カテゴリー「オーケストラ」の記事

2009.06.27

【音楽】楽しいです。ベルリン・フィル「ウィリアム・テル」「だったん人の踊り」「どろぼうかささぎ」等々(安永さんコンマス含む)

◆今日はどの作曲家の誕生日とか命日とか、関係なく、ただ、楽しい音楽をYouTubeから探してきました。

昨日も音楽で、また、文句を言う人がいるかもしれませんが、金曜の夜というのは、面倒臭いことを考えたくないので、

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が楽しい曲を演奏しているのを、at randomにYouTubeから探してきました。

お断りしておきますが、私は「オーケストラを聴くからにはベルリン・フィルじゃなければいかん」などとは全く考えておりません。

最近、安永さんがコンマスをお辞めになり、樫本大進氏がコンマスの試用期間に入る(正式にコンマスになったわけではありません)

というので、どうしてもベルリン・フィルの映像を探してしまうのです。今まで音楽だけをご紹介していたときには、全然名前も知らない

オーケストラの演奏の方がむしろ多かったぐらいです。繰り返しますが、決してベルリン・フィルやウィーン・フィルだけがオーケストラでは

ありません。シカゴやクリーブランドや、コンセルトヘボウじゃなくて、名前を聞いたことの無い、しかし、上手なオーケストラは、

いくらでもあります。日本のオーケストラだって勿論立派なものですが、ただ、YouTubeにあんまり映像がないのですよ。

特にこういうポピュラー名曲は。それだけ。


◆カラヤン指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団「ウィリアム・テル」序曲より「スイス軍の行進」

「ウィリアム・テル」ぐらい全曲載せられればいいのですが、カラヤンで、最初と、嵐の部分はあるけど、

「嵐の後の静けさ」がないのですよ。景気のいい、トランペット・ファンファーレで始まる、最後の部分をどうぞ。

1983年のジルベスター(大晦日)コンサートだそうです。


G. Rossini - William Tell Overture (Finale) - Karajan 1983





いいですねー。日本の「半可通クラシックファン」は死んでも「ウィリアム・テル」で「ブラボー!」なんて叫ばないだろうけど、

ベルリンの聴衆は素直に感動を表して良いですよね。

私はウィリアム・テルを聴くと、子供の頃、初めて生でこれを聴いて、胸がはち切れそうに興奮して、嬉しくなって、

それがきっかけでトランペットのレッスンを受けるようになった時の事を思い出して、何だか泣けて来るんです。

「ウィリアム・テル」で泣ける人ってあんまりいないだろうけど、ホントだからしょうがない。いまでも、胸が一杯になるんです。

また、「ウィリアム・テル」序曲であっても、そこに音楽が有る限り、それを最高に表現しようと全身全霊を注いでいる

カラヤンの指揮も懐かしくて、泣けてきます。


◆ボロディン:「だったん人の踊り」1993年、夏の恒例「ヴァルトビューネ」小澤征爾さん指揮。

これは、「ヴァルトビューネ・ロシアンナイト」というDVDになってます。安永さんはいないけど。

演奏開始後、1分ぐらいのところで、オーボエが吹く、切ないメロディーがたまりませんね。






いいですねえ・・・。


◆ロッシーニ:「どろぼうかささぎ」序曲。アバド指揮。安永さん、サブコン。

いきなり、小太鼓のロール(ザーッという連打)で始まります。よく見ると、小太鼓は左右に分かれて配置されています。この曲は、

そのように小太鼓を配置するのです。2拍子系で始まり、途中からはやい3拍子になります。演奏開始後3分ぐらいのトロンボーンが、カッコイイです。

ピッコロも活躍します。これ、生で聴くと分かりますが、ピッコロの音って、音域が高い所為もあって、ものすごく良く通ります。

フルート奏者が持ち替えするのですが、一種の専門職のようです。ベルリンフィル公式サイトで、

Vacant Position(空席。募集中、ということ)を見ると、

長いことPiccolo専門職が見つからないようです。尤もこれ、樫本氏のコンマス試用期間が決定したのに、

まだ、「第一コンサートマスター1名募集(去年から出ているのです。安永さんが退団を決めたときから)」となったままで、

更新していないので、以外と管理が杜撰(笑)かも。


アバドの指揮がとても良い。音楽の楽しさ素晴らしさを思い出させてくれます。

La gazza ladra rossini(ロッシーニ:「どろぼうかささぎ」序曲」)







ロッシーニの序曲をいくつか聴くと分かりますが、同じ音型を繰り返しながら、長い

クレッシェンドを経て、クライマックスに達します。ロッシーニ独特の手法なので、「ロッシーニ・クレッシェンド」と言います。

元気が出る音楽ですね。


◆アバドでもう一曲。お馴染み「カルメン前奏曲」

これは、説明要らないですね。これは安永さん、いませんが。


CARMEN Prelude by Bizet Berlin Philharmonic Abbado







こういう「ポピュラー名曲」でも、音楽の喜びに浸っているアバドの表情と、真剣そのもののベルリン・フィルを見るだけで

私は、余程人間が単純なのでしょうか。何だか、ジーンと熱いものがこみ上げてきます。


◆2008年ジルベスターコンサートより、ラトル指揮、ガーシュウィン「パリのアメリカ人」(コンマス安永さん)

ベルリン・フィルがこういうアメリカものをやることもたまにはあるんですね。

この曲では、コンマスのソロが何度も出てきます。

演奏開始後8分ぐらいから、トランペットがバラード調のソロを吹きます。ドイツのオーケストラは、

ロータリーバルブ式の横ラッパ(普通トランペットって縦でしょ?クラシック、特にドイツ系はこういう横ラッパが多いのです。

音色が違うと言いますが、聴いただけではなかなか分からないような気がしますが、横ラッパでこのアメリカ・アメリカしたソロを吹いているのが、

何だか面白い(この感覚はラッパを少しだけですがやったことがあるから感じるものだと思います。

別にロータリーバルブ式の横ラッパだろうが、普通のピストン式の縦ラッパであろうが、

その音楽がその箇所で、要求する音をだせれば、構いません)。



曲が10分で収まらないので、二つのファイルに分かれます。悪しからず。


Gershwin: American in Paris (I) (Rattle, Berlin Phil)







東洋人女性がヴィオラにいますが、多分、カラヤン・アカデミーという所で勉強中の学生さんだと思います。

たまに本番を経験させて貰えるらしいのです。


Gershwin: American in Paris (II) (Rattle, Berlin Phil)







どんな曲でも、その曲の魅力を極限まで引き出して、さらりと弾いてしまうベルリン・フィルは、

やはり、すごいですね。


全く、思いつきで色々並べましたが、お楽しみ頂けましたか?

皆様、どうか、良い週末をお過ごし下さい。

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2009.06.19

樫本大進氏は既にベルリン・フィルのコンマス席で弾いていますね。但し正式に就任するかどうかは分かりません。

◆ベルリン・フィルは、良いオーケストラですが、日本での熱狂はやや異常です。

私は別にベルリン・フィルの回し者ではありません。

また、出来ることなら、音楽は生で聴くのが一番であることは言うまでもありませんが、

現実問題として、私の経験では、日本では、特に生のベルリン・フィルとウィーン・フィルに関して異常です。

普段、オーケストラなど聴かない人まで、「ベルリン」「ウィーン」というと目の色を変えるように感じます。

企業が接待用にチケットを買い占めることすらあるようです。だから、まず、一般庶民は諦めるしかない。


私は、これほど、オーケストラが好きで、子供の頃からベルリン・フィル、ウィーン・フィルのレコードを聴いてきたわけです。

見栄でクラシックを聴いているわけでもないし、本当に好きだから30年以上も聴いている。

だから、(ものすごくおこがましいのですが)、「聴くに値する客」だと思います。

しかし、未だかつて、日本で、チケットが取れた試しがありません。

特別のコネが無いとベルリン・フィル、ウィーン・フィルは聴けません。しかも滅茶苦茶高い。


◆ヨーロッパでは、ベルリンもウィーンも特別扱いされず、簡単に安く聴くことが出来ます。

以下の記述、嫌味に感じたらごめんなさい。

私はロンドンに4年間駐在しましたが、キザな書き方をするならば、これは

音楽の神様からのご褒美だったのかも知れません。ヨーロッパでもクラシック愛好家は少ないのですが、

それでも、毎日の様に、ロイヤル・フェスティバル・ホールとか、バービカン・センターでコンサートをやっています。


ヨーロッパの中というのは、地図で見ると感覚的に分かりませんが、現地で暮らしてみると、英・仏・独・伊、墺(オーストリア)、スイス

辺りはお互いに非常に近接していて、日本国内を移動するぐらいの時間で飛行機で、直ぐに何処にでも行けます。

ですから、ベルリン・フィルも、ウィーン・フィルも毎年殆ど必ずロンドンに来るのです。全然珍しいことでも特別なことでもありません

(因みにヨーロッパ人にとって、日本は、日本人から見たヨーロッパよりも遙かに心理的に遠いのです。文字通り「極東」、「地の果て」です)。

更にヨーロッパ人は、お互い、自国の文化水準にプライドをもっているので、例えばイギリス人は、

ベルリン・フィル、ウィーン・フィルの演奏水準の高さは正当に評価しますが、日本のように、ミーハー的にチケットが

売れるわけではない。ベルリン・フィルのチケットが、公演1週間前に、日本で言うところの「S席」を5000円ぐらいで買えてしまいます。

電話一本で。ウィーン・フィルも同じ。あれは、嬉しかったです。

但し、日本に帰国してからは当然、元の状態に戻ります。だから、十数年、生のベルリン・フィル、ウィーン・フィルを聴いていません。

しかし、生には及ばないにしても、ITの発達が思わぬ恩恵をもたらしてくれました。


◆ベルリン・フィルのコンサートを高画質、高音質で、インターネットで観て、聴くことが出来ます。

繰り返しますが、私はベルリンフィルと何の利害関係もありません。

ただ、ご存じない方も多いだろうと思い、紹介するだけです。

ベルリン・フィルの公式サイト(英語版)を見て下さい。ここから先、少々英語が分からないと利用できませんが、

さほど難しいことではありません。

今年1月から、ベルリンフィルはコンサートの映像と音声をインターネットで配信する、Digital Concert Hallという

サービスを開始しました。

ベルリン・フィルの定期を生で見ることが出来ます。但し時差を考えると、日本では明け方になってしまうので(マチネーは当然例外)、

過去の演奏をオン・デマンドで見る、Archiveが実用的だと思います。シーズン・チケットを買うことも可能で、

勿論、それを買うのは自由ですが、必ずしも全部が全部、自分の好みのプログラムとは限らないですから、

コンサート毎に、チケットを買う方が良いと思います。一つのコンサート毎、さらに、そのコンサートの特定の曲だけを

買うことも可能です。一番最初は、無料の登録が必要です。Signupという箇所から、個人情報を登録します。

すると、登録したメールアドレスにパスワードを送ってきます。それでログインしたら、登録完了です。パスワードは、当然、

その後で、自分の好きなように変更出来ます。

Archiveはデフォルトでは今月分が表示されますが、カレンダの矢印をクリックすると過去に溯ります。

例えば2009年5月には10日、17日、24日、28日、4回コンサートがあります。コンサート全体を買うと9.9ユーロ。約1,300円で、

購入してから48時間だけ見ることが出来ます。ダウンロードは出来ません。

また、或るコンサートの特定の曲だけを聴きたいときは、5ユーロ(約670円)で買えます。

5月10日はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とエルガーの交響曲第2番、というプログラムです。

エルガーは私の好みだと退屈なので、ベートーヴェンだけ買ってみました。

実はその時、樫本氏がサブ・コン席に既に座っています。

090510kashimoto

更にその1週間後、小澤征爾さんの指揮で、今年生誕200年になるメンデルスゾーンのオラトリオ、「アリア」という

大曲を取りあげていますが、このときは、樫本氏、コンマス席に座っています。

Kashimoto090517

とにかく、会員登録はただですから、一度、ベルリンフィル・デジタル・コンサートホールを見て、聴いてごらんになっては如何でしょう。

かなりの高画質、高音質ですから、それなりにパソコンのスペックが必要ですが、最近、皆さんがお持ちのものなら大抵問題ないでしょう。

ただ、光じゃないと、ちょっと難しいでしょうね。


◆樫本大進氏は、コンサートマスターに「内定」というのはちょっと語弊があると思います。

昨日の日記でも書きましたが、もう一度。安永さんの体験談をお読みになれば分かるとおり、

コンサートマスターの試用期間は約1年で、その毎回のコンサートで、ベルリン・フィルの他のメンバーが、

これから、樫本氏の「ベルリン・フィルのコンサート・マスターたるに相応しいか」を観察するのです。

毎回のステージが、樫本氏にとって「試験」です。ものすごいプレッシャーだと思います。

そして、試用期間終了後、改めて、ベルリン・フィルの全メンバーによる検討会が開かれ、

侃々諤々の議論が行われます。最後に採決して、3分の2以上の賛成を得られたら、初めて正式に、

「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスターに就任」の発表が為される訳です。

結果として25年間もベルリン・フィルのコンサート・マスターを務めた安永徹さんの時ですら、コンサート・マスターに

するかどうかを決めるときには、1時間半も議論が続いたそうです。但しその内容は安永さんも教えて貰えない。

だから、樫本さんは、もうコンマス席に座っているけれど、コンサートの今シーズンは終わってしまったので

(欧米では、7月、8月はコンサートのオフシーズンです。夏が短いヨーロッパでは、この時期は皆コンサートよりも、

陽に当たりたい。バカンス優先です。音楽家自身も同様です)、9月から始まる2009年のシーズンが試用期間の始まりで、

短くとも、来年の6月までは続くのでしょう。絶対にコンマスになれる保証など何処にもない。

日本のメディアでは今のところ、毎日新聞と読売新聞だけが、このニュースを報じていますが、いずれも「内定」という

言葉を用いています。それは、ちょっと、誤解を招き易い。適切な報道ではありません。

この点に関しては、こちらのブログ「ビバ!おけいこヴァイオリン 樫本大進氏のベルリン・フィル第1コンサートマスター「内定」をめぐって」が同様の指摘をなさっています。大変正しい事を書いておられます。


しかし、それはそれで、勿論私は、彼の成功を信じたい。

私は安永さんがコンサートマスターを辞めたときに、

もう、一生、日本人がコンサート・マスターを務めるベルリン・フィルなど、見られないだろうな。

と思いました。それを思うと悲しかったですが、まさかこれほど早く、再びそのチャンスが到来するとは思いませんでした。

樫本大進氏のコンサート・マスター就任を見届けるまでは、死ねません。

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2009.06.18

【差替】「やじ禁止の文書配布=党首討論」/<樫本大進さん>ベルリン・フィルコンサートマスター就任へ←試用期間の始まりです。

◆記事:やじ禁止の文書配布=党首討論(6月17日19時35分配信 時事通信)

17日の党首討論では、やじなどの不規則発言をしないよう求める文書が事前に傍聴議員らに配られた。

激しいやじで騒然とした5月の前回討論の反省を踏まえたもので、今回は「比較的落ち着いた雰囲気での論戦」(出席議員)となった。

与野党は9日、討論中はやじを自粛することを申し合わせた。文書には「議事の妨げとなるような言動は、厳に慎まなければならない」と記された。

そのかいあってか、委員室が騒がしくなったのは、民主党の安全保障政策を攻撃した麻生太郎首相に、

野党議員が「支離滅裂だ」などとやじを飛ばした程度だった。


◆コメント:国会議員のセンセーって、小学生?

日本国憲法という我が国の最高法規には、次の条文がある。

第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

国会議員は、「国権の最高機関」たる立法府の構成員であり、国の法律を作るのを職務とする国家公務員である。

いささか古いが、平成17年度予算を見ると、国会運営費(衆参両議院合計)は、一般会計に含まれていて、約1,024億円である。

単純に365で割ると、約2億8千万円となる。それに諸経費を加えると、国会を運営するために、毎日3億円の税金がつぎ込まれている。

税金は、我々が額に汗して働き、たとえ景気が悪くなり、所得が減っても、それに応じて必ず納めているおカネである。


3億円を衆議院定数(=480)+参議院定数(=242)=722で割ると、

約41万5千円となる。


国会議員は、サボっていても、居眠りをしても、法案を全く提出しなくても、ただ在籍しているだけで、1日1人あたり約42万円の税金を使っている。

そういう連中が、
とうしゅとうろんのときには、やじをとばさないで、おとなしくして、ひとのはなしをききましょう。

と、幼稚園児か小学生のようなことを、予め「文書を配布」しないと分からないらしい。

全く有り難くて涙が出そうである。

日本国は、この世界不況下で国民の所得が減って、皆が苦しんでいるときにも、所得に応じて税金を取ることを忘れない。

我々国民は、納税は(これも憲法で定められた)国民の義務であるから、苦しくても、誠実にこの義務を履行している。

一方、日本国は、私の記憶に間違いがなければ、その国民が真面目に働きながら預けていた、年金掛け金の明細の管理がずさんであったため、

どの年金口座が誰のものか訳が分からなくなってしまった。

所謂「宙に浮いた年金記録」は、5095万1103件存在(2006年6月現在)し、2007年、当時の安倍晋三首相は
1年で全件を名寄せする

と国会で明言したが、2年以上を経過した今も、全く目途がたたない。

国民から預かった金はどうなったか分からないが、それはさておき、税金は確実に徴収し、その税金は、

小学生レベルの国会議員のセンセー達がオイシイ思いをするために使われている。

国民をバカにするにもほどがある。


◆記事:<樫本大進さん>ベルリン・フィルコンサートマスター就任へ(6月18日2時31分配信 毎日新聞)

ドイツの音楽関係者によると、世界の最高峰のオーケストラ、ドイツのベルリン・フィルハーモニーのコンサートマスターに

ドイツ在住のバイオリニスト、樫本大進さん(30)の就任が内定した。

ベルリン・フィルの日本人コンサートマスターは3月で退任した安永徹さんに次ぎ2人目。

ベルリン・フィルでは安永さんの後任を募集、世界第一線のソリスト数人が最終候補に残り、審査を受けていた。

樫本さんは今後約1年、試用期間として同フィルでコンサートマスターを務め、

団員の3分の2以上の賛成を得てから完全な契約を結ぶことになる。

樫本さんはロンドン生まれ。3歳からバイオリンを始め、ドイツ・リューベック音楽院でザハール・ブロン氏に師事。

ケルン国際バイオリン・コンクール、ロン=ティボー国際音楽コンクールなどで優勝。【梅津時比古】


◆コメント:「就任が内定」ではなく、コンサート・マスターとしての試用期間が始まった、と言うことです。

ベルリン・フィルのコンサート・マスターになるまでの過程がどのようなものかは、3月にベルリン・フィルを退団した、

ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年務めた安永さんが、対談集、「音楽ってなんだろう」で、詳しく話しておられる。

それは、

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。ココログ

に私が転載した。作曲家の故・石井真木さんとの対談で、私が本からタイプして写した。

読めば分かるが、コンサートマスターのオーディションがあって、それに合格した、というのが、多分、現在の樫本大進さんの状態である。

これから、1年、毎回の本番のステージをベルリン・フィルの全ての他の団員がじっと観察し、試用期間が終了した段階で、

他のメンバーによる会議が開かれる。そこで3分の2以上の賛成を得て、初めて正式に「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、コンサート・マスター」に

就任したというのである。

樫本さんにとっては、これから、毎回のステージが常に「試験」なのであり、大変なプレッシャーである。

しかし、きっと正式なコンサート・マスターになって下さるだろうと、信じる。

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2009.06.14

【音楽】6月11日、リヒャルト・シュトラウス(1864~1949)の誕生日でした。「英雄の生涯」(コンマス=安永徹さん)

◆リヒャルト・シュトラウスってずっと敬遠してたのです。

リヒャルト・シュトラウスという、後期ロマン派の作曲家がおります。

オペラも、シンフォニーも書いています。親父さんがホルン吹きだったから、ホルン協奏曲も2つ書いてます。

歌曲も書いていますが、彼が後世に名を残したのは、7曲の「交響詩」によるところが大きいです。

それ以上のウンチクを垂れる知識は、正直言って私にはないので、知りたい方は恐縮ですが、ウィキペディアをご覧下さい。

子どもの頃、初めて、R・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」を聴いたとき、私は、

何て退屈な音楽だろう。

と思いました。作曲家の好みはひとそれぞれでいいのですが、ただ、私の乏しい経験からいえるのは、

若い頃に聴いて「つまらない」と思った曲なのに、大人になってから聞いたら気に入る、ということは、

決して珍しくないのです。


◆最近、R・シュトラウスを聴くようになったのは、安永徹さんのおかげです。

この日記・ブログでは、25年間ベルリン・フィルのコンサート・マスターを務めた安永徹が退団なさる前、

随分何度も、その話題を取りあげましたが、安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターとして最終的に

カラヤンとベルリン・フィルのメンバーに認められたのは、R・シュトラウスの交響詩、

「ツァラトゥストラはかく語りき」であったことを、以前から知ってはいたものの改めて認識しました。それは、

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。

に引用した、安永さんと、作曲家の故・石井真木さんとの対談を読むと明らかです。

安永さんがコンサート・マスターの試用期間を経て、最後に試された曲がR・シュトラウスだったからには、

聴かねばならぬ、と思いました。理屈ではありません。

ベルリン・フィルの映像はYouTubeに沢山ありますが、流石にカラヤン時代の映像、

しかも安永さんがコンマスになった後、カラヤンが振っている映像は意外にすくないのです。

カラヤンが世に認められるようになったのも、安永さんがコンマスとしてみとめられるようになったのも、

「ツァラトゥストラはかく語りき」なので、何とかその頃の映像がないか、探しましたが、ありません。

その替わり、ベルリン・フィルの指揮者がサイモン・ラトルになった後、2005年に来日公演したときに、

プログラムに、同じくR・シュトラウスが最後書いた交響詩「英雄の生涯」の映像がみつかりました。


幸い、コンサートマスターは安永さんです。そして、この曲には、コンサートマスターの長いソロがあります。

どのオーケストラでもコンサートマスターのオーディションで必ずと言って良いほど弾かされる、難しいので有名なソロです。


今日は、2005年、ベルリン・フィル来日公演における、「英雄の生涯」を載せます。


◆少々取っつきにくいかも知れませんが、安永さんの素晴らしいソロを是非聴いて下さい。

今までこのブログでは、意識的に取っつきやすい音楽を取りあげました。

それらに比べると、「英雄の生涯」は、はっきり言って難解です。

しかし、安永さんのソロがあるだけでも聴いて、見る価値があります。

全体が5つのファイルに分けられています。特にパート2は安永さんの独擅場です。

それでは、いきます。


◆R.シュトラウス作曲:交響詩「英雄の生涯」(Ein Heldenleben)サイモンラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

この曲は6つの部分から構成されていますが、切れ目なく演奏されます。


Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (I)







次のパート2はほぼ全体にわたって、コンサートマスターの難しいソロがあります。安永さんの妙技をお聴き下さい。


Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (II)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (III)







Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (IV)







次で終わりますが、曲の最後にもコンサート・マスターのソロがあります。

曲が終わって、オーケストラ全員が起立する前にサイモンラトルは真っ先に安永さんだけ立たせて、

名演奏を讃えます。そして、他のベルリン・フィルのメンバーがやはり、「流石、安永さん。」と言わんばかりです。

Ein Heldenleben - Rattle, Berlin (V)


