カテゴリー「芸術」の記事

2012.09.16

【文学】ヴェルレーヌ詩集。

◆文学について書いたことは殆どないのです。

約10年半、日記を書き続けていまして、御存知のとおり、音楽に関しては何度書いたか分かりませんが、

文学や美術に関して書いたことが、殆どありません。


その理由は、簡単で、音楽に対してほど、他に傾倒したことがないので、

あまり、自信を持って自分の言葉で書くことが出来ないからです。


特に私は、非常に散文的な人間で、自ら「詩」を書け、と、言われたらひじょうに困ります。


文学は、どの言語でも、その表現力の極みにあり、さらに詩となると、繊細な感受性、持って生まれた「才能」が

ないと、どうしようもない気がします。

ですが、考えると、それは音楽とて、同じ事でありまして、私が大作曲家と同じような名曲を書くことは絶対に

不可能です。それでも聴いて、私なりに「美しい」「楽しい」「切ない」「悲しい」と感じることはできます。


最近、若いころに読んだ詩集をたまたま見つけて読むことがあります。

ゲーテ、ハイネ、ヘルマン・ヘッセ、ボードレールやコクトー、シェークスピア、ワーズワース、どれもいいのですが、

最近、ふと目にした、ヴェルレーヌ詩集(堀口大学訳)に、

惹かれております。

巷に雨の降るごとく、わが心にも涙ふる。かくも心ににじみ入る、このかなしみは何やらん?

あまりの言葉と表現の美しさに、読むと心が慰められます。

音楽にもある、優れた芸術の力だと思います。

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2012.07.27

「<橋下市長>文楽を鑑賞 「台本が古すぎる」と苦言」←古典は古いから、古典だ。

◆記事:<橋下市長>文楽を鑑賞 「台本が古すぎる」と苦言(毎日新聞 7月26日(木)22時18分配信)

文楽協会への補助金凍結を表明している大阪市の橋下徹市長は26日夜、

国立文楽劇場(大阪市中央区)で文楽の古典「曽根崎心中」(近松門左衛門作)を鑑賞した。

橋下市長は鑑賞後、記者団に「古典として守るべき芸だということは分かったが、

新規のファンを広げるためには台本が古すぎる」と苦言を呈し、演出方法を現代風にアレンジするなどの工夫を求めた。

橋下市長は大阪府知事だった09年に初めて鑑賞した際、

「二度と見にいかない」と酷評した。この日は、「もう一度古典を見たい」と鑑賞した。

市は今年度の補正予算案で、文楽協会への補助金を昨年度比25%減の3900万円計上。

橋下市長は技芸員(演者)が公開での面談に応じなければ補助金を支出しないとの考えを表明し、

非公開での面談を求める協会側とのすれ違いが続いていた。

この日は、鑑賞後に技芸員の楽屋も訪れ、非公開で懇談。公開での面談を改めて要望したという。


◆コメント:大阪市ってのは、専制君主制ですか・・・。

橋下徹大阪市長は、凡そ、「カネにならないもの」は無駄だ、という発想しかできない。

だから、もっと客を入れるように「文楽」自体を「現代風に」アレンジしろ、というのだろうが、

行政の長が芸術表現について、それまで、長年鑑賞してきた、いっぱしの「通」ならともかく、

「アドヴァイス」というか、この場合殆ど、「指示」か「命令」に近い印象だが、口を差し挟むこと自体が

間違っている。為政者たるもの、

「自分には面白さがよく分からないが、これをみて通じ合っている人たちがいる。様々な感受性を尊重しなければならない」

と考えるべきで、大阪で営まれる人間の行為は、全てが自分(橋下市長)の好みに合うようにしなればならないなら、

この国は最早、専制君主による独裁制がまかり通る中世に時間が逆戻りしたも同然である。


◆橋下市長は自分の発した言葉が論理的に矛盾していることに気がつかないか。

そもそも、橋下市長には、丁寧に批判して差し上げるだけ、有難いと思って貰いたい。

本来、批判する為に文章を書く時間が勿体無いほど、バカげている。

(文楽は)古典として守るべき芸だということは分かったが、新規のファンを広げるためには台本が古すぎる。

「古典」は「古い」から「古典」であり、現代風にアレンジしたら、それは最早古典ではない。

橋下市長は、文楽を見て、「古典として守るべき芸だということが分かった」という。

古典として守るべきならば、大衆に迎合してはいけないのである。


これを、音楽に当てはめるならば、
バッハの音楽は「古くさくて」、若者には受けないから、ロックバンド用に編曲しろ。

というようなもので、全く何も分かっていない。

この分だと、ベートーヴェンのシンフォニーが堅すぎる、といって、第九のフィナーレのソリストを

全員演歌歌手にして、コーラスをAKB48に演らせろ、とか、本気で言い出す可能性すらゼロではない。マンガである。

子供の頃、青春時代に芸術に触れる環境に育たなかったこと、それ自体は橋下市長の責任ではないが、

自分の趣味に合わないもの、自分に分からないものは、価値がない。あるいは儲からないモノは価値がない、

というその自分の価値観を根本的に反省するというプロセスが必要である。


と、随分紳士的に書いて差し上げたが、私の忌憚の無い気持ちを文字にするならば、

こいつはマスコミや、世間に毎日騒がれて、自己愛が異様に肥大している。

それに自分で気がつかない。死んでも治りそうに無い大馬鹿だ。

金正日は、オーケストラを創らせた(餓死者が出ている国で、それが良いとはいいきれないが)。

アドルフ・ヒトラーは、ワーグナーが好きだった。カネにならないからワーグナーの楽劇上演を禁止とは

絶対に言わなかった。

「芸術」に関しては、橋下大阪市長より、金正日とヒトラーの方がまだ理解がある。

それほど、橋下の主張は、彼の、超弩級の無教養さを表している。

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2012.02.06

【速報・映像】「<バレエ>ローザンヌ1位の菅井さん 吉田都さんが絶賛」←菅井さん、おめでとうございます。

◆記事:<バレエ>ローザンヌ1位の菅井さん 吉田都さんが絶賛(毎日新聞 2月5日(日)19時2分配信)

