カテゴリー「クラシック音楽」の記事

2009.11.16

マリス・ヤンソンスのリハーサルを見学する幸運に恵まれました。

◆来日中のマリス=ヤンソンスとバイエルン放送響による、東京音大オケ「幻想」リハーサル

細かく話すと長くなる。家内はピアニストではないが、東京音大のOGである。

OG・OBには、一般には非公開の催し物の連絡や招待状がくる。

数週間前、11月13日、東京音大の新しいホールで、ちょうど来日する指揮者、マリスヤンソンスが、東京音大の学生オケの指導をする

「公開リハーサル」を行う。無料。先着順で満席になり次第、受付終了、という手紙があった。

東京音大オケがヨーロッパ演奏旅行に行ったときに、バイエルン放送響のメンバーが聞いて、

気に入られたのだそうだ。


家内が私に聞きたい(見たいか)否かを問うので、勿論聞きたい、と答えた。

幸いチケットが取れた。他にもバイエルン放送響メンバーによる、東京音大学生への室内楽のリハーサルなど

盛りだくさんだが、メインはあくまでも、ヤンソンスによる、ベルリオーズ「幻想交響曲」公開リハーサルだ。


プロのオーケストラは、原則リハーサルは公開しない(例外があることは知っている)。

しかし、子どもの頃から私は、一度で良いからオーケストラのリハーサルを見学したい、と思っていた。

今回は、純粋なリハーサルというか、学生オケを、ヤンソンスが振るわけである。

マリス・ヤンソンスの略歴はこの通り

旧ソ連の最高のオーケストラである旧レニングラード・フィルをはじめ、

ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、オランダの超一流、ロイヤル・コンセルトヘボウ、

2003年、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任。現在、同交響楽団と2度目の来日中である。


巨匠である。巨匠がオーケストラにどういう要求をしてどのようにリハーサルを進行するのか。

40年、オーケストラが好きでたまらない私には堪えられない。

苦労したから神様のご褒美だろう、と、都合の良いときだけ神様を持ち出して、

勝手にそう思いこんだ。


◆遂にその日が来た。

公開リハーサルは午後4時から。普通絶対に行けないが、これは一生に一度あるか無いか、

というほどの機会である。詳細は省くがとにかく都合を付けて、会場に向かい、現地で家内と落ち合った。

これが当日のプログラムである。

T_jansons005

ヤンソンスは、にこやかに登場した。学生オケは、この頃の子だねえ。相手が天下のヤンソンスだろうが、

だれだろうが、緊張しないらしい。リハーサルだし、学生もヤンソンスも普段着で、リハが始まった。

始まる前、ヤンソンスは客席のわずかにノイズにも神経質だったが、呼ばれているのは、全て東京音大の

何らかの関係者で、生まれて初めてオーケストラを聴くというレベルの人はいないので、あっと言う間に

完全な静寂が訪れた。

練習時間が限られている(16時から17時半)から、終楽章(第5楽章)に絞っての相当大急ぎのリハーサルだった。

しかし、東京音大学生オケは、流石にプロになろうという子ども達。技術的には完全に出来上がっている。

奏法上の指導をする必要はなく、ヤンソンスは音楽的な要求だけをすればよい。


最初に第5楽章を通した。敢えてヤンソンスは止めなかった。

上手い。素人の耳には、これでも十分カネを取って客に聞かせることが出来るレベルだ。


◆ヤンソンスの要求。

お断りしておくが、以下は、私が見学しながら、取ったメモを元にしている。

ヤンソンス氏はラトビア人だが、オーケストラのリハーサルではドイツ語で行うことが多いようだ。

英語はあまり得意ではない。しかし、音大の学生諸君はドイツ語は分からない。

日本人女性のドイツ語通訳と、バイエルン放送響の第1ヴァイオリンで30年以上も弾いておられる、

水嶋さんという女性奏者がマエストロの意図を何とか学生に分からせるべく訳して下さった。

それを忠実にメモしたつもりだが、勘違い、聞き間違いなどがあるかも知れない。

まあ、学術論文じゃないから、勘弁してつかあさい。

要求1:冒頭の弦の刻み、ppだが、もっと弱く。

要求2:同じページ。3小節目。32分音符3つと32分休符1つ、が8回繰り返される。普通に弾いたら、ダウン(下げ弓)アップ(上げ弓)交互で、

最後はアップになるが、ダウンで弾く。
要求3:4小節目の6連符の半音階的下降音型、pppだもっと弱く。

要求4:その次の小節、ヴァイオリン・ヴィオラのピチカート。fに相応しく力強く。ややクレッシェンド気味に。

要求5:99ページ、2~3小節目にかけての

木管のグリッサンド(JIRO注:これ、難しいと思います)。ピッコロ、グリッサンドになっていないと何度かやり直し。

要求6:木管に続き、3番ホルンが同じ事をする。グリッサンドの前のcon sordino(弱音器)のところ。ホルン奏者は右手をベル(朝顔)

の中で操作して、わざと「詰まった」ような音を出す。最初の音がヤンソンス不満で何度かやり直し。

要求7:練習番号65の4小節目からファゴット。

最後のC音に向けて、もっとディミヌエンドできるか?と。ファゴットの学生が何と返答したか聞こえず。

要求8:続く鐘(チューブラーベル)、フォルテとピアノ、ピアニッシモの差が出てない。強弱の差が明らかになるように。

要求9:練習番号「66」7小節目から、テューバとファゴットが吹く、グレゴリオ聖歌。大変宜しい。

要求10:それに続く、110ページ2小節目からのホルンとトロンボーン。

祈るように。付点四分音符をいちいちアクセント気味に強調しない。平坦に。テヌートで。余計なことしない。

要求11:(一般的要求)金管、この楽章どうしても吹きすぎになる傾向があるから、心持ち、抑えて。バランスを考えて。


(JIRO注:キリがないので途中飛ばします)

要求12:随所にある、特に弦のスフォルツァンドは、決しておろそかにしない。全てキチンと実行せよ。

要求13:コーダに向かう練習番号85。バスドラム(大太鼓)、

短い周期でピアニッシモからフォルティッシモまでのクレッシェンド、ディミヌエンドのロールが続く。思い切り強調するように。

要求14:コーダから、早くクレシェンドし過ぎない。ちゃんと自分(ヤンソンス)が指示するから。

まだ、色々あるのだが、文字で書いても空しい。しかし、

ただ、「ヤンソンスのリハーサルを見た。素晴らしかった」では、子どもの作文になる。

本来、それぞれの要求があった箇所が、どのように演奏されるか、CDの一部でも音を編集して載せたいが、

ものすごく手間がかかるので、それはサボらせて頂いた。

話が逸れたけれども、最後にもう一度、通した。コーダから、ヤンソンス氏は、故意に一度目よりも強烈な

クレッシェンドと、アッチェレランドをかけたが、東京音大オケは、見事に反応していた。

また、話が前後するが、ヤンソンス氏の音楽的な要求に、一度で即座に対応し、一度言われたことは決して忘れない。

プロを目指す人達だから当たり前、と言ってしまっては実も蓋もない。

徒に若さに任せて突進するわけでも、何度も演って妙に分かったようになってしまうプロの演奏(たまにある)とも異なり

非常にレベルの高い、音楽だった。素晴らしい。彼らには大輪の花を咲かせて貰いたい。


◆この他、室内楽の本番があった。

このとおり、「幻想」のリハーサルの後は、東京音大の学生とバイエルン放送響のメンバーによる室内楽

(メンデルスゾーン、ドヴォルザーク)と、学生のみによる、R・シュトラウス

「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」木管合奏版(正確にはピアノ、フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネット)

があった。全て見事な演奏で、本来個別に名前を挙げて賞賛したいのだが、まだ学生さんだから、

万が一迷惑がかかってはいけないので縁了する。しかしいずれも素晴らしい完成度であった。

「ティル」木管版は、ホルン以外全員女性だった。ティル・オイレンシュピーゲルでは、冒頭に、

有名なホルン・ソロがある。実に見事だった。あまり感心したので、終演後、ロビーで目の前を通る

ホルンの学生さんに声をかけ、絶賛した。お世辞ではない。お世辞など言う理由がない。

但し、いつも書いている通り、日本人は褒めるのが下手だ。

しかし、褒められて怒り出す奴はいない。

優れた若い才能は、どんどん褒めるべきだ。


◆最後にミーハーですが、マエストロ・ヤンソンスにサインをして貰ったので、自慢します。

普通のコンサートなら、ガードが堅くてなかなか、これほどの巨匠には近づけない(CD即売会などは別)。
東京音大100周年記念ホールは、さほど大きなホールではなく、

ヤンソンスが楽屋から出てくるところにばったり遭遇したので「幻想交響曲」のポケットスコアに

サインを貰った。家宝にしよう。

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今まで生きてきた甲斐があった。幸せだった。

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2009.11.13

天皇陛下ご即位20年、心よりお祝いを申し上げます。

◆お健やかにご即位20年をお迎えになり、慶賀に堪えません。

天皇陛下におかれましては、本日、お健やかにご即位20年を迎えられましたことは、天皇・皇后両陛下を敬愛申し上げる

国民にとり、何事にも代え難い歓びでございます。

ご即位以来、15年で47全ての都道府県にお出ましになり、また、32カ国をご訪問頂き、

国際親善にご尽力頂きましたことに、一国民として、心より御礼を申し上げます。

阪神・淡路大震災をはじめ、甚大な自然災害が発生した折には、ご自身の危険をも顧みず、

両陛下が現地で被災者を激励なさるお姿は、恐懼に堪えないものであります。


陛下は、昨年9月、新潟中越地震の被災者と懇談なさいました。

2列に並んだ被災者約50人に話しかけられ、懇談が終了し、その場を離れる正にそのとき、

突然、陛下が引き返してこられました。それが、後列に立っていた被災者の何人かに声をかけていない、

とお気づきになったためでした。


今年6月、陛下は福井県、福井県立音楽堂をご訪問になりました。

予定では、車で音楽堂に到着次第、そのまま建物にお入りになるはずでした。

しかしながら、音楽堂の玄関脇、少し離れた場所に、奉迎者と共に車椅子のお年寄りがいることに

お気づきになった陛下は、音楽堂の玄関とは反対方向に歩かれました。お年寄り達にお声をおかけになるためでした。


陛下は、ご即位以来、何度となく、

「国民の幸せを念頭に置きながら自分を省みつつ、国や国民のために務めを果たしていきたい」

「国民と苦楽を共にする」

「国と国民のために尽くす」

と、お志を述べられ、正にご自身のお言葉をそのまま体現しておられます。

多くの国民が、他人のことを顧みず、自らの私利私欲に走りつつあるのが、

残念ながら今の世の中でございますが、

陛下はその中で、ご自分のことはさておき、なによりも

まず国民の幸福を常に望んでおられ、そのお姿は全ての国民が

範としなければなりません。

ご立派と申し上げる以外に言葉がございません。


◆両陛下は音楽がお好きでいらっしゃいますので、お祝いの音楽を捧げたいと存じます。

天皇陛下がチェロを演奏なさること、皇后陛下がピアノとハープをお弾きになることは、

勿論、存じ上げております。

平成2年に挙行された、陛下のご即位記念行事のなかで、

私がもっとも印象深かったのは、世界最高のチェリスト、ヨー・ヨー・マ氏のお祝いの演奏でした。

両陛下が名演奏をお聴きになり、お喜びになっていたご様子をはっきりと覚えております。

そこで、今日は、あの時と同じ曲を、同じヨー・ヨー・マ氏の演奏でお聴き頂きます。


バッハ:無伴奏チェロ組曲第一番 ト長調、BWV1007より、「前奏曲」






もう一曲。天皇・皇后両陛下ご成婚を祝して作曲された、


団伊玖磨作曲:祝典行進曲演奏は汐澤安彦指揮: 東京アカデミック・ウィンド・オーケストラです。







僭越ながら、天皇皇后両陛下のご健康と皇室のご繁栄をお祈り申し上げます。

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2009.11.12

【音楽】バロック、オーボエ協奏曲集/宮本文昭、ハインツ・ホリガー(既出ですが)。

◆最近色々な方にお聴かせして、大変喜ばれまして・・・。宮本文昭さんの「ミラノの午後」

今日ご紹介する演奏は、以前取りあげたものですので、以前からの読者の皆様には

新しいものをご紹介できなくて申し訳ないのですが、、最近、お聴かせした方から、

アルビノーニって「アルビノーニのアダージョ」しか知らなかった(あれは、アルビノーニの完成譜があるのではなく、

ジャゾットという、アルビノーニの研究者が補筆したのです)」という方が数人おられまして、

オーボエ協奏曲に大変感心されました。

そこで、もう一度とりあげることにしました。

宮本文昭さんの「ミラノの午後」というCD。

アルバムタイトルは、「ミラノ」ですが、収録された作品を作曲したアルビノーニや、ヴィヴァルディ、マルチェルロは、

皆、ヴェニスの作曲家です。

もう一枚は、不世出の名手ハインツ・ホリガーがイ・ムジチ室内合奏団と録音した「ベニスの愛」です。


◆アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調 作品9-2から(宮本文昭さん)

アルビノーニのオーボエ協奏曲は大変美しいのですが、その中でも特に有名なのをまず宮本文昭さんで。


アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調作品9-2から第一楽章。







アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調作品9-2から第二楽章







切なく、悲しく、懐かしく、穏やかで、優しく、美しい。と思います。

ヴェニスへ行く機会が有る方は、是非、この音楽をお持ちになって

(iPodでも何でもいいですから)、夕暮れの光の中で聴いて頂きたいと思います。


◆アルビノーニ: オーボエ協奏曲 ト短調 作品9-8 (ホリガー)

何故、ここでホリガーになるかというと、このト短調・作品9-8は「ミラノの午後」には収録されておらず、

ホリガー=イ・ムジチ室内合奏団の「ベニスの愛」に収録されているためです。

どちらも当代、世界有数の名手ですから、音色の違いなど聞き分けられるようになったら、結構カッコいいですよ。

それでは、音楽。


アルビノーニ: オーボエ協奏曲 ト短調 作品9-8 第一楽章







アルビノーニのアダージョも綺麗ですけどね。オーボエコンチェルト全然知られないと、

アルビノーニ、気の毒です。


◆再び宮本さんで、マルチェルロのオーボエ協奏曲。通称「ヴェニスの愛」

マルチェルロのオーボエ協奏曲の第二楽章が、ヴェニスの愛という映画に使われて、有名になったそうです(実は見たこと無いのです)。

宮本文昭さんのソロでどうぞ、映画に使われたのは第二楽章らしいのですが、第一楽章から大変美しいのです。


マルチェルロ:オーボエ協奏曲ニ短調 第一楽章







マルチェルロ オーボエ協奏曲 ニ短調 第二楽章





これ、本当に名演ですよ。優劣をあまり言いたくないけど、ホリガーより美しいのではないか、と思います。

こういう曲(楽章)は、簡単そうで難しいです。音、音色というか、トーンというかが全て。

そして、動きの速い曲ならば、その速さだけで、聴衆を感心させることはできませんが、このような

テンポの遅い楽章は、テクニックを披瀝しようがないですから、その音楽家のセンス、「音楽性」などといいますが、

それがモロに出ます。譜面をただ音にしただけでは、芝居になぞらえれば、台詞の棒読みになってしまいます。


◆【番外編】オーボエ協奏曲をトランペットで吹いたもの。

当時は楽器の指定は固定的ではないので、色々な楽器で演奏されます。

あいにく、CDは絶版ですが、アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調作品9-2から第一楽章。を、アメリカの女性奏者、ビビ・ブラックという人が、

日本人オルガニスト、松居直美さんと録音したものをお聴き下さい。


アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調作品9-2から第一楽章(トランペット:ビビ・ブラック、オルガン:松居直美)






これは、これで、良いですよね。輝きと荘厳さが加わります。


もう一つは、マルチェルロのオーボエ協奏曲の第一楽章をノルウェーの若手トランペット奏者、

ティーネ・シング・ヘルセス(Tine Thing Helseth)、偶然ですが、この人も女性ですが、大変上手い。まだ22歳です。

これはYouTubeから。

Tine Thing Helseth: Marcello trumpet concerto, 1st mvt.






身体に余分な力が入らず、高音を出すときにも唇を締め付けていない(これをやったらダメなんです)ので、

音域に関わらず音に柔らかさがある。と同時に輝きもある。テクニックは正確です。オーボエの哀愁とは、

また違った魅力が表現されています。

本来、宮本さんのオーボエをお薦めというかご紹介するはずでしたが、多少、脱線しました。

それでは。

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2009.11.10

【音楽】本来、「ルロイ・アンダーソン」はこれほど、楽しい。

◆ボストン・ポップス・オーケストラとアンダーソン

ルロイ・アンダーソンが作曲した、セミ・クラシックと呼ばれる、演奏時間が短い、楽しい曲の数々は、

ボストン・ポップスの為に書かれています。といっても、「ボストン・ポップス・オーケストラ」という固有のオーケストラが

存在するのではなく、あの小澤征爾さんが長い間(1973-2002) 音楽監督を務めていたボストン交響楽団が、夏の

コンサートのオフ・シーズンに(欧米のコンサートシーズンは毎年9月に始まり翌年の6月頃までです。夏はバカンスのシーズンです)、

オーケストラの音楽を広く一般の人にも普及しようというので、名前を変えて、ファミリー・コンサートを行うのです。

ボストン・ポップスは1885年から活動を始めたということですから、今年で124年も続いているのです。

その最盛期の指揮者が、アーサー・フィードラーという人で、何と1930年~1979年、約50年も毎年、

夏のボストン・ポップスを振り続けたのでした。

そして、アーサー・フィードラーに才能を見出されたのが、ルロイ・アンダーソンです。

以前、アンダーソンの経歴を調べて驚いたのですが、この人は高度な音楽教育を受けているだけでなく、

本格的に作曲活動をするまでは、ハーバード大学の言語学の研究者で、博士号まで持っています。

詳しい説明はウィキペディアをご覧下さい。


◆なかなか、名演が無いのです。

ルロイ・アンダーソンの曲は大抵、演奏時間が3分程度。長くても5分以内のものが殆どです。

一般の、オーケストラ、とか、クラシック、になじみが無い人にも、オーケストラの素晴らしさを知って貰う為に、

敢えて、このような形式を取ったものと思われます。

その所為か、アンダーソンには失礼ですが、軽く見られがちです(日本でも「トランペット吹きの休日」は、

多くの人が「ああ、あの『運動会の曲』ね」などと言います)。

このため、超一流オーケストラ(ボストン・ポップスも十分一流なのですが)と指揮者が、「アンダーソン名曲集」を

演奏したり録音したりすることが無い。このため、私の主観ですが、「名演」は意外に少ない。


◆トランペット吹きの子守歌は、多くの場合、正しくない。

分かっています。ある曲の演奏に関して唯一「これが正しい演奏だ」と断言するものではない。

色々な解釈があって然るべきだ。
はいはい。そういうことは、私は知ってますー、だ。

ただね。一番多く耳にするのが、アーサー・フィードラーボストンポップスが、

ディキシーランドのトランペット奏者、アル・ハートという人をゲストに招いた時の録音なんです。

これをまず、お聴き下さい。


トランペット・ソロ、アル・ハートによる「トランペット吹きの子守歌」







ちょっとクセのある演奏ですが、それはディキシーランドの人だから目をつむるとして、楽譜を見て下さい。最初だけ。

20091110trumpeterslullaby

一番大事なのは、最初の8分音符と16分音符の「タッタタカ・タ・タ」というリズムでして、「タッタカ」の「タカ」を

名前出してわるいけど、このアル・ハートさんみたいに吹くのは、違うんです。専門用語になるけど、シングル・タンギングで

吹くと、それは楽譜にはあっているのですが、この曲の雰囲気が出ないのです。


◆色々探し回って、結局アンダーソンによる50年前(1959年録音)の自作自演盤を見つけました。

前述したとおり、こんな易しい曲、なかなかプロは演奏してくれないし、録音もしてくれないので、なかなか

私が、理想とする演奏に出遭いませんでしたが、作曲者、ルロイ・アンダーソンが自作を指揮したCDThe Leroy Anderson Collection を見つけました。

試聴できるので聴いたら、私の理想にかなり近い。

マーケットプレイスなら1000円以下で売りにでてます(送料別)。これを入手しました。

アンダーソンが指揮しているのですから、作曲者がどのように演奏して欲しいかよく分かります。


アンダーソン自作自演盤による、「トランペット吹きの子守歌」







ね?この方が気持ちいいでしょ?

多分、曲名の「子守歌」のイメージを抱き過ぎだと思うのですよ。

「子守歌」っていったって、こんなの本当に赤ん坊の枕元でラッパ吹いたら、子守歌どころじゃないですよ。

寝るわけ無いですよ。下手すりゃひきつけ起こしちゃうよ?「子守歌」はイメージだけで、ある程度歯切れ良く吹かなければ

いけません。


◆楽しい曲が続きます。全てアンダーソンの自演(指揮)です。

ウンチクはもう止めにしますが、非常に大雑把にいうと現在のルロイ・アンダーソン作品の演奏は、

テンポが遅すぎて、彼の作品の溌剌とした生命力が伝わってきません。

以下の自作自演を聴いて頂くと、ご同意頂けるかと思います。


トランペット吹きの休日







このテンポだと「スカッ」とするでしょ?


