カテゴリー「航空機事故」の記事

2015.03.30

【コラム】本当に副操縦士が150人殺したのか (レオニド・(レオニド・バーシドスキー)(ブルームバーグ)←我が意を得たり!

◆記事:【コラム】本当に副操縦士が150人殺したのか---(バーシドスキー)(ブルームバーグ 2015/03/30 06:31 JST)

 ジャーマンウィングスの副操縦士、アンドレアス・ルビッツ氏が意図的に9525便をフランスの山間部に墜落させたとして、

世界中のニュースメディアが一斉に同氏を集中攻撃している。

「アンドレアス・ルビッツ27歳、正気を失ったパイロット」とドイツの大衆紙ビルトは一面に大見出しを掲げた。

「操縦室の殺人犯」と表現したのはロンドンのデーリー・メール紙。

英紙インディペンデントは「操縦室の大量殺人者」ともう一段階過激だ。

このほかにもメディアには「狂人」や「失恋パイロット」、

「そもそもなぜ免許を与えたのか」などの言葉が飛び交っている。



これらはすべて、仏マルセイユのロバン検察官の発表に基づいている。

副操縦士が「航空機の破壊を望んだ」と検察が結論付けた根拠は、コックピット・ボイス・レコーダー(CVR)に残された音声データだ。

しかしながら、ここから導き出すストーリーは解釈次第で変わる。

明らかに分かっているのは機長が操縦室を離れ、副操縦士がひとり残されたということだ。

そしてロバン検察官によると、副操縦士は機長の再入室を妨害し、機体を急降下させたことになっている。

機長は何度もドアを叩いたがドアは開かれなかった。ルビッツ氏から言葉は発せられず、

ボイスレコーダーにはドアを叩く音と叫び声を背にしたルビッツ氏の呼吸の音が残された。


ロバン検察官が下した結論を裏付けるには、この証拠では不十分だ。

操縦室のドアの開閉を説明したエアバスの動画を基に、ボイスレコーダーの音声データを考えると別の解釈も成り立つ。

通常なら外の者が中にいる操縦士にインターフォンで連絡し、キーパッドを操作、

そして中の者がその電子音を確認してドアを開ける手続きになっている。

手続き通りにいかない場合、外の人が暗証コードを打ちこめばドアは30秒間開錠される。



暗証コードは入力されたのか

機長が操縦室を離れている間にルビッツ氏が意識を失い、

機長や乗務員が正しい暗証コードを入力できなかった可能性は考えられないだろうか。

あるいは機長があらかじめ決められた手続きに従わず、ドアを叩いたとしたら。

エアバスの動画によるとこの場合、中にいる人はドアをロックするためのボタンを押さなくてはならない。

ルビッツ氏がハイジャックだと思い込んでパニックに陥り、同機を着陸させようとしたという可能性はないだろうか。



もちろんこういう仮説はどれも本当らしく聞こえないが、ルビッツ氏が抑うつ状態にあった、

あるいはガールフレンドとうまくいかずに悩んでいたからといって赤の他人150人を意図的に殺したとの説も

同様に本当らしく聞こえない。

ロバン検察官の記者会見では、あるリポーターが副操縦士の宗教について尋ねる場面さえあった。

これに対してロバン検察官は「テロリストには指定されていない。

質問の意味がそういうことだったらだが」と即座に回答している。



フライト・データ・レコーダーの回収を急げ

現実にはフライト・データ・レコーダー(FDR)のテクニカルなデータを解析するまでは、

信頼性の高いセオリーを打ち出すことはできない。

FDRを回収し解析すれば、どのように高度が変化したかが分かるだろう。

航空機墜落調査に関する報道で知られ、自らもパイロットであるバニティフェア誌の特派員、

ウィリアム・ランゲビーシェ氏は現段階の調査では分からないことが多過ぎるのに、

仏検察の結論はやや早計過ぎると批判する。

ドイツの操縦士労組も同様に、機長が操縦室に戻れなかった理由でさえ現時点では明確ではないとして、

FDRを早急に回収し分析することが極めて重要だと主張する。

労組の立場としては認めたくないという気持ちも当然あるだろう。

1999年に起きたエジプト航空990便がそうだったように、ルビッツ氏が本当に故意に墜落させた可能性もあるだろう。

しかしそれがもっと高い確実性を伴って立証されるまでは、乱暴な非難の言葉は正当化されない



遺族に心労

こうした状況は普通の若者としてルビッツ氏を知っていた家族だけでなく、

墜落犠牲者の遺族にも心労をもたらす。怒りと悲しみはうまく調和しないものだ。

またルビッツ氏がうつ病を患っていたと報じるタブロイド紙もあるが、

こうした報道はうつ病の患者に汚名を着せる。

メルケル首相は調査が完了するまで行動を自粛するよう呼びかけたその翌日に、

自ら「すべての犠牲者と遺族への犯罪だ」と発言するべきではなかった。

航空機墜落の調査は結論を急ぐようなものではない。これだけ分からないことが多いなか、

私が知りたいのは亡くなったアンドレアス・ルビッツ氏のプライベートではない。

なぜ9525便がアルプスの上空で高度を失ったかを知ることの方が、はるかに重要だ。


◆コメント:徹頭徹尾、賛成です。

ブルームバーグは、アメリカの本来金融情報専門WEBですが、アメリカのメディアが殆どそうしているように

自社の論説委員だけでは無く、外部のコラムニストによる、時事問題への論説を掲載します。

バーシドスキー氏のコラムは、私が昨日まで書いたブログ記事よりも遙かに詳細ですが、要するに結論は一致していてそれは、

本当は、何が起きたのか、現時点では、何も分からない。

ことを強調している点です。

記事の途中にあるように、ルビッツ副操縦士が「精神的な疾患が原因で」または、「ガールフレンドとの関係で悩んでいたから」

意図的に、150人を道連れに自殺するかというと、それが巷で噂されているように彼がうつ病だとしたら、

一層可能性は低い。世の中の大部分のメディアは、うつ病患者が突飛な、とんでもない行動を起こす人間であるかのような。

間違った印象を世間に与えます。それは間違っている。


また、「暗証番号」のことを、少なくとも私は初めて知りました。

私のみならず、航空関係者でも航空ファンでもな普通の日本人は、日本のメディアを読む限り、

「外の人が暗証コードを打ちこめばドアは30秒間開錠される」ことなどしりません。

そうなると外の機長が最後、ドアを蹴破ろうとする前に、何故その手続きをしなかったのかも不思議です。

日本でも大事故の原因究明となると日航123便は、何となく本当の原因はうやむやですが、

ちょうど10年前。2005年4月25日に起きた、JR福知山線脱線事故の際も、調査報告書が出来るまでには、

何年もかかったのに、事故直後から憶測によるJR西日本幹部の「吊し上げ」が始まりました。

私はそのときにも、まだ原因が分からないのであるから誰の所為とも言えないという趣旨の記事を何度も書きました。
2005.04.29 「尼崎事故、特異な「転覆脱線」か」 今、冷静に考え、客観的に言えることは、「原因はまだ不明」ということだ。

2005.05.04 「被害者の知人」だといって、JR職員をこづき回している男がいた。いい加減にしなさい。

2005.05.08 運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後70件…JR西 マスコミはJR幹部が自殺するまで許さないつもりか。

2005.05.15「制動数秒不能」運転士ら証言 脱線同型車両 ←「事故の真相は未だ分からない」と何度も書いた。

2005.06.14 「宝塚―尼崎間で走行実験、非常ブレーキ再現」 ←つまり、いまだに事故の真相は不明なのだ。

2006.11.25 「事故調委、同型車両使いブレーキ試験 尼崎JR脱線」←何の話かわかりますか?

