カテゴリー「オーケストラ」の記事

2009.12.16

【音楽】涙が溢れるほど懐かしい、山本直純さんが解説する「青少年のための管弦楽入門」with NHK交響楽団

◆昔、山本直純さんが、毎週このように音楽を教えて下さったのです。

1970年から10年以上、毎週日曜日に、TBSで「オーケストラがやってきた」という

わずか30分の「クラシック音楽入門番組」がありました。企画からなにから、山本直純さんが考えるのです。

それは、恐らく私が生涯で最も影響を受けたテレビ番組ではないか、と思います。

今、私がこの日記・ブログで、オーケストラに関して書いている知識の殆どは、

山本さんの「オーケストラがやってきた」から得たのです。


山本直純さんは、派手な振る舞いから半ば「芸能人」のように思われていましたが、

子供の頃から、音楽の本格的な訓練を受けた、プロ中のプロです。

岩城宏之さんが山本直純さんと芸大で過ごした青春時代を綴った、森のうた―山本直純との芸大青春記という本があります。

絶対に面白いのでご一読を勧めます。

岩城宏之さんは音楽の早期教育を全く受けていなかったのですが、前述の通り

山本直純さんは英才教育を受け、しかも天賦の才を持った天才でした。

芸大で岩城さんと山本さんが仲良くなり、岩城さんが、山本直純さんの少年時代の日記を

読ませて貰って、自分とのあまりの違いに驚嘆し、コンプレックスに陥る場面があります。

その山本直純さん、小学校2年の時の日記を引用します。(旧仮名遣いなので、新仮名遣いに改めて記載します)。

ぼくはきょうはおとうさまにつれられて、やまだかずおせんせいのおうちにいきました。

せんせいはベートーベンのだい一こうきょうきょくが、どうしてこのようなハーモニーではじまるかを

おしえてくださいました。らいしゅうはどうにゅうぶぜんぶのことをおしえてくださるとおっしゃいました。

そして、だい一がくしょうのおわりまで、ピアノでひけるようにしておいで、とおっしゃいました。

いっしょうけんめいべんきょうしよう・・・・

説明するまでもなく、小学校二年生の程度としては天才的ですし、山本さんと同じ年頃には音楽の「お」の字も

知らずにいた岩城さんが、あまりの差に打ちひしがれるのは、無理もありません。

しかし、何故かこの二人はとても気が合いました。

山本直純さんはやがて斎藤秀雄氏に指揮を教わり、弟弟子としてやってきたのが

小澤征爾さんです。山本さんが亡くなったとき、小澤さんははっきり、言っていました。
初めての指揮のレッスンは山本さんから、受けました。

と。山本直純さんは「師範代」だったのです。


山本さんは、しかし、子どもの頃からベートーベンのシンフォニーをピアノを弾けたから天才なのではありません。

それほどの天賦の才を持ち、高度に専門的な音楽の訓練を受けたにも関わらず、

山本さんは、
一般の大多数の日本人が、如何に音楽やオーケストラのことを何も知らないか、を正確に理解していた。

これが山本さんの偉大さ、山本直純さんを山本直純さんたらしめている、所以(ゆえん)です。


◆N響でブリテンの「青少年のための管弦楽入門」を用いて、オーケストラのことを丁寧に説明しています。

山本さんがN響を振ることは殆どなかったけれど、それよりも、

これこそ、「オーケストラがやってきた」なのです。

オーケストラのメンバーの様子を見ても分かるとおり、

山本さんの指示に忠実に従っています。ふざけた言葉も口にするけど、本当は大変な才能を持った作曲家、

指揮者、そして、音楽の楽しさを人々に教える才能に敬意を払っていたのでしょう。

一つ一つの楽器ないしパートを独立して演奏させ、最後のフーガで締めくくっています。

実に懐かしい。私にとっては涙が溢れるほど懐かしい、山本直純さんならでは、の世界です。

それでは、ご覧頂きましょう。私の解説は要りません。山本さん自身の解説で十分です。

4つのファイルに分かれています。Craving Explorerなどのソフトで保存しておく事をお薦めします。



青少年の管弦楽入門1/4

(http://www.youtube.com/watch?v=sH6lINJGnmk&feature=related)







青少年の管弦楽入門2/4

(http://www.youtube.com/watch?v=9uMGxlqlEvw&feature=related)







青少年の管弦楽入門3/4

(http://www.youtube.com/watch?v=Pb8i1htIpg0&feature=related)







青少年の管弦楽入門4/4

(http://www.youtube.com/watch?v=aYWOMyJnrRY&NR=1)







時間に制限があるようで、山本さん、必要最小限の説明にまとめていますが、

約40年前、「オーケストラがやってきた」では、一回の番組でオーケストラのある楽器1つを特集したり、

それはそれは楽しいものでした。当時は家庭用ビデオなどありません。見逃したら終わりだし、

再放送もありません。毎回、テレビ画面に食い入るように、見入っていたこと。山本さんや、

音楽家の皆さんの言葉を聞き漏らすまい、と必死だったのです。

だからこそ、今だに覚えているのでしょう。

これが、楽しいオーケストラの世界です。こういうものをおろそかにする国は、

恥ずかしい、と思います。

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2009.12.14

行政刷新会議「文科省事業」に対する意見。(実際にメールで送ったもの)

◆【背景】明日が締め切りだが、文科省は行政刷新会議の「文科省関連事業仕分け」に関する国民の意見を募っている。

文科省のサイトに

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(平成21年11月16日)

と言うページがある。

現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。

この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、

広く国民の皆様からご意見を募集いたします。予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください

(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。

なお、下記区分で宛先が不明な場合は大臣官房会計課(kaizen@mext.go.jp)までご送付願います。

いただきましたご意見や個人情報等につきましては、文部科学省ホームページプライバシーポリシー

(※「文部科学省ホームページプライバシーポリシー」へリンク)により取扱います。

なお、ご意見に対して個別には回答いたしかねますので、その旨ご了承願います。

今まで気が付かなかったのが迂闊だった。

しかし、締め切りは12月15日である。あと24時間も時間がある。

一人でも多くの方に勇気を出して意見を送っていただきたい。私も勿論書いた。

まず、行政刷新会議が「芸術」をどのように考えているか。

番号4。文化関係1-独立行政法人日本芸術文化振興会にかんして、事業仕分けの結果・評価コメントは
予算要求の縮減(圧倒的な縮減)

となっている。評価コメントの内容は次のとおり。


評価コメント 芸術家の国際交流:予算要求の縮減より抜萃。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足でばらまきの批判をおさえられるものではない。

●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

●芸術創造・地域文化振興事業は廃止。他は合理化すべき。

●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

●すべて地方へ集中。


◆意見:日本芸術文化振興会に対する評価コメントへの反論及び予算の圧倒的削減への圧倒的反対。

行政刷新会議の本件担当、中川正春・後藤斎両氏にまず伺いたい。

あなた方は、コンサートホールやオペラハウスに足を運んだことがあるか。

芸術に感動し、涙を流したことがあるか。それが人間にとって如何ほど貴重な経験か分かるか。

答は聴かなくても分かっている。


以上は感情論である。しかし、感情論を廃しても、なお、評価コメントは意味を為さない。その理由を申し述べる。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足で(後略)

文化の振興の効果を数値では図れない事業とみとめながら、効果説明が不足であるとは、どういう意味か。

文化の効果をどのように客観的に説明するというのか。音楽、演劇、舞踊、美術、凡そ芸術に「効果」と呼ぶに値するものがあるとすれば、

それは、受け手(観客、聴衆、鑑賞者)の主観である。感動である。感動の程度を数値で説明することはできない。また、その程度は文化の受け手により、

千差万別である。どのように説明すれば、「十分な説明」だというのか?


