要」と知りながら削減しようとしただろう。

◆記事:<療養病床>削減を断念「25万床維持必要」 厚労省(5月24日15時0分配信 毎日新聞)

長期入院する慢性病の高齢者向け施設である医療型「療養病床」(25万床)を11年度末までに4割減らす計画について、

厚生労働省は削減を断念し、現状維持する方針に転換した。都道府県ごとに需要を調査した結果、25万床前後の確保が必要と判断した。

厚労省は療養病床削減により医療給付費を3000億円削減する方針だったが、今回の計画断念で高齢者の医療費抑制政策全般にも影響を与えることは必至だ。

政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、

医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、

そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。

しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。

「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた。

このため厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、

都道府県を通じて実情調査。必要とする療養病床数を積み上げたところ、当初計画を7万床上回る約22万床に達することが判明した。

一方で削減対象から外したリハビリ病棟は今後少なくともいまの1.5倍、3万床程度は必要になるとみられている。

需要数を合わせると現状と同じ25万床前後となり、削減計画の見直しに追い込まれた。


◆コメント:この記事をよく読むと、厚労省はとんでもないことをしていることが分かる。

いいですか。医療行政、本当にいい加減ですよ。

記事の中から指摘する。

政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、

医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、

そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。

06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」としてとあるが、「半分は治療の必要がない」とした根拠は何だったのか。

必要の無いケースも中にはあっただろうが、それがちょうど全体のぴったり半分である訳がない。

要するに、「半分ぐらいはいらねえんじゃないの?」といういい加減な、「見通し」だろう。

その結果、
しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。

「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた。

いきなり、介護型療養病床を全廃したら、こういうことが起きるのは、目に見えている。

このように、「これを実行したら困る人が出る」ことを承知しながら、本当に実行するのが厚労省の施策にたびたび見られる傾向である。


それで、余りにも国民の不満の声が高まったので、泡を食って、
厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、

都道府県を通じて実情調査。必要とする療養病床数を積み上げたところ、当初計画を7万床上回る約22万床に達することが判明した。

これは、何を意味するか。

前述したとおり、「入院している人の半分は治療の必要がない。」と宣言した時点では、調査していなかった。ということですよ。

最初から、入院している人の実態を調査すれば、22万の療養病床が必要であることが、分かった筈である。

毎日新聞は、事実を淡々と書いているが、それが大問題であることを強調するべきなのだ。全く役に立たねえな。

新聞が書かないから、私が書く。

序でに書き加えるならば、この件とか、後期高齢者医療制度とか厚労省の医療費の国庫負担削減に向けた強い姿勢は、

紛れもなく小泉純一郎元首相の置きみやげである。奴が厚労相になったとき、各種健保の窓口本人負担が1割から2割になった。

首相のときに、2割から3割になった。このときは、当時の坂口厚生労働大臣が、健康保険財政には余裕があるからその必要はない、

と反対したのに、上げたのである。とにかく、小泉はコイズムという本を読むと分かるが、医療費の国庫負担を引き下げたくて仕方がない人間なのである。

どうしてここまでムキになるのか、それは分からない。ただ、小泉政権時代に方針として打ち出したことがそのまま安倍晋三→福田康夫に、

引き継がれている。福田康夫に、「どうしても後期高齢者医療制度が必要である理由を合理的に説明せよ」と尋ねても、

多分、説明出来ないだろう。

結論。今の医療費の国庫負担削減を目的とする諸制度改悪は、合理性が無いものが殆どだ、と見ていい。

第一「国庫」の財源は何ですか?税金でしょ?その税金を納めている国民が困るような税金の使用方法(必要なところに使わないこと)が、

認められて良いはずがない。

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2008.05.05

毎日新聞社会部「精神医療取材班」への四度目のメール全文

◆毎日新聞社サイト「お問い合わせ」フォーム経由で送った四度目のメッセージ全文

JIRO(注:実際は実名を記載)と申します。この件について4回目のメールになります(前回は2月11日に送りました)。

私が述べたいことは過去3回と同じですが、繰り返します。

御社・社会部・精神医療取材班(←まだ、存在するのですか?)は過去数年に亘り、盛んに「反・リタリンキャンペーン」をおこなっていました。

その甲斐があって(?)昨年10月26日を以て、リタリンの適応はナルコレプシーだけになりました。



御社は大得意でしょうが、それまで、リタリンを正しく服用していた遷延性・難治性うつ病患者は大変に困っています。

私もその一人です。今だに困っています。ある薬物を処方される者の一部がこれを濫用したからといって、

正しく服用している者に対してまで、処方を禁じるのは、まちがっています。



この決定を下したのは、最終的には当然厚労省です。

しかし、そうなるきっかけは、販売元のノバルティス・ファーマが、「リタリン乱用」による「社のイメージダウン」を怖れ、

自ら、「リタリンの効能から、難治性・遷延性うつ病」を外したいと申し出て、薬事審議会がこれを了承したからです。

そして、彼らをそのように行動させたかなりの部分は、毎日新聞の報道に原因がある、と、私は考えます。

何故なら、リタリンを正しく使っている場合の効果は全く取りあげず、一部極端な濫用者のケースを誇大に取りあげたのは、

毎日新聞社会部、精神医療取材班だけだったからです。



はっきり申し上げますが、御社の報道は偏向しています。

前々回、御社にこの欄からコメントを送ったのは昨年の12月6日です。

その前日、複数の遷延性・難治性うつ病患者が、リタリン製造販売元のノバルティス・ファーマが、

リタリンを処方出来る医師・薬局を登録制にすることに対して、東京地裁に仮処分の申し立てを行いました。

12月6日のコメントでも書きましたが、少なくとも全国紙のうち、読売、朝日は、この事実を報道しました。

ところが、「リタリン報道」に関して最も「熱心」だった御社は、この事実を無視しました。

患者が裁判所に仮処分を申し立てるということは、ただ事ではありません。

これは、真面目にリタリンを服用していた患者が、処方をうけられなくなっていかに困っているか、を端的に表す重要な事実です。

にも関わらず御社が彼らの行動を報道しなかった合理的な理由を教えて頂きたい。

それが私の12月6日のコメントの内容でした。

この問いに対して、御社からは、五ヶ月経っても何の返事も頂けません。

これはどういうことですか?