若手バレエダンサーの登竜門であるローザンヌ国際バレエコンクールで4日、神奈川県厚木市出身で

和光高校(東京都町田市)2年の菅井円加(すがい・まどか)さん(17)=佐々木三夏バレエアカデミー=が1位となった。

現代舞踊賞も受賞した。初の海外遠征での快挙となった。

コンクールの入賞者(1983年)で、審査員を務めた世界的なバレエダンサーの吉田都さんは

「菅井さんは練習の時から反応が早く、エネルギー、表現、ダイナミックな動き、音楽の使い方、

古典と現代のバランスなど、すべてにおいてレベルが高かった」と絶賛した。

1位は9人の審査員全員の一致した評価だったという。


菅井さんは「まだ踊りの夢の中にいるような気持ち。先生方やお父さん、支えてくれた人たちにありがとうと言いたい。

初めての海外は何もかもが新鮮だった。吉田さんのようなダンサーを目指したい」と喜びを語った。

コンクールでは、DVDによる審査を経て19カ国から79人(日本は最多の19人)の15~18歳のダンサーたちが

ローザンヌに集まり、4日間の合同レッスンに参加。21人(日本人は男性1人、女性4人)が4日の決勝に臨み、

観客を前に古典バレエと現代舞踊の両方の演技を競った。


◆コメント:吉田都さんが絶賛って、あまりないですよね。

毎年1月末から2月3日か4日までローザンヌ国際バレエコンクールが開催され、

毎年、日本人が入賞するのが「当たり前」のように感じてしまいますが、

これは大変なことですね。


バレエというのは、生で見ると実によく分かりますが、ガイジン(狩猟民族)の踊りです。

日本人は農耕民族で、身体が元々、跳んだりはねたりするのには、向いていない。

「田植え」を想像すれば分かる通り、田んぼや畑での仕事は同じ姿勢でもそもそとした動作。

同じ姿勢に耐えられるようなのが、日本人の身体です。


だから元来、バレエに適したDNAは、全く日本人にはないはずです。

日本の伝統的な「舞」を見ると分かりますが、絶対にジャンプしないですね。

すり足なんです。


これは音楽でも証明されているようなものですが、日本に西洋音楽が輸入されて150年ぐらい

しか時間が経っていないのに、立派に世界に通用していますね。


この日記・ブログで何度書いたか分かりませんけど、世界一のオーケストラ、

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をカラヤンが指揮していた頃、つまり全盛期に、

カラヤンど、ヨーロッパ人の信任を得て、第一コンサートマスターに就任した安永徹さんは

四半世紀に亘り、コンサートマスターを務めましたが、目の眩むほどの偉業です。

日本人はそういうところ「とてつもない」民族だと思います。

バレエも同じです。


審査員の吉田都さんは今更言うまでもなく、天下の英国ロイヤルバレエのプリンシパル(常に主役を演る人)

だった方ですね。旧サドラーズウェルズ・ロイヤル・バレエ団とロイヤルバレエ併せて22年間プリンシパルです。


バレエは、ダンサーは台詞も言わないし、歌も歌いませんね。身体の動きだけで全てを表現する。

純粋に踊りのテクニックを披露するような演目もありますが、ジゼルとかコッペリアとか、多くの作品にはストーリーがあり、

そのストーリーは当然、西洋人だけを念頭に置いて書かれているのですから、本当は舞台でも東洋人が混入する

「必然性」が全くない。むしろ、不自然です。東洋人ダンサーは欧米のバレエ団に入ったら、その時点でハンディを負っています。

にも関わらず、吉田さんや熊川さんがプリンシパルにまで登り詰めたというのはものすごいことで

想像を絶する努力の賜でしょうし、才能もあったのでしょう。


その吉田さんが、「最近の日本人留学生は、すぐに諦める」と以前嘆いていたのを覚えています。

私は「根性」ということば、嫌いなんですが(自分にないもので)、要するに「あまりにも根性がない」

ということを仰有りたかった様子でした。

今年の優勝者、菅井円加(すがい・まどか)さん(17)さんは、留学してないんですね。

日本で勉強しただけで、世界に通用する、ということはそれだけ日本での指導が正しかったということですから、

やはり、日本人は大したものだと思います。。


◆YouTubeにPrix de Lausanneの公式サイトがあります。そこでファイナルも見ることが出来ます。

ローザンヌ国際バレエのYouTubeの公式サイト(チャンネル)があります。

Prix de Lausanne 

とにかく、菅井さんの受賞の瞬間。アップして下さった方、ありがとうざいます。


2012ローザンヌ国際バレエコンクール一位受賞の瞬間から





実際の演技、古典がまだ見つかりません、現代舞踊賞受賞と記事にありますが、コンテンポラリーといいます。

それは、アップされてます。これもアップして下さったかた、有難うございます。


Madoka Sugai Contemporary 2012ローザンヌ国際バレエコンクール







菅井さん、おめでとうございます。どうか、大輪の花を咲かせて下さい。

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2011.02.08

「ローザンヌ国際バレエコン 日本人2人が入賞 5位と7位」←ファイナルの映像を載せました。

◆記事:ローザンヌ国際バレエコン 日本人2人が入賞 5位と7位(毎日新聞 2月7日(月)11時14分配信)