次。
●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

「投資」という概念が誤っている。文化や芸術は株や債券等の金融商品ではない。投資という言葉は「リターン」を期待している。

芸術に税金を投じて、経済的なリターンをもとめるものではない。ただひたすら与え、支える。欧米諸国の政府は、オペラハウスに税を投じて、

「儲かる」とは考えていない。優れた、文化・芸術に敬意を払うことが、その国家の教養を示すのである。

儲からないから、税金は出さないなどという無教養な先進国は世界で笑いものになるだろう。


次。
●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

なにも分かっていない。優れた芸術的才能は、子供に見出される。

大人になってから、見出しても遅い。よって、子供のために「事業」をすることは、芸術的観点からは必然である。

そして、子供の芸術的素養を磨くためには優れた指導者が必要である。

これこそ、国家の威信をもって注力すべきである。

音楽を例に取るならば、ヨーロッパ諸国では、国家が、子供に無料、もしくは極めて安価で楽器を貸与し、

一流の教師によるレッスンを受けることを可能ならしめている。それによって、秀でた才能を育成することが可能になる。

優れた芸術家は、経済的な効果とは無関係に、世界の教養ある人々の尊敬を集めるが故に尊い。小澤征爾氏を見よ。



次。
●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

芸術を創造する人間は基礎的な訓練を必要とする。優れた教師は大都市、特に東京に集中している。地方に放り投げるのは無責任だ。
「子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。」

事業仕分け担当政務官は余程なにもご存じないようである。優れた舞台芸術体験をするためには、優れた芸術家の存在が不可欠である。

残念ながら、現在の日本で最も優れた舞台芸術家は、東京に集中している。子供達に優れた舞台芸術を体験させるためには、

優れた舞台芸術家を国が計画的に、地方の子供達に鑑賞させるプロジェクトを組むべきである(芸術家を地方に派遣するか、

地方の子供達を東京に招待するか、それはどちらでも良い。ロクにオーケストラを聴いたこともなく、オペラやバレエも見たことがない、

地方行政担当者に、このような仕事を丸投げして、成功する訳がない。


◆結論:芸術文化事業予算の圧倒的削減は、天下の愚策である。

かつて、旧西ドイツの首相を務めた、ヘルムート・シュミット氏は自ら玄人はだしのピアノを弾く音楽愛好家だが、

ニューズ・ウィーク誌に対して、次のような趣旨の発言をしたことがある。

現在、ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地のオーケストラで、多くの日本人音楽家が活躍している。

彼らは、日本の如何なる政治家、外交官、財界人よりも、欧米人が日本人に対して抱くイメージを向上させることに貢献している。

少しはお分かり頂けるだろうか。予算を配分したところで、数値で効果を測定できない、対費用効果が計算できない。

芸術をそのような観点から軽んじるべきではない。

今一度繰り返すが、芸術の振興をおろそかにする国は、国際社会で、文化的な他国から嘲笑されるだろう。

芸術を振興すること、芸術家を育成することに、日本国はこれまで以上に注力するべきである。

そのためには予算の圧倒的削減どころか、圧倒的拡大が必要であると思料する。

以上。(東京都○○○区○○○○)

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2009.12.12

「モーツァルト「神童」の弾いたバイオリンで演奏披露」←先週に続きモーツァルト。

◆記事:モーツァルト「神童」の弾いたバイオリンで演奏披露(12月11日19時20分配信 毎日新聞)

モーツァルトがオーストリア・ザルツブルクで6、7歳ごろに弾いた子供用サイズのバイオリン(胴体26.2センチ)が11日、

東京・国立新美術館で公開された。オーストリア国外に持ち出されたのは初めて。

07年の全日本学生音楽コンクール小学校の部で全国1位になった松本紘佳さん(14)が“神童”のバイオリンで、

小林道夫・大分県立芸術文化短大客員教授のチェンバロと、モーツァルト初期のソナタ・ハ長調K6などを披露した。


◆コメント:まあ、それはどうでもいいんです。

モーツァルトが子供の頃に弾いていた楽器には、モーツァルトを研究する学者は興味があるかも知れません。

私は、全然興味が無い、とは言わないけれど、SF的発想ですが、タイム・トラベルが本当に可能で、

モーツァルトがどのようにピアノやヴァイオリンを弾いたのか

見られるならともかく、神童モーツァルトが弾いたヴァイオリンを「凡人」が弾くのを聴いても仕方がない。

記事は「ダミー」です。

一応これでニュースを取りあげる事になる。

「エンピツの時事・社会でどうして、音楽の話を連続して取りあげるのだ?」と言ってくる、

五月蠅い人がいるのです。ウェブ日記エンピツにはお世話になっているのですが、ジャンルを固定しなければ

ならないのが不便です(「音楽」ジャンルにアカウントを持つことは可能ですが、そうしたらアドレスが全く別になるので、

多分、普段の読者の方に見つけていただけなくなるのです)。


そんなことはさておき、モーツァルト12月5日が命日で、特集を組んだときに、

近いうちに続きを、と書きました。今日がその「続き」です。


◆我々は、モーツァルトのように純粋に書けなくなってしまった(ブラームス)

ブラームス自身、十分天才なんですが、天才であるが故にモーツァルトの「もっとすごい天才ぶり」がよく分かるのでしょう。

私は、分かったようなことを書いていますが、「観念的に」理解しているだけで、他の偉大な作曲家たちが恐らく経験したで

あろうように、「骨身に沁み」て分かってはいないのです。


「ダミー」と書いてしまいましたが、折角モーツァルトが弾いたヴァイオリンの記事を冒頭に転載したので、

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲を。

日本でも海外でも、オーケストラのヴァイオリン奏者のオーディションでは、殆ど必ず、

モーツァルトが五曲書いたヴァイオリン協奏曲のうち、3番か4番か5番を弾くのですね。

ベルリン・フィルのコンサートマスターだった安永徹さんによると、オーケストラに入団するときの

最初のオーディションにも、コンサートマスターになるときのオーディションでも必ずモーツァルトを弾くそうです。

オーボエの宮本文昭さんも同じ事をおっしゃってますね。あちらではモーツァルトがきちんと弾けない人は、、いくら

他の作曲家の作品が上手く弾けても、音楽家として認めて貰えないそうです。


その、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番です。

私が気に入っているカナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス氏の演奏。

CDは、Mozart: Violin Concerto No. 1-5; etc/ James Ehnes


モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216 より第一楽章






モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは沢山ありますが、協奏曲は5曲しかないですね。

その他、ソロ・ヴァイオリンと管弦楽の為の曲もありますけど、ピアノ協奏曲は27曲も

書いたのに。モーツァルトにとって、あまり協奏曲を書きたいと思わせる楽器ではなかったのかな。


◆「確かに、モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。」(小林秀雄「モオツアルト」より)