フィドル・ファドル ヴァイオリン・セクション、見事です。







弦楽器のピチカートだけの曲。途中の「キュッ」という音は楽器の胴体を手で擦って出すそうです。

コンサートで見ると、ここでコントラバスなどをクルッと一回転させるという演出が加わり、お子さんは

大変歓びます。


プリンク・プランク・プランク(Plink Plank Plunk)







シンコーペーテッド・クロック  最後までユーモアがある。







そり滑り スウィング・ジャズ風になるところがたまりません。最後の馬のいななきはトランペットです。







舞踏会の美女 舞踏会の華やかな光景が瞼に映るかのようです。







クラリネット・キャンディ クラリネット奏者の腕が鳴ります。







こういうのは、ゴチャゴチャ言うことはありませんね。

音楽は、楽しいのです。

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2009.11.07

【音楽】英雄の生涯 2005年ベルリン・フィル来日公演 於:サントリー・ホール。安永さんのソロが随所に現れます。

◆昨日だけでは気が済まないのです。

R・シュトラウスと言えば、交響詩。「英雄の生涯」は代表作です。

昨日ご紹介した、私の過去の記事、「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。ココログ

の中に、石井真木さんとの対談があります。あれは、私が本からキーボードで一文字ずつ入力したのですが、

安永さんが、コンマスの試用期間を終えて最終判断を下される前に、カラヤンの部屋に呼ばれ、

同じくR・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」のソロを弾かされた、という話が出ます。

R・シュトラウスの交響詩には、コンサート・マスターの長く難しいソロが含まれている場合が多いのですが、

「英雄の生涯」のコンサートマスター・ソロは、ベルリンフィルに限らず、どのオーケストラでも、

コンサート・マスターのオーディションでは、殆ど必ず弾かされるようです。

これほど、安永さんの見事なソロを全曲にわたって、見て、聴ける映像はありません。

数ヶ月前、全く同じ映像を載せましたが、敢えてもう一度掲載します。

優れた演奏は何度聴いても飽きないものです。

演奏終了後、指揮者のサイモン・ラトルは何よりもまず、安永さん一人だけを立たせ、労をねぎらっています。

他のベルリン・フィルのメンバーの表情からも、如何に安永さんが信頼されていたコンサート・マスターだったか、

よく分かると思います。


◆リヒャルト・シュトラウス、交響詩「英雄の生涯」サイモンラトル=ベルリンフィル。サントリー・ホールにて。

Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (I)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (II)(コンサート・マスターの難しいソロが続きます)






Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (III)(金管が大活躍です)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (IV)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (V)(最後に再び、安永さんの美しいソロがあります)







私は最初、この曲が全然好きではありませんでしたが、安永さんのソロを聴きたいあまりに、

繰り返し聴いているうちに好きになりました。クラシックの名曲では、しばしば、そういうことがあります。

それでは、皆様良い週末をお過ごし下さい。

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2009.11.06

松井選手のMVPは誠に立派だが、ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年務めた人の偉大さも分かって欲しい。

◆といっても、仕方がないのですけどね。

仕方がない、とは、日本では野球が好きで野球の事を理解出来る人は、オーケストラのコンサートマスターとは何か、

を理解出来る人より遙かに多いから、という意味である。

松井選手の偉業に異を唱える気は毛頭無いけれども、世界一のオーケストラのひとつ、

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第一コンサートマスターを25年務めて、今年の3月末に退団した、

安永徹さんや、日本人として初めてベルリン・フィルのメンバーとなり、30年ヴィオラ奏者として活躍した

土屋邦雄さんのことも、もう少し評価されて然るべきだと思う。


そうは言っても、オーケストラなんて、見たことも聞いたこともない人の方が多いのだから、無理な注文なのだ。

日本では。そう思い、少し寂しい。

安永さんのことは、何度書いたか分からない。

検索しやすいエンピツで「安永徹」を検索した結果がこれである。

中でも、お分かり頂きやすいのは、

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。ココログ

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。ココログ

「最大級の賛辞」とは、正にこのこと。安永徹さんにベルリン・フィルとサイモン・ラトルから贈られたメッセージ。ココログ

などであろう。ご覧になっていない方はもとより、一度お読み頂いた方も、宜しければ、もう一度読んで頂けると有難い。


◆ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスター、安永徹さんの晴れ姿。

上でリンクを貼った日記と重複するものもあるが、リンク先を読むのは面倒くさい、

という方もおられるだろうから、ここに載せる。


1999年のジルベスター(大晦日)コンサートより、クラウディオ・アバド指揮で、ベートーヴェン交響曲第7番、第4楽章。

Beethoven Symphony No.7, Op.92, movement IV - Claudio Abbado, Berliner Philharmoniker






もう一つ。

2008年1月。カラヤン生誕100年記念コンサート。小澤征爾指揮、チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」、第3楽章。

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra Tchaikovsky Symphony No.6 Part4







私は、安永徹さんの偉業を尊敬し、日本人として誇りに思うことにかけては、人後に落ちないつもりだ。

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2009.11.04

【音楽】J.S.バッハのオーボエ協奏曲はどれも大変美しいと思います。

◆バッハに限りませんけどオーボエが好きな作曲家は多いようで。

今日、「バッハの」「オーボエ協奏曲」を特集するのは、特に理由はありません。

つまり、今までしばしば、ある作曲家や演奏家の誕生日、命日などに特集を組みことが多かった

のですが、今日は特別そういう「歴史的背景」はありません。

たまたま、見つけた一枚のCDが気に入っただけです。

忘れないうちにお薦めCDとしてご紹介しておきます。

Amazonならば、J.S. バッハ:管弦楽曲・協奏曲全集 1 (オーボエ協奏曲集)

HMVならば、<管弦楽曲・協奏曲全集1: オーボエ協奏曲集>ホンメル / スチュワート / ブリュール / ケルン室内管弦で、同一商品です。

Naxosなので、演奏家は有名ではありませんが、オーボエのクリスチャン・ホンメルという人は、良いオーボエ吹きだと思います。

オーボエが好きな作曲家が多い、と書きましたが、むしろ作曲家で「オーボエとホルンが嫌いな人は、まずいない」のではないか、

と言い切っても構わないでしょう。

オーケストラの心臓部は弦楽合奏ですが、その次に何が加わるかというと、大抵オーボエとホルンです。


バッハのオーボエ協奏曲のは、後にバッハ自身がチェンバロ協奏曲に編曲しています。

紛らわしくて、例えば、これからご紹介する、BWV 1055を検索すると、

「J.S. バッハ:ピアノ協奏曲全集」

が最初にでます。それも間違いじゃないのですが、原曲はオーボエ協奏曲です。

知ったかぶりはこの辺で止めておきます。


◆オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055

オーボエ・ダモーレとは、オーボエより一音半、音域が低い楽器です。詳しく知りたい方は、

Wikipediaでオーボエオーボエ・ダモーレの写真だけでも比べてみては如何でしょうか。


曲にいきます。

本当はこのCDを全曲丸ごと載せたいぐらいなのですが、そういう訳にもいきません。まず、

オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV 1055 より 第3楽章 をどうぞ。







普通のオーボエより、若干、音が丸いというか柔らかいのです。

オーボエを聴いていただくと分かると思います。


◆オーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056

これは、チェンバロ協奏曲に編曲されたものがかなりよく演奏される(といっても、バロックのコンサート自体、

非常に少ないのですけど)方だと思います。

第二楽章の「ラルゴ」は大変美しく、通称「バッハのアリオーソ」などと言って、

色々な楽器や編成で演奏されます。今日は第一楽章と第二楽章をどうぞ。


オーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056 第一楽章







オーボエ協奏曲 ト短調 BWV 1056 第二楽章(通称:「バッハのアリオーソ」)







綺麗でしょ?


◆オーボエ協奏曲 ニ短調 BWV 1059

これは、バッハ自身がチェンバロ協奏曲に編曲していないのです。

現代のコープマンというオルガン・チェンバロ奏者、指揮者がオルガン協奏曲に編曲していますが、

バッハ自身の編曲ではない。原則、オリジナルのオーボエでしか聴けないと思います。


オーボエ協奏曲 ニ短調 BWV 1059 第一楽章







因みにこのBWV 1059の第二楽章は、マルチェルロのオーボエ協奏曲の第二楽章(ベニスの愛)をそのまま使っています。



そういう曲の貸し借りは普通だったようです。


◆ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060

このCDには、オーボエ協奏曲と書かれていますが、BWV 1060は、「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲」と呼ぶのが

普通です。バッハのヴァイオリン協奏曲のCDに収められていることもあります。

異なる音色のオーボエとヴァイオリンの絡みが実に美しく、見事だと思います。


ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060 第一楽章







と言うわけで、解説するほどの学識もありませんし、ただ聴いて頂ければと思いまして。

毎回同じ事を書きますが、全部お聴きになることも、順番にお聴きになる必要も全くありません。

お好きなようにお聴き下さい。

それでは、失礼します。

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2009.11.01

他人を印象や先入観で安易に評価してはいかん、ということを今更ながら痛感してます。

◆自宅に「防音室」がある理由。

私は、東京23区の中でも西よりの某区に住んでいる。

マンションの狭い所帯だが、ただ、一戸一戸、カスタムメイドである。

そこで、一つだけ贅沢をした。防音室を作った。45デシベル遮断だから、フォルティッシモで弾いても、

マンションの他の世帯はおろか、同じ部屋(マンション内の私の占有部分、ということ)にいても、

殆ど蚊が鳴くほどにしか聞こえない。グランドピアノ(勿論、フル・コンサートのサイズではないが)を

おいてもまだ随分空間がある。

自慢ではない。生活は苦しいのである。普通に考えれば、バカである。

何故、そのような贅沢をしたか。


家内が元々ピアノ教師だが、ここに引っ越す前は社宅に住んでいたので、

あまりおおっぴらに「ピアノ教室」はできなかった。今の家の間取りを決めるときに、

せめてそれだけは、と望まれたのである。

それから、私はもう長いこと楽器に触っていない(特にうつ病になってから)が、

また、吹きたく(弾きたく)なったときには、使える。他には贅沢してないから良いだろう

と考えた。がそれは、余談である。


◆女房殿のピアノ教室

防音室を作ったのは、良いが、折りしも少子化で、簡単に生徒は集まらない。

仕方がないので、プロに頼んで、少しばかり本格的なビラを作り、

知り合いに頼んで、配って貰い、タウン誌に広告を出した。

子ども相手だけでは、とても人数が集まらないことは明らかだったので、

大人で、初めて弾きたい人、かつて習っていたが途中で辞めてしまった大人、なども対象にしている。

わずかずつだが、生徒が来始めた。が、生憎、最近は真面目に練習してくる子どもが少ない。

レッスン料は安くしてあるが、カネの問題ではなく、ピアノに限らず、教え甲斐のある生徒がいなくては、

教える側に張り合いがない。しかし、しかたがないので、とりあえず来てくれる生徒を、家内は教えていた。


◆バンドを組んでいて、「作曲家」になりたい、という女の子がやってきた。

あまり教え甲斐が無い生徒ばかりで、家内は退屈そうだったが、最近一人面白い弟子が現れた。

(因みに私は関係ないから決して顔を出したり、レッスンを覗いたりはしない。家内からの伝聞である。)

面白い生徒とは22歳の女の子で、宅配業でアルバイトをしながら、「バンド」を組んでいるという。

自分がボーカルだそうだ。ギターとベースとドラムスとキーボードの典型的なバンドである。

悪いが私はこの手合いに偏見を抱いていた。音楽の基礎も知らず、出鱈目のコード進行で、

歌は話にならないぐらい音程が悪く、同じような曲ばかりで、五月蠅い、と。

家内の弟子になった女の子は、初めての面談で

「将来は自分のバンドの曲を作りたい。『作曲家』になりたい」

と言ったそうだ。楽譜も理論も分からないから、有名バンドの曲を参考にしたくてもできない。

その子は、なにを演るにしても、「音楽の基礎」を身につけなければ、話にならない、と考えたそうだ。

それは、誠に正しい。


尤も家内は、最初から「作曲家」が出てきて、少々驚いていた。

楽譜も読めず、当然ピアノも弾けず、ソルフェージュも聴音も、楽典も分かっていなくて「作曲家」?

ということだ。

しかし、レッスンを開始してまもなく、家内はその生徒さんの「本気さ」を理解した。

家内から話を聞き、音楽というものは、どんなことをするにせよ、基礎は同じだ。

直ぐに作曲家などになることはできない。バイエルから始める。と言われ、

「新しい弟子」は、その意味を正しく理解した。


非常な熱心さで練習してきて、前回指摘された問題点は必ず克服してくる。一週間でバイエル10曲ぐらい仕上げてくる。

最近、リズム・ソルフェージュという訓練を始めたが、非常な集中力でレッスンを受ける。

今や、バンドの「リード・ボーカル」として、ただ自己流に歌を歌っていた彼女が、

家内が教える中で、最も熱心な生徒となっている。

シンフォニーを書く作曲家になるのは無理だが、自分の歌を書き、バンドのアレンジぐらいできる日が来るかも知れない。


◆他人を、安易に判断してはいけない。

家内から、「バンドの彼女」の話を聞いて、感心した。

先に書いたとおり、ロック(だか、何だかしらないが)バンドなど演っている連中は、

基礎を真面目にこなすことなどできず、出鱈目なのばかりだろうと思っていた私は、

その根拠の無い、偏見、先入観を反省した。

人間は単純ではない。経歴や見かけで、安易に評価してはならないのである。

私は将来、「家内の愛弟子」がどんな歌を書いて、どのように歌うのか、全く想像できない。

自分の好みとはかけ離れたものである可能性も高い。しかし、彼女の真摯な姿勢に、

最近の若者といえども、捨てたものではない、と認識を改めた。

嬉しい「予想外の出来事」である(私はなにも教えていないが)。教え甲斐のある弟子ができたことは

家内にとって、嬉しいことだ。それは想像に難くない。


◆【音楽】アルゲリッチ バッハ:パルティータ第2番よりシンフォニア

ここからは、日記とは、関係ありません。

以前良くやった形式で、本文とは関係なく、「今日の一曲」とでもいいましょうか。そういう「コーナー」です。

アルゲリッチの弾くバッハのパルティータ第2番、という曲です。以前ご紹介したことがありますが、

毎回新しいCDを買っていたら、いくらおカネがあっても足りないので、ご容赦のほど。

CDはバッハ:トッカータ ハ短調 です。



パルティータ第2番ハ短調 BWV826 から第1曲「シンフォニア」です。







これは名演ですね。これを聴いて、

「バッハはロマン派だ」

とおっしゃったのは、ネット上の友人で、音楽の造詣の深さにおいて、私など足もとにも及ばないKenさんですが、

けだし、名言です。

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2009.10.31

【音楽】ヴァイオリンの巨匠二人による、名曲の名演です。

◆今日は本格的です

本格的って、おかしいかな・・・。

私が普段、クラシックをご紹介する場合、今までクラシックなど、あまり(或いは全く)

聴いたことがない、という方にも、何とか、クラシックに親しんで頂けるように、取っつきやすい曲を

選んでいましたが、大分皆さんなれて下さったようなので、今日は本格的なヴァイオリン協奏曲を

(と、言っても聴きやすいですからご心配なく)二人の巨匠(二人ともとっくに故人ですが)の演奏で

聴いて頂きます(今後、堅苦しくなるわけではありませんが)

これらは本当に「まともな」曲です。

つまり大衆ウケするような工夫は全く為されていませんが

本当の名曲は飽きないものです。


◆フランチェスカッティのバッハ。

フランチェスカッティは、9月に、フランチェスカッティというヴァイオリニストがいます。ココログ)で、YouTubeで見つけた映像と音を載せましたが、

「チゴイネル・ワイゼン」などの、所謂「小品」ですし、身銭を切っていませんから、良い音質でお聴かせできません。

フランチェスカッティも、後でご紹介するオイストラフも歴史に名を残した大名人なのですから、

既に故人とはいえ、対価を支払って(私が、ですよ。勿論)演奏を聴くのが礼儀かな、と思いました。

かなり迷いました。フランチェスカッティのベートーヴェンも素晴らしいのです。

ですが、バッハを聴いたら、最近の若くて上手い人よりも、ずっとテンポは遅いのですが、こちらの胸に響くんです。

ズシンと。で、決めました。元のCDは、J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲(フランチェスカッティ)です。

前置きが長くなってしまいました。早速演奏をお聴き頂きましょう。二つの曲から一楽章ずつ。


バッハ:ヴァイオリン協奏曲、イ短調、BWV 1041







聴いているととても切ない。けれど美しい、と思うんです。バッハの協奏曲は技術的には、チャイコフスキーやメンデルスゾーンと

比較したら、多分ずっと易しい。まともに練習している子なら、小学生でも弾けるでしょうが、難しいテクニックが要らない曲でも、

名演は少ないのです。多分、音楽家の資質がモーツァルトと共に、一番モロに現れるので、却って取りあげるのが怖いのでしょう。

だって、小学生でも弾けるのですから。そういう曲でプロたる所以、何らかの感動をもたらすことができるかどうか。怖いですよ。


さて、もう一曲(一楽章)。

「二つのヴァイオリンのための協奏曲」。バッハのヴァイオリン協奏曲で最も人気があるかも知れません。

曲名どおり、ソリストが二人いて、上手い具合に絡みあうのです。英語では「ダブル・コンチェルト」ですが、

ヴァイオリンを弾く人々は、普通ドイツ語で「ドッペル・コンチェルト」更に略して「ドッペル」と言ってます。


バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1043 第一楽章







いいでしょ?もしあなたがまだ20代以下で、楽譜が読めて、ある程度耳があるなら、

これから良い先生を見つけて、必死に(本当に必死にですよ)3年ぐらい練習したら、

これは弾けるようになるかも知れない。私は26歳から暫くヴァイオリン習って、3年半ぐらいで、

とにかく何とか音にするところまでは行きました。


でも、難しいぜー。

最初、ソロで音が跳躍するでしょ?移弦の難しさね。下手すると、途中の弦に触って余計な音が鳴ってしまう。

勿論音程はずっと難しいね。

そして、これ二人が交替で表にでたり、引っ込んだりするでしょ?

引っ込んでいる時、一番低いG線とかとなりのD線の真ん中ぐらいのポジションで弾くのですが、鳴らないのですよ。楽器が。

ちょうど、モゴモゴいうところなの。子どもの頃からやっている人は簡単なのでしょうけど。やはり弦楽器は難しいです。

(管・打が易しいという意味ではない。どの楽器も難しいのですよ)。


雑談はお仕舞い。はい。フランチェスカッティのバッハでした。


◆オイストラフによる、ベートーヴェンの協奏曲。

あまり、マニアックではない、ごく普通のクラシック好きの人に、ヴァイオリン協奏曲、誰のが一番すきですか?

と質問したら、多分、一番はメンデルスゾーンかチャイコフスキーになると思うのですが、

ベートーヴェンが一曲だけ書いた協奏曲は、メンデルスゾーン、ブラームスと共に、三大ヴァイオリン協奏曲の一つ。

ヴァイオリン協奏曲の王者などと呼ばれることもあります。ベートーヴェンの作曲活動が一番盛んだったころの名作です。

オイストラフはロシア人で、20世紀の代表的なヴァイオリニストの一人であることは議論の余地がありません。

CDはベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 です。


ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 第三楽章







最初に出てくる軽快な主題をロンド主題といいますが、これ以外にも、再生開始後1分過ぎぐらいから、ホルンの

リズムに乗って第二主題が現れ、3分15秒ぐらいから悲しげな旋律を奏します。これが第3主題。

その後、色々展開がありますが、一番最後、ソロ・ヴァイオリンが最初のロンド主題を弾きながら上昇していき、

オーケストラの総奏と共に締めくくる。実に見事。

これで、ちょっと興味が湧いたら、第一楽章から通して聴くと、最後の感激が一層高まります。

最初にこういう上手い演奏を聴くのが大事ですよね。

それでは、皆様、良い週末をお過ごし下さい。

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2009.10.25

「真央フリー“裏プログラム”あった!リストの『優しく穏やかなピアノ曲』」←【音楽】リスト特集。

◆記事:真央フリー“裏プログラム”あった!…フィギュア(10月24日8時0分配信 スポーツ報知)

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦ロシア杯(23日、モスクワ)フィギュアスケートの

グランプリ(GP)シリーズ第2戦・ロシア杯は23日に開幕した。日本女子のエース、浅田真央(19)=中京大=に、

フリーで“裏プログラム”が存在していたことが分かった。最終的にラフマニノフの前奏曲「鐘」を選んだが、

ハンガリーの作曲家、フランツ・リストの楽曲も用意していた。

バンクーバー五輪で金メダルを目指す真央のフリープログラムに、もう一つ有力な候補曲があった。

それは19世紀に欧州で活躍したピアニストのリスト。重厚で荘厳な旋律が印象的な「鐘」とは違った優しく穏やかなピアノ曲だという。

実は真央は昨季からリストの曲を聴き、プログラムの候補曲として温めていた。

だが、今季のプログラムを作る過程では「物足りなさ」を感じたという。

「優しくて、かわいすぎる。自分をもっと後押ししてくれる曲がいいと感じたようです」と関係者は明かした。


◆コメント:因みに、皆さんお好きな、「ラ・カンパネラ」も、フランツ・リストでやんす。

相変わらず盛況でございます。弊ブログ記事、「大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。」

の奇跡の演奏、「ラ・カンパネラ」、あれは、パガニーニを尊敬していたフランツ・リストが、

パガニーニのヴァイオリン協奏曲のテーマを用いてピアノ曲に作曲し直したものでございます。


いえ、記事とは関係ないのですが、思わず書きたくなっただけです。

ラフマニノフのピアノ曲、前奏曲「鐘」が浅田真央選手の今期のフリー曲に決まったとき、

私は、「フィギュア 浅田真央、フリー曲は『鐘』」←ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのは2種類ありまして。ココログ)を書きました。

その中で、

これ、よく確かめたのだろうか?ラフマニノフの作品で「鐘」のタイトルが付く曲は私の知る限り、

二曲ある。ピアノ独奏曲と、管弦楽曲なのだが、「前奏曲 鐘」と言ったら、ピアノ曲である。

ところがこれは、卑属な書き方をするなら、大変、「暗い」「盛り上がらない」曲なのである。

いや、「盛り上がらない」、というと、語弊がある。

クライマックスの迫力はすごいのだが、あまりに重く、「華やかさ」に欠けると思われる。

と、書きました。やっぱりね。


それにしても、「日刊スポーツ」だから仕方ないけど、
(リストの)優しく穏やかなピアノ曲だという。

って・・・(笑)。曲名ぐらい何とか取材しなさいよ、と言いたいですな。


因みに、mixiのマイミクさんの日記を拝読していたら、奇しくも10月22日はフランツ・リスト(1811~1886)の誕生日とかで、

念のため確認したら、確かにその通りでした。


リストの「優しく穏やかなピアノ曲」ねえ・・・。まあ、最もポピュラーなのは、

「愛の夢」ですねえ。


◆フランツ・リスト特集(1)「優しく穏やかなリスト」

フィギュアスケートの話題に便乗して、リスト作品、編曲作品をご紹介します。


予め申し上げますが(いつも書いているのですが)、ここに載せた曲を全て、最初から最後まで、

順番に聴いて頂く「必要」は全くありません。気の向いた曲からご自由にどうぞ。

言うまでもなく、「この曲、つまらない」と思ったら、途中で止めて下さって結構です。

性に合わない音楽を、無理に聴く「義務」など、誰にもないのです



それはさておき。

リストと言えば、「超絶技巧練習曲集」とか、ヴィルティオーゾ系がどうしても最初に頭に浮かびます。

今日は、まず、私もあまり知らなかった、「静かにリスト」をいくつか。


前段に書いた、「愛の夢」。3番までありまして、3番が最も有名です。

「愛の夢」第3番






フィギュアスケートに使うとしたら、これでしょうね。


以下は、スケートと無関係に、「以外に静かで穏やかな、リストのピアノ曲」です。

ピアノ曲全集Vol.4[詩的で宗教的な調べ第7~10番 / アヴェ・マリア / 他]というCDには、その部類のリストの作品が収録されています。

その中から。まず、アレルヤとアヴェ・マリア S183/R68 - アヴェ・マリア。


アレルヤとアヴェ・マリア S183/R68 - アヴェ・マリア






なんだか、サン=サーンスの交響曲3番の第二楽章に似ているような気が・・・。まあ偶然でしょう。

でも、こういうリストの曲は結構あるんですよ。

次はですね。「コンソレーション」(慰め)という6曲から成る曲集です。その3曲目。

コンソレーション(慰め) S172/R12







何となく、ショパンのプレリュード(前奏曲集)かな?というぐらい、穏やかですね。大変美しい。

◆フランツ・リスト特集(2)お馴染み、超絶技巧のリスト。

超絶技巧練習曲って、疲れるんですよね(笑)。

そこで、今年の夏、私が東京音大付属音楽教室発表会で聴いた、

リゴレット・パラフレーズという曲。CDならこれ。The Transcriber: Moss

これを中学3年の女の子が、ただの一つのミスタッチも無く、すごい音量で弾ききりました。華奢な身体してる娘だったのですが、無駄な力が入らず、

正しい奏法を身につければ、弾けるんですね。プロのピアニストを目指すには、中学三年でこれぐらい弾けないとダメなんです。


リゴレット・パラフレーズ







私は、この曲の楽譜を見たら発狂するのではないかと思います。

もう一つ。リストは大抵何でも難しいですが、「巡礼の年」という、またもやよくぞここまで難しい曲を書くよ、

と、聴いていてグンニャリするような曲集があります。

CDは色々跳んで申し訳ないのですが、Annees De Pelerinage.2: Nosikova(P)

どれも難しのですが、一番最後のタランテラ、という曲、最初から高度なテクニックが炸裂します。


巡礼の年 第2年 タランテラ







ピアニストとして、テクニック(というかメカニックというか)の仕上げのためには、

どうしてもこういう曲を避ける訳にはいかないのです。


◆フランツ・リスト特集(3)編曲者としてのリスト

リストがベートーヴェンの全て交響曲をピアノ用に編曲したものは、比較的有名です。

CDではシプリアン・カツァリスというピアニストが20年以上にも録音したものが、

すさまじいテクニックで、見事です。

これですね。Beethoven : Symphonies Nos. 1 - 9 ( Transcription by Liszt ) / Katsaris

全9曲で4千円台です。安くなりました。

リストの編曲で最も有名ですから、聴いて頂きましょう。


ベートーヴェン:交響曲第4番 第四楽章(リスト編曲・ピアノ版)