答えられないのでしょうか?

都合が悪いから無視しているのでしょうか。



2007年10月29日の毎日新聞紙面に掲載された「開かれた新聞:委員会から 10月度」を読むと、

「開かれた新聞委員会」各委員の批判的コメントが載っています。

◇効果と副作用のバランスを--柳田委員

一部の精神科医が十分な診断をしないで向精神薬を処方している実態を、報道によって告発することは重要だ。しかしその場合も、精神科の診療、特に薬物療法の全体的な状況や、効果の出ている患者の実態などについて、十分に目配りの利いた記事を構成すべきであろう。そうしないと、効果の出ている患者を混乱させることになりかねない。薬は効果と副作用のバランスをどうとるかが重要。特に精神疾患やがんなど、薬の使い方が難しい分野ではそのバランスの問題をおさえて議論していることがわかるような記事にしてほしい。

◇ずさんな診療実態、浮き彫り--田島委員

リタリンをめぐる一連の毎日新聞の報道は、この問題の現状と背景を多面的に伝えていて有益である。特に、依存症の遺族や凶悪事件への発展のケースなども含む乱用実態や、ずさんな処方を繰り返す医師や医院の診療実態が丁寧な取材によって浮き彫りになったと思う。遺族取材などにより、うつ病への適用を容認してきた国の対応の遅さも指摘しているが、今回の流通制限などの改善にとどめず、製薬会社や薬事行政の構造的な問題など掘り下げた解明も望みたい。他方でリタリンの効用、服用患者への配慮にも続報が欲しい。

◇「救われた人」への配慮必要--玉木委員

毎日新聞の一連の記事は、覚せい剤の代用品として使われることを知りながら、安易にリタリンを処方する病院に警告を発し、併せて依存症の怖さを知らしめるものだ。重要だが、それだけだと、リタリンが覚せい剤同様の恐ろしい薬品という印象になる。実際にリタリンを服用している患者には、ショックも大きいだろう。もちろん、リタリンの適正な処方で救われた人も多いはずだ。そういう観点からのフォロー記事がないのは、やはり配慮に欠けているように思える。「偏っている」という読者の批判を重く受け止めるべきだ。

◇重要な報道、全体像の整理を--吉永委員

向精神薬リタリンの一連の記事は、さまざまな問題点を明らかにしたが、提起される事柄が多岐にわたっていて多少混乱したことは否めない。薬そのものの依存性の問題、処方の安易さの問題、安易に処方する医師の問題、乱用する者の問題、医師法や医師の処方権の問題、うつ病に使用される日本の問題などが次々に提示され、部分的に読んだ場合、全体像がつかみにくい。そのため正しく処方された場合の効能に誤解を生んだ。重要な報道内容でもあり、きちんと整理してまとめた形の特集でも組んでほしい。

(注:水色文字は引用者による)

いずれの委員も、リタリンを正しく服用していた患者に対する配慮が欠けているという趣旨の意見を述べています。

これに対して、毎日新聞は
◇有効な防止対策を追求

リタリンの乱用による副作用被害は極めて深刻です。その背景には、患者を多く集めるために安易に処方する一部の医療機関の存在があります。リタリンをはじめ、向精神薬の乱用に歯止めをかけるにはどうしたらいいのか、医療機関や製薬会社、行政に有効な対策を求めていくことが報道の狙いです。80年代以降、リタリンが、うつ病に効くという臨床試験の結果はなく、うつ病への適応削除を決めた厚生労働省の審議会でも異論は出ていません。とはいえ、「リタリンによって何とか日常生活を送っている」という患者が少なくないのも現実です。乱用防止はもちろんですが、こうした人たちの苦しみに応えるためにも精神医療、薬物治療はどうあるべきかをさらに掘り下げていこうと考えています。【東京本社社会部長・斉藤善也】

と 釈明しています。

くどいようですが、強調させて頂きますが、社会部長は、
「『リタリンによって何とか日常生活を送っている』という患者が少なくないのも現実です。乱用防止はもちろんですが、こうした人たちの苦しみに応えるためにも精神医療、薬物治療はどうあるべきかをさらに掘り下げていこうと考えています。」

と、お書きになっています。

しかし、その後、毎日新聞は、この問題を全然「掘り下げ」ていないではないですか。

リタリン登録制が実施されてから四ヶ月以上が経過しています。

それ以前リタリンの適応からうつ病が外されてから六ヶ月以上を経ています。

毎日新聞は、リタリンを急に断たれて今なお、日常生活に支障をきたしている、

かつての「真面目な(処方通りに服用していた)」リタリン患者の窮状を全く報道しないではありませんか。

また、リタリンは難治性・遷延性うつ病に有効だ、と主張する医師は私の知る限りでも少なからずいます。

このような声は一向に取りあげない。

無責任ではないでしょうか。