小林秀雄は、文芸評論家。ややこしい文章が多く、頭の悪い私は、正直に書くと、

頭が追いつけない。

のですが、モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) に収められた「モオツアルト」という

随筆に書かれている有名な言葉です。

私は、若い頃に一度読みましたが、そのときには、意味が分からなかった。今読むと、多少分かる「気」がします。

ここで小林秀雄が「疾走する悲しみ」と評したのは、弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516の第一楽章です。

弦楽器の室内楽で最も一般的な編成は弦楽四重奏で、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ですが、

弦楽五重奏曲は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、第1ヴィオラ、第2ヴィオラ、チェロ、で、ヴィオラが2本になります。

モーツァルトにとってト短調という調性は特別な感覚があったのか、交響曲40番、25番やこの弦楽五重奏曲4番のような、

名曲揃いです(因みに、モーツァルトの全作品では、長調の方がずっと多いのです)。

これ以上書くと知ったかぶりがバレるので、音楽にします。

この弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516は、昔から有名な弦楽四重奏団の名演が多く、

ウルサ方は、大抵、スメタナ弦楽四重奏団を勧めるでしょうが、

私は敢えてそれを止めまして、アルバン・ベルク四重奏団という比較的「新しい」四重奏団のCDを選びます。

これです。モーツァルト:弦楽五重奏曲第3K.515&第4番K.516 アルバンベルク四重奏団 十分に名演だと思います。

念のため繰り返しますが小林秀雄が「疾走する悲しみ」と書いたのは、弦楽五重奏曲第4番 ト短調の第一楽章です。


モーツァルト:弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516 第一楽章







「モーツァルトって、全部同じじゃん?」という方、結構いますけど、そうでもないんです。


◆モーツァルトの演奏をするときは、両壁がペンキ塗りたての細い廊下を、真っすぐすうーっと抜けるように演奏しろ(デニス・ブレイン)

今だに世界音楽史上、最高のホルン奏者だったのではないか、と言われるデニス・ブレインですが、

元N響首席ホルン奏者、故・千葉馨さんは短い間でしたが、デニス・ブレインに師事しています。

そのときにデニス・ブレインから言われた言葉だそうです。
「モーツァルトの演奏をするときは、両壁がペンキ塗りたての細い廊下を、真っすぐすうーっと抜けるように演奏しろ、止まっちゃだめだ。右にもよらず、左にもよらず…」

これも、鈍感で非才な私には、その意味が本当には、分かりません。但し、デニス・ブレインがモーツァルトのホルン協奏曲を

演奏した録音を聴くと、これも何となく分かるような「気」がします。

モーツァルト:ホルン協奏曲全集から。


モーツァルト:第4番変ホ長調 K.495 から、第一楽章。






◆「正直に言うと(アイネ・クライネが)どうしてこれほどもてはやされるのか、分かりません」(宮本文昭)

これは、引退なさったオーボエ奏者に宮本文昭さんが、疾風怒濤のクラシック案内 (アスキー新書 041) (新書)で、書いておられました。

誤解の無いように書き足しますが、宮本文昭さんは、

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も決して駄作ではないけれども、モーツァルトのセレナーデならば、

他にもっといい曲があると僕は思うからです」

と書いています。

そして、「他のもっといいセレナーデ」で挙げているものの一つに10番、

「グラン・パルティータ」があります。これはいつから、「グラン・パルティータ」が一般的になったか

分かりませんが、私が子供の頃は「13管楽器のためのセレナーデ」とレコード・ジャケットに印刷してありました。

この方が、「グラン・パルティータ」より地味ですけど、どういう曲なのか、はっきりして良いと思うのですが。


ま、しかし、今は「グラン・パルティータ」が定着しているようです。木管楽器のみによるセレナーデです。

これを聴いていただきましょう。

CDはセレナード集、クラリネット五重奏曲、他 ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルです。

ザビーネ・マイヤーという人はクラリネット奏者で、上手いのですが、この人をめぐって昔、カラヤンとベルリンフィルがケンカになったことで

知られています。カラヤンはベルリン・フィルに入団させたがったのですが、オーケストラのメンバーが無理だ、といったのです。

故・岩城宏之さんが全然別のオーケストラでソリストがザビーネ・マイヤーと共演したときの感想を書いていました。
決して下手ではない。それどころか天才的と言って良いほど、上手い。ベルリン・フィルが協奏曲のソリストとして迎えるなら、

全く問題はないだろうが、あの音量も世界一のオーケストラで長い間、団員として一緒にやっていくのは無理だということなのだろう。

ベルリン・フィルの連中の気持ちが分かるような気がした。

とのこと。

まあ、この人とザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルが上手いことに、過去の事件は無関係です。


モーツァルト:セレナード第10番変ロ長調 K.361『グラン・パルティータ』第一楽章







木管楽器のハーモニーが美しく溶け合うと、あたかもオルガンのような響きになりますね。


◆「私は神に誓って申し上げますが、ご令息は、私の知る限り最も偉大な作曲家です。」(ハイドンがモーツァルトの父に言った言葉)

この言葉、過去にも引用したのですけど、好きなんです。正確には、

私は、正直な人間として神に誓って申し上げますが、私が見聞する限り、ご令息は

最も偉大な作曲家です。よい趣味をお持ちですし、しかも極めてすぐれた作曲技法をお持ちです。

ヨーゼフ・ハイドンが、モーツァルトの父、レオポルド・モーツァルトに向かって言った言葉です。

レオポルド・モーツァルトは、息子の天才を見抜いていたからこそ、ヨーロッパ各地を連れ歩いて「宣伝」してた訳で、

ハイドンから言われなくても分かってはいたでしょうけれど、改めて時の大作曲家に太鼓判を押され、

親として嬉しくなかった筈がありません。


この言葉と直接結びつく理由は無いのですが、今まで取りあげていない音楽から選びました。

交響曲第35番“ハフナー” ニ長調 です。

CDはオトマール・スウィトナー=ドレスデン・シュターツカペレがいいのですが

(リンクを貼らせていただいているKenさんから、だいぶ前に教えていただきました)、

CDだと、ボックスで買うしかないのです。すると、高い。


調べたら、iTunes Music Storeから個別に買えることが分かりました。

第一楽章のURLは、

http://itunes.apple.com/jp/album/symphony-no-35-in-d-major-kv-385-haffner/id99635790?i=99634383