勿論、航空機と鉄道は全く別ですが、福知山線脱線事故の原因調査において、事故から1年7ヶ月も経って、

事故調査委員会が同型車量を使ってのブレーキ試験を行っている。別に怠けていたわけではないのです。

私は、この間ニュースをずっと追っていましたが、事故調査委員会はずっと活動していたのに、「とりあえず」原因と思われることを

最終報告書にまとめるまでに数年を要しています。実験できない航空機事故においては、何をか言わんやです。

バーシドスキー氏が書いたとおり、フランスのロバン検察官の発言に誘導されすぎだし、
メルケル首相は調査が完了するまで行動を自粛するよう呼びかけたその翌日に、自ら「すべての犠牲者と遺族への犯罪だ」と発言するべきではなかった。

との意見に同感です。「犯罪だ」と言ってしまったら、故意の違法行為を意味します。

バーシドスキー氏の意見があまりにも「我が意を得たり」だったので、長いけれどもそのまま

引用しました。

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2015.03.29

「旅客機墜落 副操縦士は目の病気で治療か」←だから、まだ全貌は分からないというのです。

◆記事:旅客機墜落 副操縦士は目の病気で治療か(NHK 3月29日 19時13分)

フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落で、旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっている副操縦士は

目の病気で治療を受けていたとドイツのメディアが伝えました。

乗客乗員150人を乗せたドイツの航空会社ジャーマンウィングスの旅客機は、24日、フランス南東部で墜落し、

機長が席を離れて操縦室で1人になったアンドレアス・ルビッツ副操縦士が旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっています。

ルビッツ副操縦士について、ドイツの複数のメディアは29日、ドイツの捜査関係者の話として、

最近、目の病気となり、治療を受けていたと伝えました。

ドイツの一部のメディアによりますと、副操縦士は網膜剥離の治療を受けたとみられ、

ことし6月には会社の健康診断を受診する予定だったことから、目の病気が見つかった場合は

パイロットとして操縦することができなくなる可能性があったということです。

また、ドイツの検察当局が副操縦士の自宅から病気で医師の治療を受けていたことを示す文書が見つかったと発表していて、

ドイツのメディアは捜査関係者の話として、副操縦士の自宅から精神的な病気のために飲む複数の薬が押収されたと伝えています。

ドイツの検察当局は引き続き副操縦士を知る関係者から話を聞くなどして、墜落の背景を捜査しています。


◆コメント:だから、簡単に憶測で片付けるな、というのです。

昨日、このブログで、
要するに、現段階で言えることは、何が究極的な墜落原因なのか、分からないということです。

と書きました。

メディアや世論は、副操縦士がかつてうつ病の治療を受けていたことから、

この副操縦士はうつ病だった。→自殺するのに乗員・乗客を道連れに自殺した。

という短絡的な図式を描いていますが、上の記事を読めばわかるとおり、

故意に墜落させたという断定もできていないのです。

報道によれば、ルビッツ副操縦士は視覚障害の治療を受けていたというのですから、

ドクターがルビッツ副操縦士に、飛ぶべきではない、としていた理由が精神科的理由とは限らないことは、

明らかです。本当の理由は、まだ分からないというべきでしょう。


マスメディアは、どうしても「精神的疾患」と「故意(かもしれない)の墜落」を結び付けたいようです。

そこまではっきり書いていませんが、

網膜に異常→飛べなくなるかも知れない。→抑うつ状態→自殺

というストーリーにしたいようですが、それは独断的推論です。

視覚障害の治療を受けていた、という新しい事実が加わったものの、依然として、

本当は何があったのか。その原因は何か、ということにかんしては、

「分からない」のが唯一確かに「分かっていること」だと思います。

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2015.03.28

「副操縦士 待遇への強い不満などもらす」←何が原因か「まだ、分からない」ことだけが真実です。

◆記事1:副操縦士 待遇への強い不満などもらす(NHK 3月28日 19時08分)

旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっているドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士について、

ドイツの大衆紙「ビルト」は28日、副操縦士と去年交際していたという客室乗務員の女性のインタビュー記事を掲載しました。

それによりますと、ルビッツ副操縦士はふだんは心のやさしい人物だったということですが、

仕事の話になると別人のようになり、待遇への強い不満や将来に対する不安をあらわにしていたということです。

また、副操縦士はこの女性に対して、

「自分はいつかシステムを大きく変えることをする。それによってすべての人が自分の名前を知り、記憶することになるだろう」と、

今回の墜落を示唆するような発言をしたということです。ルビッツ副操縦士が長時間浴室に閉じこもったり、

悪夢を見て「墜落する」と叫んだりする行動も見られたとしています。

デュッセルドルフの地元の新聞は、副操縦士が精神的な病気を隠すため、

複数の医師から治療を受けたり薬をもらったりしていて、かかりつけの医師からは、

病院で長期間の治療を受けるように勧められていたと伝えています。


◆記事2:副操縦士が病気隠して勤務か 事故との関係捜査(NHK 3月28日 4時58分)

フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落で、ドイツの検察は、旅客機を故意に墜落させた疑いがある副操縦士について、