ご参考までに、原曲、つまりオーケストラの演奏を並べておきます。伝説的名演の誉れ高い、

カルロス・クライバー=バイエルン国立管弦楽団のライブ録音です。



カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団 ベートーヴェン 交響曲第4番 第四楽章







これは、余計なことを書かない方がいいですね。これほどの大熱演は、滅多にありません。

カツァリスは、このとおり、ものすごいテクニックの持ち主ですが、勿論ベートーヴェンの交響曲の専門家ではなく、

ショパンなど、普通のピアノ曲の演奏も素晴らしいのです。一応、書いておきます。


さて、今日、最後は、「魔弾の射手」で有名なウェーバーの序曲です。リストにより、ピアノ版に編曲されています。

これはですね、先にオーケストラを聴いて頂きます。ウェーバーの序曲の中では最も演奏時間が短いのですが、

編成は大きい・・・というか打楽器を多用しており(魔弾の射手序曲やオベロン序曲は、ティンパニのみです)

賑やかな、しかし、堂々とした「如何にもウェーバー」な曲、「アブ・ハッサン」序曲です。

演奏は、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、フィルハーモニア管弦楽団です。

「アブ・ハッサン」序曲







名曲の名演ですね。

話が逸れますが、私はそうだなあ、小学生の頃からだから約30年前からサヴァリッシュ氏を尊敬しています。

今、80を過ぎた母からもよく言われるんです。

あんた、小学生の頃からずーっと「サヴァリッシュ先生」ていって、尊敬してるのよね。

と、その通りです。これを話すとながくなるし、以前書いたので、今日はここまでにします。


さて、リスト編曲によるピアノ版です。これは、海外のNaxosから取り寄せるしかないのですが、

ウェーバー:序曲集(4手のためのピアノ編曲)です。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーでも聴けます。「4手のための」とは、「連弾」を意味します。二人のピアニストが二台のピアノで

弾く場合は、「二台のピアノの為の・・・・」というタイトルになります。それでは、お聴き下さい。


リスト編曲:ウェーバー:「アブ・ハッサン」序曲







これはピアニストは、Paley, Alexander、Zeger, Brianという二人です。失礼ながら無名だと思いますが、

大変上手い。Naxosはこういう無名だけど優れた才能を発掘する会社ですが、ちょうど良い人を見つけたと思います。

リストの編曲は原曲に忠実で、どこから聴いてもウェーバーの香りはしますが、リストの編曲とは分かりません。

これは、リストが非常に良心的な編曲者だった、ということでしょう。名アレンジャーだったのですね。リストは。


随分盛りだくさんになってしまいましたが、最初に書いたとおり、全部聴く必要は全くありません(聴いて頂ければ嬉しいですが)。

面白そうだ、と思った曲をお好きな順番で、お好きなようにお聴き下さい。

それでは。

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2009.10.23

毎コン本選たけなわ、です。

◆日本音楽コンクール(毎コン)の本選が20日から始まっています。

日本音楽コンクールとは、今年で第78回です。元々毎日新聞の主催で始まったコンクールなので、

ずっと、「毎日新聞音楽コンクール」、通称「毎コン」と呼ばれていました。

ちょっと気をつけると直ぐに分かることですが、今年で78回目ということは、

何と、毎日新聞は戦前に西洋音楽のコンクールを主催することを企画・実行したのです。

毎コンに関しては今までに何度も繰り返し書きましたので、

宜しければ過去の記事もご覧下さい。

とにかく、これは日本で最も権威のあるコンクールです。出た人に訊くと、殆ど必ずと言って良いほど、

このコンクールは、別格だ。

と言います。要するに、レベルが全体として非常に高く、評価にも信頼性がある。

本選まで残ることなど、至難の業です。予選は9月に終わっており、それから1ヶ月ほど経ってから、

本選となります。今週は各部門(作曲、声楽、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット、トランペット)の本選、

つま優勝者を決めるり最終審査が連日、東京のオペラシティで行われています。

ご参考でに、リンクです。
日本音楽コンクール公式サイト

開催日程

課題一覧


◆記事1:日本音コン:作曲部門 東久留米の中辻小百合さん1位「信じられない」(10月20日21時25分配信 毎日新聞)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズが20日、

東京・初台の東京オペラシティで開幕した。初日は作曲部門の審査が行われ、中辻小百合さん(26)=国立音大大学院=が

「消えていくオブジェ~北園克衛の詩による~」で第1位に選ばれた。詩の言葉を瞬間的なイメージとして鮮やかにすくいとったことが評価された。

今年の課題は室内楽作品。応募の53曲から、予選の譜面審査を通過した7人の作品が

板倉康明指揮東京シンフォニエッタによって初演された。池辺晋一郎、野平一郎ら11氏が審査した。

他の入賞、入選者、作品名は次の通り。(敬称略、2位・入選は演奏順)

<第2位>大胡恵(30)=東京芸大卒=「お早うコンプレックス」

▽薮田翔一(26)=東京音大大学院=「Reflect」

<第3位>なし

<入選>増田真結(27)=京都市立芸大大学院=「かさねのあわい~ヴィオラとチェンバロのための二重協奏曲~」

▽桑原ゆう(24)=東京芸大大学院修了=「ラブソング3」

▽小林純生(26)=一橋大学大学院=「駆ける緑、うねる青」

▽折笠敏之(34)=東京芸大大学院=「Dissipation3」


◆記事2:<音コン>田中香織さん1位 クラリネット部門(10月21日20時38分配信 毎日新聞)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズ2日目は21日、

東京オペラシティでクラリネット部門が行われ、第1位に田中香織さん(30)=スイス・バーゼル州立音楽院卒=が選ばれた。

技巧と多彩な表現力が評価された。142人の応募から2度の予選を通過した5人が、

フランセのクラリネット協奏曲を競演。村井祐児、横川晴児ら11氏が審査した。【梅津時比古】

他の入賞・入選者は次の通り(敬称略、入選は演奏順)。

▽第2位 近藤千花子(26)=東京交響楽団員

▽第3位 太田友香(24)=東京佼成ウインドオーケストラ団員

▽入選 川上一道(27)=沖縄県立芸大大学院修了、芳賀史徳(26)=仏・オーベルビリエ・ラ・クールヌーブ地方国立音楽院

▽岩谷賞(聴衆賞) 川上一道


◆記事3:<音コン本選会>第1位に稲垣路子さん トランペット部門(10月22日21時5分配信 毎日新聞)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズ3日目は22日、

東京オペラシティでトランペット部門が行われ、第1位に稲垣路子さん(29)=愛知県立芸大卒=が選ばれた。

表出力豊かな音色などが評価された。

189人の応募から2度の予選を通過した5人がハイドンの協奏曲などを競演。

北村源三、守山光三ら11氏が審査した。

他の入賞・入選者は次の通り。(敬称略、入選は演奏順)

▽第2位 宮本弦(22)=東京音大卒

▽第3位 篠崎孝(23)=大阪フィル団員

▽入選 川田修一(25)=国立音大卒、松岡恒介(26)=相愛大音楽専攻科修了

▽岩谷賞(聴衆賞) 稲垣路子【梅津時比古】


◆コメント:本選まで残ること自体、立派。

申し訳ないけど、作曲部門は、私の知能・感性では理解不可能で、

毎年、1位になった曲を聴いても(NHKで必ず放送します)、何の感興も催さないのである。

分からないことは書けないので、割愛させて頂く。


何といっても、毎コンの醍醐味は、演奏者に優れた才能を発見することである。

私はまだ、本選に残った人々の演奏を聴いていないので、演奏を評価することは

不可能だが、コンクールのサイトに放送予定が載っている。

演奏そのものを丸ごと放送するのは、FMとハイビジョンだけだが、地上波でもドキュメンタリー番組が12月12日の放送される。


◆クラリネット部門

本選課題曲の、フランセ作曲、「クラリネット協奏曲」は知らなかったが、

ブログからリンクを貼らせて頂いている、プロのクラリネット奏者、Nべさんによると、

「最も演奏が難しい、クラリネット協奏曲」と言われているそうだ。YouTubeにあるので、

第一楽章を聴いて頂こう。


Mauricio Murcia/Jean Francaix Clarinet Concerto, first mov







音階の連続のようだが、クラリネットの音域を目一杯使っていて、音の動きも速い。

基礎から、真面目にクラリネットを勉強してきた人が更に猛練習を何ヶ月も重ね無ければ吹けないだろう。


1位の田中香織さんを検索したら、何とMy SpaceというSNSに自分のサイトKaori Tanaka - MySpaceをお持ちである。

右上のプレーヤー画面右上のプレーヤーから、田中さんが吹いたフランセの4楽章を自由に聴くことが出来る。

確かにこれを聴く限り、無茶苦茶上手い。


しかし、2位と3位受賞者も立派だ。

2位の近藤千花子さんは、東京交響楽団員。

3位の太田友香さんは、東京佼成ウインドオーケストラ団員。

プロである。プロになってからコンクールを受けるのは、毎コンの管楽器では、さほど珍しくはないが、

さぞや大変だったと思う。

プロなのだから、仕事があるわけで、コンクール受けるから休職させて欲しい、

とは言えない。まして、
コンクールの曲を練習しているのだから、仕事の曲は少々間違えても良いでしょう、
などとは絶対に言えない。それではプロではない。

聴きに来るお客さんには関係ないことだからである。

恐らく寸暇を惜しんで、この超難曲をさらったのであろう。

クラリネット部門参加者は142人いて、本選に残ったのは5人である。

うち、2人はプロ。それだけでも頭が下がる。


◆トランペット部門。

前回のトランペット部門本選課題曲はジョリヴェという現代作曲家だけだったと思う(確信はない)。

高度な技術が求められ、プロのトランペット奏者になるためには、こういう曲も吹けなければならない、

ということなのだろうが、はっきり言って、聴いている方は全然面白くない。

それは、なんだかんだ言っても、トランペット協奏曲と言ったら、まずハイドンですよ。

これが復活した(?)のは嬉しい。

トランペット部門も、大阪フィルのプロが上位に入賞しているが、

1位が女性。上手くなっているのですね。私の知らない間に、みんな。

ハイドンのトランペット協奏曲は何度載せたか分からない。

何人か聞きくらべて頂こう。最初は言うまでもなく、モーリスアンドレ



J.ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第一楽章







次は、アメリカのロルフ・スメドヴィック(ROLF SMEDVIG)による演奏。

CDは、TRUMPET CONCERTOS -HAYDN/HUMMEL/TARTINI/TORELLI/BELLINI :ROLF SMEDVIG



ロルフ・スメドヴィックによる、ハイドン 第一楽章






非常に楽器がよく鳴っています。テクニックは文句の付けようがありません。
最後は毎コン優勝者と同じく女性。

ノルウェーのまだ、若干22歳。Tine Thing Helseth(ティーネ・シング・ヘルセス)。

CDは、Trumpet Concertos Tine Thing Helseth



ティーネ・シング・ヘルセスによる、ハイドン 第一楽章







ラッパは唇を発音体としていて、その形状や口腔の条件などにより、それぞれ音が違うし、

勿論、それぞれの解釈があるわけで、これほど違って聞こえるのです。

毎コン入賞者のみならず、若い才能が育って欲しいと思います。

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2009.10.16

テレビの影響力はやはりすごいですね。室井摩耶子先生の記事にアクセスが集中しました。

◆アクセス解析を見て驚きましたが、ピンと来ました。

有料アクセス解析ですから、外からは見えませんが、エンピツにもココログにも、

アクセス解析を埋め込んであります。

今日は、何だかアクセスが多く、訪問回数をみたら、何と一見さんか4分の3でした。

こういうのは、何か、今日テレビで放送されたことを私が以前記事にしていた、というケースが

多いのです。経験則で分かるのですが、念のため、検索してアクセスして下さった方が多いので、

「検索ワード」を見たら、全体の約3割は「室井摩耶子」となっていました。


これで、ほぼテレビで何か今日、室井先生のことが取りあげられたことは明らかです。

そこで、Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]の検索欄で、

「室井摩耶子」を検索したら、今はもう日付が変わって見られませんが、フジテレビの

スパイスTV どーも☆キニナル - フジテレビで、15日(木)キニナル!あの人 日本最高齢の現役ピアニスト“室井摩耶子”(←Webキャッシュ保存サービスを使っています)

が放送されたことを知りました。やっぱり。

私は残念ながら会社にいて見られませんでしたが、余程皆さん感激されたようで、ネットで検索なさったのですね。

6月に室井摩耶子先生が米寿記念リサイタルを開かれた、というNHKニュースを見て私は、

「米寿」の記念コンサート 室井摩耶子さん←すごいなあ。ベートーヴェンピアノソナタ32番を演奏なさったとのこと。という記事を書きまして、

有り難いことに室井先生ご本人からコメントを頂戴していたのです。


◆本当は、ちょっとニュースで聴いたぐらいで記事を書くのは失礼で気になっていたのですが、CDが発売されます。

15日のフジテレビの番組を見なかったので、分かりませんが、多分、室井先生の演奏も放送されたのではないでしょうか?

それを聴いて、感心なさってネットを検索して、弊ブログの記事を読んで下さった皆さん。


甚だ僭越な云い方ですが、ご自分の「耳」に自信を持たれて良い、と思います。

私が6月にNHKニュースの中でほんの少し聴かせて頂いただけで、室井先生のタッチ、音色、ダイナミックレンジ等々の

素晴らしさは明らかでした。何とか・ヘミング女史と比較するのも失礼なぐらい、全然次元が異なる演奏です。

そうは言っても、生の演奏を聴かせて頂いた訳ではないのに、分かったような事を書いてしまい、

にも関わらず、先生ご本人のコメントを頂戴して、恥ずかしい気持でした。


しかし、先ほど調べたら、6月のリサイタルのライブ録音がCD化され、10月17日(土)に発売されるそうです。

室井先生は、あくまで生の演奏を聴いて欲しいとおっしゃるので、次回は是非聴かせて頂くとして、

今年のリサイタルはせめてCDで聴かせて頂きたい、と思います。

今日のフジテレビでも、多分その事に関しても触れたと想像しますが、 私のように、番組は見なかったけども、聴きたいという方は、

米寿記念コンサート・ライヴ (予約受付中)を聴かれては如何でしょうか?

本当はCDのお薦めは、私が聴いた後で書くのが筋ですが、品切れになったら、暫く買えないでしょうから、

まだ、聴いていないけれどもお薦めします。

結果的に、CDの「宣伝」になっていますが、天地神明に誓って申し上げますが、

私は、Amazonとも、まして室井先生との「利害関係」は全く無いことをお断りしておきます。

つまり、完全に私の直観的判断でお薦めしている、ということをご理解頂ければ幸いです。

それでは、失礼を致します。

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2009.10.15

【音楽】日本の作曲家の作品。外山雄三、伊福部昭、芥川也寸志各氏の作品。

◆外山雄三:管弦楽のためのラプソディ。

過去に何度も載せたのですけどね。新しい読者もおられるので、良い音楽はときどき繰り返します。

この曲は1960年にNHK交響楽団が世界一周旅行に行ったとき、指揮者は当時若手の岩城宏之さんと外山雄三さん、

ソリストに中村紘子さんが同行しました。世界は文字通り「驚嘆し」たそうです。東洋の、15年前に戦争に負けた、

あの日本にこれほど素晴らしいオーケストラがあったのか、と。この演奏旅行のアンコールの為に外山雄三さんが

作曲したのが、「管弦楽のためのラプソディー」で、日本各地の民謡を素材に、それを西洋の楽器による(当たり前ですが)

オーケストラの為に実に見事にアレンジして、いや、アレンジ通り越して、これは作曲です。

私が高校生の頃にね。N響を岩城さんが指揮したことがありまして、そのテープが何処かに残っているはず。

これは沼尻竜典指揮、東京都交響楽団の演奏。レコードは、ナクソスの 日本管弦楽名曲集/沼尻竜典、東京都交響楽団です。


外山雄三:管弦楽のためのラプソディ







日本特有の「お囃子」に使う、チャンチキという、金属の小さいカネを金属のバチで叩くのですが、

これが世界のどこに行っても大変珍しがられて、終演後、必ずお客さんがやってきて、ちょっと叩かせてくれ、

といったそうです。実際は、ちょっとした楽器の角度や叩き方によって音の高さ、音色が変わるのを意識的に使い分ける、

難しい、日本固有の打楽器です。


◆伊福部昭:ゴジラのテーマ:陸上自衛隊音楽隊による、マーチング演奏。

これは、偶々見つけたんですが、「ゴジラ」の原曲は伊福部昭先生のヴァイオリン協奏曲にあるんです。

ただ、そこから全部聴いて頂くとあまりに長い。

陸上自衛隊がマーチング演奏(歩きながら様々に列を変化させていきます)しています。

マーチング演奏というのは、難しく、歩くと人間どうしても上下に身体が動く。普通にあるいたら、その度に楽器が揺れ、

音が乱れます。楽器を揺らすまいとして、例えば金管楽器ならば強く楽器を唇に押しつけると、汚い音になります。

私も殆ど経験がないので分かりませんが、歩いても楽器に振動が伝わらない独特の工夫をして歩いているはずです。

楽器を演奏するだけでも大変なのに、常に移動しながら見事な図形を描きます。たしか、マーチングというのは、複雑になると、

本番における1分(60秒)に付き、8時間ぐらいの練習が必要になる、ということもある、と聞きました(違ったら、教えてね?)。


伊福部昭:SF交響ファンタジーより。陸上自衛隊中央音楽隊。







この曲は、宙-伊福部昭 SF交響ファンタジー で、管弦楽曲として、

広上淳一指揮、日本フィルハーモニー交響楽団の名演があります。


伊福部昭氏(1914-2006)は、北海道帝国大学(現・北大)農学部卒で、ほぼ独学で作曲を

習得したそうで、誠に当時としては活画期的。天才的な斬新なサウンドだと思いますが、

あまりにも「ゴジラ」ばかりでは何ですから、代表作の一つ、管弦楽曲「シンフォニア・タプカーラ」から、

第三楽章をお聴き頂きましょう。曲の終わりに近づくにつれて、非常に盛り上がります。


伊福部昭 シンフォニア・タプカーラ 第三楽章。本名徹次指揮、日本フィルハーモニー交響楽団。







独学でこれほどのオーケストレーションを施す為に、ものすごく勉強なさったと思います。


◆芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽 第2楽章

芥川也寸志さんは、言うまでもなく文豪・芥川龍之介氏のご令息(三男)です。芸術的才能を三兄弟が見事に引き継いで、

長男の芥川比呂志氏は、俳優・演出家、次兄の芥川多加志氏は文学を志したのですが、戦死なさいました。

交響管弦楽のための音楽 第2楽章は、お聴き頂くと分かりますが、カッコイイのです。

バーンスタインは、芥川さんからヒントを得たのではないか(冗談ですよ)と思うぐらいです。


外山さんと同じCD、日本管弦楽名曲集/沼尻竜典、東京都交響楽団で聴けます。


芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽 第2楽章。芥川也寸志指揮:新交響楽団(芥川さんがずっと指導していたアマチュア・オーケストラ)です。





良いでしょ?

考えてみたら、多分、日本の作曲家の作品だけを集めたのは、今日が初めてでした。

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2009.10.10

ダニー・ケイとニューヨークフィルハーモニックのゆうべ。2度目ですが、あまりにも見られていないので。

◆故・ダニー・ケイ(アメリカの喜劇俳優)がニューヨークフィルハーモニックを指揮した楽しい映像。

既に故人ですが、アメリカの俳優、コメディアンにダニー・ケイという人がいました。

彼は無類のクラシック好きでした。その彼が、今来日中のニューヨーク・フィルハーモニックを「指揮」した、

それはそれは、楽しいコンサートがありました。1981年。なんとあれから、28年も経つのですね。

彼は、楽譜が読めないのだそうですが、映像を見るとわかりますが、実に音楽の本質を見事に捉えています。

岩城宏之さんは、ダニー・ケイとも仲が良くて、このコンサートやダニー・ケイが他のアメリカのオーケストラで、

同じようなコンサートを開いたのをみています。岩城さんは、

楽譜は読めなくても、身体で音楽を表現するダニー・ケイの能力は、そこらの本職の指揮者よりも優れている。

と絶賛しています。

また、ダニー・ケイは、ニューヨーク・フィルばかりでなく、全米各地のオーケストラで同じようなコンサートを

開き、その収益はチャリティーに寄付していたのです。


さて。

「ダニー・ケイとニューヨークフィルハーモニックのゆうべ」は、

VHSの時代でレコード屋で普通に買えたんです。その後、媒体が「レーザーディスク」になったときまでは、

まだ出回っていました。ところが、DVDが出現してから、一向にDVD化されないのです。

これほど楽しいクラシックの映像は無いのに、実に勿体ない。


◆今年の1月に一度、紹介したのですが・・・。あまりにもアクセスが少ないので、もう一度。

私の日記やブログで1年365日、必ずアクセスがあるのは、「大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。」と、

日航123便のボイスレコーダーを載せた記事ばかり(アクセス解析でページ別アクセス数が分かります)。

それらも読んでいただけるのは有難いけれど、ダニー・ケイのこの楽しい映像には殆どアクセスがないのです。

これは、前回はYouTubeにリンクを貼っただけなので、わざわざリンク先を開く気がしないのではないか、と思います。

全部で17のファイルに分かれてますが今日は、全部、ここに動画を直接埋め込みます。

とにかく、これ、見ないと損ですよ。


それでは、早速。


An Evening with Danny Kaye -1981 (part 1 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 2 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 3 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 4 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 5 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 6 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 7 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 8 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 9 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 10 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 11 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 12 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 13 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 14 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 15 / 17)







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 16 / 17)



ここで、ダニー・ケイの真面目なスピーチがあります。大体、次のようなことを述べています。

私は、実は、以前何処かで話したかも知れないけれども、楽譜が読めません。

しかし、私がどうあれ、私がただ申し上げたいのは、皆さんは今夜、大変素晴らしいことをなさった、ということです。

そしてそれは、誰でも出来ることなのです。皆さんは今夜、ここに集まり、互いに手を差し伸べ、人々と友情を分かち合いました。

皆さんがなさったことにより、ここにいらっしゃる、全ての音楽家、演奏家--

皆さんをを楽しませ、幸せにするため、彼らの人生を音楽に捧げ、エネルギーを、愛を、音楽に注いでいる人々、---は、

いつの日か、楽器を持たなくなる時が来ても、今夜のことを思い出し、安らかな気持ちで人生を送ることが出来るでしょう。

私は申し上げたいのですが、より多くの人々が、今夜、皆さんがなさっているように、互いを愛することができれば、

より美しく、寛容で、素晴らしい、愛すべき世の中が実現するだろう、と思います。(以下略)

音楽家に対する謙虚な尊敬、音楽家・観客双方への深い愛情が込められた、素晴らしいメッセージだと、私は思います。







An Evening with Danny Kaye -1981 (part 17 / 17)







とにかく楽しいです。初めての方は勿論、一度ご覧になった方も楽しめます。

私など、何十回見たか分かりません。

なお、VHSには、ここに収録されていないカットが含まれていました。

ダニー・ケイのような人こそ、文字通りの意味での「エンターテイナー」というのでしょう。

早くDVD化されることを願って止みません。

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2009.10.06

10月5日はグルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』初演(1762)の日なんです。私にしては珍しくオペラCDのお薦め

◆グルックというオーストリアの作曲家がいました。代表作が歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」です。

正直に白状しますと、私、作曲家の生涯について書いた本など殆ど読んだことがなく、グルックという名前を知ってるぐらいなんです。

知ったかぶりをしてもどうせバレますから、グルックに関してはウィキペディアの説明を読んで下さい。

非常に簡単に言えば、18世紀のオーストリアの作曲家ってことですよ(←簡単すぎる・・・・)。

で、私は以前、書いたことがありますが、オペラってのは大体嫌いなんです。

何故かというと、私がこの世で最も愛する「オーケストラ」は、オペラにおいては完全に黒子(くろこ)になる。

オーケストラ・ピットという穴蔵で伴奏をし、オーケストラのパートに結構難しいソロなどあっても、聴衆は歌手しか見てません。

それが気に食わん。


しかし、例外的にモーツァルトの「魔笛」は好きだ、とかいたことがあります。

忘れてました。グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」も好きでした。

堂々とした序曲も良いし、キレイなアリアが多いのですよ。演奏時間も比較的短いし。

今日は、そういうわけで、オルフェオとエウリディーチェから、最も有名な3曲をご紹介します。

忘れないうちに書いておきます。元のレコードはこれは、旧東ドイツのBerlin Classicsという廉価版のレーベルなんですが、

名演が多いので有名なんです。このオペラのCDは、

 Christoph Willibald Gluck: Orfeo ed Euridice(グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」(ライプツィヒ放送合唱団/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管/ノイマン))です。

ライプツィッヒ・ゲヴァントハウスはもう文句なしのドイツの由緒あるオーケストラです。ノイマンってのはチェコ・フィルの指揮者です。

既に故人ですが、名指揮者です。このCD「廉価版って、2,453円って、高いじゃないか!」とおっしゃるかも知れませんがね。

オペラのレコードですからね。2枚組なのです。最低。これも2枚組。オペラのCDで2,400円台って安いんですよ。

さて、音楽へ参りましょう。


◆歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より。

まず、序曲。これが好きでね。初めの頃はこの序曲だけ聴いて満足していたぐらいです。

お聴き下さい。


グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲。






いいでしょ?毅然としていて、それでいて繊細で、典雅で。もう少しテンポが速くても良いかも知れませんが、

これは好みですね。この指揮者、ヴァーツラフ・ノイマンという人はどうしてもこういう感じになるんです。

チェコの人で、それこそスメタナの「我が祖国」の「モルダウ」とか振るとちょうどいいわけですな。


さて、次は、このオペラの間奏曲なんですが、「精霊の踊り」という名前でも知られてます。

フルートの伴奏付きソロ曲だと思っている人いますけど、違うからね?