です。このアドレスをブラウザのアドレス欄に貼り付けて、Enterキーを叩けば、iTunes Music Storeの該当箇所に

行くはずです。


モーツァルト:交響曲第35番“ハフナー” ニ長調 第一楽章






どこで読んだか忘れましたが、モーツァルト自身はこの楽章を「炎のように演奏すべきだ。」と言っています。

その期待に忠実な演奏ではないか、と思います。

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2009.11.28

【音楽】ボレロ記念日(11月22日)、忘れていました。

◆ドバイショックでドル安ですが・・・。

今日(11月27日)は、東京の株式市場では日経平均株価が301円も下がり、

為替は、昨日よりも更に円高になりました。

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府系不動産開発会社が

25日に債務の支払い猶予を申し出たのがきっかけです。

昨年のリーマンショックに比べれば、ドバイの会社の債務はずっとすくないのですが、

特にヨーロッパの金融機関はかなり、この会社に融資したり投資していたのです。

下手をすると、貸倒になりますから、資本を取り崩さなければならず、融資・投資していた、

金融機関の経営基盤を腐食します。どうしても去年のリーマンショックを連想するので、

株もドルも売られました。しかし、ドバイ・ショックが今日来るとは予想しませんでしたが、

昨日、円高・株安は続くだろう、と言う話を書いたので、これはもう少し様子を見ます。


◆【音楽】毎年11月22日は「ボレロ記念日」なのに、今年は忘れておりました。

11月22日の日記を見ると、恥ずかしながら「精神不安定なので」云々と書いております。

やはり、ちょっと不安定だったのでしょう。この日を忘れてしまうのですから。

11月22日は、モーリス・ラベルの代表作のひとつ「ボレロ」が1928(昭和3)年に初演された日です。

昨年が初演から80年、今年が81年目です。

もう飽きた、と仰有る方も多いでしょうが、それでも聴くと結構興奮してくるのが、

ボレロの魅力です。ボレロに限らず人間は同じリズムや音型の反復を聴いていると、

段々興奮してくるのですね(何故かは、脳科学者に訊いて下さい)。

毎年年末には皆さん第九を聴くのですから、11月22日には(ことしは遅れてしまいましたが)

モーリス・ラベルの「ボレロ」を聴きましょう。


◆4種類の演奏を用意しましたので、お好きなのを(勿論全部聴いて頂ければ嬉しいですが)どうぞ。

一つでは面白くないので、聴き比べると良いのですが、さすがに4回連続で

お聴きになったら飽きるでしょうから、お好きなのをお好きなようにお聴き下さい。


最初は、アバド=ロンドン交響楽団です。

クライマックスでオーケストラのメンバーが興奮のあまり叫び声をあげています。

スタジオ録音ですから取りなおしもできたのですが、

アバドは、自然と湧き上がった声だから構わない、と修正しませんでした。


クラウディオ・アバド=ロンドン交響楽団です。







次は、レコード屋さんの広告風に書くと、「蘇った伝説の名演」。

マルティノンというフランスの名指揮者で、この人がラベルを演るといったら、

パリ管弦楽団が普通なのですが、これは、アメリカのシカゴ交響楽団を指揮した録音です。

マルティノンはシカゴ交響楽団の音楽監督でした。それで「ボレロ」も録音したはずなのに、

何だか知りませんけど長いことその録音した音源がどこにしまったのかわからなくなってしまったのか

とにかく、去年初めてCD化されて、評判になったものです。


マルティノン=シカゴ交響楽団です。







次は、カラヤン=ベルリン・フィルです。来日公演で「ボレロ」を演ったときに、

ボレロの中でも難しいので有名なトロンボーンソロが完全に失敗し、最初の音を外すだけではなく、

その後も動揺のため、ヘロヘロになってしまったことがあります。試用期間のトロンボーン奏者で、

残念ながら、正式採用にならなかったようですが、話に尾ひれが付いておりまして、このトロンボーン奏者は、

その後自殺したとか、なんとか、まことしやかな噂がありますが、ウソです。

それはともかく、これは、勿論完璧です。


ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。






最後は、日本人指揮者西本智実さんが、2002年5月、ロシア・ボリショイ交響楽団"ミレニウム"の指揮者に就任し、

翌年、2003年1月に演奏したものです。何しろ美人なので、人気先行型指揮者と陰口をたたく人がいますが、

このCDを聴くと、ボレロに限らず、非常に上手にオーケストラの「弾く気」を引き出していると思います。

CDは、ボレロです。


西本智実 ロシア・ボリショイ交響楽団"ミレニウム"







ボレロのトロンボーンソロは大変難しいですが(最高音域からのソロで、

すこし加減を間違えると一音上か下の音が出てしまうのです)、

ボレロが名演になるかどうか、かなりの部分は、最初から最後まで2小節で一回のリズムパターンを171回繰り返す

打楽器(スネアドラム=小太鼓)奏者にかかっています。

あんなリズム簡単だと思う方は、この演奏を聴きながら、両手で自分のひざを小太鼓奏者に合わせて

叩いてみると、どれほど集中しなければ正確なリズムとテンポを維持できないか、良くお分かり頂けると思います。


というわけで、遅ればせながら、今年も「ボレロ記念日」でした。

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2009.11.22

【音楽】お薦めDVD。「ヤンソンス・ベルリンフィル・ヨーロッパコンサート・1991」

◆ヤンソンスのリハーサルをみてから1週間経ちました。

先週の金曜日にマリス・ヤンソンスと東京音大オケの公開リハーサルを見た話を書きました。

マリス・ヤンソンスのリハーサルを見学する幸運に恵まれました。ココログ

本当は、リハーサルの様子など、私の能力と知識では言語で表現できません。

映像で見ていただきたいのですが、何しろ東京音大の身内の催しですから、映像が市販されることはないでしょう。

当日、ヤンソンスが東京音大オケを指導したのは、ベルリオーズの「幻想交響曲」終楽章でした。

ヤンソンスがこの曲を演奏した市販の媒体(CD・DVD)が無いか探したら、ありました。

ベルリオーズ:幻想交響曲、ハイドン:驚愕、他 ヤンソンス&ベルリン・フィルです。

私も財布は空に近いのですが、どうしてもこればかりは欲しくなり注文しました。DVDでも約2,400円ですから、お買い得だと思います。

プログラムは、

・ハイドン:交響曲 第94番 ト長調 Hob.I-94《驚愕》

・モーツァルト:フルート協奏曲 第2番 ニ長調 K.314 (285d)