◆やはり、ベルリン・フィルのコンマスを務めるのは、我々の想像を超える偉業なのです。

何度もかきましたけど、ベルリン・フィルのオーディションに合格するだけでも、多分我々の想像を絶する難関。

普通のメンバーですら、オーディションに合格するのは「試用期間の始まり」ということ。1年みんなが観察していて、

「やはり、あなた、ウチのオーケストラには合わない。ごめんね」ということもあるのです。

更に、コンサート・マスターになるときには、コンサート・マスターのオーディションがある。

それに合格しても、やはり、それは、「コンサート・マスターとしての試用期間の始まり」で、

安永さんは試用期間が1年半もあったのです。その間、全員が安永さんが本当にコンサート・マスターとして適任か、

を観察している。その期間が終わると全員が議論をして、最後に投票をする。3分の2以上の人が賛成して、

そこでやっと本当に「ベルリン・フィル、第一コンサートマスター」になるんです。

とても、想像の付かないプレッシャーの連続で、それは、正式なコンサートマスターになってもずっと続く。

その重責を25年も務めた安永さんを尊敬せずにはいられません。

ドイツは、安永さんに勲章を贈りました。

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

「最大級の賛辞」とは、正にこのこと。安永徹さんにベルリン・フィルとサイモン・ラトルから贈られたメッセージ。



これに対して、日本政府は無反応。あまりにも無教養で恥ずかしいと思い、私は、内閣総理大臣あてにメールを送りました。

首相へのメール「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」



勿論、期待してなどいませんでしたが、やはり何の反応もありません。

恥ずかしいことです。

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2009.06.07

【音楽】ハチャトゥリアン(1903-1978)の誕生日。「剣の舞」以外も、もう少し聴いてあげましょうよ。

◆「剣の舞」だけではあまりに気の毒。

ハチャトゥリアンはアルメニア人の作曲家です(生きた時代は旧ソ連でしたが)。

代表作の一つに「ガイーヌ」があるのですが、これは4幕から構成されるバレエ音楽です。

それをオーケストラ・コンサート用組曲にしたのです。

組曲「ガイーヌ」は1番から3番まであります。ややこしいので、もう一度書きますが、

元来は1つのバレエ音楽です。その中から抜萃して3つの組曲にしたのです。


ところが困ったことに、資料やCDによって、どの曲が何番目の組曲に含まれているのか、

全然整理されていないのです。

例えば、「剣の舞」はガイーヌ第2組曲の終曲だ、という記述が最も多いのですが、

何と第1組曲の第一曲と書いてあるCDも存在するし、Wikipediaには第3組曲の第5曲だ、と書かれています。

整理していると朝までかかりそうなので、適当にやらせて貰います。


◆一応基準としたCD

今回は、ハチャトゥリアン:ガイーヌ組曲第1番 - 第3番を暫定的に基準にして、

分類しています。

まず、第一組曲のIntroduciton。序曲ということでしょうか。

それをどうそ。ハチャトゥリアン:ガイーヌ組曲第1番から「序曲」







同じ第1組曲の第8曲(終曲)「レズギンカ」。西本智実さんのCD、ラヴェル:ボレロに収録されています。






強烈ですね。


◆ガイーヌ第2組曲から。ハチャトゥリアン自作自演の「剣の舞」

第2組曲の終曲が「剣の舞」です。本当はこれは組曲に含まれていなかったのですが、初演の少し前に、

急に加えることになって、ハチャトゥリアンは大急ぎで書き足したらしいのですが、皮肉なことに、これが、

彼の作品の中で最も有名になりました。ハチャトゥリアンは
この曲ばかりこれほど有名になるのなら、書かなければ良かった、と愚痴っていた、といいます。

その前にハチャトゥリアン:ガイーヌ組曲第1番 - 第3番では、

第4曲に"Choosing the Bride"があります。これを聴くと、「あれ?」と思います。剣の舞で使われた旋律が既にココにあるのです。

ガイーヌ第2組曲から"Choosing the Bride"







次がお待ちかね、剣の舞です。

ここは1993年に小澤征爾さんがベルリン・フィルのヴァルトビューネで演奏したときの映像をご覧頂きます。







普通はこれぐらいのテンポです。

ところが、ハチャトゥリアンの自作自演の古い音源がありますが、

すごいテンポなのです。






すごいテンポですね。作曲者は本当はこれぐらいのテンポで演奏して欲しいのでしょうか。


◆第3組曲から「ゴパック」

大分色々載せてしまったので、第3組曲からは、「ゴパック」だけ載せます。

西本さんのCDに収録されています。


ガイーヌ第3組曲から「ゴパック」






締めくくりが今ひとつ、「あれ?これで終わり?」という印象を受けますが、バレエ組曲から抜萃した管弦楽組曲なので、

こうなるのでしょう。本来この後に続くはずです。


◆仮面舞踏会から「ワルツ」と「マズルカ」

組曲「仮面舞踏会」の第1曲「ワルツ」はフィギュアスケートで有名になりましたが、

「仮面舞踏会」はあの1曲ではなく、全部で5曲から構成されています。

とはいえ、「ワルツ」のあの切ない音楽は何ともいえません。西本さんの録音です。


「仮面舞踏会」より「ワルツ」






良いですねえ。切なさがたまりません。ハチャトゥリアンの葬儀ではこの曲が演奏されたそうです。

もう1曲。組曲「仮面舞踏会」より「マズルカ」。


「仮面舞踏会」より「マズルカ」







如何にも「舞踏会」です。

これは、あちらこちらCDが分かれて申し訳ありませんが、ハチャトゥリアン:ガイーヌ組曲第1番 - 第3番

に収録されています。


◆ヴァイオリン協奏曲から第三楽章。


すこし、あれもこれも盛り込み過ぎですが、こういう機会がないと、なかなかハチャトゥリアン特集というのは、

やらないので、最後に少し堅いというか、バレエ音楽をベースにした今までの音楽とは違う、「絶対音楽」です。

つまり今までのはバレエ音楽ですから、背景に何か物語がある訳ですが、そういうのは一切なくて、純粋に音楽だけを

聴いて貰いたい、というのが絶対音楽です。本来交響曲など、全て「絶対音楽」です。



ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 第三楽章。

このCDは、ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲/チェロ協奏曲です。



ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 第三楽章。







ヴァイオリン・ソロのところは、ちゃんとソロが聞こえるように考えて書かれていますが、ソロが休みの時はオケが景気よく鳴ります。

こういうところはハチャトゥリアンの特徴だと思います。

無理に全部お聴きいただく必要は勿論ありません。気が向いたのから、お好き(そう)なのをお聴き頂くと嬉しいです。

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2009.06.06

【音楽・映像】アルゲリッチの誕生日。別府アルゲリッチ音楽祭での伝説的名演(チャイコフスキー)。

◆アルゲリッチみたいな人を「天才」っていうのです。騙されたと思って一度聴いて下さい。

マルタ・アルゲリッチというピアニストがおります。1941年6月5日生まれです。

アルゲリッチに関する詳しいことを書き出したらキリがない。いくらでも調べられますが、

ウィキペディアにリンクを貼っておきます。

嬉しいことに、アルゲリッチは日本びいきでして、特に大分県別府市を訪ねた時に気に入ったらしく、毎年、

アルゲリッチが音楽監督を務める、別府アルゲリッチ音楽祭が毎年開催されます(今年は11回目でした)。

何だか当たり前になっているけど、私は初めて、「別府アルゲリッチ音楽祭」なるものが開催されると言う話を聞いたときには、

まるで夢のような気分でしたね。世界中の超一流オーケストラからソリストとして引っ張りだこのあの人が、

毎年日本に来て、自らの名前で「音楽祭」をやってくれるとは・・・。唖然とするほどの話でした。


話を端折りますが、兎に角ね。「天才ピアニスト」というのは、こういう人をいうの。こういう人なら「奇跡の~」とか

呼んでいいですよ。

今日は、2001年の第3回別府アルゲリッチ音楽祭で、アルゲリッチ自らがソロを弾いた、

かの有名なチャイコフスキー作曲ピアノ協奏曲第一番を、見て聴いて下さい。

兎にも角にも、あんまりクラシックに興味が無い人も、一度、騙されたと思って聴いて下さい。

画面に字幕で出ますが、伴奏のオーケストラは東京芸術大学の学生です

(但し、コンサート・マスターは清水高師さんという芸大の先生。プロです)。

芸大ってのは、こういうレベルなの。演奏終了後のアルゲリッチのインタビューも載せますが、

この天才が絶賛しています。それもよく聞いて下さい。


◆チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

YouTubeですから、例によって楽章の途中でファイルが分かれてしまう部分があります。

全曲が4つのファイルになっています。悪しからず。


Part1 第一楽章冒頭から途中まで。

冒頭のホルンの音、実に見事ですね。繰り返しますが、学生ですよ。





Part2 第一楽章の途中から終わりまで。

0分42秒から、両手でオクターブで弾くところがあります。これ、非常に難しいと思います。アルゲリッチは特に

この日は調子が良かったのか、すさまじい速さで弾き切ります。神業のようです。

5分25秒辺りからカデンツァが始まりますが、鬼気迫るものがあります。




アルゲリッチ、非常に機嫌が良いですね。機嫌が悪いと怖いんですよ。


Part3 第二楽章全体。

この楽章はピアニッシモの弦のピチカートで始まりますので、ボリュームを大きめにしないと、

何も聞こえないかもしれません。録音ミスではありません。

アルゲリッチのソロも全体としてピアノからメゾピアノぐらいですが、音量が弱くても、極めてはっきりと

音が透ります。実に美しいピアノの弱音です。






Part4 第三楽章(終楽章全体)

これはすごいですね。アルゲリッチ、ますます絶好調です。すごいテンポ。

5分30秒付近から、終わりにむかって、どんどんアッチェレランド(段々テンポを速くすること)がかかります。

興奮します。5分54秒。両手ですさまじい勢いで音階的に駆け上がっていくところ。この迫力!

これは文句なしに「ブラボー!!」ですねえ。天下の名人による、名曲の名演です。

なかなかこれほどの名演には遭遇しないものです。



◆本番終了後、アルゲリッチのインタビュー。

この演奏は、アルゲリッチ本人も会心の出来だったようで、上機嫌です。

芸術家は気むずかしい人が多くて、機嫌が悪いと、とりつく島もないのですが、

アルゲリッチとしては、稀に見るぐらいの機嫌の良さです。

オーケストラ(東京芸術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラ。プロも若干混じっているかも)の

前奏を聞いて、音の素晴らしさにハッとした、という意味のコメントがあります。この人、お世辞なんか言わないです。

この天才に認められるぐらいですから、東京芸術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラも大したものです。


Martha Argerich - Interview in Beppu, 2001







嬉しいですね。

くどいようですけど、こういう人を「天才」というのです。「本当に上手いピアニスト」というのです。

真に優れた演奏に接することは、大変重要です。

「優れたもの」と「そうでないもの」の区別が付くようになります。

なお、この演奏会の全てではないようですが、一部をNHKが今月放送するらしいです。

別府アルゲリッチ音楽祭のサイトに放送予定が書いてあります。ご参考まで。

それでは、皆様、良い週末をお過ごし下さい。

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2009.06.01

【YouTube】ベートーヴェン:「エグモント序曲」聴き比べ。カラヤン、アバド、バーンスタイン、ショルティ

◆今日はベートーヴェンの何かでもエグモントの何かの日でもないんですが。

今日は、ずっと寝ていまして、ニュースを見ても、あんまり頭に入らない。

今週は、GM(ジェネラル・モーターズ)破綻について、1日月曜日、オバマ大統領が発表することが分かっていて、

その後、マーケットがどうなるか見てからじゃないと、何ともいえないので、

時事評論は止めて、二日続けて音楽になりますが、悪しからず。


◆昔からエグモント序曲が大変好きなんです。

私は、クラシックを聴き始めた子供のころから、この「エグモント序曲」が大好きでして、

冒頭の何か不吉な予感のする、思い響きと、主部に入ってからの何ともいえない悲壮感。

特にチェロ、コントラバスの地の底から響くような音。ヴァイオリンが半音ずつ下がる音型を弾きながら、

音域が次第に上がっていって、ティンパニが爆発するところ。

コーダ直前の総休止。コーダに入ってからのクレッシェンド。炸裂するトランペットの咆哮。

ヴァイオリンが三連符をフォルティッシモで弾く有り様、全て好きです。


演奏時間は8分台後半から9分台前半で、YouTubeにもファイルを分けずにアップ出来るので、巨匠の演奏が

沢山見られます。聞きくらべ、見比べるのも面白いかと思います。


◆カラヤン=ベルリン・フィル

最初はカラヤン。1983年の演奏とあります。



コーダに入ってからのテンポが速いですが、慣れると、それがたまりません。管楽器を倍にしてます。

(本来、2管編成の曲ですから、各パート1人で良いのですが、演奏開始間もなく分かりますが、トランペット4人いるでしょう?

他の管楽器もそうしています。「倍管」といいますが、倍管は他の指揮者もよくやりますが、カラヤンは特にごく普通にやります。


◆アバド=ベルリンフィル(サブコン:安永さん)

カラヤンの後任のアバドは、カラヤンのように支配的ではなく、オーケストラが自主的に弾く意欲を

上手く引きだしていると思います。2002年の演奏です。


管楽器は倍管にしていません。その為(YouTubeは音質が悪いから単純比較出来ませんが)、カラヤンよりは、音量は

小さいかも知れませんが、この曲が持つ、火のような激しさは良く表現されていると思います。


◆バーンスタイン=ウィーン・フィル

晩年、ウィーン・フィルから「カラヤンとバーンスタインならいつでも振って欲しい」といわれたほどの人です。

(一生に一度もウィーン・フィルの指揮台に立てない指揮者が99%なんですから、如何に才能を評価されていたか分かります。

何年の演奏か分かりませんが、まだ比較的若い頃です。バーンスタインは若い頃、ニューヨークフィルハーモニックを

振っていた頃は良く指揮台でジャンプしていましたが、この映像で、6分25秒ぐらいで、少しですが、跳んでます。

まだ元気だった頃ですね。


バーンスタインもオーケストラに細工をしたくないのか、二管編成のままです。

意外に伝統的な演奏スタイルです。

そして、バーンスタインは、こんなの暗譜しているはずなのに、敢えてスコアを置いて演奏しています。


◆ショルティ=シカゴ交響楽団

今日、載せるなかでは唯一のアメリカのオーケストラです。

コーダに入ると、カラヤン並みのテンポになります。ちょっと驚きました。



ショルティも譜面を置いていますね。
◆全体的な感想。

この曲はプロのオーケストラのプレイヤーにとっては、技術的には決して難しくないと思いますが、

指揮者もプレイヤーも、顔付きが違う。ベートーヴェンとモーツァルトでは決して「遊び」が入る余地がない、

と、故・岩城宏之さんが書いていましたが、なるほどと思います。バーンスタインとショルティが、暗譜で振っていないことも、

興味深いです。ベートーヴェンの作品は何度演奏しても、演奏者が気を引き締めざるを得ない何かがあるようです。

それでは。

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2009.05.20

5月18日はマーラー(1860-1911)の命日でした。「さすらう若人の歌」、交響曲1番3楽章、5番「第1楽章」「第四楽章アダージェット」

◆マーラーは歌も書いていて、それが交響曲に使われているんです。

最初に白状してしまうと、私はマーラーは詳しくないのです。全然。彼の交響曲を全部聴いていません。

マーラーの交響曲では、大抵、私の好きなトランペットが活躍しますが、

今までは、その中でも特にトランペットが大活躍する交響曲第5番ばかり取りあげました。

今日も取りあげるのですが(笑)、それだけではいくら何でも、何とかの一つ覚えなので、

交響曲第1番から第三楽章を聴いて頂きます。非常に切なく、美しいのです。

ただ、マーラーは交響曲ばかりではなく、歌も書いていまして、その旋律を交響曲に使っているのです。

だから、本当は、彼の歌も聴いておくと、交響曲を聴いたときにも面白いのですが、全部アップしたら大変です。


彼が最初に書いた交響曲、第一番「巨人」は名前からは想像し難いのですが、第3楽章が大変美しいのです。

そこでも歌曲集「さすらう若人の歌」 の第4曲「恋人の青い瞳」が使われています。ちょっと暗いですけど、

まあ、マーラーは大抵暗いです(笑)。

それでは、歌曲集「さすらう若人の歌」 の第4曲「恋人の青い瞳」をまずお聴き下さい。


歌は、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウという名バリトンで、もしクラシック通を自称するけど怪しい人がいたら、

「フィッシャー・ディースカウ知ってるよね?」と訊いてみてください。知らなかったら、モグリです。

CDは、マーラー&シューマン:歌曲集です。録音は古いですが、

何しろ、伴奏の指揮をしているのがフルトヴェングラーって、カラヤンの前のベルリンフィルの音楽監督だった人で、

1950年代の録音ですから、これでも大分聴きやすくしてるんです。辛抱して下さいませ。

とにかく、これは上手い演奏なのです。

しかし、ずーっと暗いですからね。飽きたら無理して最後まで聴かないでも良いです。



◆交響曲第一番「巨人」第三楽章。切ない・・・・。

さて、この歌がそのまま、丸ごと使われている訳じゃないのですが、一部使っているのが同じ時期に作曲された、

マーラーの交響曲第1番です。その第3楽章に使われています。こちらは最初コントラバスのソロが出てきます。

珍しい。そして、再生開始後2分半を過ぎたあたりから、オーボエが切ない旋律を吹き、トランペットが重なります。

オーボエの旋律はヴァイオリンに引き継がれます。これがたまらなく切ない。泣ける。これを聴いて頂きたい。


マーラー作曲:交響曲第1番「巨人」より第3楽章。演奏は、オトマール・スイトナー 指揮、シュターツカペレ・ドレスデン

(ドレスデン歌劇場管弦楽団。超一流です)。







地味ですけど、最初から一定のリズムを刻んでいるティンパニ。これ、神経使うと思いますよ。

こんな簡単なの、と思われるかも知れませんが、そうじゃないの。上手い人は音が違うのです。

そしてティンパニでも「歌っ」ているんですよ。


因みにこれは交響曲1番の第三楽章ですけど、出来たら一度、生かテレビで終楽章まで見て下さい。

音楽も壮大ですが、終わり近くになると、ステージ上で、視覚的に「アッ!」と驚くような演出があります。

それはネタバレしたら面白くないから書きませんけど、プレーヤー、指揮者が勝手に行うことではなくて、

マーラーがスコアに指示しているのです。クラシックで普通、こういうのはありません。


◆毎年恒例、交響曲第5番の第一楽章と、第四楽章「アダージェット」ですが、今年は映像です。

古今東西、数え切れないほどの作曲家が交響曲を書きましたが、マーラーの5番は大変エキサイティングです。

冒頭の12小節、音をだすのは、1人のトランペット奏者だけです。音域的、技術的にはプロならそんなに難しくないけど、

何しろ、曲の冒頭ですから、ここで音がひっくり返ったら、酷なことを言えば、

はい、今日のマーラーの5番はお仕舞い。

といっても過言ではない。そういう物なのです。本当にプロというのは大変だと思います。

そういうプレッシャーに耐え続けられる人だけがプロになれ、首席奏者になることができるのです。

私はロンドン駐在時代に、ロイヤル・フェルティバル・ホールで、

フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン・フィルの4つのオーケストラで4回この曲を

聴きました。どのオケも一流なのに、なんと4人のうち、二人は冒頭のソロに失敗しました。

この曲を聴きに行くときは、自分が演奏する訳じゃないのに、私は極度の緊張状態に陥ります。

スイマセン。毎年同じ事を書いています。分かっているけど書きたくなってしまうんです。

それでは、マーラー作曲、交響曲第5番 嬰ハ短調 より、まず、第一楽章をお聴き下さい。

演奏は、今年は、音質は落ちますが映像と共に。かなり前のものですが、バーンスタインが、ウィーン・フィルを指揮したものです。

トランペット・ソロは長年、ウィーン・フィルの首席を務めたアドルフ・ホラー先生です。


第一楽章(1/2)





第一楽章(2/2)




冒頭も緊張しますが、楽章終わり近くのギリギリのピアニッシモも、息が止まりそうです。


次は、これまでに何度も聴いて頂きました。マーラーの全ての交響曲の中で最も有名な楽章かも知れません。


第四楽章、アダージェット(1/2)





第四楽章、アダージェット(2/2)





これも、毎年、馬鹿の一つ覚えのように同じ事を書きますが、ぞっとするほど美しい。弦楽器の表現力の

奥深さがよく分かります。神経を使うだろうと思います。弦楽器奏者達が楽器を弾くときの弓の動きの遅さ、に注目して下さい。

遅いほど難しい。音が揺れやすい。音質にムラが出たり、下手なら音がかすれたりしやすい。

勿論天下のウィーン・フィルですからそんなことは有りませんが、最後、消えるようにディミヌエンドするところ。

バーンスタインは音を切ってないでしょ?限りなく無音に近づく極限の弱音まで音量が下がり、自然に終わる。

生で聴いていると、息をするのも憚られる。こちらの心臓の鼓動が他の人に聞こえて、音楽を邪魔するのではないか

という錯覚に陥ります。

終楽章の冒頭がちょっと入っちゃってますが、これは無音のところで、切って欲しかったです。

しかし、他人様がアップしてくれた映像だから、文句言えません。

今日は完全に自己満足のブログでした。ご容赦のほど。

それでは。

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2009.05.13

【音楽】5月12日はスメタナの命日。「モルダウ」「売られた花嫁」

◆少々疲れていまして、説明は最小限にさせて頂きます。

スメタナはチェコの作曲家です。詳しくはウィキペディアをご参照下さい。

彼の代表作の一つに必ず挙げられるのが「我が祖国」です。6つの交響詩全体で「我が祖国」なのですが、

2曲目の「モルダウ」が最も親しまれており、有名です。

これを、スメタナの祖国、チェコの一流オーケストラ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、ご覧下さい。

指揮は、やはりチェコの指揮者、ラファエル・クーベリックです。

ここにはYouTubeから拾ってきた画像を載せますが、勿論、同じコンビによるCDがあります。スメタナ:わが祖国です。

因みに来日公演時のDVDもありますが、当然少し高くなります。

NHKクラシカル ラファエル・クーベリック チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1991年日本公演です。


◆演奏をお聴き下さい。

スメタナ:「我が祖国」から「モルダウ」です。(1/2)

いつも書いているように、勿論、人それぞれ好みがありますが、曲が始まって間もなくヴァイオリンで奏される旋律、

綺麗だと思わない方は、あまりいないのではないかと思います。






「モルダウ」(2/2)続きです。




最後近くのトランペット、カッコイイのですが、二人がうまくあわせないと何を吹いているか分からなくなります。

どうしてああいう譜面にしたのかとおもうのですが、聴く方は気楽ですが、トランペットは大変です。


◆「売られた花嫁」序曲

これは、大変面白くて、最初の部分がフーガになってます。

第2ヴァイオリンが最初に弾き始め、次いで、第1ヴァイオリン→ヴィオラ+チェロ→コントラバス、の順で、追いかける。

コントラバスなんて、こんな速いの弾けるのかいな?と思うのですが、そこは、ベルリン・フィル。

これは、画像を見ると明らかですが、マリス=ヤンソンスが、ヴァルトヴューネを振った時のものですね。



スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲



モルダウはしっとりですが、こちらは大変快活です。このコンビのレコードは無いと思うんです。

お薦めするとしたら、バーンスタインが若かりし頃、ニューヨーク・フィルハーモニックと録れた、

ドヴォルザークとカップリングされた、Sym.9, Carnival Overture, Etc: Bernstein / Nyp +smetana

が良いのではないかと思います。

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2009.05.11

首相へのメール「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」

◆きっかけとなった出来事は「森光子 国民栄誉賞」です。

それが、別にいけない、という理由はないのですけれど。

◆記事:<森光子さん>国民栄誉賞受賞へ 17人目(5月11日19時34分配信 毎日新聞)

河村建夫官房長官は11日の記者会見で、女優の森光子さん(89)に国民栄誉賞を授与すると発表した。

今月下旬に正式決定する。森さんは9日、主演する舞台「放浪記」(菊田一夫作、三木のり平潤色・演出、北村文典演出)で、

上演回数2000回を達成した。

授与理由について河村長官は「2000回の大変な金字塔を立て、他人ではまねができない大事業、

前人未到の業績だ。麻生太郎首相も国民栄誉賞に十分値すると判断した」と述べた。(注:以下、略)

森光子さんに国民栄誉賞ねえ。まあ、大衆の支持を得る為にはこの方が「効果的」だろうが、

私は黙っていられなくなった。ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年務めた安永徹さんは、

独政府から、「独功労勲章・功労十字小綬章」を授与された。

つい先日、5月5日、首相は訪独し、メルケル独首相と首脳会談を行った。

その後の記者会見の一問一答は首相官邸ホームページに載っているが、

ベルリン・フィルの「ベ」の字も安永徹さんの「や」の字も出てこない。


独政府側から何も言わないのは、
「貴方の国の音楽家に先日、勲章を授与したのですが?」

と言ったら恩着せがましくなり、かつその事実を知らなかった麻生首相に恥をかかせることになるからである。

これは、日本人として、又、日本国として、恥ずかしい。

そこで私は、首相官邸の「ご意見フォーム」にメッセージを書いた。私の実名は伏せるが、全文をここに載せる。


◆首相宛メッセージ:「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」

麻生太郎内閣総理大臣殿

私は、東京都○○区に住む、○○○○と申します。48歳で妻と1人の息子がいる平凡な音楽好きのサラリーマンです。

本日11日、官房長官が記者会見で女優の森光子さんに「国民栄誉賞」を授与なさるとの発表に接しました。

森光子さんの女優としての業績は無論、偉大であります。



しかしながら、総理は、ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団という世界一のオーケストラで、

第一コンサートマスターを25年もの長きにわたり務めあげ、ドイツ政府から勲章(「独功労勲章・功労十字小綬章」)まで授与された、

日本人ヴァイオリニスト、安永徹さんを御存知でしょうか。



ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とは、故・ヘルベルト・フォン・カラヤンが長く音楽監督を務めていた、

紛れもなく世界超一流の管弦楽団です。そのコンサートマスターになる、ということが如何に大変か。

これは大変僭越ではございますが、私の個人的な「ブログ」に書いた文章をお読みいただいた方が早いと存じます。

2009.02.05

「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-6dfe.html



2009.02.22

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-4029.html



2009.02.28

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-2a24.html



総理が音楽をお聴きになるかどうかは存じ上げませんが、この、伝統ある、由緒正しい、

世界一のオーケストラの入団オーディションに合格する、ということだけでも、大変なことなのです。

そして、コンサート・マスターになるためには、また別のオーディションに合格し、それから1年半の試用期間を経て、

更にドイツ人の楽員達が話し合い、3分の2以上の賛成を得られなければなりません。



コンサート・マスターはヴァイオリンの首席奏者であるだけではなく、弦楽器群の総リーダーであり、

さらに全オーケストラと指揮者の意思疎通を円滑にする重責を担っています。

極端に言えば、指揮者が少々下手でもコンサート・マスターが一流ならば、オーケストラはコンサート・マスターを見て演奏します。

安永さんはその重責を四半世紀にわたり続けてこられた方で、日本の誇りと言っても決して過言ではありません。

安永徹さんご本人は、あくまで、真摯で謙虚な方なので、勲章とか国民栄誉賞を欲しておられないでしょうが、

これを日本政府が「知らない」のは、問題だと存じます。



安永徹さんは、3月31日付で退団なさいました。

先日、総理は訪独され、メルケル首相と会談なさったそうですが、大変失礼ながら、

彼の国が日本人音楽家の功績を讃え勲章を与えて下さったことに対して、日本政府として返礼はなさっていないのではないでしょうか?