【ジュネーブ伊藤智永】15~18歳のバレエダンサーを対象とする世界最高の登竜門

「第39回ローザンヌ国際バレエコンクール」の決勝が6日、スイスのローザンヌで行われ、

入賞者7人の中に、日本から5位に加藤静流(しずる)君(16)=さいたま市の「アクリ・堀本バレエアカデミー」=と、

7位に堀沢悠子さん(16)=群馬県太田市の「山本禮子バレエ団付属研究所」=の2人が選ばれた。

入賞者らは、世界一流のバレエ学校で学ぶ権利と奨学金が贈られる。


◆コメント:お二人の演技をご覧頂きましょう。

百聞は一見にしかず。

ファイナリストの一人ずつの演技時間は短いので、見つけ方を知らないと分かりません。

まず、ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイト(英語版)のトップページを見ます。

そのサイトの中に、THE FINALISTS 2011 ARE...という本選出場者のリストが

あります。これが演技の順番です。これで、YouTubeのローザンヌ・コンクール公式サイトから、

Finalsのパート1からパート6までありますので、適当に勘で探します。

今回は私が見つけました。


5位入賞の加藤静流(しずる)君です。

ヘルテルという作曲家の「ラ・フィール・マル・ガルデ」(La Fille Mal Gardee)から。


再生開始後、6分40秒辺りからです。


Prix de Lausanne 2011 - Finals Part 1






堂々たるものですね。ターンの美しさ。安定感、優雅さ。何よりも16歳で

「華」があります。貫禄すら感じます。


続いて、7位の堀沢悠子さん

再生開始後、ちょうど7分あたり。

ドリーブ作曲、「コッペリア」という、大変有名なバレエ第一幕の2曲目の「ワルツ」を踊っています。

大変有名な曲です。お聞きになったことが有ると思います。


演技終了後に確か、これ観客はブラボーとか言ってはいけないはずですが、

堀沢さんの実に流麗な踊りに「ブラボー」が跳んでいます。

再生開始後7分ですよ?

画面にHorisawa Yukoと名前が映ります。


Prix de Lausanne 2011 - Finals Part 2







バレエに関しては私はド素人ですが、並ならぬ才能を感じます。


流れに滞るところを感じません。常にブレスが自然なのだと思います。

加藤さんも堀沢さんも16歳ですよ。

私が社会人になった11年後に生まれた子です。


しかし、歴としたダンサーですね。ご専門の方がみたら、またご指摘もあるでしょうが、

観客が、彼らの演技から目を逸らすことができませんよね。完全に見入ってしまいます。

何よりも、私は加藤さんと堀沢さんの踊りを見ている間、世俗の嫌なことを忘れました。

本当は、この頃、愚息の受験のことで毎日憂鬱で、イライラしていたのです。

お二人の踊りを見ている間、そんなことは全く頭に浮かばなかった。これこそ、

芸術家の使命です。漱石が「草枕」で書いたとおり、

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

のであるとするならば、お二人は、既にその職責を全うしている。素晴らしいことです。


お二人が、更なる研鑽を積み、大輪の花を咲かせて下さる(既に咲いていると言っても過言では無いようにおもいますが)

ことを心から祈ります。


加藤さん、堀沢さん、おめでとうございます。

あなた方は、日本の誇りです。

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2010.03.13

「坂本龍一さんら19人、芸術選奨大臣賞に」←どうして安永徹さんや土屋邦雄さんは、何も表彰されないのか。

◆記事:坂本龍一さんら19人、芸術選奨大臣賞に(3月12日20時16分配信 読売新聞)

文化庁は12日、2009年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。

文部科学大臣賞には、音楽家の坂本龍一さん(58)、評論家の西部邁さん(70)ら19人、

同新人賞には、映画監督、脚本家の西川美和さん(35)らが選ばれた。

贈呈式は19日、東京都千代田区の旧文部省庁舎で行われ、賞状と賞金30万円が贈られる。



◆受賞者は次の通り。(敬称略)

◇芸術選奨文部科学大臣賞

【演劇】俳優 嵐圭史(69)、

演出家 鵜山仁(56)

【映画】編集技師 川島章正(59)、美術監督 種田陽平(49)

【音楽】尺八演奏家 三橋貴風(60)、箏奏者 吉村七重(60)

【舞踊】ダンサー 岩田守弘(39)、日本舞踊家 三代目花柳寿美(68)

【文学】作家 稲葉真弓(60)、歌人 柳宣宏(56)

【美術】彫刻家 長澤英俊(69)、日本画家 山本直彰(59)

【放送】プロデューサー 塩田純(49)

【大衆芸能】音楽家 坂本龍一(58)、落語家 四代目林家染丸(60)

【芸術振興】財団法人たんぽぽの家理事長 播磨靖夫(67)

【評論等】編集者 斎藤慎爾(70)、評論家 西部邁(70)

