カテゴリー「メンタルヘルス」の記事

2015.03.30

【コラム】本当に副操縦士が150人殺したのか (レオニド・(レオニド・バーシドスキー)(ブルームバーグ)←我が意を得たり!

◆記事:【コラム】本当に副操縦士が150人殺したのか---(バーシドスキー)(ブルームバーグ 2015/03/30 06:31 JST)

 ジャーマンウィングスの副操縦士、アンドレアス・ルビッツ氏が意図的に9525便をフランスの山間部に墜落させたとして、

世界中のニュースメディアが一斉に同氏を集中攻撃している。

「アンドレアス・ルビッツ27歳、正気を失ったパイロット」とドイツの大衆紙ビルトは一面に大見出しを掲げた。

「操縦室の殺人犯」と表現したのはロンドンのデーリー・メール紙。

英紙インディペンデントは「操縦室の大量殺人者」ともう一段階過激だ。

このほかにもメディアには「狂人」や「失恋パイロット」、

「そもそもなぜ免許を与えたのか」などの言葉が飛び交っている。



これらはすべて、仏マルセイユのロバン検察官の発表に基づいている。

副操縦士が「航空機の破壊を望んだ」と検察が結論付けた根拠は、コックピット・ボイス・レコーダー(CVR)に残された音声データだ。

しかしながら、ここから導き出すストーリーは解釈次第で変わる。

明らかに分かっているのは機長が操縦室を離れ、副操縦士がひとり残されたということだ。

そしてロバン検察官によると、副操縦士は機長の再入室を妨害し、機体を急降下させたことになっている。

機長は何度もドアを叩いたがドアは開かれなかった。ルビッツ氏から言葉は発せられず、

ボイスレコーダーにはドアを叩く音と叫び声を背にしたルビッツ氏の呼吸の音が残された。


ロバン検察官が下した結論を裏付けるには、この証拠では不十分だ。

操縦室のドアの開閉を説明したエアバスの動画を基に、ボイスレコーダーの音声データを考えると別の解釈も成り立つ。

通常なら外の者が中にいる操縦士にインターフォンで連絡し、キーパッドを操作、

そして中の者がその電子音を確認してドアを開ける手続きになっている。

手続き通りにいかない場合、外の人が暗証コードを打ちこめばドアは30秒間開錠される。



暗証コードは入力されたのか

機長が操縦室を離れている間にルビッツ氏が意識を失い、

機長や乗務員が正しい暗証コードを入力できなかった可能性は考えられないだろうか。

あるいは機長があらかじめ決められた手続きに従わず、ドアを叩いたとしたら。

エアバスの動画によるとこの場合、中にいる人はドアをロックするためのボタンを押さなくてはならない。

ルビッツ氏がハイジャックだと思い込んでパニックに陥り、同機を着陸させようとしたという可能性はないだろうか。



もちろんこういう仮説はどれも本当らしく聞こえないが、ルビッツ氏が抑うつ状態にあった、

あるいはガールフレンドとうまくいかずに悩んでいたからといって赤の他人150人を意図的に殺したとの説も

同様に本当らしく聞こえない。

ロバン検察官の記者会見では、あるリポーターが副操縦士の宗教について尋ねる場面さえあった。

これに対してロバン検察官は「テロリストには指定されていない。

質問の意味がそういうことだったらだが」と即座に回答している。



フライト・データ・レコーダーの回収を急げ

現実にはフライト・データ・レコーダー(FDR)のテクニカルなデータを解析するまでは、

信頼性の高いセオリーを打ち出すことはできない。

FDRを回収し解析すれば、どのように高度が変化したかが分かるだろう。

航空機墜落調査に関する報道で知られ、自らもパイロットであるバニティフェア誌の特派員、

ウィリアム・ランゲビーシェ氏は現段階の調査では分からないことが多過ぎるのに、

仏検察の結論はやや早計過ぎると批判する。

ドイツの操縦士労組も同様に、機長が操縦室に戻れなかった理由でさえ現時点では明確ではないとして、

FDRを早急に回収し分析することが極めて重要だと主張する。

労組の立場としては認めたくないという気持ちも当然あるだろう。

1999年に起きたエジプト航空990便がそうだったように、ルビッツ氏が本当に故意に墜落させた可能性もあるだろう。

しかしそれがもっと高い確実性を伴って立証されるまでは、乱暴な非難の言葉は正当化されない



遺族に心労

こうした状況は普通の若者としてルビッツ氏を知っていた家族だけでなく、

墜落犠牲者の遺族にも心労をもたらす。怒りと悲しみはうまく調和しないものだ。

またルビッツ氏がうつ病を患っていたと報じるタブロイド紙もあるが、

こうした報道はうつ病の患者に汚名を着せる。

メルケル首相は調査が完了するまで行動を自粛するよう呼びかけたその翌日に、

自ら「すべての犠牲者と遺族への犯罪だ」と発言するべきではなかった。

航空機墜落の調査は結論を急ぐようなものではない。これだけ分からないことが多いなか、

私が知りたいのは亡くなったアンドレアス・ルビッツ氏のプライベートではない。

なぜ9525便がアルプスの上空で高度を失ったかを知ることの方が、はるかに重要だ。


◆コメント:徹頭徹尾、賛成です。

ブルームバーグは、アメリカの本来金融情報専門WEBですが、アメリカのメディアが殆どそうしているように

自社の論説委員だけでは無く、外部のコラムニストによる、時事問題への論説を掲載します。

バーシドスキー氏のコラムは、私が昨日まで書いたブログ記事よりも遙かに詳細ですが、要するに結論は一致していてそれは、

本当は、何が起きたのか、現時点では、何も分からない。

ことを強調している点です。

記事の途中にあるように、ルビッツ副操縦士が「精神的な疾患が原因で」または、「ガールフレンドとの関係で悩んでいたから」

意図的に、150人を道連れに自殺するかというと、それが巷で噂されているように彼がうつ病だとしたら、

一層可能性は低い。世の中の大部分のメディアは、うつ病患者が突飛な、とんでもない行動を起こす人間であるかのような。

間違った印象を世間に与えます。それは間違っている。


また、「暗証番号」のことを、少なくとも私は初めて知りました。

私のみならず、航空関係者でも航空ファンでもな普通の日本人は、日本のメディアを読む限り、

「外の人が暗証コードを打ちこめばドアは30秒間開錠される」ことなどしりません。

そうなると外の機長が最後、ドアを蹴破ろうとする前に、何故その手続きをしなかったのかも不思議です。

日本でも大事故の原因究明となると日航123便は、何となく本当の原因はうやむやですが、

ちょうど10年前。2005年4月25日に起きた、JR福知山線脱線事故の際も、調査報告書が出来るまでには、

何年もかかったのに、事故直後から憶測によるJR西日本幹部の「吊し上げ」が始まりました。

私はそのときにも、まだ原因が分からないのであるから誰の所為とも言えないという趣旨の記事を何度も書きました。
2005.04.29 「尼崎事故、特異な「転覆脱線」か」 今、冷静に考え、客観的に言えることは、「原因はまだ不明」ということだ。

2005.05.04 「被害者の知人」だといって、JR職員をこづき回している男がいた。いい加減にしなさい。

2005.05.08 運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後70件…JR西 マスコミはJR幹部が自殺するまで許さないつもりか。

2005.05.15「制動数秒不能」運転士ら証言 脱線同型車両 ←「事故の真相は未だ分からない」と何度も書いた。

2005.06.14 「宝塚―尼崎間で走行実験、非常ブレーキ再現」 ←つまり、いまだに事故の真相は不明なのだ。

2006.11.25 「事故調委、同型車両使いブレーキ試験 尼崎JR脱線」←何の話かわかりますか?