・ベルリオーズ:《幻想交響曲》―ひとりの芸術家の生活のエピソード 作品14

です。1991年5月1日、ベルリン・フィルがトルコ、イスタンブールの聖イレーネ聖堂で行ったコンサートのライブです。

「幻想交響曲」以外の2曲ともに、親しみやすい音楽で、大変楽しい。お薦めします。


◆ハイドン交響曲第94番「驚愕」は、YouTubeで見ることができます。

このコンサートはハイドンの通称「びっくり」シンフォニー、即ち交響曲第94番「驚愕」で始まります。

私は若い頃、この「びっくりシンフォニー」という名前が嫌でロクに聴かなかったのですが、

最近改めて聴くと、愛らしさと、荘厳さと美しさを兼ね備えた、素晴らしい音楽であることが分かりました。

「驚愕」というニックネームの由来となった第2楽章をYouTubeから拾ってきました。


Haydn Symphony 94 G major 'Surprise' - Jansons Mvt 2







この楽章は、変奏曲になっている訳です。主題の一番最初の動機、

「ド・ド・ミ・ミ・ソ・ソ・ミ」

が如何にもハイドンらしいです。主題が反復されて、最後の音がフォルティッシモになっていて、

それがお客さんをびっくりさせるのですが、それだけではなくて、この当時の交響曲の定石からすれば、

第2楽章は、普通、もっと静かな音楽なのに、第4変奏(再生開始後4分14秒)になると、

トランペットやティンパニが加わり全オーケストラが音を出します。この「大袈裟」なところが、

当時の常識カラすれば例外的で、お客さんをびっくりさせたのではないかと思います。


理屈はともかく、指揮をするヤンソンスと、演奏するベルリンフィルの特に弦楽器の人たちの表情が、

実にいい。如何にも「慈しむ」という表現がぴったりです。技術的にはベルリン・フィルのみならず、

プロなら、この楽章は技術的には特に難しくないと思いますが、大事に大事に弾いています。

一方、フルート、オーボエ両氏の真剣そのものの表情。トランペット奏者の真面目そのものの表情もいい。


4分14秒以降の派手な部分は、ハイドンのユーモアではないでしょうか?

この楽章は、「ド・ド・ミ・ミ・ソ・ソ・ミ」で可愛らしく始まりますね。このように。


第2楽章冒頭






これが第4変奏では、トランペット、ティンパニまで参加して全オーケストラの大合奏になる。


第2楽章 第4変奏






大袈裟でしょ? ハイドンはふざけている訳じゃないけど、ユーモアの一種を何となく感じます。


◆ベルリオーズ「幻想交響曲」

これは、YouTubeを探しても、見つかりません。長いですしね。

それで、DVDを買ったのです。

音だけ聴いていただきます。


第4楽章 断頭台への行進







これは、多分生で聴いたらすごい大音量、迫力だろうと思います。

トランペット(本当はコルネットという楽器なのですが)が、マーチを景気よく吹いているところで、

よく聴くと、1人、バストロンボーンが低音を伸ばしています。低音でフォルテで、良く聞こえるというのは、

大変難しい。そういう名人芸もあるわけです。ここの楽章を聴くときは、トロンボーンの一番右に大抵座っている人の音も

よく聴いて上げて下さい。


そして、終楽章です。


第5楽章「サバトの夜の夢」(昔は「ワルプルギスの夜の夢」と言ってたんですけどね)







先週、リハーサルでヤンソンスが指示していたことは、この演奏と

ほぼ一致します。曲の最後に向かって、ヤンソンスは、かなり派手なクレッシェンドとアッチェレランドをかけていますが、

同じぐらいのことを東京音大オケに要求していました。

学生達は、ヤンソンス氏の要求に即座に対応できていた。今こうやってベルリン・フィルと聴き比べてみると、

大したものだと思います。


というわけで、このDVDには他に、ベルリン・フィル首席フルート奏者、エマニュエル・パユがモーツァルトの協奏曲を

軽々と吹いているのを聴いて、見ることができます。サブ・コンサートマスターは安永徹さんです。

お薦めです。

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2009.11.16

マリス・ヤンソンスのリハーサルを見学する幸運に恵まれました。

◆来日中のマリス=ヤンソンスとバイエルン放送響による、東京音大オケ「幻想」リハーサル

細かく話すと長くなる。家内はピアニストではないが、東京音大のOGである。

OG・OBには、一般には非公開の催し物の連絡や招待状がくる。

数週間前、11月13日、東京音大の新しいホールで、ちょうど来日する指揮者、マリスヤンソンスが、東京音大の学生オケの指導をする

「公開リハーサル」を行う。無料。先着順で満席になり次第、受付終了、という手紙があった。

東京音大オケがヨーロッパ演奏旅行に行ったときに、バイエルン放送響のメンバーが聞いて、

気に入られたのだそうだ。


家内が私に聞きたい(見たいか)否かを問うので、勿論聞きたい、と答えた。

幸いチケットが取れた。他にもバイエルン放送響メンバーによる、東京音大学生への室内楽のリハーサルなど

盛りだくさんだが、メインはあくまでも、ヤンソンスによる、ベルリオーズ「幻想交響曲」公開リハーサルだ。


プロのオーケストラは、原則リハーサルは公開しない(例外があることは知っている)。

しかし、子どもの頃から私は、一度で良いからオーケストラのリハーサルを見学したい、と思っていた。

今回は、純粋なリハーサルというか、学生オケを、ヤンソンスが振るわけである。

マリス・ヤンソンスの略歴はこの通り

旧ソ連の最高のオーケストラである旧レニングラード・フィルをはじめ、

ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、オランダの超一流、ロイヤル・コンセルトヘボウ、

2003年、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任。現在、同交響楽団と2度目の来日中である。