【メディア芸術】東京芸術大学大学院映像研究科長・教授 藤幡正樹(53)



 ◇同新人賞

【演劇】作家 前川知大(35)

【映画】映画監督 西川美和(35)

【音楽】バイオリニスト 庄司紗矢香(27)

【舞踊】日本舞踊家 山村若有子(53)

【文学】作家 川上未映子(33)

【美術】写真家 津田直(33)

【放送】ディレクター 黒崎博(40)

【大衆芸能】ジャズ・バイオリニスト 寺井尚子(42)

【芸術振興】演出家 中島諒人(44)

【評論等】東京文化短期大学教授 岩切信一郎(59)

【メディア芸術】アニメーション映画監督 細田守(42)


◆コメント:納得できません。

弊日記・ブログを御愛読下さっている読者の皆様方は、

かねて私が、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第一コンサートマスターを25年間の長きにわたり

務めて、昨年、3月31日を以て退団なさった安永徹さんの業績がどれほど偉大であるか。

また、それを私がどれほど尊敬しているか。日本国が安永さんを正しく評価できないことに、

如何に苛立ちを覚えているか、僭越な書き方ですが、ご理解頂いていると思います。


別に安永さんご本人は、勲章やら、文化庁の何とか賞やら、ましてや国民栄誉賞(あれは芸能人やスポーツ選手用です)

など、全然欲しくもない、とおっしゃるでしょう。


私とて、勲章やら、何とか賞自体が偉大だと思うわけではないけれど、

日本国政府と、日本国民が、安永さんの偉業を正しく評価出来ないという事実が歯がゆくてなりません。


クライバーン・コンクールで優勝した辻井伸行氏には、文化庁長官表彰が与えられました。

ウィーン国立歌劇場音楽監督、小澤征爾さんは、2008年、文化勲章を受章しました。

英国ロイヤルバレエのプリンシパル、吉田都さんは2007年11月、紫綬褒章を受章し、同年12月、英国文化・メディア・スポーツ省から、

大英帝国勲章授与が発表されました。


誤解なさらないで頂きたいのですが、私はこれらの方々が、それぞれの賞を受けたことに異を唱える気は毛頭ありません。


一言でいうなら、不公平である、と言いたいのです。

文化庁の賞、文化勲章、紫綬褒章、それぞれ、誰が選んでいるのかも知れないが、日本国政府は、

「コンサート・マスター」という立場が理解できない、としか思えません。


◆安永さんだけではない。欧米のオーケストラで活躍している音楽家への評価が低すぎます。

元・ベルリン・フィル、第一コンサートマスター、安永徹さんに関して、私は何度書いたか分かりません。

自分の日記を「安永徹」で検索した結果です。

余りにも何度も書くので、読者の皆様は辟易なさっているかも知れませんが、私は大事なことは何十回でも、何百回でも繰り返すのです。

特に次に掲げる記事をよく読んで頂きたいと思います。

2004年10月08日(金) 欧州の管弦楽団で活躍する日本人音楽家は、どんな政治家・外交官よりも、日本に貢献している(シュミット元ドイツ首相)(当時、エンピツのみ)

2006年08月31日(木) ベルリン・フィル 第一コンサートマスターを23年間務めている日本人バイオリニストがいます。お薦めCDも。ココログ

2008年08月11日(月) 北島、世界新で連覇=日本勢、今大会2個目の金-北京五輪←勿論、大偉業だが、「ずっと金メダル状態」の日本人もいるのです。ココログ

2009年02月04日(水) 「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。ココログ

2009年02月21日(土) 「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。ココログ

2009年02月27日(金) 「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。ココログ

2009年03月18日(水) 「最大級の賛辞」とは、正にこのこと。安永徹さんにベルリン・フィルとサイモン・ラトルから贈られたメッセージ。ココログ

2009年05月11日(月) 首相へのメール「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」ココログ

安永徹さんの偉業はいくら強調しても、し足りないほどですが、欧米のオーケストラで活躍した、または、現在も活躍している

音楽家は安永さんだけではありません。日本人として初めてベルリン・フィルのメンバーになり(つまり、オーディションに合格し)、

定年まで勤め上げた、ヴィオラ奏者・土屋邦雄さん。ケルン放送響でコンサート・ミストレスを務め、現在東京都交響楽団のコン・ミスになった

四方恭子さん。ケルン放送響における日本人はすごくて、現役引退されましたが首席オーボエを長年務めた宮本文昭さん。

今なお、ケルンの首席コントラバス奏者、河原泰則さん。その他、全ヨーロッパ、アメリカのオケまで見渡したら、数えきれません。


シュミット・元・西独首相が言っているように、この方々は、大変な努力を続けているから、東洋人なのに、西洋人の音楽を演奏する、

西洋人のオーケストラのオーディションに合格し、今なお現役として弾いていられるのです。

日本国・日本国民は、そのことを誇りに思うべきです。

が、悲しいかな。大衆は勿論、「文化庁」の「非文化的ヤクニン」は、海外で活躍する(した)日本人音楽家の偉大さを理解出来ない。

大新聞を初めとするメディアも、理解出来ないから、社説のテーマにもならないのでしょう。

だから、私は、何百回でも書くのです。


私は、安永徹さんに関していえば、その仕事は文化勲章に匹敵する、と考えています。

日本政府は、安永徹さんがドイツ政府から「独功労勲章・功労十字小綬章」を授与されたことすら、知らないのではないでしょうか。

この勲章授与の約二ヶ月後、ドイツのメルクル首相が来日し、当時の麻生内閣総理大臣と会談しましたが、

そういう話題が出た、という記事はどこにもなく、また、そのことに気付いた大手メディアは、ただの一社もありませんでした。

無教養で、恥ずかしいことだと思います。

世界第二位の経済大国の地位は、恐らく今年、中国に奪われます。

しかし、芸術において、欧米のオーケストラやその他の芸術分野で、日本ほど多くの人が活躍しているアジアの国は他にありません。

最後にもう一度繰り返し書きますが、我々は、それを誇りに思うべきです。

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2009.12.14

行政刷新会議「文科省事業」に対する意見。(実際にメールで送ったもの)