勿論、航空機と鉄道は全く別ですが、福知山線脱線事故の原因調査において、事故から1年7ヶ月も経って、

事故調査委員会が同型車量を使ってのブレーキ試験を行っている。別に怠けていたわけではないのです。

私は、この間ニュースをずっと追っていましたが、事故調査委員会はずっと活動していたのに、「とりあえず」原因と思われることを

最終報告書にまとめるまでに数年を要しています。実験できない航空機事故においては、何をか言わんやです。

バーシドスキー氏が書いたとおり、フランスのロバン検察官の発言に誘導されすぎだし、
メルケル首相は調査が完了するまで行動を自粛するよう呼びかけたその翌日に、自ら「すべての犠牲者と遺族への犯罪だ」と発言するべきではなかった。

との意見に同感です。「犯罪だ」と言ってしまったら、故意の違法行為を意味します。

バーシドスキー氏の意見があまりにも「我が意を得たり」だったので、長いけれどもそのまま

引用しました。

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2015.03.29

「旅客機墜落 副操縦士は目の病気で治療か」←だから、まだ全貌は分からないというのです。

◆記事:旅客機墜落 副操縦士は目の病気で治療か(NHK 3月29日 19時13分)

フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落で、旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっている副操縦士は

目の病気で治療を受けていたとドイツのメディアが伝えました。

乗客乗員150人を乗せたドイツの航空会社ジャーマンウィングスの旅客機は、24日、フランス南東部で墜落し、

機長が席を離れて操縦室で1人になったアンドレアス・ルビッツ副操縦士が旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっています。

ルビッツ副操縦士について、ドイツの複数のメディアは29日、ドイツの捜査関係者の話として、

最近、目の病気となり、治療を受けていたと伝えました。

ドイツの一部のメディアによりますと、副操縦士は網膜剥離の治療を受けたとみられ、

ことし6月には会社の健康診断を受診する予定だったことから、目の病気が見つかった場合は

パイロットとして操縦することができなくなる可能性があったということです。

また、ドイツの検察当局が副操縦士の自宅から病気で医師の治療を受けていたことを示す文書が見つかったと発表していて、

ドイツのメディアは捜査関係者の話として、副操縦士の自宅から精神的な病気のために飲む複数の薬が押収されたと伝えています。

ドイツの検察当局は引き続き副操縦士を知る関係者から話を聞くなどして、墜落の背景を捜査しています。


◆コメント:だから、簡単に憶測で片付けるな、というのです。

昨日、このブログで、
要するに、現段階で言えることは、何が究極的な墜落原因なのか、分からないということです。

と書きました。

メディアや世論は、副操縦士がかつてうつ病の治療を受けていたことから、

この副操縦士はうつ病だった。→自殺するのに乗員・乗客を道連れに自殺した。

という短絡的な図式を描いていますが、上の記事を読めばわかるとおり、

故意に墜落させたという断定もできていないのです。

報道によれば、ルビッツ副操縦士は視覚障害の治療を受けていたというのですから、

ドクターがルビッツ副操縦士に、飛ぶべきではない、としていた理由が精神科的理由とは限らないことは、

明らかです。本当の理由は、まだ分からないというべきでしょう。


マスメディアは、どうしても「精神的疾患」と「故意(かもしれない)の墜落」を結び付けたいようです。

そこまではっきり書いていませんが、

網膜に異常→飛べなくなるかも知れない。→抑うつ状態→自殺

というストーリーにしたいようですが、それは独断的推論です。

視覚障害の治療を受けていた、という新しい事実が加わったものの、依然として、

本当は何があったのか。その原因は何か、ということにかんしては、

「分からない」のが唯一確かに「分かっていること」だと思います。

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2015.03.28

「副操縦士 待遇への強い不満などもらす」←何が原因か「まだ、分からない」ことだけが真実です。

◆記事1:副操縦士 待遇への強い不満などもらす(NHK 3月28日 19時08分)

旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっているドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士について、

ドイツの大衆紙「ビルト」は28日、副操縦士と去年交際していたという客室乗務員の女性のインタビュー記事を掲載しました。

それによりますと、ルビッツ副操縦士はふだんは心のやさしい人物だったということですが、

仕事の話になると別人のようになり、待遇への強い不満や将来に対する不安をあらわにしていたということです。

また、副操縦士はこの女性に対して、

「自分はいつかシステムを大きく変えることをする。それによってすべての人が自分の名前を知り、記憶することになるだろう」と、

今回の墜落を示唆するような発言をしたということです。ルビッツ副操縦士が長時間浴室に閉じこもったり、

悪夢を見て「墜落する」と叫んだりする行動も見られたとしています。

デュッセルドルフの地元の新聞は、副操縦士が精神的な病気を隠すため、

複数の医師から治療を受けたり薬をもらったりしていて、かかりつけの医師からは、

病院で長期間の治療を受けるように勧められていたと伝えています。


◆記事2:副操縦士が病気隠して勤務か 事故との関係捜査(NHK 3月28日 4時58分)

フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落で、ドイツの検察は、旅客機を故意に墜落させた疑いがある副操縦士について、