元来、「オルフェオとエウリディーチェ」の間奏曲。オーケストラで演奏される曲です。

まず原曲を聴いて頂きます。


歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より間奏曲(精霊の踊り)







非常に穏やかな、優しい音楽ですね。実に美しい。

それでは、折角ですから、フルートとハープ用に編曲した演奏も聴いて頂きましょう。

これは、知らなかったけど、なかなか上手です。ノーラ・シュルマンというロサンゼルス生まれの、
アメリカ人フルート奏者です。トロント交響楽団の首席だ(った?)そうです。

このCDです。精霊の踊り~フルートとハープが奏でる天上の調べ いいですよ。

よく知られている美しい曲ばかり。他の演奏も聴きましたけど、上手い。音に品があって、暖かいです。

さて、このノーラ・シュルマンさんのフルート、ジュディ・ローマンさんのハープで、


精霊の踊り(フルート&ハープ編曲版)







フルートとハープは大変良く合いますね。


さて、最後。この他にも美しいアリアが、「オルフェオとエウリディーチェ」には沢山ありますが、

一番有名なのは、「われエウリディーチェを失えり」ってんです。

最近は「エウリディーチェを失って」ともいうようですが、同じ曲であることは言うまでもない。


それではお聴き下さい。


歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より、アリア「われエウリディーチェを失えり」







誠に穏やかで、優しく、上品で、美しい歌だと思います。


如何でしたでしょうか。全体として、激情に走る場面がすくなくて、落ちついた良いオペラだと思うんです。

宜しければ、聴いて下さい。

それでは。

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2009.10.01

【音楽】10月1日は「CDの誕生日」なんですね。私が最初に買ったCDをご紹介します。

◆1982年10月1日、この世にCDとCDプレーヤーが現れました。

年表を読んでいて、毎年思い出すのですが、10月1日はCD記念日なのです。

コンパクトディスクが、この世で売られる様になったのは1982年の今日。

何と27年も前の話。

若い方は物心ついたときからこの世にCDが存在していた、という状態でしょうが、

私の世代にとっては、結構衝撃でした。

私はちょうど、クラシックに本格的に目覚めて、

アナログ・レコードを、少しずつ買っていました。学生でしたから、頻繁には買えません。

また、アナログ・レコードは、針でレコード盤の溝から音を拾うわけですから、

何度も聞いていると文字通り「すり減る」ので、カセットテープにダビングし、

それを自分の部屋のカセットデッキで聴く、という面倒なことをしていたのです。


ところが、1982年を境に、急に「これからはCDです」ということになったのです。

そう言われても、当初のCDプレイヤーは矢鱈と高価なものでしたから、暫くは買え無かった。

やがて、今のCDウオークマンの前身のような、コンパクトなCDプレーヤーが出て、4万円ぐらいで、

私もその頃には社会人になって、自分のおカネが少しはありましたから、思い切って買いました。


◆CDプレーヤーを買ったのは良いけど、クラシックのCDは当初さほど種類が無かったのです。

CDプレーヤー(ハード)を買ったのは良いけれど、クラシックのレコードはまだ、それほど

CD化されてなかったのです。それは、やはりレコード会社としては、売れないクラシックより、

何万枚、何十万、時にはミリオンセラーになる、ポップスとか

(私は全部ひっくるめていまだに「歌謡曲」と呼んでますがね)ロックなどから、

商品化したのです。


でも、これはナンセンスなんです。CDてのは、開発の経緯を読むと分かるけど、

本来、「クラシック音楽を高音質で再生するため」に出来たのです。

クラシック音楽、そうですなあ。チャイコフスキーの「悲愴」でも、

ベルリオーズの「幻想」でも、或いはマーラーの交響曲辺りを聴くともっとよく

分かるけど、ダイナミックレンジ(最弱音と最強音の音量の差)がものすごく広い。

アナログ・レコード時代はそれが、レコード制作する人たちのアタマの痛いところで、

最弱音に合わせたら、フォルティッシモで音が割れる。最強音に合わせると、ピアニッシモで

音質が低下したり、雑音が入る。

特に、雑音は微かだけどどうしても入る。針とレコード盤が接触しているから摩擦音が出る。

CDを最初に聴いたときは、驚きましたね。総休止といって、オーケストラで誰も音が出さない瞬間でも

全く雑音が無い。有りがたいものが出来ました。


さて、話が逸れたけれども、CD、何を買おうか考えた末、やはり私はラッパ好きですから、

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの「ヘンデル特集」と、クラシックも吹く

ジャズ・トランペッター、ウィントン・マルサリスのバロック曲集が目に留まり、買いました。

今日は、その、私が四半世紀前に初めて買ったCDの一部をお聴き頂きます。

マルサリスが、コロラトゥーラ・ソプラノとして世界的に有名な、エディタ・グルベローヴァと

協演している。申し訳有りませんが、日本じゃどこにもない。アメリカのAmazonにありました。

Wynton Marsalis - Baroque Music for Trumpetです。


◆ドイツの作曲家・ファッシュ。ヘンデル、トレルリの作品。

最初に収録されているのは、17世紀末から18世紀作曲家、ヨハン・フリードリヒ・ファッシュの作品。


トランペット、2本のオーボエと弦楽のための協奏曲です。三つの楽章で構成されています。


ファッシュ:トランペット、2本のオーボエと弦楽のための協奏曲



第一楽章・アレグロ






第二楽章・ラルゴ






第三楽章・アレグロ・モデラート






ウイントン・マルサリス はジャズ・トランペット奏者ですが、ジュリアード音楽院で勉強していますから、

音楽のツボを完全に押さえています。過度にテクニック誇示にならず、しかしテクニックは完璧です。

高音でも音が堅くならず、フレーズの終わり方が非常に丁寧で、音楽的な演奏です。


◆ソプラノ、グルベローヴァとの共演。

歌とトランペットでは随分音質が違うように思いますが、まあ聴いて下さい。曲は、


ヘンデル:輝けるセラフたちを(オラトリオ「サムソン」)エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)







マルサリスもさることながら、グルベローヴァって人、上手いでしょ?器楽的な細かい音型も完璧な音程で

歌っています。人の声とトランペットの音が醸し出すハーモニーは、不思議なほど溶け合っています。


◆最後はトレルリのソナタです。

トレルリってのは、有名なバロックの作曲家です。この作品はこのCDで初めて聴きました。

楽章の切れ目がなく演奏されます。


トレルリ:トランペット、弦楽と通奏低音のための5声のソナタ






ウィントン・マルサリスは、多くのCDを出しています。超絶技巧を披露している演奏もありますが、

今日、ご紹介した演奏から、音楽的教養、品の良さが表れています。優れた音楽家だと思います。

如何でしたか?

それでは。

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2009.09.27

久々にN響アワーを見ていて感じた「音楽の残酷さ」。

◆N響アワーとは直接関係ないのですけどね。

久しぶりにテレビでN響アワーを見ました。

読者の皆さんは、私がしょっちゅう音楽記事を書くので、

JIROはさぞかし、毎日音楽を何時間も聴いているのだろう

と思われるかも知れませんが、実はさほどではありません。

全く聴かない日の方が多いです。


音楽を聴く、ということは、ただすわって聴いていりゃいいんですから、

受動的な行為と思われがちですが、そうではなくて、音楽を「聴くエネルギー」

というのがあるのです。自分が身体のエネルギーが極端に低下する、うつ病に罹り、

そのことがよく分かりました。

うつ病に罹ってから10年ぐらい、生のコンサートに全く行けなかったのもその所為です。

だから、毎日何時間聴こうが、個人の自由なんですが、「聴くエネルギー」が有る方。

それだけでも、幸せなんですよ。


◆それは、本論ではなく、クラシック音楽で「残酷だな」と思うこと。

今日の曲目はチャイコフスキーとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(後者は第二、第三楽章のみ)でした。

メンデルスゾーンは今年生誕200年ですが(1809-1847)、このヴァイオリン協奏曲何度聴いたが分かりませんが、

つくづく名曲だと思います。作曲されてから200年近く経っている音楽ですよ。

それを、何百回聴いても飽きない。この音楽は全く色褪せない。文句の付けようが無い。完璧な作品ですね。

口幅ったい言い方ですが、私は、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、

「神様からの贈り物」ではないかと思います。


さて、タイトルに「残酷」という文字を書きましたが、どういうことか、といいますと。

クラシック音楽は、精神的に成熟した大人の世界です。

「残酷」だなとおもうのは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いて感動した大人が、

「自分も弾いてみたいな」と思ったとしても(思う人は多いことでしょう)、

仮にそう思った頃からヴァイオリンを習い始めたとしても、絶対弾けるようにはならない、ということです。

大袈裟かもしれませんが、これって「残酷な」現実だと思うのです。

一度は楽器を弾いたり、吹いたり、叩いたりしていた人でも社会人になり、仕事が忙しくなり、

所帯を持って、楽器を続けるのは、誠に困難です(だから、アマチュア・オケの方々は立派です)。

途中で諦め、何十年も楽器に触らず、もう弾けなく(吹けなく、叩けなく)なった方は無数にいることでしょう。


何だか反論が来そうなので機先を制して書いておきますが、楽器を弾ければ自然に幸せになる、というほど、

音楽が甘くないことは、十分承知しています。特にプロは「弾けて当たり前」。

ミスを繰り返せば、どこからもお呼びがかからなくなり、露頭に迷う、厳しい世界です。

それでも、私は「弾きたいのに弾けない」より幸せだと思います。


日本の世の中、いつまでも成長することを目指して夜遅くまで働くのは止めて、仕事はほどほどにして、

日本が何とか「巡航体制」になれば御の字、という風に頭を切り換えられないものでしょうか?

どこまでも上昇しようとするから無理が出るようなきがします。


まあ、そういう社会に関する論評はさておき、私が、クラシック音楽を聴いていて、

「残酷だな」とおもうことがある、ということ。そしてその理由を書くのが本稿の目的でした。

それでは。

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2009.09.26

今日はショスタコーヴィッチの誕生日だったり色々なんです。

◆9月25日は色々音楽に因んだ話題が多い日でして。

どういう意味かと言いますと、9月25日、音楽家関係の年表を見ると、

ソビエトの作曲家、ディミトリー・ショスタコーヴィチ誕生(1906~1975)

オーストリアの作曲家、ヨハン・シュトラウス(父)没(1804~1849)

ピアニスト、グレン・グールド誕生(1932~1982)

ということで、これだけ「イベント」が集中するのは珍しい。一人ずつご紹介します。


◆ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906年9月25日-1975年8月9日)交響曲第5番フィナーレ

ショスタコーヴィッチに関する詳しい説明はウィキペディアをお読み下さい。

ショスタコーヴィッチ・ファン(というか、マニアというか)は異論が有るでしょうが、

まあ、ごくごく常識的にショスタコーヴィッチといったら、まず、普通はこの交響曲第5番、しかも景気の良いフィナーレを

連想します。この作品を初演した、旧ソ連の指揮者、ムラヴィンスキー=旧レニングラード・フィル(現・サンクト・ペテルブルグ・フィル)

の映像が残っています。他の指揮者とオーケストラでも良い演奏がありますが、

ショスタコの5番といったら、まあ、餅は餅屋です。

ショスタコーヴィチ作曲 交響曲第5番より、終楽章(第四楽章)

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルです。






9分10秒あたりからの終結部は大変な盛り上がりです。

金管が高らかに歌い上げ、ティンパニの強打が聴き手の肚にずしりと響きます。

但し、演奏している人、特にトランペットは(今ではアマチュアでもこれぐらい出来て当たり前なのですが)、

曲の一番終わり、疲れているところで最高音をフォルティッシモで吹かねばなりません。

9分51秒からのトランペットの最高音は普通のB(変ロ)管の最高音より高く、

正しい呼吸法で吹いても、馬力がないと、目の前に星がちらつきます。

CDは、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ムラヴィンスキー レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

をお薦めせざるを得ません。キャンディード序曲ならバーンスタイン=ニューヨーク・フィルハーモニックを

お薦めするようなものです。


◆ヨハン・シュトラウス1世(1804年3月14日 - 1849年9月25日)の命日「ラデツキー行進曲」。

言うまでもなく、「ワルツの父」ですが、毎年、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの

アンコールで演奏される「美しき青きドナウ」は息子(ヨハン・シュトラウスⅡ世)の作品です。

同じくニューイヤー・コンサートで最後に演奏される、ラデツキー行進曲がⅠ世、つまり、親父さんの作曲です。

ニューイヤー・コンサート、二人の指揮者を比べて下さい(二人とも既に故人ですが)。

まず、


カルロス・クライバーによる「ラデツキー行進曲」







なんだか、「雰囲気だけ」の指揮みたいに見えます。

あんさん、真面目に振りなはれ。

といいたくなりますが、ウィーン・フィルは真剣そのものですから、あの何もしていないような「指揮」が、

プレイヤーを弾かせてしまっている。不思議なものです。

CDは、ニューイヤー・コンサート1992DVDもあります。


もう一人。お馴染みカラヤンによる「ラデツキー行進曲」。

クライバーの5年前、1987年のニューイヤー・コンサートです。カラヤンが亡くなる2年半前です。



Die Wiener Philharmoniker / Karajan - Radetzky Marsch<







何だか、泣けてしまいます。こんなに天真爛漫、お客さんの方を向いて、拍手を指揮して、

そして、これほど楽しそうに棒を振るカラヤンの映像って、他に無いのではないかと思います。

ニューイヤー史上、最も豪華なコンサートだったと言われています。

出来ればDVDニューイヤー・コンサート1987 カラヤン&ウィーン・フィルで見たいところですが、

勿論、CDニューイヤー・コンサート1987 カラヤン&ウィーン・フィルも、ありますけど。

SHM-CD(スーパー・ハイ・マテリアルCD)なのでDVDより、CDの方が高いのですよ。


◆天下の変わり者。しかし、やはり天才。奇才グレン・グールド(1932年9月25日 - 1982年10月4日)

芸術家に変わり者が多いのは、良く知られていますが、これほどの変人は珍しい。

経歴、人物に関しては、ウィキペディアをご参照下さい。

色々弾いていますが、やはりバッハがいいのです。ゴールドベルク変奏曲の1955年版CDが好まれています。

ゴルトベルク変奏曲(1955)、フランス組曲全曲、トッカータ集 グールド(3CD)¥2,090 (税込)

ここではYouTubeにアップされている画像。

多分ゴールドベルク変奏曲全曲拾えると思いますが、長いですから(第30変奏まであります)、全部ご覧になる「必要」はありません。

グールドってのがどんな感じの人物か。「ゴールドベルク変奏曲」がどのような感じの曲かを知っていただければ、幸いです。

そしてですね。演奏中に人の声が聞こえることがしばしばあります。

グールドの声です。この人、弾きながら歌ってしまう癖があるのです。

これは、もう、どうしようもありません(笑)。そういう人なんです。


Goldberg Variations 1-7





Goldberg Variations 8-14







Goldberg Variations 15-19







Goldberg Variations 20-24





Gould plays Goldberg Variations var25







Gould plays Goldberg Variations var.26-30 & Aria Da Capo







本当は、最初から最後まで通して聴くのですが、演奏の仕方にもよる(リピートをするかしないか)のですが、

長いと1時間を超えますから、「邪道」かも知れませんが最後の第26変奏から30変奏から聴くのもひとつの手です。

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2009.09.20

【音楽】フランチェスカッティというヴァイオリニストがいます。

◆はじめに:私事で取り込みがありまして。

今日は時事評論を書くつもりだったのですが、私事で取り込みがありました。

「取り込み」というのは、普通「不幸=弔事」の婉曲表現ですが、そうではありません。

昼間、ふと、マンションの駐車場の停めてある自分の車をみたら、リア・ガラスに、

直径10cmぐらいの穴があいており、その衝撃でリア・ガラス全体にヒビが入っていました。

18日夕方に見たときには、普通だったので、夜中のウチに、悪い奴にやられた、と思いこみ、

110番してお巡りさんがやってきたのですが、詳しい事情を話すとマズイので途中省略して

結論だけ書くと、過失により、ある人がものを落として、それが運悪く私の車のリア・ガラスを

直撃したのでした。しかし、ご本人が直ぐに申し出て下さったので、犯罪ではないことがわかり、

ホッとしました。リアガラスは、全体にヒビがはいりどうしようもないので、クルマのディーラーに

取りに来て貰いました。修理代は、壊した方が払って下さると、大変真摯で紳士的な方だったので、

「揉め事」には発展しなかったのが幸いでした。

このように書くと、なんでもないのですが、今日は半日、「非日常的事件」の対応に追われて疲れました。

天下国家を論じる余裕がありません。音楽にします。


◆ジノ・フランチェスカティという昔のヴァイオリンの名手の演奏をご紹介します。

ヴァイオリンの神様はハイフェッツですが、このフランチェスカッティという人大変な名人です。

半世紀も前なのですが、今の若くて上手い人に劣らず、どころかもっと上手いかも知れません。


私にとって、この人は大変懐かしい名前です。

13年前に死んだ親父は、私ほどではないですが、音楽が好きでした。

対して知識もないし、持っていたレコードも数は多くないのですが、何故か名盤が多いのです。

私が生まれて初めて聴いた、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、のヴァイオリン協奏曲は

いずれも、フランチェスカッティでした。ですから懐かしい。

今の方はご存じないと思いますので、ご紹介します。YouTubeから集めました。


まずチゴイネル・ワイゼン。ちょうど50年前の映像です。


Sarasate: Zigeunerweisen (Zino Francescatti)1959







完璧です。



続いて、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」。

音だけですが、十分素晴らしい。


Francescatti:St Saens, Introduction & Rondo Capriccioso







テクニックも完璧ですが、この人は、音が素晴らしい。



3曲目は、ヴィエニアフスキー、「エチュード・カプリース」


Zino Francescatti plays Wieniawski's Etude-Caprice in A







演奏時間1分台の短い曲ですが、難しい技巧の連続です。



最後、ヴァイオリンの超絶技巧といったらパガニーニ。ヴァイオリン協奏曲第1番より第3楽章。


Zino Francescatti plays Paganini Violin Concerto #1; 3rd mvt







以上です。HMVのクイック検索に、「Francescatti」と入力すると、

彼の代表的な録音が沢山並んでいます。ベートーヴェンの協奏曲、バッハの協奏曲集、ここに一部載せた、

パガニーニの協奏曲集、チャイコフスキーとメンデルスゾーンの協奏曲など、どれからお薦めして良いかわからないほどです。

フランチェスカッティという名前、是非、覚えておいて下さい。

それでは。

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2009.09.19

【音楽】華麗にして、奥深い、打楽器の世界。

◆打楽器は最も簡単な楽器だと思っている世の殆どの方々へ。

オーケストラを聞き慣れない人をコンサートに連れて行ったら、

この中で私に出来そうなのは『タイコ』ぐらいのものですよ

と言いました。私は大人げないと分かりつつ、
いえ、無理だと思います。

と答えてしまいました。打楽器→タイコ→誰でも出来る、と思っている方、打楽器は「易しい楽器」ではありません。

だからこそ、プロの打楽器奏者が存在するのです。

今日、ご紹介する映像で、かなりの方は、打楽器に対する認識が覆るでしょう。


◆広島の中学生(公立です)の打楽器アンサンブル。

これは、最近Twiterで話をさせて頂いているpercussion879さんに教えて頂きました。

この後も殆ど、percussion879さんに教わったものばかりです。

percussion879さんには心より御礼申し上げます。


さて、まずは、「普通の」中学生達の演奏をとにかくご覧下さい。

マリンバなどの鍵盤打楽器も見事ですが、1分18秒付近からの男の子のタンバリン演奏が、驚異的です。

広島県府中町立府中中学校「Portico for Percussion Ochestra」







中学生が、この類の前衛的な複雑なリズムを正確に把握して互いに聴き合って、合わせている。

単に「合っている」レベルではなく、音楽として見事です。私は暫く開いた口がふさがりませんでした。


◆広島ジュニアマリンバアンサンブル

これも、percussion879さんに教えて頂きました。学校じゃないのですが、海外で演奏を披露するほどの、

曲芸的な名演を繰り広げる子供達の打楽器アンサンブルです。見事な演奏に唖然として下さい。


広島ジュニアマリンバアンサンブル






私は、随分色々な楽器の演奏を聴いたつもりでしたが、世の中、知らないことばかりです。


◆マリンバ独奏。千頭加奈子「リズミックカプリス」

次は、percussion879さんが撮影なさった、プロのマリンバ奏者、千頭(ちかみ)加奈子さんのマリンバ独奏です。

千頭加奈子さんについては、この神戸新聞ニュースで、経歴などが分かります。

さて、この演奏は非常に特殊なものだそうで、percussion879さんのご説明を引用させて頂きます。

普通マリンバはマレットの先端の丸い部分で演奏するのですが、この曲はそれだけでなく、

棒の部分でマリンバ鍵盤のエッジを叩く奏法も同時に行って1人なのに2重奏になっています。

どのようにマレットを持つのか手元もアップして撮影しました。

とのこと。演奏途中までですが、近いうちに全部アップなさるそうです。

千頭加奈子「リズミックカプリス」







ものすごく、熟練が必要であることは、打楽器の素人といえど、見て明らかです。

どうですか?これでも「打楽器は一番易しい楽器」だと思いますか?(笑)


◆ネボジャ・ヨハン・ジヴコヴィチ ( Nebojsa Jovan Zivkovic)打楽器のハイフェッツだと思います。

既に書きましたが、今日ご紹介するの映像や演奏者の殆どは、アマチュア打楽器奏者のpercussion879という方に教えて頂きました。

次も同様です。

ドイツを拠点に活動している、ソロ・パーカッショニスト、ネボジャ・ヨハン・ジヴコヴィチ ( Nebojsa Jovan Zivkovic)という人がいます。

打楽器奏者であり、作曲もします。

まず、何も説明しませんから演奏をご覧下さい。自作自演です。


Der kleine Paganini(小さなパガニーニ)






訳が分からないでしょう?