◆【背景】明日が締め切りだが、文科省は行政刷新会議の「文科省関連事業仕分け」に関する国民の意見を募っている。

文科省のサイトに

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(平成21年11月16日)

と言うページがある。

現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。

この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、

広く国民の皆様からご意見を募集いたします。予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください

(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。

なお、下記区分で宛先が不明な場合は大臣官房会計課(kaizen@mext.go.jp)までご送付願います。

いただきましたご意見や個人情報等につきましては、文部科学省ホームページプライバシーポリシー

(※「文部科学省ホームページプライバシーポリシー」へリンク)により取扱います。

なお、ご意見に対して個別には回答いたしかねますので、その旨ご了承願います。

今まで気が付かなかったのが迂闊だった。

しかし、締め切りは12月15日である。あと24時間も時間がある。

一人でも多くの方に勇気を出して意見を送っていただきたい。私も勿論書いた。

まず、行政刷新会議が「芸術」をどのように考えているか。

番号4。文化関係1-独立行政法人日本芸術文化振興会にかんして、事業仕分けの結果・評価コメントは
予算要求の縮減(圧倒的な縮減)

となっている。評価コメントの内容は次のとおり。


評価コメント 芸術家の国際交流:予算要求の縮減より抜萃。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足でばらまきの批判をおさえられるものではない。

●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

●芸術創造・地域文化振興事業は廃止。他は合理化すべき。

●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

●すべて地方へ集中。


◆意見:日本芸術文化振興会に対する評価コメントへの反論及び予算の圧倒的削減への圧倒的反対。

行政刷新会議の本件担当、中川正春・後藤斎両氏にまず伺いたい。

あなた方は、コンサートホールやオペラハウスに足を運んだことがあるか。

芸術に感動し、涙を流したことがあるか。それが人間にとって如何ほど貴重な経験か分かるか。

答は聴かなくても分かっている。


以上は感情論である。しかし、感情論を廃しても、なお、評価コメントは意味を為さない。その理由を申し述べる。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足で(後略)

文化の振興の効果を数値では図れない事業とみとめながら、効果説明が不足であるとは、どういう意味か。

文化の効果をどのように客観的に説明するというのか。音楽、演劇、舞踊、美術、凡そ芸術に「効果」と呼ぶに値するものがあるとすれば、

それは、受け手(観客、聴衆、鑑賞者)の主観である。感動である。感動の程度を数値で説明することはできない。また、その程度は文化の受け手により、

千差万別である。どのように説明すれば、「十分な説明」だというのか?


次。
●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

「投資」という概念が誤っている。文化や芸術は株や債券等の金融商品ではない。投資という言葉は「リターン」を期待している。

芸術に税金を投じて、経済的なリターンをもとめるものではない。ただひたすら与え、支える。欧米諸国の政府は、オペラハウスに税を投じて、

「儲かる」とは考えていない。優れた、文化・芸術に敬意を払うことが、その国家の教養を示すのである。

儲からないから、税金は出さないなどという無教養な先進国は世界で笑いものになるだろう。


次。
●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

なにも分かっていない。優れた芸術的才能は、子供に見出される。

大人になってから、見出しても遅い。よって、子供のために「事業」をすることは、芸術的観点からは必然である。

そして、子供の芸術的素養を磨くためには優れた指導者が必要である。

これこそ、国家の威信をもって注力すべきである。

音楽を例に取るならば、ヨーロッパ諸国では、国家が、子供に無料、もしくは極めて安価で楽器を貸与し、

一流の教師によるレッスンを受けることを可能ならしめている。それによって、秀でた才能を育成することが可能になる。

優れた芸術家は、経済的な効果とは無関係に、世界の教養ある人々の尊敬を集めるが故に尊い。小澤征爾氏を見よ。



次。
●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

芸術を創造する人間は基礎的な訓練を必要とする。優れた教師は大都市、特に東京に集中している。地方に放り投げるのは無責任だ。
「子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。」

事業仕分け担当政務官は余程なにもご存じないようである。優れた舞台芸術体験をするためには、優れた芸術家の存在が不可欠である。

残念ながら、現在の日本で最も優れた舞台芸術家は、東京に集中している。子供達に優れた舞台芸術を体験させるためには、

優れた舞台芸術家を国が計画的に、地方の子供達に鑑賞させるプロジェクトを組むべきである(芸術家を地方に派遣するか、

地方の子供達を東京に招待するか、それはどちらでも良い。ロクにオーケストラを聴いたこともなく、オペラやバレエも見たことがない、

地方行政担当者に、このような仕事を丸投げして、成功する訳がない。


◆結論:芸術文化事業予算の圧倒的削減は、天下の愚策である。

かつて、旧西ドイツの首相を務めた、ヘルムート・シュミット氏は自ら玄人はだしのピアノを弾く音楽愛好家だが、

ニューズ・ウィーク誌に対して、次のような趣旨の発言をしたことがある。

現在、ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地のオーケストラで、多くの日本人音楽家が活躍している。