病気のため墜落の当日に勤務しないよう求める医師の診断書などが見つかったと発表し、

今後、病気と事故の因果関係について調べを進めるものとみられます。

フランス南東部で起きた乗客乗員150人を乗せたドイツの旅客機の墜落についてドイツの検察は、27日、

アンドレアス・ルビッツ副操縦士の関係先から、病気で医師の治療を受けていたことを示す文書が見つかったと発表しました。

ただ、検察は具体的な病名については明らかにしていません。

自宅などから見つかった文書には病気のため墜落当日に勤務しないよう求める医師の診断書が含まれているということです。

ドイツでは、こうした診断書が出た場合には、会社に提出し、医師の指示に従って休暇をとることになっていますが、

航空会社は「会社に診断書などは提出されていない」と話しています。副操縦士は、文書を破り捨てるなどしていたということで、

検察は、副操縦士が病気を会社に隠して勤務していた疑いがあるとしています。

ドイツの捜査当局は、文書の詳細な分析には数日かかるとしており、関係者から話を聞くとともに

病気と事故の因果関係について調べを進めるものと見られます。


◆コメント:病気と事故の因果関係をこれから調べるというのに、病気のことを強調し過ぎです。

昨日書いたとおり、事故・事件の調査・捜査において、まず行うべきことは、

「本当は何があったのか」を特定する事実認定です。

いま、明らかなのは、飛行機が墜落したため、乗員・乗客全員が亡くなったことと、

CVRの音声からして、墜落前の約10分から墜落まで、コクピットにはパイロットが一人、

ドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士しかいなかったらしいこと、であります。

副操縦士の自宅を捜査した結果、病名は明らかではないが、医師から勤務は無理であることを示唆する

診断書が見つかったことも事実のようです。


そこまで、メディアの報道を信じ、事実であるとしても、まだ、色々なことを断定するのは、

早計だとおもいます。

一見、事実を忠実に伝えているような報道に見えますが、明らかに恣意的であります。

つまり、

副操縦士が故意に旅客機を墜落させたのは明らかで、それは彼の精神的疾患が原因だ。

と決めつけているのですが、

厳密に、真実に近づく為には、ボイスレコーダーだけではなく、飛行機の飛行経路、高度、コクピットでの操作などを記録した

「フライト・レコーダー」のデータを解析し、ボイス・レコーダーと突合しなければならないはずです。

今まで得られた情報からは、本当は、「副操縦士が故意に墜落させた」かどうか断言出来ないはずです。

そう思われる状況だ、というだけで、もしかすると高度を下げる操作を行ったのに航空機の技術的な問題で元に戻らなくなった、

つまり再上昇できなくなったのかもしれないし、

仮に操縦士の操作が墜落の原因だとしても、「キチガイだったから」ではなく、

たとえば、急に心臓発作を起こしたり、脳血管障害(脳梗塞か脳出血です)がおきたのかもしれないし、

精神科領域で稀に起きる「ナルコレプシー」という、突然、瞬間的に眠ってしまう病気であった可能性も考慮しなければなりません。

他の精神科領域の診断名も、私は想像できますけれども、それは昨日書いたとおり、精神疾患への偏見を助長することになるので

ここでは書くことは、控えます。


ただ、昨日までは6年前の「抑うつ状態」と「故意の墜落」で既にきまりのような報道でしたが、

記事1に載っている「副操縦士と去年交際していたという客室乗務員の女性のインタビュー」で述べられていることが

本当だ、と仮定するならば、まず、
待遇への強い不満や将来に対する不安をあらわにしていた

のであるならば、「うつ病」患者に特有の自責的な思考とは真逆です。また、

副操縦士の言葉
自分はいつかシステムを大きく変えることをする。それによってすべての人が自分の名前を知り、記憶することになるだろう。

という、自己陶酔的表現は、うつ病の思考パターンの一典型である「自己の過小評価」

(逆の場合もあるのですが、それに言及するとややこしくなるので、本稿では省略します)とはやはり正反対です。

要するに、現段階で言えることは、
まだ、何が究極的な墜落原因なのか、分からない。

ということです。

「分からない」という状態が現在の「真実」なのですから、それをはっきりとメディアは示すべきであって、

類推、予断を招くような不要な情報を徒に拡散するべきではない、と思料します。

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2015.03.27

「独機墜落、当日『勤務不可』=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士」←こういう書き方は間違っています。

◆記事:独機墜落、当日「勤務不可」=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士(時事通信 3月27日(金)21時18分配信)