外交儀礼上の問題に関してはかつて外相をお務めになった麻生総理の方がお詳しいでしょうから、

私は何とも申せませんが、少なくとも文化的見地から、日本政府がこの件を全く認識していない、ということは、

はっきり書かせていただきますが、甚だ無教養、非文化的であると存じます。独政府がそう感じても不思議はない、と思います。



森光子さんを讃えるな、とは申しませんが、総理の御著書「とてつもない日本」にまさに当てはまる、

「とてつもない」偉業を成し遂げた日本人音楽家の存在を、麻生太郎内閣総理大臣に知っていただきたく、

一筆差し上げた次第でございます。



甚だ、突然かつ非礼な言辞を弄し、また、乱文かつ長文になったことをお詫びいたしますが、

このメッセージが麻生太郎内閣総理大臣に届くことを願って止みません。

失礼申し上げました。

平成21年5月11日 ○○○○

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2009.05.09

【音楽・映像】キーシン=カラヤン、ベルリン・フィル(コンマス安永徹さん)チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番、他。

◆5月7日は大作曲家二人(ブラームス・チャイコフスキー)の誕生日でした。

昨日、5月7日はブラームス(1833-1897)とチャイコフスキー(1840-1893)の誕生日なのです。

無論偶然ですけれど、調べていると結構こういう偶然があります。

例を挙げるとキリが無いので止めておきますが、ブラームスとチャイコフスキーは殆ど同じ時代を生きているのですね。

今頃気が付きました。

ブラームスの音楽は昨年の5月7日に紹介しました。

2008年05月07日(水) 5月7日はブラームスの誕生日です。綺麗な曲。楽しい曲。ココログ

と、リンクを貼ってから後悔してます。去年も全く同じ書き方している。ブラームスとチャイコフスキーの誕生日が同じだ、と。

忘れている。恥ずかしいですが、仕方がない。


◆今年はチャイコフスキーです。ピアノ協奏曲第1番。ベルリン・フィル1988年ジルベスターコンサートです。

最近お気づきのように、YouTubeの画像を用いることが多いです。音質はやや落ちても音だけ聴いているよりも、

オーケストラは見た方がより楽しい。


これからごらん頂くのは、1988年の大晦日。ベルリン・フィル恒例のジルベスター・コンサートです。

チャイコフスキーの有名なピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23 です。

ピアノ・ソロはロシアのピアニスト、エフゲニー・キーシンです。1971年生まれですから、このコンサートの当時は、

まだ17歳の少年です。カラヤンの生涯は、1908年4月5日 - 1989年7月16日。つまり、このコンサートの7ヶ月後にカラヤンは

亡くなったのです。勿論カラヤン本人はこのコンサートの頃はそんなことは思っていなかったでしょうが、結果的には、

これから羽ばたこうとする若い才能を最晩年の巨匠が伴奏している訳で、そう思って、見ていると泣けてきます。


もう一つ大事なポイントは、コンサートマスターが安永徹さんだ、ということです。1985年に正式に第一コンサートマスターに

就任し、3年経った安永さんの晴れ姿。色々な思いが交錯して余計泣けてきます(これは私の勝手な個人的思い入れです)。


演奏を聴きましょう。

チャイコフスキー作曲:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23です。

5つのファイルの分かれています。第1楽章が長く、Part1~Part3の7分30秒ぐらいまで続きます。


チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(1/5)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(2/5)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(3/5)(7分38秒辺りから第2楽章になります)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(4/5)(第2楽章の終わりまで)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(5/5)(第3楽章全部です)






弾き終わった後のキーシンはまだお辞儀などぎこちなく、微笑ましいです。

しかし、演奏は立派なものです。カラヤンの音楽への情熱がひしひしと伝わってきます。

私はこれを、NHKが放送したときに見ました。キーシンがカラヤンに抱きつくのです。胸が熱くなったのを、

良く覚えています。


◆2008年1月。「カラヤン生誕100周年記念コンサート」。小澤征爾=ベルリン・フィル(コンマス・安永徹さん)「悲愴」第3楽章。

キーシンとカラヤンが最初で最後の共演をした翌年、カラヤンは亡くなりました。昨年、カラヤンの生誕100年を記念するコンサートで、

小澤征爾さんが、チャイコフスキー、交響曲第6番「悲愴」を指揮した映像。前回から19年1ヶ月後、安永さんはコンマスの席におられます。


チャイコフスキー、交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」より第3楽章です。






生前、カラヤンは小澤征爾さんの才能を高く評価し、小澤さんもまた、カラヤンを尊敬していました。

20年を経ても、コンサート・マスター、安永さんの真摯な演奏は全く変わりません。立派なものですね。

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2009.05.06

【音楽・映像】ストラヴィンスキー「プルチネルラ」(管弦楽組曲)。

◆ストラヴィンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」、1920年5月5日に初演されました。

実は、昨年6月にこの曲を紹介しています。

2008年06月18日(水) 6月17日はストラヴィンスキー(1882~1971)の誕生日。組曲「プルチネルラ」という楽しい音楽。ココログ)。

ストラヴィンスキーは生涯で何度も作風を変えた人で、当時としては超前衛的な「春の祭典」などを書いた後、

「バッハへ帰れ」などと言い出しまして、「新古典主義」と呼ばれる時期に入ります。

「プルチネルラ」はバレエ音楽で、18世紀のペルゴレージという作曲家の作品やその断片を元に書いています。

バレエのプルチネルラは1920年5月5日に初演されましたが、他のストラヴィンスキーのバレエ音楽と同じように、

管弦楽用組曲として1922年に改めて発表されました。


◆去年はオルフェウス室内管弦楽団のCDの一部を載せましたが、今日は映像と共に全曲をどうぞ。

YouTubeで"Pulcinella"を検索したら、ズービン・メータが指揮している全曲の映像が

見つかりました。私は何処のオーケストラか分からなかったのですが、mixi上で、

「どなたか、どこのオケ(オーケストラ)か分かりますか」と日記に書いたら、このブログからも

リンクを貼らせていただいている、プロのクラリネット奏者、Nべさんが、

たちどころに、

首席フルート奏者が、以前パイパーズでインタビュー受けてた、ヨシ・アルンハイムだと思われます。

と教えて下さいました。流石です。調べたらその通りでした。


というわけで、ズービン・メータが指揮、イスラエル・フィル(Israel Philharmonic Orchestra)による、
ストラヴィンスキー:「プルチネルラ」組曲をどうぞ。

全部で8曲から構成されています。

I. Sinfonia

II. Serenata_ Larghetto

III. A) Scherzino, B) Allegro, C) Andantino

IV. Tarantella

V. Toccata_ Allegro

Vi. Gavotta_ Allegro Moderato

VII. Vivo

VIII. A) Minuetto, Molto Moderato
画像は3つのファイルに分かれます。


プルチネルラ(1/3)III.B) Allegroの途中まで。



プルチネルラ(2/3)III.B) Allegroの残りの部分から、Vi. Gavotta_ Allegro Moderatoの途中まで。



プルチネルラ(3/3)
Vi. Gavotta_ Allegro Moderatoの残りの部分から最後まで。

VII. Vivoは面白いですよ。トロンボーンとコントラバスが活躍します。

最後の曲では、トランペットが繰り返し同じ音型を吹きますが、最後の高い音、何度も吹いて

全く外さない、というのは(それが当たり前なのですが)かなり難しいです。



と言うわけです。

CDはもう一度、オルフェウス室内管弦楽団のCDをお薦めしたかったのですが、製造中止で、中古が入ってくるのを待つしか無いようです。

同じぐらいお薦め出来るのは、アバド=ロンドン交響楽団の録音。「火の鳥」とのカップリングです。

アバドが若い頃の演奏です。が、私は一度、アバドの棒で「プルチネルラ」を聴きました。素晴らしかったです。

このCD、良いと思います。

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2009.04.28

【音楽・映像】西本智実さん(指揮者)の演奏をいくつか。良いと思うんです。

◆今までにも何度か、お薦めしました。映像は今日が初めてです。

私が最初にこの指揮者について書いたのは約2年前でして、

2007年03月02日(金) 西本智実という指揮者は、性別と無関係に、なかなか、いい。ココログ

というタイトルを付けていますが、偉そうですね。生意気ですね。

何でこんな書き方したんだろ?汗顔の至りでございます。申し訳ございません。


それから1年後、昨年、もう一度お薦めしてます。

2008年01月18日(金) 昨年3月、西本智実という指揮者はなかなか、いい、と書きましたが、やはり当たってるようです。お薦めDVD ココログ

結局同じ、ボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵をお薦めしています。

御常連の読者の方はお気づきだと思いますが、私は最近になって、やっとYouTubeから動画を検索してアップする、

という、音楽の紹介方法があることに気が付いたのです。

「何故、今まで気が付かなかったのだ?」

と訊かれても、答えようが無いんです。要するにあまりYouTubeを見たことが無かったから、

発想になかったのですね。

今日は西本さんの演奏を音と映像でお楽しみ頂きたい、と思います。

この人、良いと思うのです。


◆ヴェルディ:「運命の力」序曲

これは、幻想交響曲 [DVD]にカップリングで収録されている演奏でしょう。

まあ、どうぞごらん下さい。

ヴェルディ:「運命の力」序曲



抑えすぎず、鳴らしすぎず、良いセンスだと思います。オーケストラはチェコ国立管弦楽団ですが、

プレイヤーが西本さんを見ていますよね。オーケストラが「てやんでえ」と思っていたら、白けた演奏になります。


◆ベルリオーズ:「幻想交響曲」より第四楽章「断頭台への行進」

「運命の力」が収録されているのと同じDVD。勿論こちらがメインプログラムです。

私は、この楽章大好きなんですけどね。いいですよ。

トランペット(本当はコルネットという楽器で吹くのですが)が高らかにマーチを奏でる部分の始め、

惜しいのですが、一瞬映像と音が跳んでます。が他は普通に聴けます。



あのね。良いのだけどね。生で聴いてないから本当は軽々しく書くべきではないんですが、

非常に真面目な、演奏だし、バランスも良く、奇を衒った所もない「良い演奏」なのですが、

この楽章は、オーケストラのダイナミック・レンジ(最弱音から最強音までの音量の幅)を、

もっと大胆に使って良いように思います。最初思い切りピアニッシモで初めて、マーチの部分や

最後コーダの所は、もう少しガンガン鳴らしても良いように思います。ただこれは趣味、解釈の問題です。


◆「ボレロ」

これが、2年前からお薦めしているDVDボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵の一部ですね。

2002年、ロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”の首席指揮者に就任し、その記念に2003年5月にモスクワ音楽院大ホールで行われた、

コンサートの録画です。ボレロの盛り上げ方が上手い。ヤバいのは、指揮者が自分だけ興奮して盛り上がり、

オーケストラが「シラーっ」としてしまう演奏で、これは素人でも客席で見ていると嫌なものですが、

西本さんテンポも乱れないし、クライマックスを上手に作っています。最後が最強音になるべき曲ですから、

逆算して、どこからどれぐらいの割合でクレッシェンド(曲全体に大きなクレッシェンドがかかっている曲ですから)を

かけるか、というのはある程度場数を踏まないと分からないのではないかと思います。

西本さんはこれが何回目の「ボレロ」か知りませんが、余裕を感じます。

なお、再生時間の都合上2つのファイルに分かれます。悪しからず。


ラヴェル:「ボレロ」(1/2)





「ボレロ」(2/2)



良いでしょ?このオーケストラも上手いんですよ。なかなか。


◆チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第3楽章

これは、チャイコフスキーの5番と6番が録れてあるDVDです。

2006年にチャイコフスキー記念財団ロシア交響楽団との来日公演を行ったときのもの。

交響曲第5番、第6番『悲愴』 西本智実&チャイコフスキー記念財団ロシア交響楽団



ます、交響曲第6番「悲愴」の第3楽章。景気のいいマーチです。



オーケストラが良くなっています。ロシアのオーケストラは元々馬力がありますけど、指揮者が余計なことをして、

邪魔をしていない。各プレーヤーの演奏に対する自発性・能動性を引き出しているように、思われます。


◆チャイコフスキー交響曲第5番 終楽章

言うまでもなく、ロシアのオーケストラのとって、チャイコフスキーの5番、6番なんてのは十八番中の十八番で、

やれ、と言われれば指揮者がいなくても最初から最後まで弾けてしまうでしょうが、そこに日本人である西本智実さんが

乗り込んでいって、多かれ少なかれ注文を付けているはずですね。ロシア人にしてみれば、「日本人のオネエチャンより、

俺達の方が余程、曲を知っているよ」という感覚で、反抗的になっても不思議はないけど、西本智実さんの音楽的動機には、

合理性と説得性があるのでしょう。ロシア人のプレーヤーがよく西本智実さんの棒を見ています。

それだけでも、大変なことだと思います。良い演奏です。

チャイコフスキー:交響曲第5番 第四楽章(1/2)(これも二つのファイルに分かれます)





チャイコフスキー:交響曲第5番 第四楽章(2/2)





ロシアのオーケストラを相手にチャイコフスキーを振るということは、白人が「忠臣蔵」の演出をするようなもの。

西本さんがものすごくチャイコフスキーのスコア(総譜)を勉強したであろう事は想像に難くありません。


◆ハチャトゥリアン:「ガイーヌ」第1組曲より「レズギンカ」

これは、CDは一ヶ月ほど前にお薦めしました。

【音楽】西本智実さんのCDで、お薦めがあります。ココログ

DVDでは、時間が前後するのですが、最初のオーケストラ、ロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”の首席指揮者当時、

2004年のニューイヤーコンサートで演奏したものです。

西本智実 / Russian Bolshoi.so New Year's Concert 2004 Moscowです。

これいいですね。楽しい曲ばかり。

ここでは、その中のひとつ。「ガイーヌ」第1組曲より「レズギンカ」をごらん下さい。

プログラムで1度演って、これはアンコールで、もう一回演奏したときです。

「ガイーヌ」第1組曲より「レズギンカ」



スネアドラム(小太鼓)の強烈なリム・ショット(太鼓の縁をスティックで叩く)が印象的です。オーケストラがノッてますね。

トランペット、難しそうだなあ。それはさておき、こういう「ノリ」を引き出せるのは、

指揮者として大変重要な資質だと思います。演奏後、ブラボーが飛んでいます。


やはり、西本さん、いいですよ。ただ、ロシアものから入ったからね。

クラシックの棒振りならば、ドイツ・オーストリア音楽をいずれ聴かせて頂かなくてはなりません。

つまり、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの交響曲など、です。

それはともかくDVD高いですけど、レンタルも中古もありますし、YouTubeもありますから、

連休中、このような演奏と映像をごらんになってみては如何でしょう?

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2009.04.25

【音楽】ベンジャミン・ブリテン 「青少年のための管弦楽入門」(音と映像)

◆曲名から軽く見られがちなのですが、名曲なのです。

今回は、小学校か中学校の「音楽」の時間に、聴かされた方もいらっしゃるであろう、

英国の作曲家、ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten )(1913-1976)の管弦楽曲、

「青少年のための管弦楽入門」を「見て」いただきます。

正式には、「青少年のための管弦楽入門 - パーセルの主題による変奏曲とフーガ 作品34」

(The Young Person's Guide to the Orchestra - Variations and Fugue on a Theme by Purcell, op. 34)ですが、

長い名前を覚える必要はありません。お勉強じゃないですから、どうぞお気楽に。


この曲は、「青少年のための~」というタイトルが邪魔してます。

殆どの場合、「青少年のための管弦楽入門」は、プロコフィエフの子供用の作品、「ピーターと狼」、サンサーンスの冗談音楽「動物の謝肉祭」と共に、

一枚のCDにカップリングされていますが、ブリテンの作品は「入門用」として子供が聴く音楽、という概念を超えて(勿論子供が聴いてもいいのですが)、

普通のコンサートのプログラムに載せて、大人が鑑賞する価値があります。


◆この曲こそ、本当は演奏を見なければ、面白くないです。

最近、このブログでは、音だけでなく、オーケストラを「見」て頂くためにYouTubeの画像を用いています。

オーケストラは、見るものでもあります。

特に、この曲など、その典型です。音楽だけ聴かせて、これがフルートだ、ファゴットだといってもつまらない。

映像が伴って、初めて、どの楽器が何という名前で、どういう音を出すのか、はっきり分かります。


◆映像は二つのファイルに分かれます(YouTubeは10分までなので)。Part1

まずパート1です。演奏は、マイケル・ティルソン・トーマス指揮、ロンドン交響楽団です。

イギリスという国は、何故か大作曲家が出ない国で、20世紀のブリテンがこの曲に使った主題は、

ヘンリー・パーセル(1659-1695)という17世紀の作曲家のものです。

(余談ですが、今、気が付きましたけど、パーセルは、今年、生誕350年ですね。)

まず、聴いていただきます。最初は、オーケストラ全体の演奏(総奏=テュッティ)で壮大にパーセルの主題が演奏され、

その後、その主題を木管合奏→金管合奏→弦楽合奏→打楽器合奏の順で繰り返します。

オーケストラは大きく分けると、この四つのグループから出来ているのだよ、ということを紹介しているわけです。




次に主題が、オーケストラの各楽器で変奏されます。再生開始後の時間を書き留めました。

完全に正確ではないですが、分かると思います。再生開始後の時間と楽器名。因みに,、「2:00」は「2分0秒」です。

まず、木管楽器

2:00 フルート。華やかです。

2:17 ピッコロ。一番小さい楽器なのに、ものすごく音が、通ります。オーケストラの最高音はこの楽器が出します。

2:36 オーボエ。オーボエは古くからオーケストラに使われている楽器です。色々なことができますが、ここでは哀愁を帯びた音色に着眼しています。

3:36 クラリネット 何でも出来てしまうクラリネット。音域が広く。高音域と低音域で音色が違う。そのコントラストがよく出ています。

4:20 ファゴット(英語だとバスーン)。木管楽器の最低音域を担当します。鼻にかかったような音色が独特です。滑稽な感じを出すことも出来ます。


弦楽器セクションになります。

5:15 ヴァイオリン。オーケストラの「心臓」です。

5:46 ヴィオラ。メロディを弾くヴァイオリンと、低音楽器は目立ちますが、内声部を担当するヴィオラは普段、なかなか裸で音が

聞こえないけれども、内声がいるから、ハーモニーが充実する。大事な楽器です。

6:45 チェロ。コントラバスと一緒に低音でオーケストラの響きをささえることも、表に出てメロディーを弾くこともあります。

7:45 コントラバス。ここはブリテンはコントラバスに親切です。普段は低音ですが、このように流麗にメロディーを弾くことも

出来るのですよ、コントラバスは。と言っているようです。弓の持ち方、よく見て下さい。

チェロと同じような持ち方です。フランス式です。

ベートーベン 交響曲第7番 終楽章 聴き(観)比べ。のN響を見て下さい。

弓の持ち方が違うでしょう?日本のオーケストラはドイツ式なのです。

英語圏(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど)のオーケストラは大抵フランス式です。

コントラバスの弓の持ち方を見れば、そのオーケストラがドイツ式かフランス式か、分かります。


◆「青少年のための管弦楽入門」(Part2)





ちょっと、キリが悪いのですが、コントラバスが途中で途切れ、残りがこのPart2で演奏されます。

0:33 弦楽器の一種と言えますが、これまでと違う、弦をはじいて音をだす、御存知、ハープです。

世界中のオーケストラを調べた訳ではありませんが、ハープは女性奏者が多い。

しかし、ロンドン交響楽団、珍しく男性です。尤も、長年女性の入団を認めなかったウィーン・フィルは、

当然、ずっと男性でした。日本のハープ奏者も大抵女性ですが、日本のハープの先生の元祖はモルナールさんという方で、

やはり男性奏者です。

弦を低音から高音、又はその逆に連続的に撥じく、ハープの「グリッサンド」には独特の効果があります。


次は、金管楽器になります。

1:20 ホルン。オーケストラではホルン四本で使われることが多い。ハーモニーの美しさ。ベル(開口部)が、

他の金管と異なり前を向いていないことが、独特の響きの一因です。

2:05 トランペット。如何にもトランペットらしい、信号ラッパのリズムです。この楽器の音は皆さん御存知でしょう。

2:32 トロンボーン。この堂々とした音。トロンボーンは派手な音も出せますが、音が互いに良く溶け合い、ハーモニーが

やはり、大変美しい。ホルンがフォルテで吹くと、トロンボーンと紛らわしいことがあります。

2:47 テューバ。金管の最低音域を担当します。トロンボーンよりさらにオクターブ低い。何故か姿が映りません。


最後に打楽器です。

3:40 一番大事な打楽器、ティンパニ。太鼓ですが、音程が変えられます。このため、リズムを強調するだけでなく、

コントラバスなどと共に、オーケストラの低音を補強することもあります(ブルックナーとかね。特に)。

4:01 バス・ドラム(大太鼓)とシンバル。ここぞと言うときの強打の印象が強烈です。

4:10 タンバリン。手に持って叩きますが、周りに小さなシンバルが沢山付いている。なかなかいい音を出すのが難しいです。

4:15 トライアングル。小さい楽器ですが、音を鳴らしたら、必ず聞こえます。間違えたら直ぐにバレる、ということです。

4:21 スネア・ドラム(小太鼓)。打楽器の基本は小太鼓なのです。木製のスティックのバウンドをコントロールするのが、

大変難しい。片手で2回以上ずつ叩いて、「ザーッ」と持続音にする独特の効果を上げる「ロール」という奏法もあります。

かの有名な「ボレロ」は小太鼓が無くては始まりませんね。

4:31 シロフォン。木琴です。マリンバも木琴ですが、あれはアフリカの民族楽器を改良したもので、別の楽器です。

マリンバは柔らかい音がします。オーケストラで使う木琴はシロフォンですが、音が非常に目立ちます。

カバレフスキー「道化師」のギャロップ、ハチャトゥリアンの剣の舞で大活躍。ショスタコービッチの交響曲でも使われます。

4:43 カスタネット。オーケストラでは、このように、柄の付いた楽器を用います。コツが分からないと、正しいタイミングで

鳴りません。

4:55 ムチです。二枚の板の端が蝶つがいで繋いであり、両方の板を合わせて音をだします。マーラーの交響曲や、

ポピュラーなところでは、ルロイ・アンダーソンの「そり滑り」に登場します。


◆コーダ(終結部)。二重のフーガが天才的着想です。

5:32から、ブリテンが作った早いパッセージを今までの順番で各楽器が演奏し、

7:27から、最初に奏でた「パーセルの主題」と重なります。パーセルの主題は壮大に鳴りますが、

同時にブリテンの早いパッセージが演奏されて、二重のフーガになります。これは圧巻です。

見事に計算されています。こういうオーケストレーションは数学的な知能が無いと、作曲出来ないと思います。

この部分だけでもブリテンは天才ではないかと言うぐらい、見事な作曲技術です。音楽的な盛り上がりは、

最高潮に達します。

如何でしょうか。これをCDで探すとやはり「ピーター」、「謝肉祭」とカップリングされているのが多い。

それから、「青少年のための管弦楽入門」に解説のナレーションが入っているのがある。出来れば避けたいのですが、

そのナレーションを、初代007、ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーが吹き込んでいる珍しいCDがあります。