彼らは、日本の如何なる政治家、外交官、財界人よりも、欧米人が日本人に対して抱くイメージを向上させることに貢献している。

少しはお分かり頂けるだろうか。予算を配分したところで、数値で効果を測定できない、対費用効果が計算できない。

芸術をそのような観点から軽んじるべきではない。

今一度繰り返すが、芸術の振興をおろそかにする国は、国際社会で、文化的な他国から嘲笑されるだろう。

芸術を振興すること、芸術家を育成することに、日本国はこれまで以上に注力するべきである。

そのためには予算の圧倒的削減どころか、圧倒的拡大が必要であると思料する。

以上。(東京都○○○区○○○○)

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2009.12.03

平山郁夫画伯、ご逝去。30年前に予備校で「特別講座」を拝聴しました。

◆記事:<訃報>平山郁夫さん79歳=日本画家、シルクロード描く(毎日新聞 - 12月02日 14:22)

現代を代表する日本画家で、仏教やシルクロードに題材をとった作品を数多く描き、

世界各地の文化財保護活動にも尽力した文化勲章受章者、平山郁夫(ひらやま・いくお)さんが

2日午後0時38分、脳梗塞(こうそく)のため東京都内の病院で死去した。79歳。

葬儀は近親者だけで行い、後日、お別れの会を開く。

広島県の生口(いくち)島(現・尾道市瀬戸田町)生まれ。旧制中学3年の時、学徒勤労動員先で被爆した。

東京美術学校(現東京芸術大)で日本画家の前田青邨(せいそん)に師事。卒業後、母校の助手を務めながら、

日本美術院展(院展)に出品を始めた。1953年、院展に初入選した。

当初は故郷の牧歌的な風景や人物を描いていたが、59年、仏典を中国に持ち帰った玄奘(げんじょう)三蔵を描いた

「仏教伝来」で一躍注目を集めた。以来、平和を祈念し、仏教やシルクロードをテーマにした作品をライフワークにした。

旺盛な制作のかたわら、高松塚古墳の壁画模写など文化財保護活動にも取り組んだ。

その活動は国外へと広がり、「文化財赤十字」構想を提唱。私財を投じ、中国・敦煌の石窟(せっくつ)寺院や

北朝鮮の高句麗壁画古墳、アフガニスタンのバーミヤン遺跡など、仏教遺跡を中心とした保護・修復活動を行った。

日中友好に貢献したほか、ユネスコ親善大使なども積極的に務めた。

後進の指導にも情熱を注ぎ、73年に東京芸大教授。89年学長に就任した。

95年末でいったん退いたが、01年に再度選ばれ、05年まで務めた。96年、日本美術院理事長。98年、文化勲章。

96年、フランスのレジオン・ドヌール勲章をはじめ、世界各国から文化交流の実績をたたえられた。毎日新聞社特別顧問なども務めた。


◆コメント:平山先生は、正真正銘の紳士でした。30年前に予備校で「特別講義」を拝聴しました。

平山先生の美術上の業績に関しては、無知な私が分かったようなことを書くのは僭越なので、遠慮させていただきます。


私はちょうど30年前、1979年東京の代々木ゼミナールに通う浪人生でした。

あの予備校は、経営者が如何にもカネの亡者みたいな顔をしていた(去年だか今年、亡くなりました)けど、

意外に文化的なところがあって、偉い先生方を招聘して大学受験には直接的には何の役にも立たない(だからこそ大切なんですが)、


「教養講義」を依頼するのです。

私の年は、京大名誉教授でフランス文学、フランス史、特にフランス市民革命の研究で名高い桑原武夫先生と、

平山郁夫先生のお話を拝聴しました。

平山先生はシルクロードの旅で撮った写真をスライドにして説明してくださいました。

その内容は勿論興味深いものでしたが、私はそれ以上に平山先生の「真摯」で「紳士」なお人柄に驚嘆しました。

スライドを説明する際、先生が座って、マイクを通して大教室の学生全員に聞こえるように、

予備校の事務員達がセッティングするのですが、一人若い女性事務員が、平山先生に椅子を持ってきました。

先生は、その事務員に対して、

あ、どうも恐れ入ります。

とおっしゃったのです。何という丁寧な、紳士だろう、と、まだ世間を知らない私でしたが、その言葉に感動しました。

あれから30年経ち、大学を卒業し、会社に入って、何百人、何千人という「大人」を見てきましたが、

平山先生のような人は、残念ながら殆どいない、ということがよく分かりました。

大抵、大したこともない、会社の「エラい」人、政治家、役人、等々はこういうケースで、女性事務員など、

目に入りません。椅子ぐらい持ってきて当然。御礼など言う必要なし、という態度が99.9・・・%です。


その、不躾な、世の中の大多数の「凡人」を見る度に、私は過去に思いをめぐらせ、
平山先生は、正真正銘、頭のてっぺんから、つま先まで紳士だった。

と思うのです。

ネット上、特にこのブログでは、私は先生とは対極的に、何かというと「馬鹿野郎、ふざけんな。張り倒すぞ」などと、

田夫野人の如き、野蛮な言葉を記してしまいますが、リアルの世界では(手前味噌ですが)家内が

あなた、ちょっと丁寧すぎるんじゃない?