ドイツ西部デュッセルドルフの検察は27日、独旅客機を意図的にフランス南東部のアルプス山中に墜落させたとみられる

アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の関係先を捜索した結果、

病気のため、墜落日の勤務は不可能とする内容の診断書が見つかったと発表した。

病名には言及しなかったが、深刻な心身の状態にありながら、操縦に当たっていたことが判明した。

南ドイツ新聞は、診断書は精神科医によって発行されたもようだと報道した。

独紙ビルトは副操縦士が抑うつ症状のため、最近も医師のサポートを定期的に受けていたと指摘。

恋人との関係で悩んでいた可能性も伝えており、動機も徐々に浮かび上がってきている。

独捜査当局は26日、西部モンタバウアーやデュッセルドルフの関係先で捜索に着手。

副操縦士の病状や通院の事実を示す書類のほか、破られた状態の診断書が押収された。

検察は声明で「副操縦士が病気について勤務先に隠していたと考えられる」と述べた。


◆コメント:まず「本当は何が起きたのか」を明らかにすべきで、「原因」は、その後です。

私が、うつ病(正確には今は、うつ病というよりそれこそ「抑うつ状態」ですが)患者なので、

このような報道は、病気への偏見を助長する、ミス・リーディング(誤解を招きがち)な行為であり、憤りを覚えます。


事故にしろ、事件(犯罪)にしろ、まず調査・捜査で明らかにすべきなのは、事実認定、つまり、

本当は何が起きたのか。

ということです。

本件について、コクピット・ボイス・レコーダー(以下、CVR)から明らかなのは2人のパイロットの1人がコクピットの外に出て、

戻ろうとしたところ、ドアがロックされていて(911テロの後、みだりにひとがコクピットに入れないように、

デフォルト(初期設定)でコクピットのドアはオートロックになり、中から解錠しないと、ドアが開かないそうですが)、

入れない。機長がドアをノックしたが、中から応答がない。段々ノックの音が激しくなり、最後はドアを蹴破ろうとしたが

開かず、墜落の瞬間、コクピットにはルビッツ副操縦士(27)しかいなかった。

CVRには、副操縦士の呼吸が最後まで冷静であったことがわかるような音が含まれている。

状況からして、副操縦士が「故意に飛行機を墜落させた」と推測できる。

ということです。


しかし、副操縦士の故意であるとしても、その原因がなにかは、全く憶測であります。

家宅捜索の結果、フライト当日の勤務は不可、とのドクターの診断書があったけれども

その理由となる診断名は明らかにされていない。

ただし、6年前にうつ病で治療を受けていたことがある。

恋人との関係で、悩んでいた「可能性がある」

それが、本当だとしても、報道は、副操縦士の6年前の「うつ病」と乗客を道連れにした「自殺」を

誰もが想起するような書き方になっていますが、これは、非常に誤解を招き易いとおもいます。


こういう書かれ方をしたら、うつ病の患者は、約150人の乗客と無理心中を図りかねない、とんでもなく危険な

「キチガイ」だ、と、世の中の大部分、メンタルヘルスに無知か、偏見のある人々は考えることでしょう。

昨今、マスコミは企業に於けるメンタルヘルスケアの重要性などといいながら、他方でこのように

精神科関連の何らかの障害、疾患への偏見を徒に、助長する。


そもそも、事故の全貌の調査が明らかになっていないのに、最も慎重に扱うべきである

個人(副操縦士)の病歴を明らかにした仏検察もそれをそのまま伝えるドイツの新聞も、

そのウラを取らずに、あたかも「事故の原因はほぼ明らか」とでも言いたげに書いたり、ニュースで伝える

メディアの報道方針は正しくありません。


「希死念慮」(自殺願望)は、うつ病の典型的な「症状」の一つで、それはうつ病が殆ど寛解しても

残るのです。私もそうです。

しかし、同時にうつ病患者の思考は、過度に自責的になるのです。

つまり、現実の認知が過度にマイナス方向に向かい、極端な場合、
世の中でおきる悪いことは、全て自分の所為だ

という発想さえ出てくるのです。悪いのは「自分」だと。とても他人を道連れに自殺することは

出来ないのです。

とにかく副操縦士が死んでしまったので、事故を起こした際に、本当は何を考えていたか

独り言でも発して、CVRに録音されてなければ、永遠に分からないでしょう。

厳密に言うと、そういうことになります。


結論的に繰り返すならば、

副操縦士が故意に墜落させた、ということも「証明」は出来ていないし、まして、故意だったとしても、

過去の病歴を安易に公開したり、精神医学に素人であるマス・メディアが、病気と行為の因果関係を

ほのめかすようなことを、書くのは、あまりにも拙速、と言わざるを得ません。

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2014.08.03

「<高1同級生殺害>父親への暴力で別居 代理人が説明」←この少女は「治療」不可能です。

◆記事:<高1同級生殺害>父親への暴力で別居 代理人が説明(毎日新聞 8月3日(日)19時33分配信)

長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、少女(16)が殺人容疑で逮捕されて1週間となった3日、

少女の父親の代理人弁護士が報道陣の取材に応じた。

代理人は少女が今年4月から1人暮らしを始めたきっかけが、少女による父親への暴力だったと説明した。

代理人によると、父親は50代。少女は今年3月、寝ていた父親の頭部を金属バットで殴り、負傷させた。

この後、少女は二つの精神科にかかり、医師が「同じ屋根の下で寝ていると(父の)命の危険がある」と助言したという。

父親の再婚は少女が1人暮らしを始めた後の5月で、

少女は実家で新しい母親と料理を作ったり、ピアノを演奏したりしたこともあったという。

代理人は「父親は再婚した妻と共に、医師、カウンセラーなどの指導に基づく対処をしてきた」と述べた。

関係者によると、少女を診察した精神科医は事件前の6月、県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に

「人を殺しかねない」という趣旨の相談をした。

センターの助言を受け、7月に少女の入院や警察への相談について、両親と協議していたという。

また、少女が小学校6年生の時、同級生の給食に洗剤などを薄めた液を混入させた件で、

当時市教委がスクールカウンセラーを学校に派遣し、カウンセラーが少女の両親に

継続的なカウンセリングを勧めていたことが関係者への取材で分かった。

父親は「子供のいたずらだから」と拒んだという。


◆コメント:「病気」なら「治療」できますが、この少女は「人格」に問題があります。

この女子高校生が、「仲が良かった」友人と一緒に出かけた後、殺害して死体を切断したり、

猟奇的な事件として、世の好奇心を煽っておりますが、いくら考えてもこの子の行動の「理由」は多分分からないと

推察します。

「人を殺してみたかった」という言葉を口にした犯罪者は過去にも例がありますが、今回は

特にそれが、16歳の少女によるものであることで、俄然、世間が無責任な好奇の目を向けて、

いろいろ、原因をこじつけようとしていますが、無駄だと思います。

生育環境が正確を歪ませたとか、精神状態を異常にしたとかいう、ありふれた想像は、

この少女が小学生の頃から、学校給食にベンジンなど有害物質を混入していたとか、

小動物を殺していたとかいう、常軌を逸した行動様式からみて、当てはまらない。


昨年10月に母親が死んで、いくら父親が、早くも再婚しようとしていたからといって、

金属バットで、寝ていた父親の頭部を殴り負傷させたというのは、「殺人の未必の故意」があった訳です。

普通はそこまでエスカレートしません。

精神科医が、この少女を観察して治療の余地があると判断したならば、精神科に入院させたはずであり、

児童相談所に、

「人を殺しかねない」という趣旨の相談をした。

のは、多分、この精神科医は、この少女の行動が、精神の病気が原因とみなしていなかった。

つまり、生来の人格。この16歳の処女の「人」と「成り」がおかしい。敢えて言えば、

「人格に障害がある」と考えていたことを示唆しています。

即ち、生来、異常な人間。人間として出来損ない。危険な凶器のような生物です。

現行法では、未成年ですし、実際の殺人も被害者が一人ですから、現実問題としては死刑は無理なのですが、

この少女は、気の毒ですが、どうしようもない。つまり、放っておけば、危険なだけで、

多分一生治らない。そういう「人格」なのですから。

ひどいことをいうようですが、本当は殺した方が良いです。

そうしないと周囲の人達の命がずっと危険に晒される、と思います。

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2014.06.01

「AKB劇場、6月2日再開」←誰もが同じ目に遭うかも知れないのに・・・・。

◆記事:AKB劇場、6月2日再開 公式サイトで発表(共同通信 2014/05/31 17:32)

アイドルグループ「AKB48」の本拠地、東京・秋葉原のAKB48劇場の公演が6月2日から再開されることが決まった。

同グループの公式サイトで31日、発表した。

AKB48の運営会社によると、安全確保のため、金属探知機による検査などを導入するという。

岩手県滝沢市で開かれた握手会でメンバーらが切りつけられた事件の影響で、AKB劇場は5月26日から休館していた。


◆コメント:世間の反応がヤケに冷たかったように思いますが、無差別殺人未遂事件であり、芸能ニュースではありません。

私は職場で国内外の主だったニュースをまとめて職員に社内メールで発信する仕事をしています。

先週の月曜日に、出社したら、後輩が

JIROさん、「AKB事件」は今日のニュースのエンタメに載せるんですか?

と、訊ねてきます。それを傍らで聞いているオッサンもニヤニヤしてます。

思わすカッとなりましたが、月曜日の朝からどなるのも、良くないので、
これは、芸能ニュースではない。無差別殺人未遂事件だろう。被害者が芸能人なら、問題は軽いのか?