巨匠である。巨匠がオーケストラにどういう要求をしてどのようにリハーサルを進行するのか。

40年、オーケストラが好きでたまらない私には堪えられない。

苦労したから神様のご褒美だろう、と、都合の良いときだけ神様を持ち出して、

勝手にそう思いこんだ。


◆遂にその日が来た。

公開リハーサルは午後4時から。普通絶対に行けないが、これは一生に一度あるか無いか、

というほどの機会である。詳細は省くがとにかく都合を付けて、会場に向かい、現地で家内と落ち合った。

これが当日のプログラムである。

T_jansons005

ヤンソンスは、にこやかに登場した。学生オケは、この頃の子だねえ。相手が天下のヤンソンスだろうが、

だれだろうが、緊張しないらしい。リハーサルだし、学生もヤンソンスも普段着で、リハが始まった。

始まる前、ヤンソンスは客席のわずかにノイズにも神経質だったが、呼ばれているのは、全て東京音大の

何らかの関係者で、生まれて初めてオーケストラを聴くというレベルの人はいないので、あっと言う間に

完全な静寂が訪れた。

練習時間が限られている(16時から17時半)から、終楽章(第5楽章)に絞っての相当大急ぎのリハーサルだった。

しかし、東京音大学生オケは、流石にプロになろうという子ども達。技術的には完全に出来上がっている。

奏法上の指導をする必要はなく、ヤンソンスは音楽的な要求だけをすればよい。


最初に第5楽章を通した。敢えてヤンソンスは止めなかった。

上手い。素人の耳には、これでも十分カネを取って客に聞かせることが出来るレベルだ。


◆ヤンソンスの要求。

お断りしておくが、以下は、私が見学しながら、取ったメモを元にしている。

ヤンソンス氏はラトビア人だが、オーケストラのリハーサルではドイツ語で行うことが多いようだ。

英語はあまり得意ではない。しかし、音大の学生諸君はドイツ語は分からない。

日本人女性のドイツ語通訳と、バイエルン放送響の第1ヴァイオリンで30年以上も弾いておられる、

水嶋さんという女性奏者がマエストロの意図を何とか学生に分からせるべく訳して下さった。

それを忠実にメモしたつもりだが、勘違い、聞き間違いなどがあるかも知れない。

まあ、学術論文じゃないから、勘弁してつかあさい。

要求1:冒頭の弦の刻み、ppだが、もっと弱く。

要求2:同じページ。3小節目。32分音符3つと32分休符1つ、が8回繰り返される。普通に弾いたら、ダウン(下げ弓)アップ(上げ弓)交互で、

最後はアップになるが、ダウンで弾く。
要求3:4小節目の6連符の半音階的下降音型、pppだもっと弱く。

要求4:その次の小節、ヴァイオリン・ヴィオラのピチカート。fに相応しく力強く。ややクレッシェンド気味に。

要求5:99ページ、2~3小節目にかけての

木管のグリッサンド(JIRO注:これ、難しいと思います)。ピッコロ、グリッサンドになっていないと何度かやり直し。

要求6:木管に続き、3番ホルンが同じ事をする。グリッサンドの前のcon sordino(弱音器)のところ。ホルン奏者は右手をベル(朝顔)

の中で操作して、わざと「詰まった」ような音を出す。最初の音がヤンソンス不満で何度かやり直し。

要求7:練習番号65の4小節目からファゴット。

最後のC音に向けて、もっとディミヌエンドできるか?と。ファゴットの学生が何と返答したか聞こえず。

要求8:続く鐘(チューブラーベル)、フォルテとピアノ、ピアニッシモの差が出てない。強弱の差が明らかになるように。

要求9:練習番号「66」7小節目から、テューバとファゴットが吹く、グレゴリオ聖歌。大変宜しい。

要求10:それに続く、110ページ2小節目からのホルンとトロンボーン。

祈るように。付点四分音符をいちいちアクセント気味に強調しない。平坦に。テヌートで。余計なことしない。

要求11:(一般的要求)金管、この楽章どうしても吹きすぎになる傾向があるから、心持ち、抑えて。バランスを考えて。


(JIRO注:キリがないので途中飛ばします)

要求12:随所にある、特に弦のスフォルツァンドは、決しておろそかにしない。全てキチンと実行せよ。

要求13:コーダに向かう練習番号85。バスドラム(大太鼓)、

短い周期でピアニッシモからフォルティッシモまでのクレッシェンド、ディミヌエンドのロールが続く。思い切り強調するように。

要求14:コーダから、早くクレシェンドし過ぎない。ちゃんと自分(ヤンソンス)が指示するから。

まだ、色々あるのだが、文字で書いても空しい。しかし、

ただ、「ヤンソンスのリハーサルを見た。素晴らしかった」では、子どもの作文になる。

本来、それぞれの要求があった箇所が、どのように演奏されるか、CDの一部でも音を編集して載せたいが、

ものすごく手間がかかるので、それはサボらせて頂いた。

話が逸れたけれども、最後にもう一度、通した。コーダから、ヤンソンス氏は、故意に一度目よりも強烈な

クレッシェンドと、アッチェレランドをかけたが、東京音大オケは、見事に反応していた。

また、話が前後するが、ヤンソンス氏の音楽的な要求に、一度で即座に対応し、一度言われたことは決して忘れない。

プロを目指す人達だから当たり前、と言ってしまっては実も蓋もない。

徒に若さに任せて突進するわけでも、何度も演って妙に分かったようになってしまうプロの演奏(たまにある)とも異なり

非常にレベルの高い、音楽だった。素晴らしい。彼らには大輪の花を咲かせて貰いたい。


◆この他、室内楽の本番があった。

このとおり、「幻想」のリハーサルの後は、東京音大の学生とバイエルン放送響のメンバーによる室内楽

(メンデルスゾーン、ドヴォルザーク)と、学生のみによる、R・シュトラウス

「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」木管合奏版(正確にはピアノ、フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネット)