演奏そのものも決して悪くないので、ブリテン:青少年のための管弦楽入門

をお薦めしておきます。

それでは、皆さん良い週末をお過ごし下さい。

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2009.04.22

ベートーベン 交響曲第7番 終楽章 聴き(観)比べ。1813年の4月20日に初演されたのです。

◆ベートーベン 交響曲第7番 第四楽章(終楽章)の映像を集めました。

1813年4月20日、ベートーベンの交響曲第7番と第8番が初演されました。

7番は彼の「のだめ」で使われて、それまでクラシックを知らなかった人にも知られるようになったそうですね。

私は、「のだめ」のマンガも読んでいないし、ドラマも全く見なかったので、「そうですね」になるのですが、

まあ、何がきっかけでもクラシックに興味を持ってくれる人が増えるのは嬉しい。

だから、私は、これでもか、とクラシックを紹介しているのです。


本当はベートーベンの交響曲第8番も名曲なのですが、7番の方が、色々な指揮者の映像が集まるので、

今日は、ベートーベンの7番の終楽章を色々な指揮者、オーケストラで聞きくらべ、見比べて頂きます。

全部、YouTubeから拾いました。


◆N響=サヴァリッシュ 1988年

先日載せたばかりですが、私が最も尊敬する指揮者、ヴォルフガング・サヴァリッシュ氏指揮、N響。
1988年の演奏です。



棒の振り方というのは、本来指揮の枝葉末節なのですが、サヴァリッシュ氏ほど美しい、タクト(指揮棒)

さばきをする指揮者は、他にいないと思います。音楽も実に堅実です。


◆N響=アシュケナージ 2007年

サヴァリッシュ氏が指揮してから20年後、ピアニスト・指揮者のウラディーミル・アシュケナージ氏が

2007年にN響を振った時の映像です。テンポがかなり速めです。



これは、これで、名演だと思います。


◆カルロス=クライバー、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

カルロス=クライバーの7番は、CDで手兵のバイエルン国立歌劇場管弦楽団との名盤があります。

あそこまで、音に迫力が無いのがちょっと残念ですが、クライバー氏の指揮の迫力は十分に分かります。

これは、なるべくボリュームを大きくして下さい。



すごい迫力とテンポですね。クライバー氏渾身の演奏です。


◆クラウディオ・アバド=ベルリンフィル(サブ・コンサート・マスター、安永徹さん)

上の3人に比べると、アバド氏はさほど暴れていません。力の抜けた、オーケストラの邪魔をしない指揮。



それでも、ベルリン・フィルは非常な熱演です。こういうのが理想的なのかも知れません。


◆井上道義=オーケストラ・アンサンブル金沢 1988年。

これも、井上氏はさほど大きく振っていません。



オーケストラ・アンサンブル金沢は非常な熱演です。


今日は、ちょっとくたびれている事もありまして、手抜き気味ですが、これぐらい沢山聴き比べることは

普通、しませんから、お楽しみ頂けるのではないか、と思いました。

それでは。

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2009.04.10

体調が悪いので、更新サボります。/サヴァリッシュ「マドンナの宝石」間奏曲

◆急に暑くなりましたね。

その所為かどうか分かりませんが、体調が悪く、文章を書けません。

更新を休ませていただきます。悪しからず。


◆ウォルフガング・サヴァリッシュの薦め(2)「マドンナの宝石」間奏曲

これぐらいならば出来ます。

昨日、サヴァリッシュ=N響による、「ザンパ」序曲の映像をご覧頂きましたが、

同じ日のコンサート。

ヴォルフ=フェラーリ歌劇「マドンナの宝石」間奏曲



綺麗でしょう?

それでは、今日は失礼を致します。

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2009.04.09

【音楽】ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮者)の薦め。

◆ウォルフガング・サヴァリッシュという指揮者がいます。

既に引退してしまったけど、長い間、殆ど毎年日本に来て、NHK交響楽団を指揮した、ウォルフガング・サヴァリッシュという指揮者がいます。

今もご存命ですが、心臓を悪くして、2004年に来日してN響を振ったのが最後の日本でのステージでした。

今、N響のサイトを見ると分かるように、

N響は「桂冠名誉指揮者」のタイトルを献呈して、その栄誉を讃えています。


初来日してN響を振ったのが1964年だから、40年間です。私は子どもの頃、全然音楽の詳しいことなど知らなかったけど、

直感的に「この人はすごい指揮者だ」と思い、ずっと尊敬しています。

今でもうちのお袋がよく言うのです。

「あんた、小学生の頃から『サヴァリッシュ先生、サヴァリッシュ先生』って言って尊敬して、テレビにかじりついていたわよね」

と。その通り。

私はウォルフガング・サヴァリッシュ先生が振るN響を数え切れないほど聴いて(実演もテレビも)、

本当の音楽とは何か。オーケストラを正しく鳴らすと、どれほど素晴らしい響きがするのか。

本当に一流の指揮者とは何か、を教えていただきました。きっと分かったつもりになっただけで、分かっていないでしょう。

でも、私はウォルフガング・サヴァリッシュ先生を勝手に「師」として仰いでいます。 その気持ちは今でも変わりません。


◆昨夜偶然、YouTubeでサヴァリッシュ先生の映像を発見し、それ以外のことを考えられなくなってしまいました。

サヴァリッシュ氏の事に触れるのは初めてではありません。

昨年8月、 2008年08月30日(土)  サバリッシュ「管弦楽名曲集2」ココログはこちら)で、

管弦楽名曲集2 をお薦めCDとして紹介しました。

今日、再び、サヴァリッシュ氏について書くのは、昨夜偶然YouTubeで、サヴァリッシュ先生の映像を発見して、

非常に興奮し、それ以外の事が考えられなくなってしまっています。

お薦めしたCDには、エロルド作曲: 《ザンパ》 序曲という曲が収録されていますが、

そのCDが発売されたあとでしたか、殆どそれと同じプログラムをN響で演ったことがあります。

サヴァリッシュ氏は、伝統的な、非常にまともなドイツ・オーストリア系の音楽を演奏することが

殆どで、このような「ポピュラー名曲コンサート」は極めて異例のことでした。それだけに、

その時のコンサートのことは良く覚えています。


それで、その「ザンパ」序曲を実際にご覧頂きましょう。

特筆すべきは、サヴァリッシュ氏の指揮の動作の美しさ、です。本来棒の振り方は、

指揮の本質とは無関係で枝葉末節なのですが、世界中見回してもこれほど、綺麗な棒(指揮)は珍しい。

「ザンパ」序曲です。



演奏開始直後に指揮棒を落としてしまいました。サヴァリッシュ氏にしては珍しい。

しかし、棒があろうが無かろうがどうでも良いです。格好良いでしょう?

管弦楽名曲集2 とともに、管弦楽名曲集1 をお薦めします。


◆ベートーヴェン:交響曲第7番・終楽章(第四楽章)の映像。

サヴァリッシュ氏は、今の若い人はあまり知らないだろうけど、レコーディングが多いです。

ベートーヴェンの交響曲なら、オランダの名門、超一流と言って良いでしょう。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と、

交響曲全集 サヴァリッシュ&コンセルトヘボウ管弦楽団をお薦めします。

全曲で、2,345円って安いですよ。


さて、ここでは、N響で、ベートーヴェンの交響曲第7番、第四楽章をサヴァリッシュ氏が指揮したときの映像をご覧頂きます。



お気づきと思いますが、ティンパニ奏者がN響なのに外人さんですね。

この方は、かつてシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)の首席ティンパニ奏者だった、

ペーター・ゾンダーマン(故人)という方で、この時期にN響のティンパニ奏者がドイツに留学していたので、

その間(確か1年間だったと思います)客演演奏家として、来て貰ったのです。

なにやら、ケロッとした顔で演奏していますが、ティンパニ奏者の世界では伝説的名人として高名な方だそうです。


サヴァリッシュ先生がN響との最後の演奏会は2004年でした。心臓を悪くされ、すっかり弱ってしまって、

椅子に腰掛けての指揮で、全盛期のサヴァリッシュ先生を知る私は泣けて泣けてしかたがありませんでした。

誤解の無いように書いておきますが、サヴァリッシュ先生はまだご存命ですが、心臓に悪いので旅行が出来ない。

もう、二度と日本にいらっしゃることはないでしょう。


◆その他、お薦めCD。

かつてご紹介したものですが、全然反響が無かったので多分皆さんお忘れだと思います。

イギリスのフィルハーモニア管弦楽団と録れた、ウェーバー序曲集



その中から1曲だけ。ウェーバーの序曲では最も演奏時間が短いのですが、編成は打楽器を多用して、結構派手な音がします。

「アブ・ハッサン」序曲






賑やかですが、清涼感があるというか、ウェーバー独特の音だと思います。

他にもお薦めは色々あるのですが、また、いずれ。

それでは、失礼します。

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2009.04.07

「オーケストラ運営火の車…減る一方の自治体助成・企業援助」←オーケストラは無くても困らないから潰すという無教養な発想。

◆オーケストラ運営火の車…減る一方の自治体助成・企業援助(2009年4月6日00時38分 読売新聞)

日本のオーケストラが〈冬の時代〉を迎えている。

文化振興の名目で支援してきた自治体が、財政難を理由に2009年度、次々に助成金をカットしているうえ、

世界不況の影響で、企業に「文化」への支援を控える動きが相次いでいるためだ。

各地のオーケストラで芸術への理解を求める声が強まっている。

1947年創立の大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪市)は大阪市や経済界からの支援のほか、

08年度には大阪府から6300万円助成を受けていたが、橋下徹知事の財政再建路線で打ち切られた。

府はさらに、貸付金6000万円の返還を求め、楽団は計1億2300万円の支援を失った。

小野寺昭爾事務局長は「大変なピンチの年。貯金もなく、火の車状態」と危機感を募らせる。

府はまた、出資する財団が運営している大阪センチュリー交響楽団(大阪・豊中市)に対しても、

08年度に3億9000万円あった補助金を1億1000万円に減らした。同楽団は今年、創立20周年。

海外での記念コンサートなどを想定して積み立てた基金を取り崩さざるを得ない状況だ。

愛知県は、名古屋フィルハーモニー交響楽団(名古屋市)への事業補助金を08年度比850万円カット。

県の担当者は「他団体の補助も減らしており、特別扱いできない」と話す。

企業の支援も細る。日本フィルハーモニー交響楽団(東京・杉並区)は、これまでコンサートを協賛していた2社が撤退し、

協賛金計1000万円以上を失った。東京フィルハーモニー交響楽団(東京・新宿区)も

「昨年後半から、企業側から協賛の辞退などが相次ぎ、困っている」と悲鳴を上げている。


◆コメント:世の中が不景気で殺伐としているときこそ、芸術が大切なのだ。

「冬の時代を迎えている」って、今まで「春」でも「夏」でもなかったのである。

西洋音楽の本場ですら、オーケストラは自治体や企業の援助で成り立っている。オーケストラは元来そういう運命にある。

本物の芸術は大衆の理解を得にくい。儲からないのが当たり前。そこを保持するか否かで、国家や自治体の教養が問われる。


自治体や企業からの援助がカットされている、ということは今までポーズで援助していた、という事だ。

自治体の「文化事業担当者」も企業の「社会貢献室」の担当者も「観念的に」理解していただけなのだろう。

つまり、「芸術に理解を示しているフリ」をしていただけなのだろう。


橋下知事は大阪センチュリーだけじゃなくて大フィルへの援助も打ち切ったのか。無教養な奴だ。

橋下知事も、役人も企業の担当者も、多分、オーケストラなど聴いたことがない。音楽を聴いて感動したこと無いから、

簡単に援助を打ち切る、又は減額するというのであろう。それを決める前に、とにかくオーケストラを聴いてご覧なさい。

それなりの感受性があれば、オーケストラという貴重な文化的財産を鶴の一声で潰して良いかどうか分かるだろう。

分からない奴は、バカだ。


この連中は、安永徹さんが、ベルリン・フィル(も知らないだろう)のコンサート・マスター(も知らないだろう)を25年務め、

先日退団したことなど、勿論知らないだろうし、独政府から勲章を授与されたことも知らないのだろう。

芸術の価値を理解出来ないのである。

前にも引用したが、せめて漱石の草枕の冒頭を読んでみるが良い。

山路を登りながら、こう考えた。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。

人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、

束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。

ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

住みにくき世から、住みにくき煩いを引き抜いて、

ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画である。あるは音楽と彫刻である。

今は、世界同時不況のまっただ中で、ただでさえ「棲みにくい」世の中が一層棲みにくくなっているときである。

こういう時に、直接、景気回復に役に立たないどころか、カネがかかるから、という理由でオーケストラへの助成金を

無くしたり、削減したり、「オーケストラなど、要らない」という発想に傾く橋下知事、その他、政治家や役人は、

「草枕」を読んだこともなければ、音楽を聴いたこともないのだろう。気の毒な人たちだ。


もう一度書く。オーケストラが、芸術が、直接、生活に必要でないからと言って、潰してしまっていいものか。

それを判断する前に、とにかく、オーケストラを聴いてごらんなさい。

それでも、何も感じないなら、そんな鈍感な感受性の乏しい奴は、所詮、人情も分からないバカだろう。

さっさと辞めるが良い。

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2009.04.05

【音楽】4月5日は、カラヤン(1908~1989)の誕生日です。カラヤンのバッハ、ハイドンなんてどうです?(番外編あり)

◆北朝鮮は、まあ、おいといて。音楽を聴きましょう。カラヤンの誕生日です。

本当は、ニュースは北朝鮮のミサイル発射で持ちきりですからそちらを書くべきなのでしょうが、昨日書いたばかりなので止めます。

日曜の夜ぐらい、好きなことを書きたい。


カラヤンは1908年生まれ、1989年没、ですから忙しいのです。

「忙しい」とは、昨年「生誕100年」で、今年は「没後20年」だから、という意味です。

昨年生誕100年記念コンサートが開かれ、小澤征爾さん指揮、安永徹コンサート・マスターで、

チャイコフスキーの「悲愴」が演奏されました。その時の画像には、先日リンクを貼りましたので、興味をお持ちの方はご覧下さい。

全曲、聴いて、見ることができます。

2009年02月27日(金) 「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

ココログはこちら)。

今日は、カラヤン生誕101年なのです。


◆カラヤンの定番はR・シュトラウスなどですが、敢えて、バッハ、ハイドンをご紹介します。

カラヤンが最も得意とするのはリヒャルト・シュトラウスの交響詩とか、フル・オーケストラの

「派手系」です。しかし、それではあまりにも当たり前ですし、私は実はR・シュトラウスの交響詩ってあまり好きじゃないのです。

自分が好きじゃないものをお薦めする訳には行きません。

かといって、カラヤンのベートーヴェンとなると、ちょっとどうかな、というのがあります。

そこで思い切って、特に最近の若い人、聴いたこともないであろう、カラヤンのバッハ、ハイドンにしました。


◆ブランデンブルク協奏曲

これはですね。CDでは輸入盤で買った方が遙かに安い。

HMVで見たら、ブランデンブルク協奏曲全曲、管弦楽組曲第2、3番 カラヤン&ベルリン・フィル 送料別で1,684円でした。

国内盤で買うと4千円以上します。

下世話な話が先になってしまいました。

ブランデンブルクのCDなど数え切れないほどありまして、普通は、バッハ専門家や、それに近い、カール・リヒターとか、ヘルムート・リリングとか、

カール・ミュンヒンガーなどを好まれる方が多いでしょう。最近では、更にネコも杓子も「ピリオド奏法」とかいって、

私は今だに定義がよく分からないのですが、ピリオド(Period)奏法とは、「演奏しようとする曲が作曲された当時の演奏方法を現代の楽器で再現しよう」

という試みのようです。ノリントンとか有名ですが、私は何が正しいのかよく分かりません(ピリオド奏法を目指すのが正しいのかどうか、も含めて)。

というか、興味がありません。

カラヤンの演奏は、今の若い方々には却って新鮮かも知れません。


というわけで、早速。

ブランデンブルク協奏曲第3番 第1楽章です。(因みにチェンバロ弾いてるのはカラヤンですよ)。






第3楽章です。







ピリオド奏法云々は別にして、最近の「ブランデンブルク」はあっさりしたのが多いのですが、

カラヤンのブランデンブルクは、ピリオド奏法もへったくれもない。現代の楽器で現代の奏法で弾いてます。

この頃はそれが当たり前でした。実に豊潤というか、オーケストラを十分に鳴らした演奏です。

当然好き嫌いは分かれるでしょうね。構いません。それがクラシック音楽の鑑賞というものです。

「私は」最初はこれで「ブランデンブルク」を知ったから、違和感がないのです。


◆カラヤンのハイドン。交響曲第94番「驚愕」、第101番「時計」より。

はじめの方でかきましたが、カラヤンは西洋音楽の歴史区分でごく大雑把にいうと、後期ロマン派の時代(大雑把に言うと19世紀後半です)

の作曲家、R.シュトラウス、チャイコフスキー、後期ロマン派には入らないでしょうけど、ワーグナーとか、そういうのが十八番とされていて、

厳密な意味でのクラシック(古典派)、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの演奏の評価はあまり高くない傾向にあると思います。

色々、クレームが来るとウルサイのでお断りしておきますが、あくまでもこれは、私が抱いている「世間のカラヤン評価の印象」であり、

主観的な記述です。

私も初めてカラヤンの「運命」(何種類か録音が有るはずで、何年版か分かりませんが)を中学生の時に聴いて、

直感的に、「これは、ちょっと、自分の趣味じゃないな」と思ったのを覚えています。

しかし、音楽家というのは年齢と共に円熟しますから。それがまた面白い所です。

ベートーヴェンはそういうわけで、ちょっと止めておきますが、カラヤンのハイドンはまともだと思います。

まず、交響曲第94番「驚愕」、これは3月31日の日記ブログに、

マリス・ヤンソンス=ベルリン・フィルの演奏の映像を貼り付けましたから、

比べて見ると(そこまでヒマじゃないという方は、勿論結構ですが)面白いかと思います。


「驚愕」「時計」それぞれ、第二楽章、第四楽章を聴いて頂きます(無理に全部お聴きになることはありません)。

ハイドン::交響曲第94番 ト長調 「驚愕」 第二楽章 アンダンテ です。






第四楽章 アレグロ・ディ・モルトです。






次は交響曲101番「時計」です。第二楽章の伴奏の刻みが、時計の「チックッタック」を思わせるのでこの愛称が付いていますが、

それは、ずっと後になって付けられた愛称であり、作曲者がこの音楽で「時計」を表現しようとしていたわけではありません。

その第二楽章をお聴き下さい。

ハイドン:交響曲第101番 ニ長調 「時計」 第二楽章 アンダンテ です。






第四楽章です。






実を言うと、私は、ハイドンのこれらの交響曲の演奏をそれほど色々な指揮者、オーケストラで何度も聴いたわけではないので、

知ったかぶり出来る立場にはないのですが、非常に正統的な立派な演奏なのではないか、と思いまして、敢えてお薦めします。

これは、CDは安いですよ。ハイドン:交響曲第94番&第100番&第101番です。

今日、ここには載せませんでしたが、交響曲第100番「軍隊」も収録されています。


◆古典といいながら、番外編。YouTubeで拾った「ウィリアム・テル」序曲。最後のマーチの部分。

今日は、はっきり言って、音楽がとても地味というか、真面目というか、古典そのものです。

それはそれで終わらせるのがスジでしょうが、得票数が悲惨なことになりそうですし、最近の方は生前のカラヤン知らないんですよね。

指揮している映像がネットを通じて見られるようになったのは有り難いことです。

バッハ、ハイドンと何にも関係ありませんが、カラヤン=ベルリン・フィルによる、

ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲の最後、「スイス軍の行進」の景気のいい部分。

映像と演奏をお楽しみ下さい。



こういうの、バカにしたものじゃないんです。カラヤンはこういうポピュラー名曲を沢山レコーディングしてくれました。

音楽を知ったばかりの子どもの頃の私は、カラヤンの「ロッシーニ序曲集」の「レコード」を擦り切れるほど聴いたものです。

オーケストラの醍醐味を世界に知らしめたカラヤンの功績はやはり、偉大だと思います。

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2009.04.01

今年没後200年のハイドンのシンフォニーをベルリン・フィル(安永さんサブコン)の動画でどうぞ。

◆何しろ、決算期末が誕生日の人なので、忘れることがないです。

どうしようかとあれこれ悩みました。今までも3月31日はハイドン(1732~1809)の特集を組んだことがあります。

今年は没後200年ですから、取りあげるのはきめていました。

しかし、今までハイドンの「シンフォニー」を載せたことがないのです。今回は思い切って動画で載せます。

「ハイドンは交響曲の父と言われる」などと、学校の音楽の時間に教わったことが有りませんか。

別に勉強しなくてもいいのですが、後世の作曲家の作品に比べれば、遙かに小編成のオーケストラですけれども、

その後の交響曲の礎となる作品を104曲も残したのです。素人目にも結構、各声部が複雑に入り組んでいるところがあります。

よくも、こんなのを100曲以上も書いたと思います。すぐ後にモーツァルトが出て、ベートーヴェンが更に交響曲の形式に、

革命的な変化をもたらしたので、ハイドンは何となく地味なんですけど、やはり天才でしょう。

特に93番から最後の104番までの12曲は、ザロモン・セットと言います。

ザロモンというヴァイオリニストに招かれ、ハイドンは2度、渡英しています。その際に書かれたからです。

1791年から1795年にかけて作曲されたのですが、これは、考えてみるとモーツァルトが亡くなった後なのです。

モーツァルトの生涯は、1756年~1791年です。ハイドンが先に生まれて後に亡くなっているのです。

だからどうしたと言うわけではありません。

「ザロモン・セットは明らかにモーツァルトの影響を受けている」という人がいますが、

私には何ともいえません。ハイドンのシンフォニーってあんまり知らないんですよ。それにそういうことは

ちゃんと勉強した人じゃなければ分かりません。

私は音楽書とか読むのが嫌いでして、そんなの読むぐらいなら聴いていたいので、

音楽理論的なことに関しては、全く知らないのです。


さて、30年ぐらい前にドラティという指揮者が「ハイドン交響曲全集」(勿論、アナログレコードの時代)時、

結構な評判になりました。全曲録音したのは彼が初めてなのです。当時は何しろ「レコード」ですから。

ものすごく場所を取ったし、値段もやたら高かった様な気がします。10万円ぐらいしたのではなかったかな。

ハイドンのシンフォニーを全曲聴きたいというのは、かなりのマニアでしょうが、今は何と、

そのドラティの全集がCD化されたのが、1万円未満で買えてしまうのですね。

交響曲全集 ドラティ&フィルハーモニア・フンガリカ(33CD限定盤)です。

勿論あくまで、ご参考に、と言うことです。「是非お薦め」とは言えません。

私も全部は聴いていないのですから。


◆ハイドン:交響曲第94番ト長調「驚愕」マリス・ヤンソンス指揮、ベルリン・フィル。(コンマス、安永さん)