という趣旨の言葉を故意に不機嫌な口調で吐いたのを覚えています。


どうして、世の人々はこれほどバカなのか。


確かに、芸能人とかアナウンサーとか所謂「有名人」。つまり不特定多数に顔を知られている人間は、

一般人よりも声明の危険にさらされることが多い。

かつてこのブログでも書きましたが、英国のエリザベス女王が来日したときに、

あまりにも警備が厳重なので、「どうしてこれほど警官がいるのか」とお尋ねになったそうな

(それ自体、ちょっと眉唾ですが。女王がそんなこと、分からない訳が無い)。

日本の担当者が「それはもちろん、女王陛下の御身になにかあったら大変だからです」と答えると、

エリザベス女王は
殺されるのが恐くて女王がつとまりますか。殺されるのが恐いぐらいなら私はとっくに女王を辞めてますよ。

とお答えになったそうです。原理的には、それは、「不特定多数に顔を知ら」れる職業、立場の人

全員に当てはまってしまいます。女王の覚悟は女王ならではで、それはそれで潔いのですが、

襲う人間と襲われる人間がいた場合、まず、悪いのは「襲う」奴に決まっています。


世間がAKB事件に冷たいのは、芸能人に対する差別的感情、あるいは若くして、とにもかくにも

「有名」になった女の子への、子供っぽい嫉妬心、色々なことがかんがえられます

私より年長のオッサンが、
まあ、私はAKBのファンじゃないから、今後AKBがどうなろうが、知ったことでは無いけどね。

とTweetしていたのを見て、大人気ない、冷たい、みっともないと思いました。

今回の事件は、たまたま、芸能人が被害者になりましたが、犯人の男は「誰でも良かった。人を殺したかった」と

言っているそうですが、ウソですね。

こういう奴は必ず「誰でも良かった」といいますが、SPに警護されている内閣総理大臣や大暴力団の組長に向かって

刃物を振り回した奴はいない。

必ず自分よりも弱い女・子供を狙う、卑怯者です。

また、有名人ではなくても標的になるのは、2008年(平成20年)6月8日(日曜日)に、

7人が殺された、秋葉原通り魔事件を見ると

誰でも被害者になる「可能性」はゼロではない。あなたも私も明日、こういう輩に殺されるかも知れない。

その可能性は等しく存在します。


また、「被害」は怪我をすること、殺されること自体だけではありません。

今回、襲われた、2人の女の子、アルバイトの警備スタッフ。現場を見てしまった他のAKBやら、握手会に着ていた

人々は、全員数ヶ月から数年の間にPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる可能性がある。

これは、必ず症状が現れるとは限らないし、症状が出るとしても1人ずつ、違うので残念ながら

予め防ぐ事はできないのです。PTSDになってしまったことが明らかになったから初めて治療が始まる。


その辛さは、恐怖体験のフラッシュバックによりパニック発作になることなどもそうですが、

そのような激烈な症状ばかりとは限らない。

余り知られていませんが、PTSDの慢性的な症状の1つが「抑うつ状態」です。

ハタ目からは、普通に見えるので理解して貰えないのが、辛いわけです。


誰もが事件や事故の凄惨な場面を目撃するなどの原因により、PTSDになり精神科の患者となりうる。

村上春樹氏が、地下鉄林事件被害者、ほぼ全員にインタビューした「アンダーグラウンド」を読むことを薦めます。

これを読むと、前述した、PTSD由来の「抑うつ状態」は意外に長く続くけれども、

殆どの一般人はそのような病態を知らないため、地下鉄サリンの被害者のなかには、

「事件を言い訳にして、いつまでも甘えている」という職場の人々の白眼視に耐えられず、

仕事を辞めなければならなくなった人が大勢いることが分かります。


地下鉄サリン事件は1995年に起きて、「アンダーグラウンド」の単行本が出版されたのは1997年です。

私は事件のときにも、この本が出版されたときにもまだ、ロンドン駐在員でした。

ロンドンにこの本を取り寄せて直ぐによみました。


人それぞれ興味は違うけれども、1人のバカによって多くの人が不幸になるのが通り魔事件です。

一番悪いのはもちろん、圧倒的に犯人ですが、世間も、私が先ほどから書いているように、

誰でもPTSD患者になりうるのですから、もう少し知識が普及していても良い、と思います。

人々の不勉強、無知が被害者を一層苦しめます。

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2013.06.03

「閉鎖病棟」の原理。世間との接触を断つメリット。

◆誤解されているのでその説明も含めます。

私は、かつてうつ病患者で今も、詳しく無い人には面倒くさいので、「うつ病」だといいますが、

厳密には、「大うつ病」(Major Depression)は寛解していて、昔で言う所の抑うつ神経症、

今の診断名では、気分変調症です。


あまり詳しく書くとながくなるので、少しだけ補足するならば、世間ではまだまだ偏見が強い

というか、これだけネットを使えば何でも調べるのが簡単なのに、敢えて真実を知ろうとしない人が多くて困ります。


少し調べればわかることですが、うつ病は「気分」「障害」(Mood Disorder)であり、「精神」「病」(Mental Desease)ではありません。


段落のタイトルに「誤解」と書きましたが、それは、病名の話ではありません。

「閉鎖病棟」に関する誤解について書くのが主眼です。


私はうつ病の最も症状が重い時期に、3ヶ月間、大学病院精神科に入院しましたが、これは

「閉鎖病棟」でした。閉鎖病棟というのは、患者も見舞客も自由に出入り出来ない病棟です。

私の想像では、世間の99パーセントは「閉鎖病棟」の存在理由を「暴れるキチガイを外に出さないため」と

考えているのではないか、と思います。


結論を先に書くとそれは誤解です。

精神科閉鎖病棟は、患者を外界(一般社会)のストレスから保護するためのものなのです。


◆世間との接触をシャットアウトすることにより、回復が早まります。

精神科病棟というところは、如何にも恐ろしげですが、自分の経験からすると、多分世の人々の殆どの想像から

大きく乖離していて、静かなところです。

そもそも精神科で本格的に重症の統合失調症などにより、年中暴れたり嬌声を発したりしている人は

殆どいません。私の入院中、見た事がありません。

今では9割方、うつ病系統だと思います。後は主に女性の摂食障害。

統合失調症でも、「陰性症状」といって、どちらかというとうつ病に近い、抑うつ状態の患者さんが多いです。

ですから、暴れる患者を閉じこめる「座敷牢」みたいなイメージを描くのは全くまちがっています。


私に言わせれば、酔っ払いが大勢いる、新宿歌舞伎町、渋谷、六本木の方がよほど、危ない人が多いです。

精神科病棟を閉鎖病棟にするのは、患者を外界のストレスから保護(隔離)するためです。


例えば、仕事や職場の人間関係が原因で、外因性うつ病を発症した場合、当分はその職場の人と会わない方が良い。

家族が原因の場合すらめずらしくありませんから、その場合も同様です。

これを開放病棟にすると、面会自由になって、精神医学の素人である一般の人々が見舞いに来る。逆効果になりかねません。

「閉鎖病棟」において、外の世界との接触を断って、休むことにより、極端に低下したエネルギーの回復を速めることができます。