これ、ちゃんとCDになっています。Zivkovic(Perc)The Castle Of The Mad King (ジフコヴィチ:狂王の城)

ジヴコヴィチは自分のサイトを持っていて、自らの演奏の映像を沢山公開しています。

NJZ Video Filesです。先ほどの「小さなパガニーニ」もここにあります。

この人はマリンバというか鍵盤打楽器を特に好んでいるようですが、打楽器奏者というのは何でもできなければいけないのです。

スネア・ドラムの目にも留まらぬ早業をご覧下さい。画像埋め込みは出来ませんので、リンクを貼ります。


"PEZZO DA CONCERTO" for Snare Drum


タイコひとつです。スネア・ドラム(小太鼓)ひとつでこれだけの表現が可能である、ということに新鮮な驚きを禁じ得ません。

ただ、明らかなことは、あらゆる楽器の演奏でも歌でも共通しているのは、上手い人は無駄な力が入っていない、と言うことです。

今の演奏ならば、ピアニッシモからフォルティッシモまで、あれだけの速さでスティックでドラムヘッド(タイコの「皮」のことです)を

叩き続けて、ストロークが乱れないのは、フォルティッシモですら、その音を出すのに必要最小限な力しか入れていない。

そして、指、手首、肘、肩にかけて柔軟性を保ち続けているし、身体の他の部分も力んでいないのです。

演奏に直接関係なくても、身体のどこか一箇所に、無駄な力が入ると、全体に影響を及ぼすのです。

ジヴコヴィチ氏のサイトにある、他の画像も是非ご覧下さい。


◆最後、エンターテイメント系のパーカッションアンサンブル。 "Funcussion"

今日最後のファイルです。これは私が偶然見つけました。 "Funcussion"

エンターテイメント系のパーカッションアンサンブルと称していますが、勿論、打楽器の基礎から専門的な訓練を受けたプロであることは、

演奏を聴くと直ぐに分かります。クラシックも演奏するようですね。レパートリーに「亡き王女のためのパヴァーヌ」が入っています。

今日は、楽しいのを。


Michel Camilo On Fire -percussion ensemble "Funcussion"







もう、お分かり頂けたと思いますが、打楽器は難しい楽器です。

最初からこんなカッコイイ「曲」などやらせて貰えません。鍵盤打楽器なら、他の楽器と同じように音階や、

退屈な教則本をさらわなくてはいけない。しかも打楽器奏者なら、タイコ類も叩けなくてはいけない。タイコは、

また、別の練習が必要です。人間には利き腕があり、どうしてもそちらの音が強くなるし、コントロールが容易ですが、

タイコを自由自在に叩くためには、両手を同じようにコントロール出来なくてはいけない。最初はメトロノームに合わせて、

楽器ではなく、「練習台」という昔なら要するに単なる板を、一定のテンポ、均質な音色・音量で叩けるようになるまで、

最初はゆっくり、「ポコ・ポコ・ポコ・ポコ・」と叩くのです。鏡を見ながら(両手のバチが常に同じ高さにならないと、

音量が一定にならないからです)。退屈ですが、それを我慢できた者だけが上手くなる。

楽器の演奏を習得するというのは、そういうことだと思います。打楽器も全く他の楽器とその点において同様です。

それでは、皆さん、良い連休をお過ごし下さい。

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2009.09.11

【音楽】「ハンド・フルート」という不思議な「楽器」。今日初めて知りました。

◆今朝テレビに「CHILDHOOD」というデュオが出ていたのです。ハンドフルート(手笛)で見事な演奏をします。

家人が録画しておいてくれたのを見たのだが、CHILDHOODという、ハンドフルート(手笛)とピアノのデュオが、

大変評判になっているという。これが実に不思議な演奏で、主旋律を担当するのは歌でも、口笛でもなく、

ハンドフルート(手笛)なのである。CHILDHOOD -ハンドフルート(手笛)とピアノのデュオ-公式サイト

説明を読んで下さい。二人とも東京音楽大学を出ている。ハンドフルート奏者(?)は東京音楽大学教育科卒業で、

伴奏のピアニストは、何と、本来ソリストを目指すピアノ演奏家コースを卒業している。


◆百聞は一見にしかずで、CHILDHOODの演奏を聴いて、見て下さい。

YouTubeから拾ってきた、画質・音質ともあまりよくないが、とにかくどういうものかを、

ご覧頂きたい。


CHILDHOOD 見上げてごらん夜の星を

何故か曲の途中から収録されているのが、ちょっと残念なんですが。






これは、要するに両手を組むのだが、手のひらはくっつけずに「空洞」を作る。

そこに息を吹き込むと音がでる。両手の間隔を調整し、空洞の容積を変化させて音程を変えている。

テレビでは、音階を吹いて見せてくれたが、なんと3オクターブもの音域を持つのである。

Googleで「ハンド フルート」を検索すると、吹き方を説明しているサイトが沢山見つかる。

例えば、ハンドフルートのやり方である。


◆世界中に愛好者がいるらしい。

CHILDHOODの映像をYouTubeで探していたら、偶然、同じハンドフルートを演奏する、

但し、こちらはもっと年季が入っていると思われる、ガイジンのオジサンが目に留まった。

曲目を見ると、モーツァルト、ヴィヴァルディなど、本格的なのである。聴いてみたら、やたらと上手い。

そこで読者の皆様にも是非ご紹介したい。尤も、このオジサンのプロフィールは、全く分からない。

まず。何と。

トランペット吹きの休日







唖然とした。若干音程が悪いところもあるが、総体的には問題ではない。

続いて。ヴィヴァルディの調和の霊感に含まれる、ヴァイオリン協奏曲の第三楽章。

Vivaldi RV356 Concerto for Violin in A Minor, Presto





細かい16分音符をよくぞ、ここまで吹くものだ。


更に。
モーツァルトのフルート協奏曲第1番第3にまで吹いている。



Mozart Flute Concerto No. 1 in G, K313, Rondo







これほどの曲が吹ける、ということは、この人物がものすごい情熱で、

練習した証拠である。ハンド・フルートが得意だから、というレベルではない。


今日は、音楽といっても、「番外編」のようなものだが、決して、「ハンド・フルート」を

バカにしているのではない。むしろ逆である。

世の中には、我々ひとりひとりが知らないことの方が多い。

ということを痛感すると共に、本格的「ハンド・フルート演奏」の音楽性の高さに

驚嘆したのである。

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2009.09.08

【音楽】アバドのブランデンブルク協奏曲(続)

◆はじめに:天下国家を論ずる気になれません。

最近、時事問題を論ずる気になりません。

憲法第54条第1項により、

衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

のですが、衆議院議員の総選挙は8月30日に済みました。その選挙の日から30日とは、9月29日です。

総選挙の後に召集される国会を特別国会といい、特別国会で内閣総理大臣が選ばれ、

鳩山由紀夫氏が正式に内閣総理大臣に就任し、その後、この国をどうするつもりなのか、

所信表明演説を行います。因みに、にたような言葉に「施政方針演説」があります。

「所信表明演説」と「施政方針演説」。「特別国会」「臨時国会」「通常国会」の違いはなにか。

直ぐ分かりますから、調べることをお薦めします。私がここに書いてもいいのですが、

それを読んでも絶対に直ぐに忘れますから。

とにかく、新政権の方針がはっきりしないと何も論評できません。

無理に何か時事問題を書こうとすれば、三面記事(社会面の記事)から

「ネタ」を取って来て、書くことも出来るでしょうが、本当に書きたいと思っていないことを

書いても仕方がないでしょう。


また、世の中には、毎日、政治家の発した言葉の揚げ足を取って、口汚く罵っているブログもありますが、

そういうことを書いても意味がない。

◆というわけで昨日の続きで、アバドのブランデンブルク協奏曲をお聴き下さい。

昨日お聴かせしなかった楽章から。

ブランデンブルク協奏曲第2番 第3楽章


演奏時間は2分半ぐらいなんですが、その後の拍手と、アンコールでもう一回やっているので、

ファイル全体で10分になっているのです。必ずしも最後までご覧になる必要は、ありません。


Bach Brandenburg Concerto 2, 3.movement, including repeat Bis







ブランデンブルク協奏曲第4番 第2、第3楽章



3分45秒から第3楽章になります。ソロ・ヴァイオリンの腕が鳴ります。


Bach Brandenburg 4, 2.+3.movement. Abbado







ブランデンブルク協奏曲第5番 第1楽章



Bach Brandenburg 5, 1.movement, Abbado







ブランデンブルク協奏曲第5番 第2楽章



Bach Brandenburg 5, 2.movement Abbado







ブランデンブルク協奏曲第5番 第3楽章



Bach Brandenburg 5 3. movement Abbado







第6番まで載せると流石に多すぎるので、今日はここまでにします。



もう2時半になってしまった。これから風呂に入って寝ます。

それでは。

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2009.09.07

【YouTube】アバドのブランデンブルク協奏曲。初めて見て、聴きました。

◆アバドのバッハって聴いたことがないのです。

偶然、YouTubeで見つけた映像ですが、元・ベルリン・フィルの音楽監督だったクラウディオ・アバド。

かれの古典派(ベートヴェンとか、ロマン派(ブラームスとか)、後期ロマン派(マーラーとか)、それ以降の

演奏は聴いたことがありますが、アバドがブランデンブルク協奏曲を指揮(チェンバロ弾き振りではなく)している

映像を沢山見つけました。

ブランデンブルク協奏曲は、オーケストラといっても小編成で、カラヤンみたいに自分がチェンバロ弾き振りすることが多い

のですが、アバドは自らは音を出さずに指揮に専念しています。

現代の楽器で普通に演奏しているのですが、とても良い。全部載せたいぐらいですが、流石に飽きるでしょうから、

いくつか選びました。


◆ブランデンブルク協奏曲 第1番 第四楽章。

ブランデンブルグというと、2番、3番、5番あたりはしばしば耳にしますが、

1番は、意外に知らない方が多いのでは?



色々きくのですが、この楽章、最近やたら遅く弾くのが流行っているのか、

なかなか、私の好みに合うのがありませんでしたが、これは良いです。

どうぞ。


Bach Brandenburg Concerto 1, 4.movement




1分15秒からのオーボエとファゴットによる第1トリオ、5分18秒からのホルンとオーボエによる

第2トリオ、大変見事です。これぐらいのテンポだと実に聴いていて小気味良い。


◆ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV 1047 第一楽章。

2番は独奏楽器群とオーケストラによる音楽で「合奏協奏曲」(コンチェルト・グロッソ)というものですが

独奏楽器群が面白い、ヴァイオリン、リコーダー、オーボエ、そしてトランペットです

音量的にはリコーダーが一番弱く、トランペット(ピッコロ・トランペット)が一番強い、というか、

音の通りが違うはずですが、不思議にバランスが取れています。

ブランデンブルク2番のフルート・パートは、アルト・リコーダで全部吹けます。

ここでは有名なミカラ・ペトリが吹いています。

ピッコロ・トランペット、非常に上手ですが、

元ケルン放送交響楽団のラインホルト・フリードリヒ、とという人です。


Bach Brandenburg Concerto 2, 1.movement







とにかく私は常にトランペットが気になるんですが、この人、上手い。


◆ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 全曲

3番はソロ楽器はなくて、弦楽合奏とチェンバロで演奏されます。




Bach Brandenburg 3 complete. Abbado.







これも、私の好みだとテンポが遅すぎる演奏が多いんです。

アバドは第1楽章も第3楽章も、非常に私の好みです(いつも書いているとおり、これは人によって好みが違って当然です)


◆あまり聴かれない、ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049 第一楽章。

この曲の独奏パートは2本のリコーダーとヴァイオリンです。上手く両者を絡ませたものだと思います。

ここでもペトリがリコーダーを吹いていますね。

Bach Brandenburg 4, 1.movement, Abbado






3分11秒から約20秒間、ソロ・ヴァイオリンの細かい動きが20秒ほど続きます。

プロなら、これぐらい(音型は音階的だし)どうってこと無いのかしら?

私、この部分が好きなんですよ。



ブランデンブルク協奏曲は全6曲ですが、今日はひとまず、ここまで。

それでは。

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2009.09.04

「日本音コン:ピアノ部門 44人が第2予選へ」←第1予選を何人が受けたと思いますか?

◆記事:日本音コン:ピアノ部門 44人が第2予選へ(毎日新聞 2009年9月2日 東京朝刊)

第78回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)ピアノ部門の第1予選が、

8月30日~9月1日の3日間、東京都文京区のトッパンホールで行われ、44人が第2予選へ進んだ。

応募の144人の演奏を須田真美子、鷲見加寿子ら11氏が審査した。第2予選は4~6日の3日間、同ホールで行われる。

 第1予選通過者は次の通り。(演奏順、敬称略)

阿見真依子、安部まりあ、東山洸雅、瀬川裕美子、久保智史、梅村百合、鍵谷涼子、田中翔平、石井園子、

相原一智、石井美由紀、遠山沙織、朝倉すみれ、崎谷明弘、齊藤一也、松岡優明、見崎清水、上田友紀子、〓澤光彦、

大塚玲子、黄木友里香、三原未紗子、吉兼加奈子、吉武優、天本麻理絵、恵藤幸子、岩倉彩子、稲生亜沙紀、森田みず希、

別府由佳、日高志野、高橋ドレミ、浅井文、林京平、喜嶋麻実、棟方恵美、和田萌子、志鷹美紗、

中桐望、内藤由衣、佐野主聞、金平夏花、梅村知世、今田篤


◆コメント:第1予選を通らなかった人たちの演奏。我々が聴いても、第2予選へ進んだ人たちとの差は分からない、と思います。

タイトルの答(第1予選を受けた人の人数)は記事のとおり、144人です。

このうち、44人が第2予選へ進出しました。ちょうど100人が第1予選で落とされたのです。


しかし、最近のピアノのレベルというのはものすごいのです。


私は、7月に、東京音大付属音楽教室学外演奏会を、まさにこの予選会場、トッパンホールで聴きました。

幼稚園から、中学3年生までの子供達ですが、その時の様子と、演奏された曲について、日記・ブログに書きました。

あまりの上手さに驚嘆し、2日連続で書きました。

 【演奏会評】東京音大付属音楽教室(辻井伸行氏もここの出身) 発表会ココログ

【演奏会評】東京音大付属音楽教室 発表会(続)演奏された曲目を、プロが演奏したもの。ココログ

特に2番目に載せた音楽。これを中学2年、3年の子供達が、ただの一度のミスタッチも無く、

すさまじいテクニックと音楽的成熟度を以て演奏するのです。


この子達の多くはプロを目指していますが、決まった訳ではありません。

しかし、毎コンを受けるということは、今まで何度も書きましたが、半端な覚悟じゃないのです。

何としてもプロになってやる。ソリストになってやる、という音楽大学や音大附属高校の学生、生徒が、

4月からずっと、多くは一日に十数時間練習して、臨むのが、「毎コン」というものです。


◆第1予選に合格した人、通らなかった人の差は、素人が聴いても分からないと思います。

第1予選を受けるだけで大変なのです。毎コン(正式には「日本音楽コンクール」)の公式サイトに載っている、

ピアノ部門、第1予選の課題曲。

第1予選
次のBeethovenのソナタ(a)~(i)の中から任意の2曲を用意し、当日各自の抽選による1曲を演奏すること。

(a) No.2 A major op.2 No.2 第3、4楽章

(b) No.3 C major op.2 No.3 第3、4楽章

(c) No.4 E flat major op.7 第3、4楽章

(d) No.7 D major op.10 No.3 第3、4楽章

(e) No.11 B flat major op.22 第3、4楽章

(f) No.13 E flat minor op.27 No.1 第3、4楽章

(g) No.14 C sharp minor op.27 No.2 第2、3楽章

(h) No.15 D major op.28 第3、4楽章

(i) No.18 E flat major op.31 No.3 第3、4楽章

※都合により演奏をカットする場合がある。

ベートーヴェンのピアノソナタのうち9曲(全楽章ではありませんが)が課題曲。

このうちの2曲を自分で選び、

第1予選当日、クジで、どちらを弾くのかが決まる。

この、全てを弾けるように練習を続けていたわけです。

予選は一般公開しないので、会場では聴けませんが、恐らく我々素人が聴いても、

第1予選を通った44人と、惜しくも通らなかった100人の演奏は、一体どこが違うのか、

分からないだろう、と思います。つまり、本当に僅差であろうと思われます。


◆ナクソス・ミュージック・ライブラリーで、これらを無料で聴くことができます。

クラシック好きの方、特にピアノが好きな方はベートーヴェンのソナタですから、

聴いたことがあるでしょうが、実は私はベートーヴェンのピアノソナタ、よく知りません。

聴くと「ああ、あれか」という曲は多少ありましたけど。知らない曲のほうがずっと多いです。

この際だから、ちょっと聴いてみませんか?全部じゃなくていいですから。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーとは何か。これは以前書きましたので、ざっと目を通して下さい。

ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)のすすめ(2度目かな)。ココログ

このサービスは非常に良心的でして、今回の第1予選の課題曲を全部無料で、聴かせてくれます(ピアノだけではなく、他の楽器についても)。

日本音楽コンクール2009課題曲試聴です。会員ではない、という方も、1日15分まで、

15分間無料体験、を利用すればいいのです。

無理にでも、とは決して言えませんが、これをきっかけに、クラシックに興味が湧いた

という方が、おられるかも知れない。そう思ったので、紹介しました。

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2009.09.02

【音楽・映像】ホルンの神様、デニス・ブレイン(1921-1957)没後52年。すごい!デニス・ブレインの動画初めて見た!

◆今なお、人類史上最高のホルン奏者として尊敬を集めています。

殆ど毎年のように、今日9月1日は、「ホルンの神様」、イギリスのホルン奏者、デニス・ブレインを紹介しています。

デニス・ブレインが亡くなったのは、1957年9月1日。クルマが好きで運転も上手かったデニスブレインは、前日、

スコットランドのエディンバラでのコンサートの後、徹夜で、クルマを飛ばしてロンドンに戻る途中、ロンドンまで

あと少しというところで、多分居眠りでしょうね。街路樹に激突して、亡くなってしまいました。

あまりにも惜しい。

ホルンというのは、本当に難しい楽器のようで、私の日記の読者中学(小学校だったかな?)から大学まで、ずっと

吹奏楽部(コンクールに出るような学校の)でファゴットを演奏していた、という方がいらっしゃいます。

その方は勿論楽器は違うけれども、毎年コンクールで、全国から選りすぐられた上手い吹奏楽部ばかりを聴いてきたけれども、

遂に、ホルン・セクションが本当に上手い、という学校は見たことがない、とおっしゃいます。

それほど、難しい。

そのホルンで、しかもむずかしい曲を、

何が、難しいの?

と言わんばかりにサラッと吹いてしまうのが、デニス・ブレインです。

ヴァイオリンにおいて、ハイフェッツは永遠の神様であるように、ホルン演奏において、

デニス・ブレインは、多分人類史上・空前絶後の「神様」としか表現出来ません。


◆今までは音だけでしたが、YouTubeで動画を発見しました。

ホルンを吹く方、ホルン好きの方はとっくに御存知だったのでしょうが、

私は、今日、生まれて初めて「動くデニス・ブレイン」、つまり動画を見つけました。

ベートーヴェンはホルンの為にソナタを書いています。それを演奏しています。

ベートーヴェンの演奏も素晴らしいのですが、曲を吹く前に、デニス・ブレインが

楽器の説明をしています。

ベートーヴェンの時代には、ホルンはこのようにただの真鍮の管にマウスピースを付けたものでした。

(吹いて見せて)このように、ただ吹いたのでは、出ない音が沢山あります。

そこで、ホルンの開口部(ベル=朝顔)に、右手を差し込んで、微妙に角度を調整して、

倍音だけでは出せない音を出すのです。

といって、ベートーヴェンの時代のホルン(=ナチュラル・ホルン)を取りあげて、右手の操作で見事に

音階を吹いています。普通、ナチュラル・ホルンで音階を吹いたら、右手で調整した音は、くぐもったような音に

なるのですが、ブレインの音は、現代の楽器と大差ない。

この人は、
(今でも)ナチュラル・ホルンで吹けというなら、やってもいいよ?

と言い出しそうです。こういう人こそ、正に「天」「才」と呼ぶに相応しい。


◆ベートーヴェン/ホルン・ソナタ へ長調 Op17:デニス・ブレイン(ホルン)デニス・マシューズ(ピアノ)

二つのファイルに分かれます。

デニス・ブレインの肉声が聴けます。ナチュラル・ホルンをこともなく吹いていますが、

普通、こんなの、吹けません。本番は流石に現代の楽器で吹いています。



Beethoven Horn Sonata Op.17 (1/2)





Beethoven Horn Sonata Op.17 (2/2)



終わり近く、8分31秒から32秒にかけて。トリルがありますが、全くバルブを動かさないで、

唇だけで演奏しています。平然と演っていますが、ものすごく難しいことなのです。






ハイフェッツとデニス・ブレインは、生の演奏を聴きたかった、といつも思います。

デニス・ブレインは、永遠に不滅です。

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2009.08.27

【音楽】8月26日は指揮者:ヴォルフガング・サヴァリッシュ(1923-)先生の誕生日です。

◆過去に載せた画像もありますが、ご容赦。

以前の日記・ブログに何回も書いているのですが、私はこのドイツの指揮者、全盛期には毎年来日して、

N響を振って下さった、ヴォルフガング・サヴァリッシュ氏を小学生の頃から勝手に尊敬し続けています。

理由を説明しろ、と言われても難しいのですが、子供心に初めてサヴァリッシュ氏が指揮する姿を見て、

「この人こそ、本当の音楽家だ。これが本当の『音楽』なのだ」

と、殆ど「確信し」ました。何も音楽の事など分かっていないクセに。

しかし、「サヴァリッシュ先生」が指揮するN響のコンサートが放送される度に、

私はテレビにかじりつくように見ていた、と今も健在な母が、よく言うのです。
「あんた、ホントに小学生のころからずーっと『サヴァリッシュ先生』っていって尊敬しているわね」

と。サヴァリッシュ先生の経歴その他に関しては、ウィキペディアに詳しい記述があります。


◆華麗なバトン・テクニック。

指揮者にとって、棒の振り方がカッコイイか否か、は本質ではありません。

一見無器用でも、素晴らしい音をオーケストラから引き出す指揮者は沢山います。

逆に、カッコばかりで、音楽は大したことがない、という人もいます。


サヴァリシュ氏のバトン・テクニック(棒の振り方)は、圧倒的で、

これほど美しい棒は他の指揮者で、未だかつて見たことがありません。

そして、それが徒にカッコイイのではなく、サヴァリッシュ氏の音楽性が主体的に現実の動作となっている。

稀な例だと思います。


まず、エロルド:歌劇ザンパ序曲<

1988年の演奏です。オーケストラはNHK交響楽団(サヴァリッシュ先生が指揮した日本のオーケストラは、N響だけです)。


Sawallisch Conducts Zampa Overture (Herold)







カッコイイでしょ? 先生にしては、珍しく演奏直後に指揮棒を落としてしまい、

そのまま振っていますが、そんなのはどうでも良いんです。



この時のコンサーを、良く覚えていますが、サヴァリッシュ先生のコンサートとしては例外的に、

ポピュラー名曲集なんです。(因みにこの日は、他に「天国と地獄」序曲とか、「売られた花嫁」序曲などを演奏しています)。

2曲目。フェラーリ「マドンナの宝石」間奏曲。

フェラーリは色々オペラを書いてはいるのですが、今では、この「マドンナの宝石」間奏曲がもっぱらコンサートで単独で演奏されます。

これも、サヴァリッシュ先生の棒の美しさをよくご覧下さい。棒の動きだけから音楽が聞こえてくるようです。


Sawallisch Conducts Intermezzo from I Gioielli della Madonna






私、この曲、この演奏しか聴きたくないです。


◆ピアニストとしてのサヴァリッシュ先生。

サヴァリッシュ先生の経歴を読んでいただくと分かるとおり、幼い頃からピアノを学び、大変上手です。


ドイツの指揮者の常道で、最初は歌劇場で、歌手に歌の稽古を付ける所から指揮者のキャリアが始まるので、

初見で何でもサラッと弾けるんです。


残念ながら、映像を見つけられませんでしたが、来日時、しばしば、モーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振りを