さて余計な話は終わりにして、ザロモンセット(93番~104番)の2曲目、交響曲第94番 ト長調、驚愕です。

音だけだと飽きてしまうかも知れないので、YouTubeから拾ってきました。

マリス・ヤンソンス指揮のベルリン・フィルが、イスタンブールに演奏旅行に行ったときの映像らしいのですが、

サブ・コンサート・マスターの席に安永徹さんがおられます。

折角だから全楽章を載せましょう。

第一楽章です。





第二楽章。ここで途中で突如フォルテが出てくるので「びっくりシンフォニー」などと呼ばれますが、

それはあまり重要なことではありません。ただ、弦の人たちがとても穏やかな表情で、

楽しそうに、気持ちよさそうに弾いている。ヤンソンスも音楽の喜びに浸っている。

「我が身さえこそ揺るがるれ」(見ているこちらまでうれしくなる)というような光景です





第三楽章。





優雅なメヌエットです。楽しいですね。


フィナーレ(終楽章)です。





実に品が良く、優雅で高貴で、堂々たる風格を感じます。

前述の通り、オーケストラの編成は決して大きくありません。

マーラーなどと比べたら半分ぐらいなのではないかと思いますが、だからと言って「小さい音楽」には聞こえません。

完全に完成された、立派な音楽だと思います。だから作曲者が亡くなって200年も経つのに、まだ演奏される。

これぞ、芸術、ではないでしょうか。

青臭いことを書いちゃった。それでは。

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2009.03.20

【音楽】西本智実さんのCDで、お薦めがあります。

◆忘れていたのですが、西本智実さんのボロディン、ハチャトゥリアンなどのお薦めがあります。

昨日の日記・ブログで、久しぶりに「音楽の友」というクラシック音楽雑誌を買って、

そのきっかけは表紙の写真が指揮者の西本智実さんだったからだ、と書きました。

西本さんは見た目もかっこいいけど、それは、音楽の本質とは何の関係もない。

一度、生で聞いてみたいのですが、西本さんが振る(指揮をする)コンサートは、

あっと言う間に売り切れになります。多くのミーハーファンが殺到するのでしょう。

こういうとき、真面目に西本さんの音楽を聴いてみたい(こちらもミーハー心が皆無とは言いませんが)者は、

非常に困ります。

それはさておき。

ミーハーのファンがどれぐらい聞く耳を持っているか知りませんが、

この指揮者、容姿端麗は勿論良いのですが、音楽的にも評価出来る、

と私は思います。今までいくつかのCD、DVDを聴いて、見て、その結論に達しました。


◆色々な作曲家の作品が入っているCDがあります。

西本さんは、既に随分沢山のCDやDVDを出しています。

私は、まださほど沢山、彼女の演奏を聴いていないのですが、

それでも、単なる「きれいなお姉さん」でないことは、明らかです。

指揮者としての才能--それは何処まで伸びるか分かりませんが--天賦の才があります。


ゴタクはこの辺で止めます。早速CDのご紹介。ラヴェル:ボレロ

アルバムのタイトルは「ボレロ」で、それも良いのですが、ロシア作品が良いです。

厳密にいうと、ロシア人ではなく、アルメニア人のハチャトゥリアン。

バレエ音楽「ガイーヌ」を管弦楽組曲にしたもの。第一組曲から第3組曲がある。

あまりにも有名で、ハチャトゥリアンと言えば「剣の舞」というぐらいの「剣の舞」は

「ガイーヌ」第三組曲のうちの一曲でしかありません。他のも聴いていただきます。

ゴパーク(第3組曲 第6曲)という楽しい曲があります。どうぞ。






こういうの、聴く方は楽しめばいいのですが、指揮者は結構難しいと思います。

途中からテンポを上げています(アッチェレランド、といいます)その加速度をどの程度にして、どこまで上げるか。

クライマックスの音量から逆算して、盛り上がるとき、どの程度の音量からクレッシェンドするか。

鳴らし過ぎると下品になったり、テンポを上げすぎると合わなくなったりしますが、上手く構成しています。

以下の曲に関しても同じことなので、いちいち書きませんが、そういうところが、巧みだと思います。


さて、次はお馴染み「剣の舞(第3組曲 第5曲)」です。

この曲は初演直前に、追加で一晩で書いた曲だそうですが、先ほども書いたとおり、

後に、あまりにも「ハチャトゥリアンといえば『剣の舞』」になったので、ハチャトゥリアンは、

この曲だけ、こんなに有名になるんだったら、書かなきゃよかった。

と愚痴っていたそうです。

それはともかく、「剣の舞(第3組曲 第5曲)」







この曲は下手をすると、興奮し過ぎて、冒頭のティンパニから汚い音が出ることがあります。かと言って、

遠慮して、チマチマ叩いたら、聴き手は全然面白くありません。そのバランスが実に適切だと思います。

テンポを異常に速くしないのもいいです。


次は レズギンカ(第1組曲 第8曲)。旧ソ連の一帯にはは驚くほど多様な民族がありまして、

レズギン人ってのがいるんです。「レズギンカ」とは「レズギン人の踊り」の意味です。

スネア・ドラム(小太鼓)が、派手なリム・ショット(太鼓の縁の金属部分をスティックで打つ奏法)

を聴かせてくれます。

レズギンカ(第1組曲 第8曲)







スネア・ドラムの音にかき消されがちですが、弦も木管も、金管も難しそうですね。

このロシア・ボリショイ交響楽団「ミレニアム」というオーケストラが上手いのですが、その上手さを

指揮者の西本さんがじょうずに引き出している。無理にオーケストラを動かそうとしていないので、

オーケストラがのびのびと音を出している。よく「鳴っている」と思います。



さて、同じ、ハチャトゥリアンですが、フィギュアスケートですっかり有名になった組曲「仮面舞踏会」から「ワルツ」。

浅田真央ちゃんが使ったこの曲だけじゃないのですよ。「仮面舞踏会」は、組曲「仮面舞踏会」の1曲。


組曲「仮面舞踏会」から「ワルツ」







切ない音楽ですね。1978年、ハチャトゥリアンが亡くなったときに、モスクワ音楽院大ホールで行われた告別式で、

棺を前にこの曲が演奏され、参列した人々の胸を締め付けたそうです。


さて、最後。最後だけは、モーリス・ラベル。このアルバムはタイトルが「ボレロ」ですが、

ボレロは、過去何度ものせましたし、最後は静かに、ということで、

亡き王女のためのパヴァーヌです。ホルンが微妙にヴィヴラートをかけています。

ホルンでヴィヴラートを頻繁にかけるのはフランスとロシアのオーケストラぐらいではないか、

と思います(他の国でもやってもよいと思うのですが、ドイツ系ではあまりやらないのです)。

亡き王女のためのパヴァーヌ







如何でしたか。いいですね。西本さんには、これからますます活躍していただきたいと思います。

西本さんは、ロシアものから入りましたが、やはりクラシックを演るからには、ドイツ・オーストリア系ののオーソドックスな

作曲家、つまり、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス等々を聴かせていただきたいと思います。


◆おまけ:YouTubeで見つけた、西本智実さんの「ボレロ」

これは、二つのファイルに分かれてしまっているのですが、何しろYouTubeで無料ですから、ご辛抱下さい。



Bolero - Tomomi Nishimoto [ 1 / 2 ]



後半。再生開始後、1分40秒でトロンボーンの難しいソロが出てきます。

Bolero - Tomomi Nishimoto [ 2 / 2 ]



上手いですねー。何か、妙に上手い。

もっと良い画質、音質を、という方は、ボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵を買うしかないですね。

それでは、皆様、良い連休をお過ごし下さい。

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2009.03.19

「最大級の賛辞」とは、正にこのこと。安永徹さんにベルリン・フィルとサイモン・ラトルから贈られたメッセージ。

◆「音楽の友」4月号に、安永さんの記事が載っています。

クラシック音楽全般に関する雑誌で「音楽の友」(音楽之友社)という月刊誌があります。

私は、以前は毎月のように買っていたのですが、ここ何年もご無沙汰でした。


今日、全く偶然にふらりと書店に入り、雑誌コーナーを眺めていて、表紙に指揮者の西本智実さんの写真が載っている

「音楽の友」4月号(最新号)が目に留まりました。

正直に書くと、西本さんがあまりにキレイなので、ミーハーで衝動買いしたのです。

帰宅して、ふと考え、今月号には2月13日に最後のステージを務めたベルリン・フィルのコンサート・マスター、

安永さんの記事があるのでは?と思い、目次を見ました。

ありました。83ページです。派手ではありませんが、新聞では、「独政府から勲章を授与された」ことしか分からないけれども、

ここでは、そのセレモニーの様子がかなり詳しく書いてあります。


◆セレモニーで、ベルリン・フィルの仲間、サイモン・ラトル(指揮者)それぞれから、メッセージが贈られました。

ドイツ政府から勲章を授与された安永徹さんですが、そのときのセレモニーには、

ベルリン・フィルの仲間(木管アンサンブル)が駆けつけて演奏したそうです。

更に、安永さんには、ベルリン・フィルと、音楽監督、サイモン・ラトルからメッセージが贈られました。


まず、ベルリン・フィルの楽団理事を務める、オーボエ奏者、ヴィットマンの挨拶。

ベルリン・フィルのコンサート・マスターとして、あなたは長年にわたってこのオーケストラに多大な貢献をしました。

リハーサルでの真剣さと几帳面さ。高い音楽性を持ちながらも周囲と作品へはあくまで謙虚なあなたを、

私たち団員とあらゆる指揮者たちは尊敬していました。

そして、音楽監督(指揮者)サイモン・ラトルのメッセージ。
感情を爆発させる傾向のあるオーケストラの中で、あなたの影響の及ぼし方と存在感は計り知れないほどの贈り物でした。

常に落ちついており、準備は完璧。そして深い人間性を備えていました。私の体験から見ても、

これほど評価され、愛されながら去るコンサート・マスターは稀です。音楽家としてだけでなく素晴らしい人間として、

あなたに対する私たちの愛がいかに深いものであるかを忘れないで下さい。

“徹さん、どうもありがとうございます!”

(注:色文字部分は、ラトルが日本語で言ったとのこと)。

日本語の「最大級の賛辞」という言葉は、こういう時のためにあるのですね。

私はこの記事を読んで、今日会社であった嫌なことが、どうでも良くなりました。

安永さんがこれだけの賛辞を受け、ベルリン・フィルや、ラトルに惜しまれているということが、

我が事のように嬉しかったのです。


◆尊敬する人がいる、という幸福。

私は、いつも天下国家を論じて、偉そうなことを書いていますが、本当は自分でも恥ずかしいほどの俗物です。

他人の幸福が妬ましく、他人の不幸は蜜の味。そういう品性下劣な人間です。

しかし、この度の出来事、つまり、安永さんがベルリン・フィルを退団し、それに際して、

世界最高の音楽家の集団から最高の賛辞を受けたということ。

いや、正確に言えば、25年前に安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターに就任したときのこと

を考えると、全然妬ましくない。これだけは信じて頂くしかないですが、自分のことのように嬉しく、

誇らしく思います。

本当に尊敬している人に対しては、嫉妬など感じない。その人が名誉ある地位に就けば嬉しいし、

惜しまれながら去ってゆくことが分かれば、寂しいけど、やはり嬉しい。

そういう方が自分と同時代に、同じ地球上の何処かに今、この瞬間もおられる、と言うことを、

大変光栄で、幸福に思います。


◆安永さんのコンマスの晴れ姿、シリーズ。

YouTubeで、ベルリン・フィルの映像を日本語で「ベルリン・フィル」で検索しても大してヒットしないので、

"Die Berliner Philharmoniker"で検索します。しかし、動画のデータにはコンマスが誰かまでは書いてないから、

片っ端から見て、誰がコンマスか確かめるしかない。結構大変です。

最近見つけたもの。全曲だと長くなってしまうので、それぞれ一部(一つの楽章)です。


チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 第3楽章

カラヤン指揮、ピアノ:エフゲニー・キーシンです。

これ、詳細データが不明ですが、テレビで見たことがあります。カラヤンですから、勿論大分前ですが、

とにかく、ベルリン・フィル恒例のジルベスター・コンサート(大晦日のコンサート)です。


もう一曲。やはりコンチェルトなのですが、今日見つけました(ボリューム、大きめです)。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61より第3楽章

小澤征爾指揮、ベルリンフィル(コンマス=安永さん)、ソロ、アンネ・ゾフィー・ムターです。

これ、ホールは、ウィーンのムジークフェライン・ザール(ウィーンフィルの本拠地。「ニューイヤー・コンサート」を演る所)。ですね。

今日は遅いですから、また明日にでもゆっくりお聴き下さい。

要するに今日の主な目的は、ベルリン・フィルの仲間や、ラトルがどれほど安永さんを高く評価していたか、

を多くの方に知って頂くことでした。それでは、また。

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2009.03.06

「安永徹:ベルリン・フィル退団 北海道に拠点、デュオ中心の活動へ」←インタビュー。3月4日毎日新聞/安永さんコンマスの「運命」

◆記事(インタビュー):安永徹:ベルリン・フィル退団 北海道に拠点、デュオ中心の活動へ(2009年3月4日 毎日新聞夕刊)

◇若い人と室内楽をもっと 演奏増え、何ができるかわくわくする

 ベルリン・フィルの弦セクションを30年にわたってまとめあげてきたコンサートマスターの安永徹が3月をもって退団する。

今後はピアニストの市野あゆみとのデュオを活動の中心にし、拠点も北海道に移すという。安永と市野に思いを聞いた。【梅津時比古】

 ◇市野あゆみ、学生の同時指導にも力

 昨年末、来日公演を行ったラトル指揮ベルリン・フィルのブラームスでは、従来以上に弦が安永の品性の高い美音に染まっていた。

安永は「ロマン的な解釈のラトルのブラームスで、バイオリンの音もロマン的にすると(表現全体が)大時代的になってしまう。

ラトルも『どういう弾き方があるか?』と聞いてくるので、『弓先だけでこういうふうな感じで』とか実際に弾いてみせると、皆すぐ分かる。

そういう機会が増えたことと、僕がやめることを分かって皆が結束してくれたのでしょう」と説明する。

 それは、ベルリン・フィルが安永をいかに必要としているかを示すものだ。57歳での退団は驚きを呼んだ。

 「定年の65歳までいたら、その後にエネルギーが残らない。20年ぐらい前から市野と2人でデュオの演奏をしていて、

2人を中心に若い人と室内楽をすることもある。そういうとき自分が充実しているのを感じる」

 「コンサートマスターをしていると、次(の公演プログラム)の準備に時間がかかり、公演が重なると自分の時間がなくなってしまう。

デュオや室内楽のことを考えると、技術的にも基本的なことからやり直さないと間に合わない

これから年をとる一方だし、どちらかにしぼらないと、と退団を決めました」

 約30年の在籍で得たものは?

 「偉大な芸術家、たとえばピアニストではアラウ、ルプーらと間近で共演できたことが大きい。

指揮者ではやはりクライバー。リハーサルでも楽団員全員が静かにクライバーの言を聴く。

他の指揮者のときなど、けっこう皆、雑談してます。クライバーは、自分はこういうイメージを持っていると、

ちょっと言葉で言って、それを指揮棒でやる。その棒がなるほどと思うほど、的確なんです。あそこまで、棒で表情を表せた人はいない」

 今後の活動の選択肢は多いだろう。

「実は決めてはいないのです。帰国して、まず体を休めてから。市野と2人でやってきたことを中心にするのは確かですが」

と安永。その言葉を受けて、市野が教育活動のイメージを示してくれた。

「10年ほど前から2人で、バイオリンとピアノの学生への同時レッスンを始めました。

ピアノの学生は友達とちょっと合わせるぐらいでは、弦楽器がどういう楽器か分からない。

弦楽器の先生もピアノの学生には、やはりバランスのことぐらいしか教えられない」

「技術的なことに関しても同時にレッスンすると分かりやすい。ピアノの学生がピアノの先生から指導されていることを

バイオリンの学生も聞いて、ピアノにとってはどういうことが難しいのか、バイオリンの学生が知る。その反対も。

そういう機会を通して、今までとは違う視点で、音楽や演奏を考えてみるきっかけになれば」

彼ら自身の演奏活動も当然増えるだろう。

安永は「自分たちで何かをつくっていきたい、という思いが強くなっています。

今後、演奏は国内を中心に。デュオでまだやっていない曲もあるし、これからどういうことができるか、わくわくしています」。

最近はオーケストラの弾き振り(バイオリンと指揮)も始めた。

「指揮者が許可する範囲で音楽をするのではなく、皆でこうしたいな、と話し合って音楽ができればと思ったので。

そういう共演関係は続けたいと思いますが、指揮者になるつもりはありません」

 住むのは北海道。市野は

「周りに何もないので防音もしなくていいし、夜中の2時に窓をあけてピアノを弾いていられる。すると夏は眠っていた小鳥が鳴きだすんです」

と楽しそうだ。(注:色文字、太文字は引用者による。)


◆コメント:「わくわくする」「楽しそうだ」の文字を見て安心しました。

インタビューをしている、梅津時比古(うめづ・ときひこ)氏は毎日新聞文化部の音楽専門記者を経て今は、音楽専門の編集委員。

多分、日本の新聞記者の中で一番クラシックに造詣が深く、正しく音楽や、演奏の価値を評価出来る人だと思います。


安永さん、ベルリン・フィル退団の報を聞いて、最初に記事を書いたのは奇しくもちょうど一ヶ月前でした。

2009年02月04日(水)  「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。ココログ)。

そのとき、ここには、書きませんでしたが、mixi日記にも色々思うことを書いたのです。

それに対して、「安永さんは『辞めるのは個人的な理由』と言っているが、体調が悪いのだろうか?」というコメントを頂きました。

私はそうではない、と思い、次のとおり、レスを書きました。

ベルリン・フィルの定年は65歳で、まだ安永さんは8年もあるのにお辞めになったのは、

ご本人にうかがったわけではないので想像するしかありませんが、

ベルリン・フィルのコンサート・マスターともなれば、ヴァイオリニストとして「超」が付くぐらいの一流で、

本来ならばソリストになってもいいような方な訳です。

安永さんは、「オーケストラは十分に経験したから、そろそろ、ソロ活動をしたい」とお考えになったかも知れず、

それには65歳の定年からでは少し遅い、ということではないか、と思います。

或いは、ご自分が30年以上もドイツで音楽家として身につけたものを、日本の若者に伝えたい、とお考えなのかも知れません

(繰り返しますが、これはあくまでも私個人の「想像」です。これらが最も一般的に想像出来る、「個人的な理由」だ、ということです)。

冒頭のインタビューをご覧になるとお分かり頂けると思いますが、私の想像はほぼ当たっていました。

非常に安心しました。

つまり、ベルリン・フィルのコンサート・マスターは、我々の想像を絶する激務なので、もしかすると

「精も根も尽き果て」たのかも知れない、という、一抹の不安を抱いていたのですが、そうではなかった。

やはり、オーケストラで弾くということは、それはベルリン・フィルで、「超」がつく一流ですが、

要するに、「棒(指揮者)の音楽」ですから、必ずしも、自分の好きなようには弾けない。

それに、自分だけではなく、オーケストラ全体に気を配るために、

指揮者と同じかそれ以上、勉強していないと務まらない。

そろそろ、自分の弾きたい音楽を演りたい、ということだと思います。

安永さんの
何ができるかわくわくする

という言葉と、夫人のピアニスト・市野あゆみさんの言葉に続く記事の最後の言葉、
楽しそうだ。

を読み、ホッとしました。

これで、私もベルリン・フィルを安永さんがお辞めになったことを引きずるのではなくて、今後安永さんのソロや室内楽を聴けるのだ、

と嬉しい気持ちに切り替えようと思います。

それにしても、インタビュー記事で太文字で強調した部分、
デュオや室内楽のことを考えると、技術的にも基本的なことからやり直さないと間に合わない

確かに、ピアノとのデュオや室内楽では、オーケストラと違って、安永さんの音が裸で聞こえますから、

一層厳密な技術や、微妙な表現が必要となる。それは、理屈ではわかるのですが、

天下のベルリン・フィルのコンマスを25年も務めた方が、「基本的なことからやり直さないと」

と、おっしゃるのですから、全く頭が下がります。一層安永さんへの尊敬の念を新たにしました。


◆とはいっても、ベルリン・フィル時代の安永さんの熱演もご覧頂きたい。

今後の安永さんの日本での活躍は、大変楽しみですが、だからといって、ベルリン・フィル時代の活躍を忘れなければならない理由はない。

このところ、YouTubeで、安永さんがコンマスを務めている(乗り番のときの)ベルリン・フィルを毎日見つけています。

今日は、クラウディオ・アバド=ベルリン・フィルがローマに演奏旅行に行き、ベートーベン交響曲全曲チクルス(連続演奏会)を

演った時の一日、(時期は不明)、交響曲第5番ハ短調作品67「運命」全曲をご覧頂きましょう。



第一楽章です。

Beethoven - Symphony n.5 [1/4] - Abbado (Berliner Phil) Rome



第二楽章です。

Beethoven - Symphony n.5 [2/4] - Abbado (Berliner Phil) Rome



第三楽章全部とフィナーレの最初の約2分。

Beethoven - Symphony n.5 [3/4] - Abbado (Berliner Phil) Rome



フィナーレ冒頭リピートするところから最後まで。安永さん熱演です(勿論全員熱演ですが)。ブラボーと拍手の嵐。

Beethoven - Symphony n.5 [4/4] - Abbado (Berliner Phil) Rome



オーケストラのプレイヤーは、勿論、指揮者の棒を見ていますが、細かい所は安永さんを見て合わせている。

安永さんの動きが大きくなるのは、一種の「合図」を皆に分かるように示しているときだと考えていいでしょう(全部が全部ではありませんけど)。

まだまだ、ありますから、順次ご紹介したいと思います。

皆さんはさほど関心が無いかも知れないけれども、私は、あるんです。

それでは、今日はこの辺で。

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2009.03.03

【動画】カラヤン、ヴィヴァルディ四季より「冬」/アバド、ベートーヴェン交響曲第3番。ベルリン・フィル。

◆「何時まで同じ事を書いているのだ」と言われても構いません。

一人の芸術家(安永徹さん)を尊敬する思いの強さ、です。今は、政治も経済もどうでも良い。私には。

今日、日本や世界で色々ニュースがありました。それに関して書こうと思いましたが、

こんな事は初めてですが、1時間考えても、何も書けないし、書きたくないのです。

カラヤンや、クラウディオ・アバドの指揮でコンマス(時には・サブコン)を務めていた、

安永徹さんの勇姿をYouTubeで探すことしか出来ないのです。

こんな、心理は初めてです。

もう二度と安永さんがいるベルリン・フィルを見て、聴くことは出来ない。

ということに、これほど動揺している自分に驚きます。

そう何日も続かないと思いますが、今日も時事問題どころではないのです。

YouTubeから、カラヤン時代、アバド時代のベルリンフィルの映像で、安永さんがコンサート・マスター、

又は、サブ・コンサートマスターを務めている動画を検索して、気が付いたら何時間も経っていました。

7年、ウェブ日記を書いていますが、こんなことは空前であり、多分絶後でしょう。

何卒、ご容赦のほど。


◆カラヤン(チェンバロ弾き振り)、アンネ・ゾフィー・ムター(ソロ・ヴァイオリン)、ヴィヴァルディ「四季」より「冬」(サブコン、安永徹さん)

ヴィヴァルディの「四季」なんて、絶対ここで取りあげるものか、と思っていましたが、

「春」「夏」「秋」「冬」で、私が一番マシだと思っている、「冬」の映像です。

ソロ・ヴァイオリンは、カラヤンによって幼い頃に才能を見出され、世に出た、アンネ・ゾフィー・ムターです。

サブ・コンサートマスターに安永さんがいます。まだ、コンマスになったばかりの頃です。

第一楽章。如何にも、ヴィヴァルディ。


Mutter/Karajan - Vivaldi_Winter_Mov1



第二楽章。「四季」全体を通して、最も美しい旋律が流れます。


Mutter/Karajan - Vivaldi_Winter_Mov2



第三楽章。



Mutter-Karajan-Vivaldi-Winter-mov3



安永さん、若いですね(カラヤンが生きていた頃だから、当たり前ですが)。


◆クラウディオ・アバド指揮:ベートーヴェン交響曲第3番(安永さん、コンマス)