◆一般の生活環境でも応用が可能だと思います。

最近の学生さんの生活は分かりませんが、すくなくとも社会人になると、どんなに気に入らない人とでも毎日

顔を突き合わせ、言葉を交わさなければなりません。それをいちいち選り好みする自由はすくなくともサラリーマンにはありません。

社会生活のストレスのかなりの部分は、この「人間関係」に起因するとおもいます。


それに加えて、最近では、ネットが普及し、更に携帯端末が日進月歩で使い易くなるので、極端な話24時間、メールやら、

SNSで他人と接していることになります。


会社での愚痴をTwitterなどで憂さ晴らし出来るといいですし、実際にそのようなプラスの作用が働くこともあります。

しかし、私たちは忘れがちですが、たとえばTwitterでTweetしていることは、世界中の日本語を理解出来る人に読まれる可能性があるわけで、

しかも、残念なことに、世界中、善意の人ばかりではありません。だれかが、ネガティブなムードでいるのを見ると、叩きたくなる人がいます。

また、普段は話が合っている人でも何しろ、文字だけのコミュニケーションなので、一端険悪なムードになるとわだかまりが解けにくい。


ましてや、私のように長い間、ブログに比較的長文を書いていて、今日のような内容を書いたために、

あれは、ながかったですね。3年近くでしょうか。毎日私の日記を詳細に読んで、

こいつはキチガイだから、こんなことをいうのだ

という趣旨の文章を自分の日記に書くのを生き甲斐にしている人がいました。最初は反応してしまったのですが、

完全無視を続けてとにかく先方がくたびれるまで書き続けました。消えたときは、ホッとしました。

ですので、私はそのときは、まあ、なんとかなりましたけど、日常でイライラしているときに、Twitterでチャットに近い状態で

「つぶやきの交換」をして、何かの拍子に険悪な雰囲気になると、リアルの人間関係のストレスに余計なストレスが加わる訳です。


リアルで嫌なことがあったときには、思い切って例えば週末はネットを使わない、などの方法により、ストレスから自分を隔離する

「閉鎖病棟の原理」を応用して、ただひたすら寝る、というのも、一つの対応ではないか、と思います。

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2013.05.06

【連休明け】ウォームアップとクールダウン。

◆何故、休み明けがこれほど憂鬱なのか?

先日から、一般的な「仕事」関係の記事を二度、書いております。

2013.03.25 あと一週間で社会人という方が多いと思います。

2013.05.01 メディアが「五月病」と言い始める時期ですね。

両方とも「仕事というものは、凡そ面白くも楽しくもない」「憂鬱になるのは当然だ」という事をかいてます。

私は社会人になって30年目ですが、今だに会社も仕事も嫌いです。

今日で、ゴールデンウィークが終わるのですから、愉快な訳がありませんが、それで当たり前だと開き直る

という知恵はつきました。


それにしても、これほど長い間勤め人をやっていても、何故これほどまでに憂鬱なのか、考えると、

勿論、私自身の怠惰な性格(GWは、殆どずっと寝てました)にも起因するでしょうが、

日本人の「強迫的(脅迫ではありません)な生真面目さ」も一因ではないか、ということです。

強迫的とは読んで字の如し。「強く」「迫る」。「こうなければならない」と自分に言い聞かせる傾向のことです。


◆ウォーミングアップなしの全力疾走。

これは、私の務め先が特別なのか、一般的な傾向なのか確信がないのですけれども、

私の会社では、今は「現場」ではないので、さほどではありませんが、現場、即ち営業活動の最前線では、

月曜日の朝8時から「打ち合わせ」が始まり、今週の営業(セールス)目標を営業担当者が1人ずつ「具体的に」

即ち、Aさんでいくら、B社でこれだけの契約を取る予定だ、というような発表をします。言ったからには、

一週間後にはその実績の報告をするわけです。


それだけが打ち合わせの議題ではないのですが、月曜日の朝は、はっきり言って、皆、面倒くさくて憂鬱で

あまり、機嫌が良くないのです。

それでも、このような打ち合わせを月曜日の朝一番から「やらなければならない」と思い込むのが、

「日本人の強迫的勤勉性」だと思うのです。

こういうことをするから、月曜の朝の鉄道の人身事故が絶えないのではないかとすら思います。


ロンドン駐在員だった頃、イギリス人の行動を見ていて気がつきましたが、「月曜日の朝はかったるいものだ」

という気分を、そのまま自然に共有しているので、いきなり働き始めるというよりも「週末はどうだった」の類の

雑談から始まります。これがウォーミングアップになって、「さて、面倒くさいけれど、仕方が無いから働くか」

という雰囲気に徐々に変化します。

これに比べると日本人の社会は、いきなりウォーミングアップなしで、100メートルを全力疾走しているように見えます。


◆クールダウンするべきときに、「もう一仕事」。

これも日本特有ではないかと思うのです。

前段同様、イギリス人と比較します。

彼らは、金曜日の午後になると、既に半分週末モードです。休みはどうする?なんて話をしていて、

日本人にとっては、普通のことですが、「金曜日の夕方の会議」など、大袈裟にいうと、

イギリス人には「正気の沙汰とは思えない」のです。つまり、彼らにとっては金曜日の午後は、一週間のクールダウン時間に相当する。


これに対して、日本人は「月曜の朝から金曜日の退社まで、全力で働くことが勤勉(=美徳)」という意識があるようです。

官公庁の通達や、会社内の本部からの指示事項、通達などもまた、ほとんど「意識的に」金曜の夕方から夜に集中するのです。

こういうことをすると、その時間からどうしようもないので、何らかの課題、「宿題」を出され、なんとなくすっきりしない気分のまま

週末になります。

これもまた、月曜の朝と同じように、日本人を必要以上に憂鬱にさせる一因となっているように思います。


◆結論:会議は火曜日。金曜の午後には通達を出さない。

スポーツと同様、仕事においても、というか、肉体と同様に精神にも「ウォーミングアップ」と「クールダウン」が必要だ、

というのが、私の結論です。

月曜日は「ならし」の日ということにし、ダラダラ働けということではありませんが、

いきなり全力疾走しない。少し調子が出てきた火曜日の朝に「打ち合わせ」を行うと、だいぶ雰囲気が違うと思います。

そして、週末の午後。これもどうせ日本人は、ほうっておいても真面目に働いてしまうのですから、

そこに「これでもか」とばかり懸案事項を追加するような「通達」は、役所も会社も出さない。クールダウンに当てる。

これによって、少しは気分にゆとりが生まれ、それでも日曜の夜や月曜日の朝が憂鬱でなくなる、ということは、

少なくとも、怠惰な私の場合は、永遠にないでしょうが、今よりは若干、マシになると思います。

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2012.10.10

「うつ病患者3億5千万人と推定 WHO、自殺者の過半数」←世界の20人に1人がうつ病ということになります。

◆記事:うつ病患者3億5千万人と推定 WHO、自殺者の過半数(共同通信 2012/10/09 22:46)