しました。余裕で弾いてました。それがまた、カッコイイんですけどね。ご紹介出来なくて残念。

ただ、N響のメンバー(既に故人のチェリスト、徳永兼一郎氏も弾いています)との室内楽(これもよく演ったんです)

の映像がありました。

有名なシューベルトのピアノ五重奏曲「ます」の第四楽章です。余裕で弾いておられます。


残念ながら、「リクエストにより、埋め込み不可」なので、リンク先をご覧下さい。



シューベルト:ピアノ五重奏曲「鱒」第四楽章。


◆ベートーヴェン:交響曲第7番 第四楽章。全盛期(1988年)とN響との最後の演奏。


サヴァリッシュ先生は、元来オペラの指揮者ですが、コンサート・オーケストラの指揮をするときには、

モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、など、オーソドックスな作品を取りあげることが多かった。

最後に先生の最も円熟した、1988年の演奏をご覧得下さい。ダイナミックな音楽です。


ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92より、第四楽章






ティンパニ奏者がガイジンさんですが、この当時、N響のティンパニ奏者がドイツだかウィーンだかに留学していたので、

その間(1年間だったと思います)、天下の「シュターツカペレ・ドレスデン=ドレスデン歌劇場管弦楽団」の元首席ティンパニ奏者、

ペーター・ゾンダーマン(Peter Sondermann)さんに、N響で演奏していただいたのです。ドイツの一流オーケストラのティンパニ特有の、

「ズシン」と肚に響くような立派な音、最適な音量、タイミング。サヴァリッシュ先生にゾンダーマン氏。実に贅沢です。


そして、それから16年後。

サヴァリッシュ先生は心臓を患い、すっかり弱ってしまわれました。往年のエネルギッシュな姿を知っている私は、

椅子に座り、ほんの少ししか指揮棒を振れないサヴァリッシュ先生を見て、言葉にならないほどショックでした。

しかし、N響はコンマスの篠崎さんは勿論、全員が、サヴァリッシュ先生の意図を汲み取って、全力で演奏しています。

ご覧下さい。サヴァリッシュ先生がN響を指揮した最後の音楽です。


ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92より、第四楽章(2004年)






最後の音が鳴り終えた後の、サヴァリッシュ先生の表情を見て下さい。

「終わった。これが最後だ。」

という、先生の寂しげなお顔を拝見して、私は涙が止まらなかった(念のため。先生はまだご存命です)。

私は、この10年ほど、海外から帰国してうつ病になったりして、自分は不幸だ、と思っていましたが、

大事なことを忘れていました。

この映像を見て、自分が4歳の時にサヴァリッシュ先生が初めてN響を指揮して、後に私が音楽を好きになっていく間、

ずっとサヴァリッシュ先生を始めとするN響の名指揮者の全盛期の演奏を聴くことが出来た幸運を有り難い、と思います。

サヴァリッシュ先生とは関係ないけど、安永徹さんがコンサート・マスターを務めるベルリン・フィルも聴けた。

これも、大変幸福なことです。

私は、サヴァリシュ先生を、今だに勝手に師と仰いでいます。

私は、幸せでした。

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2009.08.21

【追加】【音楽】エネスコ誕生日 ヴィオラ「演奏会用小品」追加/バーンスタイン「ウェストサイド・ストーリー」初演

◆8月19日、ルーマニアの作曲家、ジョルジェ・エネスコ(エネスク)(1881~1955)の誕生日です

今まで取りあげたことのない作曲家です。

毎年、気になっていたのですけどね。知らないんですよ。詳しいこと。だから敬遠していました。

知ったかぶりしたくでもどうしようもないので、詳しいことは、ウィキペディアをお読み下さい。

昔は100%、カタカナで書くときは「エネスコ」だったのですが、最近はその方が原語に多少は近いのでしょうか、

「エネスク」と書くようですが、どちらでも良いです。

私が辛うじて知っていたこと。

一つ目。エネスコは、ルーマニアの作曲家、というか、それ以前に名ヴァイオリニストとして名を馳せた人でして、

ヴァイオリン教師としても名教師だったようです。ウィキペディアを読むと分かりますが、弟子として名前が挙がっている

ユーディ・メニューイン、アルテュール・グリュミオー、イヴリー・ギトリスは、後に全員大成しています。


二つ目。作曲もしたが、現在演奏されるのは、専らこれからお聴かせする、「ルーマニア狂詩曲第1番」だけ、

ということです。少なくともオーケストラ・コンサートでは、そうです。他にも交響曲とかヴァイオリンソナタとか書いていますが、

正直言って、私は聴いたことがありません。

一つ意外だったのは、作曲の弟子として、あの「トランペット吹きの休日」「シンコペーテッド・クロック」「そり滑り」で有名な、

ルロイ・アンダーソンがいたことです。

話が逸れますが、アンダーソンの経歴を読むとびっくりしますよ。作曲のみならず、言語学の専門家だったのですね。


◆ジョルジュ・エネスコ - George Enescu (1881-1955):ルーマニア狂詩曲第一番

ルーマニアの民族音楽も、民族舞踊も私は知りませんが、明らかに、「民族的」音楽であることが分かります。

生粋のバリバリの「西洋」音楽とはだいぶ違うということです。

2007年のベルリン・フィルの夏の恒例行事、ヴァルトビューネで演奏されたときの映像です。

ファイルは2つに分かれます。


エネスコ:ルーマニア狂詩曲第一番。サイモンラトル=ベルリン・フィル Part1

再生開始後3分20秒から、ヴィオラソロを弾いている女性は、日本人の首席ヴィオラ奏者、清水直子さんです。






ルーマニア狂詩曲第一番 Part2

だいぶ賑やかになります。各楽器の細かい音の動きは、難しそうですが、この曲、

各パート、気をつけないと、入るところ(音を出すところ)を見失いそうな(プロは慣れているでしょうけど)気がします。






はい、こういう曲でした。楽しいでしょ?私ももう少し、エネスコの他の曲を聴いてみようかなと思っています。


◆【追加】エネスコ:(ヴィオラとピアノの為の)「演奏会用小品」追加

ブログで相互リンクを貼らせていただいている。プロのヴィオラ奏者、ふっこさまから、

エネスコはヴィオラとピアノの為の「演奏会用小品」という作品を書いている、と教えていただきました。

ヴィオラの独奏曲は少ないですから、これは貴重です。他にも、ヒンデミットとか、映画音楽で有名なニーノ・ロータ

(あの人、映画音楽は、生活用で、本当はトロンボーン協奏曲とかヴィオラ協奏曲とかいろいろ前衛的な作品を書いているのです)

の作品にヴィオラ独奏曲(伴奏付き含む)がありますが、エネスコの誕生日特集ですから、この貴重なヴィオラのための作品を追加したいと思います。

民族音楽の影響を強く受けた「ルーマニア狂詩曲」とは全然、別の作風です。8分ほどの作品です。

CDでは、今井信子 A Bird Came Down The Walkに収録されています。


ジョルジュ・エネスコ 「演奏会用小品」






ヴィオラが一番良くなる音域、音型をエネスコはよく心得ていると思います。

ふっこ様、貴重なご教示、ありがとうございました。


◆1957年8月19日、バーンスタイン作曲:「ウェストサイド・ストーリー」初演だそうです。

バーンスタインは晩年は、作曲はせずに、クラシックのオーケストラ指揮者として「巨匠」の域に達しました。

2流と見なした指揮者は絶対に呼ばないウィーン・フィルハーモニーは、「カラヤンと、バーンスタインなら、いつでも大歓迎だ」と

言ったほどです。はっきり言って、ヨーロッパ人はアメリカ人をバカにしているんです。私は四年間イギリスにいて、

あちこちに旅行して、ホテルの人たちのちょっとした(アメリカ人に対する)皮肉な言葉などから、はっきり分かりました。

そのヨーロッパで、もっとも格式を重んずるウィーン・フィルが、アメリカ人のバーンスタインに

「いつでも来て欲しい」

と言っていたのです。如何にバーンスタインの芸術的才能が評価されていたか、が分かります。


そのバーンスタインは、若い頃は現代音楽の名作を沢山のこしています。

現代音楽というと、特に前衛的なのは、美しいメロディーとか、楽しいリズムなどがなくて、

「効果音の連続」みたいな「曲」が多いですが、バーンスタインは、素人目にも高度な作曲技術を駆使していながら、

誰でも口ずさめるような、素敵なメロディー、分かり易いリズムで構成されています。天才だと思います。

「ウェストサイド」は、ミュージカルですが、その音楽が素晴らしいので、

演奏会用のオーケストラ組曲に再構成した「シンフォニック・ダンス」という、管弦楽曲があります。

全部やったら長すぎるので、一番景気がいい、「マンボ」という部分を聴いていただきます。

後ほどお見せする画像は、大変愉快なので、音楽に注意が向かない恐れがあるんです。

ですから、まず、音楽だけ、聴いていただきます。



バーンスタイン:シンフォニック・ダンスより、「マンボ」(フロリダ管=林望傑(ヤッキャ・リン))

CDは無く、iTunes Storeでダウンロード購入出来ます。この曲だけなら150円です。iTunes StoreのURLを書いておきます。

http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=309015179&id=309015094&s=143462

ボリューム大きいですから、調整して下さい。






作曲家というのは、ピアノでいちいち音を確かめているようではダメで、完全な絶対音感を持っていて、頭の中で、

こういう音が鳴らせるのです。その意味では、ベートーヴェンが聴力を失いながらも作曲出来たのは不思議ではないのです。

しかし、誰でも訓練すればそうなれるものではない、と私は思います。このぐらいのレベルになると、天賦の才が必要です。

この「マンボ」。オーケストラが「マンボ!」と叫んだり、楽しいのでそちらに気を取られますが、よく聴くと素人の私では

絶対に聴音して書き取り不可能な不協和音の連続です。バーンスタインは当然ながら、これを頭の中で創り上げて、譜面に書き記している。

生意気盛りの音大の作曲科の学生さんは「そんなの当たり前じゃん」とおっしゃるでしょうが、世の中の99.99・・・%の人はそんなことできません。

バーンスタインは天才だと思います。

指揮者も大変です。この全オーケストラが不協和音を鳴らしている中で、誰か1人半音間違えても指摘できるかどうか。

ものすごく耳のいい指揮者ならできるでしょうが、指揮者全員ができるとは思えません。


兎に角、高度な作曲技術を駆使して、それまで誰も書いたことのない音楽でありながら、

聴き手に取っては大変楽しい音楽になっている。そこがバーンスタインの「天才」だと思うのです。

次、YouTubeから拾ってきたのですが、ベネズエラの指揮者とユース・オーケストラです。

指揮者は、グスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)という人で、

リンク先を読めば分かりますが、彼の名誉のために強調するならば、いつもこんなにはしゃいでいるわけではない。

ベートーヴェンやマーラーを振って、ヨーロッパでそれなりの評価を受けています。


また、オーケストラ。ご覧の通り若い人ばかりですが、ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース管弦楽団(Simon Bolivar Youth Orchestra of Venezuela)といって、

最初は青少年の「情操教育」の為に作られたようですが、

これからご覧頂くのはその中でも上手い子を集めた「選抜オーケストラ」らしいのです。

ちゃんと吹いているんです。上手いのですが、とにかく南米ですから、ラテンのDNAが騒ぐのでしょう。

こんな「ノリの良い」シンフォニー・オーケストラ(ちゃんと、ベートーベンとか録音しています)は、
初めてみました。


まず、イギリスの夏に開催されるプロムスでの演奏。


Dudamel/SBYO Proms 2007 Bernstein Part II (Mambo!)






ふざけていますが、決してデタラメを弾いているわけではない。

金管など相当な高音域ですが、外したりしないんです。


同じ事なんですが、もっと短く「マンボ」の部分だけ。昨年来日したときの演奏。


指揮:グスターボ・ドゥダメル=シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ 2008年12月17日 東京芸術劇場





日本人の客のノリが悪くて(仕方ないよね。普段、クラシック聴いてる客だもんね)

やや、不完全燃焼のステージの感がありますが、クラシックはただひたすら堅苦しい、と思っている方に

見ていただきたいと思いました。バーンスタインの曲はミュージカルで使われた、大まじめな曲なのですが、

兎に角楽しそうですね。たまには良いのではないでしょうか。

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2009.08.15

【音楽】ルービンシュタインのピアノ

◆済みません。明日から夏休みなので、気が抜けてます。

二日続けて音楽は、出来るだけ避けたいのですが、今日まで働いて、明日から来週一杯夏休みなのです。

と、思ったら、元気が出てもいいのですが、疲れの方が先に出ました。

選挙まで間がありますから、それは書きますけど、正直言って、自民党も民主党も支持できません。

景気動向は、かなり気合いを入れないとかけません。

そういう理由で、今日も音楽です。


◆先日、ラ・カンパネラ特集を組んだ時に圧倒的な支持を得たのがルービンシュタインでした。

約1ヶ月前に、【音楽】ラ・カンパネラ大特集。7人による演奏。最後が、フジ子・ヘミングさんです。ココログ)という「企画」を組みました。

これが、私も意外なほど好評だったのですが、一番支持を得ていたのは、故・アルトゥール・ルービンシュタインの演奏でした。

そこで、YouTubeで探してきました。古い録音でモノラルだったり、決して音質は良くないのですが、

再生音の良し悪しではなくて、その奥にある、ルービンシュタインの音楽を聴いていただきたい。

ショパンに限らず、この時代、ロマン派といいますが、ロマン派の作品は、お聴きになってお気づきだと思いますが、

1曲の中で何度もテンポが変わります。テンポが伸び縮みする。テンポ・ルバートといいますけど、

ショパンが上手く弾けるかどうかは、それがかなり大きな要素になっています。

ルバートを全然しないで一定のテンポで弾いたら、あたかも、芝居における台詞の「棒読み」にようなつまらないことになってしまいます。

ところがやり過ぎても、ゴテゴテして悪趣味になります。

その辺のさじ加減が大変難しく、はっきり言って生まれながらの才能によるところが大きいと思います。センスの問題、ということです。

ルービンシュタインは、そのセンスがちょうどドンピシャ、というか、ルバートするのだけど、これ以上やると却って嫌らしいというか、

なんだか気取り過ぎでいやらしいという寸前で止めている、と思います。

そこが実に見事だと、完全にこれは私の「独断的」感想ですが、そう思います。

それがルービンシュタインのルービンシュタインたる所以(ゆえん)ではないか、と。

それでは音楽を。


幻想即興曲お馴染みの曲です。







マズルカ38番 嬰ヘ短調 作品59-3

マズルカっていうのは、ショパンの祖国ポーランドの民族舞踊から来ているリズムというか形式というか。

私はこの曲の切ない響きがたまりません。






子犬のワルツ 作品64-1 変ニ長調

これは、お馴染み。ショパンの作品の中でも最も屈託のない作品の一つではないかと思います。

「単に上手い人」、特に若い人は、この曲を非常に速いテンポで弾いてしまいます。すると、

指が速く動く(「指が回る」という言い方をします)ことで、素人を驚かせることはできますが、

それで終わりです。ルービンシュタインは、勿論もっと速く弾こうと思えば弾けるけれども、

そうしないで、曲を音楽として味わえる最適のテンポ(遅すぎたら退屈ですから)で弾いていると思います。





ワルツ  作品64-2 嬰ハ短調

同じワルツでも、切なく、ロマンティックですね。私は大変好きです。好きな方、多いと思います。






華麗なる大円舞曲(Grande Valse brillante Op. 18)

今度はガラリと雰囲気が変わります。曲名どおり、華やかな舞踏会を連想させる絢爛豪華な音楽です。

ピアニストに聴くと、同じ音を6つ繰り返す所が随所に出てきますが、あれがなかなか難しいそうです。






英雄ポロネーズ 作品5

スケールの大きい音楽で、全体の構成をよく考えないで弾くと、盛り上がらず、退屈な演奏になります。

ルービンシュタインは、ショパン弾きとして有名です(勿論他の作曲家の作品も演奏しますが)。

この曲など生涯に何百回弾いたことでしょう。






というわけで、20世紀最高のピアニストの1人、アルトゥール・ルービンシュタイン特集でした。

良い週末をお過ごし下さい。

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2009.08.14

【音楽・映像】1977年、カール・ベーム=ウィーン・フィル 日本公演、「運命」←これを聴いて私は音楽の虜になりました。

◆8月14日が指揮者、カール・ベーム(1894年8月28日 - 1981年8月14日)の命日です。

この大指揮者、カール・ベーム氏は生前は色々と気むずかしかったり意地悪だったり、という面もあったのだそうですが、

そりゃ、人間ですから。音楽家と言えど、聖人君子じゃないです。芸術家は癖のある人が多い。

しかし、私にはそういうことは問題ではないのです。

カールベーム氏は最晩年、三回もウィーン・フィルと来日して下さいました。1975年、77年、そして何と、

無くなる前年、1980年です。

私は1977年、このコンサートには行けなかったけど、FMの生中継を全身を耳にするようなつもりで聴きました。

この映像のコンサートです。このファイルでは、残念ながら、あの時の迫力がよく分からないけど、

兎に角、ベートーヴェンの交響曲第五番 ハ短調 作品67、「運命」の演奏を私は聴きました。

最後の音が鳴り終えたら、自分でも不思議なぐらい、ハラハラと涙がこぼれました。

音楽とはこういうものか、と思いました。音楽を聴いて泣いたのはこのときが初めてでした。

この演奏に接しなかったら、私はクラシック音楽に夢中になったかどうか分かりません。

皆さんがこの演奏を聴いて、見て、私と同じように感じる「必要」は、言うまでもないことですが、

全くありません。ただ、「私にとっては」、一生忘れられない演奏なのです。

以前は無かったのですが、今日、YouTubeを探したら、全曲ありました。

カール・ベーム氏のみならず、コンサート・マスターのゲアハルト・ヘッツェル氏、

クラリネットのアルフレート・プリンツ氏、トランペットのアドルフ・ホラー氏など、

私にとっては神様のような人々なのです。あまりにも懐かしい。

多分に私の自己満足ですが、今日はこれを載せます。


◆カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニーの演奏による、ベートーヴェン:交響曲第五番 ハ短調 作品67

第一楽章







第二楽章






第三楽章






第四楽章






見てたら、泣けてきちゃった。

カール・ベーム先生。ウィーン・フィルハーモニーの皆様。

このコンサートから32年も経ちますが、あの時、心臓をわしづかみにされたような感動、言葉もでないほどの感激・興奮を

私は生涯忘れないでしょう。

私は、先生方に音楽の素晴らしさを教えていただきました。

ありがとうございました。この時の演奏を聴けて、幸せでした。




なお、この演奏を更に高画質・高音質で見て、聴きたければ、

カール・ベーム ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1977年日本公演 [DVD]を買って下さい。

75年、80年の来日公演もDVD化されています。

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2009.08.09

【音楽】久しぶりに、ジャーマン・ブラスのバッハ。

◆これまで何度も載せたのですが、全曲映像付きは、初めてだと思います。

その名の通り、ドイツの金管アンサンブル、ジャーマン・ブラスという団体があります。

各楽器の演奏者は、ドイツの一流コンサート・オーケストラや、オペラハウスののオーケストラで経験を積んだ名手です。

彼らが、バッハのお墓があるライプツィッヒの聖トーマス教会で、バッハを演奏した映像をYouTubeで集めました。

御常連さんは、またか、と思われるかも知れません。申し訳ない。

ただ、弊ブログのアクセス解析を見ると、毎日半分以上は、初めての訪問者です。

ですから、繰り返し、同じ演奏を載せることにも、それなりに意味があるのです。


◆ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をバッハが、チェンバロ独奏用に編曲したBWV972

もともとは、ヴィヴァルディのソロ・ヴァイオリン協奏曲です。

ヴェニスの作曲家の作風を勉強しようとしたのでしょう。

また、この頃は「著作権」など無かったので、お互いに他人の曲を編曲している例が、

バッハとヴィヴァルディの間のみならず、色々あります。

兎に角この演奏は素晴らしい。バッハのチェンバロ曲BWV972を更にトランペットのマティアス・ヘフス氏が

ジャーマン・ブラス用に編曲したものです。お聴き下さい。

Bach - Concerto in D Major after Vivaldi BWV 972


◆ブランデンブルク協奏曲第3番より、第3楽章。

原曲は弦楽合奏とチェンバロで演奏されます。同じフレーズを「追いかけっこ」するフーガという手法が用いられています。



Bach - Brandenburg Concerto No. 3 in G major BWV 1048 - Allegro




◆カンタータ147番「主よ、人の望みの喜びよ」

正確に言うとカンタータ147番は「心と口と行いと生きざまもて」で10曲から出来ています。

その第6曲が「主よ、人の望みの喜びよ」なのですが、あまりの美しさ、荘厳さにカンタータ147番といったら、

この曲を意味するのが普通になっています。能書きはどうでも良いです。こんなの知らなくても、ましてや覚えなくてもいいです。



German Brass, Choral Jesus bleibet meine freude







ずっと主旋律を吹いている楽器は、フリューゲル・ホーンと言います。形は違いますが、

トランペットが吹ける人なら、普通に吹けます。トランペットだと音が堅いので、この楽器を使う

編曲にしたのでしょう。


◆復活祭オラトリオ「来たれ、急げ、そして走れ」

復活祭オラトリオ。BWV249は、オラトリオは皆そうですけど、オーケストラとコーラスとソロの歌のパートがあります。

この曲は原曲でもトランペットが3本とティンパニが含まれていて、結構派手な方です。



Bach - Easter Oratorio BWV 249 - Chorus ''Kommt, eilet und laufet''





マティアス・ヘフス(最初の曲でトランペットを吹いていた人。編曲も担当している)がここで吹いているのは、

「コルノ・ダ・カッチャ」直訳すると狩りのホルンという名前の楽器です。


◆トッカータとフーガ ニ短調 BWV565

最初の10秒ぐらいは、何処かで聴いた、という方が多いと思いますが、

全曲となると、クラシック好きじゃないと聴いたことが無い方が多いと思います。

元来オルガン曲です。オルガンなら、音が跳ぶところ、例えば1の指(親指)と4(薬指)や5(小指)で

比較的簡単に弾けるところでも、ラッパでは1人で吹くのは無理なので、上の音を吹く人と下の音を吹く人が

交互に吹くわけです。下の音を吹く人は非常に早い「後打ち」をしなければなりません。難しい。

例えば、再生開始後、1分9秒から1分23秒まで、ずっと後打ちしているのは、マティアス・ヘフス氏ですね。

2分30秒からもホルンとトランペットで同じような「上下分担」をしています。

また、4分29秒からは、トランペット2人が4つずつ交互に音を出して、あたかも1人が吹いているかのように、

全く2人が交替していることを感じさせずに吹いている。一瞬タイミングが狂ったらお仕舞いです。

この曲は各パートの譜面も恐らくむずかしいけど、このような「合わせ」(アンサンブル)の妙技に

ちょっと気をつけて頂くと、殆ど神業に近いようなことを演っているのがお分かり頂けるかも知れません。


Bach - Toccata & Fugue in D Minor BWV 565







金管楽器を正しく、音楽的に演奏すれば、このような見事な響きがするのだ、

ということを、広く世の中の人々に知らしめたい、という気持が、私にはあります。

今、高校野球の最中ですが、私は昔から嫌いなのです。その一つの理由は、あの応援団の「ブラスバンド」。

何十年も昔から少しも変わらない。とにかく大きな音を出せ、と言われるのでしょうか。汚い音でブカブカと

「コンバットマーチ」が吹かれているのを聴くと悲しくなります。何を大袈裟な、といわれそうですが、

自分が愛するものが粗雑に扱われるのを目の当たりにして悲しくない人はいないと思います。

ピアノやヴァイオリンばかりが音楽だと思っている人は、あれを聴いたら絶対に金管楽器に偏見を持つとおもいます。

それは、私にはたまらなく、悔しく、悲しいことなのです。

だから、本当に優れた、正しい金管楽器の演奏を知って頂きたい、という願いを、ここに込めています。

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2009.08.06

【音楽】2日続けて音楽で済みませんが、あまりにも楽しいベルリンフィル恒例「ヴァルトビューネ」特集

◆昨日のアバドの笑顔が忘れられなくなりましてね。

私は最近、Twitterとやらを使い始めました。音楽の事ばかり書いていると「類は友を呼ぶ」で、

同じようなクラシック好きの方がいらっしゃって、アバド・ベルリン・フィルの「ウィリアム・テル序曲」を

ひどく喜んで下さいまして。エンピツからも初めての方から、大変良かったというお褒めのメールを頂戴しました。

(必ず、お返事申し上げますので、もう少々ご猶予を)。
明日からは3日ごとに辛いことを思い出さなければなりません。

6日は言うまでもなく広島に原爆が投下された日。

9日は長崎。

12日は、1985年、日航123便が墜落した日です。

15日は、終戦記念日です。

それらについて全部書くかどうか分かりませんが、今日までは音楽を楽しみませんか?