病気のため墜落の当日に勤務しないよう求める医師の診断書などが見つかったと発表し、

今後、病気と事故の因果関係について調べを進めるものとみられます。

フランス南東部で起きた乗客乗員150人を乗せたドイツの旅客機の墜落についてドイツの検察は、27日、

アンドレアス・ルビッツ副操縦士の関係先から、病気で医師の治療を受けていたことを示す文書が見つかったと発表しました。

ただ、検察は具体的な病名については明らかにしていません。

自宅などから見つかった文書には病気のため墜落当日に勤務しないよう求める医師の診断書が含まれているということです。

ドイツでは、こうした診断書が出た場合には、会社に提出し、医師の指示に従って休暇をとることになっていますが、

航空会社は「会社に診断書などは提出されていない」と話しています。副操縦士は、文書を破り捨てるなどしていたということで、

検察は、副操縦士が病気を会社に隠して勤務していた疑いがあるとしています。

ドイツの捜査当局は、文書の詳細な分析には数日かかるとしており、関係者から話を聞くとともに

病気と事故の因果関係について調べを進めるものと見られます。


◆コメント:病気と事故の因果関係をこれから調べるというのに、病気のことを強調し過ぎです。

昨日書いたとおり、事故・事件の調査・捜査において、まず行うべきことは、

「本当は何があったのか」を特定する事実認定です。

いま、明らかなのは、飛行機が墜落したため、乗員・乗客全員が亡くなったことと、

CVRの音声からして、墜落前の約10分から墜落まで、コクピットにはパイロットが一人、

ドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士しかいなかったらしいこと、であります。

副操縦士の自宅を捜査した結果、病名は明らかではないが、医師から勤務は無理であることを示唆する

診断書が見つかったことも事実のようです。


そこまで、メディアの報道を信じ、事実であるとしても、まだ、色々なことを断定するのは、

早計だとおもいます。

一見、事実を忠実に伝えているような報道に見えますが、明らかに恣意的であります。

つまり、

副操縦士が故意に旅客機を墜落させたのは明らかで、それは彼の精神的疾患が原因だ。

と決めつけているのですが、

厳密に、真実に近づく為には、ボイスレコーダーだけではなく、飛行機の飛行経路、高度、コクピットでの操作などを記録した

「フライト・レコーダー」のデータを解析し、ボイス・レコーダーと突合しなければならないはずです。

今まで得られた情報からは、本当は、「副操縦士が故意に墜落させた」かどうか断言出来ないはずです。

そう思われる状況だ、というだけで、もしかすると高度を下げる操作を行ったのに航空機の技術的な問題で元に戻らなくなった、

つまり再上昇できなくなったのかもしれないし、

仮に操縦士の操作が墜落の原因だとしても、「キチガイだったから」ではなく、

たとえば、急に心臓発作を起こしたり、脳血管障害(脳梗塞か脳出血です)がおきたのかもしれないし、

精神科領域で稀に起きる「ナルコレプシー」という、突然、瞬間的に眠ってしまう病気であった可能性も考慮しなければなりません。

他の精神科領域の診断名も、私は想像できますけれども、それは昨日書いたとおり、精神疾患への偏見を助長することになるので

ここでは書くことは、控えます。


ただ、昨日までは6年前の「抑うつ状態」と「故意の墜落」で既にきまりのような報道でしたが、

記事1に載っている「副操縦士と去年交際していたという客室乗務員の女性のインタビュー」で述べられていることが

本当だ、と仮定するならば、まず、
待遇への強い不満や将来に対する不安をあらわにしていた

のであるならば、「うつ病」患者に特有の自責的な思考とは真逆です。また、

副操縦士の言葉
自分はいつかシステムを大きく変えることをする。それによってすべての人が自分の名前を知り、記憶することになるだろう。

という、自己陶酔的表現は、うつ病の思考パターンの一典型である「自己の過小評価」

(逆の場合もあるのですが、それに言及するとややこしくなるので、本稿では省略します)とはやはり正反対です。

要するに、現段階で言えることは、
まだ、何が究極的な墜落原因なのか、分からない。

ということです。

「分からない」という状態が現在の「真実」なのですから、それをはっきりとメディアは示すべきであって、

類推、予断を招くような不要な情報を徒に拡散するべきではない、と思料します。

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2015.03.27

「独機墜落、当日『勤務不可』=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士」←こういう書き方は間違っています。

◆記事:独機墜落、当日「勤務不可」=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士(時事通信 3月27日(金)21時18分配信)