があった。全て見事な演奏で、本来個別に名前を挙げて賞賛したいのだが、まだ学生さんだから、

万が一迷惑がかかってはいけないので縁了する。しかしいずれも素晴らしい完成度であった。

「ティル」木管版は、ホルン以外全員女性だった。ティル・オイレンシュピーゲルでは、冒頭に、

有名なホルン・ソロがある。実に見事だった。あまり感心したので、終演後、ロビーで目の前を通る

ホルンの学生さんに声をかけ、絶賛した。お世辞ではない。お世辞など言う理由がない。

但し、いつも書いている通り、日本人は褒めるのが下手だ。

しかし、褒められて怒り出す奴はいない。

優れた若い才能は、どんどん褒めるべきだ。


◆最後にミーハーですが、マエストロ・ヤンソンスにサインをして貰ったので、自慢します。

普通のコンサートなら、ガードが堅くてなかなか、これほどの巨匠には近づけない(CD即売会などは別)。
東京音大100周年記念ホールは、さほど大きなホールではなく、

ヤンソンスが楽屋から出てくるところにばったり遭遇したので「幻想交響曲」のポケットスコアに

サインを貰った。家宝にしよう。

T_jansons002

T_jansons001

今まで生きてきた甲斐があった。幸せだった。

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2009.11.10

【音楽】本来、「ルロイ・アンダーソン」はこれほど、楽しい。

◆ボストン・ポップス・オーケストラとアンダーソン

ルロイ・アンダーソンが作曲した、セミ・クラシックと呼ばれる、演奏時間が短い、楽しい曲の数々は、

ボストン・ポップスの為に書かれています。といっても、「ボストン・ポップス・オーケストラ」という固有のオーケストラが

存在するのではなく、あの小澤征爾さんが長い間(1973-2002) 音楽監督を務めていたボストン交響楽団が、夏の

コンサートのオフ・シーズンに(欧米のコンサートシーズンは毎年9月に始まり翌年の6月頃までです。夏はバカンスのシーズンです)、

オーケストラの音楽を広く一般の人にも普及しようというので、名前を変えて、ファミリー・コンサートを行うのです。

ボストン・ポップスは1885年から活動を始めたということですから、今年で124年も続いているのです。

その最盛期の指揮者が、アーサー・フィードラーという人で、何と1930年~1979年、約50年も毎年、

夏のボストン・ポップスを振り続けたのでした。

そして、アーサー・フィードラーに才能を見出されたのが、ルロイ・アンダーソンです。

以前、アンダーソンの経歴を調べて驚いたのですが、この人は高度な音楽教育を受けているだけでなく、

本格的に作曲活動をするまでは、ハーバード大学の言語学の研究者で、博士号まで持っています。

詳しい説明はウィキペディアをご覧下さい。


◆なかなか、名演が無いのです。

ルロイ・アンダーソンの曲は大抵、演奏時間が3分程度。長くても5分以内のものが殆どです。

一般の、オーケストラ、とか、クラシック、になじみが無い人にも、オーケストラの素晴らしさを知って貰う為に、

敢えて、このような形式を取ったものと思われます。

その所為か、アンダーソンには失礼ですが、軽く見られがちです(日本でも「トランペット吹きの休日」は、

多くの人が「ああ、あの『運動会の曲』ね」などと言います)。

このため、超一流オーケストラ(ボストン・ポップスも十分一流なのですが)と指揮者が、「アンダーソン名曲集」を

演奏したり録音したりすることが無い。このため、私の主観ですが、「名演」は意外に少ない。


◆トランペット吹きの子守歌は、多くの場合、正しくない。

分かっています。ある曲の演奏に関して唯一「これが正しい演奏だ」と断言するものではない。

色々な解釈があって然るべきだ。
はいはい。そういうことは、私は知ってますー、だ。

ただね。一番多く耳にするのが、アーサー・フィードラーボストンポップスが、

ディキシーランドのトランペット奏者、アル・ハートという人をゲストに招いた時の録音なんです。

これをまず、お聴き下さい。


トランペット・ソロ、アル・ハートによる「トランペット吹きの子守歌」







ちょっとクセのある演奏ですが、それはディキシーランドの人だから目をつむるとして、楽譜を見て下さい。最初だけ。

20091110trumpeterslullaby

一番大事なのは、最初の8分音符と16分音符の「タッタタカ・タ・タ」というリズムでして、「タッタカ」の「タカ」を

名前出してわるいけど、このアル・ハートさんみたいに吹くのは、違うんです。専門用語になるけど、シングル・タンギングで

吹くと、それは楽譜にはあっているのですが、この曲の雰囲気が出ないのです。


◆色々探し回って、結局アンダーソンによる50年前(1959年録音)の自作自演盤を見つけました。

前述したとおり、こんな易しい曲、なかなかプロは演奏してくれないし、録音もしてくれないので、なかなか

私が、理想とする演奏に出遭いませんでしたが、作曲者、ルロイ・アンダーソンが自作を指揮したCDThe Leroy Anderson Collection を見つけました。

試聴できるので聴いたら、私の理想にかなり近い。

マーケットプレイスなら1000円以下で売りにでてます(送料別)。これを入手しました。

アンダーソンが指揮しているのですから、作曲者がどのように演奏して欲しいかよく分かります。


アンダーソン自作自演盤による、「トランペット吹きの子守歌」







ね?この方が気持ちいいでしょ?

多分、曲名の「子守歌」のイメージを抱き過ぎだと思うのですよ。

「子守歌」っていったって、こんなの本当に赤ん坊の枕元でラッパ吹いたら、子守歌どころじゃないですよ。

寝るわけ無いですよ。下手すりゃひきつけ起こしちゃうよ?「子守歌」はイメージだけで、ある程度歯切れ良く吹かなければ

いけません。


◆楽しい曲が続きます。全てアンダーソンの自演(指揮)です。

ウンチクはもう止めにしますが、非常に大雑把にいうと現在のルロイ・アンダーソン作品の演奏は、

テンポが遅すぎて、彼の作品の溌剌とした生命力が伝わってきません。

以下の自作自演を聴いて頂くと、ご同意頂けるかと思います。


トランペット吹きの休日







このテンポだと「スカッ」とするでしょ?


フィドル・ファドル ヴァイオリン・セクション、見事です。







弦楽器のピチカートだけの曲。途中の「キュッ」という音は楽器の胴体を手で擦って出すそうです。

コンサートで見ると、ここでコントラバスなどをクルッと一回転させるという演出が加わり、お子さんは

大変歓びます。


プリンク・プランク・プランク(Plink Plank Plunk)







シンコーペーテッド・クロック  最後までユーモアがある。







そり滑り スウィング・ジャズ風になるところがたまりません。最後の馬のいななきはトランペットです。







舞踏会の美女 舞踏会の華やかな光景が瞼に映るかのようです。







クラリネット・キャンディ クラリネット奏者の腕が鳴ります。







こういうのは、ゴチャゴチャ言うことはありませんね。

音楽は、楽しいのです。

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2009.11.07

【音楽】英雄の生涯 2005年ベルリン・フィル来日公演 於:サントリー・ホール。安永さんのソロが随所に現れます。

◆昨日だけでは気が済まないのです。

R・シュトラウスと言えば、交響詩。「英雄の生涯」は代表作です。

昨日ご紹介した、私の過去の記事、「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。ココログ

の中に、石井真木さんとの対談があります。あれは、私が本からキーボードで一文字ずつ入力したのですが、

安永さんが、コンマスの試用期間を終えて最終判断を下される前に、カラヤンの部屋に呼ばれ、

同じくR・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」のソロを弾かされた、という話が出ます。

R・シュトラウスの交響詩には、コンサート・マスターの長く難しいソロが含まれている場合が多いのですが、

「英雄の生涯」のコンサートマスター・ソロは、ベルリンフィルに限らず、どのオーケストラでも、

コンサート・マスターのオーディションでは、殆ど必ず弾かされるようです。

これほど、安永さんの見事なソロを全曲にわたって、見て、聴ける映像はありません。

数ヶ月前、全く同じ映像を載せましたが、敢えてもう一度掲載します。

優れた演奏は何度聴いても飽きないものです。

演奏終了後、指揮者のサイモン・ラトルは何よりもまず、安永さん一人だけを立たせ、労をねぎらっています。

他のベルリン・フィルのメンバーの表情からも、如何に安永さんが信頼されていたコンサート・マスターだったか、

よく分かると思います。


◆リヒャルト・シュトラウス、交響詩「英雄の生涯」サイモンラトル=ベルリンフィル。サントリー・ホールにて。

Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (I)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (II)(コンサート・マスターの難しいソロが続きます)






Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (III)(金管が大活躍です)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (IV)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (V)(最後に再び、安永さんの美しいソロがあります)