何しろ、YouTubeなので例によって、区切りの良いところでファイルが分かれていません。

楽章の途中でブツッと切れ、次のファイルを再生していただかないといけない箇所もありますが、

まあ、無料ですから、辛抱して下さい。


ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」です。動画の表題から察するに、

ローマに演奏旅行に行った際の演奏のようです。


第一楽章の途中まで。

Beethoven - Symphony n.3 [1/5] - Abbado (Berliner Phil) Rome


第一楽章の残りと、第二楽章の途中まで。

Beethoven - Symphony n.3 [2/5] - Abbado (Berliner Phil) Rome


第二楽章の終わりまで。

Beethoven - Symphony n.3 [3/5] - Abbado (Berliner Phil) Rome


第三楽章(スケルツォ)全部と第四楽章途中まで。

Beethoven - Symphony n.3 [4/5] - Abbado (Berliner Phil) Rome


第四楽章残り(曲の終わりまで)と拍手。

Beethoven - Symphony n.3 [5/5] - Abbado (Berliner Phil) Rome


これは、ローマですが、私が駐在していた、ロンドンにも勿論ベルリン・フィルはしょっちゅう来ました。

そして、全くこの映像と同様に、安永さんがコンマスを弾く晴れ姿を見たのです。どんなに誇らしい気持だったか。

本当に堂々たるコンマスの貫禄でした。思い出して、少々、涙腺が緩みました。

はっきり言って、カラヤン、アバド時代の安永さんは、ラトル時代よりもずっと生き生きとしているのです。

これ以上は止めましょう。今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

全部リンクを貼って文章を書いたら2時になっていました。

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2009.03.02

【音楽】どうしてもアップしたかったのです。2/13ベルリン・フィル定期。安永さん最後のステージの音。

◆安永さんの最後のステージ、2月13日のベルリン・フィル定期の音声です。

ベルリン・フィルの先月13日のコンサート、定期演奏会が安永さんのベルリン・フィル、コンサート・マスターとしての最後のステージでした。

今まで、散々CDをアップロードしてきて、著作権法上、グレーゾーンでした。引用と見なされるかどうかわかりません。

しかし、とにかくこのサイトには一切アフィリエイトなど無いのであって、営利目的のサイトではない。

法令を遵守することは大切ですが、私は、芸術を広く一般の方、クラシックなど知らないという方にも聞いて頂きたくて音楽ファイルをアップしてきました。

今日は、特にヤバいですが、敢えてやります。安永さんの最後のコンサートの一部です。


ところでコンサートの映像を見て、ちょっと、腑に落ちない点がありました。

このコンサートが安永さんのラスト・ステージであることは、ベルリン・フィルの団員も、

音楽監督のサイモン・ラトルもよく分かっていた筈です。

しかし、コンサートの録画を見ると、安永さんのポジションは、サブ・コンサートマスターでした。


最後のステージですよ。そしてこれからお聴き頂く2曲目シューマンの交響曲第4番の第2楽章には

コンサート・マスターのソロがあるのです。

安永さんがご自分で辞退なさったのかも知れないけれど、

どうして、最後ぐらい、安永さんを、コンサート・マスターの席に座らせなかったのか。はっきり言って私は怒っています。

私はベルリン・フィルとサイモン・ラトルに文句を言いたい。

25年間、コンサート・マスターを務めた安永さんの最後の処遇が冷たすぎます。

しかし、最後のコンサートを冒涜してはいけないから、これぐらいで我慢します。


◆肚を据えてあえて、アップします。プログラム1曲目「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック

それはさておき、音楽を聴いて頂きます。

この日のプログラムはシューマン中心でした。

1曲目は実際にコンサートで演奏されることは少ない、「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック(小協奏曲) ヘ長調」です。

「シューマン」が「ホルン・コンチェルト」、しかも「4本のホルンの為の」というのは、最初この曲の存在を知ったとき、

意外な気がしました。シューマンと言えば歌曲やピアノ曲、管弦楽なら4つの交響曲。コンチェルトならピアノ、チェロと、

大体相場が決まっているからです。

しかも、この「4本のホルンの為の小協奏曲」は特に一番ホルンは非常な高音を要求されるので、

演奏は大変難しい。余程上手いホルン奏者が4人揃わないと、本番でヘロヘロになって無惨な結果となります。

しかし、そこは流石に天下のベルリンフィル。

首席のバボラーク、同じく首席のシュテファン・ドール(首席=Principal、が二人いるのは、どのセクションでも珍しいことではありません)、

シュテファン・ドゥ・ルヴァル・イェジエルスキーサラ・ウィリスの4人は、難しいこの曲を完全にノーミスで、見事に軽々と吹いています。

安永さんも惜しみない拍手を送っています。

全部で三つの楽章から構成されていますが、3楽章まで続けて演奏されるので、再生に20分以上かかりますが、

滅多にライブでこれほど上手いのは聴けませんから、一生に一度ぐらい聴いて下さい。

ロベルト・シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックです。






因みに、4人のホルン奏者は演奏前後に、サブ・コンサートマスターである安永さんにも、きちんと握手を求めておりました。


◆シューマン交響曲第4番(全曲。25分ぐらいです)

この日は内田光子さんによるシューマンのピアノ協奏曲も演奏されて、

非常な名演でしたが、コンサートの全曲をアップするわけにも参りません。

安永さんにとって、本当に最後の曲となったのは、シューマンの交響曲第4番です。

4つの楽章から成りますが、この曲も楽章の切れ目が無く演奏されるので、全曲アップします。

私は、シューマンというのは、実はあまり関心がなかったのですが、今日のシンフォニーは、

安永さんのラストステージという感慨を差し引いても、客観的にかなりの名演だと思います。

それではどうぞ。


シューマン:交響曲第4番 ニ短調(1841年の第1版)です。







これが日本だったら、安永さんの労をねぎらって花束ぐらい贈られるのですが、そういうことは一切無し。

きっと、個人的な事情で止めるのだから、といって、安永さんが固辞なさったのでしょう。そう思いたい。


しかし、ラトルの態度が、なんかよそよそしい。最後の曲が終わったら、コンサート・マスターだけではなくて、

サブ・コンサートマスター、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの最前列の二人ずつに握手を求める指揮者が多いのに、

ラトルは、コンマスのDaniel Stabrawaとだけ、握手しました。

ちょっと残念。まあ、詮索は止めましょう。

とにかくこれが、「安永さんがいるベルリンフィル」の最後のコンサートの音です。

どこかから怒られたら削除しますが、少なくとも24時間は載せておきたいです。

是非、聴いて下さい。

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2009.02.28

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

◆記事:ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与(2月27日11時32分配信 読売新聞)

【ベルリン=中谷和義】世界有数の楽団、ベルリン・フィルのコンサートマスター(第1バイオリンの首席奏者)を25年以上務め、

今年3月末に退団する安永徹さん(57)が26日、ドイツ政府から「独功労勲章・功労十字小綬章」を授与された。

安永さんは福岡県生まれ。桐朋学園大を卒業後、ドイツに留学。1977年に入団し、83年、

楽団員の投票で数人いるコンサートマスターの筆頭に選ばれた。同楽団のコンサートマスターの筆頭に、東洋人が就任するのは初めてだった。

豊かな音楽性と謙虚な人柄で知られ、巨匠カラヤンや現首席指揮者のサイモン・ラトル氏ら3代の芸術監督と楽団員との橋渡し役を務めた。

退団後は拠点を日本に移し、ソロ活動や室内楽に取り組む。


◆コメント:芸術(家)の価値を正しく評価出来る国家。

ドイツという国家の何から何まで素晴らしい、という訳ではないが、今日のニュースには素直にドイツ政府に感謝したい。

ドイツ政府が勲章を授与したのは、

「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第一コンサート・マスターという重責を25年間担った偉大さを正確に理解している」

ことを端的に表している。以前にも書いたが、ヨーロッパの政治家は自ら音楽を演奏する人が多い。

元・西ドイツの首相だった、ヘルムート・シュミット氏は、以前、Newsweekのインタビューで、
ドイツのオーケストラで活躍している日本人音楽家が大勢いる。彼ら(彼女ら)は、日本のどの政治家、外交官、財界人よりも、

ヨーロッパ人の日本人に対する印象を向上させることに貢献している。

と、キッパリと言いきった。私もそう思う。勲章云々は、安永さんご自身、別に欲しくも無いであろう

(それを口に出したら独政府に対して非礼になるから、余計なことは言わないだけであろう)。

安永さんは、勲章が欲しくて、音楽家になったわけでもベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターになったわけでもない。

音楽が好きで有ることは勿論だが、お客さんを楽しませる為に、プロの音楽家として四半世紀、全力を尽くしただけだ。

安永さんご本人は、多分、
この25年、お客さんから頂戴した拍手が、何よりの勲章だ。

と思っておられることだろう。


しかし、安永さんの思いはさておき、私は、ドイツ政府が、安永さんの功績、

ベルリンフィルのコンマスを25年という想像を絶する重責を25年も務めた、その偉大さを、間違いなく、正しく理解していることに、敬意を表したい。

安永さんがコンサート・マスターに就任したときに、
自分がすごいのではなく、東洋人を敢えてコンサート・マスターに抜擢したベルリン・フィルがすごい、とおもった。

という名言を残しているが、私はドイツ政府に対して同様の感想を抱いた。

彼の国の政府は芸術や芸術家の価値、功績を正しく評価し、国籍とは無関係に、勲章という「形」でその栄誉を讃えた。

誠に教養に満ちた、フェアな態度である。


安永さんがどのようにお感じかは想像するしかないけれども、私は、我が事のように、嬉しい。

勲章を胸にした安永さんの写真(隣は今のベルリン・フィルの音楽監督、サイモン・ラトルである)を見ていただきたい。

ダウンロード 20090227yasunagabig.jpg (42.3K)

◆安永さんの本当の晴れ姿はステージだ。小澤征爾指揮、コンサート・マスター、安永さんのベルリン・フィル悲愴全曲(YouTube)

私は普段、動画共有サイトというのをあまり使わないので、YouTubeから映像を探す、ということに、

考えが至らなかったが、今日は、たっぷりと安永さんの、ステージでの晴れ姿をご覧頂こう。全曲見なくても結構だが、

YouTubeで、小澤征爾さんがベルリン・フィルでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を振り、コンマスが安永さんという、

絶好の映像を発見したので、ご覧頂きたい。昨年の1月23日、「カラヤン生誕100周年コンサート」の映像。

第一楽章(1)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part1


第1楽章(2)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part2


第1楽章(3)及び第2楽章全部

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra Tchaikovsky Symphony No.6 Part3



第3楽章 (とりあえず、景気の良いマーチだから、全部聴くのが面倒な方は、せめてこれだけでも)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra Tchaikovsky Symphony No.6 Part4



第4楽章(1)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part5



第4楽章(2)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part6



如何ですか。小澤さんも安永さんも同じ桐朋出身で、「斎藤秀雄門下」(サイトウキネン・オーケストラの「サイトウ」とは、この先生のこと)だから、

ツーカーで演りやすいと思います。こんな誇らしい映像は無いです。

世界一のオーケストラを日本人指揮者が振って、日本人がコンサート・マスターなのです!


今まで私が「安永さんが如何に偉大であるか」を語っても、なかなか分かっていただけなかったかも知れません。

勲章を貰ったから安永さんが偉大なのではなくて、偉大な音楽家だから、自然と勲章がもたらされただけのことなのですが、

勲章という分かり易い「形」になると、クラシック・ファンでは無い方にも、おぼろげに安永さんの功績が理解しやすいのではないか、

と思い、このニュースを取りあげました。

もう一曲だけ。


サイモン・ラトルの前にベルリン・フィルの音楽監督だった、クラウディオ・アバド指揮、安永さんコンマスのベルリン・フィルで、

プロコフィエフ、「ロミオとジュリエット」(「ロミオ」は色々な作曲家が音楽にしていますが、今日はプロコフィエフ。)


Claudio Abbado Prokofiew Romeo & Julia Part 1



Claudio Abbado Prokofiew Romeo & Julia Part 2



いいねえ。

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2009.02.22

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。

◆記事:「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」(共同通信)(2009年2月14日(土)10:56)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターを約25年間務めてきた安永徹さん(57)の同フィル最終公演が13日、

本拠地のベルリンで行われ、約2400人の聴衆を魅了した。

安永さんは83年に同フィルの第1コンサートマスターに日本人では初めて就任。

「帝王」カラヤンのほか、アバド、ラトルの3人の芸術監督の下で名門オケのまとめ役を担ってきた。


◆コメント:つい先日のニュースでは2月22日(今日)が最後のステージと書かれていたので驚いた。

安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターを定年まで8年を残して辞めて、日本に帰国する、と言う話は、

2009年02月04日(水) 「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

ココログはこちら)に既に書いた。

但し、この時引用したニュースには、

2月22日のオーストリア・ウィーン公演をもって辞任する。

とかいてあったので、てっきり今日が安永さんの最後のコンサートだなあ、と、数日前から思っていた。

昨日偶然、冒頭の記事を発見して、安永徹さんのベルリン・フィル最後のステージは先週の金曜日に終わっていた、と知り、

愕然とした。1週間知らなかったことで、何がどう変わるわけではないのだが、13日が最終公演だと知っていたら、

私は必ずその翌日、記事を書いたであろう。まあ、仕方がない。

念のため付け加えるならば、ステージに上がるのは2月13日が最後だが、

正式には、安永さんは3月31日付でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスターを辞するのである。


◆あまり「寂しい」と書いては、却って失礼なのは分かっているが、私はその感情を制御出来ないのである。

いずれにせよ、定年まで8年を残して退団する安永さんには、安永さんなりの熟考の末の決断があったのだろうから、

「今後のご活躍を楽しみにしています」と申し上げるべきである。そんなことは分かってるんだよ。私だって。

ベルリン・フィルに最初に入団した日本人は、ヴィオラの土屋邦雄さんで、

1957年~2001年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で弾き続けた方である。

定年でお辞めになった。誠に偉大である。

また、安永さんが辞めても、ベルリン・フィルには、ヴィオラの首席、清水直子さん、第一ヴァイオリンのテュッティ(総奏)奏者、町田琴和さんの二人の日本人音楽家が在籍しておられる。

土屋さん、清水さん、町田さんも、勿論、ベルリン・フィルのオーディションを通って、メンバーになったこと自体、ものすごい偉業だ。


しかし、日本人がベルリン・フィルのコンサートマスターを25年も務めた、ということは、並のものすごさではない。

こんな事は多分二度とないだろう。と、つい、思ってしまう(可能性がゼロとは断言できないが)。

あまり「寂しい、寂しい」と言っては安永さんやその他の皆さんに対しても失礼であることは理屈では分かるのだが、

自然に湧き上がる「寂しい」という感情を、私はどうしても制御出来ない。


◆安永徹対談集「音楽ってなんだろう」より、「ベルリン・フィルの試験」(作曲家、故・石井真木氏との対談の一部)抜粋引用

いくら私が「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを務めたことはすごいことだ」と書いても、

大部分の日本人には、ピンと来ないだろう。手元に一冊の本がある。

安永徹対談集「音楽って何だろう」(新潮社)(因みにAmazonで「カスタマーレビュー」を一人だけ書いているが、それは私である)。

(注:Amazonでは売り切れになってしまったが、インターネット古書店「日本の古本屋」には、まだ数冊ある。

「音楽って何だろう」で検索すると、すぐに見つかる。)

対談相手は四人だが、生前、安永さんと親しかった作曲家、故・石井真木氏との対談で石井さんが聞き役になり、

安永さんが、ベルリン・フィルに入団した時のこと。その後、コンサート・マスターのオーディションを受けたときのことを、

詳しく話しておられる。

ベルリン・フィルに入団しても、コンサート・マスターになるためには、別に、コンサート・マスターのオーディションを受け、

それに受かって、約1年半、試用期間があり(その間、オーケストラのメンバーとカラヤンが、安永さんを毎回観察(審査)している訳である)、

その後、もう一度オーケストラ全員による、会議が開催され、出席者の3分の2を超える得票があって、初めて「本物の」コンサート・マスターに

なることができるのである。


安永徹対談集「音楽って何だろう」(新潮社)からその部分を引用させて頂く(32ページから40ページ2行目まで)。

長いテキストだが、以下は安永さんへの敬意を表する(ことになるかどうか分からないが)ため、

私が本を見てキーボードから一文字ずつ入力したものである。

「ベルリン・フィルの試験」

石井 ところで安永さん、どうしてベルリン・フィルに入ろうと思ったんですか?

安永 土屋邦男さんが、いろいろよくしてくださいましてね。ファースト・ヴァイオリンかセカンド・ヴァイオリンの席が空くけれども、もしよかったら入って勉強してみないかとおっしゃて下さったんです。ベルリンフィルは、日本で考えられているようなオーケストラとちょっと違って、中にいて勉強になることがたくさんあるから、骨を埋めるとか大仰なことを考えずに、修業するつもりで何年間か入ってみてもいいんじゃないかと。そこでシュバルベ先生(引用者注:安永さんがベルリンの音大で習ったヴァイオリンの先生。カラヤン全盛時代に長くベルリン・フィルのコンサートマスターを務めた人)に相談したら、ああ、それはいいことだとおっしゃったので、試験を受ける気持になったんです。 77年2月でしたかね。募集があったので応募したんです。11人来ていました。その時の課題曲はモーツァルト。ドイツのオーケストラは、ヴァイオリンの場合、モーツァルトのコンチェルトの三番か四番か五番、この3つのうちのどれかを弾くことが多いんです。コンチェルトといってもピアノ伴奏で弾くんですが。それで11人弾き終わって控え室で待っていたら、二人を除いて全員帰ってよろしいといわれたんです。ぼくはその二人の中に残ったんですね。11人弾いたときにはカラヤンはいませんでしたが、残り二人になったときにやってきました。

石井 その二人というのは誰が選んだんですか。

安永 オーケストラのメンバーです。

石井 団員が全員、客席に座って聞くわけですか。

安永 そうです。ぼくのときには、いまのベルリン放送交響楽団のホール、SFB(自由ベルリン放送)ですか、あそこのホールでした。

石井 投票?

安永 挙手でいいんです。みんなでお互いに意見を言い合って、最後に、じゃあどうする、あいつをいれようか、ということになるわけ。いれるということは試用期間を始める、ということですね。

石井 プローベ・ツァイトってやつ。

安永 ええ。ぼくの場合は、77年の3月1日からすぐプローベ・ツァイトが始まって、終わったのが翌年の春ですから、1年ちょっとですね。試用とはいっても正式団員ですから当然給料は貰えます。ふつう1年契約で、その試用期間が終わると同時に、65歳までの定年までの契約になるわけです。ぼくの場合は、そのあとコンサート・マスターの試験を受けましたが。

石井 コンサート・マスターの試験を受けても65歳までの契約というのは生きてるわけですか。

安永 ええ。コンサート・マスターの試験が不首尾でも、ぼくさえOKなら団員に戻って65歳までの契約が継続されるわけです。ドイツ人は、コンサート・マスターの試験に落ちてもそのまま団員で残れるんだから、受けなきゃ損だという考え方なんですね。落ちても、あ、うまくいかなかったか、まあ、いいじゃないかと。あまり面子などにはこだわらない。

石井 ベルリン・フィルにヴァイオリン奏者として入るときはモーツァルトを弾いたということですが、コンサート・マスターになるときには特別な試験があるんですか?

安永 やはりモーツァルトを弾くんですよ。それと自分の好きなコンチェルトをひとつ。さらに、R.シュトラウスの「英雄の生涯」とか「ツァラトゥストラはかく語りき」とかいう、コンサート・マスターが実際にオーケストラの中でソロを弾かなければならない曲目があるでしょう、そういう課題が出るんです。その中のどれを弾くかというのはカラヤンが自分で指定するんです。これを弾けって。そりゃもういやなもんです。

石井 しかし、コンサート・マスターというのはヴァイオリンがうまく弾けりゃそれでいいというもんじゃないでしょう。性格とか気心とかも・・・。

安永 ええ。でもそれまでに7、8年団員としてやってきていますから、人間的なことは--。

石井 試されて、もう分かってる。

安永 あとは結局、コンサート・マスターとしての具体的な能力だけですね。コンサート・マスターにも試用期間というのがあって、ぼくの場合、83年11月から85年5月末までだったんですが、その間は、それこそまな板の上の鯉です。

石井 今度、まな板の上の鯉を川に戻してもらった、つまり第一コンサートマスターになったんですが、その時の試験というのもあるんでしょう。

安永 それまでの毎日が試験です。

石井 でも、何か特別にあるんでしょう。

安永 いいえ、特別な試験というのは何も。オーケストラ会議ってえらいものがありますが。これはね。実はオーディションに通ったときから、この会議のためにヴァイオリン・セクションだけでなく全員が見てるわけですよ。あれやこれやと。たとえば、コンサート・マスターとしての統率力はどうか。自分の言いたいことをきちんと表現できる語学力があるかどうか。指揮者の言うことをただヘイヘイ鵜呑みにするのではなく、指揮者が不適当なことを言ったときにはちゃんと対応できるかどうか。

  84年8月のザルツブルク音楽祭にカラヤンが出演することになったとき、「英雄の生涯のソロ・ヴァイオリンをぼくがやることになったんです。だれにソロをやらせるかというのは音楽監督としてのカラヤンの権限なんです。ところがそれから数ヶ月したら、御存知のように、オーケストラとカラヤンがまずくなりまして(引用者注:この頃、ザビーネ・マイヤーというクラリネット奏者をベルリンフィルに入団させるか否かで、カラヤンは入れるといったが、オーケストラは反対で、両者の間に確執が生じた。「ザビーネ・マイヤー事件」として有名)、音楽祭がお流れになったんです。結局その時は、そういうわけでソロを弾くのは実現しなかったんですが、そのあと、オーケストラとカラヤンのよりが戻ったときに、またオーケストラが安永のソロを聴かせろということになったんです。それじゃ85年2月のベルリンでの「英雄の生涯」のビデオ撮りの演奏会で安永をコンサート・マスターとして使おうと。ところが今度はぼくが病気になってしまった。医者の診断では「ワレンベルク症候群」(軽い脳血栓の一種)ではないかということだったんですが、首が痛み、肩が凝る。体が左へばかり傾く、唾が飲み込めない。あわてて入院したんですが、そのために演奏会が不可能になってしまった。で、治ってからカラヤンのところへ行きましたが、まあ焦るな、焦ったってまたぶり返すだけだからゆっくり養生した方がいいと。そういうわけでまたまた実現しなかったんだけど、カラヤンとしては自分が棒を振って一度ソロの入った大曲をやらせないと自分で納得できなかったんですね。

石井 カラヤンは完璧主義者だから・・・。

安永 ところがオーケストラにしてみれば、どっちか白黒を決めたかったんですね。もう1年もたつし、十分聴いたから、と。そこで、プフィングステン、つまり聖霊降臨祭の時にカラヤンが一回だけ棒を振ることになったんですが、その時試してみようということになったんです。そのときは小澤征爾、ジェームズ・レヴァイン、カラヤンの三人が一回ずつ演奏会をやったんですが、カラヤンのプログラムのときに安永を使ってみようということになったわけです。

石井 まな板の上にもう一度載せられた。

安永 その演奏会の1日前に練習がはじまったんですが、練習の前にカラヤンからザルツブルクのホールの自分の部屋に来るように連絡がありました。自分の部屋に来いというのは、自分の前で一人で弾いてみろということだろうと思ったんで、楽器をもってカラヤンの部屋に行きました。「やあ。こんちは。ところで君はこの曲を知ってるかい」って言うから、「それは『ツァラトゥストラはかく語りき』ですね」「よく知ってるか」「はい、よく知ってます」。そういうときに「いえ」なんて言っちゃいけないんです。カラヤンは、「ああ、知ってる?OK,OK」。そして、「この曲はシュトラウスの中でも最もむずかしい曲だ。よっぽどよく理解してないとうまくいかない」「そうでしょうね」「ところで楽譜持ってきたかい」「はい」「ちょっと弾いてごらん」。カラヤンは僕が持ってきたパート譜を取りあげて「ああ、ここ、ここを弾いて見なさい」と歌いながら棒を振るんです。ぼくは楽譜を半分むこうにとられてるんだけど、「よく知ってます」と言った手前、見せて下さいとは言えないんですからね。(笑)カラヤンは暗譜をモットーにしてますから、こっちも暗譜してる分は少しでも示さないと損する。10分ちょっとでテストは終わって「ああ、よろしい、よろしい、じゃあとでね」。6時からの練習が始まったときは、カラヤン、とてもご機嫌で。翌日の演奏会もまあまあ。カラヤンが信頼してくれた初めての演奏会という気がしました。1年半かかってようやく信頼してもらえたかという感じ。

石井 大変でしたね。

安永 でも、それだけじゃない。それはたったの一票。こんどは楽団員が・・・。

石井 120票もあるわけだから。

安永 ええ、大変でした・・・・。つまりね。ぼくのヴァイオリン演奏の技術については反対しない。ただこのポストは並の人間じゃできる仕事じゃないとみんな考えているわけです。超人的な要素が必要とされる。極端なことを言えば、ヨーロッパ人であればヨーロッパの伝統を血の中に持っているわけだけど、外国人の場合は血の中にドイツ音楽のリズムというものがない。ドイツを代表するオーケストラのリーダーになるわけだから、そのへんが問題になるんです。ましてや世界中から指揮者がたくさんやって来るなかで、いままでこのオーケストラが刻んできた歴史を継続していけるだけの勇気と決断力があるかどうか、この点がメンバーの大議論になるわけです。

石井 それは勿論欠席裁判・・・・。

安永 欠席裁判! まさにその通りですね。その会議の数日前に親しいオーケストラのメンバーがぼくのところにやってきて言うんです。「これは、お前さんのヴァイオリンがどうのとかお前さんの人間がどうのとか、そういうことじゃない。日本とベルリン・フィルとの友好関係にもかかわる問題だ。もしお前さんが不合格になった場合、その関係もまずくなるかもしれないし、第一、お前さんが一番ダメージを受けるだろう。病気になったことにして辞退すればお前さんもダメージを受けないし、オーケストラも苛酷な裁判をせずにすむ、どうだ」。