ドイツ西部デュッセルドルフの検察は27日、独旅客機を意図的にフランス南東部のアルプス山中に墜落させたとみられる

アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の関係先を捜索した結果、

病気のため、墜落日の勤務は不可能とする内容の診断書が見つかったと発表した。

病名には言及しなかったが、深刻な心身の状態にありながら、操縦に当たっていたことが判明した。

南ドイツ新聞は、診断書は精神科医によって発行されたもようだと報道した。

独紙ビルトは副操縦士が抑うつ症状のため、最近も医師のサポートを定期的に受けていたと指摘。

恋人との関係で悩んでいた可能性も伝えており、動機も徐々に浮かび上がってきている。

独捜査当局は26日、西部モンタバウアーやデュッセルドルフの関係先で捜索に着手。

副操縦士の病状や通院の事実を示す書類のほか、破られた状態の診断書が押収された。

検察は声明で「副操縦士が病気について勤務先に隠していたと考えられる」と述べた。


◆コメント:まず「本当は何が起きたのか」を明らかにすべきで、「原因」は、その後です。

私が、うつ病(正確には今は、うつ病というよりそれこそ「抑うつ状態」ですが)患者なので、

このような報道は、病気への偏見を助長する、ミス・リーディング(誤解を招きがち)な行為であり、憤りを覚えます。


事故にしろ、事件(犯罪)にしろ、まず調査・捜査で明らかにすべきなのは、事実認定、つまり、

本当は何が起きたのか。

ということです。

本件について、コクピット・ボイス・レコーダー(以下、CVR)から明らかなのは2人のパイロットの1人がコクピットの外に出て、

戻ろうとしたところ、ドアがロックされていて(911テロの後、みだりにひとがコクピットに入れないように、

デフォルト(初期設定)でコクピットのドアはオートロックになり、中から解錠しないと、ドアが開かないそうですが)、

入れない。機長がドアをノックしたが、中から応答がない。段々ノックの音が激しくなり、最後はドアを蹴破ろうとしたが

開かず、墜落の瞬間、コクピットにはルビッツ副操縦士(27)しかいなかった。

CVRには、副操縦士の呼吸が最後まで冷静であったことがわかるような音が含まれている。

状況からして、副操縦士が「故意に飛行機を墜落させた」と推測できる。

ということです。


しかし、副操縦士の故意であるとしても、その原因がなにかは、全く憶測であります。

家宅捜索の結果、フライト当日の勤務は不可、とのドクターの診断書があったけれども

その理由となる診断名は明らかにされていない。

ただし、6年前にうつ病で治療を受けていたことがある。

恋人との関係で、悩んでいた「可能性がある」

それが、本当だとしても、報道は、副操縦士の6年前の「うつ病」と乗客を道連れにした「自殺」を

誰もが想起するような書き方になっていますが、これは、非常に誤解を招き易いとおもいます。


こういう書かれ方をしたら、うつ病の患者は、約150人の乗客と無理心中を図りかねない、とんでもなく危険な

「キチガイ」だ、と、世の中の大部分、メンタルヘルスに無知か、偏見のある人々は考えることでしょう。

昨今、マスコミは企業に於けるメンタルヘルスケアの重要性などといいながら、他方でこのように

精神科関連の何らかの障害、疾患への偏見を徒に、助長する。


そもそも、事故の全貌の調査が明らかになっていないのに、最も慎重に扱うべきである

個人(副操縦士)の病歴を明らかにした仏検察もそれをそのまま伝えるドイツの新聞も、

そのウラを取らずに、あたかも「事故の原因はほぼ明らか」とでも言いたげに書いたり、ニュースで伝える

メディアの報道方針は正しくありません。


「希死念慮」(自殺願望)は、うつ病の典型的な「症状」の一つで、それはうつ病が殆ど寛解しても

残るのです。私もそうです。

しかし、同時にうつ病患者の思考は、過度に自責的になるのです。

つまり、現実の認知が過度にマイナス方向に向かい、極端な場合、
世の中でおきる悪いことは、全て自分の所為だ

という発想さえ出てくるのです。悪いのは「自分」だと。とても他人を道連れに自殺することは

出来ないのです。

とにかく副操縦士が死んでしまったので、事故を起こした際に、本当は何を考えていたか

独り言でも発して、CVRに録音されてなければ、永遠に分からないでしょう。

厳密に言うと、そういうことになります。


結論的に繰り返すならば、

副操縦士が故意に墜落させた、ということも「証明」は出来ていないし、まして、故意だったとしても、

過去の病歴を安易に公開したり、精神医学に素人であるマス・メディアが、病気と行為の因果関係を

ほのめかすようなことを、書くのは、あまりにも拙速、と言わざるを得ません。

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2012.01.03

【映画】お薦め。「ハッピーフライト」。

◆随分、前の映画なのですが。

これは、「ウォーターボーイズ」「スウィング・ガールズ」の矢口史靖(しのぶ)監督の作品で、

公開が2008年11月15日で、DVDが発売されたのが、2009年5月22日ですから、いずれにせよ、

映画の紹介にしては遅すぎるにもほどがあるのですが、

大抵私は、皆さんがすっかり忘れた(と、書くとこの映画の制作に携わった方々やファンには失礼ですが)頃に、

ご紹介することになります。


しかし、手前味噌ですが、それによって一度はこの映画を見たと言う方も、「そういえば・・・」と思われるでしょうし、

見たことの無い方は、今更お薦めする人間はすくないので、良い機会だろうと思います。


肝心の商品を特定しておきます。映画本編は、

ハッピーフライト ビジネスクラス・エディション(2枚組) [DVD] です。

一番安いのは、ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]、一番高いのは、ハッピーフライト ファーストクラス・エディション [Blu-ray] で、

ファーストクラス・エディションは、ブルーレイのみとなります。

私は、2009年にビジネスクラスエディションを買って、その後見ております。これがちょうど良いと思います。

そして大変良い映画だと思ったのですが、何故か、日記・ブログに書いておりません。


矢口監督の前作、「スウィングガールズ」は、何しろ役者が本当に楽器の特訓を受けて、「何とか」演奏できるようにして、

実際に本番でも演奏している、と言う点が画期的です。これは記事にしました。

2007.02.26「スウィングガールズ」をテレビでやってましたね。実は結構好きなんです。あれ。

この時も映画公開から2年以上も経ってから、急に気に入ったのです。どうも私はその辺がドンクサイのです。


それはさておき、矢口監督は「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」と2作「青春もの」でヒット作を撮ってしまって、

次はどうするのだろう?と思っていたら、実は「ウォーターボーイズ」の頃から「飛行機もの」の構想はあったとのこと。

本作は、綾瀬はるか主演なのでしょうが、ドジな新人CAが失敗を重ねて成長する「スチュワーデス物語」(原作です)や、

新・旧「アテンションプリーズ」でもなく、気の弱い、機長昇格訓練中副操縦士「鈴木君」を不必要に滑稽に描いた映画

でもありません。


◆非常に綿密に取材し、航空業界(業務)の真実を忠実に再現しているとのことです。

矢口史靖監督が最初に考えたのは、ジャンボ・ジェット(ボーイング747-400)に子供が取り残され、

地上からの指示を受けて、飛行機を操縦しながら、羽田空港に着陸するつもりが、

東京湾アクアラインに着陸することなってしまった、というストーリーだったそうですが、

あらゆる航空関係者に取材を重ねるほど、「絶対にあり得ない」ことが明らかになり、

「荒唐無稽飛行機もの」というジャンルがあるとすれば、アメリカ映画で、コクピットに

ゾンビが現れたり、大蛇が侵入してきたりという映画があるそうで、もはや意味が無く、

どうせ撮るなら、玄人が見ても、「あそこでああいうことはしない」というようなことを言わせない

事実に近いシチュエーションを構築しよう、という結論に至ったそうです。


綾瀬はるかさん演じる国際線初めてのCAがドジを踏む、典型的なドタバタがありますが、

そこから先は、羽田→ホノルル、ANA(実在の会社の飛行機を15日間貸して貰ったというのが、

非常に興味深いです)1980便が離陸後、あることが原因で、エアターンバック(飛行中の飛行機が、

離陸した空港に戻ること)を余儀なくされる。操縦桿を握るのは、機長昇格訓練中の田辺誠一氏演ずる

鈴木副操縦士と、ニコリともしない、時任三郎氏演ずる原田機長、

そして、寺島しのぶ演ずるチーフパーサー以下、客室乗務員、田山涼成氏演ずる森田グランドマネージャー率いる

田畑智子ら地上係員、岸部一徳=高橋チーフ・オペレーション・ディレクターら、OCC(オペレーションコントロールセンター)、

その地下にいる、管制官 、整備士、はては、飛行機と鳥の衝突(バードストライク)を防止する、ベンガル氏演ずるバードパトロール。


矢口史靖監督によると、空港の特殊性はこれらの人々は同じ「航空機を安全に運航する」ことが任務であることは同一ですが、

お互いには顔見知りではないことが多い。コクピット・クルーやCAと管制官、ディスパッチャー(OCC)は会わない。

整備士とグランドスタッフ(地上係員、あのチケットの苦情など受けて大変な人達)とバードパトロールも、多分、

一生、顔を合わせることがない。

パイロットだって、キャプテンと副操縦士は毎回コンビが違う。CAも毎回初対面の人が必ずいる。

しかし、各自が自らの使命を忠実にこなし、様々な仕事が連携することで、空の安全は保たれている。

ということを、「映画」という娯楽において、自然に一般人にも知らしめている。

この構想と、演出、それから特撮技術を多用したリアリティは、大したものだと思います。


緊急着陸を含む、航空機操縦の機器操作に関して、矢口監督は、プロに取材を重ね、

俳優に実際のパイロットが使う、フライト・シミュレーターで訓練を受けさせ、

プロに見せても「そんなところは触らないよ」と言われないような映像にしています。

逆に言うと、航空関係者に言わせると、今までの「飛行機もの」は「絶対そんなことはしない」デタラメばかり

だったそうです。

前半一時間はやや、典型的なドジCAの失敗ドタバタですが、後半は生命の危機に関するやりとりが含まれ

目が離せません。

一度観た方も、音声を「日本語音声2」にすると矢口監督の解説を映画と同時に

聴くことができます。まだ知らない方が多いのでは無いでしょうか。字幕を「字幕2」にセットすると、

台詞ではなく、「航空用語の解説」が表示されるので、これも面白い。

お薦めです。


◆「USエアウェイズ1549便不時着水事故」はこの映画の後のことでした。

一つ書き忘れました。「ハッピーフライト」のストーリーでは、「エマージェンシー(緊急事態)」を宣言する

原因となったのは、鳥との衝突、バードストライクですが、エンジンに吸い込んだのではありません。この映画の公開は、

前述の通り2008年11月15日ですが、そのちょうど2ヶ月後、アメリカで、

ニューヨーク発シャーロット経由シアトル行きのUSエアウェイズ1549便がニューヨーク市マンハッタン区付近のハドソン川に不時着水する、

所謂「ハドソン川の奇跡」、USエアウェイズ1549便不時着水事故が起きたのでした。

これには、矢口監督も驚いたそうです。

蛇足ながら、「ハドソン川の奇跡」をもたらしたのはベテラン機長、チェズレイ・サレンバーガーの冷静な判断と操縦のおかげだ、

というので、彼はすっかり「ヒーロー」になりました。そうしたら、チェズレイ・サレンバーガー氏は自分で早くも

「自伝」を執筆しましたね。既に邦訳されてます。

機長、究極の決断 (静山社文庫)