世界保健機関(WHO)は9日、世界で少なくとも3億5千万人が精神疾患である

うつ病の患者とみられるとの統計を発表した。毎年100万人近くの自殺者のうち、

うつ病患者の占める割合は半数を超えるとみられている。

日本の厚生労働省によると、1996年には国内で43万3千人だったうつ病など気分障害の患者数は

2008年に104万1千人に増加。WHOはストレスの多い日本など先進国だけでなく、

発展途上国でも精神疾患の患者が目立つとしている。

自覚していない患者も多く、WHOは早期に適切な治療を行うことが重要だと呼び掛けている。


◆コメント:昨年10月31日、国連は世界人口が70億人と発表したのです。

昨年の「世界10大ニュース」のひとつなのです。

国連の潘基文(パンギムン)事務総長は10月31日、世界の人口が70億人に達したと発表した。

それから、更に多少は増えているでしょうが、誤差の範囲内ですね。

冒頭の記事は、単純に計算すると平均して世界中の20人に1人がうつ病患者だ、ということになります。

そこまで多いかな?という気もしますが、まあ、増えているのは多分、間違いないでしょう。


言葉の使い方で注意したのですが、記事は概ね正しいのですが、よく読まないと誤解します。

うつ病は「精神疾患」のひとつとされていますが、記事をよく読むと分かるように「気分障害」という範疇です。

「気分」「障害」です。「精神」「病」ではない。

記事からでは、3億5千万人を「うつ病」と認定した根拠がわかりませんが、

一応の目安として、世界で最も普遍的な診断基準は、アメリカ精神科学会による、

DSM-Ⅳ(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders version4=精神疾患の分類と診断の手引)によります。


うつ病といっても、本当のうつ病を「大うつ病」(Major Depression)と言います。

これを杓子定規に用いて診断を下す精神科医は、まずいませんけれども一応の基準です。

そして、「大うつ病」というのは、そうとう幾つもの条件を満たさないと、診断が下りません。


「大うつ病」が世界の20人に1人とは考え難いです。本当の大うつ病の急性期だったら、起き上がることすら出来ません。

多分、WHOが言う所の「うつ病」には、私ぐらいの患者も含んでいるのではないか、と想像します。

私は、しばしば自分が「遷延性うつ病」だ、と書いてますが、これは便宜的な呼称です。

大うつ病のように寝込んで入院しなければならないほどではないけれども、

程度の差はありますが、ずっと、憂鬱な気分が続いている(このずっと続くというのが肝心です)のを、

現在では、「気分変調症」といいます。これは、以前は抑うつ神経症と呼ばれていた病態です。


うつ病ではなくても、人間は嫌なこと、面倒臭い事、不幸な出来事があれば、憂鬱になります。

これは、生物として当然の反応です。

「たんなる憂鬱」と「うつ病」の違いは、先ほども書きましたが、「ずっと憂鬱かどうか」ということです。

今日は死ぬほど憂鬱だが、一晩寝たらケロッと治った、と言う場合、うつ病ではありません。

長い間、気分の上昇方向にあたかも、「ふた」をされたような。重しをのせられたような気分が続く、

こうなって初めてうつ病です。


症状が軽いと、日常生活は送れますが、うつ病の厄介な「症状」の一つに「希死念慮」があります。

要するに「自殺願望」です。更に厄介なのは、本当に重い、急性期の「大うつ病」は起き上がる事すらできないので、

自殺の危険は低いのですが、むしろうつ病になりかけ、とか、治りかけ、の時。つまり希死念慮が残っていて、

それを実際に行動に移すエネルギーが残っている程度の患者が、自殺するので、注意が必要です。


◆簡易的に「抑うつ度」を知るために「ベックのうつ病調査表」を使います。

これも、過去に何度も書きましたが、本当は「生兵法は大怪我の元」ですから、専門医に診てもらうべきですが、

生まれてこの方「精神科」に行ったことなど無い方は、精神科を受診することに大きな心理的抵抗を覚えるでしょう。


無理もありません。「精神科」という名前が悪いですよね。私が長年診ていただいているドクターは、

以前、他の病院で、その点を考えて「疲労外来」という診療科にしたそうです。

確かにうつ病では身体のエネルギーが以上に低下して疲れやすくなる「易疲労性(いひろうせい)」という

症状があるので、ウソではありません。


話が逸れました。

うつ病かどうか、最終的な診断は専門医に任せますが、簡易的には、

ベックのうつ病調査表、という簡単なツールを用います。有難いことに

ネット上に幾つも無料で使わせて頂ける、サイトがあります。リンクを貼らせて頂きます。

ベックのうつ病調査表

抑うつ度チェック - ベックのうつ病調査表 (BDI テスト) - 元のうつ病闘病記

抑うつ度チェック(BDIテスト)