石井 厳しいね。

安永 それはほんとに良心的な意味なんですがね。しかし、ぼくは考えた。「自分はこれまで1年半ベストを尽くしてきた。指揮者はカラヤンで、オーケストラはベルリン・フィル、お客様はザルツブルクの耳の肥えた人たちだ。曲目はカラヤンが世に出たときに演奏した『ツァラトゥストラ』。相手にとって不足はない。

そして演奏をしたのが5月27日。会議は29日だったんですが、どうも1時間半ぐらい会議が行われたんですね。もういろんな意見が出たそうです。しかし、これは欠席裁判なんだからぼくが知っちゃいけないことなんですね。だからみんな説明してくれませんでした。

石井 もちろん合格。

安永 はい。実はその日、僕に賛成の人が4、5人欠席していたんです。だからファースト・ヴァイオリンのぼくの味方の人はちょっと日を遅らせようと言ったんです。欠席者はいちおう意見だけは手紙で言うことは出来るけれど、投票は出来ないんです。出席者の3分の2以上の票がないと合格出来ませんから、4、5人でも大きいんですね。投票は無記名ですから、面と向かってはいいことを言っても、書くときは何でも書けるわけです。だからそういう状況の中で3分の2をはるかに超える人が信任してくれたということは、これはもう非常な責任を感じました。

石井 嬉しかったでしょう。

安永 ううん、通ったという電話をもらった時に、「そうか」だけでおしまいだったらしい。あとであの時はどうしたんだって言われましたから。素直に喜べなかったんですね。事の重大さにわなわなとしてしまって。

お読みになって分かると思うが、コンサート・マスターのオーディションを合格してもそれからの(安永さんの場合)1年半は毎回のコンサートが、

謂わば「試験」だったわけである。その後、投票があって、侃々諤々の議論の後に、正式に「合格」となる。その1年半のプレッシャーは察するにあまりあるが、

この対談が行われたのは、本の記録によると、1985年8月9日である。丁度、正式にコンサートマスターに就任した直後の対談だから、

細部まで安永さんもはっきり記憶していて、カラヤンにいきなり呼ばれて弾かされたり、会議の前に、「もしダメだったら大変だから、辞退したらどうだ」と

本気で心配してくれた、ベルリン・フィルの同僚の話など、日本語で書かれた本で、安永さんのベルリン・フィルコンサート・マスター就任までの内幕が

ここまで生々しく記録されている本は他に無い、と思う。安永さん自身、正式にコンマスと決まったときは、あまりの事の大きさにわなわなとしてしまった、

というぐらいの重責を、四半世紀も務めたのが、安永さんであり、敬意を表するなと言われても無理で、

他の誰が何と云おうと(誰かが何かを言っている訳ではないが)私は安永徹さんを尊敬している。

それは終生変わることが無いであろう。


◆【音楽】「安永徹 ヴァイオリン演奏会」よりコレルリ・ヴァイオリン・ソナタヘ長調 作品5-4全楽章

過去に、私が何度もおすすめした安永さんのCD、デュオ・コンサート。改めてお薦めする。

今まで、冒頭に収録されたコレルリのヴァイオリン・ソナタヘ長調、作品5-4、の第一楽章だけ載せたが、

今日は、全楽章(5つの楽章)を載せさせて頂く。

コレルリ:ヴァイオリン・ソナタヘ長調 Op.5-4。第一楽章





第二楽章




第三楽章




第四楽章




第五楽章




安永さんの楽器はチェロで名器を沢山残したクレモナの弦楽器職人モンタニアーナが作ったものである。

ヴァイオリンもお聴きの通り、名器である。

本当の名人が名器を弾いた名演奏である。私は自分が持っているヴァイオリンのCDでこれが最も好きなのである。

先日と同じ言葉で締めくくります。


安永徹さん、25年もの長きにわたる、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスターとしてのお務め、

お疲れ様でした。心より誇りに思い、尊敬しています。

今後、安永さんの日本でのご活躍を改めて祈念致します。

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2009.02.08

「大阪センチュリー交響楽団存続へ 知事が補助金認める」←とりあえず良かったけど、橋下知事、分かってない。

◆記事:大阪センチュリー交響楽団存続へ 知事が補助金認める (朝日新聞)(2009年2月5日16時39分)

財政再建を進める大阪府の橋下徹知事が補助金支出に難色を示していた「大阪センチュリー交響楽団」が新年度も存続する見通しになった。

橋下知事が4日夜の幹部会で、経営改善の状況を見極めるとして、新年度予算案で楽団を運営する府文化振興財団への補助金1億1千万円を計上することを認めた。

財団への補助額は08年度予算の4分の1に減額され、事業収入や国の補助金を合わせても約1億5千万円が不足する見通し。

財団では人件費削減などで不足分を補う。府は09年度から2年間は運営補助を維持し、経営改善状況と「府民オーケストラ」としての定着度合いを見極める。

同楽団は89年に府が20億円の基本財産を出資して財団を設立した。

橋下知事は昨年6月の財政再建プログラム案で補助金の大幅縮減を表明。先月30日の部局との公開論議でも

「経営改善計画や次世代育成策が示されず、1億1千万円と言われてもオーケー出せない」としていた。


◆コメント:オーケストラは、最初から「儲からない」ものに決まっているのだ。

昨年4月就任間もない、橋下知事が、来年度から、大阪のオーケストラへの補助金をゼロにする、というニュースが流れた。

私は、「オーケストラを知事の一存で簡単に『潰す』などと言うものではない」と思い、大反対の記事を立て続けに書いた。

2008年04月09日(水) 「在阪楽団への運営補助金を大幅削減 橋下行革」←大阪府議政務調査費、年間6億5千8百万円を減らせ。ココログはこちら。)

2008年04月11日(金) 「大阪府 1100億円収支改善へPT試案 医療費助成を縮小」←大阪センチュリー交響楽団を救え!ココログ

2008年04月30日(水) 府:PT案「府民の会」が知事に要望書 /大阪センチュリー交響楽団その後。廃止反対署名9万3千件(4月28日現在)ココログ

橋下知事が簡単に大阪センチュリー交響楽団への補助金を打ち切るといったのは、

彼がオーケストラを聴く楽しみを知らないからであることは、ほぼ間違いない。司法試験に通ったのだから、

知能はある程度高いのだろうが、法律の知識だけ持っていても無教養な奴が知事になると、
オーケストラ→無くても困らない。→補助金が無駄→潰せ

という発想になる。それは、東京都交響楽団員に「能力給を導入する」といった石原慎太郎も同じだ。

音楽を知らない、ましてや、オーケストラなど聴いたこともない、東京都の人事のヤクニンが、

オーケストラのプレイヤーの「能力」を「評価」出来るわけがないし、ヴァイオリン奏者と、フルート奏者と、ティンパニ奏者の

「能力」をどうやって比較するのか、方法を教えていただきたい。


話がそれたが、昨年、橋下知事のプロジェクトチームが策定した、「大阪センチュリー交響楽団への補助金廃止」は全国の教養ある人々の

反発を招き、大阪センチュリー交響楽団を応援する会によると、
急遽立ち上げた「会」の訴えに、広範な府民や全国の支援者の皆さんがすぐさま呼応して下さり、

(2008年)5月定例府議会開催までに「補助金の継続を求める署名」が107,036筆も集まりました。

とのことである。


橋下知事は、今年1月31日までは、補助金打ち切りを明言していたが、4日の幹部会で、急に言うことが変わり、
新年度予算案で楽団を運営する府文化振興財団への補助金1億1千万円を計上することを認めた。

そうだが、そもそも大阪センチュリー交響楽団は、大阪府が音頭を取って平成元年に、設立したオーケストラである。

作ったからには責任を持て、と言いたい。オーケストラなんてものは、そもそも世の中全体から見ればクラシックファンなどごく一部のもので、

儲けたいなら、大阪府主催で、ジャニーズコンサートでも開けば良いのである。

オーケストラは、そういう運命にある。

出来た瞬間から赤字が続くことが分かっている。それは、ヨーロッパでも同じ事だが、芸術を理解する行政当局が補助金を確保している。

大阪センチュリー交響楽団は、例えば、平成19年度は年間予算約7億5000万円のうち約4億2000万円が府の補助金だったのだから、

今回存続を認めたといっても、府の補助金は従来の四分の一に減っている。後は、経費削減で何とかしろ、というが、ただでさえ安い、

オーケストラ・プレイヤーの給料を削れというのか。そんなことをしたら、上手い人は他所へ映ってしまうかも知れないし、

良い楽器を買うには、十分な予算が必要だ。

繰り返すが、オーケストラの財政を一般企業の財務・会計と同一視することが根本的に間違っている。

オーケストラは、カネが儲からない構造になっている。

カネが儲からなくても人の世には、人の心をを癒やし、慰める音楽やその他の芸術が絶対必要なのだ。

漱石が「草枕」の冒頭で書いたことはそう言うことだろう。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。

人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。

ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

住みにくき世から、住みにくき煩いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画である。あるは音楽と彫刻である。

(注:太文字は引用者による)。

それが、どうしても分からない奴。カネにしか換算出来ない奴を私は「無教養な野郎」というのである。

橋下もその1人だ。
府は09年度から2年間は運営補助を維持し、経営改善状況と「府民オーケストラ」としての定着度合いを見極める

バカ。昨年、補助金打ち切りのニュースが流れてから、僅か1ヶ月で大阪府のみならず、全国から、

10万人を超える人が反対署名をしたのだ。それでもまだわからないのか。

「定着度合い」を見極めるとはどうやって「見極める」のか、その方法を教えて貰いたいものだ。


大阪センチュリー交響楽団に限らず、オーケストラは、一旦出来たら、その都道府県だけのものではない。

日本の財産である。オーケストラを潰すことは一瞬で出来るが、オーケストラを設立し、

そのオーケストラが独自のスタイルを確立するまでには長い時間を必要とする。

いい加減分かれ。橋下の馬鹿野郎。


◆引き続き、大阪センチュリー交響楽団を応援する会では、署名を募っています。

大阪センチュリー交響楽団を応援する会では、新たに、大阪府議会への請願署名を募っている。

リンク先を見れば分かるが、署名は自筆でなければならない。用紙を印刷して、自分独りでもいいから、自筆で署名して、

大阪センチュリー交響楽団を応援する会

〒540-0012 大阪市中央区谷町1-5-11-701

に、送りましょう。無論、個人の自由意思で決定することだが、是非お願いします。

最後にお断りしておくが、私個人は、大阪センチュリー交響楽団と何の利害関係もない。

ただ、オーケストラが潰されるかも知れない、のを黙ってみているわけにはいかないのである。

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2009.02.05

「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

◆記事:ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ(西日本新聞 2009年1月27日)

世界最高峰の管弦楽団とされるベルリン・フィル(ドイツ)の第一コンサートマスター、

安永徹さん(57)=福岡市出身=が2月22日のオーストリア・ウィーン公演をもって辞任する。

安永さんは九響永久名誉指揮者の故安永武一郎さんの長男で、バイオリニスト。桐朋学園大を卒業後、1977年にベルリン・フィルに入団。

83年に指揮者・カラヤンに認められ、東洋人初の第一コンサートマスターに就任した。一般奏者からの就任も同楽団史上初で、話題を集めた。

高い音楽センスと温かな人柄で楽団員の人望を集め、室内楽やソロ演奏にも積極的に取り組んできた。

65歳の定年まで約8年を残した辞任の理由について、安永さんは「個人的な理由」として明らかにしていないが、

今後は北海道に住まいを移し、「1年後ぐらいには何をするか、見えてくると思う」と話している。

後任は未定という。


◆コメント:99%の日本人には、分からないでしょうが、「日本人がベルリン・フィルのコンサートマスターである」ことのものすごさ。

大袈裟ではなく、今日、このニュースを読み、私は本当に具合が悪くなり、暫く横になりました。

安永さんには申し訳ないが、残念でたまりません。もう、安永さんがコンマスを務めるベルリン・フィルを見ることは無いのですね。

ベルリン・フィル、ウィーン・フィルだけがオーケストラではありません。全然無名のオーケストラでも驚くほど上手いことはいくらでもある。

そんなことは、私は百も承知です。

しかし、ベルリン・フィルが世界一のオーケストラの一つであることは、昔も今も変わりません。


凡百の音楽家は、そもそも、ベルリン・フィルのオーディションに受かりません。

普通なら、ソリストになってもおかしくないほど、上手い人が、各楽器のセクションに並んでいるのです。


◆コンサートマスターは「年功序列」で就任するのではありません。

コンサートマスターは、第一ヴァイオリンの首席奏者であり、弦楽器セクション全体のリーダーであり、オーケストラ全体のリーダーです

(実際、英語では、コンサートマスターのことを「リーダー」と言います)。

従って、自分の第一ヴァイオリンの譜面が弾けるのは当然のこととして、オーケストラ全体を指揮者と同様に、

あるいはそれ以上に分かっていなければなりません。スコア(総譜)を勉強しなければなりません。


ましてや、それが、世界一のオーケストラなのですから、そのコンサートマスターになる、ということは、欧米人でも難しい。

全く異なる文化圏である日本の人がドイツの超一流オーケストラのコンサートマスターを25年も務めたことの偉大さを、

残念ながら、日本人の100人に1人も分かっていないと思います。


私が大学生の頃、安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターに決まった、というニュースを聞いたときの興奮は、

今でも良く覚えています。自分のことでも、自分はプロの音楽家でもないのに、飛び上がるほど嬉しかった。

日本人であることを心底、誇りに思いました。


今まで、そのことを何度も書きました

一番、力を込めて書いた記事は、

ベルリン・フィル 第一コンサートマスターを23年間務めている日本人バイオリニストがいます。お薦めCDも。ココログはこちら)。

だと思います。

これを読んで頂くと、安永さんの偉大さが、お分かり頂けると思います。いや、分かって下さい。


◆安永徹さん、長い間、お疲れ様でした。安永さんを日本人として誇りに思う気持ちは、25年経った今も変わりません。

安永さんが定年まで8年を残し、今月22日のコンサートを最後に退団なさるとのこと。

正直に云うと、残念、いや、悲しい、といっても過言ではありません。

安永さんほどの方、日本人であるにも関わらず、四半世紀以上、天下のベルリン・フィルのコンサートマスターを務められる人は、もう現れないかも知れません。

私はロンドン駐在時、ロイヤル・フェスティバル・ホールで、安永さんがコンマス(乗り番のとき)のベルリン・フィルを、何度も聴きました。

外国に住むということは、藤原正彦さんの言葉を借りるなら、「日本を常に、そして、過剰に意識すること」です。少なくとも私はそうでした。

ステージの安永さんの「勇姿」(と言っても、ご本人は淡々としておられるのですが)をどれほど、誇らしく思ったか、ありありと思い出します。

胸がはち切れそうな、高々とした気持ちでした。

あの時も、今も、私は安永さんを誇りに思います。安永さんは謙虚な方で、

「日本人をコンサートマスターにしたベルリン・フィルが偉大なのです」

と、仰いますが、私の気持ちは永遠に変わらないでしょう。

長い間、ベルリン・フィルハーモニカーの第一コンサートマスターをお務めになり、お疲れ様でした。

帰国後のご活躍を楽しみにしております。

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2009.01.23

【音楽】(サウンド・トラック)ドラマ「王様のレストラン」って覚えていますか?

◆14年前の三谷幸喜作品です。

これは、1995年にフジテレビ系列で放送されたテレビドラマで、

脚本が、今はすっかり大物、「古畑任三郎」などで有名な三谷幸喜さんですね。

テレビで放映されてから14年経った今でもすぐにDVDを入手出来る(レンタルしてないんです、残念ながら)、ということは、

今だに人気がある、というか、多くの方に「もう全て知っているのだけど、もう一度見たい」と思わせる芝居だということでしょう。

多分、三谷さんの最高傑作じゃないでしょうか。

何しろ、舞台は、狭いフレンチレストランのセットだけなのです。ロケは皆無。完全なセリフ劇なのです。

1クール、11話。台詞だけであれだけ面白い芝居というのは、あまり記憶にない。

私はロンドン駐在でしたが、一週間遅れぐらいで日本から、ビデオ(当時、DVDはありません)が日本書店でビデオ貸出をしている店に

届くのを心待ちにしていたのを覚えております。


◆服部隆之氏の音楽が素晴らしいのです。

服部隆之氏とは、祖父上が、服部良一さん(歌謡曲ですね)、父上が服部克久さん(あまりどういう音楽を書いたのか知りません)

に持つ、実に三代続けての作曲家なのですが、ちゃんと芸大の作曲で勉強した人ですね。


多くの方が賛成して下さると思いますが、あのドラマは、それ自体素晴らしいけど、それをより一層引き立てていたのが、

服部隆之の音楽です。1クール、11回のドラマの為に書かれた音楽としてはあまりにも立派でもったい無いぐらい。

何度も書いて恐縮ですが、私は当時海外にいたのに、どうしてもこのドラマのサウンド・トラックが欲しくて、日本に注文したほどなんです。

なんと、これも今でもすぐに手に入ります。DVDは高いけど、CDはまだ、マシでしょう。

王様のレストラン オリジナル サウンドトラックです。

今まで忘れていたけど、きっと若い方なんかご存じないのではないでしょうか。本当はDVDもお薦めですが、

今日はまず、音楽。1曲目。オープニングに使われていた、「勇気」(ホントはフランス語でBon Courage書いてある)という曲です。






懐かしいでしょ? 御存知の方は?ドラマご覧にならなかった方も純粋に音楽として良いでしょ?

次は、これが「王様のレストラン」序曲なんだそうです。原題 "Overture de Restaurant de Roi"







短いけど、キリッと引き締まった曲です。

次は、これも劇中何度も流れていましたが、「愛すべき客達」です。原題。"Gastranome aimable"。






上手く、ほのぼのとした光景が音で表現されていると思います。

さて、最後、松本幸四郎が演じたのは、「伝説のギャルソン」でした。その「ギャルソンのボレロ」。原題、"Bolero des garcons"。






作曲家だから当然ですけど、服部隆之氏は、オーケストラの楽器の特性を、とても良く把握しておられると思います。

タンバリン、カスタネット、トライアングルなど、小さい打楽器の使い方が非常に効果的だし、必要な所ではキチンと決めるティンパニ。

弦楽器の流麗な響き、木管の暖かさ。金管の猛々しさなど。

13年前のドラマの音楽として、埋もれてはあまりに勿体ない、と思って紹介しました。

と言うわけで、音楽だけでも楽しめますので、よろしければ、お聴き下さい。

それでは。

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2009.01.17

【差替】あまりにも楽しいクラシックの映像なので、1人でも多くの方に見て頂きたいのです。/ダニー・ケイのスピーチの一部翻訳。

◆これほど、完全にパクるのは、初めてです。「ダニー・ケイ、ニューヨーク・フィルの指揮者に挑戦」動画リンク集。

最初に書きますが、今日は、相互にリンクを貼らせて頂いている。Kenさんのがたがたへりくつクラシックと全く同じ動画を紹介します。

だったら、Kenさんのブログにリンクを貼って終わりにしても良いのですが、それでは、あまりにも手抜きなので、こちらでも全く同じですが、

本日は、この、絶対に愉快なYouTube動画へのリンク集とさせて頂きます。


◆既に故人ですが、アメリカのコメディアン、ダニー・ケイという人がいました。クラシックが好きでした。

ダニー・ケイ(1913-1987)は、既に故人ですが、アメリカでは一世を風靡した大スターで、

どちらかというとコメディですが、シリアスな演技も出来る役者です。

日本の芸能人、トロンボーンを吹く、クレイジー・キャッツの谷啓(たに・けい)さんの芸名は、ダニー・ケイから取っています。

ダニー・ケイの詳細に関しては、ウィキペディアを読んで下さい。


ダニー・ケイの本職は、役者・コメディアンでしたが、彼はクラシックが好きでした。

本人は楽譜を読めないと言っていて、それは本当のことなのですが、あるときから、プロのオーケストラの指揮を始めました。

普通の真面目なコンサートではなく、ユーモア(というか、ギャグ)を交えて矢鱈と喋りながらのコンサートなんですが、

アメリカの一流のエンターテイナーだけのことはあって、才能豊かな人で、楽譜は読めなくても指揮ぶりは玄人はだしなのです。


故・岩城宏之さんは、ダニー・ケイと仲が良かったらしいです。岩城さんが週刊朝日に連載していた「棒振り旅がらす」というエッセイが本になっています。

この本で、岩城さんがダニー・ケイのことを、

「彼は楽譜は読めないかも知れないが、音楽を身体で表現する能力は、そんじょそこらの本職の指揮者よりも優れている」

と書いていたほどです。

楽譜が読めないから耳から覚えた音楽を元に棒を振っているのですが、選曲もロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲とか、ベートーベンの8番とか、

本当に長い間クラシックに親しんでいたことがよく分かります。


かれは、このような、半分、コメディ・ショーのようなコンサートを全米各地で何度も演り、それで得た収益をユニセフに全部寄付していたそうです。

その中でも1981年9月にニューヨーク・フィルハーモニックと催した「コンサート」は、以前VHSビデオで、日本語字幕入りで売られていました

とにかく、楽しいのです。ギャグにオーケストラをも利用するのですが、決して恥をかかせることなく、最後はオーケストラを立てる気遣いをしている。

人柄の良さが伝わった来ます。


VHSビデオが廃盤になってから、一向にDVD化されない(一時期「レーザーディスク」になったことはあるのですが)のです。

これほど楽しい映像(クラシックが基本に据えられているのに)は他にありません。どうして早くDVD化しないのか不思議です。

長い間見たくて見られなかった映像がYouTubeにアップされているのを、Kenさんが見つけて下さいました

昨日も音楽だったので、今日は時事問題を書くつもりでしたが、あまりにも懐かしくて楽しくて、他のことが考えられなくなってしまいました。

YouTubeでは、17のファイルの分けてアップされています。

とにかく絶対に楽しい。週末にちょうど良いから、是非見て下さい。


◆「ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ」 リンク一覧

動画へのリンクです。


An Evening with Danny Kaye -1981 (part 1 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 2 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 3 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 4 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 5 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 6 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 7 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 8 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 9 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 10 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 11 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 12 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 13 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 14 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 15 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 16 / 17)

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 17 / 17)


本当は字幕入りで、ダニー・ケイが喋っていることが分かるともっと楽しいのですけどね。

映像と音楽だけでも十分楽しいと思うのですが、お気に召さなかったら、ごめんなさい。


◆【追加】Kenさんが、曲目リスト他を追加してくださいました。Part16のダニー・ケイのスピーチ、最初だけ訳しました。


この記事の元となった、Kenさんが、ココログのコメント欄に曲目リストと、見出しを加えて下さいました。

Kenさん、ご親切にありがとうございます。


このコンサートの最後は、「星条旗よ永遠なれ」で締めくくられますが、その演奏の前に、ダニー・ケイがお客さんに向けたスピーチをしています(part 16)。

全体をプロに訳して頂けたら有難いのですが、とりあえず、私が拙いながらも、スピーチの一番最初の一番感動的な部分を訳してみました。

私の英語力ではこの程度が限界で、多分、聞き漏らしている言葉や、誤訳があると思うのですが、要旨は間違っていないと思います。

よろしければ、お読み下さい。

私は、実は、以前何処かで話したかも知れないけれども、楽譜が読めません。

しかし、私がどうあれ、私がただ申し上げたいのは、皆さんは今夜、大変素晴らしいことをなさった、ということです。そしてそれは、誰でも出来ることなのです。

皆さんは今夜、ここに集まり、互いに手を差し伸べ、人々と友情を分かち合いました。

皆さんがなさったことにより、ここにいらっしゃる、全ての音楽家、演奏家--皆さんをを楽しませ、幸せにするため、彼らの人生を音楽に捧げ、エネルギーを、愛を、音楽に注いでいる人々、---は、

いつの日か、楽器を持たなくなる時が来ても、今夜のことを思い出し、安らかな気持ちで人生を送ることが出来るでしょう。

私は申し上げたいのですが、より多くの人々が、今夜、皆さんがなさっているように、互いを愛することができれば、

より美しく、寛容で、素晴らしい、愛すべき世の中が実現するだろう、と思います。(以下略)

音楽家への尊敬の気持ち、観客への愛情が溢れている、素晴らしいメッセージだと、私は思います。

(何か間違いがあったら、ご指摘下さい。続きを訳して下さる方がいらっしゃったら、大変有難いです)。

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2009.01.01

明けまして、おめでとうございます。フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル。/【恒例】管弦楽のためのラプソディ