如何にも欧米人の社会。常に折りあらば、パワー全開で自己主張しなければなりません。

ちょっと、最後に皮肉をかきました。

映画「ハッピーフライト」DVDはお薦めです。

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2011.08.12

1985年8月12日18時56分28秒、日本航空123便が墜落しました。

◆文章を書き始めるまでに2時間かかりました。

私は、1年に2回、毎年々々、全く同じ歴史的事実について書き続けています。

前後しますが、1つは、11月13日。1989年、当時の島根医科大学第二外科が、日本で初めての

生体肝移植手術を行ったのです。長い間日本の医学界でタブーとされていた「移植」手術を行う

決断をした、勇気ある医師がいた。忘れてはいけないのです。

もう一つが、今日、8月12日のあの悲惨な事故です。

勿論1945年、8月6日と9日、広島と長崎に起きたことも忘れてはならない。

これはしかし、私が言うまでもない。


123便の墜落事故の年、私は既に社会人2年目でしたが、

26年前ですから、今、既に立派な大人となっている人達のかなりが、

事故当時はまだ幼かったとか、小学生だったので、良く覚えていないとか。

そういう時間が経過しました。


当時のことを覚えている大人の多くが、敢えて123便のことを忘れようとしているように思う。

余りにも悲惨で、思い出すと辛くなるようなことを意識から無意識に排除する人がいます。

そうでしょうね。たった5ヶ月前に起きた地震とそれによる原発事故のことすら、直接被災して

いない人は、特に原発のことは、考えないようにしている。

それはさておき、123便は忘れていけないと思います。

しかし、安易に軽佻浮薄にこの事故について語るべきではない。

さきほどからPCの前で2時間も考え込んでしまいました。


◆事故当時。

1985年8月12日は月曜日でした。私は仕事が暇で、珍しく早く退社し、

自宅最寄りの駅で電車を降りた後、自宅に向かう途中、昔はよく見かけた

個人経営の小さな本屋さんで、立ち読みをしていました。

店内には、小さなラジオがいつも付けっぱなしになっていました。

突然、NHKのアナウンサーが非常に緊迫した声色で、午後6時10分過ぎに

羽田を離陸して大阪伊丹空港へ向かっていた日本航空123便ボーイング747型機が

同6時50分過ぎにレーダーから姿を消した、という趣旨の原稿を読み上げました。

航空関係に関して素人の私にも、巨大な「ジャンボ機」がレーダーから姿を消した、

ということが、何を意味するか容易に推察出来ました。知り合いが乗っているかどうか

ということには考えが及ばず(乗っていなかったことは後にわかりましたが)

あまりのことの重大さに膝が震えたのを良く覚えています。

今、8月12日の18時45分です(夕べはどうしても、書けませんでした)。

26年前の今頃、高浜機長ら、コクピットクルーは

明らかに異常が発生し(後に123便は垂直尾翼が破壊されていたことが判明しましたが、

事故直後は、コクピットクルー(機長、副操縦士、航空機関士)も管制官もそれを

しりませんでした)、「操縦不可能」となった機体と「格闘し」ていました。

しかし、18時56分28秒。飛行機は、山に激突しました。

余りにも悲しい。


事故から15年後、2000年。それまでは音声を文字に起こしたものしか公表されなかった

CVR(コクピット・ボイス・レコーダー)の音声そのものを、TBSが入手します。

どうやら国は事故資料を破棄し、事実の隠蔽を図ったらしく、それに憤りを覚えた

当時の運輸省(現在の国交省)から内部告発があったのです。

8月8日の夕方のニュース番組で、この録音が電波に乗り、高浜機長の奧さんですら、

初めてこれを聴きました。一般国民は全員、愕然としました。

文字だけでは分からなかったこと。

それは、123便のコクピットクルー、高濱機長、佐々木副操縦士、福田航空機関士は

本当に最後の最後まで、何とか乗客の生命を守ろうと、冷静に、これ以上懸命になれないほど

懸命に、あらゆる方法で機体の姿勢を建て直そうとしたのでした。


CVRの音声が公表されるまでの15年間、高浜機長らの自宅には、卑怯な

嫌がらせ電話が殺到しました。


しかし、音声をTBSが公表したことにより、皆、機長らの無念をしりました。

それまで嫌がらせをしていた人が、謝罪をした例もありました。


事故当時中学3年だったというある男性は、事故で身内を失った訳では無いけれど

空の安全を守る人間になろうと、本気で決心し、航空管制官になりました。

123便のコクピットクルーのお子さん達、つまり、

高浜機長のお嬢さん、佐々木副操縦士と福田航空機関士のご令息はそれぞれ

キャビン・アテンダントと、パイロットになりました。

彼らは、自分達が一生、安全なフライトを続けることにより、

乗客を無事に目的地に運ぶ使命を果たせなかった、

父親の無念を晴らしたいのでしょう。


どうして、こういうことを書くかというと、123便の悲劇をメディアが

取りあげるときには、どうしても亡くなった乗客とその遺族ばかりが

操縦士、副操縦士、航空機関士を運航乗務員と言い、

当時で言う所のスチュワーデス達を客室乗務員と言いますね。

チーフ・パーサー1名、アシスタントパーサー7名。スチュワーデス4名。

12人の客室乗務員も亡くなった。その遺族の悲しみは乗客の遺族のそれと

違う訳がない。しかし、表向きは日本航空の社員=加害者側とみなされ、

慰霊登山もこっそりしなければならないのです。

(今は、確認していません。少なくとも事故後暫くは、そういう状態でした)。


◆ボイスレコーダーの音声と、123便の航跡をシンクロさせた、フラッシュです。

面白半分に聴き、見るのは言語道断ですが、

今日、現実世界を見ても、ネットを見ても、今日は誰も「日航123便」のことなど

話さないし、書かない。

何でもすぐに忘れてしまう日本人です。

このフラッシュと音声は、辛くても「見て」「思い出さなければならない」

と思います。



事故調査委員会発表を元にした、CVR音声と123便の飛行経路


1985年8月12日、JAL123便CVR音声と飛行経路



最後に。

123便に関係する本は無数にありますが、

茜雲 総集編―日航機御巣鷹山墜落事故遺族の二〇年

胸が張り裂けそうになります。正直に云うと本当に辛いです。暫く動けないほど、悲しくなります。

読むには、覚悟が要ります。しかし、多くの人に読まれるべきです。


26年前に亡くなられた520人のご冥福を祈ります。

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2010.08.12

今年も8月12日がやってきました。辛いですが、Flashファイルを載せます。

◆記事:「何とか助けたい一心だった」=交信管制官が初証言―日航ジャンボ機墜落25年(8月10日2時35分配信 時事通信)