この他にも、Googleで「ベックのうつ病調査表」を検索すると、約19,400件ヒットします。

これが全てではないのですが、ベックの調査表で、私の経験からすると20前後からそれ以上が続くようなら、

精神科を受診した方が良いです。何の病気も同じで軽いウチに治療を始めた方が早く治る可能性が高くなります。


◆カウンセラーよりも、精神科を薦めます。

「うつ病」という言葉は広くしられるようになりましたが、うつ病に関する正確な知識は

必ずしも普及していません。これだけ、簡単にネットで検索できるのですから、専門家の説明を読めば良いと思うのですが

Q&Aサイトなどで素人に質問し、また、答える方も無責任に出鱈目を教えていることがあります。その典型が、

抗うつ薬は全て「覚醒剤」で、飲み続けると廃人になるから、クスリを使わないカウンセラーの方がよい。

などという「回答」です。

うつ病は脳内神経伝達物質のうち、セロトニンが関係しているといわれています。そのバランスが

何らかの原因によって崩れて、発症する。原因は環境的なストレスであることも、

全く該当するストレスが存在しない場合も、様々です。


ただ「うつ病」は「心の病」で心は身体と別で、根性がないからうつ病になる、というのは、

最も野蛮で、無教養な誤解です。


膵臓のランゲルハンス島という細胞から分泌されるはずの「インスリン」というホルモンが

何らかの原因で不足すると糖尿病になります。

うつ病も似たような化学物質のアンバランスが、胴体の腹部ではなくて、脳で起きているだけです。


その意味で、人々が「心の病」と呼んでいるものは、脳という臓器の病であり、心の病は身体の病です。

そう考えれば、誰でもなり得る。実際に職場や学校や家庭のストレスなどが特にないのに発症する「内因性うつ病」が

あるのです。

うつ病になって精神科を受診することは恥ずかしいことではありません。

抗うつ薬を怖がって、カウンセリングで治したいという方が多いけど、臨床心理士は国家資格ではない、民間資格です。

臨床心理士は医師ではない。医療行為ではないから、健康保険は勿論適用されません「人生相談」や「占い」と同じ事です。

大抵どこも予約で一杯で、初めてのカウンセリングまで1ヶ月もまたされ、30分で5,000円取られるのはザラです。

そして、カウンセラーとの相性によっては、余計に症状が悪化します。誰とは言いませんが、

私は実際にそういう例をしっています。


抗うつ薬を飲み続けると廃人になるかどうか。

私の3,300本の記事は、全て抗うつ剤を飲み始めた後つまり、うつ病になってから書いたものです。

10数年、抗うつ薬を飲んでいますが、抗うつ薬で廃人になるかどうか、この文章でご判断頂きたいと思います。

早期に適切な治療を行うこと」、とは、簡易チェックで抑うつ状態を認識し、抑うつ状態ならば、

早く精神科を受診することです。

うつ病ではありません、と言われるかも知れないですが、それはその方が良い訳ですし、

うつ病だったとしても、私を見て下さい。うつ病自体で死ぬこともないし、思考力が無くなるわけでもない。

早く治療すれば、早く治る可能性が高い、ということを今一度繰り返して、筆を擱きます。


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2012.10.04

「あさイチ 「やめたいのにやめられない 強迫性障害」←こんなの、珍しい症例ではありません。

◆NHK総合テレビ「あさイチ」10月3日放送分の説明文。

「やめたいのにやめられない 強迫性障害」

「手を洗っても洗ってもキレイになった気がしない」「鍵を閉めたか気になって何度も確認してしまう」など、

気になり出したら止まらなくなる症状を訴える人が少なくない。これは「強迫性障害(OCD)」という

精神疾患(不安障害)かもしれない。放っておくと症状が悪化するにもかかわらず、はっきりとした原因も不明だ。

これらを軽減する方法として注目される薬物治療や認知行動療法を紹介。苦境から脱する道筋について考える。


◆コメント:徒に不安を煽り、偏見を助長するような番組構成はよろしくない。

あさイチというのはNHKの朝8時15分からの生活情報番組である。

ときどき、このような医学的な問題を取り上げる。

今日は、「強迫性障害」(「脅迫」ではない。「強く」「迫る」から「強迫」である)を取り上げていた。

ということは知っていたが、朝、見ているヒマはないので、録画しておいて、夜になって見た。


世の中「メンタルヘルス」への理解が、昔に比べればだいぶすすんでいるが、それでも一旦「精神疾患」

文字を見た途端、世の多くの人は顔色が変わるようだ。


ただでさえ、世の中には「精神疾患」「精神科」への偏見がはびこっている。

強迫神経症(と以前は言った)を取り上げるのこと自体は構わないが、

客観的に分かっていることを淡々と伝えて頂きたい。


番組を見ると、精神科の教科書どおりの典型的(古典的といってもいい)な強迫神経症の症状、

手をいくら洗っても綺麗になった気がしない。外出時に消火や施錠を何度も確かめていて、

確かめたことを覚えているのに、また、確かめずにはいられずに時間が経ってしまう、など

を、「再現VTR」で説明していたが、その間、映像のバックには何やら恐怖心を煽るような

不気味なBGMが流れる。番組の司会者も、説明する人も、必要以上に「不気味なもの」をみるような顔つきだ。


ああいうことをするから、建て前では「精神疾患への理解を深める」ことになっているが、

実際には偏見を助長するのである。


◆珍しい「病気」ではないし、治し方も分かっている。

こういう話題は、本来、医療従事者、しかも精神医療の専門家が書くことかもしれない。

私は10年以上、遷延性うつ病で大学病院に通院していることは、今まで何度書いたか分からない。

最近は、さすがになくなったが、以前はこのことを書く度に心ないメールが届いた。

曰く、

キチガイはだまっていろ。

また、うつ病自慢、自殺未遂自慢か?この死に損ないめ。

など、ひどいことをいう人がいるものだ。

私は自分の病気が自慢になる、などと考えたことは一度もないが、精神科患者であることを

敢えて書くのは、過去3300本の記事は罹患後に書いたものであり、

精神科の患者は知能が低くなるわけでもないし、論理的思考能力がなくなるわけでもない、

ということを世間に示し、多少なりとも、精神科、精神科患者、精神疾患への偏見を減じたいからである。


話がそれた。

詳しく書くこともできるが、長くなる。結論は、
強迫性障害はさほど珍しくないし、クスリで治療できる。

ということに尽きる。

何しろ10年以上、同じドクターに診て頂いている。

この先生は精神科の臨床医として約40年の経験を持つ、本当の専門はうつ病だが、

大抵の精神疾患の症例は診てきた、大ベテランである。

私は、今でも、そのベテランドクターに診て頂いているが、今までに色々な話をきいた。


いつだったか、何がきっかけか忘れたが、私が強迫神経症について質問したことがある。

先生の回答は明快だった。
ああ、強迫神経症は、結構多いですよ。全然めずらしくありません。あれは治ります。

とのこと。治療法は一種類ではないけれども、不思議なことに何十年も前から

抗うつ薬(うつ病の治療薬)として使われている、商品名「アナフラニール」(一般名:クロミプラミン)というクスリが

強迫神経症には、かなりの著効を示すそうだ。勿論、クスリというのは、向精神薬に限らず、

患者との相性があるから、これだけが選択肢ではないが、

私が強調したいのは、怯えることはない。症状が軽いウチに(これは何の病気でも同じだ)、

専門家の治療を受けなさい、ということである。治療開始が早いほど、一般的に治癒も早い。


番組では「カウンセリング」を用いた治療も紹介していた。

世間の人々は、クスリ嫌いが多く、特に「向精神薬」(狭義の向精神薬は精神科で処方される薬の総称)を

飲むようになったら、「おしまい」と勝手に決めつけている人が多いが、私は10年以上飲み続けて

廃人にもなっていないし、肝機能や腎機能に異常は認められない。


カウンセラーは一応「臨床心理士」というが、これは国家資格ではない。

民間資格である。臨床心理士は医師ではないから、クスリを処方することはできない。

カウンセリングは医療行為とはみなされないので、保健は適用されない。30分で5,000円も必要となるが、

治る保証はどこにもない。下手に相性の合わないカウンセラーに会うと症状が悪化することすら、あり得る。

最終的には、ご自分で決めるしかないが、私は精神科を薦める。

だれしも「強迫神経症」までならなくても、何度か施錠を繰り返したとか、

外出時にアイロンの電気を切ったことを確認した筈だ。

そういうことがたまにあったからと言ってもそれは治療を必要とするレベルではない。

「強迫」に限らず「神経症」とは、何かが気になって仕方が無く、気になりすぎて日常生活に

支障をきたす、ということになって初めて治療の対象となる。

強迫神経症から、より深刻な精神疾患になる、とか、まして強迫神経症自体で「死ぬ」ことはない。

とにかく、最初は嫌かもしれないが、「気になる」程度が常識の範囲を超えた、超えそうだ

と思ったら、さっさと治療(多分、アナフラニールですよ)を受けることだ。

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