ベルリン・フィルの夏の恒例、ヴァルトビューネからご紹介したいと思います。

Twitterでわかったのですが、このブログでは、過去何度も紹介した映像、結構知られていないのですね。

ですから、若干、重複がありますが、ご容赦下さい。


◆1993年小澤征爾さん、ロシアンナイト

この1993年、小沢さんが振ったヴァルトビューネ1993 ロシアン・ナイトは名曲の名演が多い。全て名演と言っていい。

と言っても全部は無理なので、何とか選びました。


ハチャトゥリアン:「ガイーヌ」組曲第3番から「剣の舞」。当ブログでは何度も載せましたが、

毎回評判がいいもので(^^ゞ


Aram Khachaturian - Sabre Dance (Seiji Ozawa & Berlin Philharmonie)






あまり細かい指示は出さずに小澤さん、オーケストラに任せてますね。

これほどの「ポピュラー名曲」なのに、なお新鮮に聴き手を興奮させてくれるのは、流石小澤さんです。

次。チャイコフスキー:大序曲「1812年」です。二つのファイルに分かれます。


Tchaikovsky - 1812 overture (Part 1)







Tchaikovsky - 1812 overture (Part 2)





これは、音楽自体が盛り上がるように書かれていますが、盛り上げ方をどこからどのようなペースでクレッシェンドするか。

テンポを速くするか。演奏上の建築設計のようなことが指揮者の頭で完全に出来上がっていないと、これほど聴衆を興奮させる

演奏効果は出ないと思います。やはり、「世界のオザワ」さんだと思います。


小澤さん、3曲目。ヨハン・シュトラウスI世:「ラデツキー行進曲」です。これは珍しい。

小澤さんの服装とかオケのメンバーと会場風景から見て、先の2曲と同じく1993年のヴァルトビューネで演奏された映像に違いないのです。

画質は悪いですが。「珍しい」とはどういうことかというと、「ラデツキー行進曲」は、毎年元旦恒例、ウィーン・フィルの

ニューイヤー・コンサートの最後の曲として演奏されますね。どちらかというとウィーン・フィルの十八番ですが、

それをベルリン・フィルが演奏している映像ってあんまりないとおもいます。いずれにせよ、とても楽しい。


Waldbuehne(1993)Radetzkymarsch







お客さん達の嬉しそうな笑顔を見て下さい。


◆ヴァルトビューネの最後で演奏される、パウル・リンケ:「ベルリンの風」色々。


昨日の「ウィリアム・テル序曲」と同じコンサートで最後にアバドが振った、

ベルリンの風です。昨年まで画質の悪いファイルしかありませんでしたが、どなたか遙かに高画質の

映像をアップして下さいました。途中、

「アイーダ」の「凱旋行進曲」これです。



とか、同じくヴェルディのオペラ「イル・トロヴァトーレ」(Il trovatore)の「アンヴィル・コーラス」





を入れたりして、思い切りふざけてますね。しかし、楽しそうです。パウル・リンケ:「ベルリンの風」


Paul Lincke - Berliner Luft (Waldbuhne 1996 Abbado)






これが楽しくなくて、この世の何が楽しいのだろうか、といつもは憂鬱な私ですら、感じます。


もう一つは、これも、常連さんにはお馴染みで済みませんけど、ラトルが振った年ですね。







ラトルさん、殆ど指揮台におりません。お客さんと雑談して、抜け出せなくなって困ってます。

演奏開始直後、ホルンセクションで何があったのか、女性ホルン奏者、笑い転げて、ホルン吹けません。

こういうふざけたのが許されるのが、ヴァルトビューネの楽しいところです。

指笛を鳴らすお客さんをヴァイオリンの女性がみて、満面に笑みをたたえていますね。

楽しいじゃないか。いいじゃないか。ということですね。行ってみたいなあ。ヴァルトビューネ。


さて、今まで見たことがなかったのですが、あのテノールのドミンゴが、ヴァルトビューネを指揮したことがあります。

この時の「ベルリンの風」は、さて、どうなるでしょう?


Paul Lincke - Berliner Luft (Waldbuhne 2001 Domingo)







と言うわけで、やはり歌う方が楽そうです(笑)。


◆その他、アトランダムに、楽しい映像。

2002年、マリス・ヤンソンスが「アンコール名曲の夕べ」と題するヴァルトビューネを振っています。

チャイコフスキーのくるみ割り人形から「パ・ド・ドゥ」。聴けば分かりますが、全編「ドシラソファミレド」なんです。

私はかつて、この曲が一番すごいですけど、兎に角チャイコフスキーは「ドシラソファミレド」が好きだったに違いない、

という記事を書いたことがあります。

チャイコフスキーと「ドシラソファミレド」

まあ、お聴き下さい。くるみ割り人形から「パ・ド・ドゥ」。



Tchaikovsky - The Nutcracker: Pas de deux (Waldbuhne 2002 Jansons)







同じくバレエ曲ですが、マスネという作曲家の「ル・シッド」という作品があります。

その中から、アラゴネーズとナバレーズ(ナバラの踊り)。



Massenet: Le Cid - Aragonaise & Navarraise (Waldbuhne 2002 Jansons)





如何にもバレエ曲。


さて、この年はレーピンというロシアのヴァイオリニストをソリストに呼んでいます。

レーピン独奏、ベルリンフィル伴奏で、ポロネーズ第1番 と言うのを弾いてます。ピアノ伴奏が多いですが、

豪華な伴奏です。その伴奏に応えられるだけの腕と音量をレーピンが持っている、ということですね。


Wieniawski: Polonaise, Op 4 (Waldbuhne 2002 Jansons)







神童と呼ばれたレーピン。大人になっても「ただの人」にならず、上手いです。


さて、キリが無いので最後。これはヴァルトビューネではなく、ベルリン・フィルのもう一つの恒例行事、

大晦日のコンサート(ジルベスター・コンサート)です。


バレンボイムの指揮で、元来、イージー・リスニングのパーシー・フェースというバンドなどが演奏する、

ラテン(っぽい)曲、「ティコ・ティコ」(Tico Tico)です。


Tico Tico (Silvesterkonzert Berlin 2001 Barenboim)







演れと言われれば何でも出来てしまう、ベルリン・フィルです。

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2009.08.05

【音楽】ロッシーニ、歌劇「ウィリアム・テル」序曲特集、なんて出来そうにないでしょ?出来るんです。

◆180年前、1829年8月3日にロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」が初演されました。

ロッシーニの最後のオペラ、「ウィリアム・テル」の序曲を聴いて楽しくない人がいるでしょうか。

と書いてしまいました。勿論いるでしょう。それは、一向に構いません(いつも書いているように、好みですから)。

また、所謂「クラシック通」と呼ばれる人は、死んでも「ウィリアム・テル序曲が好きだ」とは

言わないでしょうが、私は全然恥ずかしく無く宣言しますが、約40年前にこの曲を聴いて以来、何百回、何千回聴いたか分かりませんが、

いまだに大好きです。


この曲はオペラの序曲としては、大変珍しい形式で、4部構成になっています。

1部「夜明け」5人のチェロとコントラバス、そして、ティンパニだけで演奏されます。

2部「嵐」ポツリ、ポツリと雨が降ってきたと思ったら、たちまち雷鳴が轟く嵐になります。私はこの部分のトロンボーンの動きがとても好きです。

3部「静寂」嵐の後の静けさ。オーボエ属のコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)とフルートが活躍します。主旋律を吹くのはコール・アングレですが、

オブリガート(副旋律)のフルートは音の跳躍が頻出して、なかなか大変です。

4部「スイス軍の行進」トランペットのファンファーレ。ギャロップ風の弾むようなリズム。全オーケストラによる高揚。炸裂するパーカッション。

細かい動きを弾き切るヴァイオリンの見事さ。「血湧き肉躍る」とはこの部分の為に或る言葉ではないでしょうか。

最初にオーケストラ。次に、リストによるピアノ独奏版、ゴットシャルクという作曲家が編曲した、ピアノ連弾(終曲だけ)、

オルガン独奏版、と色々載せます。

いつも書いていますが、全部をお聴きになる「必要」は全くありません。

出来ればオーケストラだけはお聴き頂きたいのですが・・・。


◆アバド=ベルリン・フィル。いつか分かりませんが、恒例「ヴァルトビューネ」(夏の屋外コンサート)に於ける演奏。

アバドの楽しそうな表情が音楽の喜びを一層大きくしてくれます。

2つのファイルにわかれます。パート1は、1部「夜明け」と2部「嵐」ですが、ちょうど2部の「嵐」が始まるところ、

再生開始後、3分12秒付近で本当に、会場で雨が降り出し、聴衆が傘を差します。

それに気付いた、アバドが、一瞬ニヤッとするところが、面白いです。全くの偶然ですね。


Rossini - William Tell overture (Part 1)Berliner Philharmoniker. Claudio Abbado







ちょうど3部の「静寂」からPart2になります。

「スイス軍の行進」、最初のトランペットとホルンのファンファーレが終わった、ちょうど良いところで、

聴衆の誰かが「待ってました」とばかりに歓声を上げます。それを聴いた、アバドがニコリと笑い、オーケストラも笑ってます。

その風景を見ているだけで幸せになります。



Rossini - William Tell overture (Part 2)Berliner Philharmoniker. Claudio Abbado





最後の音が鳴り終わった後のアバドの笑顔。聴衆の嬉しそうな歓声。誰も「ウィリアム・テル序曲」が好きで恥ずかしいなどと

バカなことは、微塵も考えていません。

この曲は楽しい名曲なのです。


◆リスト編曲による、ピアノ版、ウィリアム・テル序曲

リストは色々なオーケストラ曲をピアノ用に編曲していますが、こんなの、初めて聴きました。

Daniel Riveraというピアニストです。

なお、動画は無く、音声だけのファイルです。二つのファイルに分かれます。


Rossini Liszt Ouverture Guglielmo Tell 1/2 Daniel Rivera







Rossini Liszt Ouverture Guglielmo Tell 2/2 Daniel Rivera







ピアノでは当然色彩感はオーケストラに敵いませんが、リストは上手く編曲したと思います。

演奏が非常に難しいことは聴いているだけで、明らかです。


◆ピアノ連弾版(「スイス軍の行進」のみ)

これも初めて聴きました。編曲したのは、どうやら、ゴットシャルクという作曲家のようです。

演奏は、Scott Brothersという、兄弟で連弾で活動している人ですが、やはり知りませんでした。


William Tell Overture Finale (Rossini - Gottschalk)Scott Brothers Duo







連弾にしたら1人当たりの負担は軽くなり、易しくなるかと思いきや、

2人で弾くのだから、ということで、編曲者はより多くの(1人では弾けなかった)音を弾かせようとするから、

結局、エラく難しそうです。


◆オルガン独奏版(全曲)

パイプオルガンで「ウィリアム・テル序曲」を弾いている画像を見つけました。

驚きましたね。凡人の私はオルガン→宗教曲のイメージがありますから、「ウィリアム・テル序曲」など、

オルガンに最も似つかわしくない音楽だと思いましたが、実際に上手い人が弾くと、ウーン、なかなか迫力ですね。

何しろ、オルガンですから音量がすごいですね。音色の変化を付けられます(細かい説明は省きますがストップという「装置」があります)。

音量の変化も勿論可能です。足鍵盤がありますので、低音が充実します。

まあ、聴いて下さい。全曲ですので、2つのファイルに分かれます。


Jelani Eddington-William Tell Overture-Wurlitzer Organ (I)







Jelani Eddington-William Tell Overture-Wurlitzer Organ (II)







如何でしたでしょうか。

これを書いては実も蓋もないのですが、やはりオーケストラを凌ぐことはなかなか出来ませんね。

一つは、終曲のリズム。「ギャロップ風」と前述しましたが、あの

タカ・タッタカ・タッタカ・タタタ

は弦楽器が弓を弾ませてこそ、出るリズム、アーティキュレーションで、鍵盤ではどんなに頑張っても、

あそこまで歯切れ良く聞こえ無いのですね。そこに決定的な違いがあるように思いました。


180年も前に作られた曲が、今なお、世界の人々、ロッシーニが想像すらしなかったであろう、東洋の島国の人間を

喜ばせている。彼も喜んでくれているのではないでしょうか。

いつか、あの世に逝った時に、バッハとかモーツァルト、ベートーヴェンは何か近寄りがたいけれども、

ロッシーニには(彼もまた、紛れもなく大天才なのですが)、挨拶したい気がします。
いやー、私はあなたの書いた音楽をどれ程繰り返し聞いたか分かりません。あなたのおかげで音楽の楽しさを知りました。

喜んでくれると思うのですけどね。ダメかしら?

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2009.07.31

【差替】【音楽】久しぶりに音楽いきます。お薦め「序曲集」。/音楽、説明をかなり追加。

◆【追加】音楽とコメントを追加しました。

このエントリーは、木曜日の夜に更新するつもりだったのですが、疲れて寝てしまって、金曜の早朝に慌てて

更新したので、私の書きたい事を書けず、もっとご紹介したい音楽があったのに、載せられませんでした。

それらを追加して、差し替えました。


◆色々な指揮者・オーケストラによる、オペラ序曲集。お得だと思います。

今日、お薦めするのは、ドイツ・グラモフォンから出ている「名序曲集」という色々な指揮者・オーケストラによる演奏を集めた、

所謂「オムニバス」なのですが、聴いてみたら、クライバー、アバド、カラヤン、バーンスタイン、ガーディナーがそれぞれ一流のオケを

振ったもので、収録されている曲も全て楽しいので、敢えてお薦めします。

2枚組で1,300円ぐらいです。内容から見て損はない、と思います。


◆さっそく、一部お聴かせします。

全部名曲ですが、今まで、このブログでご紹介したことがないものをご紹介します。

まず、グルックという作曲家の歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲。

グルックはこれだけ、とは言いませんが、「オルフェオとエウリディーチェ」が一番知られています。


グルック 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲ガーディナーという、有名な(んです)指揮者で、イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏。







キリっと引き締まって、堂々とした良い曲だと思います。


次は、大変珍しいというか、失礼ながら、この一曲だけで歴史に名を遺している、レズニチェクという作曲家の

歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲です。他にも沢山書いているし、この曲立派な作品なんですが、レズニチェクというひとは、

兎に角、この曲だけで知られています。

レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲。ネーメ・ヤルヴィ指揮、エーテボリ交響楽団です。







いいとおもうのですけどね。この人は交響曲なども書いているのですが、「ドンナ・ディアナ」序曲だけ、知られています。


このアルバムは2枚組です。1枚目の最後。

ブラームス「大学祝典序曲」。ブラームスが或る大学から名誉博士号を貰ってその返礼として書いたのですが、

その大学の4つの学生歌を使って書いているのです。ブラームスの管弦楽曲としては有名なのですが、

本人は「スッペ風接続曲だ。」(そんなこと言ったら、スッペに悪いと思うのですが)とあまり満足していなかったそうです。

私と同じ世代の人は「大学受験ラジオ講座」のオープニングに使われていた曲、というと、お分かりになるでしょう。


ブラームス「大学祝典序曲」。バーンスタイン=ウィーン・フィルです。






良いでしょ?


◆バーンスタイン「キャンディード」他。

2枚目には、作曲家でもあった、レナード・バーンスタイン自身の曲が収録されています。

ミュージカル「キャンディード序曲」。バーンスタイン指揮、ロンドン交響楽団です。







こういう音楽はそれまで存在しなかった。あたかもジェットコースターに乗っているかのように、

音楽の風景が変化します。天才ですね。


次は、昔から知られた、グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲です。

元々ピアニストのプレトニョフという人が、ロシア・ナショナル管弦楽団というオーケストラを指揮しているのですが、

兎に角速い。速ければいいというものではないですが、これだけ速くて正確だと、気持が良いです。


グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲。ミハイル・プレトニョフ指揮、ロシア・ナショナル管弦楽団です。






この曲を猛烈なテンポで演奏する、というと今まで有名だったのは、ムラヴィンスキーという指揮者が旧レニングラード・フィル

(現・サンクト・ペテルブルグ・フィル)を指揮したライブ録音だったのです。最初、冗談か?と思うほどのスピードでしたが、

何度も聴いているうちに、慣れました。しかし、これに匹敵するテンポで演奏している例はあるまい、と思っていたのですが、

プレトニョフ=ロシア・ナショナル管弦楽団は、ほぼ同じテンポです。驚きました。

比較するために、ムラヴィンスキーの演奏も載せておきます。


エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルによる、「ルスランとリュドミラ」序曲






これは、ライブですから、正真正銘一発で録音したものですね。音質はやや劣りますが、すさまじい迫力ですね。


◆【追加】同じヴェルディでもこれほど違う。「運命の力」「椿姫」それぞれに序曲。

ヴェルディという作曲家は、多くのオペラを書いていますが、このCDには、同じヴェルディが書いた、全く対照的な音楽が収録されています。

一つは、歌劇「運命の力」序曲です。

オペラの内容そのものに関しては、リンク先からウィキペディアの記述をお読み下さい。

「運命の力」序曲は金管による3つの音で始まります。強烈な印象があります。その後、オペラの序曲の定石として、本編で使われる

主なテーマが含まれていますが、全体として、非常なクライマックスを迎えて終わる名曲です。

オーケストラ・コンサートでもしばしば、演奏されます。

この曲を、ジュゼッペ・シノーポリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、お聴き下さい。


ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲







このアルバムから離れますが、昔の指揮者でトスカニーニという人が、「運命の力」序曲を振った映像が、

YouTubeにあるので、貼っておきます。明らかに解釈が違う。

どこが違うのか具体的に細かく「指摘」できなくても、「違う」ということが分かるだけで、面白いです。

Toscanini FORZA Overture





これもまた、すごい迫力。「熱演」という言葉がぴったり当てはまります。



さて、同じ作曲家ヴェルディの数あるオペラの中でも、最も人気が高い作品が、
「椿姫」La traviata(ラ・トラヴィアータ)です。

ストーリーを非常に簡略化すると、こうなります。
高級娼婦のヴォオレッタというヒロインが貴族の

アルフレードに見そめられるのですが、やがて、アルフレードは、父親に連れ戻されてしまう。

しかし、アルフレードのヴィオレッタへの本当の愛の深さを知った父親はアルフレードがヴィオレッタの元に

戻ることを許します。しかし、何とヴィオレッタは肺結核に冒されており、アルフレードが戻ったことを喜びながらも、

悲嘆にくれながら、息を引き取る。

これだけの話をオペラは2時間半ぐらいに引き延ばすのですから、大変です

(オペラの台本の「文学的価値」はごく一般的にいうと、あまり、大したものではないのです。少なくとも私はそう思っています)。

1990年のハリウッド映画、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツ主演の「プリティ・ウーマン」で、

最初は、街娼だった、ジュリア・ロバーツが、段々と洗練され、リチャード・ギアが彼女にオペラを

見せてやるシーンがありました。あの映画中「上演」されていたオペラが、

この「椿姫」でした。つまり、娼婦だったジュリア・ロバーツと、「椿姫」のヒロイン、ヴィオレッタは、重なっている訳です。

ジュリア・ロバーツは初めてみるオペラなのに、感動のあまり涙しますが、この演出上の趣向に多くの人は気が付かなかったようですね。

それは、さておき、肝心の音楽。カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団の演奏でどうぞ。

「運命の力」とはあまりにも、対照的なはかなく、美しく、静かな音楽です。


ヴェルディ: 歌劇(椿姫)」 第1幕への前奏曲







綺麗ですね。


このオムニバスアルバム。所謂「泰西名曲」ですが、バカにしたものじゃないです。カラヤンとか、アバド、とか振ってます。

それでは、失礼します。

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2009.07.25

【追加】NHK「となりの子育て『育てた人にきいてみる~バイオリニスト・宮本笑里の父』視聴後雑感。/笑里さんのCDでの父娘共演。

◆オーボエ奏者、宮本文昭さんは、最初、お嬢さんに音楽の道に進んで欲しく無かったそうです。

今日(2009年07月25日(土))夜9時半から、NHK教育テレビで、となりの子育て「育てた人にきいてみる~バイオリニスト・宮本笑里の父~」

と言う番組がありました。普段は見ませんが、今日はお父さんがオーボエの天下の名手、宮本文昭さん、

お嬢さんがヴァイオリニストの宮本笑里さんだったので、夢中で見ました。

再放送の予定は未定ですが、この番組、結構再放送をしているようで、

かつ、本日の放送は、NHK教育テレビの番組としてはかなり視聴率も高かったでしょうから

再放送される可能性は十分にあります。勿論、私には保証出来ませんが。


◆月並みな言葉になってしまいますが、非常に感動的でした。

最初に結論を書くと、あまりにも凡庸な表現で恥ずかしいのですが、非常に感動的でした

(私がクラシック音楽が好きだから、一層、感激した、ということはあるでしょうが)。



オーボエ奏者・宮本文昭さんのお嬢さんはヴァイオリニストですが、お父さんには内緒で、

7歳ごろから本格的にヴァイオリンを習い始めました。

笑里さんは1983年ドイツの生まれですが、1991年頃に日本に帰国しましたが、

お父さんはケルン放送交響楽団首席オーボエ奏者ですから、たまに日本に帰ってきますが、

また直ぐにドイツに戻るわけです。ある時お父さんが日本に帰国したら、

ウチの中からヴァイオリンの音がする。笑里さんが習っていると知って、困ったことになった、と思ったそうです。

気になって仕方がないのです。

一度音楽的な事を指摘し始めたら、自分でブレーキが効かなくなることがわかっていたので、

宮本文昭さんは、出来れば、お嬢さんには、音楽は聴くだけにして欲しいと思っていたのだそうです。



お父さんは、オーボエ奏者ですから、当然、ヴァイオリンの奏法上のことは分からないけれども、楽器は違っても、

どの楽器にも「西洋音楽を演奏するに際して、共通すること」が沢山ある。

だから、笑里さんが楽器を弾くと、どうしても聴いてしまし、色々と音楽的な問題が、気になって仕方がない。


笑里さんが中学1年のときに、お父さんは、真剣に厳しい選択を迫りました。

お前は本当にプロになるのか。それとも趣味として続けるのか。

ヴァイオリンのプロになる人は3歳ぐらいから始めているので、既に遅れを取っている。

プロになる気ならば、ここから、本当に死にものぐるいで勉強しないと間に合わない、と思ったからだそうです。

もし、「趣味でやる」と答えたら、もう何も言わないで済むから、出来ればそう答えて欲しかった。

しかし、笑里さんは、「やはり、ヴァイオリンを弾いているときが一番楽しい。続けたい」と、厳しい道を選択しました。



それから、お父さんは容赦なくなりました。

前述のとおり、ヴァイオリン演奏のテクニック的なことは、専門の先生に任せるけれども、

フレージングとか曲全体の演奏の構成は、全ての演奏分野に共通するから、

お父さんは、娘の練習を聴いて、容赦なく罵倒したそうです。それは、すさまじかったらしい(笑)。

笑里さんはあまりのお父さんの剣幕に泣くことも度々ありましたが、お父さんは全然容赦しない。
お前、今泣いても仕方がないだろう。泣けば問題が解決するのか?泣けば上手くなるのか?泣く暇があったら、弾け。