520人が犠牲になった1985年の日航ジャンボ機墜落事故で、

墜落した羽田発大阪行き日本航空123便と直接交信していた男性管制官(54)が9日までに、

時事通信の取材に応じ「何とか無事に空港に着陸させ助けたい一心だった」と当時の心境を語った。

12日で事故から四半世紀となるが、報道機関のインタビューに応じるのは初めて。



男性管制官は、管制官になって8年目で運輸省(現国土交通省)東京航空交通管制部(埼玉県所沢市)に所属していた。

事故当日の8月12日は、午後5時から「関東南Aセクター」と呼ばれる空域を4人で担当。

午後6時すぎから、男性管制官がマイクを付けレーダー画面の前に座った。

午後6時25分、123便の機長=当時(49)=から「トラブルが起き羽田空港に引き返したい」との連絡が入る。

2分後、緊急事態を示す「EMG」の文字がレーダー画面に表示され、大きなブザー音が鳴り続けた。

「どういう緊急事態なのか尋ねたが、返答はなかった。羽田の方向に旋回せず、高度も上下していた。

そのうち『操縦不能』と。ただごとではないと判断した」

123便はスピードを保って乱高下を繰り返し、どこに飛んでいくかも分からない。

一方で、他の航空機への管制指示も続けなくてはならなかった。

「123便には操縦室の作業に専念できるよう最大の支援をするとともに、同便が他の航空機に影響を与えないよう注意を払った」

午後6時56分、航空機からの信号を把握できないことを示す「CST」の文字が出た後、

123便の表示はレーダー画面から消えた。「経験したことのない強いショックを受けた。

助けられなかった喪失感と、墜落したという衝撃が同時に去来した。一方で、直ちにはその事実を受け入れられなかった」。


◆コメント:犠牲者の方々のご冥福を祈ります。

もう、あれから25年も経つのですね。何度思い出してもあまりに辛い、悲しい事故です。

私の身内や知り合いが乗っていたわけでもないのに。まして、ご遺族の心中は察するにあまりあります。

1985年8月12日、(当時の)日本航空123便、東京発大阪行きのボーイング747型機が、18時12分、羽田を離陸し、

18時56分30秒頃、群馬県多野郡上野村の御巣鷹の尾根に墜落しました。乗客・乗員524名のうち520名が亡くなりました。


私は、このとき8月第2週で会社の仕事が忙しくなかったので、早めに退社し、自宅最寄りの駅から、

自宅に歩いて帰る途中、小さな書店で本か雑誌を立ち読みしていました。この店の店主はいつもNHKラジオを聴いていました。


突然、ニュース速報が流れ、

乗客およそ500人を乗せた東京発大阪行きの日本航空機がレーダーから姿を消し、安否が気遣われている

という内容でした。その頃、NHKキャスターだった木村太郎氏が番組を中断して臨時ニュースを伝えた映像を録画していた方が

おられます。最初はテロップが流れますが、再生開始後2分45秒過ぎにニュースに切り替わります。これが第一報です。






繰り返しますが、私は同じ内容を書店のラジオで聞きました。いくら航空関係の素人と言えども、

航空機がレーダーから姿を消した、ということが、何を意味するのか、考えれば分かります。

あまりのことの重大さに、膝がガクガクと震えたのを覚えています。


◆コクピット・ボイスレコーダーの音声はTBSのスクープで公開されました。

ボイスレコーダーには、パイロット達と航空管制官の通信、コクピット内での会話が記録されていますが、

それを文字に起こした資料はいつからは調べられなかったが、比較的早く公開されていましたが、

ボイスレコーダーの音声そのものを入手し、スクープで放送したのはTBSです。


2000年8月8日の「ニュースの森」です。これを聴いた日本人は、皆初めて、

文字では分からなかった、コクピットクルーたちの懸命の努力を知ったのです。

彼らは、管制官に機体が「アンコントローラブル」(コントロール不能)と告げているのですから、

高浜機長が「これはだめかもわからんね」という聞いているこちらの胸が痛くなるぐらい絶望的な言葉を

発する前から、ほぼ確実に数分から数十分後には自らの生命が絶たれることを認識していたに違いありません。

それでも彼らは、何とか乗客を助けられないか、との使命感で、本当に最後の最後まで、奮闘している。

涙無くして聴けません。

Flashと音声を合成したファイルです。


123便ボイスレコーダー



この音声が公開されてから5年後、TBSは事故から20年目、ボイスレコーダー公開までのいきさつを

ドラマ化しました。それに関しては、

「ボイス・レコーダー」(TBS)視聴後、雑感。ココログ

に書きました。

この音声を聴くのはつらいけど、犠牲者や遺族の方々の無念や悲しみを思ったら、比べものになりません。

なお、今回、この稿を書くにあたって、ウィキペディアの日本航空123便墜落事故を参照したのですが、気になる記述を発見しました。

その他の中程に、
機長の発した「これはだめかもわからんね」という言葉は、インターネット上で慣用句となっている[21]。

とかいてあるのです。そのリンク先の記事、ITmediaニュース:ネットで語り継がれる機長の言葉、事故の記憶を読むと

完全にふざけて、高浜機長の言葉を使っている奴がいるというではありませんか。

敢えていいますが、そういうのを「人間の屑」というのです。ボイスレコーダーを聞いて、爆笑したというのは、

ネット(これは、どうせ「2ちゃんねる」でしょう)では、わざとそういう他人が嫌がるようなことを書く奴がいるのは

勿論知っていますが、冗談でも、いや、そもそも冗談にしてはいけないことがあります。

それが本当にわからないような馬鹿は死んだ方が良い。と思います。

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2010.03.18

「ロシア旅客機墜落、原因は機長の飲酒」←ロシアのフラッグ・キャリア、「アエロフロート」の恐ろしさ。

◆記事:ロシア旅客機墜落、原因は機長の飲酒(3月17日8時24分配信 日本テレビ)

08年9月にロシアの旅客機が墜落し、88人が死亡した事故について、16日付のロシアの新聞は、機長の飲酒が原因だったと報じた。

着陸直前に機長が「私は操縦なんかできない」と話す音声がボイスレコーダーに収められていた。

さらに、機長の遺体からはアルコールが検出されており、事故の捜査委員会は、原因は「機長の飲酒」と断定したという。


◆コメント:アエロフロートは怖いのです。

日本テレビは何故か航空会社名を出しませんが、2008年9月に死者を出した航空機墜落事故は一件しかない。

英語のサイトですが、世界の航空機事故を記録しているAir Safe.comというサイトで調べると分かります。

やはり、アエロ・フロートでした。


アエロ・フロート(ロシア語表記は訳がわかりませんが、英語だと、"Aeroflot"です)という旧ソ連時代から、現在まで、

ロシア連邦の国営航空会社ですが、これは、ソ連時代は隠蔽されていたでしょうし、現在も全ての墜落事故が、

公表されているかどうか分かりません。


まず、予備知識を得るために、ウィキペディアのアエロフロート・ロシア航空

英語が読める方は、英語版WikipediaのAeroflotを読んで下さい。


リンク先に書いてありますが、この航空会社の出鱈目さは眩暈がするほどなのです。

余りにも事故が多いので、アエロフロート航空墜落事故という独立した項目が立てられているほどです。

これによると、アエロフロートは、1953年から1991年(ソ連が崩壊した年)までの38年間に、

127件の人身死亡事故を起こしており、6875名の犠牲者を出している。

単純に平均すると、この38年間に、ロシアはその国営航空会社の墜落事故で、毎年平均、180人の犠牲者を出している、というわけです。

日本テレビのニュース原稿には「ロシアの旅客機」としか書いてありませんが、「ロシア→飛行機→墜落」という文字を見たら、

アエロフロートしかありませんから、調べました。


Air Safe.comには、当然記録されています。

また、日本語のウィキペディアの中に、独立した項目があります。アエロフロート821便墜落事故です。そこには
事故原因は調査中だが、右翼エンジンの技術的欠陥によって爆発したとの報道がある