私は最初、この曲が全然好きではありませんでしたが、安永さんのソロを聴きたいあまりに、

繰り返し聴いているうちに好きになりました。クラシックの名曲では、しばしば、そういうことがあります。

それでは、皆様良い週末をお過ごし下さい。

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2009.11.06

松井選手のMVPは誠に立派だが、ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年務めた人の偉大さも分かって欲しい。

◆といっても、仕方がないのですけどね。

仕方がない、とは、日本では野球が好きで野球の事を理解出来る人は、オーケストラのコンサートマスターとは何か、

を理解出来る人より遙かに多いから、という意味である。

松井選手の偉業に異を唱える気は毛頭無いけれども、世界一のオーケストラのひとつ、

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第一コンサートマスターを25年務めて、今年の3月末に退団した、

安永徹さんや、日本人として初めてベルリン・フィルのメンバーとなり、30年ヴィオラ奏者として活躍した

土屋邦雄さんのことも、もう少し評価されて然るべきだと思う。


そうは言っても、オーケストラなんて、見たことも聞いたこともない人の方が多いのだから、無理な注文なのだ。

日本では。そう思い、少し寂しい。

安永さんのことは、何度書いたか分からない。

検索しやすいエンピツで「安永徹」を検索した結果がこれである。

中でも、お分かり頂きやすいのは、

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。ココログ

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。ココログ

「最大級の賛辞」とは、正にこのこと。安永徹さんにベルリン・フィルとサイモン・ラトルから贈られたメッセージ。ココログ

などであろう。ご覧になっていない方はもとより、一度お読み頂いた方も、宜しければ、もう一度読んで頂けると有難い。


◆ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスター、安永徹さんの晴れ姿。

上でリンクを貼った日記と重複するものもあるが、リンク先を読むのは面倒くさい、

という方もおられるだろうから、ここに載せる。


1999年のジルベスター(大晦日)コンサートより、クラウディオ・アバド指揮で、ベートーヴェン交響曲第7番、第4楽章。

Beethoven Symphony No.7, Op.92, movement IV - Claudio Abbado, Berliner Philharmoniker






もう一つ。

2008年1月。カラヤン生誕100年記念コンサート。小澤征爾指揮、チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」、第3楽章。

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra Tchaikovsky Symphony No.6 Part4







私は、安永徹さんの偉業を尊敬し、日本人として誇りに思うことにかけては、人後に落ちないつもりだ。

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2009.10.15

【音楽】日本の作曲家の作品。外山雄三、伊福部昭、芥川也寸志各氏の作品。

◆外山雄三:管弦楽のためのラプソディ。

過去に何度も載せたのですけどね。新しい読者もおられるので、良い音楽はときどき繰り返します。

この曲は1960年にNHK交響楽団が世界一周旅行に行ったとき、指揮者は当時若手の岩城宏之さんと外山雄三さん、

ソリストに中村紘子さんが同行しました。世界は文字通り「驚嘆し」たそうです。東洋の、15年前に戦争に負けた、

あの日本にこれほど素晴らしいオーケストラがあったのか、と。この演奏旅行のアンコールの為に外山雄三さんが

作曲したのが、「管弦楽のためのラプソディー」で、日本各地の民謡を素材に、それを西洋の楽器による(当たり前ですが)

オーケストラの為に実に見事にアレンジして、いや、アレンジ通り越して、これは作曲です。

私が高校生の頃にね。N響を岩城さんが指揮したことがありまして、そのテープが何処かに残っているはず。

これは沼尻竜典指揮、東京都交響楽団の演奏。レコードは、ナクソスの 日本管弦楽名曲集/沼尻竜典、東京都交響楽団です。


外山雄三:管弦楽のためのラプソディ







日本特有の「お囃子」に使う、チャンチキという、金属の小さいカネを金属のバチで叩くのですが、

これが世界のどこに行っても大変珍しがられて、終演後、必ずお客さんがやってきて、ちょっと叩かせてくれ、

といったそうです。実際は、ちょっとした楽器の角度や叩き方によって音の高さ、音色が変わるのを意識的に使い分ける、

難しい、日本固有の打楽器です。


◆伊福部昭:ゴジラのテーマ:陸上自衛隊音楽隊による、マーチング演奏。

これは、偶々見つけたんですが、「ゴジラ」の原曲は伊福部昭先生のヴァイオリン協奏曲にあるんです。

ただ、そこから全部聴いて頂くとあまりに長い。

陸上自衛隊がマーチング演奏(歩きながら様々に列を変化させていきます)しています。

マーチング演奏というのは、難しく、歩くと人間どうしても上下に身体が動く。普通にあるいたら、その度に楽器が揺れ、

音が乱れます。楽器を揺らすまいとして、例えば金管楽器ならば強く楽器を唇に押しつけると、汚い音になります。

私も殆ど経験がないので分かりませんが、歩いても楽器に振動が伝わらない独特の工夫をして歩いているはずです。

楽器を演奏するだけでも大変なのに、常に移動しながら見事な図形を描きます。たしか、マーチングというのは、複雑になると、

本番における1分(60秒)に付き、8時間ぐらいの練習が必要になる、ということもある、と聞きました(違ったら、教えてね?)。


伊福部昭:SF交響ファンタジーより。陸上自衛隊中央音楽隊。







この曲は、宙-伊福部昭 SF交響ファンタジー で、管弦楽曲として、

広上淳一指揮、日本フィルハーモニー交響楽団の名演があります。


伊福部昭氏(1914-2006)は、北海道帝国大学(現・北大)農学部卒で、ほぼ独学で作曲を

習得したそうで、誠に当時としては活画期的。天才的な斬新なサウンドだと思いますが、

あまりにも「ゴジラ」ばかりでは何ですから、代表作の一つ、管弦楽曲「シンフォニア・タプカーラ」から、

第三楽章をお聴き頂きましょう。曲の終わりに近づくにつれて、非常に盛り上がります。


伊福部昭 シンフォニア・タプカーラ 第三楽章。本名徹次指揮、日本フィルハーモニー交響楽団。







独学でこれほどのオーケストレーションを施す為に、ものすごく勉強なさったと思います。


◆芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽 第2楽章

芥川也寸志さんは、言うまでもなく文豪・芥川龍之介氏のご令息(三男)です。芸術的才能を三兄弟が見事に引き継いで、

長男の芥川比呂志氏は、俳優・演出家、次兄の芥川多加志氏は文学を志したのですが、戦死なさいました。

交響管弦楽のための音楽 第2楽章は、お聴き頂くと分かりますが、カッコイイのです。

バーンスタインは、芥川さんからヒントを得たのではないか(冗談ですよ)と思うぐらいです。


外山さんと同じCD、日本管弦楽名曲集/沼尻竜典、東京都交響楽団で聴けます。


芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽 第2楽章。芥川也寸志指揮:新交響楽団(芥川さんがずっと指導していたアマチュア・オーケストラ)です。





良いでしょ?

考えてみたら、多分、日本の作曲家の作品だけを集めたのは、今日が初めてでした。

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