というのです。つまり、私は、色々な店で買い物をしたり、外で食事をするときに、

しばしば必要以上に丁寧に、「有り難うございます」「恐れ入ります」を多用する傾向にあります。

これは、理由ははっきりしていて、予備校時代に目の前で拝見した、平山先生の丁寧な物腰し、少しも偉そうになさらない

姿を見習わなければ、という意識が働くのです。それは、それで良いと思います。

本来、人間は、皆平山郁夫先生を見習うべきだ、とすら思っています。


シルクロードの説明も、私らごときタカが浪人生が相手だというのに、恐縮するほど丁寧な言葉、態度を

平山郁夫先生は、絶対に崩しませんでした。それは、意識しているのではなく、そういう方なのです。

説教じみたことはおっしゃりたくないご様子でしたが、予備校の理事長に、「何か受験生にアドヴァイスを」とでも

頼まれたのでしょう。先生は、
「絵を描く時に、表現したいものがあるのは勿論大切ですが、その為には絵を描くために必要な技術を体得している必要が

あります。皆さんが今、一生懸命知識の習得のために「格闘」なさっている最中だとおもいますが、それは、

何をする上でもきっと役に立つ「基礎」になるでしょう。ご健闘をいのります。

とおっしゃいました。

私は浪人して色々な事を学びましたが、平山先生のお人柄に接することができただけでも、予備校に行った甲斐があった、

と、今でも思っています。先生のようなご立派な方には、もっとご活躍頂きたかったけれども、

こればかりは仕方がありません。

平山先生、有り難うございました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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2009.09.12

「お絵描き」コンプレックス。

◆私は絵が描ける人に、ものすごいコンプレックスがあります。

昨夜、あまりにも眠くて、日記・ブログを更新出来ず、寝てしまい、目が覚めたのが14時でした。

時間が中途半端なので、エッセイ風のことを書きます。


私は、絵を描ける方が羨ましいです。

私は小学校の時、美術の女のセンセイと相性が悪かったようです。

別に意地悪な先生ではないのですが、その先生は、如何にも「絵描き」で、職人的というか細部にこだわるのです。

ところが、私は生来、いい加減な性格なので、そういうこだわりが全くありませんでした。

例えば、絵を描くと、色が輪郭からはみ出したりしても平気で、要するに「雑」だったのです。

美術の先生の目には、そういうのが、如何にも投げやりに絵を描いているように映ったのでしょう。


私は、小学校6年間、通信簿の「図画・工作」の成績が、5段階評価で殆ど「3」でした。

たまに「2」だったことすらあり、「4」以上はただの一度も獲れませんでした。

他人の所為にしてはいけないかも知れませんが、いまだに自分は「絵を描くこと資質が全くないのだ」と自分で思いこんでおり、

いともたやすく絵(まともな写実的な絵だろうが、イラストだろうが、マンガであろうが)が描ける人々が羨ましく、

ものすごいコンプレックスがあります(尤も、以前、N響アワーに慶応医学部の神経内科の音楽好きの先生がゲストで呼ばれたとき、

最近の研究で「お絵描きの遺伝子」があることが判明した、と言っていました。つまり、確かに有る程度は先天的な才能らしいです)。


但し、「絵を見る」ことは好きです。

高校の修学旅行で倉敷に行き、大原美術館でエル・グレコの「受胎告知」などを見て、ひじょうに感激してから、

「絵画を鑑賞すること」は好きになりました。これは、救いでした。


◆初等義務教育で、美術や音楽に「成績」を付けないほうが良いと思います。

一方、私は音楽は、「相対的に」得意だったので、今でもご覧の通り好きですが、それは偶然です。

小学校の音楽の「実技試験」を思い出すと、やや大袈裟ですが、「残酷な」制度だったと思います。

一人一人、クラス全員が聴いている前で、音楽の先生のピアノ伴奏で教科書の歌を「独唱」するものでした。

歌が苦手な子にとっては、大変な苦痛・屈辱だったのではないかと、思います。



それがきっかけで、私の「図工コンプレックス」と同様、「音楽コンプレックス」になり、

クラシックなど、金輪際聴きたくも、演りたくもない、ということになっている人が大勢いることは、容易に想像できます。


美術・音楽などは、所詮、生徒の圧倒的大多数はプロになるわけではないのですから、まず、「楽しめるようにすること」を

授業の目的にするべきだと思います。

たとえヘタクソでも、絵を描いたり、音楽を聴いたり楽器を演奏することが「好きになる」だけで人生は豊かになります。

プロじゃないのですから、下手でも一向に構わないのです。


「美術」「音楽」などは、通信簿の評価対象外にするべきではないかと思います。

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2009.04.10

体調が悪いので、更新サボります。/サヴァリッシュ「マドンナの宝石」間奏曲

◆急に暑くなりましたね。

その所為かどうか分かりませんが、体調が悪く、文章を書けません。

更新を休ませていただきます。悪しからず。


◆ウォルフガング・サヴァリッシュの薦め(2)「マドンナの宝石」間奏曲

これぐらいならば出来ます。

昨日、サヴァリッシュ=N響による、「ザンパ」序曲の映像をご覧頂きましたが、

同じ日のコンサート。

ヴォルフ=フェラーリ歌劇「マドンナの宝石」間奏曲



綺麗でしょう?