と記述されていますが、日テレの報道の通り、ボイス・レコーダーが回収されていたなら、

事故原因はとっくに分かっていたはずですから、何故、昨日急に公にしたのかは、不明です。

しかし、それは本題では、ありません。


2008年9月、アエロフロート821便墜落事故の原因が、機長の「酔っ払い操縦」らしいというので、今日のブログで

この事故の事をかいておられる方が多く、大変尤もだと思います。私もさすがに呆れましたが、一方で、
さも、ありなん。

とおもいました。アエロ・フロートは更にとんでもない原因で、墜落したことがあるのです。


1994年3月22日、アエロ・フロートのエアバスA310-308が高度10,000メートルから、失速し、制御不能なスピン状態に陥り、

シベリアの標高400メートルの山に墜落し、乗員・乗客75名全員が死亡しました。

この事故は、なんと、機長が自分の息子と娘をコクピットに座らせ、操縦桿を握らせたことが原因でした。

ウィキペディア(日本語)にアエロフロート航空593便墜落事故として詳細な解説が載っています。

ごく簡単に言うと、子供が操縦桿を30秒以上継続的に動かしてしまったので、エアバスの仕様で、自動操縦装置が解除され、

機体が右に傾き始め、ドジな機長がその原因に気付かず放置したため、次第に右傾斜が大きくなり、失速したのです。

その上、失速し、急降下した機体が、高度を回復しようと機首を上げ始めたときに、焦った副操縦士が更に操縦桿を引いたため、

機首が上がりすぎ(仰角が大きくなりすぎたということです)再度失速し、墜落した、という、目も当てられないほどの悲劇です。


旅客機の機長が、パイロットの資格を持たない素人、しかも15歳の息子をコクピットに入れ、操縦席に座らせ、操縦桿を握らせる

という空前絶後の超弩級大不祥事でした。


この事故が起きた当時、私はたまたまロンドン駐在員でした。ヨーロッパでは大きくこのニュースが取りあげられたのですが、

その直後、日本からロンドンにやってきた知人にこの事故の話をしたら全く知らなかったのですが、日本ではニュースにならなかったのでしょうか。


要するに運航管理体制もへったくれもない、キャリア(航空会社)なのです。


今日のニュースを読んで、1994年にあれほどのとんでもない事故を起こしながら、

アエロフロートのいい加減な体制は、その後も全然変わっていなかったのだな、と思いました。


◆国際線も飛ばしていますが、利用するのは止めておいた方がいいですね。

ロシアの国内線だけではなく、国際線も運航しています。日本語のサイトがあります。

モスクワ行きばかりではなく、成田-ヒースロー便などヨーロッパ各地まで飛びます。今、それほど特別安くありませんが(ユーロになったので)、

私がロンドンにいた頃、我々駐在員が一時帰国するときなどは旅費が出ますから、「まともな」チケットを買えましたが、

留学中の学生さんなどは「安いから」といって、アエロフロートに乗る人が、けっこういました。

国際線はさすがに他国人を乗せて墜落したら大問題になりますから(ロシア国内線で乗客が亡くなるのも勿論問題ですが)、

多少、まともに管理しているのかもしれませんが、とにかくロシア国内では、ひどい状況ですから、使わない方がいいですね。

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2010.02.18

「全日空系3機、整備怠ったまま長期間運航 10便欠航」←もう1度落ちないと懲りないのかね?

◆全日空系3機、整備怠ったまま長期間運航 10便欠航(朝日新聞)(2010年2月17日19時41分)

全日空グループのエアーニッポンネットワークが所有するプロペラ機(ボンバルディアDHC8―Q300型)3機が、

必要な点検を怠ったまま、半年~1年ほど飛行を続けていたことがわかった。

同社は点検整備のため、17日の釧路―丘珠線など北海道内の6便を欠航。

18、19の両日、羽田―三宅島線4便も欠航する。計約340人に影響する見通し。


◆コメント:全日空もJALも中国で機体を整備させていたことがあります。

長年、弊日記・ブログを御愛読頂いている方は、もしかすると覚えておられるかも知れないが、

2005年6月に書いた記事がある。

全日空やJALが機体の整備を中国の工場に委託している、ということを知っていましたか?ココログ

日本航空はご承知の通り、先日経営が破綻して、法的整理ということになったが、財務的には破綻していない全日空にも運航上の安全を確保する

強い意志があるのかどうか疑問だ。

2005年の記事を読んで頂くと分かるが、さらにその3年前、2002年、全日空が中国の工場に整備を依頼していた、

ボーイング747型で、発電機制御系統の電気配線が故意に切断されているのが、発見されたことがある。

そんなことがあったのに、全日空は、あのトラブルの多いボンバルディア機の整備を怠っていたのである。

問題点は、

  • 会社の内部監査で(グループ会社とて監査対象になる)、機体整備状況の不備が何故発見されないのか。

  • 監督官庁である国土交通省は、航空会社に検査に入るはずだが、何故、このような致命的な危険を発見できないのか。

である。全日空本社もグループ会社も、もしかして、今でも中国の工場に整備を委託しているのだろうか。

会社のプレスリリースをいくら読んでも分からんし、国土交通省の発表もない。


会社の収益を極大化するためには、売上げを増やすと共に費用を減らすことが必要なのは、あらゆる商売で同じ事だが、

航空会社が、こと安全性に影響が及ぶ費用を惜しんではならないのは、常識で考えれば明らかで、航空業界の事情もへったくれもない。

基本中の基本だろう。


このような体制で、1985年8月12日、日本航空123便以降、墜落事故が起きないのは、単に幸運に恵まれただけではないのか?

今、計算したら、123便が墜落してから2月18日まで、24年6ヶ月6日。日数にして8956日が経過している。

もう一度落ちないと、懲りないのか?