◆明けましておめでとうございます。

皆様、明けましておめでとうございます。

本年も、弊日記・ブログを御愛読頂きますよう、御願い申し上げます。


今日はですね。勿論、世の中にニュースはあるのですけれども、いずれもあまり明るい話ではない。

例年、元旦は大抵、おめでたい雰囲気の音楽を載せることにしてまして、今年も、そうさせて頂きます。


◆フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(以下、PJBE)が解散してから生まれた方も多い世の中なので、仕方ないのですが、

最近、PJBEのCDって入手し難いので恐縮ですが、手持ちのCDは私が若い頃に買ったものもかなりあるので、どうしても、

たまにこういうことがあります。


さて、曲ですが、まず、パーセルというイギリスの作曲家による、「トランペット・テューンとエア」(Trumpet Tune & Air)です。

お聴きになったことがある方、いらっしゃると思います。






ヒジョーに、気分が良いですね。これは、今は在庫がないのですが、戦い/バロック・コンサート に収録されています。

本当はこれを丸ごとご紹介したいぐらいなんですが、そうもいかないので、また、ボチボチ載せます。


次は、PJBEの水上の音楽/王宮の花火の音楽(これもAmazonにはないですね。TowerやHMVも見ましたが、無いようです)から、

ヘンデル作曲、 「オケージョナル・オラトリオ」から「マーチ」です。






普通のトランペットよりも音域が高い、ピッコロ・トランペットの音が天に突き抜けるようですね。

これを吹いている方は、マイケル・レアードという方です。


さて、同じ水上の音楽/王宮の花火の音楽から、「王宮の花火の音楽」最後の2曲。

まずは、「歓喜」(La Rejouissance)です。






華やかですね。最後は思い切り盛り上がる、「ファイナル・メヌエット」(Final Minuet)です。






作品も編曲もすばらしく、演奏も素晴らしいことは言うまでもありません。私の世代のラッパ(かつての)少年たちにとって、

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルは、「神様」のような存在でした。


◆お正月で日本風だけど、西洋音楽に編曲してある、外山雄三氏作曲、「管弦楽の為のラプソディ」

これを正月に載せるのは今年で三回目ですが、日本では、既に過去何十年も、皆さん毎年年末には「第九」を聴きに行きますよね。

同じ時期に同じ曲を聴くと、安心感があるかとおもいまして。いえ、別に「第九」に対抗するほどの意識はないのですが・・・。

これはいつも、ナクソスの日本管弦楽名曲集をお薦めしていますが、

この曲は、1960年に、NHK交響楽団が日本のオーケストラとしては初めて、世界一周演奏旅行をしたのですが、

その際、アンコール用に外山さんが作曲したのです。

演奏旅行は大成功で、故・黛敏郎氏の表現を借りるなら、「世界は文字通り『驚嘆』した」そうです。

「日本にこんなに上手いオーケストラがあるのか。日本人に西洋音楽がわかるのか」と。

当時はその程度の認識です。その時にずーっと指揮者をしたのが、作曲者であり指揮者でもある外山雄三氏と、

故・岩城宏之さんだったのです。「管弦楽の為のラプソディ」は、ですから、本来N響の十八番です。


私は、好運なことに、一度、岩城宏之さんがN響を振ったコンサートで、アンコールでこの曲を聴きました。

N響のプレーヤーがノリまくりで、ものすごく楽しい演奏でした。正直云うと、この録音、ちょっとおとなしすぎるんです。

N響を岩城さんが振ったCDもあるので、余裕のある方は聞きくらべてご覧になっては如何でしょう。

しかし、この演奏も十分に楽しい。どうぞ。






和太鼓をはじめ、日本の打楽器を多用していますが、何処の国に言っても、外人さんはあの高い音で響く「チャンチキ」に非常に興味を持つ、

と岩城さんがどこかで話していたことを思い出しました。

それでは、皆さん、良いお正月をお過ごし下さい。

(全然関係ありませんが、「初夢」というのは2日に見る夢ですからね。今夜じゃないですよ)

それでは。

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2008.12.19

「演奏会をネット中継でどうぞ=ベルリン・フィルが有料配信」←これは楽しみだな。/「幻想」第4楽章 、「どろぼうかささぎ」序曲

◆記事:演奏会をネット中継でどうぞ=ベルリン・フィルが有料配信(12月18日7時2分配信 時事通信)

世界有数のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は17日、インターネットを通じて年間約30回の演奏会を中継する

有料配信サービス「デジタル・コンサートホール」を開始すると発表した。世界中どこからでも一流の演奏を堪能できるもので、

多くのクラシックファンの関心を集めそうだ。 希望者はホームページ(www.berliner―philharmoniker.de)から登録する。

1回券は9.9ユーロ(約1200円)、シーズン券は149ユーロ(約1万8000円)で、

生中継だけでなくオン・デマンドでもコンサートを楽しむことができる。既に始まっている今季のシーズン券は89ユーロ。


◆コメント:日本では、ほぼ絶対聴けないからね。

日本では、というのは、ベルリン・フィルの来日公演である。

日本人は、特にベルリン、ウィーン、両フィルハーモニーの来日公演に関しては異常な熱意を持つ。

売り出し開始の瞬間に売り切れ。しかも馬鹿高い。


私は、ヨーロッパで、ベルリン・フィルの定期をベルリンで聴けなかったのが残念だったが、幸い、

ロンドンには、結構頻繁に来るし、イギリスでは日本のような異常な熱狂はないから、簡単にチケットを買える。


これは、何度も聴いた。ある時のプログラムは、アバド指揮、コンサートマスターが安永徹さんで、

曲は私の大好きなマーラーの交響曲第5番だった。

何と、冒頭のトランペット・ソロが見事にひっくり返った。

五月蠅いことを云えば、これでこの日のマーラーの5番は「はい、お仕舞い」である。

人間だからミスはするが、音楽では、絶対にここは間違えてはいけない、というところがある。

「マラ五」の頭のトランペットなど、その典型である。しかし、間違えた首席奏者は立派だった。

致命的なミスから立ち直り、その後は曲の最後まで、ただの一度もミスをしなかった。

この「ミスをしても、素早く気を取りなおして平常心に戻る能力」を私は勝手に「復元力」と呼んでいるが、

プロとアマの違いの最も大きな点の一つだと思われる。

冒頭のミスは惜しまれたが、演奏終了後、答礼するトランペット奏者に、私はブラボーを叫んだ。



カラヤン・ベルリンフィルのCDから。

一曲目。ベルリオーズ「幻想交響曲」第四楽章「断頭台への行進」。CDはこちら



ダイナミックレンジ(ppからffまでの音の強さの幅)の広さ、は確かにベルリンフィルの魅力の一つだ。


次は楽しい、ロッシーニ作曲、歌劇「どろぼうかささぎ」序曲。CDは、序曲・前奏曲・間奏曲集






同じ音型を繰り返しながら次第に音が大きくなり盛り上がるロッシーニ独特の手法を「ロッシーニ・クレッシェンド」と言います。

スネアドラム(小太鼓)や、ピッコロ、トロンボーンの活躍が楽しい。お薦めです。

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2008.09.09

9月8日はドヴォルザーク(1841~1904)の誕生日。交響曲第8番をお聴き下さい。

◆鉄道オタクだった、ドヴォルザーク(という話を4年前に書きました)。

ドヴォルザークは、ボヘミアの作曲家。ボヘミアというのはチェコの北西部ですね。

この方、大変な鉄道マニアだった、と言う話を4年前に書きました

そこには、彼にまつわる他の逸話も書いてあります。ちょっとだけ繰り返しますと、

ドヴォルザークは1892年、51歳の時にニューヨークのナショナル音楽院の学長として、アメリカ人の金持ちに招聘され、渡米しました。

それまでは、プラハ音楽院で教えていたのですが、アメリカからのオファー(給料です)によれば、年収が一挙に25倍になるんですから、

そりゃ、行きますよね。

行ったアメリカがドヴォルザークにとっては「新世界」で、そこから故郷を想って書いたのが交響曲第九番です。

だから、あれは、"From the new world"ですね。「新世界より」というのが大事なんですが、「新世界より」はあまりにも、

「名曲コンサート」で演奏されるので、ここでは載せません(正直言って、耳にタコが出来てます)。


◆ご存じない方も多いでしょうが、交響曲第8番は、大変な名曲です。

言葉で、あれこれ書くよりも、聴いていただくのが早いのですが、

第一楽章は、次から次に主題(メロディー)を思いついちゃったらしくて、

その処理に苦労している、と、山本直純さんが生前笑いながら解説していたのを思い出します。


この曲のCDはジョージ・セル=クリーブランド管弦楽団の演奏が定番です。

これからお聴きいただくのは、50年前、なんと1958年の演奏ですが、全然古さを感じさせません。

この時点で既に名演です。それでは、早速。

第一楽章です。






第三楽章です。私は初めてこの楽章を聴いたときに、あまりの美しさ、ロマンチシズムに、背筋がぞくぞくっとしたのを覚えています。





フィナーレ(終楽章)です。華やかなトランペットのファンファーレで始まります。

あまりにも見事に合っているので、うっかりすると気が付かないかも知れませんが、これは二人で吹いているんです。

途中、一旦静かになりますが、コーダ(終結部)にはいると、どんどん盛り上がりますから、お楽しみに。





セル=クリーブランド管弦楽団は何度か、ドヴォルザークの交響曲第8番を録音してまして、

私が持っているのは非常に古い、ソニークラシカルというシリーズなんですが、どうも廃盤みたいです。

セルの晩年、1970に演奏した、ジョージ・セル最後の録音にして、最高の名演といわれているCDがあります。

ドヴォルザークの8番のCDとしてはこれをお薦めします。

それでは。

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2008.08.31

サバリッシュ「管弦楽名曲集2」全曲アップロード。アップロード出来なくなる前に。

◆ウォルフガング・サバリッシュ指揮:バイエルン国立歌劇場管弦楽団による超ポピュラー名曲集

サバリッシュ氏は私が小学生のころから、「サバリッシュ先生」と呼び、世界で最も尊敬する指揮者です。

N響を数年前に指揮したのが最後ですが、全盛期からは想像も出来ないほど弱っておられて、涙がでました。

そのサヴァリッシュ先生が、20年前、手兵のバイエルン国立歌劇場管弦楽団と演奏した、

サヴァリッシュ先生にしては非常に珍しい、アンコール・ピースみたいなのばかりを集めたCDを出しました。


管弦楽名曲集1、2ですが、今日は管弦楽名曲集2

を(こっちの方が面白いので)全曲アップします。

間もなく、ココログでは1MB以上のファイルをアップロード出来なくなりますからね。

レンタルサーバサービスを使用し、そこにリンクを貼れば、今まで通り上手く行くはずですが、

私は、そういうの、分からないんで(PCとかネットに詳しい者が身の回りに一人もいないのです)

上手く行くとは限らない。


◆以前、このアルバムの一部をお聴かせしたのですが、名演にも関わらず、何の反響もなかったのです。

もっとも、その日はニュース解説記事の後に載せたのがいけなかったのかも知れませんが、

こちらの予想に反して、見事に何の反響もなくてがっかりしたのを覚えています。

天下の名指揮者と名オーケストラが楽しい曲を沢山聴かせてくれます。

一枚、丸ごと載せます(←半ば、ヤケクソ)


スッペ「軽騎兵」序曲。説明要りませんね。





小学生のころから、何万回聴いたか分かりません。「クラシック通」はきっと馬鹿にするでしょうけど。

スッペ「詩人と農夫」序曲

曲前半は、長いチェロのソロがある。そこで退屈だと思わないで我慢して聴いて下さい。

躍動する音楽が控えています。





エロール、歌劇「ザンパ」序曲。楽しいよ。





この曲は昔、NHK・FMの何とか言うクラシック番組のオープニングだかエンディングに使われていたのを、

思い出します(この話が通じる人、私と同年配で、かなりのクラシック好きだね)。

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲。曲が始まってすぐに弦楽器によるフーガがあります。

だんだん、楽器が増えて行く。最後、コントラバス、このテンポで本当にちゃんと弾いているのかしら。

ある音を強調する、スフォルツァンド、という指定が随所にあり、大変印象的な効果をあげています。





フェラーリ:「マドンナの宝石」間奏曲。とにかくきれい。

この曲を、サヴァリッシュ先生がN響で演奏したことがあります。その棒(の動き)のきれいだったこと。

音楽が見えるようでした。懐かしい。





オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲。これも説明不要。最後の部分は皆さん聞いたことあるだろうけど、

一曲丸ごと聴いた人、あんまりいないでしょ?(クラシック好き以外の人に向かって書いています)。





途中、コンサートマスターのソロ、きれいですよね。

ベルリオーズ:劇的音楽「ファウストの劫罰」より「ハンガリー行進曲」。「ラコッツィ行進曲」とも言います。

途中、突然破壊的に咆哮するトロンボーンが極めて印象的です。





最後、19世紀のフランスの作曲家、シャブリエという人の「狂詩曲 スペイン」





二拍子に聞こえるけど、実は速い三拍子の曲なのです。面白いです。

お楽しみ頂けたでしょうか。絶対エンピツ投票ボタン押して下さいね。

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2008.08.22

ロシア管弦楽名曲集です。お薦めあり。

◆ロシアと言ったって、チャイコフスキーだけじゃないのですね。

今日はロシア音楽特集です。あまり堅苦しいのや、演奏時間が長いのは省いています。

ロシア音楽とは、を書き出したら、長くなりますので割愛します。ネットでいくらでも

調べられます。

まず、20世紀最大の作曲家のひとり、ショスタコービッチが革命記念日用に書かされた、

しかし、大変スリリングな名曲「祝典序曲」です(吹奏楽コンクールでもよく演ってますね(吹奏楽用に編曲したものを))。





はい、如何にも、党(ソ連共産党)に気に入られるようにかいてますね。

聴かなくてもいいですが、これを、ジャーマン・ブラスが演奏したのもよかったら聴いて下さい。





良くもまあ、これほどパラパラ吹けるものです。


次は、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」(元々バレエ音楽ですが、コンサート用に抜粋したのがあります。

その中から、「モンターギュー家とキャピュレット家」。コマーシャルなどでもしばしば使われますので、

御存知の方、多いと思います。「ロミオとジュリエット」は他の作曲家も音楽にしてますが、

プロコフィエフ「モンターギュー家とキャピュレット家」は一番、シェークスピア原作の悲劇的暗示を上手く表現していると思います。





次は、「熊ん蜂の飛行」です。

この曲は、あまりにも単独で、色々な楽器の独奏用に編曲されて演奏されますが、元来はリムスキー=コルサコフの歌劇、

「皇帝サルタンの物語」の中で演奏される、管弦楽曲です。お聴きになると分かりますが、弦楽器が速い音型を奏でるとフルートが

引き継ぎます。つまり、原曲では、ひとつの楽器があの速い曲を最初から最後まで弾いたり、吹いたりするわけではありません。

その替わり、バトンタッチの時に油断していると、すぐバレますから、奏者は緊張するだろうと思います。





独奏用編曲になれているので、新鮮な印象を受けますね。


5曲目はグラズノフという作曲家で、

日本では、クラシック・マニアはともかく一般には全然知られていませんが、優れた作品を残した作曲家です。

バレエ音楽で「四季」というのがあります。一幕ものですが、4つの場面に分かれています。

お聴き頂くのは、四場で演奏される曲です。いいですよ。なかなか。





最後です。これは皆さんよく御存知。ハチャトゥリアンの組曲「ガイーヌ」から「剣の舞」です。





景気いいですね(笑)。トロンボーンのグリッサンドがこれほど印象的な曲も珍しい。

金管やティンパニは気持ち良いでしょうけど、ずっと後打ちを弾いている弦楽器の人たちは大変です。

試しに、弦楽器に合わせて、小さく手拍子でずっと後打ちをやってみてください。だんだん分からなくなって、

前打ちになってしまうと思いますよ。

今日の曲は全て、ロシア名曲集 N・ヤルヴィ/SNO(スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ)で、

お聴き頂けます。そんなに高くないですね。お薦めです。

それでは。

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2008.08.18

オリンピックのたびに思うこと。/明日から二日間留守にします。

◆【随想】オリンピックのたびに思うこと。

オリンピックという催しは、少なくとも日本人をある程度興奮させる特別な「運動会」である。

ひとつは、オリンピックとなると平素、全然関心を持っていないスポーツにも世間の関心が向く。

普段、少なくとも私は、柔道選手権や、レスリングや、水泳や、フェンシングの世界選手権で、

日本人の何という選手が、どれほどの記録を出し、何位になったか、全く意識にすら上らない。

オリンピックで「メダル」というから関心を持つのである。我ながら現金だと思う。


もう一つは、オリンピック選手の処遇に付いてである。

マスコミは、勝ちそうな選手を、オリンピック前からマークし、散々世間の関心を集めておきながら、

負けると、手のひらを返したように、何もいわなくなる。

負けた選手ばかりではない。金メダルを取った選手はオリンピックから数日間は、「時の人」になる。

しかし、何事も感動的な速さで忘れる日本人の特質を熟知しているマスコミは、暫く経つと、

「はい、ごくろうさんでした」

とばかりに、何も言わなくなる。

マスコミばかりではなく、日本の社会がそういう雰囲気である。

「メダル、メダル」と騒ぐが、それでは金メダルを取った選手が、その後どうなろうが、知ったことではない。

スポーツばかりやっていて、あんまり勉強もしていない選手が、普通にサラリーマンになるのは難しいだろう。

期待ばかりして、プレッシャーをかけているのだから、実績を上げた選手が、引退後も安心して生活できるような

仕組みを考えないと、スポーツ選手とて霞を食って生きていけるわけではないのだから、やっていられないだろう。

その辺り、日本は情がない。オリンピック選手にインタビューする、各テレビ局の女子アナウンサーの

故意に偽善的に興奮したような態度とか、歯の浮いたようなワイドショーのコメンテーターのセリフを聞く度にそう思う。

もう一度書くけれども、本当にメダルを「日本国として」獲りたいのであれば、少々極端だが、メダルを獲った選手は、一生、

食うのに困らないようにします、という制度にしないと駄目ですよ。

他人に大変なことを要求しておいて、それが実行されたのに、カネを払わない、というのは一番良くない。


◆今週、休暇で月、火、と留守にします。

やっと年に一度一週間の休暇が取れます。

私は怠惰な人間でして、本当は何処にも行きたくないのですが、

子供を何処か連れて行ってやらんと可愛そうかな、とも思いますので、

明日(18日)から二泊三日で出かけます。ノートパソコンなど無いので、

ブログは更新できません。悪しからず。

ベートーベンの交響曲第8番をアップしておきます。良かったら聴いて下さい。

「8番」に特に理由はありません。好きなのです。朝比奈隆=新日フィルです。

第一楽章。





第二楽章。ベートーベンのユーモアを味わって下さい。





第三楽章。トリオのホルンとクラリネットがきれいです。





第四楽章。このすさまじい三連符の連続は、プロでも難しいそうです。





それでは、暫く失礼します。

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2008.08.17

これと言って論ずるべきニュースがない。サマー・コンサートにしました。

◆13日ごろから本当にニュースが無いんです。

私はいつも情報を追いかける仕事をしているのですが、国内の政治・経済・社会に関しては、

どうしてもここで論じたい、というほどのニュースがありません。

お盆が終わった週明けから忙しくなるでしょうが、私は来週休暇を取ります。

つまり、年に一度、リラックス出来るときですので、そうさせていただきます。

18日、19日は旅行に行くので休載します。


◆【音楽】オリンピック:東京オリンピックファンファーレ、オリンピックマーチ

アクセス解析を見ると、オリンピック開催中の所為でしょうか、「東京オリンピックファンファーレ」で検索してくる人が実に多い。

これは、若い人が聴いたことがないのと、当時を覚えている年代の方が、懐かしくて、もう一度聴きたい、と言うことでしょうか。

東京オリンピックファンファーレです。陸上自衛隊中央音楽隊。





今聴いても、良いですね。次に東京オリンピックの開会式で演奏された、「オリンピック・マーチ」





1964年10月10日、快晴の国立競技場で演奏されました。日本人は皆、胸が熱くなったことでしょう。

これらは、スポーツ・マーチ・ベストで聴けます。


◆【音楽】イーストマン・ウィンド・アンサンブルによる「サーカス・マーチ」

次は、アメリカのイーストマン音楽学院という音楽学校の生徒による吹奏楽です。

イーストマン・ウィンド・アンサンブル。指揮は吹奏楽界の伝説、フレデリック・フェネルという人です。

これは、サーカス・マーチ集なんですが、決してバカには出来ません。大変優れた技術と合奏能力を披露してくれます。

音質良いですけど、私が生まれる前、1950年代の録音なんですよ。

まず、invictus(インヴィクタス)という曲。意味不明。英辞郎 on the Webで引いても乗っていない。

とにかくどうぞ。堂々たるトロンボーンの音。クラリネットの細かい動きがピタリと合って見事。





キビキビしていて、気持ち良い。実に見事。

サーカスマーチとはいえ、決して汚い音は出さない。無闇に吹きまくらない。互いに聴き合ってますね。

次。鞭と拍車(Whip And Spur)。





短いけど、印象的です。

イーストマンの最後。サーカスの蜂(The Circus Bee)。はじめは、コルネットが見事にパラパラ吹きますが、その後のトロンボーン。

見事なスライド・アクションが目に浮かぶようです。





はい、イーストマンのこれらの演奏は、Screamersで聴けます。


◆【音楽】暫くずっと我慢して載せなかった、ジャーマン・ブラス。

ジャーマン・ブラスと言ったら、これですね。バッハがヴィヴァルディのヴァイオリン・ソロコンチェルトを

チェンバロ独奏用に編曲したBWV972。それをジャーマン・ブラスのトランペット奏者、マティアス・ヘフス氏が編曲したもの。

第一楽章です。





最後の高いピッコロトランペット。あれがマティアス・ヘフス氏です。見事。

第二楽章です。





これ、DVD見るとびっくりします。主旋律、最初トランペットでそのあとをトロンボーンが引き継ぎますが、「バルブ・トロンボーン」なの。

スライドが付いてない、トランペットみたいなピストン・バルブのトロンボーンなのです。どうしてその楽器で吹くのか分からない・・・。

第三楽章です。マティアス・ヘフス氏の腕が鳴ります。





素晴らしい作品と編曲と演奏です。なかなかこうはいかない。これは、出来たらDVDでジャーマン・ブラス・ゴーズ・バッハ

を見て、聴いていただきたい。バッハが本当にそこにいたライプツィッヒのセント・トーマス教会で演奏してるんです。

DVD高い、と言う方は、ほぼ同じ曲が収録された、Bach In Brassをお薦めします。



さて、今の演奏をしたのと同じ団体=ジャーマン・ブラスが、ベスト・オブ・ジャーマン・ブラス「エッセンシャル」では後半で、

ラテン・ミュージック、ディキシーランド、ラグタイム、などを吹いてます。すごく楽しい。

その中から、バーボン・ストリート・パレードを聴いて下さい。





楽しいでしょ?こういうのが沢山収録されてますよ。

ジャーマン・ブラスの謂わば首席トランペット奏者兼編曲者のマティアス・ヘフス氏は、非常に卓越したトランペット奏者だと思います。

高度な技術と品の良い音楽性を兼ね備えた音楽家です。

このヘフス氏、ソロ・アルバムを出しました。Trumpet Acrobaticsです。とにかく上手い。

ヴァイオリンの神様、ヤシャ・ハイフェッツの十八番だった、「ホラ・スタッカート」をラッパで吹いています。

まあ、聴いて下さい。





この曲をトランペットでこれほどまでに吹いたのは、旧ソ連の故・チモフェイ・ドクシツェル以来、知りません。


◆【音楽】ラベック姉妹によるラグタイム集

ラグタイムというのは、ジャズの最も原初的な形態で、即興の余地はない、とされていますが、暢気で愉快です。

本来即興(アドリブ)は無いのですが、ラベック姉妹ってのは、やってますね。無茶苦茶上手い。パリ音楽院を一等賞で卒業してます。

姉妹とも。ベルリン・フィルがモーツァルトの二台のピアノの為の協奏曲を演るときにソリストに呼ばれてますし、

数年前、ベルリン・フィルの野外コンサート、ヴァルトヴューネにもソリストで呼ばれてました。

ベルリンフィルのソリストに「呼ばれる」というだけで、超一流の証です。

そのラベック姉妹がラグタイムばかり録れたCD、ラグタイム・ミュージック集はお薦め。

目の回るようなテクニック。

まず、"The Entertainer"。映画「スティング」で使われましたね。





ちょっと、びっくりしますでしょ?

もう一曲。メイプルリーフ・ラグ(Maple leaf rag)