それでは、今日は失礼を致します。

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2009.04.09

【音楽】ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮者)の薦め。

◆ウォルフガング・サヴァリッシュという指揮者がいます。

既に引退してしまったけど、長い間、殆ど毎年日本に来て、NHK交響楽団を指揮した、ウォルフガング・サヴァリッシュという指揮者がいます。

今もご存命ですが、心臓を悪くして、2004年に来日してN響を振ったのが最後の日本でのステージでした。

今、N響のサイトを見ると分かるように、

N響は「桂冠名誉指揮者」のタイトルを献呈して、その栄誉を讃えています。


初来日してN響を振ったのが1964年だから、40年間です。私は子どもの頃、全然音楽の詳しいことなど知らなかったけど、

直感的に「この人はすごい指揮者だ」と思い、ずっと尊敬しています。

今でもうちのお袋がよく言うのです。

「あんた、小学生の頃から『サヴァリッシュ先生、サヴァリッシュ先生』って言って尊敬して、テレビにかじりついていたわよね」

と。その通り。

私はウォルフガング・サヴァリッシュ先生が振るN響を数え切れないほど聴いて(実演もテレビも)、

本当の音楽とは何か。オーケストラを正しく鳴らすと、どれほど素晴らしい響きがするのか。

本当に一流の指揮者とは何か、を教えていただきました。きっと分かったつもりになっただけで、分かっていないでしょう。

でも、私はウォルフガング・サヴァリッシュ先生を勝手に「師」として仰いでいます。 その気持ちは今でも変わりません。


◆昨夜偶然、YouTubeでサヴァリッシュ先生の映像を発見し、それ以外のことを考えられなくなってしまいました。

サヴァリッシュ氏の事に触れるのは初めてではありません。

昨年8月、 2008年08月30日(土)  サバリッシュ「管弦楽名曲集2」ココログはこちら)で、

管弦楽名曲集2 をお薦めCDとして紹介しました。

今日、再び、サヴァリッシュ氏について書くのは、昨夜偶然YouTubeで、サヴァリッシュ先生の映像を発見して、

非常に興奮し、それ以外の事が考えられなくなってしまっています。

お薦めしたCDには、エロルド作曲: 《ザンパ》 序曲という曲が収録されていますが、

そのCDが発売されたあとでしたか、殆どそれと同じプログラムをN響で演ったことがあります。

サヴァリッシュ氏は、伝統的な、非常にまともなドイツ・オーストリア系の音楽を演奏することが

殆どで、このような「ポピュラー名曲コンサート」は極めて異例のことでした。それだけに、

その時のコンサートのことは良く覚えています。


それで、その「ザンパ」序曲を実際にご覧頂きましょう。

特筆すべきは、サヴァリッシュ氏の指揮の動作の美しさ、です。本来棒の振り方は、

指揮の本質とは無関係で枝葉末節なのですが、世界中見回してもこれほど、綺麗な棒(指揮)は珍しい。

「ザンパ」序曲です。



演奏開始直後に指揮棒を落としてしまいました。サヴァリッシュ氏にしては珍しい。

しかし、棒があろうが無かろうがどうでも良いです。格好良いでしょう?

管弦楽名曲集2 とともに、管弦楽名曲集1 をお薦めします。


◆ベートーヴェン:交響曲第7番・終楽章(第四楽章)の映像。

サヴァリッシュ氏は、今の若い人はあまり知らないだろうけど、レコーディングが多いです。

ベートーヴェンの交響曲なら、オランダの名門、超一流と言って良いでしょう。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と、

交響曲全集 サヴァリッシュ&コンセルトヘボウ管弦楽団をお薦めします。

全曲で、2,345円って安いですよ。


さて、ここでは、N響で、ベートーヴェンの交響曲第7番、第四楽章をサヴァリッシュ氏が指揮したときの映像をご覧頂きます。



お気づきと思いますが、ティンパニ奏者がN響なのに外人さんですね。

この方は、かつてシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)の首席ティンパニ奏者だった、

ペーター・ゾンダーマン(故人)という方で、この時期にN響のティンパニ奏者がドイツに留学していたので、

その間(確か1年間だったと思います)客演演奏家として、来て貰ったのです。

なにやら、ケロッとした顔で演奏していますが、ティンパニ奏者の世界では伝説的名人として高名な方だそうです。


サヴァリッシュ先生がN響との最後の演奏会は2004年でした。心臓を悪くされ、すっかり弱ってしまって、

椅子に腰掛けての指揮で、全盛期のサヴァリッシュ先生を知る私は泣けて泣けてしかたがありませんでした。

誤解の無いように書いておきますが、サヴァリッシュ先生はまだご存命ですが、心臓に悪いので旅行が出来ない。

もう、二度と日本にいらっしゃることはないでしょう。


◆その他、お薦めCD。

かつてご紹介したものですが、全然反響が無かったので多分皆さんお忘れだと思います。

イギリスのフィルハーモニア管弦楽団と録れた、ウェーバー序曲集



その中から1曲だけ。ウェーバーの序曲では最も演奏時間が短いのですが、編成は打楽器を多用して、結構派手な音がします。

「アブ・ハッサン」序曲






賑やかですが、清涼感があるというか、ウェーバー独特の音だと思います。

他にもお薦めは色々あるのですが、また、いずれ。

それでは、失礼します。

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