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2010.01.20

「JALが会社更生法適用を申請」←日本航空は何故破綻したのか。

◆記事:JALが会社更生法適用を申請、事業会社で戦後最大の破綻(1月19日18時8分配信 ロイター)

日本航空(JAL)<9205.T>は19日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、受理されたと正式発表した。

負債総額は2兆3221億円で、事業会社としては戦後最大の経営破たんとなる。

企業再生支援機構も支援決定を発表しており、

再建を巡って揺れ続けた同社は支援機構をスポンサーとして再生を図ることとなった。

更生法を申請したのは、日本航空と子会社の日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの3社。

負債総額は2000年のそごうの1兆8700億円を抜いて事業会社として最大規模。

金融機関を含めても戦後4番目の大型経営破たんとなった。

1951年に設立され1987年に完全民営化した日本のフラッグキャリアは事実上国の管理下に入る。

国内大手航空会社として初の破たんとなる。

支援機構の発表によると、破たん後のつなぎ資金として支援機構と日本政策投資銀行が6000億円の融資を実行し、

資金繰りを支える。また、支援機構は3000億円超の資本注入を実施するほか、

取引金融機関などに対して債権カット約7300億円を要請し、JALの債務超過を解消する。

JALの株式は100%減資し、上場廃止する計画だとした。

2012年度の売上高は1兆3585億円、営業利益は1157億円を計画している。

◆はじめに:なぜ、日本航空は破綻してしまったのでしょう?

多くの方はお分かりでしょうが、心配なさっている方がいるといけないので、

最初に書いておきます。まず、日本航空が無くなる訳ではありません。

日本航空のマイレージは有効です。

しかし、日本航空は、東京証券取引所の上場を廃止しますから、株券は紙屑同様となります。

また、日本航空が発行した債券(社債)は、投資家からおカネを借りたという証拠、謂わば借用証ですが、

この借金の多くは返せません。これを債権がデフォルト(債務不履行)になる、といいます。

日航の株や債券に投資していた人はかなり大きな損失を被ります。これがまた大きな問題なのですが、

それに関しては、またいずれ説明しますが、今日はどうしてこのような事態にまで日航の経営が悪化したのか、

について、説明します。


◆日航が破綻した原因。

日航を破綻に追い込んだ世の中の一般的な状況として、景気の悪さがあります。

航空料金は高いので、国内の移動ならば、皆、飛行機より安い鉄道や、自動車を利用します。

また、仕事で海外に出張しなければならない人も、今までビジネスクラスに乗れたのに、

どこの会社も儲かっておらず、少しでも経費を減らそうとするので、エコノミーの切符しか

買ってくれません。皆がそうするので、当然日航の収益は悪化します。

ただ、これは、「世の中の一般的な状況」と書いたとおり他の航空会社にとっても同じことで、

日航だけに降りかかった災難ではありませんから、あまり言い訳にはなりません。


他の原因は、やはり日航自身にあります。

まず、日航が持っている飛行機の機種です。日航は燃料を大量に消費するジャンボ・ジェット、例えば

Boeing747-400を37機持っています(ここにJALが保有または、リースしている飛行機の一覧表があります。

JALグループ航空機数 (2009年3月31日現在)という表です)。


そして、従業員が兎に角多い。2009年4月30日現在、JALグループ全体で48,934人。

さらに、企業は公的な厚生年金の他に企業独自の企業年金を退職し、引退した人に払うことができますが、

日航の場合、この企業年金が他の企業の水準からするとあまりにも高いので、

銀行から何千億円というおカネを借りて、返せないでいる会社なんだから、もう少し遠慮したらどうだい?

という、世論の非難(ま、はっきり言えば「嫉妬」ですが)が集中しています。

これは、しかし、次のような記事を読んだら、日航以外の人たちはいい気がしないですよ。

昨年7月の時事通信です。

◆記事:日航の年金583万円=高コスト体質浮き彫りに(7月7日3時0分配信 時事通信)

日本航空の経営再建問題で、年金の支給額がモデルケースで年583万円と、年300万円台半ばとされる

大企業の平均支給額を大幅に上回っていることが6日、明らかになった。日航は企業年金の減額を前提に、

政府保証80%の日本政策投資銀行の金融危機対応融資を受けることが決まっている。

ただ、減額後の試算さえ年433万円で、改めて浮き彫りになった日航の高コスト体質が議論を呼びそうだ。

内部資料によると、勤続42年のモデルケース(1965年生まれ、18歳入社、60歳退職)で、

65歳以降の年金支給額は基礎年金と厚生年金、企業年金を合わせて月48万6000円、年583万2000円。

減額後も最高月36万1000円、年433万2000円が支給される見通し。

これ、いまだにOBは減額に関して同意しない人がいるんですね。

まあ、一旦手にした豊かな暮らしは、手放したくないでしょうけどね。

日航の企業年金、バカ高いですからね。減らされても(程度によりますけど)十分くらしていけるでしょ?

この年金を支払うための積立金が、日航の財務状態を非常に圧迫し、今日の事態を招く一因になってたのです。

今の従業員もかなりリストラされるはず。OBさんは、
俺達の年金を少々減らしても良いから、なるべく今頑張っている奴はクビにしないでくれ。

というと、見直されるのですけどね。どうしても嫌だ、という人がいるみたいでして。


思い付くままに、日航破綻の原因を挙げると、3番目は不採算路線が多すぎたと言うことでしょう。

あまり、人が乗らない地方にまで、路線を持っています。元来、日本航空は、日本航空法という法律に

従って運営されていた国の会社ですから、ある程度仕方がないとはいえ、民営化されたのは1987年で、

既に20年以上を経ているのですから、商売感覚がなさ過ぎては困るのですね。ソロバンぐらいはじいてくれないと。


日航だけの所為でもないのですけどね。民営化された後も色々国の無理な注文も聞いていたので、

国としては、中東で原油価格が暴騰して、日航が「困った」というと直ぐに助けてしまうのですね。

最後は国が助けてくれると思っているうちは、会社の合理化なんて無理ですね。

タカを括って銀行からどんどんおカネを借りて遂に返せない、ということになってしまった。

銀行は、一昨年9月15日のリーマン・ショックでかなり、損失を計上しました。

漸く昨年後半、損失処理を終えて、資本を増やして、体力をつけて、

「さあ、いくぞ」と思っていたら、日航が潰れて、持っていた日航株は上場廃止で、

紙屑になってしまうし、会社更生法が適用され、企業再生支援機構が裁判所で管財人として選定されたら、

極端にいうと何でもありですから、銀行が日航に貸していたおカネのかなりが回収不能になりますね。

折角増資して資本を増やしたのに、また取り崩して、貸倒引当に計上しなければならなくなります。

「やってらんねーよ」という気分になるでしょ。そりゃ。


ちょっと話がそれましたが、要するに、日航は形式的には民間企業なんですが、

国が介入し過ぎて、日航は思い切った改革をしなかったというか、出来なかったというのが、

今回の悲劇的結果を招いたと思います。

書き忘れましたが、この会社は組合が何だか訳が分からないぐらい沢山あって、

しかも、その力が強いのです。経営側の方で「黙れ!」といえない。

だからいつまでも従業員が矢鱈多いし企業年金も常識を逸脱するぐらい高い。


今回、ホントなら完全に破産しても普通の会社ならおかしくないですが、

国内線の6割が日航なので、会社をたたむ訳にはいかないですね。。

兎に角存続するだけでも良かったと思って、地上職の方もコクピットクルー(パイロット)も、

客室乗務員も、引きずらないで淡々と任務を遂行して頂きたい。

給料やボーナスが減ることに気を取られて万が一、また、123便のようなことが起きたら

目も当てられません。それだけは絶対に起こさないように(言われなくても分かっている、と

言いたいでしょうが)して下さい。

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