笑里さんが当時使っていたバイオリンには、お父さんにレッスンでしごかれて流した涙の跡が今でも残っています。

中学2年のとき、転機がおとずれました。

それまで大人しくお父さんの言うことを聞き、もともと穏和な性格の笑里さんが、

感情を大爆発させたことがあったそうです。
レッスンで、お父さんはああいうけど、私はこう思う、あれも違うと思う、これもおかしいと思う。

と泣きながら、延々と大反論をした。

宮本文昭さんはそれを見て、聴いて、大変喜び、笑里さんを褒めたそうです。
お前、よくそこまで言った。音楽家は表現することが仕事なのだから、兎に角自分の解釈・主張が無ければダメだ。

泣いても、怒鳴っても良いから、自分の中からわき出るものを表現できなければ、ダメだ。

今のは「自己表現」ですばらしいことなのだ。

と。やはり、芸術家の感性ですね。当の笑里さんは泣いて怒鳴って大反論したのにも関わらず、

逆に褒められて「キョトン????」状態だったそうですが、それから父と娘の関係は少しずつ変わりました。



笑里さんは、やがて音楽大学へ進学しましたが、

自分と同じ世代で英才教育を受けてきた子たちよりも遅れていることを自覚したので、

朝は4時に起きて学校へ行くまでスケール(音階)などの基礎練習をし、

学校が終わるとまっすぐ帰ってきて夜中まで練習。一日十数時間練習する日が続いた、といいます。



お父さんは、相変わらず厳しかったけれど、音楽的な注意をすると、笑里さんが直ぐに理解して演奏にそれを反映させるので、

「これはひょっとしたらものになるかも知れない」と少し安心したそうです。

笑里さんは2007年にデビューし、お父さんが引退するときのラストコンサートで共演しました。

お父さんの宮本文昭さんは、笑里さんは、勿論まだまだ修業を続けなければならないが、

兎にも角にも、こうして人前で共演できるようになったことが、感無量だったといいます。



お父さんは自分が厳しく笑里さんを訓練したことを間違ったとは、全く思っていませんが、
そろそろ、褒めてやらなければ、認めてやらないといけないでしょうね。「お前、ホント、よく止めなかったな」という気持です。

とおっしゃっていました。



笑里さんは、幼い頃、演奏旅行でしばしば家からお父さんがいなくなるのが寂しかったけれど、

そういうお仕事なのだ、と自らに言い聞かせ、お父さん頑張ってね、みたいな手紙を書いては、

お父さんの楽器ケースに入れていたそうです。帰ってきても何も言わないので、

笑里さんは「お父さん、読んでくれているのかな?」とちょっと心配ですが、

宮本文昭さんは、実はそれら全ての手紙を今だに保存しているそうです。

移動の飛行機やバスの中でこっそりそれを読んでは涙していた、と言います。



その話を聞いて、私も目頭が熱くなりました。

今日の番組のために、もう大人になった笑里さんが久しぶりにお父さん宛の手紙を書きました。

一言一句覚えていませんが、大体次のようなものだったと記憶しています。
子供の頃、お父さんの厳しさに泣いたけれども、音楽家としてのお父さんの偉大さが分かって、厳しく指導してくれたことに感謝しています。

現役当時のお父さんが、お客さんに演奏を聴かせるためにあらゆる努力をしてきたのを見ていましたが、

今は、お父さんの気持ちが分かるようになりました。

お父さんは、現役奏者は退いたけれど、指導者・指揮者として忙しいでしょう。

身体に気をつけて下さい。

大体、こんな内容でした。宮本文昭さんの涙腺が微かに緩んだようでした。

大変ですね。

素人の親なら音楽的な細かいことまで分からないから、いちいち気にならないだろうけど、

何しろお父さんはドイツの一流オーケストラで長い間首席オーボエ奏者を務め、

オーボエ奏者の間では「世界のミヤモト」と言われるほどの演奏家ですから、

娘がどこまで伸びるか、気が気ではなかったのでしょう。



プロになるというからにはどんなに厳しくするのもやむを得ないと思って、

宮本文昭さんはお嬢さんを鍛えました。しかし、本当は辛かったのです。

出来れば、笑里さんが音楽を志さなければ、楽しく仲の良い親子であって、

「師弟関係」にならずに済んだのですから。



しかしながら、今や自分が笑里さんにしたことの意味を笑里さんが正確に理解してくれているのと、

宮本笑里さんが兎に角頑張って、他人様の前で弾けるようになったことに、

とても満足しているのがよく分かりました。

良い番組だった、と思います。


◆【追加】宮本笑里さんのデビュー・アルバム、「smile」より 宮本文昭さんと共演した「第三の男」


折角ですから、2007年に発売された宮本笑里さんのデビュー・アルバム“smile”の最後に収録されている、

お父さん、宮本文昭さんと共演した「第三の男」(これ、確か、ビールのCMに使われていましたね)をお聴き下さい。

演奏時間は1分ちょっとです。


宮本笑里・宮本文昭「第三の男」





笑里さんのこのアルバムにおける、他の演奏と比べるとわかりますが、

お父さんのオーボエに触発されて、笑里さんのヴァイオリンが、より一層、生き生きとしているのです

(録音方法も他の曲とセッティングが違うように聞こえますが、これは私には詳細は不明です)。

微笑ましいですが、それだけではなくて、きちんとした良い演奏です。

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「国際数学五輪、日本2位=過去最高、副島さん総合トップ-物理も全員メダル」←どうして「良い話」を「小さく」取りあげるのか/【番外】ちょっと宣伝。

◆記事1:国際数学五輪、日本2位=過去最高、副島さん総合トップ-物理も全員メダル(7月20日17時56分配信 時事通信)

文部科学省は20日、ドイツで開かれた数学と、メキシコで開かれた物理の国際オリンピックの日本選手成績を発表した。

メダルは上位の一定割合ごとに配分され、両五輪とも全員獲得を果たした。数学は高校生6人が参加し、

金5、銅1で、国別でも中国に続く2位と、過去最高。物理は同5人が参加し、金2、銀1、銅2だった。

国際数学五輪は第50回で、日本は20回目の参加。104カ国・地域の565人が出場した。

金メダルの筑波大付属駒場高(東京)3年副島真さんは、中国選手1人と並んで満点を取り、トップタイだった。

過去には、2005年のメキシコ大会で満点が16人続出し、日本選手2人がトップタイだったことがある。


◆記事2:スペイン国際ハープコンクール:3位に原日向子(毎日新聞 2009.07.21 東京夕刊)

◇第6回アルピスタ・ルドヴィゴ・スペイン国際ハープコンクール(マドリード)

3位=原日向子(札幌市・藤女子高2年)


◆記事3:高2ハープ奏者が3位入賞 スペインのコンクール(産経新聞)(2009.7.2 19:02)

スペインで開かれた第6回アルピスタ・ルドビゴ・スペイン国際ハープコンクールで、

札幌市在住の原日向子さん(16)=藤女子高校2年=が3位入賞したことが2日、分かった。出場者の中で最年少だったという。

コンクールは6月19日から29日までマドリードで開催。原さんは「国際コンクールでの入賞は初めてだったのでうれしかった。

年上の人ばかりだったけれど、雰囲気にのまれずにのびのびと演奏できたので良かったです」と話した。

同コンクールでは、1996年の第2回で早川りさこさん(現NHK交響楽団)が優勝している。


◆コメント:過去に何度も書いたが、マスコミは何故、「良いこと」を大きく取りあげないのか?

記事1の数学オリンピックと物理オリンピックは月曜の記事で、早く書こうと思っている間に衆院解散だの皆既日食などあって、

遅くなってしまった。

マスコミは、悪い話、即ち、犯罪、事故など暗い話ばかりを大きく取りあげ、「良い話」は大きく取りあげない。

悪い話ばかり取りあげるから、世の中悪いことばかり起きているような錯覚に陥るが、実際には世の中では良いこと、めでたいこと、

心温まること、が必ず起きているはずである。ただ、マスコミは、「良いこと」を大きく取りあげない。

取りあげるのは、大リーグの日本人選手の活躍か、(スポーツの)オリンピックの金メダルか、

頭を使うことなら、日本人がノーベル賞を受賞した時ぐらいのものだ。

どうして、スポーツのオリンピックのメダルはあれほど騒ぐのに、数学と物理では、取りあげないのか。


特に、近年、日本の中高生の学力が著しく低下していて問題だ、などと特集を組んだりしているくせに、

数学オリンピックや物理オリンピックに参加した諸君の健闘ぶりはベタ記事でしか取りあげない。

これは、不公平だ。おかしい。



記事2と記事3は同じニュースだが、私は21日の毎日新聞(記事2)を読むまで知らなかった。

しかも毎コン(日本音楽コンクール)を主催する毎日新聞は、クラシック音楽に関して、日本で一番造詣が深いはずなのに、

このすげない扱いはなんだ?

記事3の産経新聞の記事を発見して驚いたが、ルピスタ・ルドビゴ・スペイン国際ハープコンクールで原日向子さんが3位に入賞したのは、

3週間も前に分かっていたことではないか。しかも産経の方が遙かに詳しく書いている。クライバーン・コンクールの辻井君の優勝を騒ぐなら、

国際ハープコンクールで高校2年生が3位に入賞したことも同様に大きく取りあげるべきだ。


もう一度書く。

世の中では良いことも悪いことも起きている。当たり前なのだが、悪い話ばかり聴かされるから世の中の雰囲気がどんどん暗くなる。


◆【僭越ながら】ちょっと宣伝。ココログニュース「『シンフォニエッタ』って?」で当ブログの記事が取りあげられてます。

偶然見つけてびっくりしたのですが、ココログが書いている、ココログニュースというのがあって、

ブログからニュースを拾って、記事にするのだが、24日付『シンフォニエッタ』って?で、

私の、村上春樹氏の話題作「1Q84」に曲名が登場する音楽を集めました(一部ですけど)。が引用されております。

自分で書くのも僭越ですが、嬉しかったもので(^^ゞ 一部抜萃引用させていただきやす。

もともと曲を知っていたブロガーは、「どんな場面で出てくるのか読みたくなった」「今後は聴くと特定の情景が浮かびそう」と、逆に曲から小説を意識しているようだ。

『1Q84』に登場するクラシック曲を紹介しているブログ『JIROの独断的日記ココログ版』では、

『シンフォニエッタ』を「斬新な音楽」と評し、「実演を見るとびっくりします。ステージのオーケストラ以外に楽器を配置して、演奏させることがある。

この『別働隊』を『バンダ』というのですが、ヤナーチェクのシンフォニエッタの最初と最後には(中略)2階の客席後方などにずらりと並んで、

壮大に吹くのです」とクラシック通ならではの解説をしている。

だって。ムヒヒ。

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2009.07.20

【演奏会評】東京音大付属音楽教室 発表会(続)で演奏された曲目を、プロが演奏したもの。

◆一晩経ったが、まだ頭がボーッとしている。それほど衝撃的な上手さだった。

昨日の日記ココログ)に書いたとおり、

私は昨日、東京音楽大学付属音楽教室の夏の発表会(正式には「学外演奏会」)の全プログラムを聴いた。

同じ表現ばかりで恥ずかしいが、とにかく、あまりの上手さに驚嘆し、頭がボーッとなった。

一晩たったら、治るだろうと思ったが、あまりの衝撃に、今日になっても、頭が半分麻痺しているような感覚である。

もう一度掲げるが、これが昨日の演奏会のプログラムである。

全員、素晴らしく、ただの一人も少なくとも客に分かるようなミスタッチをしなかった。驚かずにいられようか?

特に、分かる人は曲名を見ただけで「ワッ!」と思うだろうが、第2部の後半、一番上手い中2と中3の6人の演奏は、

プロと比べても、遜色がないと言っていい。

極めて、おこがましい、傲慢な言い方をさせて頂くが、35年間音楽を聴いてきて私が「上手い」というのだから、

上手いのである。


本来、昨日の子供達の演奏そのものをお聴かせしたい。あの発表会は、生徒達の勉強の為、また記録のために、

プロが録音しているはずだ。出演した生徒や、他の東京音楽大学付属音楽教室の生徒には、多分CDが配られる筈だ。

私は、昨日の今日では流石に無理だが、家内(東京音大卒)のツテを辿って、何とかそれが入手できないか、いずれ、

頼んでみようと思っている(成功する確証は無いが)。


とにかく、子供たち自身の演奏はお聴かせできないので、実際に昨日の「学外演奏会」で弾かれた曲

(いずれも、歴としたプロが演奏会で取りあげるような曲ばかりだ)を、プロの録音で聴いて頂きたい。

全員分載せたら大変な数になるので、申し訳ないが一部のみである。

昨日書き忘れたが、プログラム第一部の3番目で、小4の女の子が

中田喜直氏作曲、「変奏的練習曲」を弾いた。こんなの初めて聞いたが、エラく難しい。

女の子は、天才的な上手さで弾いていた。

この曲と、プログラム第2部の後半、一番上手い六人が演奏した曲をプロの演奏で聴いて頂く。


◆冷静に比較して、子供達の演奏は、テクニックと音楽性において、プロの演奏に匹敵していた。

1曲目。前段で書いた、中田喜直「変奏的練習曲」。

日本よりも、海外での演奏が多く、また海外で高い評価を受けている小川典子もまた、東京音楽大学付属音楽教室の初期の生徒である

(東京音楽大学付属音楽教室は30年以上の歴史がある)。

彼女のCD、小川典子plays Japanese Piano Music から。


中田喜直「変奏的練習曲」







中田喜直さんって、こんな難しいピアノ曲を書いていたとは、失礼ながら、存じ上げなかった。

この曲を弾いた小学校4年生の子に限らず、言うまでもないが、ただ、音符を音にしているというレベルではなく、

曲を理解して、能動的に表現しようとする「芸術性」を既に持っている。それで、私は余計に驚嘆したのである(当たり前だというなかれ)。


2曲目(これ以降は、第2部後半)。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 より第一楽章。あえて「神様」ハイフェッツの録音(古いが)を載せる。

中学2年の女の子だったが、素晴らしく楽器が鳴っていた。テクニック、音程、完璧。ハイフェッツの十八番、

あの「一弓スピッカート」(跳ばす弓)も難なくこなしていた。流石に「ハイフェッツより上手い」とは言えないが、

この子のヴァイオリンを聴いていて、思わずハイフェッツを連想したのである。

なお、この曲は楽章の切れ目が無く演奏される。

したがって、ハイフェッツの録音は、中途半端な終わり方となる。昨日の演奏会は勿論ピアノ伴奏で、

第一楽章で終えても、違和感がないように、適切な変更が加えられていた。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 より第一楽章







ハイフェッツの演奏は、ヴァイオリン協奏曲第4番、第5番、他 ハイフェッツ(vn)サージェント&LSO、他で聴くことができる(2番も収録されている)。



3曲目。モーリス・ラヴェル、 ツィガーヌ。難しいのはこの後全部難しいから、もう、いちいち書かない。

中学3年の男の子だったが、この超絶技巧てんこ盛りを余裕で弾いていた。もっと良い楽器(所謂、名器)を入手できたら、

さらに素晴らしいだろうと思う。が、演奏そのものは完璧。この曲は約10分だが、最初の4分20秒ぐらいは、

完全なヴァイオリンの独奏である。一番低い弦、G線を高いポジションで鳴らすのは困難を極めるが、いい音をしていた。


さて、演奏は、私のお気に入りのカナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス氏である。

Violin Works: Ehnes(Vn)chen(P)に収録されている。


モーリス・ラヴェル: ツィガーヌ







4曲目。シューマン:アベッグ変奏曲。あまり知られていないのではないか、と思われるが、隠れた名曲(かつ難曲)。

演奏は、Abegg Variations, Papillons, Davidsbundlertanze: Grutzmann



ロベルト・シューマン:アベッグ変奏曲 Op. 1







中学2年の女の子が弾いちゃうんですよ。この演奏より上手かったかも知れない。


5曲目。何と、これも中学2年の女の子なのですが、プロコフィエフのソナタを弾くのですねえ・・・。

譜読みだけでもものすごく大変だと思います(そういうレベルの子供達じゃないのだけど)。

演奏は、超絶技巧専門職みたいな、ベルマンというピアニスト。「プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集」ボリス・ベルマン(p)



セルゲイ・プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op. 1







録音と生を比べてはいけないのだが、昨日の中学生の女の子の方が迫力があったように思える(冷静に書いている)。


6曲目。ショパン:スケルツォ 第3番。ショパンのスケルツォが難しいなんてのは、言うまでも無い。

中学3年の女の子が弾いていた。家内(毎年聴いている)によると、毎年出る子だそうだ。余程上手いのであろうと、想像したら、

やはり、上手かった。この演奏は、ショパン:スケルツォ/即興曲(ビレット)



ショパン:スケルツォ 第3番嬰ハ短調 Op. 39







大トリ。リストの「リゴレット・パラフレーズ」。最後は大抵リストにするらしい。

ピアニストとしての技術の仕上げのようなものなのだろう。それを中学3年の女の子が弾いた。

こちらの気が遠くなるほど上手かった。

この演奏は、The Transcriber: Moss



フランツ・リスト:リゴレット・パラフレーズ







やはり、録音と生の差もあろうが、これを昨日弾いた子のピアニッシモの透明さ。フォルティッシモのものすごい迫力が優る。

どんな早いパッセージでも余裕で弾くテクニック。私は暫く、口が利けなかった。


昨日の東京音楽大学付属音楽教室「学外演奏会」を聴いて、人間って捨てたものではないな、と思った。

何度も弊日記で引用するが、指揮者の故・カール・ベームは、

人間の存在を少しでも明るく照らすことが芸術家に与えられた使命だと思います。

といった。その意味では、この子供達は既に「芸術家」であると言っても、過言ではない。

くどい上に、僭越かつ傲慢だが、敢えて書く。

35年、音楽を聴き続けている私が、そう思うのである。

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【演奏会評】東京音大付属音楽教室(辻井伸行氏もここの出身) 発表会。

◆東京音大付属音楽教室

また、音楽の話か、と言われればそうなのだが、文化的な出来事も、歴とした「社会的事象」である。

新聞に文化部があり、クラシック担当専門記者がいる(私の知る限り毎日新聞だけだが)のは、そのためだ。


東京音楽大学が主催している、東京音楽大学付属音楽教室という4歳から中学3年を対象とした、音楽教育機関がある。

クライバーン・コンクールで優勝した辻井伸行君もここの出身である。

付属音楽教室は夏と冬に発表会を開催する。今日が今年の夏の発表会であった。

家内が東京音大を出ているので、毎年招待状が来るが、

私は、日曜日に出かけるのが面倒で、ここ数年行かなかった。


今年は、体調が良かったので、ずいぶん久しぶりに聴いた。4時間の長丁場だが、飽きなかった。

飽きなかったどころか、この発表会に出られるのは、先生のお眼鏡にかなった、小一から中三までの、

「上手い子」ばかりで、それは分かっているつもりだったが、あまりの上手さ、才能に絶句した。


◆あまりの上手さ、驚嘆すべき才能の連続で、茫然自失。

東京音大付属音楽教室に入ったら、原則的に将来プロを目指す、という意識で、

音大の先生が教える。入ることは入っても、レッスンのあまりに厳しさに大抵はついていけない。

逆に言うと、残って、毎年、「夏の演奏会」に出ることが許される子供達は、大変な努力をしているわけだが、

努力だけで、誰もが上手くなるとは限らない。

今更ながら、「才能」ってあるんだなあ、と、つくづく感じた。

但し、先生方の指導も無論優れているのである。ピアノに関して書くと、小学1年から中学3年まで、

素晴らしい音を出す。スタインウェイの、フル・コンサートグランドピアノが、完全に鳴っている。

あの細い腕でよくぞ、というほどのフォルティッシモを平気で出している。

無駄な力を入れない、身体の柔軟さを保つ、あの辻井君と同じだが、

最初から正しい奏法を教わることが如何に大切か、と言うことも良く分かった。


◆中学2年でプロコフィエフ、リスト(ピアノ)、ヴィエニアフスキーの協奏曲(ヴァイオリン)を弾く子供達。

これが、今日のプログラムである。

一部より二部。更に終わりに近づくほどうまくなる。

特に、第二部後半、ヴィエニアフスキーのヴァイオリンコンチェルトから後(ヴァイオリン2名、他はピアノ)の

演奏はいずれも、文句の付けようが無い。音だけ聴いて「プロの演奏だ」と言われたら信じるだろう。

プログラム、このすさまじさ。


  • ヴィエニアフスキー:ヴァイオリン協奏曲第2番 第一楽章

  • ラヴェル:ツィガーヌ(ヴァイオリン)

  • シューマン:アベッグ変奏曲

  • プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番

  • ショパン:スケルツォ 第3番

  • リスト:リゴレット・パラフレーズ

今、20日の朝5時である。昨夜は疲れて寝てしまったので、今、更新している。

これから音源をアップするのはしんどい。もう一度寝る。起きたら、これらの曲をアップして、

どれ程難しい曲かご紹介したい。

はっきり言って、「泰西名曲」ではないから、「トルコ行進曲」や、「幻想即興曲」ほど、取っつきやすくない。

しかし、優れた才能の持ち主が本当に努力すると、中学生でこれらの難曲を弾けるのだ、

ということを世に知らしめたい。

誤解を恐れずに書くならば、辻井君がクライバーン・コンクールで優勝したのは偉大だが、

彼と同程度の才能が、東京音大付属音楽教室には、大勢いるのである。

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2009.07.19

【音楽】カラヤン(続):バッハ(ブランデンブルク)、ウェーバー(序曲)、チャイコフスキー(バレエ曲)

◆バッハ:ブランデンブルク協奏曲。2番、3番、4番のそれぞれ第3楽章。

ウンチクは、最小限に留めます。これは1960年代の録音です。

最近のブランデンブルクの多くは、もっとテンポが速かったり、古楽器を使ったりとか、

色々面倒ですけど、カラヤンは現代の楽器で現代の奏法で普通にやっています。

CDは、ブランデンブルク協奏曲全曲、管弦楽組曲第2、3番 カラヤン&ベルリン・フィルです。

2番、3番、4番のそれぞれ第3楽章です。



バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第2番 第3楽章







トランペットが非常に難しいのですが、アドルフ・シェアバウムという人で、

20世紀になって、初めてバッハ・トランペットを現代の楽器でキチンと演奏した人です。


バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第3番 第3楽章。



こういう同じ音型を時間差で追いかけるのをフーガといいますね。







私は、この楽章がとても爽やかで、好きです。


バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第4番 第3楽章

4番ってあまりお聴きになったことがないのではないでしょうか。

独奏楽器としては、ヴァイオリンと2本のフルート。リコーダーでも完全に吹けます。

ホントはリコーダーだとちょっと面白いのですが、カラヤンは現代の普通のフルートで演奏してます。






お聴きのとおり、3楽章はヴァイオリンソロの早いパッセージが長く続くところがあります。

このソロを弾いているのは、安永徹さんの先生で、長いことベルリン・フィルのコンサート・マスターを

務めていた、ミッシェル・シュバルベ、という方です。


◆ウェーバー序曲集

ウェーバーの序曲は、名曲揃いです。独特の世界です。

CDは、ヴェーバー序曲集 カラヤン&ベルリン・フィルです。

本当は、全部お聴かせしたいぐらいですが、まず、ウェーバーの序曲の中で演奏時間が一番短い、

しかし、打楽器を多用していたり、賑やかですが、コンパクトにまとまっている、

「アブ・ハッサン」序曲をお聴き下さい。






次は全然、雰囲気が変わります。

「魔弾の射手」序曲。最初、ものすごくテンポが遅くて重いですが、間もなく、

讃美歌にもなっている(元はウェーバなんですよ)有名なホルンの四重奏が美しいです。

10分ぐらいかかりますが、名曲ですから、一度は聴いて下さい。


「魔弾の射手」序曲